JPWO2018043160A1 - イエロートナー - Google Patents
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Abstract
Description
このような画像形成装置において、デジタルフルカラー複写機やデジタルフルカラープリンターが実用化されてきている。デジタルフルカラー複写機は、カラー画像原稿を、ブルー、グリーン及びレッドの各フィルターで色分解した後、オリジナルのカラー原稿に対応した20〜70μmのドット径からなる静電潜像を、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各トナーを用いて現像し、減色混合作用を利用してフルカラー画像を形成する。
従来イエロートナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー12、13及び17等に代表されるようなジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントイエロー74、97及び98等に代表されるようなモノアゾ系顔料等の使用が一般的である。
しかし、特許文献1〜3に開示されたイエロートナーは、以下に述べるそれぞれの理由により、上記多様な用途に適用し得るとは到底言うことができない。まず、特許文献1に記載された着色剤の組み合わせ(C.I.ピグメントイエロー214とC.I.ピグメントイエロー139)は、着色力の低さからイエロートナーの反射濃度が低くなるという問題があり、さらに、これら顔料単独での色相の差が大きいことから、組み合わせた際に色彩がくすんでしまうという問題がある。また、特許文献3に記載された着色剤の組み合わせ(C.I.ピグメントイエロー155とC.I.ピグメントイエロー110等)でも同様に、反射濃度の低下の問題、及び、色相の差に起因する色のくすみの問題がある。さらに、特許文献2に記載された着色剤の組み合わせ(C.I.ピグメントイエロー93とC.I.ソルベントイエロー162)は、C.I.ソルベントイエロー162の耐光性が十分ではなく、時間の経過に伴いイエロートナーの反射濃度が低下してしまうという問題がある。
R3はハロゲン原子を表し、
R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH3)、アセチル基(−COCH3)、メチルエステル基(−COOCH3)又は1級アミド基(−CONH2)を表し、
a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
cは1以上3以下の整数を表し、
d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。〕
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、イエロー着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、顔料分散剤及び離型剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いて行う。
本開示では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
以下、本開示に使用する化合物Aについて詳述する。
本開示の化合物Aは、下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物である。
前記一般式(1)中、a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表す。a1、b1、a2、及びb2は、いずれも1であることが好ましい。
前記一般式(1)中、cは1以上3以下の整数を表し、好ましくは1である。
前記一般式(1)中、d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。d及びeはいずれも1であることが好ましい。
本開示に使用される化合物Aは、下記具体例のみに限定されるものではない。また、下記具体例の互変異性体も本開示の化合物として好適に用いることができる。
化合物Aの合成法としては、例えば、下記一般式(a)で示されるN,N’−1,4−ジアセチルフェニレンジアミン誘導体1当量と、下記一般式(b)で示されるベンゼンジアゾニウム誘導体2当量とをカップリングさせる方法が挙げられる(特公昭48−13692号公報参照)。
下記式(2)により表される化合物、及び下記式(3)により表される化合物は、いずれもジスアゾ化合物という点で共通する。また、これらの化合物の色相角は、互いに等しい。
当該質量比が0.1未満である場合や、当該質量比が10.0を超える場合には、イエロートナーのイエロー発色性及び彩度がいずれも低下するおそれがある。これは、化合物A又は化合物Bの配合がいずれか一方に偏る結果、イエロートナーのイエロー発色性及び彩度をバランス良く向上させにくくなるためである。
化合物Aと化合物Bの総含有量が、結着樹脂100質量部に対して1.1質量部未満である場合には、トナー中に占めるイエロー着色剤の含有割合が少なすぎるため、目的とする彩度やイエロー発色性が得られないおそれがある。一方、当該総含有量が23質量部を超える場合には、トナー中に占めるイエロー着色剤の総含有割合が高くなりすぎるため、特に化合物Aの分散性が悪化し、目的とする彩度が得られないおそれがある。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本開示では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が使用可能であり、この中でもアルミニウム系カップリング剤が好ましい。カップリング剤の添加量は、イエロー着色剤100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜4質量部であり、さらに好ましくは1〜3質量部である。カップリング剤が5質量部を超える場合には、コアギュラム(coagulum;粒子の凝集体)が発生するおそれがある。一方、カップリング剤が0.05質量部未満の場合には、得られるトナーにおいて、反射濃度及び彩度がいずれも向上しないおそれがある。
これらのアルミニウム系カップリング剤の中でも、下記一般式(i)
で表されるアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートが好ましい。R0は、通常、炭素原子数が10〜30のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数が15〜25のアルキル基であり、特に好ましくは炭素原子数が18のアルキル基である。
アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとしては、例えば、味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクトAL−M等が挙げられる。
湿式処理法を行う場合には、カップリング剤の溶液を調製し、そこにイエロー着色剤を加えてスラリー化する。得られたスラリーを充分に攪拌、混合した後、イエロー着色剤をろ過、デカンテーションまたは遠心分離等の方法で分離する。分離したイエロー着色剤を加熱乾燥し、必要に応じて再粉砕を行うことで表面処理を完了する。湿式処理法によれば、表面の均一な処理が容易に行える。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本開示では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
本開示では、重合性単量体とイエロー着色剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、イエロー着色剤を含む着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
先ず、結着樹脂、イエロー着色剤(好ましくは、顔料分散剤で処理されたイエロー着色剤)、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤及び離型剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、イエロー着色剤を含有する着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
上記工程を経て得られる本開示のトナーは、イエロー着色剤として、化合物A及び化合物Bを組み合わせて使用することにより、少ないトナー量で、彩度が従来よりも優れたイエロートナーである。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1−1.着色樹脂粒子の製造
<着色樹脂粒子1−(1)>
(1)コア用重合性単量体組成物の調製:
スチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.1部、ジビニルベンゼン0.7部、テトラエチルチウラムジスルフィド1.0部、アルミニウム系カップリング剤(味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクトAL−M)0.2部、及びイエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー214(下記式(1A)、CAS No.254430−12−5、色相角:97°、クラリアント社製、商品名:PV FAST YELLOW H9G VP2430)6.0部とC.I.ピグメントイエロー93(上記式(2)、CAS No.5580−57−4、色相角:95°、BASF社製、商品名:CROMOPHTAL YELLOW 3G)3.0部を、メディア式分散機を用いて湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベース FCA−161P)0.75部と合成エステルワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート、融点76℃)10部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、イオン交換水280部に塩化マグネシウム10.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム7.3部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
一方、メチルメタクリレート2部と水130部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を調製した。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウムコロイド量5.3部)に、上記重合性単量体組成物を投入し、さらに攪拌して、そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)により、回転数15,000rpmにて分散を行い、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を、反応器に入れ、90℃に昇温して重合反応を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、前記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性開始剤)0.1部を溶解したものを反応器に添加した。次いで、95℃で4時間維持して、重合を更に継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型着色樹脂粒子の水分散液を得た。
着色樹脂粒子の水分散液を攪拌しながら、pHが4.5以下となるまで硫酸を添加して酸洗浄を行った後(25℃、10分間)、濾別した着色樹脂粒子を、水で洗浄し、洗浄水をろ過した。この際の濾液の電気伝導度は、20μS/cmであった。さらに洗浄・ろ過工程後の着色樹脂粒子を脱水・乾燥し、乾燥した着色樹脂粒子1−(1)を得た。
上記「コア用重合性単量体組成物の調製」において、着色剤の種類及び添加量を表1−1に示すように変更したこと以外は、着色樹脂粒子1−(1)の製造方法と同様にして、着色樹脂粒子1−(2)〜1−(8)を得た。
なお、表1−1中、着色樹脂粒子1−(6)に使用した「SY114」とは、下記式(X)に示すC.I.ソルベントイエロー114(CAS No.7576−65−0、クラリアント社製、商品名:Solvaperm Yellow 2G)を指す。
着色樹脂粒子1−(1)〜1−(8)について、体積平均粒径(Dv)の測定を行った。
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)を測定した。
上記着色樹脂粒子1−(1)〜1−(8)に外添処理を施して、実施例1−1〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーを製造した。
着色樹脂粒子1−(1)100部に、疎水化処理した平均粒径7nmのシリカ微粒子0.6部と、疎水化処理した平均粒径35nmのシリカ微粒子1部とを添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合し、実施例1−1のイエロートナーを調製した。
下記表1−1に示す通り、着色樹脂粒子1−(1)を着色樹脂粒子1−(2)〜1−(8)のいずれかに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーを得た。
実施例1−1〜実施例1−5、及び比較例1−1〜比較例1−3のイエロートナーについて、画像濃度、明度(L*)、色座標(a*、b*)、彩度(C*)の測定を行った。
市販の非磁性一成分現像方式のカラープリンター(印字速度=20枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、イエロートナー試料を充填した後、印字用紙をセットし、温度23℃及び相対湿度50%(N/N)の環境下で一昼夜放置した。その後、ベタ印字時に現像ロール上に供給されるトナー量が0.3mg/cm2となる一点に固定して、5%画像濃度で初期から連続印字を行った。10枚目のコピー用紙にベタ印字(100%画像濃度)を行い、分光光度計(グレダグマクベス社製、商品名:スペクトロアイ)を用いて、画像濃度、明度(L*)、色座標(a*、b*)、彩度(C*)を測定した。
なお、下記表1−1中、「PY214」はC.I.ピグメントイエロー214を、「PY93」はC.I.ピグメントイエロー93を、「SY114」はC.I.ソルベントイエロー114をそれぞれ示す。
比較例1−1のイエロートナーは、化合物A(C.I.ピグメントイエロー214)とC.I.ソルベントイエロー114とを組み合わせて用いたトナーである。比較例1−1は、色度b*が81.1と低く、彩度C*が81.5と低い。したがって、化合物Bの替わりにC.I.ソルベントイエロー114を使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に劣り、かつ色彩がくすんでいることが分かる。
2−1.着色樹脂粒子の製造
<着色樹脂粒子2−(1)>
(1)コア用重合性単量体組成物の調製:
スチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.1部、ジビニルベンゼン0.7部、テトラエチルチウラムジスルフィド1.0部、アルミニウム系カップリング剤(味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクトAL−M)0.2部、及びイエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー214(下記式(1A)、CAS No.254430−12−5、色相角:97°、クラリアント社製、商品名:PV FAST YELLOW H9G VP2430)6.0部とC.I.ピグメントイエロー155(上記式(3)、CAS No.68516−73−4、色相角:95°、クラリアント社製、商品名:TONER YELLOW 3GP)3.0部を、メディア式分散機を用いて湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベース FCA−161P)0.75部と合成エステルワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート、融点76℃)10部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、イオン交換水280部に塩化マグネシウム10.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム7.3部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
一方、メチルメタクリレート2部と水130部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を調製した。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウムコロイド量5.3部)に、上記重合性単量体組成物を投入し、さらに攪拌して、そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)により、回転数15,000rpmにて分散を行い、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を、反応器に入れ、90℃に昇温して重合反応を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、前記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性開始剤)0.1部を溶解したものを反応器に添加した。次いで、95℃で4時間維持して、重合を更に継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型着色樹脂粒子の水分散液を得た。
着色樹脂粒子の水分散液を攪拌しながら、pHが4.5以下となるまで硫酸を添加して酸洗浄を行った後(25℃、10分間)、濾別した着色樹脂粒子を、水で洗浄し、洗浄水をろ過した。この際の濾液の電気伝導度は、20μS/cmであった。さらに洗浄・ろ過工程後の着色樹脂粒子を脱水・乾燥し、乾燥した着色樹脂粒子2−(1)を得た。
上記「コア用重合性単量体組成物の調製」において、着色剤の種類及び添加量を表2−1に示すように変更したこと以外は、着色樹脂粒子2−(1)の製造方法と同様にして、着色樹脂粒子2−(2)〜2−(8)を得た。
なお、表2−1中、着色樹脂粒子2−(6)に使用した「SY114」とは、下記式(X)に示すC.I.ソルベントイエロー114(CAS No.7576−65−0、クラリアント社製、商品名:Solvaperm Yellow 2G)を指す。
着色樹脂粒子2−(1)〜2−(8)について、体積平均粒径(Dv)の測定を行った。
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)を測定した。
上記着色樹脂粒子2−(1)〜2−(8)に外添処理を施して、実施例2−1〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーを製造した。
着色樹脂粒子2−(1)100部に、疎水化処理した平均粒径7nmのシリカ微粒子0.6部と、疎水化処理した平均粒径35nmのシリカ微粒子1部とを添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合し、実施例2−1のイエロートナーを調製した。
下記表2−1に示す通り、着色樹脂粒子2−(1)を着色樹脂粒子2−(2)〜2−(8)のいずれかに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−2〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーを得た。
実施例2−1〜実施例2−5、及び比較例2−1〜比較例2−3のイエロートナーについて、画像濃度、明度(L*)、色座標(a*、b*)、彩度(C*)の測定を行った。
市販の非磁性一成分現像方式のカラープリンター(印字速度=20枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、イエロートナー試料を充填した後、印字用紙をセットし、温度23℃及び相対湿度50%(N/N)の環境下で一昼夜放置した。その後、ベタ印字時に現像ロール上に供給されるトナー量が0.3mg/cm2となる一点に固定して、5%画像濃度で初期から連続印字を行った。10枚目のコピー用紙にベタ印字(100%画像濃度)を行い、分光光度計(グレダグマクベス社製、商品名:スペクトロアイ)を用いて、画像濃度、明度(L*)、色座標(a*、b*)、彩度(C*)を測定した。
なお、下記表2−1中、「PY214」はC.I.ピグメントイエロー214を、「PY155」はC.I.ピグメントイエロー155を、「SY114」はC.I.ソルベントイエロー114をそれぞれ示す。
比較例2−1のイエロートナーは、化合物A(C.I.ピグメントイエロー214)とC.I.ソルベントイエロー114とを組み合わせて用いたトナーである。比較例2−1は、色度b*が81.1と低く、彩度C*が81.5と低い。したがって、化合物Bの替わりにC.I.ソルベントイエロー114を使用した場合には、イエロートナーがイエロー発色性に劣り、かつ色彩がくすんでいることが分かる。
Claims (2)
- 結着樹脂及びイエロー着色剤を含有するイエロートナーであって、
前記イエロー着色剤として、下記一般式(1)で表される化合物A、及び下記式(2)又は下記式(3)で表される化合物Bを含み、
前記結着樹脂100質量部に対して、前記化合物Aの含有量が1〜15質量部であり、前記化合物Bの含有量が0.1〜8.0質量部であることを特徴とするイエロートナー。
R3はハロゲン原子を表し、
R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミド基(−NHCOCH3)、アセチル基(−COCH3)、メチルエステル基(−COOCH3)又は1級アミド基(−CONH2)を表し、
a1及びb1はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
a2及びb2はその和が1以上3以下となるような負でない整数を表し、
cは1以上3以下の整数を表し、
d及びeは、それぞれ独立して、1又は2である。〕
- 前記化合物Bの含有量に対する前記化合物Aの含有量の質量比(化合物A/化合物B)が、0.1〜10.0であることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
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