JP2008122208A - データ互換型粒子径分布測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子径分布データを、例えば他の機種で測定した場合の粒子径分布データに、間違えることのないように確実にかつ容易に変換できる機能を有した粒子径分布測定装置を提供する。
【解決手段】1又は異なる複数のサンプル粒子群について、変換元の粒子径分布データにおける代表粒子径を、それに対応する変換先の粒子径分布データの代表粒子径にひも付けて格納している格納部531と、ひも付けられた前記変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係に基づいて、任意の変換元粒子径分布データを受け付けたときに、その代表粒子径に対応する変換先の代表粒子径に関する値である代表粒子径関連値を算出し、その代表粒子径関連値から、変換先粒子径分布データを算出する変換先粒子径分布算出部533と、を具備させた。
【選択図】図2
【解決手段】1又は異なる複数のサンプル粒子群について、変換元の粒子径分布データにおける代表粒子径を、それに対応する変換先の粒子径分布データの代表粒子径にひも付けて格納している格納部531と、ひも付けられた前記変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係に基づいて、任意の変換元粒子径分布データを受け付けたときに、その代表粒子径に対応する変換先の代表粒子径に関する値である代表粒子径関連値を算出し、その代表粒子径関連値から、変換先粒子径分布データを算出する変換先粒子径分布算出部533と、を具備させた。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザ等を照射された粒子群から発生する散乱光強度の角度分布や散乱光強度の揺らぎなどに基づいて、当該粒子群の粒子径分布を測定する粒子径分布測定装置に関するものである。
この種の粒子径分布測定装置では、同じサンプル粒子群を測定しても、画像処理法、遠心沈降法など、測定原理が一部でも異なるものを用いれば、出力される粒子径分布に違いが生じ得る。また、同じ原理のものであってもコンピュータでの処理アルゴリズムやセンサ配置の違いなどから、機種が異なれば若干違う測定結果が出力される場合もある。
一方、産業界での粉粒体の製造・利用分野では、絶対的な粒子径はともかくとして、過去に製造・利用された実績のある粉粒体と同等の粒子径分布をもった粉粒体を得られればそれでよい、というユーザがかなりを占めている。もちろん、粒子径分布の絶対的な精度を担保できれば、それにこしたことはないが、それよりも、粒子径の相対的な安定性が重要視される場合が往々にしてあるのである。そして、そのようなユーザは、例えば、現在使用している測定装置での測定結果において粒子径分布に対する独自の規格をもうけ、当該測定装置で測定した粉粒体の粒子径分布結果が、その規格に適合しているかどうかをチェックするようなシステムを構築している。
したがって、このような分野において、同じ測定装置を使い続ける限り、絶対的な測定精度は要求されず、前述した測定原理や機種の違いによる測定結果のばらつきは、さほど問題にならない。
ところが、機種買い替えや、ライン増設などで異種の測定装置が混在する場合に、前述した測定結果のばらつきが大きな問題となってくる。このような場合には、規格そのものの作り直しや、異機種間での測定結果を統一させるためのデータ互換用ファイルを作成するといった手間のかかる作業が必要になるうえ、その互換において種々の付随的な不具合が発生し得るからである。
例えば、1つの互換用ファイルでは、1つのサンプルにしか適用できず、例えばメジアン径の異なる複数種のサンプルに対しては、十分な互換性を得ることができない。したがって各サンプル毎に互換用ファイルを作成しなければならず、その手間は膨大なものになる。また、複数の互換用ファイルを作成すると、あるサンプルを正しく測定できたとしても、その後のユーザの互換ファイル選択ミスでとんでもない測定結果を出力してしまう恐れが多分にある。
特開2005−55234号
本発明はかかる不具合に鑑みて行われたものであって、例えばある粒子径分布測定装置で得られた測定データ(すなわち粒子径分布データ)を、他の機種で測定した場合の測定データに、間違えることのないように確実にかつ容易に変換できるようにすることをその主たる所期課題としたものである。
かかる課題を解決するために本発明は次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明に係る粒子径分布測定装置は、サンプル粒子群に光を照射して発生する二次光を測定し、その測定データに基づいて前記粒子群の粒子径分布を示す粒子径分布データを算出するものであって、算出した前記粒子径分布データから、他の機種で測定して得られるべき粒子径分布データに変換する変換部を備え、その変換部が、
1又は異なる複数のサンプル粒子群について、変換元の粒子径分布データにおける代表粒子径と、それに対応する変換先の粒子径分布データの代表粒子径とをひも付けて格納している格納部と、
ひも付けられた前記変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係に基づいて、任意の変換元粒子径分布データを受け付けたときに、その代表粒子径に対応する変換先の代表粒子径に関する値である代表粒子径関連値を算出し、その代表粒子径関連値から、変換先粒子径分布データを算出する変換先粒子径分布算出部と、を備えたものであることを特徴とする。
このようなものであれば、変換元となる粒子径分布測定データを与えるだけで、その後は、格納部に格納された何点かの変換元−変換先代表粒子径の関係に基づいて自動的にその変換元粒子径分布データに適合する変換先粒子径分布データが算出されるので、ユーザの例えば変換ファイル選択ミスといった誤操作の介在する余地がなく、確実にデータ変換を行うことができる。また、格納部には、何点の変換元代表粒子径−変換先代表粒子径を予め書き込んでおけばよいので、その手間が膨大になることもない。なお、代表粒子径関連値とは、代表粒子径そのものの値も含む。
この格納部への代表粒子径の書き込みすら自動で行わせ、操作の容易化と確実化をさらに促進させるためには、前記格納部に変換元代表粒子径とそれにひも付ける変換先代表粒子径とを書き込む代表粒子径書込部をさらに備えており、その代表粒子径書込部が、対応する変換元粒子径分布データと変換先粒子径分布データとを受け付けて、それら粒子径分布データからそれぞれの代表粒子径を算出し、その代表粒子径を前記格納部に書き込むものであることが望ましい。
特に分布幅方向について、これを自在に変換できるようにするには、粒子径分布を横軸に粒子径、縦軸に頻度等の所定尺度を単位とする分布グラフで仮に表すとして、前記尺度における予め定められた複数の値にそれぞれ対応する粒子径を、前記代表粒子径として設定しておくことが望ましい。取り扱い容易な尺度としては、通過分積算度を挙げることができる。
また本発明は、粒子径分布測定装置に物理的に必ず付随するものではなく、測定の前後処理を行うためのコンピュータプログラムとしてもよい。
すなわち、所定のサンプル粒子群を一の機種で測定して得られる粒子径分布データから、他の機種で測定して得られるべき粒子径分布データに変換するためのプログラムであって、1又は異なる複数のサンプル粒子群について、変換元の粒子径分布データにおける代表粒子径を、それに対応する変換先の粒子径分布データの代表粒子径にひも付けて格納している格納部と、ひも付けられた前記変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係に基づいて、任意の変換元粒子径分布データを受け付けたときに、その代表粒子径に対応する変換先の代表粒子径に関する値である代表粒子径関連値を算出し、その代表粒子径関連値から、変換先粒子径分布データを算出する変換先粒子径分布算出部と、としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする粒子径分布測定装置用プログラムである。
このように構成した本発明によれば、測定した粒子径分布データを、例えば他の機種で測定した場合の測定データに、間違えることのないよう確実に、かつ容易に変換することができるため、粒子径分布測定装置を異機種に代えた場合や、ライン増設などで異種の測定装置が混在する場合であっても、異なる粒子径分布データを無理なく統合してそれらの互換性を図ることができるようになる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係る粒子径分布測定装置1の全体概要を示す。この粒子径分布測定装置1は、測定対象となる粒子群の粒子径分布を測定するもので、粒子群を分散させたサンプルを収容するセル2と、そのセル2内の粒子群に光(レーザ)Lを照射する光源たるレーザ装置3と、レーザLを照射された粒子群から発生する回折光及び/又は散乱光LS(請求項における二次光、以下散乱光LSという)の角度強度分布を検出する複数の散乱光検出器4(a)、4(b)(請求項における測定手段)と、それら各散乱光検出器4(a)、4(b)から出力される散乱光強度信号(請求項における測定データ)に基づいて粒子群の粒子径分布を算出する情報処理機構5と、を備えたものである。なお、この図1で符号6はレンズ、符号7は情報処理機構5の前段に設けられたADコンバータやアンプ等のインタフェース機構である。
情報処理機構5は、CPU、メモリ、入力手段、ディスプレイ、プリンタ、入出力インタフェース等を備えた汎用乃至専用のコンピュータである。このものは、前記メモリの所定領域に記憶させた所定プログラムにしたがってCPUや周辺機器等を協働させることにより、図2に示すように、粒子径分布算出部52、変換部53、代表粒子径書込部51等としての機能を発揮する。
しかして、これら各部について、この粒子径分布測定装置1の動作説明を兼ねて、以下に詳述する。
セル2にサンプルを入れ、各種条件を設定した後、測定をスタートさせると、粒子径分布算出部52が、各散乱光検出器4(a)、4(b)から出力される散乱光強度信号の値に基づいて粒子群の粒子径分布データを算出する。このときにディスプレイに出力される測定結果の一例を図3に示す。ここでは、横軸を粒子径、縦軸を頻度(%)とする第1の粒子径分布グラフG1と、横軸を粒子径、縦軸を通過分積算度(%)とする第2の粒子径分布グラフG2との2種類を同一画面に重ねて表示するようにしている。
ここから、データ互換、すなわち他の機種での測定結果に変換したいときは、ユーザが、設定メニューから例えば変換先の機種で定まる互換ファイル531(請求項における格納部に対応する)を選択し、互換ボタンをクリックする。このことにより、変換部53によるデータ変換が行われ、図4に示すような変換結果を示すウィンドウがディスプレイに表示される。なお、互換ファイル531は、変換元の機種と変換先の機種との組み合わせ毎に生成されている。
そこで、この変換部53による変換動作を、以下により詳細に説明する。
メモリの所定領域には、図5に示すような互換ファイル531が予め形成してあり、その互換ファイル531には、変換元及び変換先の粒子径分布データの代表粒子径がそれぞれひも付けられて格納されている。代表粒子径とは、ここでは、予め定められた複数の通過分積算度にそれぞれ対応する粒子径からなるものであり、より具体的には、通過分積算度10%に対応する粒子径(以下、D10や代表小粒子径ともいう)、通過分積算度50%に対応する粒子径(以下、メジアン径やD50あるいは代表中央粒子径ともいう)、通過分積算度90%に対応する粒子径(以下、D90や代表大粒子径ともいう)の3つからなる。言い換えれば、代表粒子径とは、粒子径分布データを積算分布グラフ形式で表示したときの、グラフ上の所定各点における粒子径のことである。したがって、グラフの尺度を、頻度や平均径、標準偏差などに変えれば、それぞれ相応に代表粒子径の意義も変わる。またここでは、代表粒子径を3点特定しているが、その数をさらに増加させてもよい。
ところで、この互換ファイル531には、1又は互いに異なる粒子径分布をもつ複数のサンプル粒子群について、それぞれの代表粒子径を組にして格納できるように構成されている。具体的には、ディスプレイ上で、異なる粒子径分布を有したサンプル粒子群毎に行を変えて、変換元、変換先に係るそれぞれの代表粒子径を記載できるようにしてある。
この互換ファイル531への書き込みは、ユーザによる手入力でも可能であるし、変換先、変換元双方の粒子径分布データだけを与えて、あとは自動書き込みさせることも可能である。キーボードなどの操作によりユーザが手入力をした場合には、代表粒子径書込部51がその値を受け付けて互換ファイル531へ書き込む。既知のあるいは測定した変換先、変換元の粒子径分布データを他のコンピュータや記録メディアなどから与えた場合は、その粒子径分布データを代表粒子径書込部51が取得し、そこから代表粒子径を算出して、前記互換ファイル531に書き込む。
ところで、入力ミスや、誤った粒子径分布データが与えられて、誤りのある互換ファイル531が生成されることをできるだけ防止するために、この実施形態では、チェック部534をさらに設け、互換ファイル内容の明らかな誤りを自動検出することができるようにしている。
このチェック部534は、代表粒子径が新たに書き込まれたときに、2つの点をチェックする。1つは、各行のD50変換元の大小関係とD50変換先の大小関係が、どの2行で比べても一致しているかどうかである。もう1つは、行単位でのチェックで、変換元D10<変換元D50<変換元D90 かつ 変換先D10<変換先D50<変換先D90 であるかどうかである。これらが全て満たされていなければ、警告表示をしたり、互換ファイルへの書込みを禁止したりする。
このようにして互換ファイル531が設定されると、その互換ファイル531の内容に基づいて変換関数生成部532が変換関数を生成する。この変換関数は、前記代表中央粒子径を移動させる代表中央粒子径変換関数と、その代表中央粒子径より小粒子径側の分布幅を変換する小粒子径側変換関数と、前記中央粒子径よりも大粒子径側の分布幅を変換する大粒子径側変換関数とからなるもので、請求項における「変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係」に相当する。
まず、中央粒子径変換関数から説明する。変換関数生成部532は、互換ファイル531の表の各行に記載されている変換元の代表中央粒子径(図5では変換元D50と表示している)と、変換先の代表中央粒子径(図5では変換先D50と表示している)の値を、図6のように対数―対数でプロットし、それぞれの点を直線で結んだ関数を生成する。この直線が中央粒子径変換関数である。この関数に、変数として任意の変換元の代表中央粒子径を代入してやれば、それに対応する変換先の代表中央粒子径が算出できる。なお、この中央粒子径変換関数の生成においては、測定下限(0.01μm)と測定上限(3000μm)の2点を不変端点、すなわち変換元と変換先の値が変わらない端点として必ず使用するので、たとえ行が一行で、1組の変換元代表中央粒子径−変換先代表中央粒子径しか互換ファイル531に記載されていなくとも、この中央粒子径変換関数を用いて、測定下限から測定上限までにわたる代表中央粒子径をカバーして変換することができる。
次に、小粒子径側変換関数について説明する。変換関数生成部532は、互換ファイル531の各行に記載されている変換元の代表中央粒子径と代表小粒子径との対数での差分(以下、変換元分布幅ともいう)と、それに対応する変換先の代表中央粒子径と代表小粒子径との対数での差分(以下、変換先分布幅ともいう)との比(以下分布幅比ともいう)Rを縦軸、変換元の代表中央粒子径を横軸とするグラフ上にプロットする(図7参照)。なお、前記分布幅比Rを式で表すと以下のようになる。
R=(logD50T−logD10T)/(logD50O−logD10O)
ここで、添え字Tは変換先、添え字Oは変換元を表す。
R=(logD50T−logD10T)/(logD50O−logD10O)
ここで、添え字Tは変換先、添え字Oは変換元を表す。
そして、それぞれの点を直線で結んだ関数を生成する。この直線が小粒子径側変換関数である。この関数に、変数として任意の変換元代表中央粒子径及び代表小粒子径を代入してやれば、すなわち、変換元分布幅を代入してやれば、変換先分布幅を算出することができる。なお、この小粒子径側変換関数の生成においては、測定下限(0.01μm)と測定上限(3000μm)の2点を不変端点、すなわち比Rが常に1である端点として必ず使用するので、例え行が一行、すなわち1組の変換元代表小粒子径−変換先代表小粒子径しか互換ファイルに記載されていなくとも、この小粒子径側変換関数を用いて、測定下限から測定上限までの代表粒子径をカバーして変換することができる。
大粒子径側変換関数については、前記小粒子径側変換関数で用いた代表小粒子径を代表大粒子径に代えればよいだけで、その他は同じであるので、説明は省略する。
このような状況下、図示しない互換ボタンをユーザがクリックすると、変換先粒子径分布算出部533は、粒子径分布算出部52で算出されている粒子径分布データを読み込み、この粒子径分布測定データの代表粒子径、すなわち代表中央粒子径、代表小粒子径、代表大粒子径を算出する。
そして、変換先粒子径分布算出部533は、それら各代表粒子径を前記変換関数に代入して、変換先の粒子径分布データに係る代表粒子径関連値、すなわち代表中央粒子径、小粒子径側の分布幅比及び大粒子径側の分布幅比を算出する。
さらに変換先粒子径分布算出部533は、これら代表中央粒子径、小粒子径側の分布幅比及び大粒子径側の分布幅比の3つのパラメータを用いて、以下<1><2>の式で算出される積算分布に基づき、粒子径カラム番号nにおける頻度分布を示す変換先粒子径分布データを算出する。このようにして、前述したように、変換部53によるデータ変換が行われ、図4に示すような変換結果を示すウィンドウがディスプレイに表示される。なお、粒子径カラムとは、粒子径分布の最小単位幅のことであり、nは小径側から付与される番号である。
<1>変換先D50より小径部分での積算分布(n)について:
積算分布(n)=粒子径(10^A)における、変換元の粒子径分布での積算分布値
ここで、A=log(変換元D50)−B
B={log(変換先D50)−log(境界粒子径(n))}/小粒子径側の分布幅
積算分布(n)=粒子径(10^A)における、変換元の粒子径分布での積算分布値
ここで、A=log(変換元D50)−B
B={log(変換先D50)−log(境界粒子径(n))}/小粒子径側の分布幅
<2>変換先D50より大径部分での積算分布(n)について:
積算分布(n)=粒子径(10^A)における、変換元の粒子径分布での積算分布値
ここで、A=log(変換元D50)+B
B={log(境界粒子径(n))−log(変換先D50)}/大粒子径側の分布幅
積算分布(n)=粒子径(10^A)における、変換元の粒子径分布での積算分布値
ここで、A=log(変換元D50)+B
B={log(境界粒子径(n))−log(変換先D50)}/大粒子径側の分布幅
しかして、このような構成によれば、変換元となる粒子径分布測定データを与えるだけで、その後は互換ファイル531に格納された何点かの変換元−変換先代表粒子径の関係に基づき、自動的にその変換元粒子径分布データに適合する変換先粒子径分布データが算出されるので、ユーザの誤選択操作による変換ミスなどなく、確実にデータ変換を行うことができる。
また、測定範囲の両端点を不変点として必ず利用し、その間の1点さえ定めれば、測定範囲全域に亘る変換関数が生成されるようにしているので、互換ファイル531には、少なくとも1点の変換元代表粒子径−変換先代表粒子径を予め書き込んでおきさえすれば、測定可能範囲内においてどのような変換元代表粒子径が入力されても、それを変換することができる。したがって、互換ファイル531への入力の手間が膨大になることもない。その一方で、互換ファイル531に複数の変換元代表粒子径−変換先代表粒子径を入力することもできるので、粒子径分布での広いレンジで、すなわち異なる多数のサンプル粒子群それぞれについて、変換精度を向上させることもできる。
また、測定によって得られた粒子径分布データをそのまま利用して互換ファイル531への書き込みもできるので、この点においてもユーザに負担をかけることを軽減できる。
さらにこの実施形態では、分布幅を変換するための変換関数を大粒子径側と小粒子径側に2つ有しており、大粒子径側と小粒子径側の各分布幅を独立して変換させることができるので、分布幅に対する変換自由度あるいは変換精度に特に優れている。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、粒子径カラムごとに頻度や積算度などの尺度の値を変える尺度変換部をさらにを付加してもよい。具体的にこの尺度変換部は、粒子径カラムごとの変換比が記載されている図8に示すような第2互換ファイルから、前述した変換先粒子径分布データを、さらに変換して最終結果とする。このような機能を付加することで、尺度幅に対する変換自由度もさらに向上し、全体として非常に精度の高い変換が可能になる。
また、分布幅の変換につき、前記変換関数として、代表中央粒子径を中心として小粒子径側変換関数と大粒子径側変換関数の2種を設けていたが、これをさらに細分化しても構わない。さらに、前記実施形態での変換関数は、予め与えられた各点を直線で結んだ線形関数であったが、各点を利用して2次関数やスプライン関数などを生成し、その関数をもって変換関数としてもよい。
加えて、互換ファイルから最終的な変換先粒子径分布データを得る算出手順や式は、前記実施形態に限られず、種々の他の手順で行う事も可能である。
また、本発明のプログラムを汎用コンピュータなどに移植して、粒子径分布測定装置とは別個の、粒子径分布変換装置などとすることも可能であるし、動的散乱光式粒子径分布測定装置など、他の原理の粒子径分布測定装置に適用することも可能である。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能である。
1・・・粒子径分布測定装置
L・・・光
LS・・・二次光(散乱光)
51・・・代表粒子径書込部
53・・・変換部
531・・・格納部(互換ファイル)
533・・・変換先粒子径分布算出部
L・・・光
LS・・・二次光(散乱光)
51・・・代表粒子径書込部
53・・・変換部
531・・・格納部(互換ファイル)
533・・・変換先粒子径分布算出部
Claims (5)
- サンプル粒子群に光を照射して発生する二次光を測定し、その測定データに基づいて前記粒子群の粒子径分布を示す粒子径分布データを算出する粒子径分布測定装置において、
算出された粒子径分布データを、他の機種で測定して得られるべき粒子径分布データに変換する変換部を備え、
その変換部が、
1又は異なる複数のサンプル粒子群について、変換元の粒子径分布データにおける代表粒子径と、変換先の粒子径分布データの代表粒子径とをひも付けて格納している格納部と、
ひも付けられた前記変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係に基づいて、任意の変換元粒子径分布データを受け付けたときに、その代表粒子径に対応する変換先の代表粒子径に関する値である代表粒子径関連値を算出し、その代表粒子径関連値から変換先粒子径分布データを算出する変換先粒子径分布算出部と、を備えたものである粒子径分布測定装置。 - 粒子径分布が、横軸に粒子径、縦軸に頻度等の所定尺度を単位とした分布グラフで表すことのできるものであって、前記代表粒子径が、前記尺度における予め定められた複数の値にそれぞれ対応する粒子径からなるものである請求項1記載の粒子径分布測定装置。
- 前記尺度が、通過分積算度である請求項2記載の粒子径分布測定装置。
- 変換元代表粒子径とそれにひも付ける変換先代表粒子径とを、前記格納部に書き込む代表粒子径書込部をさらに備えており、その代表粒子径書込部が、対応する変換元粒子径分布データと変換先粒子径分布データとを受け付けて、それら粒子径分布データからそれぞれの代表粒子径を算出し、その代表粒子径を前記格納部に書き込むものである請求項1乃至3いずれか記載の粒子径分布測定装置。
- 所定のサンプル粒子群を一の機種で測定して得られる粒子径分布データから、他の機種で測定して得られるべき粒子径分布データに変換するためのプログラムであって、
1又は異なる複数のサンプル粒子群について、変換元の粒子径分布データにおける代表粒子径を、変換先の粒子径分布データの代表粒子径にひも付けて格納している格納部と、
ひも付けられた前記変換先代表粒子径と変換元代表粒子径との関係に基づいて、任意の変換元粒子径分布データを受け付けたときに、その代表粒子径に対応する変換先の代表粒子径に関する値である代表粒子径関連値を算出し、その代表粒子径関連値から変換先粒子径分布データを算出する変換先粒子径分布算出部と、としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする粒子径分布測定装置用プログラム。
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