JPWO2018052050A1 - クレーン - Google Patents

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Abstract

クレーンを、起伏可能かつ伸縮可能に設けられたブームと、ブームの先端部に吊るされ、先端部との距離が第一閾値以上である通常位置と、上記距離が第一閾値よりも小さい巻過位置とを取り得る主フックと、基端部に一対の脚部を有し、ブームの先端部に回動可能に支持されたジブと、ブームの起伏角およびブームの伸長量に関する情報に基づいて、クレーンが所定の状態に該当するか否かを判定し、所定の状態に該当すると判定した場合に、主フックが巻過位置に移動することを許可する制御部と、を備え、ジブの展開動作において、ジブが回動すると、巻過位置に位置する主フックがジブの一対の脚部の間を通過するように構成する。これによりジブ張出/格納作業において作業効率を向上できる。

Description

本発明は、たとえば、クレーンに関する。さらに詳しくは、張出/格納可能なジブを備えるクレーンに関する。
特許文献1には、基端ブームの先端部側面の下方に取り付けられたガイドと、ジブのほぼ中央部に取り付けられた案内ローラと、基端ブームの中央部側面の下方に取り付けられたブーム側ピン受けと、ジブの先端部に取り付けられたジブ側固定ピンとからなる機構が開示されている。
ジブ張出作業を行うには、まず、ジブ基端部とブーム先端部とを連結する。つぎに、ブームを起仰する。つぎに、ブームを僅かに伸長させると、ジブ側固定ピンが、ブーム側ピン受けから離脱する。さらにブームを伸長させると、案内ローラがガイドの斜面に沿って転動し、ジブが基端ブームの底面からゆっくりと離れる。案内ローラがガイドから完全に離脱すると、ジブは、ブーム先端部から吊り下げられた状態となる。最後に、テンションロッドに張力を発生させることによりジブを張り出す。
ジブ格納作業は、ジブ張出作業と逆の手順で行われる。ジブをブーム先端部から吊り下げた状態でブームを収縮させると、案内ローラがガイドに沿って転動する。すると、ジブが、基端ブームの底面に引き寄せられる。さらにブームを収縮させると、ジブ側固定ピンが、ブーム側ピン受けに挿入される。これにより、ジブがブームに固定される。
上述のジブ張出/格納作業では、ブーム先端部から吊り下げられた主フックを二股形状のジブ基端部にくぐらせるため、主フックを巻過状態にする必要がある。そのため、ジブ張出/格納作業中は巻過防止機能を解除する。しかし、上述の場面以外でも主フックを巻過状態にできるため、誤操作により主フックとブーム先端部とが接触して損傷する可能性がある。また、巻過防止機能を再設定し忘れた状態で通常の吊荷作業を行ってしまう場合もある。
特許文献2には、ジブ張出/格納作業においても基本的には巻過防止機能を設定したままとし、解除スイッチを押している間だけ巻過防止機能を解除する技術が開示されている。このような構成とすれば、必要な場面でのみ巻過防止機能を解除できるため、不要な場面での巻過による損傷を防止できる。また、作業員は、巻過防止機能を再設定し忘れることもない。
しかし、作業員は、解除スイッチを押したままブームの起伏や伸縮の操作を行う必要があり、操作性が悪い。しかも、主フックをジブ基端部にくぐらせる場面では、ブームが全起仰しているため、作業員はほぼ真上を見ながら操作する必要がある。作業員は、無理な姿勢で煩雑な操作をすることになるため、作業員の負担が大きく、作業効率が低下する可能性がある。
特開2000−44173号公報 特開平7−25588号公報
本発明は上記事情に鑑み、ジブ張出/格納作業において作業効率を向上できるクレーンを提供することを目的とする。
本発明にかかるクレーンの一態様は、クレーンであって、起伏可能かつ伸縮可能に設けられたブームと、ブームの先端部に吊るされ、先端部との距離が第一閾値よりも大きい通常位置と、上記距離が第一閾値以下である巻過位置とを取り得る主フックと、基端部に一対の脚部を有し、ブームの先端部に回動可能に支持されたジブと、ブームの起伏角およびブームの伸長量に関する情報に基づいて、クレーンが所定の状態に該当するか否かを判定し、所定の状態に該当すると判定した場合に、主フックが巻過位置に移動することを許可する制御部と、を備え、ジブの展開動作において、ジブが回動すると、巻過位置に位置する主フックがジブの一対の脚部の間を通過する。
本発明によれば、ジブ張出/格納作業において作業効率を向上できるクレーンを提供できる。
ジブを格納した状態の移動式クレーンの側面図である。 ジブを下抱き位置に配置した状態のジブおよびブームの左側面図である。 ジブを下抱き位置に配置した状態のジブおよびブームの右側面図である。 ガイド部材の側面図である。 第1ジブ支持部材の斜視図である。 第2ジブ支持部材の斜視図である。 制御系のブロック図である。 ジブ張出/格納作業の各段階を示すジブおよびブームの側面図である。 ジブをブーム先端部から吊り下げた状態の側面図である。 ジブを張り出した状態の側面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(移動式クレーン)
まず、本発明の一実施形態に係る移動式クレーンCの概要について説明する。移動式クレーンCは、起伏可能かつ伸縮可能に設けられたブーム14と、ブーム14の先端部に吊るされ、先端部との距離が第一閾値よりも大きい通常位置と、上記距離が第一閾値以下である巻過位置とを取り得る主フック15mと、基端部に一対の脚部16cを有し、ブーム14の先端部に回動可能に支持されたジブ16と、ブーム14の起伏角およびブーム14の伸長量に関する情報に基づいて、移動式クレーンCが所定の状態に該当するか否かを判定し、所定の状態に該当すると判定した場合に、主フック15mが巻過位置に移動することを許可する制御部62と、を備え、ジブ16の展開動作において、ジブ16が回動すると、巻過位置に位置する主フック15mがジブ16の一対の脚部16cの間を通過する。
つぎに、移動式クレーンCの基本的構造を説明する。図1に示す走行車体11は、走行のための車輪を備える。走行車体11には、旋回台12が搭載される。旋回台12は、旋回モータにより水平面内で360°旋回できる。旋回台12には、運転室13が設けられる。
旋回台12には、ブーム14が起伏自在に取り付けられる。ブーム14の基端部は、ピンにより旋回台12に枢支される。ブーム14と旋回台12との間には、起伏シリンダが取付けられる。この起伏シリンダを伸長させるとブーム14が起仰する。一方、起伏シリンダを収縮させるとブーム14が倒伏する。
ブーム14は、テレスコピック状に構成された多段式ブームであり、基端ブーム14a、中間ブーム、および先端ブーム14bからなる。ブーム14は、伸縮シリンダにより伸縮動作する。なお、ブーム14の段数は特に限定されない。ブーム14は、中間ブームのない二段式でもよいし、中間ブームを複数備えた四段以上の構成であってもよい。
ブーム14(先端ブーム14b)の先端部14cからは、主フック15mを備えた主ワイヤロープが吊り下げられる。主ワイヤロープは、ブーム14に沿って旋回台12に導かれて主巻ウインチに巻き取られている。主巻ウインチは、主巻ホイストモータの駆動により正逆回転する。主ウインチの回転方向に応じて、主ワイヤロープの巻き取りまたは繰り出しが行われて、主フック15mが上げ下げされる。
また、ブーム先端部14cに設けられたシーブ(シングルトップともいう。)からは、補助フック15aを備えた補助ワイヤロープが吊り下げられる。補助ワイヤロープは、ブーム14に沿って旋回台12に導かれて補巻ウインチに巻き取られている。補巻ウインチは、補巻ホイストモータの駆動により正逆回転する。補巻ウインチの回転方向に応じて、補助ワイヤロープの巻き取りまたは繰り出しが行われて、補助フック15aが上げ下げされる。
旋回台12の旋回、ブーム14の起伏、伸縮、フック15m、15aの上げ下げを組合せることにより、立体空間内での荷揚げと荷降ろしが可能となる。
(ジブ)
移動式クレーンCは、ジブ16を備える。ジブ16は、全体として細長い棒状部材である。ジブ16は、少なくとも基端部に、一対の脚部16cを有する。一対の脚部16c同士は、ジブ16の幅方向(図1の上下方向、図2および図3の表裏方向)において離隔する。すなわち、ジブ16の基端部16aは、二股形状である。
ブーム14の全伸長時におけるブーム長さでの揚程・作業半径よりもさらに大きな揚程・作業半径を得る場合に、ジブ16が用いられる。ジブ16は、ブーム14に対して張出/格納可能である。不使用時において、ジブ16は、ブーム14の側面に沿って格納される(図1参照)。使用時において、ジブ16は、ジブ基端部16aとブーム先端部14cとが連結された状態で、ブーム14の前方に張り出される(図10参照)。
ジブ16の先端部16bには、シーブが設けられる。ジブ16の張出状態において、補助フック15aは、ジブ先端部16bから吊り下げられる。
ジブ16には、チルトシリンダ17が搭載される。チルトシリンダ17のロッドには、テンションロッド18が接続される。また、ブーム先端部14cには、テンションロッド接続リンク19が設けられる。ジブ16の張出状態において、テンションロッド18とテンションロッド接続リンク19とが接続される(図10参照)。
ジブ16の張出状態において、チルトシリンダ17を伸縮させると、ジブ16のチルト角を変更できる。ジブ16のチルト角が変更されると、ジブ16は、ブーム14に対して起伏する。本実施形態では、チルトシリンダ17が収縮するとジブ16が倒伏する。一方、チルトシリンダ17が伸長するとジブ16が起仰する。これに代えて、チルトシリンダ17が収縮するとジブ16が起仰し、チルトシリンダ17が伸長するとジブ16が倒伏する構成でもよい。
図2および図3は、ジブ16を基端ブーム14aの底面(ブーム14の倒伏状態における下側の面)に沿わせた下抱き位置に配置した状態の左側面図および右側面図である。後述のごとく、ジブ張出/格納作業においては、ジブ16を下抱き位置に配置した状態で、ブーム先端部14cとジブ基端部16aとの連結/解除を行う。
ブーム先端部14cには、その両側方に水平に張り出したジブ連結軸21が設けられる。また、二股形状のジブ基端部16a(具体的には、一対の脚部16c)の各端部にはジブ基端係合部22が設けられる。
ジブ基端係合部22はそれぞれ、U字形状に形成されており、ジブ連結軸21を嵌め込み可能である。また、ジブ基端係合部22の先端部には差込孔が形成される。ジブ基端係合部22にジブ連結軸21を嵌め込み、差込孔にピン23を差し込むことで、ジブ連結軸21が抜け止めされる。これにより、ジブ基端係合部22とジブ連結軸21とが連結される。
(ガイド部材)
図3に示すように、ブーム14の右側にはガイド部材30(ガイド装置ともいう。)が設けられる。ガイド部材30は、ジブ張出/格納作業において、ブーム14の伸縮にともない、ジブ16の姿勢を保ちつつ移動を案内するための部材である。図4に示すように、ガイド部材30は、ガイドローラ31(第二ガイド部ともいう。)と、ガイドローラ31を案内するガイド32(第一ガイド部ともいう。)とからなる。
ガイドローラ31は、ジブ16に設けられる。具体的には、ジブ16の基端部側面には、底面側に突出したアーム33が設けられる。ガイドローラ31は、アーム33の先端部に回転自在に設けられる。なお、図4において、ジブ16の底面(図4の上側の面)は、基端ブーム14aの底面と対向する。
ガイド32は、ブーム14に設けられる。具体的には、ガイド32は、基端ブーム14aの先端部側面に、底面側に突出した状態で設けられる。ガイド32は、第1軌道部材34と第2軌道部材35とを有する。図4における二点鎖線は、ガイド32を構成する側壁36(水平方向規制部ともいう。)を示す。側壁36は、第1軌道部材34および第2軌道部材35を支持するとともに、ガイドローラ31の横方向(水平方向であって、紙面に対して垂直な方向)の動きを規制する。説明の便宜のため、側壁36はその外形のみを二点鎖線で示す。
第1軌道部材34の表面が、第1軌道面34sである。一方、第2軌道部材35の表面が、第2軌道面35sである。第1軌道面34sおよび第2軌道面35sをガイドローラ31が転動することにより、ブーム14の伸縮にともなうジブ16の移動が、案内される。
第1軌道面34sは、ブーム14の先端から基端に向かうほど(換言すれば、図4の左側に向かうほど)ブーム14の底面に近づく(換言すれば、図4の上側に向かう)方向に傾斜する。そのため、後述のごとく、ジブ張出作業において、ブーム14の伸長とともにガイドローラ31が第1軌道面34sを転動すると、ジブ16が基端ブーム14aの底面から引き離される。また、ジブ格納作業において、ブーム14の収縮とともにガイドローラ31が第1軌道面34sを転動すると、ジブ16が基端ブーム14aの底面に引き寄せられる。
第2軌道面35sは、ブーム14の中心軸と平行である。第2軌道面35sの先端部は、第1軌道面34sの基端部と接続する。そのため、後述のごとく、ジブ張出/格納作業において、ブーム14の伸縮とともにガイドローラ31が第2軌道面35sを転動すると、ジブ16は、基端ブーム14aの底面に引き寄せられた状態で、基端ブーム14aに沿って移動する。
本実施形態では、ガイドローラ31がジブ16に、ガイド32が基端ブーム14aに、それぞれ設けられる。これに代えて、ガイドローラ31を基端ブーム14aに、ガイド32をジブ16に、それぞれ設けてもよい。この場合には、基端ブーム14aに設けられたガイドローラが、第一ガイド部である。一方、ジブ16に設けられたガイド32が、第二ガイド部である。
(ジブ支持部材)
図2に示すように、ブーム14は、第1ジブ支持部材40および第2ジブ支持部材50を有する。具体的には、第1ジブ支持部材40および第2ジブ支持部材50は、ブーム14の軸方向における中間部に、ブーム14の軸方向において離れて設けられる。本実施形態の場合、第1ジブ支持部材40は、第2ジブ支持部材50よりもブーム14の先端側に設けられる。
第1ジブ支持部材40は、格納状態のジブ16を支持する。また、第1ジブ支持部材40は、ジブ16をブーム14の側面に沿った格納位置と下抱き位置との間で回動させる。第2ジブ支持部材50は、格納状態のジブ16を支持する。
図5に基づき第1ジブ支持部材40を説明する。基端ブーム14aの略中央における底部側の側面には、ブラケット41が軸支される。また、基端ブーム14aの上部側の側面とブラケット41との間には、油圧シリンダ42が取り付けられる。油圧シリンダ42の伸縮によりブラケット41が基端ブーム14aに対して回動する。
ブラケット41には、ジブ固定ピン43が設けられる。ジブ固定ピン43は、先端部が円錐状で、それ以外の部分が円柱状である。ジブ固定ピン43は、ブーム14の中心軸と平行であり、その先端部がブーム14の先端に向けて配置される。なお、ジブ固定ピン43は、ジブ16の中心軸と平行に配置されてもよい。
ジブ16の略中央における底面には、ピン受け44が設けられる。なお、図5において、ジブ16の底面は、基端ブーム14aに対向する。ピン受け44は、前端リブ45および後端リブ46を有する。前端リブ45には、前端差込孔47が形成される。後端リブ46には後端差込孔48が形成される。前端差込孔47および後端差込孔48には、ジブ固定ピン43が抜き差しされる。
前端差込孔47および後端差込孔48は、ジブ16が基端ブーム14aの底面に引き寄せられた状態において、その中心軸がブーム14の中心軸と平行となるように配置される。なお、前端差込孔47および後端差込孔48は、その中心軸がジブ16の中心軸と平行となるように配置されてもよい。
本実施形態では、ジブ固定ピン43が基端ブーム14aに、ピン受け44がジブ16に、それぞれ設けられる。これに代えて、ジブ固定ピン43がジブ16に、ピン受け44が基端ブーム14aに、それぞれ設けられてもよい。
図6に基づき第2ジブ支持部材50を説明する。基端ブーム14aの基端部における底面(具体的には、底面の幅方向における一端部)にアーム51が設けられる。アーム51の先端部には、副ピン52が設けられる。副ピン52は、ジブ固定ピン43よりも小径短尺であり、先端部が円錐状で、それ以外の部分が円柱形である。副ピン52は、ブーム14の中心軸と平行であり、その先端部がブーム14の先端に向けて配置される。
ジブ16の先端部における底面には、副ピン受け53が設けられる。なお、図6において、ジブ16の底面は、基端ブーム14aに対向する。副ピン受け53は、リブ54を有する。リブ54は、副ピン52を差し込み可能な差込孔55を有する。
(巻過防止装置)
移動式クレーンCは、主フック15mおよび補助フック15aの巻過を防止する巻過防止装置60を備える。巻過防止装置60は、図1に示すような補助巻過検知センサ61aおよび主巻過検知センサ61mを備える。
主巻過検知センサ61mは、主フック15mの巻過を検知するセンサである。主フック15mの巻過状態とは、ブーム先端部14cの下部と主フック15mの上部との間の距離が所定長(第一閾値ともいう。)以下の状態である。巻過状態における主フック15mの位置を、主フック15mにおける巻過位置という。
一方、ブーム先端部14cの下部と主フック15mの上部との間の距離が所定長よりも大きい状態を、主フック15mにおける通常状態という。通常状態における主フック15mの位置を、主フック15mにおける通常位置という。
主巻過検知センサ61mの構成は、主フック15mの巻過を検知できれば特に限定されない。主巻過検知センサ61mの一例として、例えば、ブーム先端部14cに設けられた巻過検知用のスイッチと、当該スイッチの作動アームに吊り下げられた錘とを有する巻過検知センサが挙げられる。
このような巻過検知センサは、主フック15mが巻上げられてブーム先端部14cの下部との距離が所定長以下になると、この錘が主フック15mにより押し上げられて作動アームが回動する。これにより巻過検知用のスイッチのON/OFFが切り替わり、主フック15mの巻過状態が検知される。
補助巻過検知センサ61aは、補助フック15aの巻過を検知するセンサである。後述のごとく、ジブ16の張出状態において、補助フック15aとともに、補助巻過検知センサ61aがジブ先端部16bに取り付けられる。
補助フック15aの巻過状態とは、ブーム先端部14cの下部またはジブ先端部16bの下部と補助フック15aの上部との間の距離が所定長(第二閾値ともいう。)以下の状態である。巻過状態における補助フック15aの位置を、補助フック15aにおける巻過位置という。
ブーム先端部14cの下部またはジブ先端部16bの下部と補助フック15aの上部との間の距離が所定長よりも大きい状態を、補助フック15aにおける通常状態という。通常状態における補助フック15aの位置を、補助フック15aにおける通常位置という。補助巻過検知センサ61aの構成は、補助フック15aの巻過を検知できれば特に限定されず、主巻過検知センサ61mと同様の構成であってよい。
図7に示すように、巻過防止装置60は、制御部62を備える。制御部62は、入力端子、出力端子、CPU、およびメモリなどを備えた車載コンピュータでもよいし、リレーや比較器などで構成された電気回路であってもよい。
制御部62は、補助巻過検知センサ61aおよび主巻過検知センサ61mのうちのいずれか一方または両方が巻過状態を検知した場合に、フック15m、15aが巻上げられる動作を停止する巻過防止機能を有する。
ここで、フック15m、15aが巻上げられる動作とは、移動式クレーンCの動作であって、主フック15mとブーム先端部14cとの距離、補助フック15aとブーム先端部14cまたはジブ先端部16bとの距離が短くなる動作である。具体的には、フック15m、15aが巻上げられる動作は、主巻ウインチの巻上げ、補巻ウインチの巻上げ、ブーム14の伸長、ブーム14の倒伏である。
制御部62は、巻過防止機能を実現するため、ブーム14やウインチなどの移動式クレーンCの可動部63の動作を停止する機能を有する。より詳細には、移動式クレーンCは、各可動部63を駆動する油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧回路を備える。制御部62は、油圧回路を構成するバルブを切り換えて、油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御することにより、各可動部63の動作を停止する。
移動式クレーンCには、各種センサが搭載される。具体的には、ブーム14の起伏角に関する情報を検出する起伏角センサ64、ブーム14の伸長量に関する情報を検出する伸長量センサ65、ジブ16に搭載されたチルトシリンダ17の伸縮に関する情報を検出するチルトセンサ66が搭載される。これらセンサ64〜66により検出された情報は、制御部62に入力される。
ところで、後述のごとく、ジブ張出/格納作業では、ブーム14の姿勢が適切な状態となるように、ブーム14の起伏や伸縮を行いながら作業が行われる。また、ジブ張出/格納作業では、主フック15mが、ジブ16の二股形状の基端部16a(具体的には、一対の脚部16c同士の間)をくぐる(換言すれば、通過する)。そこで、制御部62には、ブーム14などの姿勢を判断するための各種パラメータが、予め記憶される。
具体的には、制御部62には、起伏角閾値θt、ブーム伸長量閾値Lt、伸長停止範囲Lr、チルト伸長量閾値Ttが、予め記憶される。起伏角閾値θtは、ブーム14の起伏角によりブーム14の倒伏状態と起仰状態とを区別するため閾値である。
つまり、ブーム14の起伏角が、起伏角閾値θt未満の状態を、ブーム14における倒伏状態という。一方、ブーム14の起伏角が、起伏角閾値θt以上の状態を、ブーム14における起仰状態という。ブーム14の起伏角は、起伏角センサ64の出力に基づいて取得する。
ブーム伸長量閾値Ltは、主フック15mがジブ基端部16a(具体的には、一対の脚部16c同士の間)をくぐるのに適したブーム14の伸長量である。換言すれば、ブーム伸長量閾値Ltは、ジブ16の展開動作において、主フック15mがジブ基端部16aをくぐることが可能な、ブーム14の伸長量の下限値である。さらに、換言すれば、ブーム伸長量閾値Ltは、ガイドローラ31がガイド32から抜けるのに必要最低限の伸長量である。
つまり、ブーム14の伸長量が、ブーム伸長量閾値Lt未満であれば、ガイドローラ31とガイド32とが係合するガイド状態である。一方、ブーム14の伸長量が、ブーム伸長量閾値Lt以上であれば、ガイドローラ31とガイド32とが係合しない非ガイド状態である。ブーム14の伸長量は、伸長量センサ65の出力に基づいて取得する。
伸長停止範囲Lrは、ブーム14の伸長量の範囲であって、ブーム伸長量閾値Ltより伸長側に設定されている。伸長停止範囲Lrは、収縮していたブーム14が伸長してブーム伸長量閾値Ltに達した際に、ブーム14の伸長を停止させるために設けられる。このような伸長停止範囲Lrは、ブーム14の停止遅れ(つまり、伸長停止の指示を出してから実際に停止するまでに伸長する距離)を考慮した幅を有する。
伸長停止範囲Lrの下限は、ガイドローラ31とガイド32との係合が解除される位置(第一位置ともいう。)における、ブーム14の伸長量である。一方、伸長停止範囲Lrの上限は、上記第一位置よりも、ブーム14の伸長側に設定される第二位置における、ブーム14の伸長量である。
上記第二位置は、上記第一位置においてブーム14の伸長停止の指示を出した場合のブーム14の停止遅れ(つまり、伸長停止の指示を出してから実際に停止するまでに伸長する距離)を考慮して決定される。なお、停止遅れ量は、たとえば、伸長速度や伸長方式などクレーンの機種ごとの性能に合わせて適宜決定される。
チルト伸長量閾値Ttは、チルトシリンダ17の伸長量によりジブ16の倒伏状態と起仰状態とを区別するための閾値である。つまり、チルトシリンダ17の伸長量がチルト伸長量閾値Tt未満の状態を、ジブ16の倒伏状態という。一方、チルトシリンダ17の伸長量がチルト伸長量閾値Tt以上の状態を、ジブ16の起仰状態という。チルトシリンダ17の伸長量は、チルトセンサ66の出力に基づいて取得する。
なお、上述の構成では、チルトシリンダ17の伸長量に基づいて、ジブ16の起伏状態(つまり、起仰状態および倒伏状態のうちの何れの状態であるか)を判定する。その他の判定方法として、別途設けた起伏角センサの出力に基づいてジブ16の起伏角を取得し、当該起伏角に基づいてジブ16の起伏状態を判定してもよい。
移動式クレーンCの構成にもよるが、例えば、起伏角閾値θtは20°、ブーム伸長量閾値Ltは1.2m、伸長停止範囲Lrは1.2〜1.3m(1.2m≦Lr<1.3m)である。また、チルト伸長量閾値Ttは、ブーム14の起伏角が45°の状態でジブ16の振り上げ角が45°となるときのチルトシリンダ17の伸長量である。
ここで、ブーム14の起伏角は、ブーム14の中心軸を通る水平面に対する角度である。ブーム14の伸長量は、全縮状態のブーム14に対するブーム14の伸長量である。ジブ16の振り上げ角は、ブーム先端部14cから下垂した状態を0°とし、その状態とジブ16の中心軸との角度である。
制御部62は、以下の条件1〜4(クレーンにおける所定の状態ともいう。)のいずれかを満たす場合に、巻過防止機能を解除(全解除)または一部解除し、巻過状態を許容する。これにより、ジブ張出/格納作業において巻過状態での操作を許容する。
また、条件1〜4のいずれも満たさない場合には、通常通り、フック15m、15aが巻上げられる動作を停止する(つまり、巻過防止機能を設定する)。これにより、不要な場面では巻過防止機能を設定した状態とし、誤操作による巻過を防止する。
(条件1)
ブーム起伏角:起伏角閾値θt未満
ブーム伸長量:ブーム伸長量閾値Lt未満
ブーム14の起伏角が起伏角閾値θt未満とは、ブーム14が倒伏状態であることを意味する。ブーム起伏角14の起伏角が閾値θt未満であるか否かは、制御部62において、起伏角センサ64から取得した起伏角と、記憶された起伏角閾値θtとを比較することにより判定される。
ブーム14の伸長量がブーム伸長量閾値Lt未満であるか否かは、制御部62において、伸長量センサ65から取得した伸長量と、記憶されたブーム伸長量閾値Ltとを比較することにより判定される。
具体的に定義すれば、条件1は、ブーム14が倒伏状態であり、かつ、ガイドローラ31とガイド32とが係合している状態(以下、ガイド状態という。)である。
制御部62は、条件1を満たす場合、巻過防止機能を解除する。つまり、制御部62は、ブーム14が倒伏状態であり、かつ、ガイドローラ31とガイド32とが係合したガイド状態である場合に、過防止機能を解除する(つまり、主フック15mが巻過位置に移動することを許可する)。
(条件2)
ブーム起伏角:起伏角閾値θt未満
ブーム伸長量:伸長停止範囲Lr
制御部62は条件2を満たす場合、ブーム14の伸長を除き巻過防止機能を解除する。換言すれば、制御部62は条件2を満たす場合、主フック15mが巻過位置に移動することを許可するとともに、ブーム14の伸長動作を禁止する。すなわち、巻過が検知された場合、ブーム14の伸長動作は停止するが、その余の操作(ウインチの巻上げ、ブーム14の倒伏)は許容する。
(条件3)
ブーム起伏角:起伏角閾値θt以上
ブーム伸長量:ブーム伸長量閾値Lt未満
チルトシリンダ:チルト伸長量閾値Ttより倒伏側
ブーム14の起伏角が起伏角閾値θt以上とは、ブーム14が起仰状態であることを意味する。チルトシリンダ17がチルト伸長量閾値Ttより倒伏側とは、ジブ16が倒伏状態であることを意味する。本実施形態のチルトシリンダ17は、収縮することによりジブ16を倒伏させる。したがって、チルトシリンダ17がチルト伸長量閾値Ttより倒伏側とは、チルトシリンダ17の収縮状態を意味する。
制御部62は、条件3を満たす場合、巻過防止機能を解除する(つまり、主フック15mが巻過位置に移動することを許可する)。
(条件4)
ブーム起伏角:起伏角閾値θt以上
ブーム伸長量:伸長停止範囲Lr
チルトシリンダ:チルト伸長量閾値Ttより倒伏側
制御部62は条件4を満たす場合、ブーム14の伸長を除き巻過防止機能を解除する。換言すれば、制御部62は条件4を満たす場合、主フック15mが巻過位置に移動することを許可するとともに、ブーム14の伸長動作を禁止する。すなわち、巻過が検知された場合、ブーム14の伸長は停止するが、その余の操作(ウインチの巻上げ、ブーム14の起仰)は許容する。
表1は、以上の各条件と巻過防止機能の解除状態をまとめたものである。
Figure 2018052050
(ジブ張出作業)
つぎに、ジブ張出作業とともに、巻過防止機能を説明する。
(1.1)図1に示すように、ジブ16を格納した状態では、ジブ16はブーム14の側面に沿って格納されている。
(1.2)まず、ブーム14を僅かに伸長させる。ここで、フック15m、15aを巻上げた状態でブーム14を伸長させると、フック15m、15aがさらに巻上げられて巻過状態となる。しかし、この状態では条件1が満たされるので、巻過防止機能が解除される。したがって、ブーム14を伸長させることができる。
ブーム14の伸長量が伸長停止範囲Lrに達すると、条件2が満たされる。このため、巻過防止機能は、ブーム14の伸長動作を除き解除される。フック15m、15aはすでに巻過状態にあるため、ブーム14の伸長が自動停止する。
換言すれば、自動停止するまでブーム14を伸長させればブーム14の伸長量をジブ張出作業に適した伸長量にできる。作業員は、ブーム14の伸長量を気にすることなく、作業を容易に行える。
(1.3)つぎに、ジブ16をブーム14の底面に沿わせた下抱き位置に移動させる。具体的には、第1ジブ支持部材40の油圧シリンダ42を伸長させると、ジブ16が回動して下抱き位置に移動する。
(1.4)つぎに、ブーム14を全縮して、図2および図3に示す状態とする。この操作により、ジブ連結軸21が、ジブ基端係合部22に嵌め込まれる。つぎに、ジブ基端係合部22の差込孔にピン23を差し込んで、ジブ基端係合部22とジブ連結軸21とを連結する。そして、テンションロッド18とテンションロッド接続リンク19とを接続する。
(1.5)つぎに、主フック15mを巻過状態になるまで巻上げる。この場面では条件1が満たされるため、巻過防止機能が解除される。このため、主フック15mを巻過状態になるまで巻上げることができる。主フック15mを巻過状態とするのは、次のステップ1.6で主フック15mをジブ基端部16a(具体的には、一対の脚部16c同士の間)にくぐらせるためである。
このように、主フック15mをジブ基端部16aにくぐらせるために主フック15mを巻上げる場面において、巻過防止機能が自動的に解除されるため、主フック15mを巻過状態(巻過位置)になるまで巻上げることができる。
この際、作業員は、巻過防止機能を意図的に解除することなく、主フック15mを巻き上げることができる。また、作業員が特別な動作(例えば、スイッチを押し続けるなどの動作)を行うことなく、巻過防止機能の解除状態が維持される。
(1.6)つぎに、ブーム14を全起仰させる(図8(I)参照)。つぎに、ブーム14を伸長させると、ジブ固定ピン43がピン受け44から抜かれるとともに、副ピン52が副ピン受け53から抜かれる(図8(II)参照)。
さらにブーム14を伸長させると、ガイドローラ31がガイド32に案内され、ジブ16が基端ブーム14aの底面からゆっくりと引き離される(図8(III)参照)。すると、ジブ16は、ジブ連結軸21を中心として回転し、ブーム先端部14cから吊り下げられた状態となる。この際、主フック15mが、ジブ基端部16a(具体的には、一対の脚部16c同士の間)をくぐる。
ステップ1.6において、主フック15mは巻過状態である。しかし、この場面では条件3が満たされるため、巻過防止機能が解除される。このため、ブーム14を伸長させることができる。また、ブーム14の伸長量が伸長停止範囲Lrに達すると、条件4が満たされるため、巻過防止機能は、ブーム14の伸長を除き解除される。
主フック15mはすでに巻過状態にあるので、ブーム14の伸長が自動停止する。換言すれば、自動停止するまでブーム14を伸長させればブーム14の伸長量をジブ張出作業に適した伸長量にできる。作業員は、ブーム14の伸長量を気にすることなく、作業を容易に行える。
(1.7)つぎに、図9に示すように、ジブ先端部16bが地上付近に達するまでブーム14を倒伏させる。そして、補助フック15aを備えた補助ワイヤロープをジブ先端部16bのシーブに通す。また、補助巻過検知センサ61aをジブ先端部16bに取り付ける。
(1.8)最後に、図10に示すように、チルトシリンダ17を伸長させるとテンションロッド18に張力が発生し、ジブ連結軸21を中心としてジブ16が前方に張り出す。
(ジブ格納作業)
つぎに、ジブ格納作業とともに、制御部62の制御を説明する。
(2.1)図10に示すように、ジブ16を張り出した状態では、ジブ16がブーム先端部14cの前方に配置される。
(2.2)まず、ブーム14をある程度起仰させた状態とし、ブーム14をジブ格納作業に適した伸長量になるまで収縮させる。また、チルトシリンダ17を、チルト伸長量閾値Ttより倒伏側になるまで収縮させる。
(2.3)つぎに、主フック15mを巻過状態になるまで巻上げる。この場面では条件3が満たされるため、巻過防止機能が解除される。このため、主フック15mを巻過状態になるまで巻上げることができる。
主フック15mを巻過状態とするのは、次のステップ2.4で主フック15mをジブ基端部16a(具体的には、一対の脚部16c同士の間)にくぐらせるためである。このように、主フック15mをジブ基端部16aにくぐらせるために主フック15mを巻上げる場面において、巻過防止機能が自動的に解除されるため、主フック15mを巻過状態(過巻位置)になるまで巻上げることができる。この際、作業員は、巻過防止機能を意図的に解除することなく、主フック15mを巻き上げることができる。
(2.4)つぎに、チルトシリンダ17を全伏状態にして、テンションロッド18の張力を緩める。そうすると、図9に示すように、ジブ16は、ジブ連結軸21を中心として回転し、ブーム先端部14cから吊り下げられた状態となる。この際、主フック15mが、ジブ基端部16a(具体的には、一対の脚部16c同士の間)をくぐる。
(2.5)つぎに、ジブ16の先端部が地上付近に達するまでブーム14を倒伏させる。そして、補助フック15aを備えた補助ワイヤロープをジブ16の先端部から取り外す作業を行う。また、補助巻過検知センサ61aをジブ先端部16bから取り外す。
(2.6)つぎに、ブーム14を全起仰させる(図8(III)参照)。この状態からブーム14を収縮させると、ガイドローラ31がガイド32に案内され、ジブ16が基端ブーム14aの底面に引き寄せられる(図8(II)参照)。ブーム14をさらに収縮させると、ジブ16が基端ブーム14aに沿って移動し、ジブ固定ピン43がピン受け44が差し込まれるとともに、副ピン52が副ピン受け53に差し込まれる(図8(III)参照)。
(2.7)つぎに、ブーム14を倒伏させる。つぎに、ジブ基端係合部22の差込孔からピン23を抜き取り、ジブ基端係合部22とジブ連結軸21との連結を解除する(図2および図3参照)。
(2.8)つぎに、ブーム14を僅かに伸長させる。ついで、第1ジブ支持部材40の油圧シリンダ42を収縮させると、ジブ16が下抱き位置から格納位置に回動する。最後にブーム14を全縮すると、図1に示すように、ジブ16は、ブーム14の側面に沿って格納される。
以上のように、制御部62が特定の条件1〜4で巻過防止機能を解除するので、ジブ張出/格納作業において巻過状態での操作ができる。また、条件1、2ではブーム14が倒伏状態であることを条件としており、条件3、4ではジブ16が倒伏状態であることを条件としている。これらの条件を満たさない場合は、通常の吊荷作業などの巻過防止機能を必要とする場面であると考えられる。必要な場面でのみ巻過防止機能を解除できるので、誤操作による巻過を防止して作業効率の向上を図ることができる。
(付記)
クレーンの参考例1として、移動式クレーンは、ブームと、ブームに対して張出/格納可能なジブと、ブームの先端部から吊り下げられた主フックと、主フックの巻過を防止する巻過防止装置と、を備え、ジブは、張出/格納時に主フックがジブの二股形状の基端部をくぐるように構成されており、巻過防止装置は、主フックの巻過を検知する巻過検知センサと、巻過検知センサが巻過を検知した場合に主フックが巻上げられる動作を停止する巻過防止機能を有する制御部と、を備え、制御部は、ブームの起伏角によりブームの倒伏状態と起仰状態とを区別するための起伏角閾値と、主フックがジブの基端部をくぐるのに適したブームの伸長量であるブーム伸長量閾値とが記憶されており、ブームの起伏角が起伏角閾値未満であり、ブームの伸長量がブーム伸長量閾値未満である場合に、巻過防止機能を解除する。
このような参考例1によれば、主フックをジブの基端部にくぐらせるために主フックを巻上げる場面において、巻過防止機能が解除されており、主フックを巻過状態になるまで巻上げることができる。また、ブームが倒伏状態であることを条件としているので、必要な場面でのみ巻過防止機能を解除できる。
クレーンの参考例2として、参考例1において、制御部は、ブーム伸長量閾値より伸長側に設定された伸長停止範囲が記憶されており、ブームの起伏角が起伏角閾値未満であり、ブームの伸長量が伸長停止範囲である場合に、ブームの伸長を除き巻過防止機能を解除する。
このような参考例2によれば、自動停止するまでブームを伸長させればブームの伸長量をジブ張出作業に適した伸長量にできるので、作業員はブームの伸長量を気にしながら操作する必要がなく、作業が容易である。また、ブームが倒伏状態であることを条件としているので、必要な場面でのみ巻過防止機能を解除できる。
クレーンの参考例3として、参考例1または参考例2において、ジブをブームに対して起伏させるチルトシリンダを備え、制御部は、チルトシリンダの伸長量によりジブの倒伏状態と起仰状態とを区別するためのチルト伸長量閾値が記憶されており、ブームの起伏角が起伏角閾値以上であり、ブームの伸長量がブーム伸長量閾値未満であり、チルトシリンダの伸長量がチルト伸長量閾値より倒伏側である場合に、巻過防止機能を解除する。
参考例3によれば、主フックをジブの基端部にくぐらせるために主フックを巻上げる場面において、巻過防止機能が解除されており、主フックを巻過状態になるまで巻上げることができる。また、ジブが倒伏状態であることを条件としているので、必要な場面でのみ巻過防止機能を解除できる。
クレーンの参考例4として、参考例1〜3の何れか1例において、ジブをブームに対して起伏させるチルトシリンダを備え、制御部は、ブーム伸長量閾値より伸長側に設定された伸長停止範囲と、チルトシリンダの伸長量によりジブの倒伏状態と起仰状態とを区別するためのチルト伸長量閾値とが記憶されており、ブームの起伏角が起伏角閾値以上であり、ブームの伸長量が伸長停止範囲であり、チルトシリンダの伸長量が前記チルト伸長量閾値より倒伏側である場合に、前記ブームの伸長を除き前記巻過防止機能を解除することを特徴とする。
参考例4によれば、自動停止するまでブームを伸長させればブームの伸長量をジブ張出作業に適した伸長量にできるので、作業員はブームの伸長量を気にしながら操作する必要がなく、作業が容易である。また、ジブが倒伏状態であることを条件としているので、必要な場面でのみ巻過防止機能を解除できる。
なお、2016年09月13日出願の特願2016−178357の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
C 移動式クレーン
14 ブーム
15m 主フック
15a 補助フック
16 ジブ
16a ジブ基端部
16b ジブ先端部
16c 脚部
17 チルトシリンダ
60 巻過防止装置
61a 補助巻過検知センサ
61m 主巻過検知センサ
62 制御部
63 可動部
64 起伏角センサ
65 伸長量センサ
66 チルトセンサ
本発明にかかるクレーンの一態様は、クレーンであって、起伏可能かつ伸縮可能に設けられたブームと、ブームの先端部に吊るされ、先端部との距離が第一閾値よりも大きい通常位置と、上記距離が第一閾値以下である巻過位置とを取り得る主フックと、その間を巻過位置に位置する主フックが通過可能な一対の脚部を基端部に有し、ブームの先端部に回動可能に支持されたジブと、主フックの巻過を防止する巻過防止機能を有し、ブームの起伏角およびブームの伸長量に関する情報に基づいて、巻過防止機能の設定状態と解除状態とを切り替える制御部と、を備え、制御部は、巻過防止機能の設定状態において、情報に基づいて、クレーンが所定の状態に該当すると判定した場合に、巻過防止機能を解除状態とする。
あるいは、本発明にかかるクレーンの別態様は、クレーンであって、起伏可能かつ伸縮可能に設けられたブームと、ブームの先端部に吊るされ、先端部との距離が第一閾値よりも大きい通常位置と、距離が第一閾値以下である巻過位置とを取り得る主フックと、その間を巻過位置に位置する主フックが通過可能な一対の脚部を基端部に有し、ブームの先端部に回動可能に支持されたジブと、主フックの巻過を防止する巻過防止機能を有し、ブームの起伏角およびブームの伸長量に関する情報に基づいて、巻過防止機能の設定状態と解除状態とを切り替える制御部と、を備え、制御部は、情報に基づいて、ジブの展開動作において主フックが一対の脚部の間を通過できるように、巻過防止機能を解除する。

Claims (5)

  1. クレーンであって、
    起伏可能かつ伸縮可能に設けられたブームと、
    前記ブームの先端部に吊るされ、前記先端部との距離が第一閾値よりも大きい通常位置と、前記距離が前記第一閾値以下である巻過位置とを取り得る主フックと、
    基端部に一対の脚部を有し、前記ブームの先端部に回動可能に支持されたジブと、
    前記ブームの起伏角および前記ブームの伸長量に関する情報に基づいて、前記クレーンが所定の状態に該当するか否かを判定し、前記所定の状態に該当すると判定した場合に、前記主フックが前記巻過位置に移動することを許可する制御部と、を備え、
    前記ジブの展開動作において、前記ジブが回動すると、前記巻過位置に位置する前記主フックが前記ジブの前記一対の脚部の間を通過する、
    クレーン。
  2. 前記ブームに設けられた第一ガイド部と、前記ジブに設けられた第二ガイド部とを有するガイド装置であって、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部との係合により、前記ブームの伸縮にともなう前記ジブの移動を案内する前記ガイド装置を、さらに備え、
    前記制御部は、前記ブームが倒伏状態であり、かつ、前記ガイド装置における前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とが係合したガイド状態である場合に、前記主フックが前記巻過位置に移動することを許可する、請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記ブームが収縮状態から伸長して、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部との係合が解除される位置を第一位置とし、前記第一位置よりも前記ブームの伸長側における所定位置を第二位置とし、
    前記制御部は、前記ブームが倒伏状態であり、かつ、前記ブームの伸長量が、前記第一位置までの伸長量以上かつ前記第二位置までの伸長量以下の場合に、前記主フックが前記巻過位置に移動することを許可するとともに、前記ブームの伸長動作を禁止する、請求項1に記載のクレーン。
  4. 前記制御部は、前記ブームが起仰状態であり、かつ、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とが係合したガイド状態であり、かつ、前記ジブが倒伏状態である場合に、前記主フックが前記巻過位置に移動することを許可する、請求項1に記載のクレーン。
  5. 前記ブームが収縮状態から伸長し、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部との係合が解除される位置を第一位置とし、前記第一位置よりも前記ブームの伸長側における所定位置を第二位置とし、
    前記制御部は、前記ブームが起仰状態であり、かつ、前記ブームの伸長量が、前記第一位置までの伸長量以上かつ前記第二位置までの伸長量以下の場合、かつ、前記ジブが倒伏状態である場合に、前記主フックが前記巻過位置に移動することを許可するとともに、前記ブームの伸長動作を禁止する、請求項1に記載のクレーン。
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