JPWO2018012231A1 - 画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

張力が付与された媒体への画像形成において、媒体の変形に起因する画像の変形が抑制される画像形成装置、及び画像形成方法を提供する。画像形成液体の付与量の情報を取得する画像形成液体付与量情報取得部、媒体へ付与される張力の情報を取得する張力情報取得部、画像形成液体付与量の情報を用いて算出された媒体の弾性係数を取得する弾性係数取得部、張力情報、及び弾性係数を用いて媒体の変形量を算出する媒体変形量算出と、画像データを張力が付与された状態の媒体に形成される変換後画像を表す変換後画像データへ変換する画像変換部を備え、張力が付与された媒体に対して、変換後画像データに基づいて画像を形成する。

Description

本発明は画像形成装置、及び画像形成方法に係り、特に張力の付与に起因して変形が生じる媒体への画像形成技術に関する。
紙、又はフィルムなどの媒体に画像を形成する画像形成装置として、インクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は布帛などの張力が付与された際に変形が生じる媒体に対して画像を形成する用途にも使用されている。
張力が付与された際に変形が生じる媒体に対して、媒体に張力が付与された状態において画像が形成されると、画像形成の後に張力が非付与とされた際に、形成された画像が予定されていた画像と異なってしまうという問題が発生する。
特許文献1は、変形させた状態で支持された媒体に対して画像を形成する画像形成装置が記載されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、変形させた状態で支持された媒体に対して、媒体自体の伸縮率に応じて拡縮させた拡縮印刷画像データに基づきインクを吐出させ、媒体の使用の際に所望のサイズとなる画像を媒体に形成する。
なお、本明細書における画像形成装置の用語は、特許文献1における印刷装置の用語に対応している。また、本明細書における媒体の用語は、特許文献1における印刷媒体の用語に対応している。
特許文献2は、張力が付与された際に変形が生じる媒体に画像を形成する画像形成装置が記載されている。特許文献2に記載の画像形成装置は、媒体自体の変形に応じて画像データが補正され、補正された画像データに基づいて画像を媒体に形成する。
なお、本明細書における画像形成装置の用語は、特許文献2における印刷装置の用語に対応している。また、本明細書における媒体の用語は、特許文献2における布帛、又は記録媒体の用語に対応している。更に、本明細書における媒体の変形の用語は、特許文献2における媒体に歪みの用語に対応している。
非特許文献1は、グラビア輪転印刷機において、媒体に加えられる張力と媒体の変形量との関係が記載されている。具体的には、製品印刷ピッチに対する媒体の変形量、媒体に加えられる張力、媒体の断面積、及び媒体のヤング率との関係は、製品印刷ピッチに対する媒体の変形量=媒体に加えられる張力×製品印刷ピッチ/(媒体の断面積×媒体のヤング率)と表されることが記載されている。
なお、製品印刷ピッチの単位、及び製品印刷ピッチに対する媒体の変形量の単位はミリメートルである。媒体に加えられる張力の単位はニュートンである。媒体の断面積の単位は平方ミリメートルである。媒体のヤング率の単位はニュートン毎ミリメートルである。また、本明細書における媒体の変形量の用語は、非特許文献1における媒体の伸び量の用語に対応している。
特開2004−291461号公報 特開平11−300948号公報
月刊コンバーテック、株式会社加工技術研究会、2004年1月号、弓矢 泰、「特集、グラビア印刷と環境対策」、「グラビア輪転印刷機における見当精度の考察」
媒体に一定の張力が付与された際の媒体の変形量は、媒体に付与されたインクの量に応じて変化する。しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、媒体自体の伸縮率に応じて画像データを拡縮させて拡縮印刷画像データが生成されている。そうすると、インクが付与された際に媒体の変形量が変化すると、媒体の使用の際に所望のサイズとなる画像を媒体に形成することが困難である。
特許文献2に記載の画像形成装置では、媒体自体の変形量に応じて画像データが補正されている。そうすると、インクが付与された際に媒体の変形量が変化すると、画像データに対して適切な補正を行うことが困難である。
非特許文献1の記載に基づき、媒体自体の変形量を推定することができるものの、非特許文献1にはインクが付与された媒体の変形量に関する記載はない。また、非特許文献1には画像形成の際に媒体の変形量がどのように用いられるかについての具体的な記載はない。
本明細書では、インクジェット記録装置が用いられて、張力が付与された際に変形が生じる媒体として布帛が挙げられているが、張力が付与された際に変形が生じる媒体が用いられる画像形成であり、媒体の変形に起因する画像の変形が問題となる画像形成であれば、布帛以外の媒体が用いられる画像形成についても同様の課題が存在している。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、張力が付与された媒体への画像形成において、媒体の変形に起因する画像の変形が抑制される画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
第1態様の画像形成装置は、少なくともインクを含む画像形成液体を用いて媒体に画像を形成する画像形成部と、媒体に張力を付与する張力付与部と、張力付与部を用いて張力が付与された媒体と画像形成部とを相対的に搬送させる搬送部と、画像データを取得する画像データ取得部と、画像データ取得部を用いて取得された画像データに基づいて算出された画像形成液体の付与量の情報である画像形成液体付与量情報を取得する画像形成液体付与量情報取得部と、張力付与部を用いて媒体へ付与される張力の情報である張力情報を取得する張力情報取得部と、画像形成液体が付与された媒体の弾性係数であり、画像形成液体付与量情報取得部を用いて取得された画像形成液体付与量情報を用いて算出された媒体の弾性係数を取得する弾性係数取得部と、張力情報取得部を用いて取得された張力情報、及び弾性係数取得部を用いて取得された媒体の弾性係数を用いて、張力付与部を用いて張力が付与された状態と張力が非付与の状態との媒体の変形量を算出する媒体変形量算出部と、媒体変形量算出部を用いて算出された媒体の変形量に基づき、画像データ取得部を用いて取得された画像データを、張力付与部を用いて張力が付与された状態の媒体に形成される変換後画像を表す変換後画像データへ変換する画像変換部と、張力付与部を用いて張力が付与され、且つ、搬送部を用いて画像形成部と相対的に搬送される媒体に対して、変換後画像データに基づいて画像形成部を用いた画像形成を制御する画像形成制御部と、を備えた画像形成装置である。
第1態様によれば、張力の付与に起因して変形した媒体に対して、画像形成液体の付与量に応じた媒体の変形量が考慮された画像が形成される。
画像形成体は、画像を構成する画素を形成する液体であり、少なくともインクが含まれる。インクの例として、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクが挙げられる。
第2態様は、第1態様の画像形成装置において、弾性係数取得部は、画像形成液体付与量情報取得部を用いて取得された画像形成液体の付与量に対応するヤング率を用いて算出された弾性係数を取得する構成としてもよい。
第2態様によれば、画像形成液体の付与量に対応するヤング率に基づく媒体の弾性係数の取得が可能である。
第3態様は、第2態様の画像形成装置において、媒体に付与される画像形成液体の付与量ごとのヤング率を記憶するヤング率記憶部を備えた構成としてもよい。
第3態様によれば、画像形成液体の付与量ごとの媒体のヤング率の取得が可能である。
ヤング率記憶部は、媒体の種類ごとのヤング率が記憶されていてもよい。ヤング率記憶部は、画像形成液体の種類ごとのヤング率が記憶されていてもよい。
第4態様は、第2態様又は第3態様の画像形成装置において、媒体として布帛を供給する媒体供給部を備え、弾性係数取得部は、布帛に付与される張力の方向と平行となる方向に沿う糸の種類に基づく布帛のヤング率を用いて算出された弾性係数を取得する構成としてもよい。
第4態様によれば、布帛の姿勢と布帛に付与される張力との関係が考慮された、媒体のヤング率の取得が可能である。
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか一態様の画像形成装置において、弾性係数取得部は、画像データが複数の部分領域に分割された際の部分領域ごとの弾性係数を取得し、媒体変形量算出部は、弾性係数取得部を用いて取得された部分領域ごとの弾性係数を用いて部分領域ごとに変形量を算出し、画像変換部は、媒体変形量算出部を用いて算出された部分領域ごとの変形量を用いて、画像データ取得部を用いて取得された画像データを部分領域ごとに変換する構成としてもよい。
第5態様によれば、媒体の変形が非線形の場合にも、部分領域ごとの変形量に基づく画像形成が可能である。
部分領域は、一つ以上の画素が含まれる。部分領域は、隣接する複数の画素としてもよい。
第6態様は、第5態様の画像形成装置において、弾性係数取得部は、部分領域ごとの画像形成液体の付与量に基づいて、部分領域ごとの弾性係数を取得する構成としてもよい。
第6態様によれば、画像形成液体の付与量に応じた部分領域ごとの弾性係数の取得が可能である。また、部分領域ごとの画像形成液体の付与量に基づいて複数の部分領域を一つの部分領域として取り扱うことができ、演算対象の部分領域の数が減らされることに起因して演算の回数を減らすことが可能となる。
第7態様は、第5態様の画像形成装置において、弾性係数取得部は、部分領域ごとのヤング率に基づいて、部分領域ごとの弾性係数を取得する構成としてもよい。
第7態様によれば、部分領域ごとのヤング率に応じた部分領域ごとの弾性係数の取得が可能である。また、部分領域ごとのヤング率に基づいて複数の部分領域を一つの部分領域として取り扱うことができ、演算対象の部分領域の数が減らされることに起因して演算の回数を減らすことが可能となる。
第8態様は、第5態様の画像形成装置において、画像変換部は、画像データ取得部を用いて取得した画像データにおける部分領域に設定された計算節点ごとに、部分領域ごとの変形量の大きさ、及び部分領域ごとの変形の向きを表す変形ベクトルを適用して、画像データが表す画像を変形させた変形画像を表す変形画像データを生成する構成としてもよい。
第8態様によれば、部分領域ごとの計算節点について変形量が算出可能である。
第9態様は、第1態様から第8態様のいずれか一態様の画像形成装置において、画像変換部は、画像データ取得部を用いて取得された画像データが表す画像を媒体の変形量に対応して変形させた変形画像を表す変形画像データを生成し、且つ、変形画像を構成する変形画素であり、画像データを構成する最小単位である画素を変形させた変形画素に対して、画像データの画素を適用して、変換後画像を表す変換後画像データを生成する構成としてもよい。
第9態様によれば、媒体の変形量が反映された伸長画像を表す伸長画像データが用いられて、張力が付与された媒体へ形成される変換後画像を表す画像データが生成される。
第10態様は、第9態様の画像形成装置において、画像変換部は、変換後画像における各画素の色情報に、変形画像における変形画素の複数の画素分の色情報が含まれる場合、変形画素の複数の画素分の色情報が平均化された色情報を、変換後画像における各画素の色情報とする構成としてもよい。
第10態様によれば、変換後画像を構成する各画素について、変換後画像を構成する各画素に対応する伸長画像を構成する伸長画素の色情報が反映される。
第11態様は、第9態様の画像形成装置において、画像変換部は、変換後画像における各画素の色情報に、変形画像における変形画素の複数の画素分の色情報が含まれる場合、変形画素の複数の画素のうち、変換後画像の各画素における面積比率が大きい画素の色情報を、変換後画像における各画素の色情報とする構成としてもよい。
第11態様によれば、変換後画像を構成する各画素について、変換後画像を構成する各画素に対応する伸長画像を構成する伸長画素の色情報が反映される。
第12態様は、第1態様から第11態様のいずれか一態様の画像形成装置において、張力付与部は、搬送部を用いて搬送される媒体を支持する媒体支持ローラであり、搬送部における媒体の相対搬送方向と直交する方向である媒体幅方向について、媒体の全長以上の長さを有する媒体支持ローラを用いて、媒体へ張力を付与し、張力情報取得部は、媒体支持ローラの媒体幅方向の両端に取り付けられた張力検出部を用いて、媒体の媒体幅方向の両端に付与される張力の情報を取得する構成としてもよい。
第12態様によれば、媒体の搬送状態が考慮された、媒体に付与される張力の情報の取得が可能である。
第13態様は、第1態様から第12態様のいずれか一態様の画像形成装置において、画像形成部は、媒体へインクを吐出させるインクジェットヘッドを備えた構成としてもよい。
第13態様によれば、張力が付与された媒体への画像形成について、インクジェット方式の画像形成が適用可能である。
第14態様は、第13態様の画像形成装置において、画像形成部を基準とする媒体の相対搬送方向の下流側の位置に配置される乾燥処理部であり、インクジェットヘッドを用いてインクが付与された媒体に乾燥処理を施す乾燥処理部を備えた構成としてもよい。
第14態様によれば、媒体に付与されたインクの定着が促進される。
第15態様は、第13態様又は第14態様の画像形成装置において、インクを凝集させる処理液、又は不溶化させる処理液を媒体に付与する処理液付与部であり、画像形成部を基準とする媒体の相対搬送方向の上流側の位置に配置される処理液付与部を備え、画像形成液体付与量情報取得部は、処理液付与部を用いて媒体に付与される処理液量、及びインクジェットヘッドから吐出させるインク量の情報を画像形成液体の付与量の情報として取得する構成としてもよい。
第15態様によれば、媒体に付与されたインクの滲みが抑制される。
第16態様は、第1態様から第15態様のいずれか一態様の画像形成装置において、画像形成制御部は、変換後画像データの画素に対応する媒体の位置に、画像形成部を用いてドットを形成する構成としてもよい。
第16態様によれば、変換後画像データの画素に対応する媒体の位置に変換後画像データが表す画像を構成するドットが形成される。
第17態様の画像形成方法は、張力が付与された媒体と媒体に画像を形成する画像形成部とを相対的に搬送させ、少なくともインクを含む画像形成液体を用いて媒体に画像を形成する画像形成方法であって、画像データを取得する画像データ取得工程と、画像データ取得工程において取得された画像データに基づいて算出された画像形成液体の付与量の情報である画像形成液体付与量情報を取得する画像形成液体付与量情報取得工程と、媒体へ付与される張力の情報である張力情報を取得する張力情報取得工程と、画像形成液体が付与された媒体の弾性係数であり、画像形成液体付与量情報取得工程において取得された画像形成液体付与量情報を用いて算出された媒体の弾性係数を取得する弾性係数取得工程と、張力情報取得工程において取得された張力情報、及び弾性係数取得工程において取得された媒体の弾性係数を用いて、張力が付与された状態と張力が非付与の状態との媒体の変形量を算出する媒体変形量算出工程と、媒体変形量算出工程において算出された媒体の変形量に基づき、画像データ取得工程において取得された画像データを、張力が付与された状態の媒体に形成される変換後画像を表す変換後画像データへ変換する画像変換工程と、張力が付与され、且つ、画像形成部と相対的に搬送される媒体に対して、変換後画像データに基づいて画像を形成する画像形成工程と、を含む画像形成方法である。
第17態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
第17態様において、第2態様から第16態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、画像形成装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担う短絡検出方法の構成要素として把握することができる。
本発明によれば、張力の付与に起因して変形した媒体に対して、画像形成液体の付与量に応じた媒体の変形量が考慮された画像が形成される。
図1は第一実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 図2は図1に示された画像形成装置の制御系の概略構成が示されるブロック図である。 図3は図1に示された画像形成装置に適用される画像変換処理の模式図である。 図4は従来技術に係る画像形成装置において形成された画像が模式的に示された説明図である。 図5は布帛の弾性変形の説明図である。 図6は計算節点の説明図である。 図7はヤング率テーブルの説明図である。 図8はインクが付与された状態の布帛の断面図である。 図9はテンション検出部の構成例が示された説明図である。 図10はテンション検出の説明図である。 図11は変形ベクトルの算出の模式図である。 図12は変換後画像における画素の説明図である。 図13は画像変換処理の変形例の説明図である。 図14は第一実施形態に係る画像形成方法の流れが示されたフローチャートである。 図15は有限要素計算の説明図である。 図16はインクジェットヘッドの構造例が示された透視平面図である。 図17は第二実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 図18は図17に示された画像形成装置の制御系の概略構成が示されるブロック図である。 図19は第二実施形態に係る画像形成装置に適用されるヤング率テーブルの一例の説明図である。 図20は第二実施形態に係る画像形成装置に適用されるヤング率テーブルの他の例の説明図である。 図21は第二実施形態に係る画像形成方法の流れが示されたフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。本明細書では、既に説明された構成には同一の符号を付して、説明が適宜省略されることとする。
[第一実施形態]
<画像形成装置の全体構成>
図1は第一実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。図1に示されたインクジェット記録装置10は、供給側ロール12、搬送部14、画像形成部16、後処理部18、及び巻取ロール20を備えている。
本実施形態では、画像形成装置の一例として、インクジェット方式が用いられて画像が形成されるインクジェット記録装置が例示される。本明細書における画像形成は、染色が含まれている。本明細書における画像は、文字、数字、又は記号が含まれている。
供給側ロール12は、芯22に布帛24が巻かれている。供給側ロール12は図示されない支持部材が用いられて芯22を回転軸として回転可能に支持されている。供給側ロール12は媒体供給部の一態様である。
本明細書における布帛24は、二本の糸が組み合わせられた織物、又はテキスタイルが含まれる。また、本明細書における布帛24は、一本の糸が用いられ、結び目が形成され、平面形状、又は立体形状が形成される編物が含まれていてもよい。
搬送部14は、搬送ローラ30、複数のニップローラ対32、及びテンションローラ34が備えられている。搬送部14は、供給側ロール12から引き出された布帛24を、画像形成部16、及び後処理部18を通過させ、巻取ロール20へ搬送する。
搬送ローラ30は円筒形状を有しており、図示されない支持部材が用いられて回転可能に支持されている。搬送ローラ30の長手方向における全長は、布帛24の幅方向の全長に対応している。搬送ローラ30の長手方向は、搬送ローラ30の軸方向と平行となる方向である。テンションローラ34は媒体支持ローラの一態様である。
布帛24の幅方向は、布帛24の搬送方向と直交する方向である。以下、布帛24の搬送方向は媒体搬送方向と記載されることがある。また、布帛24の幅方向は、媒体幅方向と記載されることがある。図1における矢印線は、画像形成部16における媒体搬送方向を表している。媒体搬送方向は相対搬送方向の一態様である。
ここで、本明細書における直交、又は垂直の用語は、90度を超える角度で交差する場合、又は90度未満の角度で交差する場合のうち、90度で交差する場合と同一の作用効果を奏する実質的な直交、又は垂直が含まれる。
また、本明細書における平行の用語は、二方向が非平行であるものの、平行と同一の作用効果を奏する実質的な平行が含まれる。更に、本明細書における同一の用語は、相違があるものの、同一と同様の作用効果を得ることができる実質的な同一が含まれる。
搬送ローラ30は、供給側ロール12から引き出された布帛24の裏面を支持する。布帛24の裏面は、画像が形成される画像形成面の反対側の面である。搬送ローラ30は、長手方向について複数のローラが並べられた構造を有していてもよい。
複数のニップローラ対32は、媒体搬送方向における画像形成部16の上流側、及び下流側に設けられている。図1には、媒体搬送方向における画像形成部16の上流側、及び下流側のそれぞれに一つずつのニップローラ対32が設けられている態様が図示されている。
テンションローラ34は、搬送部14が用いられて搬送される布帛24に対して、媒体搬送方向の上流側から下流側へ向かう方向のテンションを付与する。また、テンションローラ34は、布帛24の裏面を支持する。更に、テンションローラ34はテンション検出センサが取り付けられている。
なお、図1ではテンション検出センサの図示は省略される。テンション検出センサは、図10において符号70Aが付されて図示される。テンション検出センサの詳細は後述される。
搬送部14は、媒体と画像形成部とを相対的に搬送させる搬送部の一態様である。媒体と画像形成部とを相対的に搬送させる態様として、固定された媒体に対して画像形成部を移動させる態様、並びに媒体、及び画像形成部の両者を搬送させる態様が挙げられる。
画像形成部16は、インクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kが備えられている。画像形成部16は、搬送部14が用いられて搬送される布帛24に対して、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの少なくともいずれか一色のインクを用いて画像を形成する。
インクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kは、媒体搬送方向に沿って、媒体搬送方向の上流側からインクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kの順に配置される。
インクジェットヘッド40Cは、布帛24に対してシアンインクを吐出させる吐出素子が具備されている。インクジェットヘッド40Mは、布帛24に対してマゼンタインクを吐出させる吐出素子が具備されている。
インクジェットヘッド40Yは、布帛24に対してイエローインクを吐出させる吐出素子が具備されている。インクジェットヘッド40Kは、布帛24に対してブラックインクを吐出させる吐出素子が具備されている。
インクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kは、媒体幅方向について、布帛24の全長に対応する長さに渡って、複数の吐出素子が配置されたライン型ヘッドである。インクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kは、同様の構成が適用可能である。
以下、インクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kを区別する必要がない場合は、インクジェットヘッド40と記載する場合がある。インクは画像形成液体の一態様である。
後処理部18は、図示されないインク乾燥装置が備えられている。後処理部18は、画像形成部16が用いられて画像が形成された布帛24に対してインクの乾燥処置を施す。
後処理部18は、図示されない蒸気付与装置が備えられている。後処理部18は、画像形成部16が用いられて画像が形成された布帛24に対して、蒸気付与装置を用いて蒸気を付与する。画像が形成された布帛24に対して蒸気が付与されることに起因して、インクに含まれる色材を布帛24に定着させる。
蒸気として、加熱空気、常圧飽和蒸気、又は過熱蒸気が適用可能である。常圧飽和蒸気が用いられる態様が好ましい。蒸気の温度範囲は、90℃以上、140℃以下の範囲が好ましい。蒸気の温度範囲は、100℃以上、108℃以下の範囲がより好ましい。
蒸気の付与期間は、1分以上、60分以下の期間が好ましい。蒸気の付与期間は、1分以上、30分以下の期間がより好ましい。
後処理部18は、図示されない洗浄装置が備えられている。後処理部18は、画像形成部16が用いられて画像が形成され、蒸気が付与された布帛24に対して、洗浄装置を用いて水洗い処理を施す。
水は、ソーピング剤が含有されてもよい。未固着の色材が除去されることに起因して、洗濯堅牢性、又は耐汗堅牢性など種々の耐水性において良好な結果が得られる。
蒸気が付与された後の布帛24に対して水洗い処理が施されることに起因して、布帛24に固着しない色材が除去される。水の温度範囲は、常温から100℃までの範囲が適用可能である。ここでいう常温は、5℃以上、35℃以下の任意の温度が適用されてもよい。例えば、常温として20℃が適用可能である。
後処理部18は、図示されない乾燥装置が備えられている。後処理部18は、画像形成部16が用いられて画像が形成され、蒸気が付与され、水洗い処理が施された布帛24に対して、乾燥装置を用いて乾燥処理を施す。乾燥処理の例として、脱水処理、加熱処理、又は送風処理が挙げられる。
後処理部18は、乾燥処理部の一態様である。後処理部18の位置は、画像形成部を基準とする媒体の相対搬送方向の下流側の位置に相当する。乾燥処理が施されることに起因して、布帛への画像の定着が促進される。
本実施形態では、布帛24に対してテンションが付与された状態において、画像形成部16が用いられて画像が形成された布帛24に対して後処理が施される態様が示されている。後処理部18が用いられる後処理は、布帛24に対してテンションが非付与の状態において行われてもよい。かかる態様では、図1に示された後処理部18は、図1に示された位置に配置されない。後述される第二実施形態についても同様である。
処理液は高分子化合物であり、布帛24との密着性が相対的に高く、水洗い処理に起因して除去される処理液は極めて少ないと考えられる。また、水洗いに処理に起因して布帛24に固定されていないインクは布帛24から除去される。しかし、布帛24に固定されているインクに対する布帛24に固定されていないインクの割合は極めて小さいと考えられる。
水洗いに処理に起因して布帛24から除去されるインクの量が考慮されて導出された布帛24の弾性係数と、水洗いに処理に起因して布帛24から除去されるインクの量が考慮されずに導出された布帛24の弾性係数との差は、無視できる程度であると考えられる。
すなわち、水洗いに処理に起因して布帛24から除去されるインクの量について、布帛24の弾性係数の修正がされなくてもよいと考えられる。
巻取ロール20は、芯44を回転軸として回転可能に支持される。巻取ロール20に布帛24が巻き付け可能に構成される。巻取ロール20は画像が形成され、乾燥処理が施された布帛24を芯44に巻き付けることで、布帛24を収容する。
布帛24は、テンションローラ34を通過すると、テンションローラ34が用いられて付与されたテンションが除去される。布帛24は、テンションローラ34が用いられて付与されたテンションが除去された状態で巻取ロール20に収容される。
なお、図1に示されたインクジェット記録装置10は、適宜、構成の変更、構成の追加、又は構成の削除が可能である。
<制御系の概略構成>
図2は図1に示された画像形成装置の制御系の概略構成が示されるブロック図である。図2に示されたインクジェット記録装置10は、システム制御部50が備えられている。
システム制御部50は、CPU、ROM、及びRAMが具備される構成が適用可能である。なお、CPUはCentral Processing Unitの省略語である。ROMはRead Only Memoryの省略語である。RAMはRandom Access Memoryの省略語である。なお、CPU、ROM、及びRAMの図示は省略される。
システム制御部50は、インクジェット記録装置10の各部を統括的に制御する全体制御部として機能する。また、システム制御部50は、各種演算処理を行う演算部として機能する。
更に、システム制御部50は、インクジェット記録装置10に具備される記憶装置へのデータの書き込み、及び記憶装置からのデータの読み出しを制御するメモリーコントローラとして機能する。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、通信部52が備えられている。通信部52は、図示されない通信インターフェースが備えられている。通信部52は通信インターフェースと接続されたホストコンピュータ54との間でデータの送受信を行うことができる。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、搬送制御部56が備えられている。搬送制御部56は、システム制御部50から送出される指令信号に基づいて、搬送部14の動作を制御する。搬送制御部56は、図1に示された布帛24の搬送開始、布帛24の搬送停止、及び布帛24の搬送速度を制御する。
図2に示された搬送制御部56は、布帛24の搬送条件、及び図1に示された画像形成部16の画像形成条件に基づいてニップローラ対32のニップ圧力を制御する。
テンション付与制御部58は、システム制御部50から送出される指令信号に基づいて、テンションローラ34が用いられる布帛24へのテンション付与を制御する。テンションローラ34、及びテンション付与制御部58は、張力付与部の一態様である。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、画像データ取得部60、画像メモリ62、及び画像処理部64が備えられている。画像データ取得部60は、通信部52を介してホストコンピュータ54から取り込まれた画像データを取得する。画像データの一例としてシリアル形式のラスタデータが挙げられる。
画像メモリ62は、画像データを含む各種データの一時記憶部として機能する。画像メモリ62は、システム制御部50を通じてデータの読み書きが行われる。通信部52を介してホストコンピュータ54から取り込まれ、画像データ取得部60を介して取得された画像データは、一旦画像メモリ62に格納される。
画像処理部64は、画像データ取得部60を介して取得された画像データに対して、色分解処理、色変換処理、補正処理、及びハーフトーン処理を施してドットデータを生成する。
すなわち、画像処理部64は、色分解処理部、色変換処理部、補正処理部、及びハーフトーン処理部が備えられている。なお、色分解処理部、色変換処理部、補正処理部、及びハーフトーン処理部の図示は省略される。
色分解処理部では、入力画像データに対して色分解処理が施される。例えば、入力画像データがRGBで表されている場合、入力画像データがR、G、及びBの色ごとのデータに分解される。ここで、Rは赤を表す。Gは緑を表す。Bは青を表す。
色変換処理部では、R、G、及びBに分解された色ごとの画像データを、インク色に対応するC、M、Y、Kに変換される。ここで、Cはシアンを表す。Mはマゼンタを表す。Yはイエローを表す。Kはブラックを表す。なお、ブラックを表すKは大文字である。
補正処理部では、C、M、Y、及びKに変換された色ごとの画像データに対して補正処理が施される。補正処理の例として、ガンマ補正処理、濃度むら補正処理、又は異常記録素子補正処理などが挙げられる。
ハーフトーン処理部では、例えば、0から255までの多階調数で表された画像データが、二値、又は入力画像データの階調数未満の三値以上の多値で表されるドットデータに変換される。
ハーフトーン処理部では、予め決められたハーフトーン処理規則が適用される。ハーフトーン処理規則の例として、ディザ法、又は誤差拡散法などが挙げられる。ハーフトーン処理規則は、画像記録条件、又は画像データの内容等に応じて変更されてもよい。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、画像変換部66が備えられている。画像変換部66は、画像データ取得部60が用いられて取得された画像データに対して、テンションが付与されて伸ばされた状態の布帛24に対応する伸長画像を表す伸長画像データを生成する。そして伸長画像に対して画素が割りつけられた変換後画像を表す変換後画像データを生成する。
なお、画像変換部66が用いられる変換処理の詳細は後述される。伸長画像は変形画像の一態様である。伸長画像データは変形画像データの一態様である。
画像形成液体の付与量の情報である画像形成液体付与量情報を取得する画像形成液体付与量情報取得部は、画像変換部66の構成要素である。媒体の弾性係数を取得する弾性係数取得部は、画像変換部66の構成要素である。張力が付与された状態と張力が非付与の状態との媒体の変形量を算出する媒体変形量算出部は、画像変換部66の構成要素である。
テーブル記憶部68は、各種処理に適用されるデータテーブルが記憶される。データテーブルの一例として、画像変換部66における画像変換処理に適用されるインク量と布帛24のヤング率との関係が規定されたデータテーブルが挙げられる。テーブル記憶部68はヤング率記憶部の一態様である。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、テンション検出部70が備えられている。テンション検出部70は、テンションローラ34が用いられて布帛24に付与されたテンションを検出する。
テンション検出部70の検出結果は、システム制御部50を介して画像変換部66へ送られる。画像変換部66は、システム制御部50を介してテンション検出部70から送出された布帛24に付与されているテンションの情報を用いて変換処理を行う。テンション検出部70は、張力情報取得部の一態様である。テンション検出部70は、張力検出部の一態様である。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、ヘッド制御部72、及び後処理制御部74を備えている。ヘッド制御部72は、画像処理部64が用いられて処理された画像データに基づいてインクジェットヘッド40の動作を制御する。ヘッド制御部72は、画像形成制御部の一態様である。ヘッド制御部72は、変換後画像データの画素に対応する布帛24の位置に、インクジェットヘッド40を用いてドットを形成する。
後処理制御部74は、システム制御部50から送出される指令に基づいて、後処理部18の動作を制御する。後処理制御部74は、後処理部18の動作開始タイミング、後処理部18の動作停止タイミング、及び後処理部18における処理温度を制御する。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、操作部76、及び表示部78が備えられている。操作部76は、マウス、又はキーボード等の入力デバイスが適用可能である。表示部78は、液晶モニタ等の表示装置が適用可能である。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、パラメータ記憶部80、及びプログラム格納部82が備えられている。
パラメータ記憶部80は、インクジェット記録装置10に使用される各種パラメータが記憶される。パラメータ記憶部80に記憶されている各種パラメータは、システム制御部50を介して読み出され、装置各部に設定される。
プログラム格納部82は、インクジェット記録装置10の各部に使用されるプログラムが格納される。プログラム格納部82に格納されている各種プログラムは、システム制御部50を介して読み出され、装置各部において実行される。
なお、図2には機能ごとに各部が列挙されている。図2に示された各部は適宜、統合、分離、兼用、又は省略が可能である。また、図2に示された各部は少なくとも一つのプロセッサーを含むハードウエアと、プロセッサーを動作させるソフトウエアとを適宜組み合わせて構成することができる。
少なくとも一つのプロセッサー、及びプロセッサーを動作させるソフトウエアが参照するメモリが備えられていてもよい。図2に示された各部は少なくとも一つのプロセッサーを含むハードウエア、及びプロセッサーを動作させるソフトウエアの組み合わせに代わり、電気回路が適用されてもよい。
<画像形成装置の作用>
図1、及び図2に示されたインクジェット記録装置10の作用は以下のとおりである。図1に示された供給側ロール12から引き出された布帛24は、テンションローラ34が用いられて、媒体搬送方向の上流側から下流側へ向かう方向のテンションが付与される。
すなわち、布帛24は、媒体搬送方向と平行となる方向について伸ばされた状態で搬送される。テンションローラ34が用いられてテンションが付与された布帛24は、搬送ローラ30、ニップローラ対32を介して画像形成部16へ搬送される。
画像形成部16では、布帛24に対して画像データに基づき画像が形成される。画像形成部16が用いられて画像が形成された布帛24は、後処理部18へ搬送される。後処理部18では、画像形成部16が用いられて画像が形成された布帛24に対して乾燥処理などの後処理が施される。
後処理部18が用いられて後処理が施された布帛24は、テンションローラ34を介して巻取ロール20へ収容される。
[画像変換処理の詳細な説明]
<画像変換処理の概要>
図3は図1に示された画像形成装置に適用される画像変換処理の模式図である。図3に示された画像100は、テンションFが付与された布帛24に形成された画像であり、布帛24に実際に形成される画像である。テンションFは媒体に付与される張力に相当する。
図3に示された画像102は、テンションFが除かれた除荷状態の布帛24における画像であり、期待される画像であり、所望の画像である。画像102は、布帛24の収縮に起因して、布帛24に形成された画像100が収縮した画像である。
符号Lは、テンションFが除かれた除荷状態の布帛24に形成された画像の用紙搬送方向における全長である。符号Lは、テンションFが付与された布帛24に形成された画像の用紙搬送方向における全長である。なお、図3における用紙搬送方向は、テンションFの方向と平行となる方向である。以下、図4から図6、及び図9から図11についても同様である。
すなわち、本実施形態に示される画像形成における画像変換処理は、媒体である布帛24の伸長量が算出され、布帛24の伸長量に対応して、布帛24が伸長する方向について、画像データを伸長させる処理が含まれる。
なお、布帛24にテンションFが付与されると、テンションFの方向と直交する方向について布帛24が収縮することがあり得る。しかし、布帛24のテンションFの方向と直交する方向の収縮量は、テンションFの方向と平行となる方向の伸長量と比べて十分に小さいと考えられる。そこで、布帛24にテンションFが付与された際に、布帛24はテンションFの方向と直交する方向に収縮しないものとされる。
図3に示された画像100は、ドットハッチの違いが用いられて領域単位のインク量の違いが表されている。画像100における第一領域100A、第二領域100B、第三領域100C、第五領域100E、及び第七領域100Gは、同一のインク量が付与される領域である。第四領域100D、及び第八領域100Hは、同一のインク量が付与される領域である。第六領域100Fは、付与されるインク量が他の領域と異なる領域である。
例えば、第一領域100Aは第四領域100Dのインク量を超えるインク量が付与される。第四領域100Dは第六領域100Fのインク量を超えるインク量が付与される。画像102についても、各領域に付与されるインク量、及び他の領域に付与されるインク量との関係は、画像100と同一である。
すなわち、画像102における第一領域102A、第二領域102B、第三領域102C、第五領域102E、及び第七領域102Gは、同一のインク量が付与される領域である。第四領域102D、及び第八領域102Hは、同一のインク量が付与される領域である。第六領域102Fは、付与されるインク量が他の領域と異なる領域である。
例えば、第一領域102Aは、第四領域102Dのインク量を超えるインク量が付与される。第四領域102Dは、第六領域102Fのインク量を超えるインク量が付与される。
図4は従来技術に係る画像形成装置において形成された画像が模式的に示された説明図である。図4に示された画像110は、テンションFが付与された布帛24に形成された画像であり、布帛24の伸長量に対応する画像変換処理が施されていない画像データが用いられて、布帛24に形成された画像である。図4に示された画像112は、画像110が形成された布帛24のテンションFが除かれた除荷状態の画像であり、布帛24の収縮量に対応する収縮が生じた画像である。
図4に示された画像110、及び画像112は、複数の種類のドットハッチが用いられて各領域のインク量が表されている点は、図3に示された画像100、及び画像102と同様である。なお、図4では、画像110、及び画像112を構成する各領域の符号の図示は省略される。
図4に示された画像112の用紙搬送方向における全長Lは、図3に示されたテンションFが除かれた除荷状態の布帛24に形成された画像102の用紙搬送方向における全長L未満である。
以下に詳細が説明される画像変換処理は、図3に示されたテンションFが除かれた除荷状態の布帛24に形成された画像102を得る際の、画像データに施される処理である。
<布帛の弾性変形の説明>
図5は布帛の弾性変形の説明図である。図5に示された変換前画像120は、テンションFが除かれた除荷状態の布帛24における画像である。図5に示された変換前画像120は、期待される画像であり、所望の画像である。期待される画像とは、布帛24の弾性変形に起因する変形が実質的に生じていない画像である。
画像データの上に設定される座標系であるモニタ座標系における各画素の一辺の長さは、画像形成後の布帛24の上に設定される媒体座標系では、10マイクロメートルである。なお、マイクロは10−6を表している。
変換前画像120は、第一画素122、第二画素124、第三画素126、及び第四画素128の四画素から構成される。図5に示された変換前画像120は、図3に示された画像102に相当する。
第一画素122、及び第四画素128について、シアンの色情報がC、マゼンタの色情報がM、イエローの色情報がY、及びブラックの色情報がKと表される場合、第一画素122、及び第四画素128に付与される第一インク量Vは、V=C+M+Y+Kと表される。なお、ブラックの色情報を表すKは大文字である。
第一画素122の第一インク量Vは第一画素122に付与される四色分の最大インク量を1とした場合の比率で表される。また、第四画素128の第一インク量Vは第四画素128に付与される四色分の最大インク量を1とした場合の比率で表される。
ここで、第一画素122のシアンの色情報を表すCは、第一画素122に付与可能なシアンインク量の最大値を1とした場合の、第一画素122に付与すべきシアンインク量の比率である。第一画素122に付与すべきシアンインク量を第一画素122に付与可能なシアンインク量の最大値を用いて除算し、除算結果の値に100を乗算して算出される。C、M、Y、及びKの単位はパーセントである。
第一画素122のマゼンタの色情報を表すM、第一画素122のイエローの色情報を表すY、及び第一画素122のブラックの色情報を表すKも同様である。また、第四画素128についても同様である。
第二画素124、及び第三画素126について、シアンの色情報がC、マゼンタの色情報がM、イエローの色情報がY、及びブラックの色情報がKと表される場合、第二画素124、及び第三画素に付与される第二インク量Vは、V=C+M+Y+Kと表される。
第二画素124、及び第三画素126におけるシアンの色情報C、マゼンタの色情報M、イエローの色情報Y、及びブラックの色情報Kは、先に説明がされた第一画素122のシアンの色情報を表すCと同様である。ここでの説明は省略される。
第二画素124の第二インク量Vは第二画素124に付与される四色分の最大インク量を1とした場合の比率で表される。また、第三画素126の第二インク量Vは第三画素126に付与される四色分の最大インク量を1とした場合の比率で表される。第一インク量Vと第二インク量Vとは、V<Vの関係を有している。
すなわち、第一画素122、及び第四画素128は、第二画素124、及び第三画素126と比較して低濃度の画素である。
図5に示された符号kは、第一画素122、及び第四画素128の弾性係数である。また、符号kは、第二画素124、及び第三画素126の弾性係数である。なお、弾性係数を表すkは小文字である。
図5に示された伸長画像130は、テンションFが付与された布帛24に対して、実際に形成される画像である。伸長画像130はテンションFが付与された方向であり、媒体搬送方向について変換前画像120が伸ばされた画像である。伸長画素は画像データを構成する最小単位である画素を変形させた変形画素の一態様である。
伸長画像130は、第一伸長画素132、第二伸長画素134、第三伸長画素136、及び第四伸長画素138の四つの伸長画素から構成される。伸長画素とは、変換前画像120を構成する画素が、テンションFが付与された方向であり、媒体搬送方向について伸ばされた画素である。
第一伸長画素132、第二伸長画素134、第三伸長画素136、及び第四伸長画素138は、それぞれ、第一画素122、第二画素124、第三画素126、及び第四画素128が、テンションFが付与された方向であり、媒体搬送方向について伸ばされた画素である。
本実施形態に示されるインクジェット記録装置10の画像形成に適用される画像変換処理では、各画素に付与されるインク量に応じた弾性係数が導出される。そして、導出された弾性係数が用いられて、変換前画像120から伸長画像130への変換処理が行われる。
変換前画像120から伸長画像130への変換は、変形ベクトル{U}が用いられる。なお、変形ベクトル{U}は、図5に示された変形ベクトル{U}、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}の総称である。なお、本明細書では、中括弧が用いられてベクトルが表される。
変形ベクトル{U}の大きさ|U|は、第一画素122の弾性係数k、及び布帛24に付与されるテンションFの大きさ|F|が用いられて、|U|=k/|F|と表される。なお、変形ベクトル{U}の大きさ|U|は、第一画素122の伸長量である。
変形ベクトル{U}の大きさ|U|は、第二画素124の弾性係数k、及び布帛24に付与されるテンションFの大きさ|F|が用いられて、|U|=k/|F|と表される。
なお、変形ベクトル{U}の大きさ|U|は、第二画素124の伸長量、及び第三画素126の伸長量の総和である。図5に示された第二画素124、及び第三画素126は、同一の弾性係数kを有しているので、第二画素124、及び第三画素126は、一画素として取り扱われている。
変形ベクトル{U}の大きさ|U|は、第四画素128の弾性係数k、及び布帛24に付与されるテンションFの大きさ|F|が用いられて、|U|=k/|F|と表される。
なお、変形ベクトル{U}の大きさ|U|は、第一画素122の伸長量、第二画素124の伸長量、第三画素126、及び第四画素128の伸長量の総和である。
本実施形態では、変形ベクトルの正方向は布帛24の伸長方向とされる。布帛24の伸長方向は布帛24に付与されるテンションFの方向と同一の方向である。また、変形ベクトルの負方向は布帛24の収縮方向とされる。布帛24の収縮方向は布帛24に付与されるテンションFの方向と反対の方向である。
テンションFの方向は、媒体搬送方向と同一の方向である。変形ベクトルの正方向は媒体搬送方向と同一の方向である。また、変形ベクトルの負方向は媒体搬送方向と反対の方向である。
<計算節点の設定>
図6は計算節点の説明図である。各画素の弾性係数kが導出されると、変換前画像120について計算節点が設定される。図6に示された第一計算節点pから第八計算節点pは、布帛24の上に設定された座標系である媒体座標系における座標値が用いられて表される。
図6に示された変換前画像120は、第一画素122の四つの頂角部に対して第一計算節点p(0,0)、第二計算節点p(D,0)、第五計算節点p(0,D)、及び第六計算節点p(D,D)が設定される。
ここで、Dは変換前画像120における各画素の一辺の長さである。また、Dは伸長画像130における各画素の短辺の長さである。伸長画像130における各画素の短辺は、各画素の伸長方向、又は収縮方向と直交する方向と平行となる方向における、各画素の辺である。
また、第三画素126の二つの頂角部に対して第三計算節点p(3×D,0)、及び第七計算節点p(3×D,D)が設定される。更に、第四画素128の二つの頂角部に対して第四計算節点p(4×D,0)、及び第八計算節点p(4×D,D)が設定される。
ここで、第二画素124、及び第三画素126は付与されるインク量が同一であり、弾性係数は同一である。第二画素124、及び第三画素126は隣接している。そうすると、第二画素124、及び第三画素126は、一画素として取り扱われることが可能である。
このようにして、複数の画素を一画素として取り扱われることに起因して、演算の対象が減らされる。そうすると、演算の回数を減らすことが可能である。複数の画素が演算上の一画素として取り扱われる条件は、複数の画素の弾性係数が同一であり、且つ、複数の画素が隣接して配置されることが挙げられる。
弾性係数が同一の条件は、弾性係数が予め決められた範囲とされてもよい。例えば、インク量の全範囲が二以上に区分される場合、区分ごとのインク量の範囲の画素は一画素として取り扱われてもよい。以下、画素の用語は、複数の画素が計算上の一画素として取り扱われる場合の画素が含まれることとされる。
図6には、各画素について四つの計算節点が設定される態様が例示されているが、各画素の計算節点は一つ以上であればよい。例えば、各画素が有する四つの頂角のうち任意の一つ以上の頂角に対して計算節点が節点されてもよい。
また、各画素の計算節点は、各画素の頂角に限定されない。布帛24の上の座標値である媒体座標系における座標値、及び画像データの上の座標値であるモニタ座標系における座標値が設定可能であればよい。例えば、各画素の中心位置などの各画素の代表位置に計算節点が設定されてもよい。
<弾性係数の導出>
図7はヤング率テーブルの説明図である。図7に示されたグラフはインク量とヤング率との関係が表されている。図7に示されたグラフの横軸はインク量である。インク量の単位はピコリットルである。ピコは10−12を表している。図7に示されたplは、インク量の単位であるピコリットルを表している。
図7に示されたグラフの縦軸はヤング率である。ヤング率の単位はニュートン毎平方メートルである。図7に示されたN/mは、ヤング率の単位であるニュートン毎平方メートルを表している。
図7に示されたVは、図5、及び図6に示された第一画素122、及び第四画素128のそれぞれに付与されるインク量である。図7に示されたEは、インク量がVの場合の布帛24のヤング率である。
図7に示されたVは、図5、及び図6に示された第二画素124、第三画素126のそれぞれに付与されるインク量である。図7に示されたEは、インク量がVの場合の布帛24のヤング率である。画素ごとのインク量は、画像データが用いられて導出可能である。
図5に示された布帛24の弾性係数は、図7に示されたヤング率テーブルが用いられて導出された布帛24のヤング率が用いられて算出される。図7に示されたヤング率テーブルは、布帛24の種類ごと、及びインクの種類ごとに、予め実験、又はシミュレーション等が用いられて導出される。
図2に示されたテーブル記憶部68は、布帛24の種類ごと、及びインクの種類ごとのヤング率テーブルが記憶されてもよい。画像変換部66は、布帛24の種類の情報が含まれる布帛情報、及びインクの種類の情報が含まれるインク情報を取得し、布帛24の種類、及びインクの種類に基づいて、テーブル記憶部68に記憶されているヤング率テーブルを読み出す。
布帛情報、及びインク情報は、パラメータ記憶部80から読み出されてもよいし、操作部76が用いられて入力されてもよい。画像変換部66は、読み出されたヤング率テーブルを参照して、画素ごとのインク量をパラメータとして、画素ごとのヤング率を導出する。
布帛24は、縦糸の種類と横糸の種類とが異なる場合は、布帛24の縦糸と平行となる方向のヤング率と、横糸と平行となる方向のヤング率が相違することがありうる。
換言すると、布帛24の縦糸と平行となる方向にテンションFが付与される場合と、布帛24の横糸と平行となる方向にテンションFが付与される場合とでは、布帛24の伸長量が相違することがありうる。
そこで、布帛24の姿勢として、布帛24に付与されるテンションFの方向と布帛24の縦糸の方向とが平行であるか、又は布帛24に付与されるテンションFの方向と布帛24の横糸の方向とが平行であるかが判断される。
そして、布帛24の姿勢の情報に基づいて、テンションFの方向と平行となる方向の糸の種類が判断される。図2に示されたテーブル記憶部68には、布帛24に使用される糸の種類ごとヤング率テーブルが記憶される。
画像変換部66は、糸の種類に対応するヤング率テーブルを参照して、布帛24の姿勢に応じたヤング率テーブルを選択し、画素ごとのヤング率を導出する。ここでいう縦糸、及び横糸は布帛24を構成する二種類の糸である。布帛24を構成する二種類の糸のうち、任意の一方向に沿う方向の糸が縦糸であり、縦糸と交差する方向に沿う糸が横糸である。
画素ごとに導出されたヤング率E、画素ごとの布帛24の断面積A、及び画素ごとの自然長Lが用いられて、画素ごとの弾性係数kが算出される。画素ごとの弾性係数kは、k=A×E/Lと表される。
上記の式における画素ごとの弾性係数kは、図5に示された弾性係数k、及び弾性係数kの総称である。ヤング率Eは、画素ごとのヤング率の総称である。布帛24の断面積は画素ごとの断面積の総称である。画素の自然長Lは、図5に示されたテンションFが除かれた除荷状態おける、媒体搬送方向の画素の全長である。
以下、画素ごとの弾性係数k、画素ごとのヤング率E、画素ごとの布帛24断面積A、及び各画素の自然長Lは、画素の番号を表す数字、又はアルファベットが付されることがある。
上記の式における画素ごとの弾性係数kの単位はニュートン毎メートルである。ヤング率Eの単位はニュートン毎平方メートルである。布帛24の断面積Aの単位は平方メートルである。各画素の自然長Lの単位はメートルである。
図8はインクが付与された状態の布帛の断面図である。図8に示された布帛24は、媒体幅方向と平行となる方向に沿う断面線に基づく断面図である。上記の式における布帛24の断面積Aには、図8に示された布帛24自体のインクが付与された部分24Aの断面積、及び布帛24に付与されたインク150の断面積が含まれている。
<テンション検出の説明>
図9はテンション検出部の構成例が示された説明図である。図10はテンション検出の説明図である。図10はテンションローラ34の長手方向における一方の端が図示されている。なお、テンションローラ34の長手方向は、媒体幅方向と平行となる方向である。また、図9、及び図10に示された矢印線は布帛24の搬送方向である。
図9に示されテンション検出部70は、テンション検出センサ70A、信号増幅装置70Bが備えられている。テンション検出センサ70Aは、テンションローラ34の長手方向における両端のそれぞれに取り付けられている。テンション検出センサ70Aにはストレインゲージが適用可能である。
信号増幅装置70Bは、テンション検出センサ70Aから出力された検出信号を増幅する。信号増幅装置70Bの出力信号は、図2に示されたシステム制御部50へ送出される。テンション検出センサ70Aとしてストレインゲージが適用される態様では、信号増幅装置70Bは、ストレインゲージから出力された電流信号を電圧信号へ変換し、かつ、電流信号から変換された電圧信号を、図2に示されたシステム制御部50の入力回路に応じた電圧に変換する。
図10に示される搬送中の布帛24に付与されるテンションFが、直接検出されることは困難である。実際には、テンションローラ34のベアリング34Aに係る負荷Fが測定される。なお、図10に示された負荷Fは、図示の都合上、位置がずらされている。
また、布帛24に付与されるテンションFは、布帛24の幅方向について不均一に付与される場合がありうる。そこで、布帛24の幅方向の両端におけるテンションが検出されることで、布帛24に付与されるテンションが布帛24の幅方向について不均一となる場合でも、布帛24に付与されるテンションの検出が可能である。
なお、図9、及び図10が用いられて説明がされた布帛24に付与されるテンション検出は一例である。例えば、布帛24の搬送状態が安定している場合は、二つのテンション検出センサ70Aの一方の省略が可能である。また、テンション検出センサ70Aとして、ストレインゲージ以外のセンサを適用してもよい。
<伸長量の算出の説明>
画素ごとの弾性係数が算出され、且つ、布帛24に付与されるテンションFが算出されると、画素ごとの伸長量δが算出される。なお、nは画素ごとの識別番号であり、1以上の整数である。n番目の画素の伸長量δは、式(1)が用いられて表される。
=k×δ …(1)
式(1)におけるFはn番目の画素に付与されるテンションの大きさである。全ての画素には同じ大きさのテンションが付与されるので、F=Fとなる。式(1)におけるkはn番目の画素の弾性係数である。
式(1)は、n番目の画素の伸長量δを表す式(2)に変形される。
δ=F×L/A×E …(2)
上記式(2)が用いられて、図5に示された第一画素122の伸長量δが求められる。布帛24に付与されるテンションFが10ニュートン、第一画素122の自然長Lが10マイクロメートル、第一画素122の断面積Aが5.2×10−9平方メートル、第一画素122のヤング率Eが5.0×10ニュートン毎メートルの場合、第一画素122の伸長量δは、δ=3.8マイクロメートルである。
第四画素128の伸長量δは第一画素122の伸長量δと同じ値である。
また、上記式(2)が用いられて、図5に示された第二画素124と第三画素126との合成画素の伸長量δ2+3が求められる。
第二画素124、及び第三画素126の合成画素の断面積A2+3が5.4×10−9平方メートル、第一画素122のヤング率Eが5.0×10ニュートン毎メートルの場合、第二画素124と第三画素126との合成画素の伸長量δ2+3は、δ2+3=2.5マイクロメートルである。
<変形ベクトルの算出の説明>
図11は変形ベクトルの算出の模式図である。図11に示された変換前画像120、及び伸長画像130は、図5、及び図6に示された変換前画像120、及び伸長画像130と同一の画像である。また、図11に示された媒体座標系における第一計算節点pから第八計算節点pは、図6に示された媒体座標系における第一計算節点pから第八計算節点pと同一の計算節点である。
図11に示された伸長画像130における第一計算節点qから第八計算節点qは、変換前画像120に設定されている第一計算節点pから第八計算節点pのそれぞれに対応している。
伸長画像130における第一計算節点qの座標値は、変換前画像120における第一計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。同様に、伸長画像130における第五計算節点qの座標値は、変換前画像120における第五計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。
変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、式(3)が用いられて表される。なお、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}の図示は省略される。
{U}={U}=(0,0) …(3)
図11に示された伸長画像130における第二計算節点qの座標値は、変換前画像120における第二計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。同様に、伸長画像130における第六計算節点qの座標値は、変換前画像120における第六計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。
なお、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、図5に示された変形ベクトル{U}に対応している。
変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、式(4)が用いられて表される。
{U}={U}=(δ,0) …(4)
伸長画像130における第三計算節点qの座標値は、変換前画像120における第三計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。同様に、伸長画像130における第七計算節点qの座標値は、変換前画像120における第七計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。
変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、式(5)が用いられて表される。なお、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、図5に示された変形ベクトル{U}と、変形ベクトル{U}とを加算したベクトルに対応している。
{U}={U}=(δ+δ2+3,0) …(5)
伸長画像130における第四計算節点qの座標値は、変換前画像120における第四計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。同様に、伸長画像130における第八計算節点qの座標値は、変換前画像120における第八計算節点pの座標値に対して、変形ベクトル{U}が加算されて算出される。
変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、式(6)が用いられて表される。なお、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、図5に示された変形ベクトル{U}と、変形ベクトル{U}と、変形ベクトル{U}とを加算したベクトルに対応している。
{U}={U}=(2×δ+δ2+3,0) …(6)
第一画素122の伸長量δがδ=3.8マイクロメートルであり、第二画素124と第三画素126との合成画素の伸長量δ2+3がδ2+3=2.5マイクロメートルの場合、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、{U}={U}=(3.8,0)と表される。同様に、変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、{U}={U}=(6.2,0)と表される。
変形ベクトル{U}、及び変形ベクトル{U}は、式(7)が用いられて表される。
{U}={U}=(10.0,0) …(7)
なお、各座標ベクトルの成分を表す数値の単位はマイクロメートルである。
図11に示された変換前画像120から伸長画像130への変換では、図11に示された各計算節点において、式(8)が用いられて表されるベクトル演算が行われる。
{Q}={P}+{U} …(8)
ここで、{P}は、媒体座標系における任意の原点からn番目の計算節点pに向かうベクトルである。また、{Q}は、媒体座標系に設定されている原点からn番目の計算節点qに向かうベクトルである。
第一画素122の伸長量δがδ=3.8マイクロメートルであり、第二画素124と第三画素126との合成画素の伸長量δ2+3がδ2+3=2.5マイクロメートルの場合、モニタ座標系における各計算節点qを表すベクトル{Q}は以下の式(9)から式(16)が用いられて表される。なお、ベクトル{Q}の成分を表す数値の単位はマイクロメートルである。
{Q}={P}+{U}=(0,0) …(9)
{Q}={P}+{U}=(13.8,0) …(10)
{Q}={P}+{U}=(36.3,0) …(11)
{Q}={P}+{U}=(50.1,0) …(12)
{Q}={P}+{U}=(0,10.0) …(13)
{Q}={P}+{U}=(13.8,10.0) …(14)
{Q}={P}+{U}=(36.3,10.0) …(15)
{Q}={P}+{U}=(50.1,10.0) …(16)
このようにして算出された媒体座標系の各計算節点qの座標値は、モニタ座標系の座標値へ変換され、変更後画像を表す変更後画像データが生成される。
<変更後画像の画素の説明>
図12は変更後画像における画素の説明図である。図12は伸長画像130を構成する各伸長画素と、変換後画像140を構成する各画素との対応付けが模式的に図示されている。
図12に示された変換後画像140は、第一画素142、第二画素144、第三画素146、第四画素148、及び第五画素149の五画素から構成される。変換後画像140を構成する各画素は、伸長画像130を構成する各伸長画素と一対一の対応をしていない。
例えば、変換後画像140の第二画素144の色情報には、伸長画像130の第一伸長画素132の色情報、及び第二伸長画素134の色情報が含まれる。
変換後画像140の各画素の色情報に、伸長画像130の複数の伸長画素の色情報が含まれる場合は、変換後画像140の各画素の色情報として、伸長画像130の複数の伸長画素の色情報の加重平均値が適用可能である。複数の伸長画素の色情報の加重平均値は、変形画素の複数の画素分の色情報が平均化された色情報の一態様である。
変換後画像140の第二画素144において、伸長画像130の第一伸長画素132の面積比率が38パーセントであり、第二伸長画素134の面積比率が62パーセントの場合、変換後画像140の第二画素144の色情報は、式(17)が用いられて表される。
0.38×(C,M,Y,K)+0.62×(C,M,Y,K)=(0.38×C+0.62×C,0.38×M+0.62×M,0.38×Y+0.62×Y,0.38×K+0.62×K) …(17)
式(17)におけるC、M、Y、及びKは、伸長画像130の第一伸長画素132の色情報である。C、M、Y、及びKは、伸長画像130の第二伸長画素134の色情報である。
同様に、変換後画像140の第四画素148において、伸長画像130の第三伸長画素136の面積比率が62パーセントであり、第四伸長画素138の面積比率が38パーセントの場合、変換後画像140の第四画素148の色情報は、式(18)が用いられて表される。
0.38×(C,M,Y,K)+0.62×(C,M,Y,K)=(0.38×C+0.62×C,0.38×M+0.62×M,0.38×Y+0.62×Y,0.38×K+0.62×K) …(18)
式(18)におけるC、M、Y、及びKは、伸長画像130の第三伸長画素136の色情報である。C、M、Y、及びKは、伸長画像130の第二伸長画素134の色情報である。
なお、変換後画像140の第一画素142の色情報は、伸長画像130の第一伸長画素132の色情報が適用される。変換後画像140の第三画素146の色情報は、伸長画像130の第二伸長画素134、及び第三伸長画素の色情報が適用される。変換後画像140の第五画素149の色情報は、伸長画像130の第四伸長画素138の色情報が適用される。
変換後画像140の各画素の色情報が、伸長画像130の複数の伸長画素の色情報が含まれる場合、変換後画像140の各画素において、伸長画像130の複数の伸長画素の面積比率が大きい伸長画素の色情報が、変換後画像140の各画素の色情報とされてもよい。
このようにして、元の画像データにおける色情報が維持された変換後画像の生成が可能である。
<変形例の説明>
図13は画像変換処理の変形例の説明図である。変換後画像160は、伸長画像130の各伸長画素が割り付けられる際に第五画素170が端数となっている。端数となる画素が発生した場合は、端数となった第五画素170は削除され、変換後画像160は第一画素162、第二画素164、第三画素166、及び第四画素168の四画素から構成される。
第四画素168と布帛24の先端24Bとの間に余白が発生してしまうものの、媒体搬送方向における余白の長さは、媒体搬送方向における一画素未満の長さであり、余白として視認されにくい。
また、変換後画像160の第四画素168は、伸長画像130の第三伸長画素136の色情報、及び第四伸長画素138の色情報が考慮されるので、第五画素170の欠落は視認されにくい。
このようにして、元の画像データにおける画素の情報が維持された変換後画像の生成が可能である。
<画像形成方法の手順の説明>
図14は第一実施形態に係る画像形成方法の流れが示されたフローチャートである。画像形成が開始されると、布帛情報取得工程S10において、図1に示された布帛24の種類の情報が含まれる布帛情報が取得される。
布帛情報取得工程S10において布帛情報が取得された後に、インク情報取得工程S12に進む。インク情報取得工程S12ではインクの種類が含まれるインク情報が取得される。インク情報取得工程S12においてインク情報が取得された後に、画像データ取得工程S14へ進む。
画像データ取得工程S14では画像データが取得される。画像データ取得工程S14において画像データが取得された後に、インク量情報取得工程S16へ進む。インク量情報取得工程S16では、画像データが用いられて、画素ごとのインク量の情報が取得される。インク量情報取得工程S16は、画像形成液体付与量情報取得工程の一態様である。
インク量情報取得工程S16において画素ごとのインク量の情報が取得された後に、テンション情報取得工程S18へ進む。テンション情報取得工程S18では、図2に示されたテンション検出部70が用いられて検出された布帛24に付与されているテンションの情報が取得される。テンション情報取得工程S18は、張力情報取得工程の一態様である。
テンション情報取得工程S18において取得される布帛24に付与されるテンションは、図11に示された伸長画像130が布帛24に形成された状態において検出されることが好ましい。
しかし、テンション情報取得工程S18が実行される際に、伸長画像130を表す画像データが生成されていないので、伸長画像130が形成された布帛24に付与されるテンションの検出は困難である。
そこで、伸長画像130が非形成の布帛24に付与されるテンションと、伸長画像130が形成された布帛24に付与されるテンションとは実質的に同一であるとして、伸長画像130が形成された布帛24に付与されるテンションに代わり、伸長画像130が非形成の布帛24に付与されるテンションが検出される。
なお、伸長画像130が非形成の布帛24に付与されるテンションに対して、予め実験、又はシミュレーション等が用いられて導出された補正係数に基づき、伸長画像130が非形成の布帛24に付与されるテンションが補正されてもよい。
テンション検出における補正係数は、布帛24の種類ごと、及びインクの種類ごとに導出されることが好ましい。
テンション情報取得工程S18において布帛24に付与されているテンションの情報が取得された後に、ヤング率テーブル選択工程S20へ進む。ヤング率テーブル選択工程S20では、布帛情報取得工程S10において取得された布帛情報、及びインク情報取得工程S12において取得されたインク情報が用いられてヤング率テーブルが選択される。
ヤング率テーブル選択工程S20においてヤング率テーブルが選択された後に、弾性係数算出工程S22へ進む。弾性係数算出工程S22では、選択されたヤング率テーブルが参照され、インク量情報取得工程S16において取得された画素ごとのインク量の情報が用いられて、画素ごとのヤング率が導出される。
導出された画素ごとのヤング率、及びインク量情報取得工程S16において取得された画素ごとのインク量の情報が用いられて、画素ごとの弾性係数が算出される。弾性係数算出工程S22において画素ごとの弾性係数が算出された後に、伸長量算出工程S24へ進む。弾性係数算出工程S22は、弾性係数取得工程の一態様である。
伸長量算出工程S24では、テンション情報取得工程S18において取得された布帛24に付与されるテンション、及び弾性係数算出工程S22において算出された画素ごとの弾性係数が用いられて、画素ごとの伸長量が算出される。
伸長量算出工程S24において画素ごとの伸長量が算出された後に、画像変換工程S26へ進む。画像変換工程S26では、図11に示された変換前画像120を表す画像データが、伸長画像130を表す画像データへ変換される。伸長量算出工程S24は媒体変形量算出工程の一態様である。
更に、図14に示された画像変換工程S26では、図11に示された伸長画像130を表す画像データが、図12に示された変換後画像140を表す画像データに変換される。図14に示された画像変換工程S26では、図13に示された変換後画像160を表す画像データが生成されてもよい。
図14に示された画像変換工程S26において、図12に示された変換後画像140を表す画像データ、又は図13に示された変換後画像160を表す画像データが形成された後に、図14に示された画像形成工程S28へ進む。
画像形成工程S28では、画像変換工程S26において生成された、図12に示された変換後画像140を表す画像データ、又は図13に示された変換後画像160を表す画像データに基づいて、図1に示されたインクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kが用いられて、布帛24に対して画像が形成される。図14に示された画像形成工程S28では、変換後画像データの画素に対応する布帛24の位置に、図1に示されたインクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kを用いてドットを形成する。
図14に示された画像変換工程S26において画像が形成された後に、画像形成方法は終了される。
[弾性係数算出の変形例]
本実施形態では、画素ごとに弾性係数が算出されているが、弾性係数が算出される単位は、画素ごとに限定されない。画像が、複数のばね要素が用いられて構成される有限要素モデルと見立てられ、有限要素計算等が用いられて、複雑なモデルに対応することが可能である。
図15は有限要素計算の説明図である。図3に示された画像102、及び図5等に示された変換前画像120が、図15に示された連続体200に置き替えられる。連続体200は形状近似がされ、複数の有限要素202の集合体200Aに置き替えられる。
各有限要素202は特性近似がされ、簡単なばね要素204に置き替えられる。複数の有限要素202の集合体200Aは、複数のばね要素204の集合体200Bに置き替えられる。複数のばね要素204の集合体200Bが計算モデルとされる。
各計算節点に付与されるテンションベクトルが{F}、計算モデル全体の剛性マトリクスが[K]、各計算節点の変形ベクトルが{U}の場合、各計算節点に付与されるテンションベクトル{F}は、式(19)が用いられて表される。
{F}=[K]×{U} …(19)
上記式(19)は、式(1)に対応している。式(1)では、各計算節点に付与されるテンションベクトル{F}は、全ての画素について、布帛24に付与されるテンションFとされている。
上記(19)は、{U}を表す式(20)に変形可能である。
{U}=[K]−1×{F} …(20)
式(20)が用いられて導出された各計算節点の変形ベクトル{U}、及びテンションが除かれた除荷状態の各計算節点{P}が用いられて、テンションが付与された状態の計算節点{Q}は、式(21)が用いられて表される。
{Q}={P}+{U} …(21)
式(21)は、式(8)に対応している。
すなわち、図6では、画素ごとに計算節点が設定される態様が例示されたが、画像が複数の部分領域であり、少なくとも一画素が含まれる部分領域に分割され、部分領域ごとに計算節点が設定され、各計算節点について、上記の式(21)が適用されてもよい。
部分領域は、インク量に基づいて決められてもよい。部分領域はヤング率に基づいて決められてもよい。
[インクジェットヘッドの構造例の説明]
図16はインクジェットヘッドの構造例が示された透視平面図である。図16に示されたインクジェットヘッド40は、媒体幅方向について、布帛24の全長以上の長さに渡って複数の吐出素子が配置される構造を有するフルライン型ヘッドである。
図16において、媒体幅方向は符号Xが用いられて図示される。また、媒体搬送方向は符号Yが用いられて図示される。符号Lmaxは布帛24の媒体幅方向における全長である。
図16に示されたインクジェットヘッド40は、媒体幅方向について、複数のヘッドモジュール40Aが繋ぎ合わせられた構造を有している。符号40Bは、各吐出素子に具備される吐出口が形成される吐出口形成面を表している。
なお、フルライン型ヘッドに代わり、シリアル型ヘッドが適用されてもよい。シリアル型ヘッドは、複数の吐出素子が媒体搬送方向に沿って配置される構造を有している。また、シリアル型ヘッドは、媒体幅方向に沿って走査させるキャリッジに搭載される。
シリアル型ヘッドは、媒体幅方向に沿って走査させ、媒体搬送方向における記録素子が配置される長さ分の領域に対して画像形成が形成される。一回の画像形成が終わると、布帛24は媒体搬送方向に一定量搬送され、次の領域に対して画像が形成される。
この動作が繰り返されることで、布帛24の画像が形成される領域の全域に対して画像が形成される。なお、シリアル型ヘッドの図示は省略される。
吐出素子は、吐出口、流路、及び圧力発生素子が具備される。圧力発生素子は圧電素子が適用可能である。圧力発生素子はヒータが適用可能である。すなわち、インクジェットヘッド40は、吐出方式として、圧電方式が適用されてもよいし、サーマル方式が適用されてもよい。インクジェットヘッド40の吐出方式は、静電方式など、様々な方式が適用されてもよい。
[第一実施形態の作用効果]
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10、及び画像形成方法によれば、布帛24の変形に応じた画像データの変換において、布帛24に付与されるインク量に応じて画素ごとの弾性係数が算出され、画素ごとの弾性係数が用いられて画素ごとに伸長量が算出されることに起因して、インク量の違いに起因する画素ごとに伸長量が考慮された画像が形成される。
画素ごと、又は部分領域ごとに弾性係数の算出、及び変形量の算出が行われることに起因して、画像に局所的な変形が生じている場合、又は画像全体として非線形の変形が生じている場合でも、画像の変形に対応した変換後画像の生成が可能である。
本実施形態では、同一のインク量を有する複数の画素であり、隣接する複数の画素が一画素として取り扱われる態様が例示されているが、同一のヤング率を有する複数の画素が一画素として取り扱われてもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る画像形成装置、及び画像形成方法について説明がされる。第二実施形態の説明では、主として第一実施形態との違いについて説明がされる。第二実施形態において、第一実施形態と同一の構成の説明は、適宜省略される。
<画像形成装置の全体構成>
図17は第二実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。図17に示されたインクジェット記録装置10Aは、図1に示されたインクジェット記録装置10に対して、図17に示された前処理部15が追加されている。前処理部15は処理液ヘッド40Sが備えられている。
処理液ヘッド40Sは、インクジェット方式が用いられて、布帛24の画像形成面に対して処理液を付与する。処理液ヘッド40Sは、画像形成部16に具備されるインクジェットヘッド40C、インクジェットヘッド40M、インクジェットヘッド40Y、及びインクジェットヘッド40Kと同様の構造が適用可能である。
前処理部15は、処理液ヘッド40Sに代わり、処理液塗布装置が具備されてもよい。処理液塗布装置の塗布方式は、塗布ローラが具備されるローラ塗布方式、又は噴射ノズルが具備されるスプレー方式などが適用可能である。処理液ヘッド40Sは処理液付与部の一態様である。
処理液は、インクに含まれる色材を凝集、又は不溶化させる機能を有している。処理液が付与された領域に画像が形成されることに起因して、布帛24に付与されたインクの滲みが抑制される。処理液は画像形成液体の一態様である。
インクジェット方式が用いられる布帛24への画像形成では、従来の捺染方法に使用される色糊が使用されると、インクジェットヘッドにノズル詰まりが起きる傾向がある。そこで、予め布帛24に対して処理液が付与される。なお、処理液は糊溶液と呼ばれることがある。
処理液は、糊剤、溶媒、及びヒドロトロピー剤を含有する。糊剤は、スクリーン捺染などの他の捺染において用いられる糊剤と同様の糊剤が適用可能である。溶媒は、水溶性溶媒が好ましい。水を少なくとも含む溶媒が最も好ましい。
ヒドロトロピー剤は、一般に、インクが付与された布帛24が蒸気下で加熱される際に、画像の発色濃度を高める役割を果たす。ヒドロトロピー剤の例として、尿素、アルキル尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、チオ尿素、グアニジン酸塩、及びハロゲン価テトラアルキルアンモニウムなどが挙げられる。
また、公知のヒドロトロピー剤が使用可能である。処理液の全固形分に対するヒドロトロピー剤の含有量は、0.01質量パーセント以上、20質量パーセント以下の範囲が好ましい。
処理液は、必要に応じて、水性金属塩、又は水溶性金属塩、若しくはpH調整剤、撥水剤、界面活性剤、マイグレーション防止剤、ミクロポーラス形成剤などが更に含有されてもよい。
処理液の付与にパッド法が適用される場合、絞り率が5パーセント以上、150パーセント以下の範囲で処理液がパッティングされる態様が好ましい。絞り率が10パーセント以上、130パーセント以下の範囲で処理液がパッティングされる態様がより好ましい。処理液は、画像形成液に含まれていてもよい。
図17に図示されない処理液乾燥処理部は、媒体搬送方向における前処理部15の下流側の位置であり、画像形成部16の上流側の位置に配置される。処理液乾燥処理部は、布帛24に付与された処理液に乾燥処理を施す。乾燥処理の一例として、加熱装置が用いられる加熱処理、及び送風装置が用いられる送風処理が挙げられる。
<制御系の概略構成>
図18は図17に示された画像形成装置の制御系の概略構成が示されるブロック図である。図18に示されたインクジェット記録装置10Aの制御系は、図2に示されたインクジェット記録装置10の制御系に対して、図18に示された処理液付与制御部84、及び処理液乾燥制御部86が備えられている。
処理液付与制御部84は、画像データ取得部60を介して取得された画像データに基づいて、前処理部15の動作を制御する。処理液付与制御部84は、前処理部15の動作開始タイミング、前処理部15の動作停止タイミング、及び処理液の付与量を制御する。なお、前処理部15は処理液ヘッド40Sと読み替えてもよい。
処理液乾燥制御部86は、システム制御部50から送出される指令に基づいて、処理液乾燥処理部15Bの動作を制御する。処理液乾燥制御部86は、処理液乾燥処理部15Bの動作開始タイミング、処理液乾燥処理部15Bの動作停止タイミング、及び処理液乾燥処理部15Bにおける処理温度を制御する。
<画像形成装置の作用>
図17、及び図18に示されたインクジェット記録装置10Aは、図1、及び図2に示されたインクジェット記録装置10と同様の作用効果が得られる。また、図17、及び図18に示されたインクジェット記録装置10Aは、画像形成部16が用いられて画像が形成される前に、布帛24の画像が形成される領域について処理液が付与される。
布帛24に付与された処理液は、処理液乾燥処理部15Bが用いられて乾燥させる。すなわち、画像形成前の布帛24は、画像が形成される領域について処理液層が形成される。
画像が形成される領域に処理液層が形成された布帛24は、画像形成部16が用いられて画像が形成される。処理液が付与された領域に画像が形成されることに起因して、画像の滲みが抑制される。
[画像変換処理の詳細な説明]
<画像変換処理の概要>
図17、及び図18に示されたインクジェット記録装置10Aに適用される画像変換処置は、ヤング率テーブルの選択、及びヤング率の導出が、図1、及び図2に示されたインクジェット記録装置10と相違する。以下に、ヤング率テーブルの選択、及びヤング率の導出について詳細に説明がされる。
<ヤング率テーブルの選択の説明>
各画素のヤング率は、使用される処理液の種類、及び各画素の処理液量に応じて相違する。ヤング率テーブルは、布帛24の種類、インクの種類、及び処理液の種類ごとに作成される。
ヤング率テーブルが選択される際は、布帛24の種類、インクの種類、及び処理液の種類が用いられる。処理液の種類が含まれる処理液情報は、パラメータ記憶部80から読み出されてもよいし、操作部76が用いられて入力されてもよい。
<ヤング率テーブルの一例>
図19は第二実施形態に係る画像形成装置に適用されるヤング率テーブルの一例の説明図である。図19に示されたヤング率テーブルを表すグラフは、処理液量を表す処理液量軸、インク量を表すインク量軸、及びヤング率軸を有する三次元グラフである。
インク量の単位、及び処理液量の単位はピコリットルである。図19に示されたplは、インク量の単位、及び処理液量の単位であるピコリットルを表している。ヤング率の単位はニュートン毎平方メートルである。図19に示されたN/mは、ヤング率の単位であるニュートン毎平方メートルを表している。
画像データが用いられて、画素ごとの処理液量、及び画素ごとのインク量が導出されると、図19に示されたヤング率テーブルが用いられて、画素ごとのヤング率が導出される。
図20は第二実施形態に係る画像形成装置に適用されるヤング率テーブルの他の例の説明図である。図20に示されたヤング率テーブルは、図19に示されたヤング率テーブルと、処理液の種類、及びインクの種類が相違している。
図19、及び図20に示されたヤング率テーブルは、処理液の種類ごと、及びインクの種類ごとに作成され、処理液の種類、及びインクの種類に関連付けされて、図18に示されたテーブル記憶部68に記憶される。
<画像形成方法の手順の説明>
図21は第二実施形態に係る画像形成方法の流れが示されたフローチャートである。図21に示されたフローチャートは、図14に示されたフローチャートに対して、図21に示された処理液情報取得工程S11、処理液量情報取得工程S15が追加されている。処理液量情報取得工程S15は、画像形成液体付与量情報取得工程の一態様である。
また、図21に示されたフローチャートは、図14に示されたヤング率テーブル選択工程S20に代わり、布帛の種類、処理液の種類、及びインクの種類が用いられてヤング率テーブルが選択されるヤング率テーブル選択工程S21が含まれている。
更に、図21に示されたフローチャートは、図14に示された弾性係数算出工程S22に代わり、画素ごとの処理液量の情報、及び画素ごとのインク量の情報が用いられて画素ごとの弾性係数が算出される弾性係数算出工程S23が含まれている。弾性係数算出工程S23は、弾性係数取得工程の一態様である。
更にまた、画像形成工程S29は、図17に示された処理液ヘッド40Sが用いられて、布帛24に処理液が付与される処理液付与工程、及び、処理液付与工程の後に、処理液乾燥処理部15Bが用いられて、処理液が付与された布帛24に対して乾燥処理が施される処理液乾燥処理工程が含まれる。
[第二実施形態の作用効果]
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10A、及び画像形成装置によれば、第一実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。また、処理液が付与された布帛24に対して画像が形成されることに起因して、画像の滲みが抑制される。
[インクの一例の説明]
次に、インクジェット記録装置10、及びインクジェット記録装置10Aに適用されるインクの一例について説明がされる。
インクは、水性媒体に色材を溶解させて作製することが可能である。インクは水性媒体に色材を分散させて作製することが可能である。水性媒体に代わり親油性媒体が用いられてもよい。色材は、染料、又は顔料が適用可能である。
フルカラー画像を形成する際に、マゼンタ、シアン、及びイエローの色相のインクを用いることができ、また、色相を整える目的で、更に、ブラックの色相のインクが用いられてもよい。
更に、レッド、グリーン、オレンジ、グレー、ホワイト、金、又は透明などの色相のインクが用いられてもよい。適用可能な色材として、特開2014−5462号公報の段落〔0237〕から段落〔0240〕までに記載の色材が挙げられる。
インク適性、捺染適性、画像堅牢性を付与する目的で、インクは、染料以外に、溶媒、界面活性剤が含有されてもよい。溶媒として水性媒体が適用可能である。好ましい溶媒として、水、又は水性有機溶媒が挙げられる。
水性有機溶媒の例として、ジエチレングリコール、又はグリセリン等の多価アルコール類のほか、アミン類、一価アルコール類、若しくは多価アルコールのアルキルエーテル類等が挙げられる。また、水性有機溶媒は、特開2002−371079号公報の段落〔0076〕に記載の水混和性有機溶剤の例示として挙げられている各化合物が好適である。
インクの有機溶媒の含有量は、インクの全質量に対して、10質量パーセント以上、60質量パーセント以下であることが好ましい。
界面活性剤として、陽イオン性、陰イオン性、両性、又は非イオン性のうち、いずれかの界面活性剤が用いられてもよい。また、効果を害しない範囲内において必要に応じて、インクにその他の添加剤が含有されてもよい。
インクの粘度は、30ミリパスカル秒以下が好ましい。インクの表面張力は、25ミリニュートン毎メートル以上、70ニュートン毎メートル以下が好ましい。粘度、及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤、及び界面活性剤のうち一つ、又は複数が添加されることによって調整可能である。
以上説明がされた本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10、10A インクジェット記録装置
12 供給側ロール
14 搬送部
15 前処理部
15B 処理液乾燥処理部
16 画像形成部
18 後処理部
20 巻取ロール
22、44 芯
24 布帛
24A 布帛24自体のインクが付与された部分
24B 布帛24の先端
30 搬送ローラ
32 ニップローラ対
34 テンションローラ
34A ベアリング
40、40C、40M、40Y、40K インクジェットヘッド
40A ヘッドモジュール
40B 吐出口形成面
40S 処理液ヘッド
50 システム制御部
52 通信部
54 ホストコンピュータ
56 搬送制御部
58 テンション付与制御部
60 画像データ取得部
62 画像メモリ
64 画像処理部
66 画像変換部
68 テーブル記憶部
70 テンション検出部
70A テンション検出センサ
70B 信号増幅装置
72 ヘッド制御部
74 後処理制御部
76 操作部
78 表示部
80 パラメータ記憶部
82 プログラム格納部
84 処理液付与制御部
86 処理液乾燥制御部
100、102、110、112 画像
100A、102A 第一領域
100B、102B 第二領域
100C、102C 第三領域
100D、102D 第四領域
100E、102E 第五領域
100F、102F 第六領域
100G、102G 第七領域
100H、102H 第八領域
120 変換前画像
122、142、162 第一画素
124、144、164 第二画素
126、146、166 第三画素
128、148、168 第四画素
130 伸長画像
132 第一伸長画素
134 第二伸長画素
136 第三伸長画素
138 第四伸長画素
140 変換後画像
149、170 第五画素
150 インク
160 変換後画像
200 連続体
200A、200B 集合体
202 有限要素
204 ばね要素
{U}、{U}、{U}、{U}、{U}、{U}、{U}、{U}、{U} 変形ベクトル
k、k、k 弾性係数
、q 第一計算節点
、q 第二計算節点
、q 第三計算節点
、q 第四計算節点
、q 第五計算節点
、q 第六計算節点
、q 第七計算節点
、q 第八計算節点
、q、{P}、{Q} 計算節点
E、E ヤング率
L、L 自然長
δ、δ、δ2+3、δ 伸長量
S10からS29 画像形成装置の各工程
なお、図1ではテンション検出センサの図示は省略される。テンション検出センサは、図において符号70Aが付されて図示される。テンション検出センサの詳細は後述される。
処理液は高分子化合物であり、布帛24との密着性が相対的に高く、水洗い処理に起因して除去される処理液は極めて少ないと考えられる。また、水洗い処理に起因して布帛24に固定されていないインクは布帛24から除去される。しかし、布帛24に固定されているインクに対する布帛24に固定されていないインクの割合は極めて小さいと考えられる。
水洗い処理に起因して布帛24から除去されるインクの量が考慮されて導出された布帛24の弾性係数と、水洗い処理に起因して布帛24から除去されるインクの量が考慮されずに導出された布帛24の弾性係数との差は、無視できる程度であると考えられる。
すなわち、水洗い処理に起因して布帛24から除去されるインクの量について、布帛24の弾性係数の修正がされなくてもよいと考えられる。
{Q }={P }+{U }=(0,0) …(9)
{Q }={P }+{U }=(13.8,0) …(10)
{Q }={P }+{U }=(36.3,0) …(11)
{Q }={P }+{U }=(50.1,0) …(12)
{Q }={P }+{U }=(0,10.0) …(13)
{Q }={P }+{U }=(13.8,10.0) …(14)
{Q }={P }+{U }=(36.3,10.0) …(15)
{Q }={P }+{U }=(50.1,10.0) …(16)
このようにして算出された媒体座標系の各計算節点q の座標値は、モニタ座標系の座標値へ変換され、変後画像を表す変後画像データが生成される。
<変後画像の画素の説明>
図12は変後画像における画素の説明図である。図12は伸長画像130を構成する各伸長画素と、変換後画像140を構成する各画素との対応付けが模式的に図示されている。
上記(19)は、{U}を表す式(20)に変形可能である。
ヒドロトロピー剤は、一般に、インクが付与された布帛24が蒸気下で加熱される際に、画像の発色濃度を高める役割を果たす。ヒドロトロピー剤の例として、尿素、アルキル尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、チオ尿素、グアニジン酸塩、及びハロゲンテトラアルキルアンモニウムなどが挙げられる。
[画像変換処理の詳細な説明]
<画像変換処理の概要>
図17、及び図18に示されたインクジェット記録装置10Aに適用される画像変換処は、ヤング率テーブルの選択、及びヤング率の導出が、図1、及び図2に示されたインクジェット記録装置10と相違する。以下に、ヤング率テーブルの選択、及びヤング率の導出について詳細に説明がされる。

Claims (17)

  1. 少なくともインクを含む画像形成液体を用いて媒体に画像を形成する画像形成部と、
    媒体に張力を付与する張力付与部と、
    前記張力付与部を用いて張力が付与された媒体と前記画像形成部とを相対的に搬送させる搬送部と、
    画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記画像データ取得部を用いて取得された画像データに基づいて算出された前記画像形成液体の付与量の情報である画像形成液体付与量情報を取得する画像形成液体付与量情報取得部と、
    前記張力付与部を用いて媒体へ付与される張力の情報である張力情報を取得する張力情報取得部と、
    画像形成液体が付与された媒体の弾性係数であり、前記画像形成液体付与量情報取得部を用いて取得された前記画像形成液体付与量情報を用いて算出された媒体の弾性係数を取得する弾性係数取得部と、
    前記張力情報取得部を用いて取得された前記張力情報、及び前記弾性係数取得部を用いて取得された前記媒体の弾性係数を用いて、前記張力付与部を用いて張力が付与された状態と前記張力が非付与の状態との媒体の変形量を算出する媒体変形量算出部と、
    前記媒体変形量算出部を用いて算出された媒体の変形量に基づき、前記画像データ取得部を用いて取得された画像データを、前記張力付与部を用いて張力が付与された状態の媒体に形成される変換後画像を表す変換後画像データへ変換する画像変換部と、
    張力付与部を用いて張力が付与され、且つ、前記搬送部を用いて前記画像形成部と相対的に搬送される媒体に対して、前記変換後画像データに基づいて前記画像形成部を用いた画像形成を制御する画像形成制御部と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記弾性係数取得部は、前記画像形成液体付与量情報取得部を用いて取得された画像形成液体の付与量に対応するヤング率を用いて算出された前記弾性係数を取得する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記媒体に付与される前記画像形成液体の付与量ごとのヤング率を記憶するヤング率記憶部を備えた請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記媒体として布帛を供給する媒体供給部を備え、
    前記弾性係数取得部は、前記布帛に付与される張力の方向と平行となる方向に沿う糸の種類に基づく前記布帛のヤング率を用いて算出された前記弾性係数を取得する請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記弾性係数取得部は、前記画像データが複数の部分領域に分割された際の前記部分領域ごとの弾性係数を取得し、
    前記媒体変形量算出部は、前記弾性係数取得部を用いて取得された前記部分領域ごとの弾性係数を用いて前記部分領域ごとに変形量を算出し、
    前記画像変換部は、前記媒体変形量算出部を用いて算出された前記部分領域ごとの変形量を用いて、前記画像データ取得部を用いて取得された画像データを前記部分領域ごとに変換する請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記弾性係数取得部は、前記部分領域ごとの画像形成液体の付与量に基づいて、前記部分領域ごとの弾性係数を取得する請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記弾性係数取得部は、前記部分領域ごとのヤング率に基づいて、前記部分領域ごとの弾性係数を取得する請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記画像変換部は、前記画像データ取得部を用いて取得した画像データにおける前記部分領域に設定された計算節点ごとに、前記部分領域ごとの変形量の大きさ、及び前記部分領域ごとの変形の向きを表す変形ベクトルを適用して、前記画像データが表す画像を変形させた変形画像を表す変形画像データを生成する請求項5に記載の画像形成装置。
  9. 前記画像変換部は、前記画像データ取得部を用いて取得された画像データが表す画像を媒体の変形量に対応して変形させた変形画像を表す変形画像データを生成し、且つ、前記変形画像を構成する変形画素であり、前記画像データを構成する最小単位である画素を変形させた変形画素に対して、前記画像データの画素を適用して、前記変換後画像を表す変換後画像データを生成する請求項1から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像変換部は、前記変換後画像における各画素の色情報に、前記変形画像における前記変形画素の複数の画素分の色情報が含まれる場合、前記変形画素の複数の画素分の色情報が平均化された色情報を、前記変換後画像における各画素の色情報とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記画像変換部は、前記変換後画像における各画素の色情報に、前記変形画像における前記変形画素の複数の画素分の色情報が含まれる場合、前記変形画素の複数の画素のうち、前記変換後画像の各画素における面積比率が大きい画素の色情報を、前記変換後画像における各画素の色情報とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記張力付与部は、前記搬送部を用いて搬送される媒体を支持する媒体支持ローラであり、前記搬送部における媒体の相対搬送方向と直交する方向である媒体幅方向について、前記媒体の全長以上の長さを有する媒体支持ローラを用いて、媒体へ張力を付与し、
    前記張力情報取得部は、前記媒体支持ローラの前記媒体幅方向の両端に取り付けられた張力検出部を用いて、前記媒体の前記媒体幅方向の両端に付与される張力の情報を取得する請求項1から11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記画像形成部は、媒体へインクを吐出させるインクジェットヘッドを備えた請求項1から12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記画像形成部を基準とする前記媒体の相対搬送方向の下流側の位置に配置される乾燥処理部であり、前記インクジェットヘッドを用いてインクが付与された媒体に乾燥処理を施す乾燥処理部を備えた請求項13に記載の画像形成装置。
  15. インクを凝集させる処理液、又は不溶化させる処理液を前記媒体に付与する処理液付与部であり、前記画像形成部を基準とする前記媒体の相対搬送方向の上流側の位置に配置される処理液付与部を備え、
    前記画像形成液体付与量情報取得部は、前記処理液付与部を用いて媒体に付与される処理液量、及び前記インクジェットヘッドから吐出させるインク量の情報を前記画像形成液体の付与量の情報として取得する請求項13又は14に記載の画像形成装置。
  16. 前記画像形成制御部は、前記変換後画像データの画素に対応する前記媒体の位置に、前記画像形成部を用いてドットを形成する請求項1から15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  17. 張力が付与された媒体と媒体に画像を形成する画像形成部とを相対的に搬送させ、少なくともインクを含む画像形成液体を用いて媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
    画像データを取得する画像データ取得工程と、
    前記画像データ取得工程において取得された画像データに基づいて算出された前記画像形成液体の付与量の情報である画像形成液体付与量情報を取得する画像形成液体付与量情報取得工程と、
    媒体へ付与される張力の情報である張力情報を取得する張力情報取得工程と、
    画像形成液体が付与された媒体の弾性係数であり、前記画像形成液体付与量情報取得工程において取得された前記画像形成液体付与量情報を用いて算出された媒体の弾性係数を取得する弾性係数取得工程と、
    前記張力情報取得工程において取得された前記張力情報、及び前記弾性係数取得工程において取得された前記媒体の弾性係数を用いて、張力が付与された状態と前記張力が非付与の状態との媒体の変形量を算出する媒体変形量算出工程と、
    前記媒体変形量算出工程において算出された媒体の変形量に基づき、前記画像データ取得工程において取得された画像データを、張力が付与された状態の媒体に形成される変換後画像を表す変換後画像データへ変換する画像変換工程と、
    張力が付与され、且つ、前記画像形成部と相対的に搬送される媒体に対して、前記変換後画像データに基づいて画像を形成する画像形成工程と、
    を含む画像形成方法。
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