JPWO2018070411A1 - 粒子径分布測定装置及び粒子径分布測定装置用プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
このようなものであれば、各粒子径の絶対的な粒子数を示す分布を確認することで、測定対象に含まれる各粒子径の粒子数を全体的に把握することができる。
そこで、前記相関データ記憶部が、複数種類の粒子径それぞれに対して得られた前記粒子数−光強度相関データを記憶していることが好ましい。
このようなものであれば、複数種類の粒子径それぞれに対して粒子数−光強度相関データを予め求めているので、これらの粒子径の少なくとも1つが、測定対象に含まれる粒子の粒子径と一致していれば、その粒子径に対応する粒子数−光強度相関データを用いて絶対的な粒子数を算出することができる。
そこで、前記既知試料の粒子径及び屈折率を用いて算出された理論光強度分布と、前記既知試料と同じ粒子径で異なる屈折率を用いて算出された理論光強度分布とに基づいて、前記粒子数−光強度相関データを補正する相関データ補正部をさらに備えることが好ましい。
このようなものであれば、相関データ補正部が粒子数−光強度相関データを屈折率に応じて補正するので、測定対象の屈折率が既知試料の屈折率と異なっている場合であっても、測定対象の屈折率に応じて補正された適切な粒子数−光強度相関データを用いて粒子数を算出することができる。これにより、測定対象中のある粒子径の粒子数と、その粒子径に対して算出された粒子数との差を小さくすることができる。
このような粒子径分布測定装置用プログラムであれば、上述した粒子径分布測定装置と同様の作用効果を発揮させることができる。
粒子数と特定の拡がり角度の光強度との相関を示す粒子数−光強度相関データを予め既知試料を用いて求めてあるので、この粒子数−光強度相関データと、測定対象中の特定粒子径の粒子に起因する光強度とに基づいて、測定対象に含まれる特定粒子径の粒子数を算出することが可能となる。
X ・・・測定対象
21 ・・・実光強度分布取得部
22 ・・・理想光強度分布記憶部
23 ・・・粒子径分布算出部
24 ・・・相関データ記憶部
25 ・・・特定粒子径光強度算出部
26 ・・・粒子数算出部
27 ・・・分布変換部
28 ・・・相関データ補正部
なお、セル11は、本実施形態では、バッチ式セルを用いているが、循環式セルを用いても構わない。
本実施形態の理想光強度分布記憶部22は、複数種類の粒子径それぞれに対して算出された各理想強度分布データを記憶している。ここでは説明の便宜上、少なくとも10nm、500nm、及び1μmの粒子径に対して算出された理想光強度分布データが記憶されているものとする。
この粒子径分布は、図3に示すように、ある粒子径の粒子が粒子群全体に対して占める割合(以下、頻度ともいう)を表すものであり、一方の軸を粒子径、他方の軸を頻度に設定されたグラフ上に表される。ここでは、頻度をパーセンテージで表しており、言い換えれば粒子径分布は各粒子径の粒子数を相対的に表したものといえる。
既知試料は、含まれる粒子の粒子径がある程度揃った単分散の試料である。ここでは既知試料として、単位体積当たりに含まれる粒子数(個数濃度)が既知で、且つ、粒子径のそろった例えばポリスチレンラテックス球(PSL)を用いている。すなわち、上述した検量線は、粒子径が同じ複数の単分散試料において、粒子数を互いに異ならせたものそれぞれに光を照射して、得られた光強度分布の積算値を各粒子数に対してプロットすることにより作成されたものである。
粒子数−光強度相関データは、予め実験などで求めておき、相関データ記憶部24に記憶させてある。本実施形態の相関データ記憶部24は、複数種類の粒子径それぞれに対して得られた粒子数−光強度相関データを記憶している。ここでは説明の便宜上、少なくとも500nm、10nm、及び1μmの既知試料を用いて得られた3つの粒子数−光強度相関データが記憶されている。
この実験では、既知試料として粒子径が10μmのポリスチレンラテックス球(PSL)を用いており、個数濃度が互いに異なる9種類の既知試料を使用した。
そして、各既知試料に光を照射して得られた光強度分布の積算値とそれぞれの個数濃度とをプロットしたものが、図5に示すグラフである。
この実験結果から、粒子数と光強度分布の積算値との間には線形性の良い相関があることが分かる。
そこで、特定粒子径光強度算出部25は、上記の割合を実光強度分布の積算値I0に掛け合わせて、特定の粒子径の粒子に依存する光強度(以下、特定粒子径光強度積算値)を算出する。言い換えれば、特定粒子径光強度算出部25は、図6に示すように、実光強度分布に含まれる特定粒子径の理想光強度分布の積算値を、特定粒子径光強度として算出している。具体的にここでは、上記の割合として粒子径分布算出部23により算出された頻度を用いており、特定粒子径の頻度を実光強度分布の積算値I0に掛け合わせた値を特定粒子径光強度積算値としている。
なお、実光強度分布の積算値は、必ずしも全チャンネルに亘って光強度を積算した値には限らず、例えば一部のチャンネル(ファーストボトムよりも拡がり角度が小さい又は大きい位置にあるチャンネル)の光強度を積算した値や、ノイズの生じているチャンネルを除いて光強度を積算した値としても良い。
具体的には、図7に示すように、例えば特定粒子径光強度算出部25が測定対象Xに含まれる500nmの粒子に起因する特定粒子径光強度積算値Iaを算出した場合、粒子数算出部26は、500nmの既知試料を用いて得られた粒子数−光強度相関データを用いて、特定粒子径光強度積算値Iaに対応する粒子数Naを求める。
なお、粒子数算出部26としては、複数種類の粒子径それぞれに対して粒子数を算出する必要はなく、少なくとも1種類の粒子径に対する粒子数を算出するものであれば良い。
具体的にこの分布変換部27は、粒子数を相対的に表した分布における他方の軸を、頻度(パーセンテージ)から粒子数(個数濃度)に変換する。そして、この他方の軸として設定された粒子数が、粒子数算出部26により算出された各粒子径(ここでは、500nm、10nm、1μm)の粒子数Na、Nb、Ncとなるように分布形状を変形させる。なお、粒子数算出部26により算出された粒子径以外の粒子径の粒子数については、ここでは例えば補間により算出されている。
これにより、各粒子径の粒子数を相対的に表した分布は、各粒子径の粒子数を絶対的に表した分布に変換され、変換後の粒子径分布は例えばディスプレイ等に出力される。
このことから、粒子数−光強度相関データを得るために用いられた既知試料の屈折率と測定対象Xの屈折率とが異なる場合、その粒子数−光強度相関データは測定対象Xに含まれる特定粒子径の粒子数を算出するためには適切なデータであるとはいえない。したがって、この粒子数−光強度相関データを用いて粒子数を算出すると、算出された粒子数と測定対象Xに含まれる実際の粒子数との間で誤差が生じてしまう。
また、相関データ補正部28は、既知試料の屈折率nyと粒子径500nmを用いて得られる理想光強度分布の積算値Iyを算出する。
そして、このように粒子数(個数濃度)を算出することで、例えば換算式などを用いて、測定対象Xの全体に含まれる特定粒子径の全粒子数や、測定対象Xに含まれる特定粒子径の粒子の濁度又は体積濃度など、特定粒子径の粒子に関する絶対的な値を知ることができる。
また、複数の粒子数−光強度相関データを用いることができる場合は、より正確に粒子数や粒子数を絶対的に表した分布を算出すべく、用いることのできる粒子数−光強度相関データを全て用いても良いし、粒子数を相対的に表した粒子径分布のモード径(最頻径)に最も近い粒子径に対応する粒子数−光強度相関データを用いても良い。
具体的には、例えば粒子径が500nmで粒子数(個数濃度)がC1、C2、C3の3つの既知試料それぞれに光を照射して光強度分布を測定し、これらの光強度分布の特定チャンネル(例えばCh1)の光強度I11、I12、I13と、各既知試料の粒子数(個数濃度)C1、C2、C3とをプロットして得られる検量線が、500nmの既知試料を用いて得られる粒子数−光強度相関データに含まれている。
ここでは、少なくとも500nm、10nm、及び1μmの既知試料を用いて得られた3つの検量線が粒子数−光強度相関データとして記憶されている。
この実験では、既知試料として粒子径が10μmのポリスチレンラテックス球(PSL)を用いており、個数濃度が互いに異なる9種類の既知試料を使用した。
そして、各既知試料に光を照射して得られた10μmに対応する特定チャンネルの光強度とそれぞれの個数濃度とをプロットしたものが、図10に示すグラフである。
この実験結果から、粒子数と特定チャンネルの光強度との間には線形性の良い相関があることが分かる。
具体的には、図11に示すように、例えば特定粒子径光強度算出部25が測定対象Xに含まれる500nmの粒子に起因する特定粒子径光強度Iaを算出した場合、粒子数算出部26は、500nmの既知試料を用いて得られた粒子数−光強度相関データを用いて、特定粒子径光強度Iaに対応する粒子数Naを求める。ここでは、500nm、10nm、及び1μmそれぞれの特定粒子径光強度Ia、Ib、Icに基づき、測定対象Xに含まれる500nm、10nm、及び1μmそれぞれの粒子数Na、Nb、Ncを求めている。
そして、前記実施形態と同様に、分布変換部27が、粒子数算出部26により算出された粒子数Na、Nb、Ncと、粒子径分布データとに基づいて、粒子径分布データが示す粒子径分布を、各粒子径の粒子数を相対的に表した分布から、各粒子径の粒子数を絶対的に表した分布に変換する。
も良く、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
Claims (8)
- 測定対象である粒子群に光を照射し、その回折/散乱光の光強度を示す光強度信号に基づいて前記粒子群の粒子径分布を算出する粒子径分布測定装置であって、
前記光強度信号から得られる実光強度分布と、粒子径から算出される理論光強度分布とに基づいて、前記測定対象に含まれる特定粒子径の粒子に起因する光強度を算出する特定粒子径光強度算出部と、
前記特定粒子径の粒子数が既知である複数の既知試料を用いて得られるデータであり、前記各既知試料に含まれる前記特定粒子径の粒子数と、前記各既知試料から得られた光強度分布の積算値との相関を示す粒子数−光強度相関データを記憶する相関データ記憶部と、
前記特定粒子径光強度算出部により算出された光強度と、前記粒子数−光強度相関データとに基づいて、前記測定対象に含まれる前記特定粒子径の粒子数を算出する粒子数算出部とを備える粒子径分布測定装置。 - 前記粒子数算出部により算出された前記特定粒子径の粒子数に基づいて、前記粒子径分布を、前記測定対象に含まれる各粒子径の粒子数を相対的に表した分布から、その粒子数を絶対的に表した分布に変換する分布変換部を備える請求項1記載の粒子径分布測定装置。
- 前記相関データ記憶部が、複数種類の粒子径それぞれに対して得られた前記粒子数−光強度相関データを記憶している請求項1記載の粒子径分布測定装置。
- 前記既知試料の粒子径及び屈折率を用いて算出された理論光強度分布と、前記既知試料と同じ粒子径で異なる屈折率を用いて算出された理論光強度分布とに基づいて、前記粒子数−光強度相関データを補正する相関データ補正部をさらに備える請求項1記載の粒子径分布測定装置。
- 前記測定対象が、液体中に含まれる気泡粒子である請求項1記載の粒子径分布測定装置。
- 測定対象である粒子群に光を照射し、その回折/散乱光の光強度を示す光強度信号に基づいて前記粒子群の粒子径分布を算出する粒子径分布測定装置に搭載されるプログラムであって、
前記光強度信号から得られる実光強度分布と、粒子径から算出される理論光強度分布とに基づいて、前記測定対象に含まれる特定粒子径の粒子に起因する光強度を算出する特定粒子径光強度算出部と、
前記特定粒子径の粒子数が既知である複数の既知試料を用いて得られるデータであり、前記各既知試料に含まれる前記特定粒子径の粒子数と、前記各既知試料から得られた光強度分布の積算値との相関を示す粒子数−光強度相関データを記憶する相関データ記憶部と、
前記特定粒子径光強度算出部により算出された光強度と、前記粒子数−光強度相関データとに基づいて、前記測定対象に含まれる前記特定粒子径の粒子数を算出する粒子数算出部としての機能をコンピュータに発揮させる粒子径分布測定装置用プログラム。 - 測定対象である粒子群に光を照射し、その回折/散乱光の光強度を示す光強度信号に基づいて前記粒子群の粒子径分布を算出する粒子径分布測定装置であって、
前記光強度信号から得られる実光強度分布と、粒子径から算出される理論光強度分布とに基づいて、前記測定対象に含まれる特定粒子径の粒子に起因する光強度を算出する特定粒子径光強度算出部と、
前記特定粒子径の粒子数が既知である複数の既知試料を用いて得られるデータであり、前記各既知試料に含まれる前記特定粒子径の粒子数と、前記各既知試料から得られた光強度分布における特定の拡がり角度の光強度との相関を示す粒子数−光強度相関データを記憶する相関データ記憶部と、
前記特定粒子径光強度算出部により算出された光強度と、前記粒子数−光強度相関データとに基づいて、前記測定対象に含まれる前記特定粒子径の粒子数を算出する粒子数算出部とを備える粒子径分布測定装置。 - 測定対象である粒子群に光を照射し、その回折/散乱光の光強度を示す光強度信号に基づいて前記粒子群の粒子径分布を算出する粒子径分布測定装置に搭載されるプログラムであって、
前記光強度信号から得られる実光強度分布と、粒子径から算出される理論光強度分布とに基づいて、前記測定対象に含まれる特定粒子径の粒子に起因する光強度を算出する特定粒子径光強度算出部と、
前記特定粒子径の粒子数が既知である複数の既知試料を用いて得られるデータであり、前記各既知試料に含まれる前記特定粒子径の粒子数と、前記各既知試料から得られた光強度分布における特定の拡がり角度の光強度との相関を示す粒子数−光強度相関データを記憶する相関データ記憶部と、
前記特定粒子径光強度算出部により算出された光強度と、前記粒子数−光強度相関データとに基づいて、前記測定対象に含まれる前記特定粒子径の粒子数を算出する粒子数算出部としての機能をコンピュータに発揮させる粒子径分布測定装置用プログラム。
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