JP2009234018A - 補正値算出方法及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度ムラを補正するのに適切な補正値を算出する。
【解決手段】補正用パターンを形成するステップと、補正用パターンの読取画像データを取得するステップと、読取画像データの各画素列のデータに基づいて、印刷画像データの各画素列のデータを補正するための補正値を、印刷画像データの画素列ごとに算出する補正値算出ステップと、を備える補正値算出方法である。補正値算出ステップでは、補正用パターンを構成する或るドット列のドットの形成を変化させたときの読取画像データの前記或る画素列のデータの第1変化量を求め、前記或るドット列とは別のドット列のドットの形成を変化させたときの前記或る画素列のデータの第2変化量を求め、少なくとも第1変化量と第2変化量とに基づいて、前記或る画素列のデータが所定値になるように、前記或るドット列に対応する画素列の補正値と、前記別のドット列に対応する画素列の補正値とを算出する。
【選択図】図12

Description

本発明は、補正値算出方法及び印刷方法に関する。
インクジェットプリンタによって紙に印刷された画像(印刷画像)にスジ状の濃度ムラが生じることがある。この濃度ムラの原因は、印刷画像を構成する多数のドット列がヘッドの製造誤差の影響で理想通りに形成されず、ドットの大小によってドット列ごとに濃淡ができたり、ドット列がズレて形成されたりするためと考えられている。
そこで、濃く印刷される部分の画素を淡く補正し、淡く印刷される部分の画素を濃く補正するように、印刷前に画像データ(印刷画像データ)を予め補正することによって、印刷画像の濃度ムラを軽減することが行われている(特許文献1参照)。
具体的には、まず、一定階調値の印刷画像データに基づいて、所定の印刷解像度(例えば360×360dpi)のテストパターンをプリンタが印刷する。このテストパターンをスキャナが読み取り、テストパターンを構成するドット列に合わせるようにして、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)の列状の領域の濃度をそれぞれ検出する。そして、検出された濃度と目標濃度との差に従って、ドット列ごとに補正値をそれぞれ算出する。算出された補正値は、プリンタのメモリに記憶される。
その後、ユーザ下でプリンタが画像を印刷するときに、印刷画像データの解像度が印刷解像度に合わせて変換され、この結果、印刷画像データ上の画素列が、印刷画像上のドット列と1対1の関係になる。このとき、印刷画像データ上の各画素列の階調値を、対応するドット列の補正値に基づいてそれぞれ補正する。これにより、濃く印刷される画素列は淡く補正され、淡く印刷される画素列は濃く補正される。そして、補正後の印刷画像データに基づいて印刷が行われると、各画素列の階調値の補正結果に応じて各ドット列のドット発生率が補正されているので、各ドット列の濃淡が補正されて印刷画像の濃度ムラが軽減する。
特開2005−205691号公報
上記の濃度ムラ補正方法では、印刷解像度と同じ解像度に変換された印刷画像データ上の画素列の階調値を補正すれば、印刷画像上において、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)の濃度が補正されると考えている。つまり、上記の濃度ムラ補正方法では、印刷画像データ上の画素列の位置(階調値を制御する位置)と、印刷画像上のドット列の位置(濃度の変化する位置)とが一致していると考えている。
しかし、印刷画像データ上の或る画素列の階調値を補正したとき、印刷画像上では、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)とは異なる範囲で濃度が変化し、また、理論位置とは異なる位置で濃度が変化する。
このような状況下では、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)の列状の領域の濃度を検出し、この領域の濃度に応じた補正値をその領域に対して決定しただけでは、正確に濃度ムラを補正できない。
本発明は、濃度ムラをより正確に補正することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、印刷解像度に合わせた解像度の印刷画像データの画素列のデータに応じてドット列を媒体に形成することによって、複数の前記ドット列から構成される補正用パターンを前記媒体に形成するパターン形成ステップと、スキャナによって前記補正用パターンの画像を読み取り、読取画像データを取得する画像読取ステップと、前記読取画像データの各画素列のデータに基づいて、印刷画像データの各画素列のデータを補正するための補正値を、印刷画像データの画素列ごとに算出する補正値算出ステップと、を備える補正値算出方法であって、前記補正値算出ステップは、前記補正用パターンを構成する或るドット列のドットの形成を変化させたときの前記読取画像データの或る画素列のデータの変化量である第1変化量を求めるステップと、前記或るドット列とは別のドット列のドットの形成を変化させたときの前記或る画素列のデータの変化量である第2変化量を求めるステップと、少なくとも前記第1変化量と前記第2変化量とに基づいて、前記或る画素列のデータが所定値になるように、前記或るドット列に対応する画素列の補正値と、前記別のドット列に対応する画素列の補正値とを算出するステップとを有することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
印刷解像度に合わせた解像度の印刷画像データの画素列のデータに応じてドット列を媒体に形成することによって、複数の前記ドット列から構成される補正用パターンを前記媒体に形成するパターン形成ステップと、スキャナによって前記補正用パターンの画像を読み取り、読取画像データを取得する画像読取ステップと、前記読取画像データの各画素列のデータに基づいて、印刷画像データの各画素列のデータを補正するための補正値を、印刷画像データの画素列ごとに算出する補正値算出ステップと、を備える補正値算出方法であって、前記補正値算出ステップは、前記補正用パターンを構成する或るドット列のドットの形成を変化させたときの前記読取画像データの或る画素列のデータの変化量である第1変化量を求めるステップと、前記或るドット列とは別のドット列のドットの形成を変化させたときの前記或る画素列のデータの変化量である第2変化量を求めるステップと、少なくとも前記第1変化量と前記第2変化量とに基づいて、前記或る画素列のデータが所定値になるように、前記或るドット列に対応する画素列の補正値と、前記別のドット列に対応する画素列の補正値とを算出するステップとを有することを特徴とする補正値算出方法が明らかになる。
このような補正値算出方法によれば、適切な補正値を算出できる。
前記補正値算出ステップにおいて、各ドット列のドットの形成をそれぞれ変化させたときの前記読取画像データの画素列のデータの変化量を、画素列ごとにそれぞれ求め、各ドット列のドットの形成をそれぞれ変化させたときの前記読取画像データの各画素列のデータの変化量に基づいて、各画素列のデータが所定値になるように、前記印刷画像データの前記画素列ごとの前記補正値を算出することが望ましい。これにより、より広い範囲の濃度ムラを抑制するための補正値を算出できる。
各ドット列のドットの形成をそれぞれ変化させたときの前記読取画像データの画素列のデータの変化量を、画素列ごとにそれぞれ求めた後、各画素列のデータの変化量に対してフィルタを適用し、フィルタを適用した後の前記変化量に基づいて、各画素列のデータが所定値になるように、前記印刷画像データの前記画素列ごとの前記補正値を算出することが望ましい。これにより、特定の成分の濃度ムラを抑制するための補正値を算出できる。
印刷画像データ上の前記補正用パターンは、基準となる基準データの画素列からなる基準パターンと、前記基準データとは異なるデータの画素列を含む比較パターンと、を有しており、前記パターン形成ステップにおいて、前記比較パターンの各画素列のデータに応じたドット列をそれぞれ前記媒体に形成することによって、前記ドットの形成を変化させた前記ドット列を含む複数の前記ドット列から構成される前記比較パターンを前記媒体に形成し、前記補正値算出ステップにおいて、前記読取画像データ上の前記基準パターンの画素列のデータと、前記読取画像データ上の前記比較パターンの画素列のデータとに基づいて、前記第1変化量及び前記第2変化量を求めることが望ましい。これにより、あるドット列のドットの形成を変化させたときの読取画像データの画素列のデータの変化量を画素列ごとに求めることができる。
前記印刷画像データ上の前記補正用パターンは、複数の前記比較パターンを有しており、前記印刷画像データ上の各前記比較パターンには、前記基準データとは異なるデータの画素列が所定の間隔で配置されており、前記印刷画像データ上において、前記基準データとは異なるデータの画素列の位置が、前記比較パターンごとに異なることが好ましい。これにより、あるドット列のドットの形成を変化させたときの読取画像データの画素列のデータの変化量を画素列ごとに求めることができる。
前記スキャナは、主走査方向に沿ったラインセンサを副走査方向に移動させて前記画像を読み取るものであり、画像読取ステップの際に、前記ドット列の方向と前記主走査方向とを合わせるようにして、前記媒体を前記スキャナにセットすることが望ましい。これにより、スキャナの読取誤差の影響を受けずに済む。
前記ドット列を構成するドットの大きさが、前記印刷解像度よりも大きい場合に、本実施形態は特に有利である。
前記読取画像データの読取解像度が、前記印刷解像度よりも高解像度であることが望ましい。これにより、濃度ムラを高精度に抑制することができる。
印刷解像度に合わせた解像度の印刷画像データの画素列のデータに応じてドット列を媒体に形成することによって、複数の前記ドット列から構成される補正用パターンを前記媒体に形成するパターン形成ステップと、スキャナによって前記補正用パターンの画像を読み取り、読取画像データを取得する画像読取ステップと、前記読取画像データの各画素列のデータに基づいて、印刷画像データの画素列ごとに補正値を算出する補正値算出ステップと、前記補正用パターンとは別の印刷対象の印刷画像データの各画素列のデータを、各画素列に対応する前記補正値に基づいてそれぞれ補正する補正ステップと、各画素列の補正後のデータに応じたドット列をそれぞれ媒体に形成することによって、前記印刷対象の画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとを備える印刷方法であって、前記補正値算出ステップは、前記補正用パターンを構成する或るドット列のドットの形成を変化させたときの前記読取画像データの或る画素列のデータの変化量である第1変化量を求めるステップと、前記或るドット列とは別のドット列のドットの形成を変化させたときの前記或る画素列のデータの変化量である第2変化量を求めるステップと、少なくとも前記第1変化量と前記第2変化量とに基づいて、前記或る画素列のデータが所定値になるように、前記或るドット列に対応する画素列の補正値と、前記別のドット列に対応する画素列の補正値とを算出するステップとを有することを特徴とする印刷方法が明らかになる。
このような印刷方法によれば、濃度ムラが軽減された印刷画像が得られる。
===用語の説明===
まず、本実施形態を説明する際に用いられる用語の意味を説明する。
図1は、用語の説明図である。
「印刷画像」とは、紙上に印刷された画像である。インクジェットプリンタの印刷画像は、紙上に形成された無数のドットから構成されている。
「ラスタライン」とは、ヘッドと紙とが相対移動する方向(移動方向)に並ぶドットの列である。後述の実施形態のようなラインプリンタの場合、「ラスタライン」は、紙の搬送方向に並ぶドットの列を意味する。一方、キャリッジに搭載されたヘッドによって印刷するシリアルプリンタの場合、「ラスタライン」は、キャリッジの移動方向に並ぶドットの列を意味する。移動方向と垂直な方向に多数のラスタラインが並ぶことによって、印刷画像が構成されることになる。図に示すように、n番目の位置にあるラスタラインのことを「第nラスタライン」と呼ぶ。
「画像データ」とは、2次元画像を示すデータである。後述する実施形態では、256階調の画像データや、4階調の画像データなどがある。
「印刷画像データ」とは、画像を紙に印刷するときに用いられる画像データである。プリンタが4階調でドットの形成(大ドット・中ドット・小ドット・ドット無し)を制御する場合、4階調の印刷画像データは、印刷画像を構成するドットの形成状態を示すことになる。
「読取画像データ」とは、スキャナによって読み取られた画像データである。
「画素」とは、画像を構成する最小単位である。この画素が2次元的に配置されることによって画像が構成される。主に、画像データ上の画素を意味する。
「画素列」とは、画像データ上において所定方向に並ぶ画素の列である。図に示すように、n番目の画素列のことを「第n画素列」と呼ぶ。
「画素データ」とは、画素の階調値を示すデータである。画像データは多数の画素データから構成されていることになる。「画素データ」のことを「画素の階調値」と言うこともある。4階調の印刷画像データの場合、各画素データは、2ビットデータになり、ある画素のドット形成状態(大ドット・中ドット・小ドット・ドット無し)を示すことになる。
「画素列データ」とは、画素列に含まれる複数の画素の画素データである。画素列データ中の画素データに従ってドットが形成されることによって、ラスタラインが形成されることになる。「画素列データ」のことを、「画素列の階調値」と言うこともある。
「画素領域」とは、画像データ上の画素に対応した紙上の領域である。例えば、印刷画像データの解像度が360×360dpiの場合、「画素領域」は、1辺が1/360インチの正方形状の領域になる。
「列領域」とは、画素列に対応した紙上の領域である。例えば、印刷画像データの解像度が360×360dpiの場合、列領域は、1/360インチ幅の細長い領域になる。「列領域」は、印刷画像データ上の画素列に対応した紙上の領域を意味する場合もあるし、読取画像データ上の画素列に対応した紙上の領域を意味する場合もある。図中の右下には、前者の場合の列領域が示されている。前者の場合の「列領域」は、ラスタラインの形成目標位置でもある。後者の場合の「列領域」は、読取画像データ上の画素列が読み取られた紙上の測定位置(測定範囲)でもあり、言い換えると、画素列の示す画像(画像片)が存在する紙上の位置でもある。図に示すように、n番目の位置にある列領域のことを「第n列領域」と呼ぶ。第n列領域は第nラスタラインの形成目標位置になる。
「画像片」とは、画像の一部分を意味する。画像データ上において、ある画素列の示す画像は、画像データの示す画像の「画像片」になる。また、印刷画像において、あるラスタラインによって表される画像は、印刷画像の「画像片」になる。また、印刷画像において、ある列領域での発色によって表される画像も、印刷画像の「画像片」に該当する。
ところで、図1の右下には、画素領域とドットとの位置関係が示されている。ヘッドの製造誤差の影響によって第2ラスタラインが第2列領域からズレた結果、第2列領域の濃度が淡くなる。また、第4列領域では、ヘッドの製造誤差の影響によってドットが小さくなった結果、第4列領域の濃度が淡くなる。このような濃度ムラや濃度ムラ補正方法を説明する必要があるため、本実施形態では、「ラスタライン」、「画素列」、「列領域」等の意味や関係を上記の内容に沿って説明している。
但し、「画像データ」や「画素」等の一般的な用語の意味は、上記の説明だけでなく、通常の技術常識に沿って適宜解釈して良い。
===プリンタの構成===
図2は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。図3は、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。
プリンタ1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、上流側ローラ22A及び下流側ローラ22Bと、ベルト24とを有する。不図示の搬送モータが回転すると、上流側ローラ22A及び下流側ローラ22Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙された紙Sは、ベルト24によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が紙Sを搬送することによって、紙Sがヘッドユニット40に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した紙Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。なお、搬送中の紙Sは、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、搬送中の紙Sに対してインクを吐出することによって、紙Sにドットを形成し、画像を紙Sに印刷する。本実施形態のプリンタ1はラインプリンタであり、ヘッドユニット40は紙幅分のドットを一度に形成することができる。
図4は、ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列の説明図である。図に示すように、紙幅方向に沿って、複数のヘッド41が千鳥列状に並んでいる。各ヘッドには、不図示であるが、ブラックインクノズル列、シアンインクノズル列、マゼンタインクノズル列及びイエローインクノズル列が形成されている。各ノズル列は、インクを吐出するノズルを複数個備えている。各ノズル列の複数のノズルは、紙幅方向に沿って、一定のノズルピッチで並んでいる。
図5は、簡略説明用のヘッド配置とドット形成の様子の説明図である。後述するヘッドユニット40は、説明の簡略化のため、2個のヘッド(第1ヘッド41A、第2ヘッド41B)から構成されているものとする。また、説明の簡略化のため、各ヘッドにはブラックインクノズル列だけが設けられているものとする。更に説明を簡略化するため、各ヘッドのブラックインクノズル列は、ノズルを12個ずつ備えているものとする。以下の説明において、搬送方向のことを「x方向」と呼び、紙幅方向のことを「y方向」と呼ぶことがある。
各ヘッドのブラックインクノズル列は、第1ノズル群411と第2ノズル群412とを備えている。各ノズル群は、1/180インチ間隔で紙幅方向(y方向)に並ぶ6個のノズルから構成されている。第1ノズル群411と第2ノズル群412は、紙幅方向に1/360インチだけずれて構成されている。これにより、各ヘッドのブラックインクノズル列は、紙幅方向に関して1/360インチの間隔で並ぶ12個のノズルから構成されたノズル列となっている。各ヘッドのノズル列に対して、図中の上から順に、番号を付している。
なお、搬送中の紙Sに対して各ノズルから断続的にインク滴が吐出されることによって、各ノズルは、紙に24個のラスタラインを形成する。例えば、第1ヘッド41Aのノズル♯1Aは第1ラスタラインを紙上に形成し、第2ヘッド41Bのノズル♯1Bは第13ラスタラインを紙上に形成する。各ラスタラインは、搬送方向(x方向)に沿って形成される。
検出器群50には、上流側ローラ22Aの回転量を検出するロータリー式エンコーダ(不図示)などが含まれる。このロータリー式エンコーダの検出結果に基づいて、紙Sの搬送量を検出することができる。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。濃度ムラを補正するための補正値(後述)は、メモリ63に記憶されている。
===本実施形態の補正値取得処理===
プリンタ製造工場の検査工程において、製造されたプリンタごとに、各プリンタの濃度ムラ特性を反映した補正値をそれぞれ算出し、その補正値を各プリンタのメモリに記憶させる。
図6A〜図6Cは、テストパターンを印刷してからプリンタ1に補正値を記憶させるまでの間の様子の説明図である。
<補正値取得処理の前段階>
最初に、検査者は、検査対象となるプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する(図6A参照)。このコンピュータ110には、スキャナ150も接続されている。コンピュータ110には、テストパターンをプリンタ1に印刷させるためのプリンタドライバと、スキャナ150を制御するためのスキャナドライバと、スキャナ150から取得した画像データ(読取画像データ)に画像処理を施して補正値を算出するための補正値取得プログラムが予めインストールされている。
プリンタドライバには、予めテストパターンの画像データ(印刷画像データ)が用意されている。このテストパターンの印刷画像データは、印刷解像度に合わせた解像度(360×360dpi)の画像データになっている。
図7Aは、テストパターンの印刷画像データの説明図である。テストパターンは、5個の補正用パターンから構成されている。5個の補正用パターンは、x1方向に沿って並んでいる。なお、テストパターンが印刷されたとき、5個の補正用パターンがx方向(搬送方向)に沿って並ぶように、印刷画像データ上のx1方向が定められている。
各補正用パターンは、基準となる階調値(基準階調値)が異なっている。各補正用パターンの基準階調値は、右にある第1補正用パターンから順に76、102、128、153、179であり、左にある補正用パターンほど濃度が濃い。なお、これらの5種類の基準階調値は、記号でSa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)、Sd(=153)、Se(=179)と表すことにする。
図7Bは、第3補正用パターンの印刷画像データの説明図である。ここでは第3補正用パターンについて説明するが、他の補正用パターンもほぼ同様の構成である。
第3補正用パターンは、5個のブロックから構成されている。5個のブロックは、x1方向に沿って並んでいる。各ブロックは、24個の画素列から構成されている。各ブロックの24個の画素列は、y1方向に並んでいる。各ブロックの各画素列は、それぞれ数10画素から構成されている。
5個のブロックの中央に位置する基準ブロックでは、全ての画素データは、基準階調値Sc(=128)になっている。
一方、第1ブロック〜第4ブロックでは、画素データは、特定の画素列に属する画素データを除き、基準階調値になっている。但し、各ブロックの特定の画素列に属する画素データは、基準階調値よりもαだけ濃い階調値になっている。このように基準階調値よりもαだけ濃い階調値になっている画素列のことを、「濃画素列」と呼ぶことにする。ここでは、α=5とする。
第1ブロック〜第4ブロックでは、濃画素列は4個の画素列おきに現れるようになっている。例えば、第1ブロックでは、第1、第5、第9、第13、第17及び第21画素列が濃画素列になっている。濃画素列は数個の画素列おきに現れるため、濃画素列がy1方向に隣接することは無い。なお、ある2個の濃画素列の間にある3個の画素列に属する画素データは、全て基準階調値Sc(=128)になっている。
また、各ブロックの濃画素列は、y1方向の位置が全て異なっている。言い換えると、24個の画素列のうち、いずれかのブロックに濃画素列がある。例えば、第1画素列では第1ブロックに濃画素列があり、第2画素列では第2ブロックに濃画素列があり、第3画素列では第3ブロックに濃画素列があり、第4画素列では第4ブロックに濃画素列がある。
<ハーフトーン処理(S101)>
図8は、プリンタ製造後の検査工程で行われる補正値取得処理のフロー図である。
まず、コンピュータ110のプリンタドライバは、テストパターンの印刷画像データをハーフトーン処理することにより、前述の256階調のテストパターンの印刷画像データ(図7A)を4階調の印刷画像データに変換する(S101)。4階調の印刷画像データ上では、各画素列データは、各ラスタラインのドットの形成状態を示すことになる。ハーフトーン処理後、濃画素列の画素列データは、基準階調値の画素列データよりも、ドット形成を示す画素データの数が多い状態になっている。
図9は、ハーフトーン処理後の印刷画像データの概念図である。ハーフトーン処理後の画素データは4階調であるが、説明を簡略化するため、ドット形成を示す画素データの画素を丸印で表現し、ドット非形成を示す画素データの画素を無印で表現することによって、2階調で画素データを示している。図中の白丸は、ハーフトーン処理前の画素データが基準階調値であった画素である。一方、図中の黒丸は、ハーフトーン処理前の画素データが基準階調値よりも濃い画素である(濃画素列に属する画素である)。また、説明を簡略化するため、各ブロックの画素列は8画素から構成されている。図に示されるように、ハーフトーン処理後の印刷画像データでは、濃画素列の画素列データは、基準階調値の画素列データよりも、ドット形成を示す画素データの数が多い状態になっている。
<テストパターンの印刷(S102)>
ハーフトーン処理後、プリンタドライバは、4階調の印刷画像データを含む印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1は、印刷データ中の4階調の画素データに従って各ノズルからインク滴を吐出し、テストパターンを印刷する(S102、図6A参照)。本実施形態では、プリンタ1は、360×360dpiの印刷解像度でテストパターンを印刷する。
図9のような印刷画像データに従って各ノズルからインク滴が吐出されると、図9のようにドットが形成された印刷画像が紙に印刷される。例えば、図9の第1画素列データに従ってノズル♯1Aがインクを吐出することによって、テストパターンを構成する第1ラスタラインが紙上に形成されることになる。但し、ヘッドの製造誤差のため、印刷画像では、図9のように全ドットが同じ大きさにはならず、また、ラスタラインが所定の列領域からズレて形成されることもある。テストパターンを巨視的に見れば、このテストパターンは、濃度ムラを含んでいるものの、およそ印刷画像データ(図7Aや図7B)の通りの印刷画像になる。
第3補正用パターンを微視的に見た時の状態について説明する。第3補正用パターンは、24個のラスタラインから構成されている。基準ブロックでは、所定の密度でドットが生成されている。また、第1ブロック〜第4ブロックでは、特定のラスタラインを除き、所定の密度でドットが生成されている。但し、第1ブロック〜第4ブロックの所定のラスタラインでは、基準ブロックにおけるドット密度よりも高い密度で、ドットが生成されている。つまり、本実施形態では、濃画素列の画素データ(256階調)が基準階調値よりも濃くなっている結果、濃画素列に対応する列領域付近に濃い画像片が形成されるようにドットの発生が変化する。ここでは、濃画素列に対応するラスタラインのことを「濃ラスタライン」と呼ぶことにする。
<テストパターンの読み取り(S103)>
次に、プリンタ1によって印刷されたテストパターンが検査者によってスキャナ150にセットされ、コンピュータ110のスキャナドライバがスキャナ150にテストパターンを読み取らせる(S103、図6B参照)。本実施形態では、スキャナ150は、主走査方向に沿ったラインセンサ(例えばCCDセンサ)を副走査方向に移動させて画像を読み取るものであり、検査者は、テストパターンのラスタラインの方向(x方向)と、スキャナ150の主走査方向(ラインセンサのライン方向)とを合わせるようにして、テストパターンをスキャナ150にセットする。また、本実施形態では、1440×1440dpiでスキャナ150がテストパターンを読み取る。つまり、テストパターンの印刷解像度である360×360dpiよりも高い読取解像度で、スキャナ150がテストパターンを読み取る。
なお、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、スキャナ150から取得した画像データ(読取画像データ)の中からテストパターンの部分を抽出するため、必要に応じて、読取画像データに対して回転処理やトリミングなどを施しても良い。
図10は、読取画像データ上の第3補正用パターンの説明図である。読取画像データ上では、各ブロックの並ぶ方向を「x2方向」と呼び、x2方向と直交する方向を「y2方向」と呼ぶ。x2方向に並ぶ画素列は、ラスタラインの画像と平行になっている。
本実施形態では、360dpiの24個のラスタラインから構成されたテストパターンを1440×1440dpiで読み取っているので、読取画像データは、約96個の画素列から構成されている。ヘッドの製造誤差のためラスタラインの間隔は正確ではなく、また、スキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動も必ずしも正確ではないため、y2方向に並ぶ画素列の数が正確に96個になるとは限らない。
読取画像データ上の各画素列データ(x2方向に並ぶ画素の列)は、テストパターンが印刷された紙上の約1/1440インチ幅の列領域の画像片を示していることになる。言い換えると、読取画像データの各画素列データは、約1/1440インチ間隔の測定位置での画像片を示していることになる。但し、ラインセンサの副走査方向の移動が正確ではないため、測定位置の間隔は、正確に1/1440インチになっているとは限らない。
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、各ブロックごとに、図中の点線の領域の読取画像データを抽出し、各画素列の輝度を算出する。各画素列の輝度は、印刷されたテストパターン上の各列領域の濃度を示していると考えられる。
図11は、各画素列の輝度の算出の様子の説明図である。図中の左側には、図10の点線の領域の読取画像データが示されている。点線の領域には、所定数の画素からなる画素列が、y2方向に並んでいる。補正値取得プログラムは、各画素列ごとに、x2方向に並ぶ複数の画素の画素データに基づいて平均輝度を算出し、この平均輝度をその画素列の輝度とする。例えば、第1画素列の輝度は、図中の左側の太線内の画素データに基づいて算出される。図11の右側には、各画素列の輝度のグラフが示されている。本実施形態では、ブロックごとに、図11の右側のグラフのようなデータが得られることになる。
以下の説明では、読取画像データの第i画素列の輝度を「Yi」と表す。なお、i=1, 2, …m であり、mは読取画像データの画素列の数(ここでは約96)である。
<ドット発生変化に対する輝度変化量の検出(S104〜S107)>
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、各ラスタラインのドット発生変化に対する読取画像データ上の各画素列の輝度変化量を検出する。
図12Aは、読取画像データ上の基準ブロックの輝度のグラフである。グラフの横軸はy2方向の位置であり、グラフの縦軸は輝度である。印刷画像データ上の基準ブロックは一定階調値(基準階調値)の画素から構成されているので、基準ブロックには濃ラスタラインは無いが、印刷画像に濃度ムラがあるため、読取画像データ上の各画素列の輝度にばらつきが生じている。
図12Bは、読取画像データ上の第4ブロックの輝度のグラフである。第4ブロックでは、第jラスタライン(例えば、第4ラスタラインや第8ラスタラインなど)が濃ラスタラインになっている。つまり、第jラスタラインは、基準ブロックのラスタラインと比べて、濃くなるようにドットの発生が変化している。
この結果、第jラスタラインの画像片があると想定される位置付近の画素列の輝度は、基準ブロックにおける同じ画素列の輝度よりも濃い値(暗い値)を示している。また、1個の画素列の輝度だけでなく、所定の範囲(例えば、紙上の1/180インチ幅相当の範囲)の画素列の輝度が、基準ブロックにおける同じ画素列の輝度よりも濃い値を示す。
なお、濃ラスタラインにより輝度が変化する画素列の範囲は、同じブロック内の濃画素列の間隔の半分以下であるものとする。言い換えると、各ブロック内の濃画素列の間隔は、あるラスタラインのドットの発生が変化したときに輝度が変化する画素列の範囲の2倍よりも広くなるように、予め設定されている。これにより、ある特定のラスタライン(濃ラスタライン)のドット発生変化による輝度の変化量を検出することが可能になる。仮に濃画素列の間隔が短すぎると、輝度の変化量を検出できても、どのラスタラインのドット発生変化による影響なのかを特定することができなくなる。
以下の説明では、第jラスタラインのドット発生変化による第i画素列の輝度の変化量を「ΔYij」と表す。コンピュータ110の補正値取得プログラムは、基準ブロックにおける第i画素列の輝度と、第jラスタラインのドット発生が変化するブロック(この場合、第4ブロック)における第i画素列の輝度との差をΔYijとして算出する。また、輝度変化量ΔYijをα(αは、濃画素列の階調値と基準階調値との差であり、既知である)で割った値である単位変化量を「aij」と表す。なお、j=1, 2, …n であり、ここではn=24である。
ところで、あるラスタラインのドット発生が変化したときに輝度が変化する画素列の範囲は所定の範囲内なので、ΔYij及びaijは、その所定範囲外ではゼロに設定する。例えば、図12Bのような場合には、ΔY1j〜ΔY8jや、a1j〜a8jは、ゼロになる。
このようにして、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、まず、第1ラスタラインのドット発生変化による各画素列の単位変化量ai1を、基準ブロック及び第1ブロックの各画素列の輝度Yiに基づいて算出する。次に、補正値取得プログラムは、第2ラスタラインのドット発生変化による各画素列の単位変化量ai2を、基準ブロック及び第2ブロックの各画素列の輝度Yiに基づいて算出する。これにより、全てのラスタラインのそれぞれのドット変化による各画素列の単位変化量aijが全て算出される(S104〜S107)。
<補正値の算出(S108)>
次に、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、ラスタラインごとに対応した24個の補正値を算出する(S108)。ここでは、第jラスタラインに対応する補正値を「ΔCj」とする。
図13は、基準ブロックの輝度のグラフと目標輝度Ytとの関係の説明図である。目標輝度Ytは、基準階調値で印刷された印刷画像が本来あるべき輝度である。ここでは、目標輝度Ytに対する第i画素列の輝度Yiの誤差を「ΔYi」と表す。
誤差ΔYiを補正するためには、第i画素列の輝度に影響を与えるラスタラインのドット発生を変更(補正)する必要がある。ここでは、3個のラスタライン(第j−1ラスタライン、第jラスタライン及び第j+1ラスタライン)のドット発生が変化すると、第i画素列の輝度が変化するものとする。この場合、第i画素列の輝度を目標輝度Ytに補正するためには、3個のラスタラインの補正値が、以下の条件を満たす必要がある。
ΔYi−(aij-1×ΔCj-1+aij×ΔCj+aij+1×ΔCj+1)=0
ところで、各ラスタラインの補正値は、第i画素列の輝度を目標輝度に補正するだけでなく、全ての画素列の輝度(Y1〜Ym)が目標輝度になるように設定する必要がある。このため、全ての画素列の輝度を目標輝度Ytに補正するためには、各補正値が、以下の条件を満たす必要がある。
従って、この式をできるだけ満たすように、各ラスタラインに対応する補正値ΔCjを最適化することによって、最適な補正値を算出することができる。
本実施形態では、二乗誤差が最小になるように補正値ΔCjを最適化することにする。まず、上記の数1の各項を次式で置き換える。
この場合、補正値ΔCは、擬似逆行列を用いて次式で算出できる。
ΔC=((AA)−1)ΔY
なお、本実施形態では、二乗誤差が最小になるように補正値ΔCを最適化したが、別の評価値(例えば誤差の絶対値の和など)を最小とするような最適化であっても良い。
このようにして、コンピュータ110の補正値取得プログラムは、ラスタラインごとに補正値を算出することによって、24個の補正値を算出する。24個のラスタラインと印刷画像データ上の24個の画素列はそれぞれ対応しているので、算出された24個の補正値は、印刷画像データ上の24個の画素列にそれぞれ対応していると考えることもできる。また、24個のラスタラインと紙上の24個の列領域はそれぞれ対応しているので、算出された24個の補正値は、紙上の24個の列領域にそれぞれ対応していると考えることもできる。
本実施形態では、1個の補正用パターンにつき、それぞれラスタラインごとの補正値が算出される。このため、5個の補正用パターンからなるテストパターンから、5種類の基準階調値(Sa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)、Sd(=153)、Se(=179))ごとに、それぞれラスタラインごとの補正値が算出される。
<補正値の記憶>
図14は、補正値テーブルの説明図である。算出された各補正値は、基準階調値及びラスタラインに対応付けられて、補正値テーブルに格納される。図中では、第j画素列に対応する補正値ΔCjに対して、基準階調値ごとにa〜eの添字を付している。コンピュータ110の補正値取得プログラムは、プリンタ1のメモリ63に補正値テーブルを記憶する(S109)。
なお、上記の説明では、ブラック(ブラックインクノズル列)についてのみ説明をしているが、他の色(シアン、マゼンタ、イエロー)に対しても同様に補正値が算出され、プリンタ1のメモリに補正値テーブルが記憶される。
このようにメモリに補正値テーブルが記憶された後、プリンタ1が梱包されて、工場から出荷されることになる。
===印刷処理===
<濃度ムラ補正前の処理(S201〜S203)>
図15は、ユーザ下でプリンタドライバが行う印刷処理のフロー図である。プリンタ1を購入したユーザは、プリンタ1に同梱されているCD−ROMに記憶されたプリンタドライバ(若しくは、プリンタ製造会社のホームページからダウンロードしたプリンタドライバ)を、コンピュータにインストールする。このプリンタドライバには、図中の各処理をコンピュータに実行させるためのコードを備えている。また、ユーザは、コンピュータにプリンタ1を接続する。
まず、プリンタドライバは、プリンタ1のメモリに記憶されている補正値テーブル(図14参照)を、プリンタ1から取得する(S201)。
ユーザがアプリケーションプログラム上から印刷を指示したとき、プリンタドライバが呼び出され、印刷対象となる画像データ(印刷画像データ)をアプリケーションプログラムから受け取り、その印刷画像データに対して解像度変換処理を行う(S202)。解像度変換処理とは、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。ここでは、印刷解像度は360×360dpiであり、解像度変換処理後の各画素データは、RGB色空間により表される256階調のデータである。
次に、プリンタドライバは、色変換処理を行う(S203)。色変換処理とは、プリンタ1のインク色の色空間に合わせて画像データを変換する処理である。ここでは、RGB色空間の画像データ(256階調)が、CMYK色空間の画像データ(256階調)に変換される。
これにより、256階調のCMYK色空間の画像データが得られる。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、CMYK色空間の画像データのうちの、ブラック平面の画像データについて説明する。
<濃度ムラ補正処理(S204))>
次に、プリンタドライバは、濃度ムラ補正処理を行う(S204)。濃度ムラ補正処理は、画素列ごとの補正値に基づいて、各画素列に属する画素データの階調値をそれぞれ補正する処理である。ここでは、第j画素列に属する画素データの階調値の補正について説明する。
図16は、画素データの階調値の補正の説明図である。図中の横軸は補正前の階調値を示し、図中の縦軸は補正後の階調値を示している。
仮に補正前の印刷画像データの画素データが全て基準階調値Sbであれば、プリンタドライバは、基準階調値Sbに対応する補正値ΔCj_bを用いて、画素データの階調値SbをSb+ΔCj_bに補正するのが良いと考えられる(これにより、補正後の階調値Sb+ΔCj_bに従って印刷画像を形成すれば、元の印刷画像データ通りの濃度ムラのない印刷画像が得られると考えられる)。同様に、補正前の印刷画像データの画素データが全て基準階調値Scであれば、プリンタドライバは、基準階調値Scに対応する補正値ΔCj_cを用いて、画素データの階調値ScをSc+ΔCj_cに補正するのが良いと考えられる。
一方、補正前の階調値S_inが基準階調値と異なる場合、例えば図に示すように補正前の階調値S_inがSbとScの間である場合、プリンタドライバは、補正値ΔCj_b及び補正値ΔCj_cを用いて直線補完を行い、階調値S_outを算出する。
図中のグラフによれば、補正値ΔCj_aは、マイナスの値になっている。このため、補正前の階調値S_inが基準階調値Saに近い値であれば、プリンタドライバは、階調値を低くするように画素データの階調値を補正する。また、図中のグラフによれば、補正値ΔCj_b、補正値ΔCj_c、補正値ΔCj_d及び補正値ΔCj_b、は、プラスの値になっている。このため、補正前の階調値S_inが基準階調値Sb〜Seに近い値であれば、プリンタドライバは、階調値を高くするように画素データの階調値を補正する。
ここでは、第j画素列に属する画素データの階調値の補正について説明したが、他の画素列に属する画素データに対しても、同様に階調値を補正する。これにより、プリンタドライバは、濃く印刷される部分の画素を淡く補正し、淡く印刷される部分の画素を濃く補正するように、印刷前に印刷画像データを予め補正することができる。
なお、濃度ムラ補正後の印刷画像データは、256階調のCMYK色空間の画像データである。
<濃度ムラ補正後の処理(S205〜S208)>
濃度ムラ補正処理の後、プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理とは、高階調数のデータを、低階調数のデータに変換する処理である。ここでは、256階調の印刷画像データが、プリンタ1の表現可能な4階調の印刷画像データに変換される。ハーフトーン処理方法としてディザ法・誤差拡散法などが知られており、本実施形態もこのようなハーフトーン処理を行う。なお、前述のS101(図8)で行われるハーフトーン処理と、ここでのハーフトーン処理は、同種のものである。
本実施形態では、プリンタドライバは、濃度ムラ補正処理された画素データに対して、ハーフトーン処理が行われることになる。この結果、濃く視認されやすい部分の画素データの階調値は低くなるように補正されているので、その部分のドット生成率は低くなる。逆に、淡く視認されやすい部分ではドット生成率が高くなる。
次に、プリンタドライバは、ラスタライズ処理を行う(S206)。ラスタライズ処理は、印刷画像データ上の画素データの並び順を、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。その後、プリンタドライバは、プリンタ1を制御するための制御データを画素データに付加することによって印刷データを生成し(S207)、その印刷データをプリンタ1に送信する。
プリンタ1は、受信した印刷データに従って、印刷動作を行う。具体的には、プリンタ1のコントローラ60は、受信した印刷データの制御データに従って搬送ユニット20などを制御し、印刷データの画素データに従ってヘッドユニット40を制御して各ノズルからインクを吐出する。このようにして生成された印刷データに基づいてプリンタ1が印刷処理を行えば、各ラスタラインのドット生成率が変更され、紙上の列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像の濃度ムラが抑制される。
===比較例===
<比較例>
次に、比較例について説明する。以下に説明する比較例では、テストパターンの構成と、補正値の算出方法が異なっている。
図17Aは、比較例のテストパターンの印刷画像データの説明図である。比較例のテストパターンも、5個の補正用パターンから構成されている。但し、各補正用パターンの構成が、本実施形態とは異なっている。
図17Bは、比較例の補正用パターンの印刷画像データの説明図である。比較例の補正用パターンは、前述の基準ブロックのみから構成されている。このため、基準階調値の画素列しかなく、濃画素列は存在しない。
図18は、比較例の補正値取得処理のフロー図である。
まず、コンピュータ110のプリンタドライバは、テストパターンの印刷画像データ(図17A)をハーフトーン処理する(S101’)。ハーフトーン処理後、プリンタドライバは印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1は、印刷データ中の4階調の画素データに従って360×360dpiの解像度でテストパターンを印刷する(S102’、図6A参照)。次に、テストパターンがスキャナ150にセットされ、1440×1440dpiの解像度でスキャナ150に読み取られる(S103’、図6B参照)。ここまでの処理は、テストパターンの構成は異なるものの、本実施形態とほぼ同じである。
次に、比較例の補正値取得プログラムは、1440×1440dpiの画像データ(読取画像データ)の解像度を変換し、y2方向の画素列の数をn個(ここでは、n=24)にする(S104’)。この結果、解像度変換後の読取画像データ上の各画素列は、印刷解像度に相当する幅(1/360インチの幅)の列領域の画像片を示すことになる。補正値取得プログラムは、解像度変換後の読取画像データから、前述の実施形態とほぼ同様に、各画素列の輝度(平均輝度)を算出することが可能である。以下の説明では、基準階調値Saの補正用パターンの読取画像データの第j画素列の輝度を「Yj_a」と表し、基準階調値Sbの補正用パターンの読取画像データの第j画素列の輝度を「Yj_b」と表し、基準階調値Scの補正用パターンの読取画像データの第j画素列の輝度を「Yj_c」と表す。
次に、比較例の補正値取得プログラムは、各画素列の輝度と目標輝度との差に基づいて、各画素列の補正値ΔCを算出する(S105’)。つまり、比較例では、読取画像データの特定の画素列の輝度(特定の列領域の輝度)に基づいて、印刷画像データの特定の画素列の補正値が算出されることになる。
ここでは、第j画素列の補正値の算出方法について説明する。
図19A及び図19Bは、第j画素列の基準階調値Sbの補正値ΔCj_bの説明図である。図中の横軸は画素データの階調値を示し、縦軸は輝度Yを示している。図中には基準階調値Sbでの目標輝度Yt_bが示されている。
図19Aのように、基準階調値Sbの第j画素列の輝度Yj_bが目標輝度Yt_bよりも小さい場合、補正値取得プログラムは、直線BCに基づく直線補間を利用して、目標輝度Yt_bに対応する階調値Sbtを算出する。そして、階調値Sbtと基準階調値Sbとの差を補正値ΔCj_bとして算出する。この場合の補正値は、プラスの値である。
図19Bのように、基準階調値Sbの第j画素列の輝度Yj_bが目標輝度Yt_bよりも大きい場合、補正値取得プログラムは、直線ABに基づく直線補間を利用して、目標輝度Yt_bに対応する階調値Sbtを算出する。そして、階調値Sbtと基準階調値Sbとの差を補正値ΔCj_bとして算出する。この場合の補正値は、マイナスの値である。
このようにして、補正値取得プログラムは、5種類の基準階調値ごとに、それぞれの画素列ごとの補正値を算出する。なお、基準階調値Saの補正値を算出する場合、2点(0,0)、(Sa,Yj_a)の直線に基づいて直線補間を行うと良い。また、基準階調値Seの補正値を算出する場合、2点(Se,Yj_e)、(255,255)の直線に基づいて直線補間を行うと良い。
上記の比較例においても、図14のような補正値テーブルを作成することができる。補正値取得プログラムは、プリンタ1のメモリ63に補正値テーブルを記憶する(S109’)。
なお、比較例の場合の印刷処理は、上記の本実施形態と同じなので、説明を省略する。このように、本実施形態と比較例とでは、テストパターンの構成と、補正値の算出方法が異なっている。特に、比較例では、読取画像データの特定の画素列の輝度(特定の列領域の輝度)に基づいて、印刷画像データの特定の画素列の補正値が算出されることになる点が本実施形態とは大きく異なる。
<比較例に対する本実施形態の利点1>
上記の比較例では、印刷解像度と同じ解像度に変換された印刷画像データ上の画素列の階調値を補正すれば、印刷画像上において、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)の濃度が補正されると考えている。つまり、上記の比較例では、印刷画像データ上の画素列の位置(階調値を制御する位置)と、印刷画像上のドット列の位置(濃度の変化する位置)とが一致していると考えている。
しかし、ドットの大きさが列領域の幅よりも大きい場合、印刷画像データ上の或る画素列の階調値を補正したときに、印刷画像上では、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)とは異なる範囲で濃度が変化し、また、理論位置とは異なる位置で濃度が変化する。以下、この点について説明する。
図20Aは、印刷されたテストパターンの基準ブロックのラスタラインと、列領域との位置関係の説明図である。ここでは説明の簡略化のため、印刷前のテストパターンの画像データ(印刷画像データ)上の画素列に対応する列領域と、S104’の解像度変換後の画像データ(読取画像データ)の画素列に対応する列領域とが一致しているものとする。
ドットの大きさが列領域の幅よりも大きい場合、印刷画像データ上の或る画素列の階調値を補正したとき、その影響が、その画素列に対応する列領域を超えた範囲に及んでしまう。例えば、図20Aにおいて、仮に印刷画像データ上の第j−1画素列の階調値を補正すると、第j−1ラスタラインのドット発生が変化することになるが、その影響は、第j−1列領域だけでなく、第j−2列領域や第j列領域にも及んでしまう。
しかし、比較例では、第j−1ラスタラインが補正されたときの第j−2列領域や第j列領域の影響を考慮せずに、第j−2画素列や第j画素列に対する補正値を決定している。このため、比較例では、各列領域の濃度を正確に補正することができず、濃度ムラを正確に補正することができない。
また、ドットの大きさが列領域の幅よりも大きい場合、紙上の或る列領域は、複数のラスタラインのドット発生の変化の影響を受けてしまう。例えば、図20Aにおいて、第j列領域は、第jラスタラインのドット発生の影響だけでなく、第j−1ラスタラインや第j+1ラスタラインのドット発生の変化の影響を受けてしまう。
しかし、比較例では、第j列領域の輝度は、第jラスタラインのドット発生を補正するための補正値(第j画素列の補正値)の算出に用いられるだけであり、第j−1ラスタラインや第j+1ラスタラインのドット発生を補正するための補正値の算出には用いられない。このため、比較例では、各列領域の濃度を正確に補正することができず、濃度ムラを正確に補正することができない。
これに対し、本実施形態では、印刷画像データ上の各画素列の階調値を補正して各ラスタラインのドット発生をそれぞれ変化させたときの読取画像データ上の画素列の単位変化量aijを読取画像データ上の画素列ごとに求めている。そして、この単位変化量aijに基づいて、読取画像データ上の各画素列の輝度が目標輝度になるように、補正値ΔCを最適化して算出している。このため、本実施形態では、ドットの大きさが列領域の幅よりも大きい場合であっても、適切な補正値を算出することができる。
<比較例に対する本実施形態の利点2>
ラスタラインがずれて形成される場合においても、印刷画像データ上の或る画素列の階調値を補正したときに、印刷画像上では、印刷解像度に相当する幅(例えば1/360インチの幅)とは異なる範囲で濃度が変化し、また、理論位置とは異なる位置で濃度が変化する。ここでは、図20Aに示すように、第jラスタラインが、第j+1ラスタラインに寄って形成されている場合について検討する。
この場合、仮に印刷画像データ上の第j画素列の階調値を補正すると、第jラスタラインのドット発生が変化することになるが、その影響は、第j列領域だけでなく、第j+1列領域にも及んでしまう。
しかし、比較例では、第jラスタラインが補正されたときの第j+1列領域の影響を考慮せずに、第j画素列に対する補正値を決定している。このため、比較例では、各列領域の濃度を正確に補正することができず、濃度ムラを正確に補正することができない。
また、この場合、紙上の第j+1列領域は、第j+1ラスタラインのドット発生の影響だけでなく、第jラスタラインのドット発生の影響も受けてしまう。
しかし、比較例では、第j+1列領域の輝度は、第j+1ラスタラインのドット発生を補正するための補正値(第j+1画素列の補正値)の算出に用いられるだけであり、第jラスタラインのドット発生を補正するための補正値(第j画素列の補正値)の算出には用いられない。このため、比較例では、各列領域の濃度を正確に補正することができず、濃度ムラを正確に補正することができない。
具体的に、比較例での補正後の第j+1列領域の濃度について検討する。もし補正値ΔCjによる第j画素列の階調値が補正されなければ、補正値ΔCj+1による第j+1画素列の階調値の補正によって、第j+1ラスタラインのドット生成率が減り、第j+1列領域の画像片が濃くなる状態は補正できるかもしれない。しかし、補正値ΔCjによる第j画素列の階調値が補正されると、第jラスタラインのドット生成率が増え、この第jラスタラインは第j+1ラスタラインに寄っているので、第j列領域だけでなく、第j+1列領域までをも濃くしてしまう。つまり、比較例では、第j+1列領域の輝度に応じて第j+1画素列の階調値が補正されたとしても、第j+1列領域は第j画素列の階調値の補正の影響も受けるため、第j+1列領域の濃度を正確に補正することができないのである。
これに対し、本実施形態では、スキャナ150で読み取った読取画像データ上の全ての画素列の輝度が目標輝度になるように(実際には、誤差が最小になるように)、各画素列の補正値ΔCを最適化して求めている。このため、印刷画像データ上の或る画素列を補正したときに、その補正が別の画素列に対応する列領域に悪影響を与えないようにすることができる。
<比較例に対する本実施形態の利点3>
ところで、上記の説明では、簡略化のため、印刷画像データ上の画素列に対応する列領域と、S104’の解像度変換後の読取画像データの画素列に対応する列領域とが一致しているものとしている。しかし、スキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動は必ずしも正確ではない。この結果、比較例において、印刷画像データ上の画素列に対応する列領域と、S104’の解像度変換後の読取画像データの画素列に対応する列領域とは、正確に一致しない。
図20Bは、比較例において、ラインセンサの副走査方向の移動が不正確な場合の影響の説明図である。ここでは説明の簡略化のため、ラスタラインは所定の列領域からズレないで形成されているものとする。
図に示すように、印刷画像データ上の第j画素列に対応する列領域(図中の実線)と、S104’の解像度変換後の読取画像データの第j画素列に対応する列領域(図中の点線)とが一致していない。
比較例によれば、第j画素列に対する補正値ΔCjは、点線で示す列領域の輝度に応じて決定される。一方、この補正値ΔCjにより補正される画素列に対応する列領域は、図中の実線の位置に相当する。つまり、スキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動が不正確な場合、比較例では、補正値を算出する際に用いられる輝度の測定位置(図中の点線)と、その補正値が適用される位置(図中の実線)とが一致しないため、正確な補正値を求めることができないおそれがある。
図20Cは、本実施形態の列領域の説明図である。図中の列領域は、S103で取得した読取画像データ上の画素列に対応する列領域を示している。
本実施形態では、読取画像データ上の全ての画素列の輝度が目標輝度になるように(実際には、誤差が最小になるように)、各画素列の補正値ΔCを最適化して求めている。つまり、本実施形態では、図中の全ての列領域の画像片が目標輝度になるような補正値を求めていることになる。仮にスキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動が不正確な場合、図中の点線で示す列領域の位置や幅が変わるだけである。仮に列領域の位置や幅が変わったとしても、本実施形態では全ての列領域の画像片が目標輝度になるような補正値ΔCを求めているので、濃度ムラを正確に補正できる補正値ΔCを取得できる。
加えて、本実施形態では、テストパターンをスキャナ150にセットするときに、テストパターンのラスタラインの方向(x方向)と、スキャナ150の主走査方向(ラインセンサのライン方向)とを合わせている。これにより、たとえスキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動が不正確であっても、輝度変化量ΔYijの算出に用いられる2個の画素列(基準ブロックの第i画素列と、第jラスタラインが濃ラスタラインとなるブロックの第i画素列)をほぼ同時に、ラインセンサが読み取ることができる。このため、スキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動が不正確であっても、輝度変化量ΔYijの算出には影響が無いので、濃度ムラを正確に補正できる補正値ΔCを取得できる。
===補正値算出の変形例===
上記の補正値算出方法では、読取画像データ上の全ての画素列の輝度が目標輝度になるように補正値ΔCを算出しているため、人間の目では認識できないような周波数帯域の濃度ムラまでも補正している。但し、視認できる範囲の濃度ムラを補正できれば十分である。ここでは、補正値ΔCの算出の際に、視覚フィルタを適用した変形例について説明する。
視覚フィルタとして、DooleyのVTFフィルタを採用する。x方向の空間周波数をfx(cycle/degree)とし、y方向の空間周波数をfyとすると、VTFフィルタは次式で表される。
図21は、DooleyのVTFフィルタのグラフである。図22は、図21の周波数特性を持つフィルタのインパルス応答h(t)のグラフである。インパルス応答h(t)は、上式の逆フーリエ変換で求めることができる。
ここでは、h(t)が正となる範囲(位置0からh(t)=0までの範囲)についてフィルタ処理を行うことにする。h(t)=0となる位置は約±37.5μmであり、h(t)が正となる範囲は約75μmの幅である。前述の読取画像データ上の画素列の間隔は1/1440インチ(17.64μm)であるため、読取画像データ上の例えば第i画素列を中心とした場合、図22に示すように、第i−2画素列〜第i+2画素列の範囲が、h(t)が正の成分を持つ範囲内になる。つまり、フィルタ処理を行うと、両側に隣接する2個ずつの画素列の影響を受けることになる。
ここで、第i画素列の位置でのh(t)の値をh0(=h(0))とし、第i−1画素列及び第i+1画素列の位置でのh(t)の値をh1とし、第i−2画素列及び第i+2画素列の位置でのh(t)の値をh2とする。
まず、補正値取得プログラムは、読取画像データ上の各画素列の輝度誤差ΔY(=(ΔY1,ΔY2,…,ΔYm)T、数2参照)に対してh(t)を畳み込むことによってフィルタ処理を行い、ΔY’(=(ΔY1’,ΔY2’,…,ΔYm’)T)を算出する。例えば第i画素列のフィルタ処理後の輝度誤差ΔYi’は、以下のように算出される。
ΔYi’=ΔYi-2×h2+ΔYi-1×h1+ΔYi×h0+ΔYi+1×h1+ΔYi+2×h2
次に、補正値取得プログラムは、前述の数2の行列Aのn個の列(縦ベクトル、(a1j, a2j, …, amj)T)をそれぞれ抽出し、前述のΔYに対するフィルタ処理と同様に、各列に対してそれぞれh(t)を畳み込むことによってフィルタ処理を行う。そして、フィルタ処理後のn個の列によって行列A’を算出する。例えば、フィルタ処理後のaijは、以下のように算出される。
aij=ai-2j×h2+ai-1j×h1+aij×h0+ai+1j×h1+ai+2j×h2
この場合、補正値ΔCは、擬似逆行列を用いて次式で算出できる。
ΔC=((A’A’)−1A’)ΔY’
このように視覚フィルタを適用して補正値を算出することにより、視認できる範囲の濃度ムラを補正できる補正値ΔCが算出される。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて1>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<プリンタについて2>
前述のプリンタ1は、ヘッドに対して紙が移動するプリンタである。但し、他の種類のプリンタであっても良い。例えば、移動方向に移動するキャリッジにヘッドが搭載されており、移動方向に移動するヘッドからインクを吐出する吐出動作と、搬送方向に紙を搬送する搬送動作とを交互に繰り返すシリアルプリンタであっても良い。また、ヘッドを紙面と平行な平面上で2方向に移動させて、紙に画像を印刷するようなプリンタであっても良い。
<ラスタラインについて>
前述の各ラスタラインは、それぞれ1個のノズルから形成されている。但し、ラスタラインの形成方法は、これに限られるものではない。ラスタラインを複数個のノズルで形成しても良い。
<輝度について>
前述の実施形態では、読取画像データ上の各画素列の輝度Yiを求めている。但し、輝度ではなく、他のデータとして例えばRGB色空間の階調値やLab色空間の階調値などを求めても良い。要するに、あるドットのドット生成を変化させたときの読取画像データ上の各画素列の変化量の指標となるデータであれば、輝度に限られなくても良い。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
===まとめ===
(1)前述の実施形態では、360×360dpiの解像度のテストパターンの印刷画像データ(印刷解像度に合わせた解像度の印刷画像データ)の各画素列の階調値(データの一例)に応じて、各ラスタライン(ドット列)が紙(媒体の一例)に形成される。例えば、印刷画像データの第1画素列データに応じて第1ラスタラインが形成され、第2画素列データに応じて第2ラスタラインが形成される。この結果、ほぼ1/360インチの間隔で並ぶ複数のラスタラインから構成される補正用パターンが紙に印刷される(図8のS102、図6A参照)。印刷された補正用パターンの画像をスキャナ150に読み取らせることによって、補正値算出プログラムは、読取画像データを取得する(S103、図6B参照)。そして、読取画像データの各画素列の階調値に基づいて、印刷画像データの画素列ごとに補正値をそれぞれ算出している。
ところで、読取画像データ上の列領域の濃度(輝度)が、1個のラスタラインだけでなく、複数のラスタラインの影響を受けることがある。このような場合に、比較例のような補正値算出方法では、各列領域の濃度を正確に補正することができない。
そこで、本実施形態では、特定の画素列の輝度を目標輝度にするための条件に着目し、この条件を満たすように補正値ΔCを算出する。例えば、第i画素列の輝度が3個のラスタライン(第j−1ラスタライン、第jラスタライン及び第j+1ラスタライン)のドット発生の変化の影響を受ける場合、以下の条件を満たすように、補正値ΔCj-1、ΔCj、ΔCj+1を算出する。(次式中の単位変化量aij-1、aij及びaij+1のうちのいずれかの単位変化量が「第1変化量」に相当し、他の単位変化量が「第2変化量」に相当する。)
ΔYi−(aij-1×ΔCj-1+aij×ΔCj+aij+1×ΔCj+1)=0
本実施形態によれば、比較例と比べて、適切な補正値を算出できる。
(2)前述の実施形態では、補正値を算出する際に、第jラスタラインのドット発生変化に対する読取画像データ上の第i画素列の単位変化量aijを求めている(i=1, 2, …m であり、mは読取画像データの画素列の数である。j=1, 2, …n であり、nは印刷画像のラスタラインの数である。)。そして、単位変化量をaijに基づいて、読取画像データの各画素列の輝度が目標輝度になるように、誤差が最小となる補正値ΔCを最適化して求めている。このような本実施形態によれば、印刷画像全体において濃度ムラを抑制できる。
(3)前述の変形例では、読取画像データ上の各画素列の輝度誤差ΔY(=(ΔY1,ΔY2,…,ΔYm)T、数2参照)、及び、前述の数2の行列Aのn個の各列(縦ベクトル、(a1j, a2j, …, amj)T)に対して視覚フィルタを適用し、視覚フィルタ処理後のΔY’及びA’に基づいて補正値ΔCを算出している。これにより、視認できる範囲の濃度ムラを補正できる補正値ΔCが算出される。
前述の変形例では、特定の成分の濃度ムラを抽出するフィルタとして視覚フィルタを用いたが、他のフィルタであっても良い。例えば、ある画素列と、その画素列の両側に隣接する画素列との計3個の画素列との間で平均化を行う平均化フィルタであっても良い。また、ローパスフィルタであっても良い。
(4)前述の実施形態では、テストパターンの印刷画像データ上の各補正用パターンは、基準階調値の画素列からなる基準ブロック(基準パターンの一例)と、濃画素列(基準階調値とは異なる階調値の画素列)を含む第1ブロック(比較パターンの一例)とを有している(図7A、図7B参照)。そして、テストパターンを印刷する際に、印刷画像データ上の基準ブロックの24個の画素列データに基づいて24個のラスタラインが形成されて基準ブロックが印刷されるとともに、印刷画像データ上の第1ブロックの24個の画素列データに基づいて24個のラスタラインがそれぞれ形成される。濃画素列の画素列データは基準階調値よりも濃い値であるため、濃画素列の画素列データに従って濃ラスタラインが形成されると、その濃ラスタラインは、他のラスタラインよりも濃く形成されるように、ドット形成が変化している。このように印刷された補正用パターンをスキャナ150で読み取り、読取画像データ上の基準ブロックの画素列データと、読取画像データ上の第1ブロックの画素列データとに基づいて、前述の単位変化量aijが算出される。
これにより、あるラスタラインのドット形成を変化させたときの読取画像データの画素列の輝度の単位変化量aijを画素列ごとに求めることができる。
なお、前述の実施形態では、印刷画像データ上の第1〜第4ブロックに濃画素列を設けているが、淡画素列であっても良い。また、前述の実施形態では、どの濃画素列の階調値も同じ階調値(基準階調値よりもαだけ濃い階調値)であるが、それぞれ異なる階調値にしてもよい。
ところで、前述の実施形態では、一枚の紙に基準ブロックや第1ブロック〜第4ブロックを印刷しているが、これに限られるものではない。各ブロックを別々の紙に印刷し、各ブロックの印刷画像を別々にスキャナ150で読み取っても良い。但し、前述の実施形態のように1枚の紙に基準ブロックや第1ブロック〜第4ブロックを印刷し、スキャナ150で同時に各ブロックを読み取れば、単位変化量aijを精度よく求めることができる。
(5)前述の実施形態では、テストパターンの印刷画像データ上の各補正用パターンは、第1ブロック〜第4ブロックを有している。各ブロックでは、4個の画素列おきに濃画素列が配置されている。そして、各ブロックの濃画素列は、y1方向の位置が全て異なっている。言い換えると、24個の画素列のうち、いずれかのブロックに濃画素列がある。
これにより、全てのドット列のドット形成をそれぞれ変化させたときの読取画像データの画素列の輝度の単位変化量aijを算出することができる。
(6)前述の実施形態では、テストパターンをスキャナ150にセットするときに、テストパターンのラスタラインの方向(x方向)と、スキャナ150の主走査方向(ラインセンサのライン方向)とを合わせている。これにより、たとえスキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動が不正確であっても、輝度変化量ΔYijの算出に用いられる2個の画素列(基準ブロックの第i画素列と、第jラスタラインが濃ラスタラインとなるブロックの第i画素列)をほぼ同時に、ラインセンサが読み取ることができる。
これにより、スキャナ150のラインセンサの副走査方向の移動が不正確であっても、単位変化量aijの算出には影響が無いので、濃度ムラを正確に補正できる補正値ΔCを取得できる。
(7)前述の実施形態では、ラスタラインを構成するドットの大きさが、印刷解像度である1/360インチよりも大きい。このような場合、ドットの大きさが列領域の幅よりも大きくなり、比較例では補正値を正確に算出できない。一方、前述の実施形態によれば、適切な補正値を算出することが可能である。
なお、前述の実施形態では、ドットの大きさが列領域の幅よりも大きかったが、これに限られるものではない。ドットの大きさが列領域の幅より小さい場合であっても、ラスタラインがずれて形成されるような場合には、比較例では補正値を正確に算出できないが、前述の実施形態の補正値算出方法によれば、適切な補正値を算出することが可能である。
なお、前述の実施形態では、読取画像データの読取解像度が1440×1440dpiであり、印刷解像度の360×360dpiよりも高解像度である。前述の実施形態によれば、高解像度で読み取られた読取画像データの各画素列の輝度が目標輝度になるように補正値ΔCを算出しているため、濃度ムラを高精度に抑制することができる。
但し、読取解像度は、印刷解像度より高解像度でなくても良い。例えば、読取解像度が印刷解像度と同じ解像度であっても良い。
(8)前述の補正値算出方法によって得られた補正値を用いてプリンタが画像(印刷対象の画像)を印刷すれば、濃度ムラが軽減された印刷画像が得られる。
用語の説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。 ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列の説明図である。 簡略説明用のヘッド配置とドット形成の様子の説明図である。 図6A〜図6Cは、テストパターンを印刷してからプリンタ1に補正値を記憶させるまでの間の様子の説明図である。 図7Aは、テストパターンの印刷画像データの説明図である。図7Bは、第3補正用パターンの印刷画像データの説明図である。 補正値取得処理のフロー図である。 ハーフトーン処理後の印刷画像データの概念図である。 読取画像データ上の第3補正用パターンの説明図である。 各画素列の輝度の算出の様子の説明図である。 図12Aは、読取画像データ上の基準ブロックの輝度のグラフである。図12Bは、読取画像データ上の第4ブロックの輝度のグラフである。 基準ブロックの輝度のグラフと目標輝度Ytとの関係の説明図である。 補正値テーブルの説明図である。 プリンタドライバが行う印刷処理のフロー図である。 画素データの階調値の補正の説明図である。 図17Aは、比較例のテストパターンの印刷画像データの説明図である。図17Bは、比較例の補正用パターンの印刷画像データの説明図である。 比較例の補正値取得処理のフロー図である。 図19A及び図19Bは、第j画素列の基準階調値Sbの補正値ΔCj_bの説明図である。 図20Aは、印刷されたテストパターンの基準ブロックのラスタラインと、列領域との位置関係の説明図である。図20Bは、比較例において、ラインセンサの副走査方向の移動が不正確な場合の影響の説明図である。図20Cは、本実施形態の列領域の説明図である。 DooleyのVTFフィルタのグラフである。 図21の周波数特性を持つフィルタのインパルス応答h(t)のグラフである。
符号の説明
1 プリンタ、20 搬送ユニット、
22A 上流側ローラ、22B 下流側ローラ、24 ベルト、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、41A 第1ヘッド、41B 第2ヘッド、
411 第1ノズル群、412 第2ノズル群、50 検出器群、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、110 コンピュータ、150 スキャナ

Claims (8)

  1. 印刷解像度に合わせた解像度の印刷画像データの画素列のデータに応じてドット列を媒体に形成することによって、複数の前記ドット列から構成される補正用パターンを前記媒体に形成するパターン形成ステップと、
    スキャナによって前記補正用パターンの画像を読み取り、読取画像データを取得する画像読取ステップと、
    前記読取画像データの各画素列のデータに基づいて、印刷画像データの各画素列のデータを補正するための補正値を、印刷画像データの画素列ごとに算出する補正値算出ステップと、
    を備える補正値算出方法であって、
    前記補正値算出ステップは、
    前記補正用パターンを構成する或るドット列のドットの形成を変化させたときの前記読取画像データの或る画素列のデータの変化量である第1変化量を求めるステップと、
    前記或るドット列とは別のドット列のドットの形成を変化させたときの前記或る画素列のデータの変化量である第2変化量を求めるステップと、
    少なくとも前記第1変化量と前記第2変化量とに基づいて、前記或る画素列のデータが所定値になるように、前記或るドット列に対応する画素列の補正値と、前記別のドット列に対応する画素列の補正値とを算出するステップと
    を有することを特徴とする補正値算出方法。
  2. 請求項1に記載の補正値算出方法であって、
    前記補正値算出ステップにおいて、
    各ドット列のドットの形成をそれぞれ変化させたときの前記読取画像データの画素列のデータの変化量を、画素列ごとにそれぞれ求め、
    各ドット列のドットの形成をそれぞれ変化させたときの前記読取画像データの各画素列のデータの変化量に基づいて、各画素列のデータが所定値になるように、前記印刷画像データの前記画素列ごとの前記補正値を算出する
    ことを特徴とする補正値算出方法。
  3. 請求項2に記載の補正値算出方法であって、
    各ドット列のドットの形成をそれぞれ変化させたときの前記読取画像データの画素列のデータの変化量を、画素列ごとにそれぞれ求めた後、
    各画素列のデータの変化量に対してフィルタを適用し、
    フィルタを適用した後の前記変化量に基づいて、各画素列のデータが所定値になるように、前記印刷画像データの前記画素列ごとの前記補正値を算出する
    ことを特徴とする補正値算出方法。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の補正値算出方法であって、
    印刷画像データ上の前記補正用パターンは、基準となる基準データの画素列からなる基準パターンと、前記基準データとは異なるデータの画素列を含む比較パターンと、を有しており、
    前記パターン形成ステップにおいて、前記比較パターンの各画素列のデータに応じたドット列をそれぞれ前記媒体に形成することによって、前記ドットの形成を変化させた前記ドット列を含む複数の前記ドット列から構成される前記比較パターンを前記媒体に形成し、
    前記補正値算出ステップにおいて、前記読取画像データ上の前記基準パターンの画素列のデータと、前記読取画像データ上の前記比較パターンの画素列のデータとに基づいて、前記第1変化量及び前記第2変化量を求める
    ことを特徴とする補正値算出方法。
  5. 請求項4に記載の補正値算出方法であって、
    前記印刷画像データ上の前記補正用パターンは、複数の前記比較パターンを有しており、
    前記印刷画像データ上の各前記比較パターンには、前記基準データとは異なるデータの画素列が所定の間隔で配置されており、
    前記印刷画像データ上において、前記基準データとは異なるデータの画素列の位置が、前記比較パターンごとに異なる
    ことを特徴とする補正値算出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の補正値算出方法であって、
    前記スキャナは、主走査方向に沿ったラインセンサを副走査方向に移動させて前記画像を読み取るものであり、
    画像読取ステップの際に、前記ドット列の方向と前記主走査方向とを合わせるようにして、前記媒体を前記スキャナにセットする
    ことを特徴とする補正値算出方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の補正値算出方法であって、
    前記ドット列を構成するドットの大きさが、前記印刷解像度よりも大きいことを特徴とする補正値算出方法。
  8. 印刷解像度に合わせた解像度の印刷画像データの画素列のデータに応じてドット列を媒体に形成することによって、複数の前記ドット列から構成される補正用パターンを前記媒体に形成するパターン形成ステップと、
    スキャナによって前記補正用パターンの画像を読み取り、読取画像データを取得する画像読取ステップと、
    前記読取画像データの各画素列のデータに基づいて、印刷画像データの画素列ごとに補正値を算出する補正値算出ステップと、
    前記補正用パターンとは別の印刷対象の印刷画像データの各画素列のデータを、各画素列に対応する前記補正値に基づいてそれぞれ補正する補正ステップと、
    各画素列の補正後のデータに応じたドット列をそれぞれ媒体に形成することによって、前記印刷対象の画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと
    を備える印刷方法であって、
    前記補正値算出ステップは、
    前記補正用パターンを構成する或るドット列のドットの形成を変化させたときの前記読取画像データの或る画素列のデータの変化量である第1変化量を求めるステップと、
    前記或るドット列とは別のドット列のドットの形成を変化させたときの前記或る画素列のデータの変化量である第2変化量を求めるステップと、
    少なくとも前記第1変化量と前記第2変化量とに基づいて、前記或る画素列のデータが所定値になるように、前記或るドット列に対応する画素列の補正値と、前記別のドット列に対応する画素列の補正値とを算出するステップと
    を有することを特徴とする印刷方法。
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