JPWO2018043160A1 - イエロートナー - Google Patents

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Abstract

少ないトナー量で、彩度が従来よりも優れたイエロートナーを提供する。結着樹脂及びイエロー着色剤を含有するイエロートナーであって、前記イエロー着色剤として、下記一般式(1)で表される化合物A、及び下記式(2)又は下記式(3)で表される化合物Bを含み、前記結着樹脂100質量部に対して、前記化合物Aの含有量が1〜15質量部であり、前記化合物Bの含有量が0.1〜8.0質量部であることを特徴とするイエロートナー。

Description

本開示は、少ないトナー量で、彩度が従来よりも優れたイエロートナーに関する。
電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、感光体上に形成される静電潜像は、先ず、トナーにより現像される。次いで、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧または溶剤蒸気等の種々の方式により定着される。
このような画像形成装置において、デジタルフルカラー複写機やデジタルフルカラープリンターが実用化されてきている。デジタルフルカラー複写機は、カラー画像原稿を、ブルー、グリーン及びレッドの各フィルターで色分解した後、オリジナルのカラー原稿に対応した20〜70μmのドット径からなる静電潜像を、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各トナーを用いて現像し、減色混合作用を利用してフルカラー画像を形成する。
近年、このフルカラー画像の高画質化、高精細化への要求はますます高くなってきている。特に、色の再現性を高めるために、インキによる印刷と同等の色相で印刷できることが望まれている。
従来イエロートナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー12、13及び17等に代表されるようなジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントイエロー74、97及び98等に代表されるようなモノアゾ系顔料等の使用が一般的である。
特許文献1には、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー214及びC.I.ピグメントイエロー139を含有するイエロートナーが開示されている。特許文献1には、C.I.ピグメントイエロー214が有するアミノ基とC.I.ピグメントイエロー139が有するカルボニル基との相互作用により、定着性及び発色性に優れるトナーが得られる旨の示唆がある。
特許文献2には、着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93とC.I.ソルベントイエロー162とを含有するイエロートナーが開示されている。特許文献2には、このような着色剤を含有することにより、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)のイエロー投影画像において優れた透明性が得られるとの記載がある。
特許文献3には、イエロー着色剤として、C.I.ピグメントイエロー155と、C.I.ピグメントイエロー110等とを、所定の比で含有するイエロートナーが開示されている。特許文献3には、このような着色剤の使用により、オイルを使用しないか、又は、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段においても耐高温オフセット性に優れ、かつ、高温環境下における長期保存安定性と低温定着性の両立を達成し、プロセスインキの色調(色再現範囲)をカバーすることができるとの記載がある。
特開2006−145625号公報 特開2001−109195号公報 特開2003−280278号公報
電子写真方式の画像形成装置としては、通常の複写機やプリンターとしてオフィス内文書の印刷や単なるコピーとして使用するものから、オフィス外用の印字物の作製の分野、具体的には、電子データから可変情報を簡単に印字できることから、軽印刷の領域であるオンデマンドプリンティング(POD)市場にまで用途が拡大してきている。
しかし、特許文献1〜3に開示されたイエロートナーは、以下に述べるそれぞれの理由により、上記多様な用途に適用し得るとは到底言うことができない。まず、特許文献1に記載された着色剤の組み合わせ(C.I.ピグメントイエロー214とC.I.ピグメントイエロー139)は、着色力の低さからイエロートナーの反射濃度が低くなるという問題があり、さらに、これら顔料単独での色相の差が大きいことから、組み合わせた際に色彩がくすんでしまうという問題がある。また、特許文献3に記載された着色剤の組み合わせ(C.I.ピグメントイエロー155とC.I.ピグメントイエロー110等)でも同様に、反射濃度の低下の問題、及び、色相の差に起因する色のくすみの問題がある。さらに、特許文献2に記載された着色剤の組み合わせ(C.I.ピグメントイエロー93とC.I.ソルベントイエロー162)は、C.I.ソルベントイエロー162の耐光性が十分ではなく、時間の経過に伴いイエロートナーの反射濃度が低下してしまうという問題がある。
上記多様な用途に適用すべく、印字物の彩度について、近年急速に要求レベルが高まっている。本開示の目的は、このような高い要求レベルに応えるべく、少ないトナー量で、彩度が従来よりも優れたイエロートナーを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、イエロー着色剤として、特定の化学構造を有する化合物A、及び化合物Bを組み合わせて使用することにより、トナー量が少ない場合であっても、彩度が従来よりも高いイエロートナーが得られることを見出し、本開示に至った。
すなわち、本開示のイエロートナーは、結着樹脂及びイエロー着色剤を含有するイエロートナーであって、前記イエロー着色剤として、下記一般式(1)で表される化合物A、及び下記式(2)又は下記式(3)で表される化合物Bを含み、前記結着樹脂100質量部に対して、前記化合物Aの含有量が1〜15質量部であり、前記化合物Bの含有量が0.1〜8.0質量部であることを特徴とする。
Figure 2018043160
〔一般式(1)中、R1A、R1B、R2A、及びR2Bは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表し、
はハロゲン原子を表し、
及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、アセチル基(−COCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表し、
a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
cは1以上3以下の整数を表し、
d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。〕
Figure 2018043160
Figure 2018043160
本開示においては、前記化合物Bの含有量に対する前記化合物Aの含有量の質量比(化合物A/化合物B)が、0.1〜10.0であることが好ましい。
上記の如き本開示によれば、化合物Bと併せて、上記一般式(1)で表される化学構造を有する化合物Aを使用することにより、化合物Aの存在によって、重合性単量体組成物中又は結着樹脂中における化合物Bの分散安定性が向上する結果、少ないトナー量で、高彩度でイエロー発色性に優れたイエロートナーが提供される。
本開示のイエロートナーは、結着樹脂及びイエロー着色剤を含有するイエロートナーであって、前記イエロー着色剤として、下記一般式(1)で表される化合物A、及び下記式(2)又は下記式(3)で表される化合物Bを含み、前記結着樹脂100質量部に対して、前記化合物Aの含有量が1〜15質量部であり、前記化合物Bの含有量が0.1〜8.0質量部であることを特徴とする。
Figure 2018043160
〔一般式(1)中、R1A、R1B、R2A、及びR2Bは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表し、Rはハロゲン原子を表し、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、アセチル基(−COCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表し、a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、cは1以上3以下の整数を表し、d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。〕
Figure 2018043160
Figure 2018043160
以下、本開示のイエロートナーを、単に「トナー」と称することがある。
以下、本開示に好適に使用されるイエロー着色樹脂粒子(以下、単に「着色樹脂粒子」と称することがある。)の製造方法、当該製造方法により得られるイエロー着色樹脂粒子、当該イエロー着色樹脂粒子を用いたイエロートナーの製造方法及び本開示のイエロートナーについて、順に説明する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本開示に使用される着色樹脂粒子は、湿式法、または乾式法を採用して製造することができるが、湿式法が好ましく、湿式法の中でも特に好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより製造される。
(A)懸濁重合法
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、イエロー着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、顔料分散剤及び離型剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いて行う。
本開示で重合性単量体は、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールにカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本開示では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いる。
本開示においては、イエロー着色剤が、化合物A及び化合物Bを含む。
以下、本開示に使用する化合物Aについて詳述する。
本開示の化合物Aは、下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物である。
Figure 2018043160
前記一般式(1)中、R1A、R1B、R2A、及びR2Bは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表す。R1A、R1B、R2A、及びR2Bは、好ましくは、それぞれ独立して、メチル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基又は1級アミド基であり、より好ましくは、R1A及びR2Aがメチル基、R1B及びR2Bが1級アミド基である。R1A、R1B、R2A、及びR2Bは、ベンゼン環上のどの炭素に付加していてもよい(ただし、アゾ基(−N=N−)と結合を有するベンゼン環上の炭素を除く)。
前記一般式(1)中、a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表す。a1、b1、a2、及びb2は、いずれも1であることが好ましい。
前記一般式(1)中、Rはハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。Rは、ベンゼン環上のどの炭素に付加していてもよい(ただし、アミド基(−CO−NH−)と結合を有するベンゼン環上の炭素を除く)。
前記一般式(1)中、cは1以上3以下の整数を表し、好ましくは1である。
前記一般式(1)中、RとRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、アセチル基(−COCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表す。RとRは、好ましくはアセチル基である。
前記一般式(1)中、d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。d及びeはいずれも1であることが好ましい。
以下に一般式(1)で表される化合物Aの具体例を挙げる。このうち、式(1A)に示す化合物はC.I.ピグメントイエロー214(CAS No.254430−12−5、色相角:97°)であり、式(1B)に示す化合物はC.I.ピグメントイエロー219(CAS No.347174−87−2、色相角:96°)である。
本開示に使用される化合物Aは、下記具体例のみに限定されるものではない。また、下記具体例の互変異性体も本開示の化合物として好適に用いることができる。
Figure 2018043160
化合物Aは、市販品を用いることもできるし、予め合成したものを用いることもできる。
化合物Aの合成法としては、例えば、下記一般式(a)で示されるN,N’−1,4−ジアセチルフェニレンジアミン誘導体1当量と、下記一般式(b)で示されるベンゼンジアゾニウム誘導体2当量とをカップリングさせる方法が挙げられる(特公昭48−13692号公報参照)。
Figure 2018043160
〔一般式(a)のR、R、及びRは、それぞれ一般式(1)のR、R、及びRと同じ基を表し、一般式(a)のc、d、及びeは、それぞれ一般式(1)のc、d、及びeと同じ数字を表す。〕
Figure 2018043160
〔一般式(b)のR1A’は、一般式(1)のR1A又はR2Aと同じ基を表し、一般式(b)のR1B’は、一般式(1)の上記R1B又はR2Bと同じ基を表す。また、一般式(b)のa1’は、一般式(1)のa1又はa2と同じ数字を表し、一般式(b)のb1’は、一般式(1)のb1又はb2と同じ数字を表す。〕
化合物Aの含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜15質量部であり、好適には3〜13質量部、より好適には5〜12質量部、さらに好適には6〜10質量部である。化合物Aの含有量が、結着樹脂100質量部に対して1質量部未満である場合には、目的とする反射濃度が得られない。また、化合物Aの含有量が、結着樹脂100質量部に対して15質量部を超える場合には、得られるトナーの粒径分布が悪化する。
本開示においては、上記化合物Aの他に、イエロー着色剤として、下記式(2)(C.I.ピグメントイエロー93、CAS No.5580−57−4、色相角:95°)又は下記式(3)(C.I.ピグメントイエロー155、CAS No.68516−73−4、色相角:95°)で表される化合物Bを含む。
下記式(2)により表される化合物、及び下記式(3)により表される化合物は、いずれもジスアゾ化合物という点で共通する。また、これらの化合物の色相角は、互いに等しい。
Figure 2018043160
Figure 2018043160
化合物Bの含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜8.0質量部であり、好適には0.5〜7.0質量部であり、より好適には1.0〜6.0質量部であり、さらに好適には2.0〜6.0質量部である。化合物Bの含有量が、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部未満である場合には、目的とする彩度が得られない。また、化合物Bの含有量が、結着樹脂100質量部に対して8.0質量部を超える場合には、得られるトナーの定着性が低下しやすくなる。
本開示においては、化合物Bの含有量に対する前記化合物Aの含有量の質量比(化合物A/化合物B)が0.1〜10.0であることが好ましく、0.5〜8.0であることがより好ましく、0.7〜7.0であることがさらに好ましい。
当該質量比が0.1未満である場合や、当該質量比が10.0を超える場合には、イエロートナーのイエロー発色性及び彩度がいずれも低下するおそれがある。これは、化合物A又は化合物Bの配合がいずれか一方に偏る結果、イエロートナーのイエロー発色性及び彩度をバランス良く向上させにくくなるためである。
結着樹脂100質量部に対して、化合物Aと化合物Bの総含有量は好適には1.1〜23質量部、より好適には5〜16質量部、さらに好適には8〜13質量部である。
化合物Aと化合物Bの総含有量が、結着樹脂100質量部に対して1.1質量部未満である場合には、トナー中に占めるイエロー着色剤の含有割合が少なすぎるため、目的とする彩度やイエロー発色性が得られないおそれがある。一方、当該総含有量が23質量部を超える場合には、トナー中に占めるイエロー着色剤の総含有割合が高くなりすぎるため、特に化合物Aの分散性が悪化し、目的とする彩度が得られないおそれがある。
上記化合物Aと化合物Bを併用することによる効果の原理は不明である。しかし、これら化合物の併用により、特定の化学構造を有する化合物Aの存在によって重合性単量体組成物中又は結着樹脂中における化合物Bの分散安定性が向上する結果、少ないトナー量でも高彩度かつ優れたイエロー発色性を発揮できると考えられる。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本開示では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
本開示においては、顔料分散剤としてのカップリング剤の存在下でモノマー中に顔料を分散させるのが好ましい。そのようにすることで、顔料の表面がカップリング剤で処理される。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が使用可能であり、この中でもアルミニウム系カップリング剤が好ましい。カップリング剤の添加量は、イエロー着色剤100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜4質量部であり、さらに好ましくは1〜3質量部である。カップリング剤が5質量部を超える場合には、コアギュラム(coagulum;粒子の凝集体)が発生するおそれがある。一方、カップリング剤が0.05質量部未満の場合には、得られるトナーにおいて、反射濃度及び彩度がいずれも向上しないおそれがある。
以下、本開示に好適に使用されるアルミニウム系カップリング剤について説明する。アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(アルキルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)等が挙げられる。
これらのアルミニウム系カップリング剤の中でも、下記一般式(i)
Figure 2018043160
(一般式(i)中、Rは、アルキル基を表す。)
で表されるアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートが好ましい。Rは、通常、炭素原子数が10〜30のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数が15〜25のアルキル基であり、特に好ましくは炭素原子数が18のアルキル基である。
アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとしては、例えば、味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクトAL−M等が挙げられる。
イエロー着色剤をカップリング剤で表面処理する方法としては、湿式処理法と乾式処理法がある。
湿式処理法を行う場合には、カップリング剤の溶液を調製し、そこにイエロー着色剤を加えてスラリー化する。得られたスラリーを充分に攪拌、混合した後、イエロー着色剤をろ過、デカンテーションまたは遠心分離等の方法で分離する。分離したイエロー着色剤を加熱乾燥し、必要に応じて再粉砕を行うことで表面処理を完了する。湿式処理法によれば、表面の均一な処理が容易に行える。
カップリング剤は、通常、カップリング剤含有量が0.1〜2.0質量%程度の水溶液にして表面処理に用いる。カップリング剤が水に対して相溶性が乏しい場合には、0.1〜2.0質量%程度の酢酸水、水−アルコール混合液、酢酸水−アルコール混合液等の溶解性を高める成分を加えてもよい。
カップリング剤の水溶液を調製する手順としては、水又は必要に応じて酢酸水溶液等の他の成分を含む水を攪拌しながら、カップリング剤を滴下する。攪拌速度は、液をはね上げない状態でできるだけ早くし、滴下速度は、液がゲル化しないように急速滴下を避ける。滴下終了後、さらに30〜60分間攪拌を継続して、水溶液がほぼ透明になった時点でカップリング剤の加水分解を終了する。必要に応じて水溶液をろ過して使用する。不溶物、浮遊物が目立つ場合には、孔径0.5μm以下のカートリッジを使用して循環ろ過を行う。
一方、乾式処理法を行う場合には、イエロー着色剤に対し、カップリング剤の原液又は溶液を容量的に少量加えて、イエロー着色剤がスラリー化せずに粉体の状態を維持しながら充分に攪拌、混合し、乾燥することで表面処理を完了する。攪拌後、必要に応じてイエロー着色剤にカップリング剤を充分になじませるための熟成を行ってから、乾燥を行っても良い。攪拌機としては、例えば、FMミキサー(:商品名)、V型ブレンダー等を用いることができる。湿式処理法によれば、過剰の処理液からイエロー着色剤を分離する作業や、水分を乾燥させるためのエネルギーを節約できるので、処理コストを削減でき、大量処理に適している。
乾式処理法で行う場合の一例としては、FMミキサー(:商品名)でイエロー着色剤を攪拌しながら、イエロー着色剤100質量部に対してカップリング剤濃度が0.1〜10質量%の処理液を10〜100質量部加え、約10分攪拌しイエロー着色剤に当該処理液を馴染ませる。さらに、上記処理液を、当該処理液の合計量が1〜10質量部となるように、イエロー着色剤に加え、80〜100℃で約1時間加熱することにより、イエロー着色剤の表面処理が完了する。
また、その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本開示では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
更に、その他の添加物として、離型剤を添加することが好ましい。離型剤を添加することにより、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善できる。離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に制限無く用いることができる。例えば、低分子量ポリオレフィンワックスや、その変性ワックス;パラフィン等の石油ワックス;オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ジペンタエリスリトールエステル、カルナウバ等のエステルワックス;等が挙げられる。トナーの保存性と低温定着性のバランスが取れることから、エステルワックスが好ましく、アルコールとカルボン酸をエステル化して得る合成エステルワックスより好ましく、中でも、アルコールが多価アルコールでありカルボン酸がモノカルボン酸である合成エステルワックスが更に好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
(A−2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本開示では、重合性単量体とイエロー着色剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中では、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。
本開示において、水系媒体は、水を主成分とする媒体のことを言う。
本開示において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られる重合トナーが画像を鮮明に再現することができ、更に環境安定性を悪化させない。
(A−3)重合工程
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、イエロー着色剤を含む着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのままで、又は外添剤を添加して、重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
(A−4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
先ず、結着樹脂、イエロー着色剤(好ましくは、顔料分散剤で処理されたイエロー着色剤)、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤及び離型剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂、イエロー着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、及び離型剤等のその他の添加物、イエロー着色剤の処理に用いる顔料分散剤は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
結着樹脂としては、他にも、従来からトナーに広く用いられている樹脂を使用することができる。粉砕法で用いられる結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等を例示することができる。
2.着色樹脂粒子
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、イエロー着色剤を含有する着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が好ましくは3〜15μmであり、更に好ましくは4〜12μmである。Dvが3μm未満である場合には、重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下する場合がある。Dvが15μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dnが1.3を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名:マルチサイザー)等を用いて測定することができる。
本開示の着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.96〜1.00であることが好ましく、0.97〜1.00であることがより好ましく、0.98〜1.00であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
本開示のトナーは、上記イエロー着色剤を含有する着色樹脂粒子を、そのままでトナーとすることもできるが、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、上記着色樹脂粒子を、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行うことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナーとしてもよい。
なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び/又は酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及び/又はメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び/又は酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
本開示では、外添剤を、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常、0.05〜6質量部、好ましくは0.2〜5質量部の割合で用いることが望ましい。外添剤の添加量が0.05質量部未満の場合には転写残が発生することがある。外添剤の添加量が6質量部を超える場合にはカブリが発生することがある。
4.本開示のトナー
上記工程を経て得られる本開示のトナーは、イエロー着色剤として、化合物A及び化合物Bを組み合わせて使用することにより、少ないトナー量で、彩度が従来よりも優れたイエロートナーである。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本開示を更に具体的に説明するが、本開示は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
<本開示の第1の実施形態>
1−1.着色樹脂粒子の製造
<着色樹脂粒子1−(1)>
(1)コア用重合性単量体組成物の調製:
スチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.1部、ジビニルベンゼン0.7部、テトラエチルチウラムジスルフィド1.0部、アルミニウム系カップリング剤(味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクトAL−M)0.2部、及びイエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー214(下記式(1A)、CAS No.254430−12−5、色相角:97°、クラリアント社製、商品名:PV FAST YELLOW H9G VP2430)6.0部とC.I.ピグメントイエロー93(上記式(2)、CAS No.5580−57−4、色相角:95°、BASF社製、商品名:CROMOPHTAL YELLOW 3G)3.0部を、メディア式分散機を用いて湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベース FCA−161P)0.75部と合成エステルワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート、融点76℃)10部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
Figure 2018043160
(2)水系分散媒体の調製:
他方、イオン交換水280部に塩化マグネシウム10.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム7.3部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
(3)シェル用重合性単量体の調製:
一方、メチルメタクリレート2部と水130部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を調製した。
(4)造粒工程:
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウムコロイド量5.3部)に、上記重合性単量体組成物を投入し、さらに攪拌して、そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)により、回転数15,000rpmにて分散を行い、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
(5)懸濁重合工程:
重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を、反応器に入れ、90℃に昇温して重合反応を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、前記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性開始剤)0.1部を溶解したものを反応器に添加した。次いで、95℃で4時間維持して、重合を更に継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型着色樹脂粒子の水分散液を得た。
(6)後処理工程:
着色樹脂粒子の水分散液を攪拌しながら、pHが4.5以下となるまで硫酸を添加して酸洗浄を行った後(25℃、10分間)、濾別した着色樹脂粒子を、水で洗浄し、洗浄水をろ過した。この際の濾液の電気伝導度は、20μS/cmであった。さらに洗浄・ろ過工程後の着色樹脂粒子を脱水・乾燥し、乾燥した着色樹脂粒子1−(1)を得た。
<着色樹脂粒子1−(2)〜1−(8)>
上記「コア用重合性単量体組成物の調製」において、着色剤の種類及び添加量を表1−1に示すように変更したこと以外は、着色樹脂粒子1−(1)の製造方法と同様にして、着色樹脂粒子1−(2)〜1−(8)を得た。
なお、表1−1中、着色樹脂粒子1−(6)に使用した「SY114」とは、下記式(X)に示すC.I.ソルベントイエロー114(CAS No.7576−65−0、クラリアント社製、商品名:Solvaperm Yellow 2G)を指す。
Figure 2018043160
1−2.着色樹脂粒子の物性評価
着色樹脂粒子1−(1)〜1−(8)について、体積平均粒径(Dv)の測定を行った。
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)を測定した。
1−3.イエロートナーの製造
上記着色樹脂粒子1−(1)〜1−(8)に外添処理を施して、実施例1−1〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーを製造した。
[実施例1−1]
着色樹脂粒子1−(1)100部に、疎水化処理した平均粒径7nmのシリカ微粒子0.6部と、疎水化処理した平均粒径35nmのシリカ微粒子1部とを添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合し、実施例1−1のイエロートナーを調製した。
[実施例1−2〜実施例1−5、比較例1−1〜比較例1−3]
下記表1−1に示す通り、着色樹脂粒子1−(1)を着色樹脂粒子1−(2)〜1−(8)のいずれかに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーを得た。
1−4.静電荷像現像用トナーの評価
実施例1−1〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーについて、画像濃度、明度(L)、色座標(a、b)、彩度(C)の測定を行った。
市販の非磁性一成分現像方式のカラープリンター(印字速度=20枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、イエロートナー試料を充填した後、印字用紙をセットし、温度23℃及び相対湿度50%(N/N)の環境下で一昼夜放置した。その後、ベタ印字時に現像ロール上に供給されるトナー量が0.3mg/cmとなる一点に固定して、5%画像濃度で初期から連続印字を行った。10枚目のコピー用紙にベタ印字(100%画像濃度)を行い、分光光度計(グレダグマクベス社製、商品名:スペクトロアイ)を用いて、画像濃度、明度(L)、色座標(a、b)、彩度(C)を測定した。
実施例1−1〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーの測定及び評価結果を、各トナー組成と併せて表1−1に示す。
なお、下記表1−1中、「PY214」はC.I.ピグメントイエロー214を、「PY93」はC.I.ピグメントイエロー93を、「SY114」はC.I.ソルベントイエロー114をそれぞれ示す。
Figure 2018043160
1−5.トナー評価のまとめ
比較例1−1のイエロートナーは、化合物A(C.I.ピグメントイエロー214)とC.I.ソルベントイエロー114とを組み合わせて用いたトナーである。比較例1−1は、色度bが81.1と低く、彩度Cが81.5と低い。したがって、化合物Bの替わりにC.I.ソルベントイエロー114を使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に劣り、かつ色彩がくすんでいることが分かる。
比較例1−2のイエロートナーは、イエロー着色剤として化合物Aのみを結着樹脂100質量部に対して12.0質量部用いたトナーである。比較例1−2は、色度bが80.3と低く、彩度Cが80.7と低い。したがって、イエロー着色剤として化合物Aを単独で使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に劣り、かつ色彩がくすんでいることが分かる。
比較例1−3のイエロートナーは、イエロー着色剤として化合物Bのみを結着樹脂100質量部に対して12.0質量部用いたトナーである。比較例1−3は、色度bが79.8と低く、彩度Cが80.3と低い。これら色度b及び彩度Cの値は、今回評価したトナー中いずれも最も低い。したがって、イエロー着色剤として化合物Bを単独で使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に特に劣り、かつ色彩が特にくすむことが分かる。
一方、実施例1−1〜実施例1−5のイエロートナーは、結着樹脂100質量部に対し、イエロー着色剤として、化合物Aを6.0〜10.0質量部、化合物Bを2.0〜6.0質量部それぞれ含むトナーである。実施例1−1〜実施例1−5は、色度bが82.5以上と高く、彩度Cが83.0以上と高い。したがって、結着樹脂100質量部に対し、イエロー着色剤として、化合物Aを1〜15質量部、化合物Bを0.1〜8.0質量部それぞれ含む実施例1−1〜実施例1−5のイエロートナーは、高彩度でイエロー発色性に優れたトナーであることが分かる。
特に、実施例1−1、実施例1−2及び実施例1−4のイエロートナーは、色度bが82.8以上と高く、彩度Cが83.3以上と高い。その理由は、これらのイエロートナーが、結着樹脂100質量部に対するイエロー着色剤の総含有量が9.0〜12.0質量部であり、かつイエロー着色剤の含有量の質量比(化合物A/化合物B)が1.0〜2.0であるためと考えられる。このように、イエロートナーがイエロー着色剤を適度に含み、かつイエロー着色剤として化合物Aと化合物Bとをバランスよく含むことにより、特に化合物Aの分散性を高めることができ、その結果より高彩度でイエロー発色性に優れたトナーが得られると考えられる。
<本開示の第2の実施形態>
2−1.着色樹脂粒子の製造
<着色樹脂粒子2−(1)>
(1)コア用重合性単量体組成物の調製:
スチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.1部、ジビニルベンゼン0.7部、テトラエチルチウラムジスルフィド1.0部、アルミニウム系カップリング剤(味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクトAL−M)0.2部、及びイエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー214(下記式(1A)、CAS No.254430−12−5、色相角:97°、クラリアント社製、商品名:PV FAST YELLOW H9G VP2430)6.0部とC.I.ピグメントイエロー155(上記式(3)、CAS No.68516−73−4、色相角:95°、クラリアント社製、商品名:TONER YELLOW 3GP)3.0部を、メディア式分散機を用いて湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベース FCA−161P)0.75部と合成エステルワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート、融点76℃)10部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
Figure 2018043160
(2)水系分散媒体の調製:
他方、イオン交換水280部に塩化マグネシウム10.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム7.3部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
(3)シェル用重合性単量体の調製:
一方、メチルメタクリレート2部と水130部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を調製した。
(4)造粒工程:
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウムコロイド量5.3部)に、上記重合性単量体組成物を投入し、さらに攪拌して、そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)により、回転数15,000rpmにて分散を行い、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
(5)懸濁重合工程:
重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を、反応器に入れ、90℃に昇温して重合反応を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、前記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性開始剤)0.1部を溶解したものを反応器に添加した。次いで、95℃で4時間維持して、重合を更に継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型着色樹脂粒子の水分散液を得た。
(6)後処理工程:
着色樹脂粒子の水分散液を攪拌しながら、pHが4.5以下となるまで硫酸を添加して酸洗浄を行った後(25℃、10分間)、濾別した着色樹脂粒子を、水で洗浄し、洗浄水をろ過した。この際の濾液の電気伝導度は、20μS/cmであった。さらに洗浄・ろ過工程後の着色樹脂粒子を脱水・乾燥し、乾燥した着色樹脂粒子2−(1)を得た。
<着色樹脂粒子2−(2)〜2−(8)>
上記「コア用重合性単量体組成物の調製」において、着色剤の種類及び添加量を表2−1に示すように変更したこと以外は、着色樹脂粒子2−(1)の製造方法と同様にして、着色樹脂粒子2−(2)〜2−(8)を得た。
なお、表2−1中、着色樹脂粒子2−(6)に使用した「SY114」とは、下記式(X)に示すC.I.ソルベントイエロー114(CAS No.7576−65−0、クラリアント社製、商品名:Solvaperm Yellow 2G)を指す。
Figure 2018043160
2−2.着色樹脂粒子の物性評価
着色樹脂粒子2−(1)〜2−(8)について、体積平均粒径(Dv)の測定を行った。
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)を測定した。
2−3.イエロートナーの製造
上記着色樹脂粒子2−(1)〜2−(8)に外添処理を施して、実施例2−1〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーを製造した。
[実施例2−1]
着色樹脂粒子2−(1)100部に、疎水化処理した平均粒径7nmのシリカ微粒子0.6部と、疎水化処理した平均粒径35nmのシリカ微粒子1部とを添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合し、実施例2−1のイエロートナーを調製した。
[実施例2−2〜実施例2−5、比較例2−1〜比較例2−3]
下記表2−1に示す通り、着色樹脂粒子2−(1)を着色樹脂粒子2−(2)〜2−(8)のいずれかに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−2〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーを得た。
2−4.静電荷像現像用トナーの評価
実施例2−1〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーについて、画像濃度、明度(L)、色座標(a、b)、彩度(C)の測定を行った。
市販の非磁性一成分現像方式のカラープリンター(印字速度=20枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、イエロートナー試料を充填した後、印字用紙をセットし、温度23℃及び相対湿度50%(N/N)の環境下で一昼夜放置した。その後、ベタ印字時に現像ロール上に供給されるトナー量が0.3mg/cmとなる一点に固定して、5%画像濃度で初期から連続印字を行った。10枚目のコピー用紙にベタ印字(100%画像濃度)を行い、分光光度計(グレダグマクベス社製、商品名:スペクトロアイ)を用いて、画像濃度、明度(L)、色座標(a、b)、彩度(C)を測定した。
実施例2−1〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーの測定及び評価結果を、各トナー組成と併せて表2−1に示す。
なお、下記表2−1中、「PY214」はC.I.ピグメントイエロー214を、「PY155」はC.I.ピグメントイエロー155を、「SY114」はC.I.ソルベントイエロー114をそれぞれ示す。
Figure 2018043160
2−5.トナー評価のまとめ
比較例2−1のイエロートナーは、化合物A(C.I.ピグメントイエロー214)とC.I.ソルベントイエロー114とを組み合わせて用いたトナーである。比較例2−1は、色度bが81.1と低く、彩度Cが81.5と低い。したがって、化合物Bの替わりにC.I.ソルベントイエロー114を使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に劣り、かつ色彩がくすんでいることが分かる。
比較例2−2のイエロートナーは、イエロー着色剤として化合物Aのみを結着樹脂100質量部に対して12.0質量部用いたトナーである。比較例2−2は、色度bが80.3と低く、彩度Cが80.7と低い。したがって、イエロー着色剤として化合物Aを単独で使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に劣り、かつ色彩がくすんでいることが分かる。
比較例2−3のイエロートナーは、イエロー着色剤として化合物Bのみを結着樹脂100質量部に対して12.0質量部用いたトナーである。比較例2−3は、色度bが79.0と低く、彩度Cが79.5と低い。これら色度b及び彩度Cの値は、今回評価したトナー中いずれも最も低い。したがって、イエロー着色剤として化合物Bを単独で使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に特に劣り、かつ色彩が特にくすむことが分かる。
一方、実施例2−1〜実施例2−5のイエロートナーは、結着樹脂100質量部に対し、イエロー着色剤として、化合物Aを6.0〜10.0質量部、化合物Bを2.0〜6.0質量部それぞれ含むトナーである。実施例2−1〜実施例2−5は、色度bが82.4以上と高く、彩度Cが82.9以上と高い。したがって、結着樹脂100質量部に対し、イエロー着色剤として、化合物Aを1〜15質量部、化合物Bを0.1〜8.0質量部それぞれ含む実施例2−1〜実施例2−5のイエロートナーは、高彩度でイエロー発色性に優れたトナーであることが分かる。
特に、実施例2−1、実施例2−2及び実施例2−4のイエロートナーは、色度bが82.6以上と高く、彩度Cが83.1以上と高い。その理由は、これらのイエロートナーが、結着樹脂100質量部に対するイエロー着色剤の総含有量が9.0〜12.0質量部であり、かつイエロー着色剤の含有量の質量比(化合物A/化合物B)が1.0〜2.0であるためと考えられる。このように、イエロートナーがイエロー着色剤を適度に含み、かつイエロー着色剤として化合物Aと化合物Bとをバランスよく含むことにより、特に化合物Aの分散性を高めることができ、その結果より高彩度でイエロー発色性に優れたトナーが得られると考えられる。

Claims (2)

  1. 結着樹脂及びイエロー着色剤を含有するイエロートナーであって、
    前記イエロー着色剤として、下記一般式(1)で表される化合物A、及び下記式(2)又は下記式(3)で表される化合物Bを含み、
    前記結着樹脂100質量部に対して、前記化合物Aの含有量が1〜15質量部であり、前記化合物Bの含有量が0.1〜8.0質量部であることを特徴とするイエロートナー。
    Figure 2018043160
    〔一般式(1)中、R1A、R1B、R2A、及びR2Bは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表し、
    はハロゲン原子を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH)、アセチル基(−COCH)、メチルエステル基(−COOCH)又は1級アミド基(−CONH)を表し、
    a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
    a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
    cは1以上3以下の整数を表し、
    d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。〕
    Figure 2018043160
    Figure 2018043160
  2. 前記化合物Bの含有量に対する前記化合物Aの含有量の質量比(化合物A/化合物B)が、0.1〜10.0であることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
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