JP2010184378A - 濃度補正値の算出方法 - Google Patents

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徹 宮本
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Abstract

【課題】濃度むらの発生を抑制すること。
【解決手段】媒体との相対移動方向に対して交差する交差方向に沿ったノズル列を有する第1ノズル列と、前記交差方向に沿ったノズル列を有し前記交差方向において前記第1ノズル列と一部重複して配置される第2ノズル列と、において、前記相対移動方向に前記第1ノズル列と前記第2ノズル列との距離だけ前記媒体が相対移動する間に前記交差方向に相対的に移動する相対移動量を測定するための測定用パターンを形成することと、形成した前記測定用パターンを読み取り、前記相対移動方向の各領域における前記交差方向の相対移動量を前記測定用パターンに基づいて求めることと、前記交差方向の相対移動量に基づいて前記媒体の前記相対移動方向の各領域に適用する濃度補正値を求めることと、を含む、濃度補正値の算出方法。
【選択図】図21

Description

本発明は、濃度補正値の算出方法に関する。
複数のヘッドを千鳥状に配置し、搬送される媒体に液体を噴射して画像を形成するライン型のインクジェットプリンタが考えられている。このようなプリンタは、各ヘッドの一部同士が媒体の搬送方向について重なるように配置される。特許文献1には、複数のヘッドが千鳥状に配置されている様子が示されている。
特開平6−255175号公報
このように複数のヘッドが千鳥状に配置されている場合において、搬送方向について重なるように配置されている部分のノズル同士は媒体の搬送方向についてほぼ一致するように配置されることで、ノズル列方向について均一の解像度でドットを形成し、継ぎ目のない印刷を行うことができる。
しかしながら、ノズル同士が一致するように配置されても、媒体が搬送時において蛇行してしまうと、ヘッド同士が重なる範囲において濃度むらが生じることがある。これは、搬送中に媒体がノズル列方向にも移動してしまうことにより、流体が着弾することにより形成されるドットの位置がノズル列方向に変動することに起因する。つまり、蛇行している媒体の搬送方向の位置によっては、上流側のノズルが形成するドットと下流側のノズルが形成するドットがノズル列方向にずれて形成されることもあれば、一致するように形成されることもあるということに起因する。
濃度むらは印刷品質を低下させる。よって、このようなドット位置の変動によって生ずる濃度むらの発生を抑制する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、濃度むらの発生を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
媒体との相対移動方向に対して交差する交差方向に沿ったノズル列を有する第1ノズル列と、前記交差方向に沿ったノズル列を有し前記交差方向において前記第1ノズル列と一部重複して配置される第2ノズル列と、において、前記相対移動方向に前記第1ノズル列と前記第2ノズル列との距離だけ前記媒体が相対移動する間に前記交差方向に相対的に移動する相対移動量を測定するための測定用パターンを形成することと、
形成した前記測定用パターンを読み取り、前記相対移動方向の各領域における前記交差方向の相対移動量を前記測定用パターンに基づいて求めることと、
前記交差方向の相対移動量に基づいて前記媒体の前記相対移動方向の各領域に適用する濃度補正値を求めることと、
を含む、濃度補正値の算出方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
用語の説明図である。 印刷システム100の構成を示すブロック図である。 プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。 ヘッドユニット40における複数のヘッドの配列の説明図である。 ヘッド配置とドット形成の様子の説明図である。 オーバーラップ処理について説明するための図である。 用紙Sが理想状態で搬送されたときにおける印刷について説明する図である。 用紙Sが蛇行して搬送されたときにおける印刷について説明する図である。 第1ノズル列411Aの一部のノズルと第2ノズル列411Bの一部のノズルとが紙幅方向の座標について一致しないように配置されているときのドットの形成を説明するための図(その1)である。 第1ノズル列411Aの一部のノズルと第2ノズル列411Bの一部のノズルとが紙幅方向の座標について一致しないように配置されているときのドットの形成を説明するための図(その2)である。 プリンタドライバによる処理の説明図である。 図12Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図であり、図12Bは、濃度むらが発生したときの説明図であり、図12Cは、濃度むらの発生が抑制された様子を示す図である。 補正値取得処理の流れを示す図である。 補正用パターンCPの説明図である。 指令階調値がSa、Sb、ScのサブパターンCSPについてラスタライン毎の算出濃度を示すグラフである。 図16Aは、第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図であり、図16Bは、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。 メモリ63に記憶された補正値テーブルを示す図である。 ユーザ下でプリンタドライバが行う印刷処理のフロー図である。 参考例の濃度補正を行ったときにおける印刷結果の様子を説明するための図である。 第1実施形態を模式的に示す図である。 第1実施形態における濃度補正値の求め方を説明するフローチャートである。 ヘッド間距離について説明するための図である。 各領域における第1ヘッド間距離D1と濃度補正値を示す表である。 各領域における第2ヘッド間距離D2と濃度補正値を示す表である。 第1ヘッド間距離D1におけるヘッド間距離と濃度補正値を説明する図である。 第2ヘッド間距離D2におけるヘッド間距離と濃度補正値を説明する図である。 得られた濃度補正値について示す表である。 第2実施形態における罫線パターンを説明するための図である。 第3実施形態における罫線パターンを説明するための図である。 ヘッドの傾きを説明するための図である。 第4実施形態における罫線パターンを説明するための図である。 第5実施形態におけるヘッドを説明するための図である。 第5実施形態における罫線パターンを説明するための図である。 第6実施形態における罫線パターンを説明するための図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体との相対移動方向に対して交差する交差方向に沿ったノズル列を有する第1ノズル列と、前記交差方向に沿ったノズル列を有し前記交差方向において前記第1ノズル列と一部重複して配置される第2ノズル列と、において、前記相対移動方向に前記第1ノズル列と前記第2ノズル列との距離だけ前記媒体が相対移動する間に前記交差方向に相対的に移動する相対移動量を測定するための測定用パターンを形成することと、
形成した前記測定用パターンを読み取り、前記相対移動方向の各領域における前記交差方向の相対移動量を前記測定用パターンに基づいて求めることと、
前記交差方向の相対移動量に基づいて前記媒体の前記相対移動方向の各領域に適用する濃度補正値を求めることと、
を含む、濃度補正値の算出方法。
このようにすることで、濃度むらの発生を抑制することができる。
かかる濃度補正値の算出方法であって、各前記領域には、第1領域と第2領域と第3領域とが含まれ、前記第1領域における濃度補正値と前記第2領域における濃度補正値とが求められており、前記第3領域における濃度補正値は、前記第1領域における前記濃度補正値及び前記相対移動量と、前記第2領域における前記濃度補正値及び前記相対移動量と、前記第3領域における相対移動量と、に基づいて求められることが望ましい。また、前記第1領域における濃度補正値と前記第2領域における濃度補正値は、前記第1領域と前記第2領域においてそれぞれ補正用パターンが形成され、該補正用パターンの濃度が前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定され、測定された前記画素列毎の濃度に基づいてそれぞれ求められることが望ましい。また、前記第1領域における前記相対移動量に対する濃度補正値と、前記第2領域における前記相対移動量に対する濃度補正値と、が前記相対移動量に関して線形補間され、前記第3領域における相対移動量に対する濃度補正値が、前記線形補間された濃度補正値から求められることが望ましい。
また、前記相対移動量は、前記相対移動方向に移動する前記媒体について、前記第1ノズル列によって前記相対移動方向に形成された第1罫線と前記第2ノズル列によって前記相対移動方向に形成された第2罫線との距離に基づいて求められることが望ましい。また、前記相対移動量は、前記相対移動方向に移動する前記媒体について、前記一部重複する範囲における前記第1ノズル列のノズルによって前記相対移動方向に形成された第1罫線と、前記一部重複する範囲における前記第2ノズル列のノズルによって前記相対移動方向に形成された第2罫線と、の距離に基づいて求められることとしてもよい。
また、さらに、前記第1ノズル列に対して前記相対移動方向に重複する第3ノズル列であって、前記第1ノズル列が噴射する流体とは異なる色の流体を噴射する前記第3ノズル列と、前記第2ノズル列に対して前記相対移動方向に重複する第4ノズル列であって、前記異なる色の流体を噴射する前記第4ノズル列と、を有し、前記第3ノズル列が形成する第3罫線と前記第4ノズル列が形成する第4罫線とに基づいて求められた前記第3ノズル列と前記第4ノズル列に関する前記相対移動量に基づいて、前記異なる色の流体に関する前記濃度補正値が求められることとしてもよい。
また、さらに、前記交差方向に沿ったノズル列であって前記相対移動方向に前記第1ノズル列と重複するように配置される第5ノズル列と、前記交差方向に沿ったノズル列であって前記相対移動方向に前記第2ノズル列と重複するように配置される第6ノズル列と、を有し、前記第1ノズル列が形成した前記測定用パターンと、前記第2ノズル列が形成した前記測定用パターンと、前記第1ノズル列と前記第5ノズル列との距離と、前記第2ノズル列と前記第6ノズル列との距離と、に基づいて、前記相対移動方向に前記第5ノズル列と前記第6ノズル列との距離だけ前記媒体が相対移動する間に前記交差方向に相対的に移動する相対移動量が求められることとしてもよい。
このようにすることで、濃度むらの発生を抑制することができる。
===第1実施形態===
<用語の説明>
まず、本実施形態を説明する際に用いられる用語の意味を説明する。
図1は、用語の説明図である。
「印刷画像」とは、用紙上に印刷された画像である。インクジェットプリンタの印刷画像は、用紙上に形成された無数のドットから構成されている。
「ドットライン」とは、ヘッドと用紙とが相対移動する方向(移動方向)に並ぶドットの列である。後述の実施形態のようなラインプリンタの場合、「ドットライン」は、用紙の搬送方向に並ぶドットの列を意味する。一方、キャリッジに搭載されたヘッドによって印刷するシリアルプリンタの場合、「ドットライン」は、キャリッジの移動方向に並ぶドットの列を意味する。移動方向と垂直な方向に多数のドットラインが並ぶことによって、印刷画像が構成されることになる。図に示すように、n番目の位置にあるドットラインのことを「第nドットライン」と呼ぶ。
「画像データ」とは、2次元画像を示すデータである。後述する実施形態では、256階調の画像データや、4階調の画像データなどがある。また、画像データは、後述する印刷解像度へ変換前の画像データを指すことも、変換後の画像データを指すこともある。
「印刷画像データ」とは、画像を用紙に印刷するときに用いられる画像データである。プリンタが4階調でドットの形成(大ドット・中ドット・小ドット・ドット無し)を制御する場合、4階調の印刷画像データは、印刷画像を構成するドットの形成状態を示すことになる。
「読取画像データ」とは、スキャナによって読み取られた画像データである。
「画素」とは、画像を構成する最小単位である。この画素が2次元的に配置されることによって画像が構成される。
「画素列」とは、画像データ上において所定方向に並ぶ画素の列である。図に示すように、n番目の画素列のことを「第n画素列」と呼ぶ。
「画素データ」とは、画素の階調値を示すデータである。後述する実施形態において、ハーフトーン処理前であれば256階調などの多階調のデータを示し、ハーフトーン処理後の4階調の印刷画像データの場合、各画素データは、2ビットデータになり、ある画素のドット形成状態(大ドット・中ドット・小ドット・ドット無し)を示すことになる。
「画素領域」とは、画像データ上の画素に対応した用紙上の領域である。例えば、印刷画像データの解像度が360×360dpiの場合、「画素領域」は、1辺が1/360インチの正方形状の領域になり、用紙上の画素である。
「列領域」とは、画素列に対応した用紙上の領域であり、用紙上の画素列である。例えば、印刷画像データの解像度が360×360dpiの場合、列領域は、1/360インチ幅の細長い領域になる。「列領域」は、印刷画像データ上の画素列に対応した用紙上の領域を意味する場合もあるし、読取画像データ上の画素列に対応した用紙上の領域を意味する場合もある。図中の右下には、前者の場合の列領域が示されている。前者の場合の「列領域」は、ドットラインの形成目標位置でもある。正確に列領域にドットラインが形成される場合、そのドットラインはラスタラインに相当する。後者の場合の「列領域」は、読取画像データ上の画素列が読み取られた用紙上の測定位置(測定範囲)でもあり、言い換えると、画素列の示す画像(画像片)が存在する用紙上の位置でもある。図に示すように、n番目の位置にある列領域のことを「第n列領域」と呼ぶ。第n列領域は第nドットラインの形成目標位置になる。
「画像片」とは、画像の一部分を意味する。画像データ上において、ある画素列の示す画像は、画像データの示す画像の「画像片」になる。また、印刷画像において、あるラスタラインによって表される画像は、印刷画像の「画像片」になる。また、印刷画像において、ある列領域での発色によって表される画像も、印刷画像の「画像片」に該当する。
ところで、図1の右下には、画素領域とドットとの位置関係が示されている。ヘッドの製造誤差の影響によって第2ドットラインが第2列領域からズレた結果、第2列領域の濃度が淡くなる。また、第4列領域では、ヘッドの製造誤差の影響によってドットが小さくなった結果、第4列領域の濃度が淡くなる。このような濃度むらや濃度むら補正方法を説明する必要があるため、本実施形態では、「ドットライン」、「画素列」、「列領域」等の意味や関係を上記の内容に沿って説明している。
但し、「画像データ」や「画素」等の一般的な用語の意味は、上記の説明だけでなく、通常の技術常識に沿って適宜解釈して良い。
また、以下の説明において、階調値が高いときに濃度が高く、階調値が低いときに濃度が低いものとして説明を行う。また、説明中、濃度が高い場合は明度が低い場合に対応する。
<印刷システムについて>
図2は、印刷システム100の構成を示すブロック図である。本実施形態の印刷システム100は、図2に示すように、プリンタ1と、コンピュータ110と、スキャナ120とを有するシステムである。
プリンタ1は、流体としてのインクを媒体に噴射して該媒体に画像を形成(印刷)する流体噴射装置であり、本実施形態ではカラーインクジェットプリンタである。プリンタ1は、用紙、布、フィルムシート等の複数種の媒体に画像を印刷することが可能である。なおプリンタ1の構成については後述する。
コンピュータ110は、インターフェース111と、CPU112と、メモリ113を有する。インターフェース111は、プリンタ1及びスキャナ120との間でデータの受け渡しを行う。CPU112は、コンピュータ110の全体的な制御を行うものであり、当該コンピュータ110にインストールされた各種プログラムを実行する。メモリ113は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。コンピュータ110にインストールされたプログラムの中には、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するためのプリンタドライバや、スキャナ120を制御するためのスキャナドライバがある。そしてコンピュータ110は、プリンタドライバによって生成された印刷データをプリンタ1に出力する。
スキャナ120は、スキャナコントローラ125と、読取キャリッジ121とを有する。スキャナコントローラ125は、インターフェース122、CPU123、及びメモリ124を有する。インターフェース122は、コンピュータ110との間で通信を行う。CPU123は、スキャナ120の全体的な制御を行う。例えば読取キャリッジ121を制御する。メモリ124は、コンピュータプログラム等を記憶する。読取キャリッジ121は、例えばR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)に対応する不図示の3つのセンサ(CCDなど)を有する。
以上の構成により、スキャナ120は、不図示の原稿台に置かれた原稿に光を照射し、その反射光を読取キャリッジ121の各センサにより検出し、前記原稿の画像を読み取って、当該画像の色情報を取得する。そして、インターフェース122を介してコンピュータ110のスキャナドライバに向けて画像の色情報を示すデータ(読取データ)を送信する。
<プリンタの構成>
図3は、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。ここでは、図2のブロック図も参照しつつプリンタの構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。コントローラ60は、コンピュータ110と接続するためのインターフェース61、演算装置であるCPU62、記憶部に相当するメモリ63、及び、各ユニットを制御するためのユニット制御回路64を含む。
外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、用紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、上流側ローラ22A及び下流側ローラ22Bと、ベルト24とを有する。不図示の搬送モータが回転すると、上流側ローラ22A及び下流側ローラ22Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙された用紙Sは、ベルト24によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が用紙Sを搬送することによって、用紙Sがヘッドユニット40に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した用紙Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。なお、搬送中の用紙Sは、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、搬送中の用紙Sに対してインクを吐出することによって、用紙Sにドットを形成し、画像を用紙Sに印刷する。本実施形態のプリンタ1はラインプリンタであり、ヘッドユニット40は紙幅分のドットを一度に形成することができる。
図4は、ヘッドユニット40における複数のヘッドの配列の説明図である。図に示すように、紙幅方向に沿って、複数のヘッド41が千鳥列状に並んでいる。尚、ここでは、下面からしか見ることができないノズル列を説明の容易のために上部から観察可能に図示している。
各ヘッドには、不図示であるが、ブラックインクノズル列、シアンインクノズル列、マゼンタインクノズル列及びイエローインクノズル列が形成されている。各ノズル列は、インクを吐出するノズルを複数個(ここでは、360個)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、紙幅方向に沿って、一定のノズルピッチ(ここでは、360dpi)で並んでいる。また、各ヘッド間におけるノズル同士は、端部の8つのノズル同士が搬送方向について重なるように、言い換えると、紙幅方向を軸とした座標について同じ座標になるように並んでいる。
図5は、ヘッド配置とドット形成の様子の説明図である。後述するヘッドユニット40は、説明の簡略化のため、2個のヘッド(第1ヘッド41A、第2ヘッド41B)から構成されているものとする。また、説明の簡略化のため、各ヘッドにはブラックインクノズル列だけが設けられているものとする。更に説明を簡略化するため、各ヘッドのブラックインクノズル列は、ノズルを18個ずつ備えているものとする。以下の説明において、搬送方向のことを「x方向」と呼び、紙幅方向のことを「y方向」と呼ぶことがある。第1ヘッド41Aは第1ノズル列411Aを有し、第2ヘッド41Bは第2ノズル列411Bを有している。
各ヘッドのブラックインクノズル列は、1/360インチ間隔で紙幅方向(y方向)に並ぶ18個のノズルから構成されている。各ノズルについて、図中の上から順にノズルの番号が付されている。また、図には、ノズルに示された斜線の方向と形成されたドットの斜線の方向が一致するように示されており、どのノズル列のノズルがドットを形成したかが示されている。
搬送中の用紙Sに対して各ノズルから断続的にインク滴が吐出されることによって、2つのノズル列は、用紙に28個のドットラインを形成する。例えば、第1ノズル列411Aのノズル♯1は第1ドットラインを用紙上に形成し、第2ノズル列411Bのノズル♯1は第11ドットラインを用紙上に形成する。各ドットラインは、搬送方向(x方向)に沿って形成される。
ところで、第1ノズル列411Aのノズル#11〜#18と、第2ノズル列411Bのノズル#1〜#8は、紙幅方向の座標について一致するように配置されている。よって、第11ドットライン〜第18ドットラインは、これらの重複するノズルによって分担して形成されることになる。ここでは説明の容易のために、ノズル列の重複する範囲における各ノズルのノズル使用比率を50%にしている。そして、ノズル列の重複する範囲のドットラインにおいて、第1ノズル列411Aのノズルによって形成されたドットと第2ノズル列411Bのノズルによって形成されたドットとが交互に現れる様子が示されている。
本実施形態では、図5に示すようなノズル使用比率によって印刷を行ったときを例に説明を行うが、ノズル列の重複する範囲におけるノズル使用率を以下のようにすることとしてもよい。
図6は、オーバーラップ処理について説明するための図である。図には、第1ノズル列411Aと第2ノズル列411Bと、各ノズル列の重複ノズルがドットラインを形成する際のドットの形成割合が示されている。たとえば、各ドットラインを形成するにあたり、第1ノズル列411Aのノズル#11は88.8%、ノズル#12は77.7%、ノズル#13は66.6%、ノズル#14は55.5%、ノズル#15は44.4%、ノズル#16は33.3%、ノズル#17は22.2%、ノズル#18は11.1%の割合でドットを形成することが示されている。また、各ドットラインを形成するにあたり、第2ノズル列411Bのノズル#1は11.1%、ノズル#2は22.2%、ノズル#3は33.3%、ノズル#4は44.4%、ノズル#5は55.5%、ノズル#6は66.6%、ノズル#7は77.7%、ノズル#8は88.8%の割合でドットを形成することが示されている。尚、以下、この割合のことをノズル使用比率として説明する。つまり、第1ノズル列411Aのノズル#11は88.8%のノズル使用比率でドットラインを形成していることになる。
そして、例えば、第1ノズル列411Aのノズル#11と第2ノズル列411Bのノズル#1とのノズル使用比率とを合計すると100%のノズル使用比率となる。第1ノズル列411Aのノズル#11と第2ノズル列411Bのノズル#1とが形成する共通のドットラインにおいて、連続する100個のドットを形成する場合には、第1ノズル列411Aのノズル#11が約89個のドットを形成し、第2ノズル列411Bのノズル#1が約11個のドットを形成するように、ドットの形成を分担することになる。このようにして、参考例における、第1ノズル列411Aのノズル#1〜第2ノズル列411Bのノズル#18のノズル使用比率は、合計すると常に100%となるように設定されている。
このようにして、ノズル列が重複する範囲において徐々にノズル使用比率を変化させることで、2つのノズル列が重複する範囲とノズル列が重複しない範囲との濃度差を目立たないようにして印刷することができるようになっている。
図7は、用紙Sが理想状態で搬送されたときにおける印刷について説明する図である。理想状態で搬送されるとは、用紙Sが蛇行することなく、ノズルが並ぶノズル列方向に対して交差する方向に搬送されていることをいう。このとき、全ての画素にドットを形成するようにインクを噴射すると、ドットは用紙Sに対して図5に示したように規則的に並ぶ。このため、重複ノズルに対応する範囲においても重複ノズル以外のノズルに対応する範囲においても、均一にドットが形成されることから、用紙Sにおいて均一な印刷を行うことができる。
図8は、用紙Sが蛇行して搬送されたときにおける印刷について説明する図である。図には、濃度むらの生じている部分としてIR1〜IR10が示されている。
図の左側に示される用紙Sは印刷前の用紙であり、図の右側に示される用紙Sは印刷後の用紙である。ここでも各ヘッドのノズルは、図7のときと同様の噴射タイミングでインクを噴射して、一様な濃度の印刷を行おうとしている。しかしながら、後述するように、図の左側に示される用紙Sは、ノズルが並ぶノズル列方向についても若干移動しつつ搬送方向に搬送される。このように用紙Sが蛇行して搬送されつつ各ノズル列からインクが噴射され画像が形成される場合、ノズル列同士が重複する範囲ではドットが均等に形成されず、結果として濃度むらを生ずることとなる。
これは、第1ノズル列411Aによってドットが形成されてから第2ノズル列411Bによって形成されるまでの搬送において、用紙がノズル列方向に若干移動してしまったために、第1ノズル列411Aによるドットに対して第2ノズル列411Bによるドットがノズル列方向にずれて形成されてしまうためである。
図9は、第1ノズル列411Aの一部のノズルと第2ノズル列411Bの一部のノズルとが紙幅方向の座標について一致しないように配置されているときのドットの形成を説明するための図(その1)である。第1ノズル列411Aによるドットの形成が行われた後の搬送において、用紙がy軸のプラス方向に若干移動してしまってから、第2ノズル列411Bによるドットの形成が行われた場合、第2ノズル列がy軸のマイナス方向に若干ずれて配置されたときと同様の印刷(換言すると、2つのノズル列の重複する範囲が減少する方向に第1ノズル列411A又は第2ノズル列411Bが移動したかのような印刷)が行われることとなる。そして、第11ドットライン〜第18ドットラインの領域における単位面積あたりのインク量が減少することになる。結果として、この領域に白スジが発生することになる。このような原理によって、図8の印刷結果における、白スジ(IR1、IR4、IR5、IR8、IR9)が発生する。
図10は、第1ノズル列411Aの一部のノズルと第2ノズル列411Bの一部のノズルとが紙幅方向の座標について一致しないように配置されているときのドットの形成を説明するための図(その2)である。第1ノズル列411Aによるドットの形成が行われた後の搬送において、用紙がy軸方向のマイナス方向に若干移動してしまってから、第2ノズル列411Bによるドットの形成が行われた場合、第2ノズル列がy軸のプラス方向に若干ずれて配置されたときど同様の印刷(換言すると、2つのノズル列の重複する範囲が増加する方向に第1ノズル列411A又は第2ノズル列411Bが移動したかのような印刷)が行われることになる。そして、第11ドットライン〜第18ドットラインの領域における単位面積あたりのインク量が増加することになる。結果として、この領域に黒スジが発生することになる。このような原理によって、図8の印刷結果における、黒スジ(IR2、IR3、IR6、IR7、IR10)が発生する。
<プリンタドライバによる処理について>
図11は、プリンタドライバによる処理の説明図である。以下、プリンタドライバによる処理について、図を参照しながら説明する。
印刷画像データは、図に示すように、プリンタドライバによって解像度変換処理(S102)、色変換処理(S104)、ハーフトーン処理(S106)、及び、ラスタライズ処理(S108)が実行されることにより生成される。
まず、解像度変換処理では、アプリケーションプログラムの実行により得られたRGB画像データの解像度が、指定された画質に対応する印刷解像度に変換される。次に、色変換処理では、解像度が変換されたRGB画像データがCMYK画像データに変換される。ここで、CMYK画像データとは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び、ブラック(K)の色別の画像データを意味する。そして、CMYK画像データを構成する複数の画素データは、それぞれ256段階の階調値で表される。この階調値は、RGB画像データに基づいて定められるものであり、以下、指令階調値ともいう。
次に、ハーフトーン処理では、画像データを構成する画素データが示す多段階の階調値が、プリンタ1で表現可能な少段階のドット階調値に変換される。すなわち、画素データが示す256段階の階調値が、4段階のドット階調値に変換される。具体的には、ドット階調値[00]に対応するドットなし、ドット階調値[01]に対応する小ドットの形成、ドット階調値[10]に対応する中ドットの形成、及び、ドット階調値[11]に対応する大ドットの形成の4段階に変換される。その後、各ドットのサイズについてドット生成率が決められた上で、ディザ法等を利用して、プリンタ1がドットを分散して形成するように画素データが作成される。
次に、ラスタライズ処理では、ハーフトーン処理で得られた画像データに関し、各ドットのデータが、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更される。そして、ラスタライズ処理されたデータは、印刷データの一部として送信される。
<濃度むらについて>
図12Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。理想的にドットが形成されるとは、画素領域の中心位置にインク滴が着弾し、そのインク滴が用紙S上に広がって、画素領域にドットが形成されることである。各ドットが各画素領域に正確に形成されると、ドットライン(搬送方向にドットが並んだドット列)が列領域に正確に形成される。
図12Bは、濃度むらが発生したときの説明図である。2番目の列領域に形成されたドットラインは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行方向のばらつきにより、3番目の列領域側に寄って形成されている。その結果、2番目の列領域は淡くなり、3列目の列領域は濃くなる。また、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量は規定のインク量よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5列目の列領域は淡くなる。
このように濃淡の違うラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、搬送方向に沿う縞状の濃度むらが視認される。この濃度むらは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
以上のような濃度むらを抑制するための方策としては、画像データの階調値(指令階調値)を補正することが考えられる。つまり、濃く(淡く)視認され易い列領域に対しては、淡く(濃く)形成されるように、その列領域を構成する単位領域に対応する画素の階調値を補正すればよい。このため、ラスタライン毎に画像データの階調値を補正する濃度補正値Hを算出することになる。この濃度補正値Hは、プリンタ1の濃度むら特性を反映した値である。
図12Cは、濃度むらの発生が抑制された様子を示す図である。ラスタライン毎の濃度補正値Hが算出されていれば、ハーフトーン処理の実行に際してプリンタドライバによって、その濃度補正値Hに基づいてラスタライン毎に画素データの階調値を補正する処理が行われる。この補正処理により補正された階調値で各ドットラインが形成されると、対応するラスタラインの濃度が補正される結果、図12Cに示すように、印刷画像における濃度むらの発生が抑制されることになる。
例えば、図12C中では、淡く視認される2番目と5番目の列領域のドット生成率が高くなり、濃く視認される3番目の列領域のドット生成率が低くなるように、各列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。このように、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度むらが抑制される。
<濃度補正値Hの算出について>
次に、ラスタライン毎の濃度補正値Hを算出する処理(以下、補正値取得処理ともいう)について概説する。補正値取得処理は、例えば、プリンタ1の製造工場の検査ラインにおいて、補正値算出システムの下で行われる。補正値算出システムとは、プリンタ1の濃度むら特性に応じた濃度補正値Hを算出するためのシステムであり、上記の印刷システム100と同様の構成である。つまり、補正値算出システムは、プリンタ1、コンピュータ110、及び、スキャナ120(便宜上、印刷システム100の場合と同一の符号にて表記する)を有する。
プリンタ1は、補正値取得処理の対象機器であり、該プリンタ1を用いて濃度むらがない画像を印刷するためには、前記補正値取得処理において該プリンタ1用の濃度補正値Hを算出することになる。検査ラインに置かれたコンピュータ110には、該コンピュータ110が補正値取得処理を実行するための補正値算出プログラムがインストールされている。
<補正値取得処理について>
図13は、補正値取得処理の流れを示す図である。多色印刷が可能なプリンタ1を対象とする場合、各インク色についての補正値取得処理は同様の手順により実施される。以下の説明では、一のインク色(例えば、ブラック)についての補正値取得処理について説明する。
先ず、コンピュータ110が印刷データをプリンタ1に送信し、既述の印刷動作と同様の手順により、プリンタ1が補正用パターンCPを用紙Sに形成する(S202)。
図14は補正用パターンCPの説明図である。この補正用パターンCPは、図14に示すように、5種類の濃度のサブパターンCSPで形成される。
各サブパターンCSPは、帯状パターンであり、搬送方向に沿うラスタラインが紙幅方向に複数並ぶことにより構成される。また、各サブパターンCSPは、それぞれ一定の階調値(指令階調値)の画像データから生成されたものであり、図14に示すように、左のサブパターンCSPから順に濃度が濃くなっている。具体的には、左から15%、30%、45%、60%。85%の濃度のサブパターンとなっている。以下、濃度15%のサブパターンCSPの指令階調値をSa、濃度30%のサブパターンCSPの指令階調値をSb、濃度45%のサブパターンCSPの指令階調値をSc、濃度60のサブパターンCSPの指令階調値をSd、そして、濃度85%のサブパターンCSPの指令階調値をSeと表記する。そして、例えば、指令階調値Saにて形成されたサブパターンCSPを、図14に示すように、CSP(1)と表記する。同様に、指令階調値Sb、Sc、Sd、Seにて形成されたサブパターンCSPを、それぞれCSP(2)、CSP(3)、CSP(4)、CSP(5)と表記する。
次に、検査者は補正用パターンCPが形成された用紙Sをスキャナ120にセットする。そして、コンピュータ110は、スキャナ120に補正用パターンCPを読み取らせ、その結果を取得する(S204)。スキャナ120は、前述したようにR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)に対応する3つのセンサを有しており、補正用パターンCPに光を照射し、その反射光を各センサによって検出する。なお、コンピュータ110は、補正用パターンを読み取った画像データ上において、搬送方向に相当する方向に画素が並んだ画素列数と、補正用パターンを構成するラスタライン数(列領域数)が、同数になるように調整する。つまり、スキャナ120にて読み取った画素列と列領域を一対一で対応させる。そして、ある列領域と対応する画素列の各画素が示す読取階調値の平均値を、その列領域の読取階調値とする。
次に、コンピュータ110は、スキャナ120によって取得された読取階調値に基づいて、各サブパターンCSPのラスタライン毎(換言すると列領域毎)の濃度を算出する(S206)。以下、読取階調値に基づいて算出された濃度のことを算出濃度ともいう。
図15は、指令階調値がSa、Sb、ScのサブパターンCSPについてラスタライン毎の算出濃度を示すグラフである。図15の横軸は、ラスタラインの位置を示し、縦軸は、算出濃度の大きさを示している。図15に示すように、各サブパターンCSPは、それぞれ同一の指令階調値で形成されたにも関わらずラスタライン毎に濃淡が生じている。このラスタラインの濃淡差が、印刷画像の濃度むらの原因である。
次に、コンピュータ110は、ラスタライン毎の濃度補正値Hを算出する(S208)。なお、濃度補正値Hは、指令階調毎に算出される。以下、指令階調Sa、Sb、Sc、Sd、Seについて算出された濃度補正値HのことをそれぞれHa、Hb、Hc、Hd、Heとする。濃度補正値Hの算出手順を説明するために、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)のラスタライン毎の算出濃度が一定になるように指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順を例に挙げて説明する。当該手順では、例えば、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における全ラスタラインの算出濃度の平均値Dbtを、指令階調値Sbの目標濃度として定める。図15において、この目標濃度Dbtよりも算出濃度が淡い第iラスタラインでは、指令階調値Sbを濃くする方へ補正すれば良い。一方、目標濃度Dbtよりも算出濃度が濃い第jラスタラインでは、指令階調値Sbを淡くする方へ補正すればよい。
図16Aは第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。また図16Bは、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。図16A及び図16Bの横軸は指令階調値の大きさを示し、縦軸は算出濃度を示している。
第iラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図16Aに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第iラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値ScのサブパターンCSP(3)における第iラスタラインの算出濃度Dc、に基づいて算出される。より具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第iラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも小さくなっている。換言すると、第iラスタラインの濃度は平均濃度よりも淡くなっている。仮に、第iラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第iラスタラインを形成したいのであれば、該第iラスタラインに対応する画素データの階調値、すなわち、指令階調値Sbを、図16Aに示すように、第iラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sb,Db)、(Sc,Dc)から直線近似を用いて、下記式(1)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Dbt−Db)/(Dc−Db)} (1)
そして、指令階調値Sbと目標指令階調値Sbtから、下記式(2)により、第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hが求められる。
Hb=ΔS/Sb=(Sbt−Sb)/Sb (2)
一方、第jラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図16Bに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第jラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値SaのサブパターンCSP(1)における第jラスタラインの算出濃度Da、に基づいて算出される。具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも大きくなっている。仮に、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第jラスタラインを形成したいのであれば、該第jラスタラインの指令階調値Sbを、図16Bに示すように、第jラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sa,Da)、(Sb,Db)から直線近似を用いて、下記式(3)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sb−Sa)×{(Dbt−Db)/(Db−Da)} (3)
そして、上記式(2)により、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbが求められる。
以上のようにして、コンピュータ110は、ラスタライン毎に、指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbを算出する。同様に、指令階調値Sa、Sc、Sd、Seに対する濃度補正値Ha、Hc、Hd、Heを、それぞれラスタライン毎に算出する。また、他のインク色についても、ラスタライン毎に、指令階調値Sa〜Seの各々に対する濃度補正値Ha〜Heを算出する。
その後、コンピュータ110は、濃度補正値Hのデータをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に記憶させる(S210)。
図17は、メモリ63に記憶された補正値テーブルを示す図である。この結果、プリンタ1のメモリ63には、図17に図示された、ラスタライン毎に5つの指令階調値Sa〜Seの各々に対する濃度補正値Ha〜Heをまとめた補正値テーブルが作成される。
また、図17に示すように、補正値テーブルはインク色別に作成される。この結果、CMYK4色分の補正値テーブルが形成される。この補正値テーブルは、プリンタ1を用いて画像を印刷する際に、当該画像の画像データを構成する各ラスタラインの階調値を補正するためにプリンタドライバによって参照される。
本参考例では、用紙上の画素列に対応するラスタラインごとに濃度を測定し、測定した濃度に基づいて階調値を補正するための補正値を求めている。このようにすることで、ラスタライン毎に濃度補正を行うことができる。そして、用紙上の色むらの発生を抑制することができる。
<印刷処理>
図18は、ユーザ下でプリンタドライバが行う印刷処理のフロー図である。プリンタ1を購入したユーザは、プリンタ1に同梱されているCD−ROMに記憶されたプリンタドライバ(若しくは、プリンタ製造会社のホームページからダウンロードしたプリンタドライバ)を、コンピュータにインストールする。このプリンタドライバには、図中の各処理をコンピュータに実行させるためのコードを備えている。また、ユーザは、コンピュータにプリンタ1を接続する。
まず、プリンタドライバは、プリンタ1のメモリに記憶されている補正値テーブル(図17参照)を、プリンタ1から取得する(S302)。
ユーザがアプリケーションプログラム上から印刷を指示したとき、プリンタドライバが呼び出され、印刷対象となる画像データ(印刷画像データ)をアプリケーションプログラムから受け取り、その印刷画像データに対して解像度変換処理を行う(S304)。解像度変換処理とは、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。ここでは、印刷解像度は360×360dpiであり、解像度変換処理後の各画素データは、RGB色空間により表される256階調のデータである。
次に、プリンタドライバは、色変換処理を行う(S306)。色変換処理とは、プリンタ1のインク色の色空間に合わせて画像データを変換する処理である。ここでは、RGB色空間の画像データ(256階調)が、CMYK色空間の画像データ(256階調)に変換される。
これにより、256階調のCMYK色空間の画像データが得られる。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、CMYK色空間の画像データのうちの、ブラック平面の画像データについて説明する。
次に、プリンタドライバは、濃度むら補正処理を行う(S308)。濃度むら補正処理は、用紙上の画素列(ラスタラインに対応)ごとの補正値に基づいて、各画素列に属する画素データの階調値をそれぞれ補正する処理である。
例えば、ユーザのコンピュータ110のプリンタドライバは、各画素データの階調値(以下、補正前の階調値をSinとする)を、その画素データが対応するラスタラインの濃度補正値Hに基づいて補正する(以下、補正後の階調値をSoutとする)。
具体的には、あるラスタラインの階調値Sinが指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seの何れかと同じであれば、コンピュータ110のメモリに記憶されている濃度補正値Hをそのまま用いることができる。例えば画素データの階調値Sin=Sbであれば、補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sb×(1+Hb)
一方、画素データの階調値が指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seと異なる場合、その周囲の指令階調値の濃度補正値を用いた補間に基づいて補正値を算出する。例えば指令階調値Sinが指令階調値Sbと指令階調値Scとの間の場合、指令階調値Sbの濃度補正値Hb、及び指令階調値Scの濃度補正値Hcを用いた線形補間により求めた補正値をH´とすると、指令階調値Sinの補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sin×(1+H´)
このようにして、濃度補正処理が行なわれる。
濃度むら補正処理の後、プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理とは、高階調数のデータを、低階調数のデータに変換する処理である。ここでは、256階調の印刷画像データが、プリンタ1の表現可能な4階調の印刷画像データに変換される。ハーフトーン処理方法としてディザ法などが知られており、本実施形態もこのようなハーフトーン処理を行う。
本実施形態において、プリンタドライバは、濃度むら補正処理された画素データに対して、ハーフトーン処理を行うことになる。この結果、濃く視認されやすい部分の画素データの階調値は低くなるように補正されているので、その部分のドット生成率は低くなる。逆に、淡く視認されやすい部分ではドット生成率が高くなる。
次に、プリンタドライバは、ラスタライズ処理を行う(S312)。ラスタライズ処理は、印刷画像データ上の画素データの並び順を、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。その後、プリンタドライバは、プリンタ1を制御するための制御データを画素データに付加することによって印刷データを生成し(S314)、その印刷データをプリンタ1に送信する(S316)。
プリンタ1は、受信した印刷データに従って、印刷動作を行う。具体的には、プリンタ1のコントローラ60は、受信した印刷データの制御データに従って搬送ユニット20などを制御し、印刷データの画素データに従ってヘッドユニット40を制御して各ノズルからインクを吐出する。このようにして生成された印刷データに基づいてプリンタ1が印刷処理を行えば、各ラスタラインのドット生成率が変更され、用紙上の列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像の濃度むらが抑制される。
図19は、参考例の濃度補正を行ったときにおける印刷結果の様子を説明するための図である。図において、補正用パターンを配置した箇所の周辺については、ノズル列方向についても濃度が補正され濃度が均一になっている様子が示されている。一方、補正用パターンが配置された箇所から搬送方向について離れた領域については、濃度補正の結果、濃度むらが生じてしまっている様子が示されている。
淡くなるような濃度むらIR1が生じていたラスタラインについては、濃度を高くするような濃度補正が行われることになる。よって、濃度むらIR1はほぼ解消されるのであるが、その一方で濃度が高くなるように濃度むらIR11が生じる。そして、さらに、濃度が高くなるように生じていた濃度むらIR2が、より濃度が高くなるような濃度むらIR2’として生じている。同様のことが、濃度むらIR5が生じていたラスタライン、及び、濃度むらIR9が生じていたラスタラインについても生じている。
また、濃くなるような濃度むらIR3が生じていたラスタラインについては、濃度を低くするような濃度補正が行われることになる。よって、濃度むらIR3はほぼ解消されるのであるが、その一方で濃度が高くなるように濃度むらIR12が生じる。そして、さらに、濃度が低くなるように生じていた濃度むらIR4が、より濃度が低くなるような濃度むらIR4’として生じている。同様のことが、濃度むらIR7が生じていたラスタラインについても生じている。
このように、用紙Sが蛇行して搬送される場合において、搬送方向について濃度むらが抑制される箇所とされない箇所が生ずる場合がある。よって、以下に示す実施形態では、媒体を搬送方向についていくつかの領域に仮想的に分割し、領域毎に上記の濃度補正を行うこととして、各領域についての濃度むらを抑制することとしている。
図20は、第1実施形態を模式的に示す図である。図には、各領域として、第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3、第4領域A4、及び、第5領域A5が示されている。そして、各領域の搬送方向の中心位置としてCtr1〜Ctr5が示されている。また、図には、2つの補正用パターンCP2、CP4が用紙S上に示されている。尚、補正用パターンCP1、CP3、CP5が示されているが、これらは用紙S上には印刷されない。これは、第1領域A1、第3領域A3、及び、第5領域A5の濃度補正値が、補正用パターンCP2、CP4から補間により求められることを示すものである。
本実施形態では、各ヘッドによって形成された罫線の用紙幅方向の距離と、補正用パターンが形成された領域における濃度補正値とに基づいて、補正用パターンが形成されていない領域における濃度補正値を求める。
図21は、第1実施形態における濃度補正値の求め方を説明するフローチャートである。まず、罫線パターンとして第1ラインL1〜第12ラインL12の罫線が印刷される(S402)。
図22は、ヘッド間距離について説明するための図である。ここで、ヘッド間距離とは見かけ上のヘッド間距離であって、第1ヘッド41Aから第2ヘッド41Bの位置まで用紙Sが移動するときにおける、用紙Sの紙幅方向の移動量(相対移動量に相当)である。このように、紙幅方向の移動量を「ヘッド間距離」として説明するのは、第1ヘッド41Aから第2ヘッド41Bの位置まで移動したときに用紙Sが紙幅方向に微少ながらに移動してしまうと、あたかも第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bとの紙幅方向のヘッド間距離が変化したかのようにドットが形成されるからである。
図には、ヘッド間距離を測定するための罫線パターンが示されている。また、図には、搬送方向について分割された複数の領域(第1領域A1〜第5領域A5)が示され、各領域の搬送方向についての中央位置Ctr1〜Ctr5が示されている。
罫線パターンは、第1ラインL1から第12ラインL12の12本のラインによって構成される。12本のラインは、各ヘッドのブラックノズル列のノズルによって形成される。各ノズル列は、360dpiのノズルピッチで360個のノズルを有している。そして、y方向の上部から下部に向かってノズル番号が#1〜#360まで付されたとしたときに、これらの罫線は、例えば、各ヘッドのノズル列のノズル#90とノズル#270によって形成される。これにより、第1ヘッド41Aによって第1ラインL1と第2ラインL2が形成される。同様にして、第2ヘッド41Bによって、第3ラインL3と第4ラインL4が形成される。また、第3ヘッド41Cによって、第5ラインL5と第6ラインL6が形成される。また、第4ヘッド41Dによって、第7ラインL7と第8ラインL8が形成される。また、第5ヘッド41Eによって、第9ラインL9と第10ラインL10が形成される。また、第6ヘッド41Fによって、第11ラインL11と第12ラインL12が形成される。
理想的な用紙の搬送が行われるか、または、紙幅方向についての用紙の移動が搬送方向の移動に対して一定の割合で移動してしまう場合には、異なるヘッドが形成するライン間の紙幅方向についての距離が変化することはない。この場合、例えば、第1ラインL1と第3ラインL3との用紙幅方向の距離は一定となる。しかしながら、これらの第1ラインL1〜第12ラインL12は、前述のように用紙Sが蛇行した場合には直線には描かれず、また、上流側のヘッド(第1ヘッド、第3ヘッド、第5ヘッド)によって画像が形成されてから遅れて下流側のヘッド(第2ヘッド、第4ヘッド、第6ヘッド)によって画像が形成されるため、例えば、第1ヘッドによって形成された罫線と第2ヘッドによって形成された罫線との距離は変動するものとなる。
次に、各領域の搬送方向の中央位置における2本のラインの紙幅方向座標の平均値を、2本のラインを形成したヘッド毎に求める(S404)。具体的には、各ラインのx方向座標におけるy方向の座標が計測される。これらの位置の計測は、スキャナによって罫線が読み取られ、読み取った画像に基づいて罫線位置を計測することができる。このとき、例えば、360dpiの解像度で計測が行われる。
そして、ラインを形成したヘッド毎に2本のラインの紙幅方向座標の平均値を算出する。このようにヘッド毎の平均値が求められるのは、紙幅方向におけるインクの飛行曲がりの誤差を平均化させるためである。x座標の各点における第1ヘッドの平均罫線位置Head1は、
Head1(x)=(L1のy座標(x)−L2のy座標(x))/2
で求めることができる。このとき、例えば、xの値を1/360インチ毎に変化させたものとして平均罫線位置が求められる。このような計算は、第2ヘッド41B〜第6ヘッド41Fについても行われ、第2ヘッドの平均罫線位置Head2〜第6ヘッドの平均罫線位置Head6が求められる。
次に、ヘッド間距離が求められる(S406)。ここで、ヘッド間距離とは、前述の通り、見かけ上のヘッド間距離であって、例えば、第1ヘッドから第2ヘッドの位置まで媒体が移動するときにおける、前記媒体の用紙幅方向の移動量である。
第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bとのヘッド間距離である第1ヘッド間距離D1(x)は、第1ヘッドのノズル#180と第2ヘッドのノズル#180の実際のy軸方向の距離をHD1realとすると、
D1(x)=Head1(x)−Head2(x)−HD1real
で求めることができる。このような計算は、第2ヘッド間距離D2(第2ヘッド41Bと第3ヘッド41Cとのヘッド間距離)、第3ヘッド間距離D3(第3ヘッド41Cと第4ヘッド41Dとのヘッド間距離)、第4ヘッド間距離D4(第4ヘッド41Dと第5ヘッド41Eとのヘッド間距離)、及び、第5ヘッド間距離D5(第5ヘッド41Eと第6ヘッド41Fとのヘッド間距離)についても行われる。尚、このときの第iヘッドのノズル#180と第(i+1)ヘッドのノズル#180の実際のy軸方向の距離をHDirealは予め計測して求められているものとする。
次に、補正用パターンが形成される(S408)本実施形態では、図20に示されるように補正用パターンCPが第2領域A2と第4領域A4にそれぞれ形成される。
次に、補正用パターンが形成された領域における濃度補正値が求められる(S410)。ここでは、第2領域A2に補正用パターンCP2が形成され、第4領域A4において補正用パターンCP4が形成された。よって、この補正用パターンCP2に基づいて第2領域A2における濃度補正値が求められ、補正用パターンCP4に基づいて第4領域A4における濃度補正値が求められる。これらの濃度補正値の求め方は、前述の補正値取得処理(図13)と同様の処理であるので説明を省略する。このようにすることで、図17に示すような補正値テーブルが第2領域A2と第4領域A4について作成されることになる。
図23は、各領域における第1ヘッド間距離D1と濃度補正値を示す表である。図24は、各領域における第2ヘッド間距離D2と濃度補正値を示す表である。表には、第1領域A1〜第5領域A5の各搬送方向における開始位置及び終了位置、濃度補正値、補正用パターンの印字領域、及び、ヘッド間距離が示されている。ここで、ヘッド間距離は、前述のような方法で求められたものである。また、ヘッド間距離は、各領域の搬送方向における中央位置Ctr1〜Ctr5についてのものが示されている。また、前述の通り、第2領域A2と第4領域A4における濃度補正値は各ラスタラインについて既に求められているため、C2、C4には既に具体的な数値が求められていることになる。
次に、得られたヘッド間距離とこれらの濃度補正値とに基づいて、第1領域A1、第3領域A3、及び、第5領域A5における濃度補正値が求められる(S412)。尚、濃度補正値は前述の通りラスタライン(列領域)ごとに求められるが、ここでは、繋ぎ目ノズルに対応するラスタラインについてのみ求められる。ここで、繋ぎ目ノズルとは、異なるノズル列間において同じラスタラインを形成しようとしているノズルであり、例えば、図5における第1ノズル列411Aのノズル#11〜#18、及び、第2ノズル列411Bのノズル#1〜#8である。
用紙Sが蛇行したときにおいて濃度むらが顕著に発生する箇所は前述のIR2’、IR4’、IR6’、IR8’、及び、IR11〜IR15(図19)で示される領域であった。これらは、ノズル列が重複して配置される範囲(例えば、図5であると第1ノズル列411Aのノズル#11〜#18と第2ノズル列411Bのノズル#1〜#8に対応する範囲)において生ずる。それ以外のノズルが形成するドットラインは紙幅方向について均一に並ぶため、濃度むらは発生しにくいのに対し、これらのノズルによって形成されるドットは紙幅方向について均一に並ばないため濃度むらが生じてしまうのである。よって、このようなときに均一なドット配置を形成することができないノズルに関してのみ上述のような補間を行って濃度補正値を求める。具体的には、重複して配置されるノズル(例えば、図5であると第1ノズル列411Aのノズル#11〜#18と第2ノズル列411Bのノズル#1〜#8)と、これらのノズルに隣接するノズル(例えば、図5であると第1ノズル列411Aのノズル#10と第2ノズル列411Bのノズル#9)に対応するラスタラインについて濃度補正値を求めることとする。
一方、継ぎ目ノズルに対応しないラスタラインの濃度補正値は、第2領域A2において求められた濃度補正値、又は、第4領域A4において求められた濃度補正値を流用することとする。
図25は、第1ヘッド間距離D1におけるヘッド間距離と濃度補正値を説明する図である。図には、ヘッド間距離に対する濃度補正値が示されている。前述の図23の表に示されるように、第2領域A2の中央Ctr2におけるヘッド間距離は、20μmであり、このときの第2領域A2の濃度補正値はC2である。また、第4領域A4の中央Ctr4におけるヘッド間距離は、−20μmであり、このときの第4領域A4の濃度補正値はC4である。そうすると、図25に示されるような、第2領域A2の濃度補正値C2と第4領域A4の濃度補正値C4とによって線形補間されたヘッド間距離と濃度補正値のグラフを得ることができる。
ここで、第1領域A1におけるヘッド間距離は10μmである。そうすると、このような線形補間されたヘッド間距離と濃度補正値とのグラフから、ヘッド間距離が10μmであるときにおける濃度補正値の推定値(第1領域A1における濃度補正値の推定値)C1を求めることができる。また、第3領域A3におけるヘッド間距離は0μmである。そうすると、このグラフから、ヘッド間距離が0μmであるときにおける濃度補正値の推定値(第3領域A3における濃度補正値の推定値)C3を求めることができる。また、第5領域A5におけるヘッド間距離は−10μmである。そうすると、このグラフから、ヘッド間距離が−10μmであるときにおける濃度補正値の推定値(第5領域A5における濃度補正値の推定値)C5を求めることができる。
このようにすることで、第1領域A1、第3領域A3、及び、第5領域A5においても図17に示すような補正値テーブルを作成することができるが、ここでは、第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bとにおける継ぎ目ノズルに対応するラスタラインの濃度補正値が求められることになる。一方、第1領域A1、第3領域A3、及び、第5領域A5における継ぎ目ノズルに対応するラスタライン以外のラスタラインについては、第2領域A2又は第4領域A4における同じ番号のラスタラインの濃度補正値が用いられることになる。
図26は、第2ヘッド間距離D2におけるヘッド間距離と濃度補正値を説明する図である。図には、ヘッド間距離に対する濃度補正値が示されている。前述の図24の表に示されるように、第2領域A2の中央Ctr2におけるヘッド間距離は、−20μmであり、このときの第2領域A2の濃度補正値はC2’である。また、第4領域A4の中央Ctr4におけるヘッド間距離は、20μmであり、このときの第4領域A4の濃度補正値はC4’である。そうすると、図26に示されるような、第2領域A2の濃度補正値C2’と第4領域A4の濃度補正値C4’とによって線形補間されたヘッド間距離と濃度補正値のグラフを得ることができる。
ここで、第1領域A1におけるヘッド間距離は−10μmである。そうすると、このような線形補間されたヘッド間距離と濃度補正値のグラフから、ヘッド間距離が−10μmであるときにおける濃度補正値の推定値(第1領域A1における濃度補正値の推定値)C1’を求めることができる。また、第3領域A3におけるヘッド間距離は0μmである。そうすると、このグラフから、ヘッド間距離が0μmであるときにおける濃度補正値の推定値(第3領域A3における濃度補正値の推定値)C3’を求めることができる。また、第5領域A5におけるヘッド間距離は10μmである。そうすると、このグラフから、ヘッド間距離が10μmであるときにおける濃度補正値の推定値(第5領域A5における濃度補正値の推定値)C5’を求めることができる。
このようにすることで、第2ヘッド41Bと第3ヘッド41Cとにおける継ぎ目ノズルに対応するラスタラインの濃度補正値が求められることになる。
ここでは、第1ヘッド間距離D1を用いて第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bとにおける継ぎ目ノズルに対応するラスタラインの濃度補正値と、第2ヘッド間距離D2を用いて第2ヘッド41Bと第3ヘッド41Cとにおける継ぎ目ノズルに対応するラスタラインの濃度補正値と、の求め方について説明を行ったが、第3ヘッド41Cと第4ヘッド41Dにおける継ぎ目ノズル、第4ヘッド41Dと第5ヘッド41Eにおける継ぎ目ノズル、第5ヘッド41Eと第6ヘッド41Fにおける継ぎ目ノズルに対応するラスタラインの濃度補正値についても同様に求めることができる。
図27は、得られた濃度補正値について示す表である。このようにすることで、補正値テーブルが5つ(第1領域A1についての補正値テーブル、第2領域A2についての補正値テーブル、第3領域A3についての補正値テーブル、第4領域A4についての補正値テーブル、及び、第5領域A5についての補正値テーブル)完成される。これらの補正値テーブルは、プリンタ1のメモリ63に記憶される。
そして、各領域について対応する濃度補正値を用い、前述の図18に示す印刷処理を各領域について行うこととする。このようにすることによって、用紙Sが蛇行して搬送される場合であっても、補正用パターンが形成されない領域の濃度補正値を適切に求め、濃度補正を行うことができる。そして、適切に濃度むらの発生を抑制することができる。
このようにして、補正用パターンを印刷しない領域があっても、補正用パターンを印刷した領域におけるヘッド間距離と濃度補正値と、補正用パターンを印刷しない領域におけるヘッド間距離とに基づいて、補正用パターンを印刷しない領域における濃度補正値を求めることができる。また、用紙Sが蛇行して搬送する場合であっても、補正用パターンが形成されない領域の濃度補正値を適切に求め、濃度補正を行うことができる。そして、適切に濃度むらの発生を抑制することができるようになる。
尚、ヘッド間距離を求める際に2本の罫線の平均を求め、罫線の平均位置間の距離に基づいてヘッド距離を求めることとしたが、罫線の平均位置を用いないでヘッド間距離を求めることとしてもよい。この場合、1つのヘッドについて1本の罫線を形成し、形成された罫線間の距離に基づいてヘッド間距離を求める。このようにすることによって、飛行曲がりが生じにくいヘッドにおいて容易にヘッド間距離を求めることができる。
また、罫線の平均位置間の距離に基づいてヘッド間距離を求める際に、1つのヘッドについて3本以上の罫線を形成することとし、ヘッド毎の罫線の平均位置間の距離に基づいてヘッド距離を求めることとしてもよい。
===第2実施形態===
図28は、第2実施形態における罫線パターンを説明するための図である。図には、説明の容易のために、6つのヘッドのうちの4つのヘッド(第1ヘッド41A〜第4ヘッド41E)が示されている。また、各ヘッドはイエローインクノズル列NY、マゼンタインクノズル列NM、シアンインクノズル列NC、及び、ブラックインクノズル列NKを含んでいる。ここでも下面からしか見ることができないノズル列を説明の容易のために上部から観察可能に図示している。
また、図には、用紙Sと、用紙S上に形成された第2実施形態における罫線パターンとしての複数のラインが示されている。これらのラインは、用紙Sが搬送方向に搬送されているときにおいて各ヘッドのある特定のノズルからインクが噴射されることによって形成される。
第2実施形態において、各ヘッドのイエローインクノズル列NYのノズル#72からイエローインクが噴射されることによって、イエローYのラインが形成される。また、各ヘッドのマゼンタインクノズル列NMのノズル#144からマゼンタインクが噴射されることによって、マゼンタMのラインが形成される。また、各ヘッドのシアンインクノズル列NCのノズル#216からシアンインクが噴射されることによって、シアンCのラインが形成される。また、各ヘッドのブラックインクノズル列NKのノズル#288からブラックインクが噴射されることによって、ブラックKのラインが形成される。
スキャナ120によってこの罫線パターンが読み取られることによって各ラインの用紙Sにおけるx座標及びy座標の位置を得ることができる。
第1ヘッド41Aによるイエローインクの罫線位置をHead_y1とし、第2ヘッド41Bによるイエローインクの罫線位置をHead_y2とし、第1ヘッド41Aのノズル#72と第2ヘッド41Bのノズル#72との実際の距離をHDy1realとする。このとき、イエローインクノズル列における第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bとのヘッド間距離Dy1(x)は、
Dy1(x)=Head_y1(x)−Head_y2(x)−HDy1real
で求めることができる。このような計算は、イエローインクノズル列NYにおける第2ヘッド間距離Dy2〜第5ヘッド間距離Dy5についても行われる。
同様にして、第1ヘッド41Aによるマゼンタインクの罫線位置をHead_m1とし、第2ヘッド41Bによるマゼンタインクの罫線位置をHead_m2とし、第1ヘッド41Aのノズル#144と第2ヘッド41Bのノズル#144との実際の距離をHDm1realとする。このとき、マゼンタインクノズル列における第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bとのヘッド間距離Dm1(x)は、
Dm1(x)=Head_m1(x)−Head_m2(x)−HDm1real
で求めることができる。このような計算は、マゼンタインクノズル列NMにおける第2ヘッド間距離Dm2〜第5ヘッド間距離Dm5についても行われる。
ここでは、イエローインクノズル列NY及びマゼンタインクノズル列NMについてのヘッド間距離について説明したが、同様の計算がシアンインクノズル列NC及びブラックインクノズル列NKについても行われる。
このように1枚の用紙Sに各インク色による罫線を形成することによって、インク色毎にヘッド間距離を求めることができるようになる。
===第3実施形態===
図29は、第3実施形態における罫線パターンを説明するための図である。第3実施形態では、各ヘッドのイエローインクノズル列NYのノズル#90とノズル#270からイエローインクYが噴射されることによって、イエローインクYのラインがヘッド毎に2本ずつ形成される。
スキャナ120によってこの罫線パターンが読み取られることによって各ラインの用紙Sにおけるx座標及びy座標の位置を得ることができる。
図30は、ヘッドの傾きを説明するための図である。第3実施形態では、各インク色のノズル列は各ヘッドに対して正確な位置に配置されているものの、各ヘッドがヘッドユニット40に対して傾いて取り付けられているものとする。このとき、イエローインクノズル列NYが形成した2本のラインの位置に基づいて、他のインク色のノズル列が形成するであろう2本のラインの位置を求めることができる。
前述の通り、ヘッドに対して各ノズル列は正確な位置に配置される。よって、ノズル#90からノズル#270の距離ND1、及び、イエローインクノズル列NYとマゼンタインクノズル列NMとの距離ND3は設計上の数値として予め得ることができる。
また、ノズル#90が形成したラインとノズル#270が形成したラインとの距離ND2は、スキャナ120で読み取られx座標及びy座標の位置として得ることができる。尚、ヘッドが傾いて取り付けられることによって、各ノズル列の位置も用紙の搬送方向についてずれた位置に配置されることになる。よって、このようにずれた分の距離を用紙Sが搬送されるときにおいても微少ながらに紙幅方向の移動も生じているとも考えられる。しかしながら、上流側のヘッド(例えば第1ヘッド41A)と下流側のヘッド(例えば第2ヘッド41B)との距離に対して、ヘッドが傾いて取り付けられることにより搬送方向についてずれてしまう量が極めて小さいために、この影響は無視することができるものとする。
上述のような前提から、イエローインクノズル列NYによって形成されたラインに対するマゼンタインクノズル列NMによって形成されるであろうラインのずれ量ND4は、
cos α=ND2/ND1
α=cos−1(ND2/ND1)
ND4=ND3・sin α
として求めることができる。
ここでは、イエローインクノズル列NYによるラインの位置に基づいてマゼンタインクノズル列NMが形成するであろうラインの位置を求めたが、同様にして、シアンインクノズル列NC、及び、ブラックインクノズル列NKが形成するであろうラインの位置を求めることができる。
このようにすることで、ヘッドユニット40に対して各ヘッドが傾いて配置されてしまった場合であっても、1色分のラインを形成することで他のインク色のラインの位置を推定することができる。そして、推定したラインの位置に基づいて、インク色毎のヘッド間距離を求めることができるようになる。
===第4実施形態===
図31は、第4実施形態における罫線パターンを説明するための図である。図には、上流側のヘッド(例えば第1ヘッド41A)のブラックインクノズル列NKのノズル#360が形成したラインと、下流側のヘッド(例えば第2ヘッド41B)のブラックインクノズル列NKのノズル#1が形成したラインとが示されている。
前述のように、上流側のヘッドのノズルと下流側のヘッドのノズルが搬送方向について重複するように配置される。ここでは、上流側のヘッドのノズル#353〜#360と下流側のノズル#1〜#8が重複するように配置されている。このように配置されている場合、図に示されるように上流側のノズル#360によるラインが下流側のノズル#1によるラインがy方向について下方に位置することになる。
第4実施形態では、このように重複して配置されるノズルによって形成された罫線に基づいてヘッド間距離が求められる。尚、ヘッド間距離についての求め方については前述とほぼ同様であるので説明を省略する。
第1実施形態においても示したとおり、罫線パターンに基づいて得られたヘッド間距離に基づいて、重複して配置されるノズルとこれらのノズルに隣接するノズルに対応するラスタラインについて濃度補正値が求められることになる。このように継ぎ目ノズルに対応するラスタラインがヘッド間距離に基づいて求められることから、ヘッド間距離についても継ぎ目ノズルによって形成されたラインに基づいて求められた方がより正確な濃度補正値を推定することができるようになる。
このようなことから、第4実施形態では、継ぎ目ノズルによって形成されたラインに基づいてヘッド間距離が求められる。そして、継ぎ目ノズルに対応するラスタラインについての濃度補正値をより正確に求めることができる。
===第5実施形態===
図32は、第5実施形態におけるヘッドを説明するための図である。図には、各インク色のノズル列群が2本のノズル列によって構成されていることが示されている。各ノズル列群の構成は共通するので、ここではイエローインクのノズル列群NY’について説明する。尚、ここでも下面からしか見ることができないノズル列を説明の容易のために上部から観察可能に図示している。
ノズル列群において左側には奇数番号のノズルが配置され、右側には偶数番号のノズルが配置される。奇数番号のノズル列は180dpiのノズルピッチで並び、偶数番号のノズル列も180dpiのノズルピッチで並ぶ。そして、偶数番号のノズル列は奇数番号のノズル列に対してy方向にノズルピッチの1/2だけずらした配置されている。このようにすることで、紙幅方向について360dpiの解像度で印刷を行えるようになっている。
図33は、第5実施形態における罫線パターンを説明するための図である。図には、各ヘッドのブラックインクノズル列NKのノズル#91と#270によって形成された各2本のラインが示されている。上述のような構成のノズル列群の場合、奇数番号のノズルと偶数番号のノズルについてそれぞれ1本ずつのラインが形成される。
そして、奇数番号のノズル列についてのヘッド間距離はノズル#91によって形成されたラインに基づいて求められる。また、偶数番号のノズル列に着いてのヘッド間距離はノズル#270によって形成されたラインに基づいて求められる。これらのヘッド間距離の求め方は、上述のものと同様であるので省略する。
このようにすることで、1色につき2列のノズル列を有するようなヘッドにおいて、各ノズル列についてのラインを用紙Sに同時に形成することで、同時に2つのノズル列分のヘッド間距離を求めることができる。
===第6実施形態===
図34は、第6実施形態における罫線パターンを説明するための図である。図には、第1ヘッド41Aのブラックインクノズル列NKのノズル#90とノズル#270が形成したラインと、第2ヘッド41Bのブラックインクノズル列NKのノズル#90とノズル#270が形成したラインとが示されている。
ここでは、各ヘッドがヘッドユニット40に対して正確な位置に取り付けられているものとする。第1ヘッド41A〜第6ヘッド41Fがヘッドユニット40に対して正確に取り付けられている場合には、一組の先行ヘッドと後行ヘッドとにおけるヘッド間距離は、他の先行ヘッドと後行ヘッドとの組についてのヘッド間距離と共通する。よって、全てのヘッドがラインを形成する必要がないことから、先行ヘッドとしての第1ヘッド41Aと後行ヘッドとしての第2ヘッド41Bのみが罫線を形成することとする。そして、これらのラインに基づいて、全てのヘッドに関してヘッド間距離を求めることができる。
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、流体噴射装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<ヘッドについて>
前述の実施形態においてインクを噴射させる方法としては、圧電素子を用いてインクを噴射することとすることができる。しかし、液体を噴射する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
1 プリンタ、20 搬送ユニット、
22A 上流側ローラ、22B 下流側ローラ、
24 ベルト、40ヘッドユニット、
41A 第1ヘッド、41B 第2ヘッド、41C 第3ヘッド、
41D 第4ヘッド、41E 第5ヘッド、41F 第6ヘッド、
411A 第1ノズル列、411B 第2ノズル列、
50 検出器群、60 コントローラ、61 インターフェース、
62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
110 コンピュータ、111 インターフェース、
112 CPU、113 メモリ、
120 スキャナ、121 読取キャリッジ、122 インターフェース、
123 CPU、124 メモリ、125 スキャナコントローラ、
CP 補正用パターン

Claims (8)

  1. 媒体との相対移動方向に対して交差する交差方向に沿ったノズル列を有する第1ノズル列と、前記交差方向に沿ったノズル列を有し前記交差方向において前記第1ノズル列と一部重複して配置される第2ノズル列と、において、前記相対移動方向に前記第1ノズル列と前記第2ノズル列との距離だけ前記媒体が相対移動する間に前記交差方向に相対的に移動する相対移動量を測定するための測定用パターンを形成することと、
    形成した前記測定用パターンを読み取り、前記相対移動方向の各領域における前記交差方向の相対移動量を前記測定用パターンに基づいて求めることと、
    前記交差方向の相対移動量に基づいて前記媒体の前記相対移動方向の各領域に適用する濃度補正値を求めることと、
    を含む、濃度補正値の算出方法。
  2. 各前記領域には、第1領域と第2領域と第3領域とが含まれ、
    前記第1領域における濃度補正値と前記第2領域における濃度補正値とが求められており、
    前記第3領域における濃度補正値は、前記第1領域における前記濃度補正値及び前記相対移動量と、前記第2領域における前記濃度補正値及び前記相対移動量と、前記第3領域における相対移動量と、に基づいて求められる、請求項1に記載の濃度補正値の算出方法。
  3. 前記第1領域における濃度補正値と前記第2領域における濃度補正値は、前記第1領域と前記第2領域においてそれぞれ補正用パターンが形成され、該補正用パターンの濃度が前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定され、測定された前記画素列毎の濃度に基づいてそれぞれ求められる、請求項2に記載の濃度補正値の算出方法。
  4. 前記第1領域における前記相対移動量に対する濃度補正値と、前記第2領域における前記相対移動量に対する濃度補正値と、が前記相対移動量に関して線形補間され、
    前記第3領域における相対移動量に対する濃度補正値が、前記線形補間された濃度補正値から求められる、請求項2又は3に記載の濃度補正値の算出方法。
  5. 前記相対移動量は、前記相対移動方向に移動する前記媒体について、前記第1ノズル列によって前記相対移動方向に形成された第1罫線と前記第2ノズル列によって前記相対移動方向に形成された第2罫線との距離に基づいて求められる、請求項1〜4のいずれかに記載の濃度補正値の算出方法。
  6. 前記相対移動量は、前記相対移動方向に移動する前記媒体について、前記一部重複する範囲における前記第1ノズル列のノズルによって前記相対移動方向に形成された第1罫線と、前記一部重複する範囲における前記第2ノズル列のノズルによって前記相対移動方向に形成された第2罫線と、の距離に基づいて求められる、請求項5に記載の濃度補正値の算出方法。
  7. さらに、前記第1ノズル列に対して前記相対移動方向に重複する第3ノズル列であって、前記第1ノズル列が噴射する流体とは異なる色の流体を噴射する前記第3ノズル列と、前記第2ノズル列に対して前記相対移動方向に重複する第4ノズル列であって、前記異なる色の流体を噴射する前記第4ノズル列と、を有し、
    前記第3ノズル列が形成する第3罫線と前記第4ノズル列が形成する第4罫線とに基づいて求められた前記第3ノズル列と前記第4ノズル列に関する前記相対移動量に基づいて、前記異なる色の流体に関する前記濃度補正値が求められる、
    請求項1〜4のいずれかに記載の濃度補正値の算出方法。
  8. さらに、前記交差方向に沿ったノズル列であって前記相対移動方向に前記第1ノズル列と重複するように配置される第5ノズル列と、前記交差方向に沿ったノズル列であって前記相対移動方向に前記第2ノズル列と重複するように配置される第6ノズル列と、を有し、
    前記第1ノズル列が形成した前記測定用パターンと、前記第2ノズル列が形成した前記測定用パターンと、前記第1ノズル列と前記第5ノズル列との距離と、前記第2ノズル列と前記第6ノズル列との距離と、に基づいて、前記相対移動方向に前記第5ノズル列と前記第6ノズル列との距離だけ前記媒体が相対移動する間に前記交差方向に相対的に移動する相対移動量が求められる、
    請求項1〜4に記載の濃度補正値の算出方法。
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