JP5630905B2 - ロールコネクタ装置及びロールコネクタ断線検知装置 - Google Patents
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Description
このステアリングロールコネクタは、2枚の絶縁性のベースフィルムの間に複数本の導体線を被覆して形成される帯状のフラットケーブルと、相対的に回転自在に組み合わされた一対のハウジング(固定側の外ハウジング及び可動側の内ハウジング)とによって主に構成されており、これら一対のハウジングによって画成されるケーブル収納空間内にそのフラットケーブルが巻き締め及び巻き戻し可能に収納されている(特許文献1)。
図に示す通り、ステアリングロールコネクタ50は、ステアリングホイール51およびエアバッグ52と、ステアリングコラム53との間において、互いに電気的に接続配置されている。
この場合、例えば、自動車の前方衝突があった際には、センサ(図中54)やコントロールユニット(図中55)からの指示により、ステアリングロールコネクタ50を介して、ステアリングホイール51に装着されたエアバッグ52が電気的に動作されることとなる。
図11(a)に示す通り、フラットケーブル103は、所定の高さを内筒部108に巻回されるととともに、その巻き方向を途中でU字状に反転(図中の反転部110)させて、外筒体106の内側に巻回されて、ケーブル収納空間109内に収納されている。
このため、乗員によるステアリングホイールの右方向への操舵が行われたとき、つまり、内筒部108(内ハウジング102)が時計方向へ回転されたときには、図11(b)に示すように、フラットケーブル103の反転部110がローラ112に接触するとともに、そのローラ112を時計方向(図中Mの方向)へ押し回すこととなる。
図に示す通り、従来のフラットケーブル103は、その幅方向全ての位置(図中L)に亘って均一に各種回路の導体線(図中130)を保持している。そして、その幅方向全ての面(図中L)において、ガイド壁111と接触し、ケーブル収納空間109内における動きがガイドされることとなっている。
先述した通り、乗員による右方向への操舵が行われたときには、図11(b)に示すように、反転部110がローラ112を時計方向へ押し回すこととなり、その結果、外筒体106(外ハウジング101)及び内筒部108(内ハウジング102)に対して回転自在なベース部104が、時計方向に押されて、回転することとなる。
このため、右方向への操舵が行われたときには、フラットケーブル103とローラ112との間に摩擦が生じることがほとんどなく、操舵がスムーズに行われることとなる。
この場合、内筒部108に所定の長さ分巻回されているフラットケーブル103が、内筒部108から送り出されるため、反転部110においては、フラットケーブル103のスライド動作が生じ、フラットケーブル103とガイド壁111との間に摩擦力が発生するものの、ベース部104が反時計方向に押され、回転することとなる。
以上
また、煩雑な構成を必要とせず、断線が発生した場合であっても、フラットケーブルの断線及び交換時期を適切に判断することができる。
図1は、本発明に係るステアリングロールコネクタの主要な構成についての分解斜視図であり、フラットケーブル3、ローラ12、内筒部8、外筒体6、ベース部4およびガイド壁11を示している。
また、組み立て時において、ローラ12は、ベース部4と一体化されたピン部材12aに対して、回転自在に組み付けられることとなり、フラットケーブル3の反転部10は、ガイド壁11とピン部材12aに組み付けられたローラ12との間に配線されることとなる。
先に図1にて説明した通り、本発明に係るガイド壁11は、フラットケーブル3と接触するガイド面41と、そのガイド面41から傾斜して形成される傾斜壁面42とを備えているため、斜視図である図2(a)に示す通り、傾斜壁面42において、フラットケーブル3とガイド壁11との非接触状態が維持されることとなる。
本発明に係るステアリングロールコネクタにおいて、乗員による左方向への操舵が行われたときには、図に示す通り、反転部10がガイド壁11を反時計方向へ押し回すこととなる。
なお、以下に説明する各実施形態は、図9〜12に示す従来構成のうち、フラットケーブル103およびガイド壁111に関するものであり、他の従来構成の変更を要することなく適用可能であるため、以下、他の従来構成の説明については省略する。
従来例として図11にて述べた通り、フラットケーブル103は、ベース部104に設けられたガイド壁111に反転部110を接触させることで、ケーブル収納空間109内における動きがガイドされることとなっており、ガイド壁111と接触する部分にはその接触に伴う応力が働くこととなる。
そして、図から明らかなように、ガイド面41の長さ(図中L1)は、フラットケーブル3の幅方向の長さ(図中L2)よりも短い寸法設計とされている。
このため、図3に示す通り、フラットケーブル3にはガイド壁11と接触する接触領域33と、ガイド壁11と接触しない非接触領域34とが設けられており、非接触領域34についてのみ各種回路の導体線(図中30)を配設させた構成としている。
先に述べたように、フラットケーブル3にはガイド壁11と接触する接触領域33と、ガイド壁11と接触しない非接触領域34とが設けられているため、この第1実施形態においては、フラットケーブル3上の非接触領域34にこれら導体線(図中30)を配設させる一方、接触領域33においては各種回路の導体線を配設させないこととしている。
つまり、この第1実施形態においては、ガイド壁11との接触に伴うこれら導体線の断線を極力回避することが可能となる。
つまり、ステアリングホイールに備わる操作部の多種多様化に伴い、フラットケーブル3に配設させる各種回路の導体線が多くなった場合には、各種回路の導体線に対して断線回避の優先順位を設け、その優先順位の高い導体線から順に、可能な限り多くの本数の導体線を非接触領域34に先ず配設させ、余りの導体線を接触領域33に配設させることも可能であり、この構成については、第5実施形態として後述する。
図に示す通り、第2実施形態においては、非接触領域34において、断線検知システム(不図示)により断線の発生を検知される断線検知導体線31と、断線の発生を検知されない断線不検知導体線32とを配設させた構成とし、断線検知導体線31については、正側(図中31a)及び負側(図中31b)の2本の導体線からなる1回路分として配設させることとしている。
このため、この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、非接触領域34に導体線を配設させているため、ガイド壁11との接触に伴う断線検知導体線31及び断線不検知導体線32の断線を極力回避することができる。
そして、応力が更に大きい場合には、続けて正側導体線31aや断線不検知導体線32についても断線が生じることとなる。
よって、早急にフラットケーブル3の交換を行うことができ、断線不検知導体線32の動作不良を未然に防ぐことができる。
つまり、ステアリングホイールに備わる操作部の多種多様化に伴い、フラットケーブル3に配設させる各種回路の導体線が多くなった場合には、各種回路の導体線に対して断線回避の優先順位を設け、その優先順位の高い導体線から順に、可能な限り多くの本数の導体線を非接触領域34に先ず配設させ、余りの導体線を接触領域33に配設させることも可能であり、この構成については、第5実施形態として後述する。
また、この場合の導体線については、断線検知導体線31であるか断線不検知導体線32であるかを問わないものである。
図に示す通り、第3実施形態においては、非接触領域34において、正側導体線31aと負側導体線31bとの間に、断線不検知導体線32を配設させることとしている。
そして、応力が更に大きい場合には、続けて断線不検知導体線32についても断線が生じることとなる。
さらに、図中の矢印Aの方向から断線が発生した場合であっても、正側導体線31aの断線が検知され、断線の発生を乗員が知ることができる。
そして、早急にフラットケーブル3の交換を行うことができ、断線不検知導体線32の動作不良を未然に防ぐことができる。
図示の通り、この第4実施形態は、正側導体線31aもしくは負側導体線31bのいずれか一方(図においては負側導体線31b)を接触領域33の側端近傍に配設させるとともに、特定の断線不検知導体線32aをこれら二本の断線検知用の導体線の間に配設させた構成をしている。
このため、正側導体線31aもしくは負側導体線31bのいずれか一方の断線の報知によってフラットケーブル3の交換を行うようにすることで、所望の導体線(図中の断線不検知導体線32a)についてのみ未然に動作不良を防ぐことが可能となるものである。
そして、応力が更に大きい場合には、続けて断線不検知導体線32aについても断線が生じることとなる。
さらに、図中の矢印Aの方向から断線が発生した場合であっても、正側導体線31aの断線が検知された段階で、断線の発生を乗員が知ることができる。
上記してきた構成は、いずれも非接触領域34のみに各種回路用の導体線を配設させた構成であるが、この第5実施形態においては、接触領域33においても断線不検知導体線32を配設させた構成としている。
つまり、配設される導体線の本数について、断線の危険性が高い接触領域33に比べて、断線の危険性が低い非接触領域34の方に多く配設させることが、望ましい。
また、優先順位の低い断線不検知導体線32の一例としては、運転の安全性に直接影響を及ぼすことのないオーディオ回路用の導体線を適用させてもよい。
なお、これらは一例であり、優先順位の設計について適宜変更が可能であることは言うまでもない。
そして、当該所望の回路の導体線以外の回路の導体線の動作不良を未然に防ぐことができるものである。
例えば、断線の検知が可能なエアバッグ回路用の正側導体線およびホーン回路用の負側導体線の間に、断線不検知導体線32を配設させた構成であってもよいものである。
11 ガイド壁
31 断線検知導体線
31a 正側導体線
31b 負側導体線
32 断線不検知導体線
33 接触領域
34 非接触領域
41 ガイド面
42 傾斜壁面
Claims (9)
- 互いに相対回転が可能に組み合わされてケーブル収納空間を画成する内ハウジングおよび外ハウジングと、
前記ケーブル収納空間を介して前記内ハウジングおよび前記外ハウジングの間に配線され、複数本の導体線を導体線群として長手方向に有するフラットケーブルと、
前記ケーブル収納空間内に配置され、前記両ハウジングの相対回転によって生じる前記フラットケーブルの移動をガイドするガイド部と、を備えたロールコネクタ装置において、
前記フラットケーブルは、幅方向において、前記ガイド部が接触する所定幅の接触領域と前記ガイド部との非接触状態を維持する所定幅の非接触領域とを有しており、
前記導体線群は、前記非接触領域にのみ配置されたことを特徴とするロールコネクタ装置。 - 前記ガイド部は、前記接触領域に接触するガイド面と、そのガイド面から傾斜して形成され、前記非接触領域との非接触状態を維持する傾斜壁面と、を有することを特徴とする請求項1に記載のロールコネクタ装置。
- 互いに相対回転が可能に組み合わされてケーブル収納空間を画成する内ハウジングおよび外ハウジングと、
前記ケーブル収納空間を介して前記内ハウジングおよび前記外ハウジングの間に配線され、複数本の導体線を導体線群として長手方向に有するフラットケーブルと、
前記ケーブル収納空間内に配置され、前記両ハウジングの相対回転によって生じる前記フラットケーブルの移動をガイドするガイド部と、
前記導体線の断線が発生した際に、その断線の発生を検知する断線検知手段と、を備えたロールコネクタ断線検知装置において、
前記フラットケーブルは、幅方向において、前記ガイド部が接触する接触領域と、前記ガイド部との非接触状態を維持するとともに前記導体線群が配置された非接触領域とを有しており、
前記導体線群のうち、前記接触領域に最も近い前記導体線を前記断線検知手段により断線の発生が検知される第1の断線検知導体線とし、
前記導体線群には、前記第1の断線検知導体線とは別の第2の断線検知導体線と、断線の発生を検知されない断線不検知導体線とが更に含まれており、
少なくとも一本の前記断線不検知導体線を前記第1の断線検知導体線および前記第2の断線検知導体線により挟んだ構成を含んでいることを特徴とするロールコネクタ断線検知装置。 - 前記第1の断線検知導体線および前記第2の断線検知導体線は、前記導体線群の両側に配置されたことを特徴とする請求項3に記載のロールコネクタ断線検知装置。
- 前記第2の断線検知導体線は、前記フラットケーブルの長手方向に沿って、前記フラットケーブルの側端近傍に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のロールコネクタ断線検知装置。
- 前記第1の断線検知導体線もしくは前記第2の断線検知導体線は、エアバッグ回路用リード線であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のロールコネクタ断線検知装置。
- 前記断線不検知導体線は、前記内ハウジングに固定されたステアリングホイールの操作部と電気的に接続された補機回路用リード線であることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載のロールコネクタ断線検知装置。
- 前記補機回路用リード線は、ホーン回路用リード線であることを特徴とする請求項7に記載のロールコネクタ断線検知装置。
- 前記ガイド部は、前記接触領域に接触するガイド面と、そのガイド面から傾斜して形成され、前記非接触領域との非接触状態を維持する傾斜壁面と、を有することを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれかに記載のロールコネクタ断線検知装置。
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