JP5973234B2 - ガス濃度算出方法およびガス検出装置 - Google Patents
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例えば、低濃度域用測定レンジおよび高濃度域用測定レンジの2つの測定レンジが設定されたガス検出装置においては、図2を参照して説明すると、当該ガスセンサについてゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値と、各々の測定レンジにおけるフルスケール値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるスパン出力値(SpL,SpH)とに基づいて、各々の測定レンジについて検量線(図2における破線で示す直線(a)が高濃度域用検量線データ、図2における二点鎖線で示す直線(b)が低濃度域用検量線データである。)が設定されている。
ガス濃度の算出にあっては、例えば低濃度域用測定レンジ(Low)のフルスケール濃度値(SpL)が閾値として設定され、被検ガスについてガスセンサによって取得されるセンサ出力値(R)が当該閾値以下である場合には、低濃度域用検量線データ(b)が利用されてガス濃度が算出され、一方、当該センサ出力値(R)が当該閾値を超える場合には、高濃度域用検量線データ(a)が利用されてガス濃度が算出される。
前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジのフルスケール濃度値の大きさとの関係で設定された前記低濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第1のスパン出力値が閾値として設定されていると共に、
前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値と前記第1のスパン出力値とに基づいて設定される低濃度域用検量線データ、および、当該第1のスパン出力値と、前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第2のスパン出力値とに基づいて設定される高濃度域用検量線データが設定されており、
被検ガスについて前記ガスセンサにより取得されるセンサ出力値が当該閾値以下である場合には、前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値が演算処理上のゼロ点とされ、前記低濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度が算出され、当該センサ出力値が当該閾値を超える場合には、当該閾値が演算処理上のゼロ点とされ、前記高濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度が算出されることを特徴とする。
前記低濃度域用測定レンジがppmオーダーの分解能で設定される。
前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジのフルスケール濃度値の大きさとの関係で設定された前記低濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第1のスパン出力値が閾値として設定されていると共に、
前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値と前記第1のスパン出力値とに基づいて設定される低濃度域用検量線データ、および、当該第1のスパン出力値と、前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第2のスパン出力値とに基づいて設定される高濃度域用検量線データが設定されており、
前記ガス濃度算出機構は、被検ガスについて前記ガスセンサにより取得されるセンサ出力値が当該閾値以下である場合には、前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値を演算処理上のゼロ点とし、前記低濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度を算出し、当該センサ出力値が当該閾値を超える場合には、当該閾値を演算処理上のゼロ点とし、前記高濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度を算出する機能を有することを特徴とする。
低濃度域用測定レンジがppmオーダーの分解能で設定された構成とすることができる。
図1は、本発明のガス検出装置の一例における構成の概略を示すブロック図である。
このガス検出装置は、ガスセンサ11を具えたガス検知機構10と、このガス検知機構10におけるガスセンサ11からのガス検知信号に基づいて検知対象ガスのガス濃度を算出するガス濃度算出機構20と、ガス濃度の算出に係るデータが記録されたメモリ(図示せず)とを具えている。このガス検出装置においては、高濃度の検知対象ガスを検出するための高濃度域用測定レンジおよび低濃度の検知対象ガスを検出するための低濃度域用測定レンジの2つの測定レンジが設定されている。ここに、高濃度域用測定レンジは、例えば%LELオーダーの分解能で設定され、低濃度域用測定レンジは、例えばppmオーダーの分解能で設定される。
先ず、ガスセンサ11のゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値をゼロ点出力値としてメモリに記録する。
また、規定濃度(低濃度域用測定レンジ(Low)におけるフルスケール濃度値例えば2000ppm)の可燃性ガス(検知対象ガス)を含むスパン校正用ガスによって、ガスセンサ11のスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値を第1のスパン出力値SpLとしてメモリに記録する。
さらに、規定濃度(高濃度域用測定レンジ(High)におけるフルスケール濃度値例えば100%LEL)の可燃性ガス(検知対象ガス)を含むスパン校正用ガスによって、ガスセンサのスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値を第2のスパン出力値SpHとしてメモリに記録する。
そして、当該ガスセンサ11についての低濃度域用測定レンジの範囲における低濃度域用検量線データ(図2における線分(c))を、ゼロ点出力値と第1のスパン出力値SpLとに基づいて取得すると共に、高濃度域用測定レンジの範囲における高濃度域用検量線データ(図2における線分(d))を第1のスパン出力値SpLと第2のスパン出力値SpHに基づいて取得し、これにより得られた、当該ガスセンサ11についての検量線データをメモリに記録する。
具体的には例えば、図2に示すように、ガスセンサ11により取得されるセンサ出力値Rが、閾値として設定された第1のスパン出力値SpL以下である場合には、ゼロ点出力値を演算処理上のゼロ点として低濃度域用検量線データ(c)に基づいてガス濃度が算出される。一方、センサ出力値Rが閾値として設定された第1のスパン出力値SpLより高い場合には、第1のスパン出力値SpLを演算処理上のゼロ点(このときのガス濃度X)として高濃度域用検量線データ(d)に基づいてガス濃度が算出される。すなわち、センサ出力値Rの第1のスパン出力値SpLに対する出力変化量ΔRに応じたガス濃度変化量ΔXが算出されてガス濃度(X+ΔX)が算出される。
従って、このような方法によってガス濃度が算出される上記のガス検出装置によれば、ガス検出結果に高い信頼性を得ることができる。
11 ガスセンサ
20 ガス濃度算出機構
21 増幅手段
22 A/D変換手段
23 演算手段
Claims (6)
- 検知対象ガスについて設定された高濃度域用測定レンジおよび低濃度域用測定レンジのいずれかの測定レンジが、ガスセンサにより取得されるセンサ出力値に基づいて、選択されて、当該検知対象ガスのガス濃度が算出されるガス濃度算出方法であって、
前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジのフルスケール濃度値の大きさとの関係で設定された前記低濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第1のスパン出力値が閾値として設定されていると共に、
前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値と前記第1のスパン出力値とに基づいて設定される低濃度域用検量線データ、および、当該第1のスパン出力値と、前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第2のスパン出力値とに基づいて設定される高濃度域用検量線データが設定されており、
被検ガスについて前記ガスセンサにより取得されるセンサ出力値が当該閾値以下である場合には、前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値が演算処理上のゼロ点とされ、前記低濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度が算出され、当該センサ出力値が当該閾値を超える場合には、当該閾値が演算処理上のゼロ点とされ、前記高濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度が算出されることを特徴とするガス濃度算出方法。 - 前記高濃度域用測定レンジが%LELオーダーの分解能で設定され、
前記低濃度域用測定レンジがppmオーダーの分解能で設定されることを特徴とする請求項1に記載のガス濃度算出方法。 - ガスセンサとして可燃性ガスセンサが用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス濃度算出方法。
- ガスセンサと、検知対象ガスのガス濃度を当該ガスセンサにより取得されるセンサ出力値に基づいて算出するガス濃度算出機構とを具え、高濃度域用測定レンジおよび低濃度域用測定レンジの2つの測定レンジが設定されたガス検出装置であって、
前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジのフルスケール濃度値の大きさとの関係で設定された前記低濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第1のスパン出力値が閾値として設定されていると共に、
前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値と前記第1のスパン出力値とに基づいて設定される低濃度域用検量線データ、および、当該第1のスパン出力値と、前記ガスセンサについて、前記高濃度域用測定レンジにおけるフルスケール濃度値をスパン点としてスパン校正を行うことにより取得されるセンサ出力値である第2のスパン出力値とに基づいて設定される高濃度域用検量線データが設定されており、
前記ガス濃度算出機構は、被検ガスについて前記ガスセンサにより取得されるセンサ出力値が当該閾値以下である場合には、前記ガスセンサについて、ゼロ点出力校正を行うことにより取得されるセンサ出力値であるゼロ点出力値を演算処理上のゼロ点とし、前記低濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度を算出し、当該センサ出力値が当該閾値を超える場合には、当該閾値を演算処理上のゼロ点とし、前記高濃度域用検量線データに基づいて当該被検ガス中の検知対象ガスのガス濃度を算出する機能を有することを特徴とするガス検出装置。 - 高濃度域用測定レンジが%LELオーダーの分解能で設定されており、
低濃度域用測定レンジがppmオーダーの分解能で設定されていることを特徴とする請求項4に記載のガス検出装置。 - 前記ガスセンサが可燃性ガスセンサであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のガス検出装置。
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