JP2010149329A - 流体噴射装置の製造方法、及び、流体噴射装置の補正値設定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一部重複する範囲を増加させる方向に第1ノズル列411Aの端部のノズルを所定ノズルピッチ未満ずれるようにして第1ノズル列と第2ノズル列411Bとを配置し流体を噴射して補正用パターンを形成することと、補正用パターンの濃度をx方向(搬送方向)に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定することと、測定した画素列毎の濃度に基づいて、階調値を補正するための補正値を画素列毎に求めることと、第1ノズル列と第2ノズル列が設けられた流体噴射装置の記憶部に補正値を記憶することと、を含む流体噴射装置。
【選択図】図15
Description
しかしながら、ノズル同士が一致するように配置されても、媒体が搬送時において蛇行してしまうと、ヘッド同士が重なる範囲において濃度むらが生じることがある。これは、搬送中に媒体がノズル列方向にも移動してしまうことにより、流体が着弾することにより形成されるドットの位置がノズル列方向に変動することに起因する。濃度むらは印刷品質を低下させる。よって、このようなドット位置の変動によって生ずる濃度むらの発生を抑制する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、濃度むらの発生を抑制することを目的とする。
媒体との相対移動方向について一部重複して配置される所定ノズルピッチの第1ノズル列と第2ノズル列において、前記相対移動方向について対応するノズル同士が流体の噴射量を分担して共通のドットラインを形成することによって、前記相対移動方向の交差方向に複数のドットラインを形成して階調値に基づく補正用パターンを形成することであって、前記一部重複する範囲を増加させる方向に前記第1ノズル列の端部のノズルを前記所定ノズルピッチ未満ずれるようにして前記第1ノズル列と前記第2ノズル列とを配置し前記流体を噴射して前記補正用パターンを形成することと、
前記補正用パターンの濃度を前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定することと、
測定した前記画素列毎の濃度に基づいて、前記階調値を補正するための補正値を前記画素列毎に求めることと、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列が設けられた流体噴射装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む流体噴射装置の製造方法である。
前記補正用パターンの濃度を前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定することと、
測定した前記画素列毎の濃度に基づいて、前記階調値を補正するための補正値を前記画素列毎に求めることと、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列が設けられた流体噴射装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む流体噴射装置の製造方法。
このようにすることで、濃度むらの発生を抑制することができる。
このようにすることで、濃度むらの発生を抑制することができる。
前記補正用パターンの濃度を前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定することと、
測定した前記画素列毎の濃度に基づいて、前記階調値を補正するための補正値を前記画素列毎に求めることと、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列が設けられた流体噴射装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む流体噴射装置の補正値設定方法。
このようにすることで、濃度むらの発生を抑制することができる。
<用語の説明>
まず、本実施形態を説明する際に用いられる用語の意味を説明する。
図1は、用語の説明図である。
「ドットライン」とは、ヘッドと用紙とが相対移動する方向(移動方向)に並ぶドットの列である。後述の実施形態のようなラインプリンタの場合、「ドットライン」は、用紙の搬送方向に並ぶドットの列を意味する。一方、キャリッジに搭載されたヘッドによって印刷するシリアルプリンタの場合、「ドットライン」は、キャリッジの移動方向に並ぶドットの列を意味する。移動方向と垂直な方向に多数のドットラインが並ぶことによって、印刷画像が構成されることになる。図に示すように、n番目の位置にあるドットラインのことを「第nドットライン」と呼ぶ。
「印刷画像データ」とは、画像を用紙に印刷するときに用いられる画像データである。プリンタが4階調でドットの形成(大ドット・中ドット・小ドット・ドット無し)を制御する場合、4階調の印刷画像データは、印刷画像を構成するドットの形成状態を示すことになる。
「読取画像データ」とは、スキャナによって読み取られた画像データである。
「画素列」とは、画像データ上において所定方向に並ぶ画素の列である。図に示すように、n番目の画素列のことを「第n画素列」と呼ぶ。
図2は、印刷システム100の構成を示すブロック図である。本実施形態の印刷システム100は、図2に示すように、プリンタ1と、コンピュータ110と、スキャナ120とを有するシステムである。
図3は、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。ここでは、図2のブロック図も参照しつつプリンタの構成について説明する。
このようなプリンタ1では、コンピュータ110から印刷データを受信すると、コントローラ60は、まず、搬送ユニット20によって給紙ローラ(不図示)を回転させ、印刷すべき用紙Sをベルト24上に送る。用紙Sはベルト24上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット40の下を通る。ヘッドユニット40の下を用紙Sが通る間に、ヘッドユニット40の各ヘッド41の各ノズルからインクが断続的に噴射される。つまり、ドットの形成処理と用紙Sの搬送処理が同時に行われる。その結果、用紙S上には搬送方向及び紙幅方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成され、画像が印刷される。そして、最後にコントローラ60は、画像の印刷が終了した用紙Sを排紙する。
上記の印刷処理は、前述したように、プリンタ1に接続されたコンピュータ110から印刷データが送信されることにより開始する。当該印刷データは、プリンタドライバによる処理により生成される。
印刷画像データは、図に示すように、プリンタドライバによって解像度変換処理(S102)、色変換処理(S104)、ハーフトーン処理(S106)、及び、ラスタライズ処理(S108)が実行されることにより生成される。
図8Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。理想的にドットが形成されるとは、画素領域の中心位置にインク滴が着弾し、そのインク滴が用紙S上に広がって、画素領域にドットが形成されることである。各ドットが各画素領域に正確に形成されると、ドットライン(搬送方向にドットが並んだドット列)が列領域に正確に形成される。
次に、ラスタライン毎の濃度補正値Hを算出する処理(以下、補正値取得処理ともいう)について概説する。補正値取得処理は、例えば、プリンタ1の製造工場の検査ラインにおいて、補正値算出システムの下で行われる。補正値算出システムとは、プリンタ1の濃度むら特性に応じた濃度補正値Hを算出するためのシステムであり、上記の印刷システム100と同様の構成である。つまり、補正値算出システムは、プリンタ1、コンピュータ110、及び、スキャナ120(便宜上、印刷システム100の場合と同一の符号にて表記する)を有する。
プリンタ1は、補正値取得処理の対象機器であり、該プリンタ1を用いて濃度むらがない画像を印刷するためには、前記補正値取得処理において該プリンタ1用の濃度補正値Hを算出することになる。検査ラインに置かれたコンピュータ110には、該コンピュータ110が補正値取得処理を実行するための補正値算出プログラムがインストールされている。
図9は、補正値取得処理の流れを示す図である。多色印刷が可能なプリンタ1を対象とする場合、各インク色についての補正値取得処理は同様の手順により実施される。以下の説明では、一のインク色(例えば、ブラック)についての補正値取得処理について説明する。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Dbt−Db)/(Dc−Db)} (1)
一方、第jラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図12Bに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第jラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値SaのサブパターンCSP(1)における第jラスタラインの算出濃度Da、に基づいて算出される。具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも大きくなっている。仮に、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第jラスタラインを形成したいのであれば、該第jラスタラインの指令階調値Sbを、図12Bに示すように、第jラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sa,Da)、(Sb,Db)から直線近似を用いて、下記式(3)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sb−Sa)×{(Dbt−Db)/(Db−Da)} (3)
そして、上記式(2)により、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbが求められる。
明度変化=単位面積あたりのインク量の変化+被覆率の変化
図14を参照すると、明度変化は次のような結果となる。
狭くなったとき:単位面積あたりのインク量は増加する。また、被覆率を説明する左側の図において、第1ノズル列411Aによって形成されたドットに重なるように第2ノズル列411Bによるドットが形成されるようになる。つまり、被覆率が下がるような結果となる。また、被覆率を説明する右側の図において、第1ノズル列411Aによって形成されたドットから離れるように第2ノズル列411Bによるドットが形成されるようになる。この場合、「元の位置」のときに対して、ドット同士が重複していないことに変化はないため、被覆率に変化は生じない。
よって、単位面積あたりのインク量が増加(濃くなる)し、被覆率は減少(淡くなる)することになるため、両者がほぼ相殺することとなり、明度の変化は現れないか、少ないものと考えられる。
よって、単位面積あたりのインク量が減少(淡くなる)し、被覆率も減少(淡くなる)することになるため、明度はより明るくなるように変化し、淡く視認されるようになると考えられる。
狭くなったとき:この場合、「元の位置」のときと比較して、単位面積あたりのインク量は増加する。また、被覆率を説明する左側の図において、第1ノズル列411Aによって形成されたドットに、より重なるように第2ノズル列411Bによるドットが形成される。また、被覆率を説明する右側の図において、第1ノズル列411Aによって形成されたドットから、より離れるように第2ノズル411Bによるドットが形成される。
よって、単位面積あたりのインク量が増加(濃くなる)し、被覆率は減少(淡くなる)することになるため、両者がほぼ相殺することとなり、明度の変化は現れないか、少ないものと考えられる。
よって、単位面積あたりのインク量は減少(淡くなる)するものの、被覆率は増加(濃くなる)するため、両者はほぼ相殺することとなり、明度の変化は現れないか、少ないものと考えられる。
狭くなったとき:「元の位置」のときと比較して、単位面積あたりのインク量は増加する。また、被覆率を説明する左側の図において、第1ノズル列411Aによって形成されるドットに近づくように第2ノズル列411Bによるドットが形成される。しかながら、ドット同士が重複しないことは「元の位置」のときと変わらないので、被覆率に変化はない。また、被覆率を説明する右側の図において、第1ノズル列411Aによって形成されるドットから離れるように第2ノズル列411Bによるドットが形成される。このとき、「元の位置」において重複していたドットが重複しないドットとなることで、被覆率は高くなる。
よって、単位面積あたりのインク量が増加(濃くなる)し、被覆率も増加(濃くなる)することになるため、明度はより暗くなるように変化するものと考えられる。
よって、単位面積あたりのインク量が減少(淡くなる)し、被覆率が減少(淡くなる)することになるため、明度はより明るくなるように変化するものと考えられる。
図18は、ユーザ下でプリンタドライバが行う印刷処理のフロー図である。プリンタ1を購入したユーザは、プリンタ1に同梱されているCD−ROMに記憶されたプリンタドライバ(若しくは、プリンタ製造会社のホームページからダウンロードしたプリンタドライバ)を、コンピュータにインストールする。このプリンタドライバには、図中の各処理をコンピュータに実行させるためのコードを備えている。また、ユーザは、コンピュータにプリンタ1を接続する。
ユーザがアプリケーションプログラム上から印刷を指示したとき、プリンタドライバが呼び出され、印刷対象となる画像データ(印刷画像データ)をアプリケーションプログラムから受け取り、その印刷画像データに対して解像度変換処理を行う(S304)。解像度変換処理とは、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。ここでは、印刷解像度は360×360dpiであり、解像度変換処理後の各画素データは、RGB色空間により表される256階調のデータである。
これにより、256階調のCMYK色空間の画像データが得られる。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、CMYK色空間の画像データのうちの、ブラック平面の画像データについて説明する。
具体的には、あるラスタラインの階調値Sinが指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seの何れかと同じであれば、コンピュータ110のメモリに記憶されている濃度補正値Hをそのまま用いることができる。例えば画素データの階調値Sin=Sbであれば、補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sin×(1+H´)
このようにして、濃度補正処理が行なわれる。
上述の実施形態では、ノズル列411Aとノズル列411Bの重複範囲のノズル数を、1重複範囲の1ノズル列当たり4個としているが、4個に限らず1個以上であればよい。
前述の実施形態では、複数のヘッドがノズル列方向に並び、搬送される用紙に対して印刷を行う、所謂ライン型プリンタを例に説明を行ったが、前述の第1ノズル列411Aと第2ノズル列411Bとを1つのキャリッジに搭載し、このキャリッジを用紙の搬送方向と交差する方向に移動させながら印刷する場合にも適用することができる。
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
20 搬送ユニット、24 ベルト、
40ヘッドユニット、41A 第1ヘッド、41B 第2ヘッド、
411A 第1ノズル列、411B 第2ノズル列、
50 検出器群、60 コントローラ
110 コンピュータ、112 CPU、113 メモリ、
120 スキャナ、121 読取キャリッジ、125 スキャナコントローラ
Claims (8)
- 媒体との相対移動方向について一部重複して配置される所定ノズルピッチの第1ノズル列と第2ノズル列において、前記相対移動方向について対応するノズル同士が流体の噴射量を分担して共通のドットラインを形成することによって、前記相対移動方向の交差方向に複数のドットラインを形成して階調値に基づく補正用パターンを形成することであって、前記一部重複する範囲を増加させる方向に前記第1ノズル列の端部のノズルを前記所定ノズルピッチ未満ずれるようにして前記第1ノズル列と前記第2ノズル列とを配置し前記流体を噴射して前記補正用パターンを形成することと、
前記補正用パターンの濃度を前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定することと、
測定した前記画素列毎の濃度に基づいて、前記階調値を補正するための補正値を前記画素列毎に求めることと、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列が設けられた流体噴射装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む流体噴射装置の製造方法。 - 前記第1ノズル列と前記第2ノズル列は、前記一部重複する範囲を増加させる方向に前記第1ノズル列のノズルを前記所定ノズルピッチの1/2ずれるようにして配置される、請求項1に記載の流体噴射装置の製造方法。
- 前記第1ノズル列と前記第2ノズル列のノズルは、前記一部重複する範囲において、ノズル列の端部ほど少なくなるように前記分担する流体の噴射量が調整されている、請求項1又は2に記載の流体噴射装置の製造方法。
- 前記第1ノズル列と前記第2ノズル列のノズルは、前記一部重複する範囲において、ノズル列の端部ほど比例して少なくなるように前記分担する流体の噴射量が調整されている、請求項1〜4のいずれかに記載の流体噴射装置に製造方法。
- 前記一部重複する範囲に対応する領域の単位面積あたりの前記流体の噴射量が、前記一部重複しない範囲に対応する領域の単位面積あたりの前記流体の噴射量よりも多くなるように、前記補正用パターンが形成される、請求項1〜4のいずれかに記載の流体噴射装置の製造方法。
- 前記相対移動方向について対応するノズル同士が流体の噴射量を分担して共通のドットラインを形成することによって、前記一部重複する範囲における前記画素列の濃度が前記一部重複しない範囲における前記画素列の濃度よりも高くなるようにして、前記補正用パターンが形成される、請求項1〜5のいずれかに記載の流体噴射装置の製造方法。
- 前記分担する前記流体の噴射量は、前記一部重複しない範囲においてドットラインを形成したときの噴射量と、前記一部重複する範囲において前記共通のドットラインを形成したときの噴射量と、が同じになるように各ノズルの前記分担する前記流体の噴射量が調整される、請求項1〜6のいずれかに記載の流体噴射装置の製造方法。
- 媒体との相対移動方向について一部重複して配置される所定ノズルピッチの第1ノズル列と第2ノズル列において、前記相対移動方向について対応するノズル同士が流体の噴射量を分担して共通のドットラインを形成することによって、前記相対移動方向の交差方向に複数のドットラインを形成して階調値に基づく補正用パターンを形成することであって、前記一部重複する範囲を増加させる方向に前記第1ノズル列の端部のノズルを前記所定ノズルピッチ未満ずれるようにして前記第1ノズル列と前記第2ノズル列とを配置し前記流体を噴射して前記補正用パターンを形成することと、
前記補正用パターンの濃度を前記相対移動方向に複数並ぶ画素からなる画素列毎に測定することと、
測定した前記画素列毎の濃度に基づいて、前記階調値を補正するための補正値を前記画素列毎に求めることと、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列が設けられた流体噴射装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む流体噴射装置の補正値設定方法。
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