JPWO2017199904A1 - 成分組成計測システム及び成分組成計測方法 - Google Patents

成分組成計測システム及び成分組成計測方法 Download PDF

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Abstract

成分組成計測システムは、プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光(L1)を計測対象へ照射する第1のレーザ光源と、プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光(L2)を計測対象へ照射する第2のレーザ光源と、第1のレーザ光の計測対象への照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するスペクトル測定装置と、測定された発光スペクトルのデータを用いて計測対象の組成を分析する制御装置と、を備える。第2のレーザ光源は、第1のレーザ光(L1)の照射開始前に、第2のレーザ光(L2)の照射を開始し、第1のレーザ光(L1)の照射終了後に、第2のレーザ光(L2)の照射を終了する。

Description

本発明は、レーザ誘起ブレークダウン分光法を用いて計測対象の成分組成を計測する装置及び方法に関する。
物質の成分組成を分析する手法として、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS:Laser Induced Breakdown Spectroscopy)がある。レーザ誘起ブレークダウン分光法は、計測対象の表面にレーザ光を照射してプラズマを発生させ、プラズマの発光スペクトルを分析することにより、検査対象を構成する元素成分を測定する。
より具体的には、レーザ誘起ブレークダウン分光法では,レーザを集光して計測対象に照射し、計測対象の表面を急速に加熱することにより、計測対象表面において励起状態のイオンを含むプラズマを生成する。励起された電子が低いエネルギーレベルに落ちるときに、成分特有の周波数を有する光を発する。その発光強度は原子数密度に相関があるため、各スペクトルの波長とスペクトル線強度を求めることで、計測対象中に存在する物質の識別と測量が可能になる。ここで、自然放出による原子iの発光スペクトル強度Iiは以下の式で表される。
Figure 2017199904
n(i)は元素iの濃度,K(i),jはアインシュタイン係数を含む変数,g(i),jは縮退度,E(i),jは上位エネルギー、KBはボルツマン定数、Tはプラズマ温度を示す。定量分析を行う場合、プラズマ温度など,発光強度I(i)に影響を与える要素の明確化が重要となる。
レーザ誘起ブレークダウン分光法は、種々のサンプルに対する定量及び元素分析に適用される。例えば、特許文献1は、レーザ誘起ブレークダウン分光法を用いて廃棄木材中の有害物質を検出するシステムを開示する。特許文献1のシステムは、廃棄木材中の有害物を検出するシステムであって、廃棄木材を搬送する搬送装置と、搬送装置に搬送された廃棄木材中の有害物を検出するレーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置と、レーザ誘起ブレークダウン装置からの信号により有害物を含む有害木材のみを無害木材から分別する分別装置とからなる。特許文献1のシステムによれば、建築物等からの廃棄木材に塗布された防腐剤等の有害物をリアルタイムで簡易且つ迅速に検出することができる。
また、特許文献2及び非特許文献1は、短いレーザパルスと長いレーザパルスとを用いたLIBS装置を開示する。特許文献2は、ブレークダウンを起こす短いレーザパルスと、単独ではブレークダウンを起こさない長いレーザパルスとを組み合わせたLIBS装置を開示している。非特許文献1は、短いレーザパルスと長いレーザパルスとの光軸を一致させたLIBS装置を開示している。
特開2007-10371号公報 米国特許8,125,627号明細書
"Double-pulse LIBS combining short and long nanosecond pulses in the microjoule range", Islam Y. Elnasharty et al., J. Anal. At. Spectrom., 2014, 29, 1660-1666.
レーザ誘起ブレークダウン分光法は、計測対象の元素組成をリアルタイムに計測できる利点を有するが、他方、プラズマ生成過程において変動が生じると精度が低下し、対象の位置や形状が変化する場では、適用が難しいという問題がある。
本発明は、レーザ誘起ブレークダウン分光法を用いて計測対象の組成を分析する装置及び方法において、精度よく組成の分析を可能とする装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明に係る成分組成計測システムは、プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光を計測対象へ照射する第1のレーザ光源と、プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光を計測対象へ照射する第2のレーザ光源と、第1のレーザ光源から計測対象への第1のレーザ光の照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するスペクトル測定装置と、測定された発光スペクトルのデータを用いて計測対象の組成を分析する制御装置と、を備える。第2のレーザ光源は、第1のレーザ光の照射開始前に、第2のレーザ光の照射を開始し、第1のレーザ光の照射終了後に、第2のレーザ光の照射を終了する。
本発明に係る成分組成計測方法は、プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光を計測対象へ照射するステップと、プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光を計測対象へ照射するステップと、第1のレーザ光の計測対象への照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するステップと、測定された発光スペクトルのデータを用いて前記計測対象の組成を分析するステップと、を備える。第1のレーザ光の照射開始前に、第2のレーザ光の照射を開始し、第1のレーザ光の照射終了後に、第2のレーザ光の照射を終了する。
本発明の成分組成計測システム及び成分組成計測方法によれば、プラズマ発生前の計測対象を加熱でき、また一旦発生させたプラズマの温度(強度)を維持でき、その低下(減衰)を遅らせることができる。これにより、計測対象の性状に依存しない、高いレベルの信号を含むスペクトルが得られるため、高い計測精度を確保することができる。
本発明の実施の形態1における成分組成計測システムの構成を示した図 レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)において観測される発光の強度及び発光スペクトルの経時的な変化を説明した図 成分組成計測システムにおけるレーザパルス照射及びプラズマ計測のタイミングを説明した図 成分組成計測システムの動作を示すフローチャート レーザ誘起ブレークダウン分光法において観測されるスペクトルの一例を説明した図 本発明の実施の形態2における成分組成計測システムの構成を示した図 実施の形態2におけるダブルパルス照射を説明した図 (A)シングルパルス照射された場合のプラズマ発光の強度変化を示した図、(B)ダブルパルス照射された場合のプラズマ発光の強度変化を示した図 第1及び第2の測定に使用した各パルスの波形を説明した図 第1の測定の結果を示す図(計測対象=空気中に設置された鉄板(ステンレス板)) 第2の測定の結果を示す図(計測対象=水中に設置されたアルミ板) レーザパルスの種々の照射方法における照射タイミングを説明した図 表面が研磨されたサンプルに対して行った測定結果を示した図 表面が錆びたサンプルに対して行った測定結果を示した図 (A)計測対象にシングルパルス照射した後の計測対象表面のSEM画像を示す図、(B)計測対象にダブルパルス照射した後の計測対象表面のSEM画像を示す図 前処理効果(加熱効果)を確認するために、固体の鋼と溶鋼に対して、シングルパルス照射またはダブルパルス照射(後)を行った場合の測定結果を示した図 前処理効果(加熱効果)を確認するために、固体の鋼と溶鋼に対して、ダブルパルス照射(前)を行った場合の測定結果を示した図 2種類のレーザ光を照射可能な光源装置の構成の例を示す図
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る成分組成計測システムの実施の形態を説明する。以下に説明する成分組成計測システムは、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いて計測対象の組成を計測するシステムである。
(実施の形態1)
1.システムの構成
図1に本発明の成分組成計測システムの第一の実施の形態の構成を示す。成分組成計測システム100は、レーザ光源10と、ビームスプリッタ12と、フォーカスレンズ14と、焦点調整部16と、光路変更光学部材18と、照射位置変更部20と、集光レンズ22と、スペクトル測定装置30と、三次元形状計測装置40と、制御装置50(解析装置)と、を備える。
レーザ光源10は、プラズマを発生させない程度の強度を有し、所定の波長帯域のレーザ光を出力可能な光源装置であり、例えばYAGレーザで構成される。
焦点調整部16は、レーザ光源10から照射されたレーザ光の焦点を調整する手段であり、フォーカスレンズ14を光軸に沿って移動させるためのモータやアクチュエータ等を含む。
光路変更光学部材18は、レーザ光源10から照射されたレーザ光の光路を変更するための光学部材であり、ミラー、プリズムまたは平板ガラスなどで構成される。照射位置変更部20は、レーザ光の光路を変更するために光路変更光学部材18を回転や平行移動させるための手段であり、モータやアクチュエータ等を含む。
ビームスプリッタ12は、レーザ光源10から照射されたレーザ光を透過させるとともに、計測対象200側から入射した光をスペクトル測定装置30側へ反射させる機能を有する。
スペクトル測定装置30は、入射した光に対して波長毎の強度分布(発光スペクトル)を計測する装置である。スペクトル測定装置30は分光器32とICCD(Intensified Charge Coupled Device)カメラ35とで構成される。分光器32は、例えば回折格子またはバンドパスフィルタを備える。ICCDカメラ35は、分光器32により波長に基づき空間的に変調された光の信号を電気信号(画像信号)に変換することにより、発光スペクトルを生成する。なお、スペクトル測定装置30は、図1に示す構成に限定されず、発光スペクトルを測定できるものであれば任意の構成をとり得る。
三次元形状計測装置40は、計測対象200の形状(すなわち距離)を三次元的に計測する装置である。三次元計測装置として、物体の三次元形状が測定できる構成であれば、任意の構成(技術)を使用できる。例えば、三次元計測装置40は、TOF(Time Of Flight)センサを備えても良い。または、三次元計測装置40は、位置をずらして配置された2台のカメラを備え、2台のカメラで撮影された画像を用いてステレオ法により、計測対象の形状を三次元的に計測してもよい。三次元形状計測装置40は計測対象200の計測結果を示す情報を制御装置50に送信する。
制御装置50(解析装置)は、スペクトル測定装置30から発光スペクトルのデータを取得し、それを解析して計測対象200の成分組成を分析する。制御装置50は、発光スペクトルの解析に加えて、三次元形状計測装置40による計測結果に基づいて、計測対象200の形状や距離を判断し、その判断結果に基づき焦点調整部16および照射位置変更部20の制御も行う。制御装置50は、CPUを含む情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であり、CPUが所定のプログラムを実行することにより所定の機能を実現する。なお、発光スペクトルの解析機能と、焦点調整部16および照射位置変更部20の制御機能とを別々のコンピュータ(CPU)で実現してもよい。また、制御装置50の機能を、ハードウェア(CPU)とソフトウェアの組み合わせにより実現する代わりに、所定の機能を実現するように専用に設計されたハードウェア(電子回路)のみで実現してもよい。すなわち、制御装置50は、CPUに代えて、MPU、DSP、FPGAまたはASIC等を含んでもよい。
2.システムの動作
以上のように構成される成分組成計測システム100の動作について説明する。成分組成計測システム100は、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いて計測対象200の組成を計測する。
成分組成計測システム100は、計測対象200の表面に対してレーザ光源10からレーザ光を照射する。照射されるレーザ光のフォーカスは焦点調整部16により調整される。また、計測対象200上のレーザ光の照射位置(すなわち、レーザ光の光路)は、照射位置変更部20により変更される。三次元形状計測装置40は計測対象200の形状(距離)を三次元的に計測し、制御装置50に送信する。制御装置50は、三次元形状計測装置40からの測定結果に基づき、焦点調整部16および照射位置変更部20を制御する。
レーザ光源10はパルス状のレーザ光(レーザパルス)を照射する。レーザ光(レーザパルス)は、フォーカスレンズ14、光路変更光学部材18及びビームスプリッタ12を透過して計測対象200の表面に照射される。計測対象200の表面にレーザ光が照射されることにより計測対象200の表面に高温プラズマが発生する。プラズマの発光は、ビームスプリッタ12で反射され、レンズ22を介してスペクトル測定装置30に入射される。
スペクトル測定装置30は、プラズマからの光の強度を波長毎に測定して発光スペクトルを得る。この発光スペクトルのデータは制御装置50に送信される。制御装置50は、発光スペクトルのデータを解析して計測対象200の組成を分析する。
図2は、レーザ誘起ブレークダウン分光法を説明した図である。図2(A)は、レーザ誘起ブレークダウン分光法において観測されるプラズマ発光の経時的な変化を示した図である。図2(A)に示すように、時刻t0でレーザ光(レーザパルス)が計測対象表面に照射されると、計測対象表面にプラズマが発生する。プラズマの発光強度は、レーザパルス照射直後に最高値を示し、その後時間経過と共にプラズマが冷却していくと、低下していく。このプラズマの冷却過程において原子発光が計測される。このとき計測される原子発光に基づいて計測対象の組成を計測する。
図2(B)、(C)、(D)は、図2(A)に示すプラズマ発光に伴い観測される発光スペクトルを示した図であり、それぞれ時刻t1、t2、t3において観測される発光スペクトルを示す。レーザパルス照射直後の時刻t1では、図2(B)に示すように、黒体放射によるノイズが大きいため、原子発光のスペクトルはノイズにより隠蔽され、観測することができない。時間が経過すると、図2(C)、(D)に示すように、ノイズが低減してノイズに対する原子発光のレベルが相対的に高くなると(すなわちS/N比が高くなると)、原子発光が観測可能になる。
このため、成分組成計測システム100においては、図3に示すように、レーザパルスの照射から所定の遅延時間(D)経過後に、所定幅の観測時間(Tm)の間、プラズマ発光すなわち原子発光の計測を行う。遅延時間(D)は、ノイズが十分に低下し、原子発光が十分に観測できるようになる時間(すなわち十分なS/N比が得られる時間)に設定される。
ここで、遅延時間(D)や観測時間(Tm)を一定にしても、生成されるプラズマの状態が計測毎に変動すると、観測される原子発光も大きく変動し、精度のよい測定が困難になる。そこで、本実施の形態の成分組成計測システム100は、生成されるプラズマの状態が変動しないようにレーザパルスの照射条件を制御し、さらに、変動のあるプラズマ状態で測定された測定結果を分析に使用しないようにする。これにより、組成分析の精度を向上させている。
以下、図4のフローチャートを用いて成分組成計測システム100の動作を説明する。
成分組成計測システム100において、三次元形状計測装置40により、計測対象200の形状及び距離を計測する(S11)。計測結果は制御装置50に送信される。
制御装置50は、三次元形状計測装置40による計測結果(距離、形状)に基づき、計測対象200が合焦位置にあり、かつ、計測対象上のレーザパルスの照射位置における形状が急減な形状変化がない平坦な領域であるか否かを判断する(S12)。
制御装置50は、三次元形状計測装置40による計測結果に基づき、計測対象200におけるレーザパルスの照射位置の部分の距離を判断し、その距離から計測対象200が合焦位置にあるか否かを判断する。また、制御装置50は、三次元形状計測装置40による計測結果に基づき、計測対象200におけるレーザパルスの照射位置の領域の形状を判断し、その領域が、急減な形状変化のない平坦な形状であるか否かを判断する。急減な形状変化のない平坦な形状であるか否かは、例えば、レーザ照射方向と計測面とのなす角度に基づき判断する。具体的には、レーザ照射方向と計測面とのなす角度が所定角度(X°)以下であるときに、急減な形状変化のない平坦な形状であると判断する。制御装置50は、所定角度(X°)の情報を記憶しておき、形状計測結果からレーザ照射方向と計測面の角度を算出して、算出した角度と所定角度(X°)を比較することにより、急減な形状変化のない平坦な形状であるか否かを判断する。角度Xは計測対象(例えば、鉄材料、スラグ、溶融金属など)に応じて設定する。
少なくとも、計測対象200が合焦位置にないか、計測対象200上のレーザパルスの照射位置における形状が平坦でない場合(急減な形状変化がある場合)(S12でNO)、制御装置50はレーザ光の照射条件を調整する(S19)。
すなわち、計測対象200が合焦位置にない場合、制御装置50は、計測対象200が合焦位置に位置するように焦点調整部16を制御して、フォーカスレンズ14の位置を調整する。これにより、計測対象200の位置が変動する場合でも、計測対象200に常に合焦させた状態でレーザ光を照射することができる。
また、計測対象200上のレーザパルスの照射位置における形状が平坦でない場合(すなわち、急減な形状変化がある場合)、制御装置50は、計測対象200上のレーザパルスが計測対象200上の平坦な領域(すなわち、急減な形状変化がない領域)に照射されるように、照射位置変更部20を制御してレーザパルスの照射位置を変更する(S19)。その後、処理はステップS11に戻る。
ここで、上記のようにレーザ光を平坦な領域に照射するように制御する理由を説明する。平坦な領域にレーザ光を照射した場合と、急激な形状変化がある領域にレーザ光を照射した場合とでは、発生するプラズマの温度が異なる。急激な形状変化がある領域では、主にレーザ照射面積が増加し、単位面積当たりに照射されるレーザエネルギー量が低下する。レーザ照射方向と計測面の角度がX°の場合、単位面積当たりに照射されるレーザエネルギー量はsin(X)倍となる。sin(X)は1以下であり、X=90°(計測面に対して直角のレーザ光が照射)の時にsin(X)=1、X=45°(計測面に対して45°の角度でレーザ光が照射)の時にsin(X)=1/√2となる。すなわち、角度Xが90°からずれるほど、単位面積当たりに照射されるエネルギー量の減衰量は大きくなる。よって、急激な形状変化がある領域(すなわち凹凸がある領域)へのレーザ光の照射により発生するプラズマの温度は、平坦な領域へのレーザ光の照射により発生するプラズマの温度よりも低くなる。このようにレーザ光の照射領域の形状に応じて、発生するプラズマの状態(温度)が異なり、プラズマの状態の変動は測定精度に影響を与える。そこで、このようなプラズマの状態の変動を低減するため、本実施の形態では、計測対象200の形状を判定し、レーザ光を平坦な領域に照射するように制御している(S12、S19)。
一方、計測対象200が合焦位置にあり、かつ、計測対象上のレーザパルスの照射位置における形状が平坦である場合(すなわち、急減な形状変化がない場合)(S12でYES)、制御装置50はレーザ光源10からレーザパルスを照射し、計測対象200の表面にプラズマを発生させ、プラズマからの発光スペクトルを取得する(S13)。
制御装置50は、取得した発光スペクトルから信号強度及びプラズマの温度を算出する(S14)。発光スペクトルの信号強度は、例えば、所定の元素の信号の強度を用いて算出してもよいし、最大振幅を示す信号の強度を用いて算出してもよい。
プラズマの温度は発光スペクトルから以下の方法で算出できる。図5は、プラズマから得られた発光スペクトルを示す。図5に示すプラズマの発光スペクトルにおいて、マグネシウム(Mg)に起因するスペクトルが複数観察されている。この複数のマグネシウムのスペクトル(Mg1、Mg2)の強度比(IMg1/IMg2)は温度に応じて変動する。よって、複数のマグネシウムのスペクトル(Mg1、Mg2)の強度比(IMg1/IMg2)を検出することによりプラズマの温度を検出することができる。なお、温度検出において使用するスペクトルはマグネシウムのスペクトルに限らず、他の元素(鉄、アルミニウム等)のスペクトルを用いても良い。
図4のフローチャートに戻り、制御装置50は、算出した信号強度及びプラズマ温度がそれぞれ所定範囲内にあるか否かを判断する(S15)。例えば、制御装置50は、算出した信号強度が所定値以上あるか否かを判断し、かつ、プラズマ温度が所定値以上あるか否かを判断する。信号強度及びプラズマ温度のうちの少なくともいずれかが所定範囲内にない場合(S15でNO)、制御装置50はステップS11に戻る。この場合、測定したデータは組成分析に使用しない。なお、レーザ光の照射位置を変更した後にステップS11に戻るようにしてもよい。
一方、信号強度及びプラズマ温度のいずれも所定範囲内にある場合(S15でYES)、制御装置50は、そのときに測定された信号強度のデータを、過去に測定した信号強度のデータに積算する(S16)。
このように、本実施の形態では、信号強度及びプラズマ温度のうちの少なくとも一方が所定の条件を満たさない場合、その測定結果を使用しないようにする。すなわち、プラズマの状態が一定の条件(信号強度、温度)を満たす、良好なプラズマ状態を示す測定結果のみを使用する。このように良好なプラズマ状態を示す測定結果のみを使用することで、測定精度の低下を防止している。
制御装置50は、スペクトルの信号強度を積算した回数が所定の積算回数に達したか否かを判断する(S17)。所定の積算回数に達していない場合(S17でNO)、制御装置50は、ステップS11に戻り、上記の処理(S11〜S16)を繰り返し、所定の積算回数分のデータを取得する。なお、レーザ光の照射位置を変更した後にステップS11に戻るようにしてもよい。このように、複数回の測定データを積算して使用することで、ノイズの影響を排除し、測定精度を向上している。所定の積算回数に達した場合(S17でYES)、制御装置50は、信号強度が積算されたスペクトルから計測対象200を構成する各元素の濃度を算出する(S18)。算出された濃度の情報は、制御装置50内の記録媒体(SSD、HDD)に記録されてもよいし、ディスプレイに表示されてもよいし、プリンタで印刷されてもよい。または、他の機器(制御機器、サーバ等)に送信されてもよい。
3.まとめ
以上説明したように、本実施の形態の成分組成計測システム100は、計測対象200へレーザ光(レーザパルス)を照射するレーザ光源(10)と、レーザ光源から計測対象200へのレーザ光の照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するスペクトル測定装置30と、測定された発光スペクトルのデータを用いて計測対象の組成を分析する制御装置50と、を備える。制御装置50は、発光スペクトルの性状を判定し(図4のS15)、性状が所定状態にある発光スペクトルのデータのみを用いて前記計測対象の組成を分析する。
このように、本実施の形態の成分組成計測システム100によれば、レーザ誘起ブレークダウン分光法を適用する上で、発光スペクトルの性状を判断し、その性状に基づき精度低下が生じる可能性のある信号を分析に使用するデータから排除する。これにより、生成されるプラズマの状態の変動を低減でき、高い計測精度を確保することができる。
例えば、制御装置50は、発光スペクトルからプラズマの温度及び/または信号強度を判定し(S15)、プラズマ温度が所定温度以上である発光スペクトルを用いて計測対象の組成を分析してもよい。
さらに、成分組成計測システム100は、発光スペクトルを複数回測定し、複数の発光スペクトルのデータを積算した結果を用いて計測対象の組成を分析してもよい。複数回測定したデータを積算して用いることで測定データの精度を向上させることができる。
さらに、成分組成計測システム100は、計測対象200の三次元形状を計測する三次元形状計測装置40と、レーザ光源10から計測対象へ照射されるレーザ光の焦点距離を調整する焦点調整部16をさらに備えてもよい。
制御装置50は、三次元形状計測装置40による測定結果に基づき焦点調整部16を制御して、レーザ光の焦点距離を調整してもよい。これにより、計測対象200の形状(距離)に依存せず、常にレーザ光を合焦させて計測対象200に照射でき、一定の強度でレーザ光を照射できる。よって、計測対象200の形状に依存せずに一定状態の発光スペクトルを得ることができ、測定データの精度が向上する。
また、成分組成計測システム100は、レーザ光の計測対象上の照射位置を調整する照射位置変更部20をさらに備えてもよい。制御装置50は、三次元形状計測装置40による測定結果に基づき照射位置変更部20を制御して、計測対象200上のレーザ光の照射位置を調整してもよい。これにより、良好なプラズマ状態が得られる位置(領域)にレーザ光を照射でき、計測対象の形状に依存せずに一定状態の発光スペクトルを得ることができ、測定データの精度が向上する。
(実施の形態2)
実施の形態1では、図3に示すように、計測対象200に1種類のレーザパルスを照射してプラズマを発生させた。これに対して、本実施の形態では、プラズマを発生させるためのレーザパルスに加えて、さらに、プラズマを発生させない程度の強度を持つ第2のレーザパルスを照射する。このように第2のレーザパルスを照射することにより、発生するプラズマの強度を高いレベルで安定化でき、プラズマの変動によらずに、原子発光を示す信号の強度を安定化することができる。
なお、以下の説明において、実施の形態1のように、プラズマを発生させるためのレーザパルスのみを照射することを「シングルパルス照射」といい、本実施の形態のように、プラズマを発生させるためのレーザパルスの照射に加えて、プラズマ温度を維持するために別のレーザパルスを照射することを「ダブルパルス照射」という。
1.システムの構成
図6は、実施の形態2における成分組成計測システムの構成を示した図である。実施の形態2における成分組成計測システム100bは、実施の形態1における成分組成計測システム100の構成に加えて、第2のレーザ光源10bと、ビームコンバイナ24とをさらに備えている。以下、レーザ光源10を「第1のレーザ光源」という。ビームコンバイナ24は、第1のレーザ光源10からのレーザ光と、第2のレーザ光源10bからのレーザ光とを合成してビームスプリッタ12へ導くための光学部材である。第1のレーザ光源10からのレーザ光と第2のレーザ光源10bからのレーザ光がそれらの光軸が一致した状態で計測対象200に照射されるように、第1及び第2のレーザ光源10、10bの光軸が調整されている。
2.ダブルパルス照射
図7は、第1及び第2のレーザ光源10、10bから出射されるレーザパルスを説明した図である。図7に示すように、第2のレーザ光源10bから出力されるレーザパルス(以下「ロングパルス」ともいう)L2は、第1のレーザ光源10から出力されるレーザパルス(以下「ショートパルス」ともいう)L1のパルス幅よりも十分に大きいパルス幅を有する。例えば、第1のレーザ光源10からのレーザパルスL1のパルス幅は6nsであるのに対して、第2のレーザ光源10bからのレーザパルスL2のパルス幅は10,000nsである。第1のレーザ光源10から出力されるレーザパルスL1の強度は、それだけでプラズマを発生させることができる程度の強度に設定される。一方、第2のレーザ光源10bから出力されるレーザパルスL2の強度は、それだけではプラズマを発生させることができない程度の強度に設定される。レーザパルスL1(ショートパルス)とレーザパルスL2(ロングパルス)の強度の比は、例えば、L1:L2=1:10〜15である。
また、レーザパルスL2は、レーザパルスL1が出力される前に、その出力が開始され、レーザパルスL1の出力完了後に、その出力が完了する。このようなタイミングでレーザパルスL2(ロングパルス)を出力することにより、レーザパルスL1の出力前に、計測対象を事前に加熱でき、さらに、計測対象表面をクリーニングするという効果(以下「表面クリーニング・前処理効果」という)が得られる。これにより、プラズマを発生し易くできる。さらに、プラズマ発生後は、プラズマ温度の低下を送らせることができるという効果(以下「表面加熱効果」という)が得られる。
図8(A)は、シングルパルス照射した場合に発生するプラズマ(P1)の温度変化を示した図であり、図8(B)は、ダブルパルス照射した場合に発生するプラズマ(P2)の温度変化を示した図である。シングルパルス照射の場合、図8(A)に示すように、レーザパルスL1の照射後、プラズマ発光P1の温度(強度)は時間と共に急激に低下していく。
ダブルパルス照射の場合、図8(B)に示すように、レーザパルスL2の照射は、プラズマ生成のためのレーザパルスL1の照射前に開始される。これにより、レーザパルスL1の照射前に予め計測対象が加熱され(前処理効果(加熱効果))、温度が上昇し、さらに、計測対象表面がクリーニングされる(表面クリーニング効果)。その後、レーザパルスL1によってプラズマが発生すると、発生した高温プラズマはレーザパルスL2により高温に維持される(加熱効果)。このため、図8(A)に示す場合と比べて、プラズマからの発光P2の強度(温度)がより高くなり、また、その低下速度を低減することができる。このように、プラズマ発光強度の低下を遅らせることができるため、プラズマ計測のタイミング(すなわち遅延時間D)を、シングルパルス照射の場合よりもより遅く設定することができ、プラズマの変動に依存しない精度のよい計測が可能となる。
3.測定結果
以下、本実施の形態で示したダブルパルス照射を用いたプラズマの発光スペクトルの測定結果の例を示す。図9は、測定に使用した各パルスの波形を説明した図である。プラズマを発生させるためのレーザ光(レーザパルスL1)として、波長が532nmのレーザ光を使用した。また、プラズマ温度維持等のためのレーザ光(レーザパルスL2)として、波長が1064nmのレーザ光を使用した。計測対象として2つのターゲットを用意した。第1のターゲットは、空気中に設置された鉄板(ステンレス板)であり、第2のターゲットは、水中に設置されたアルミ板である。
(A)第1の測定結果
第1の測定として、空気中に設置された鉄板(ステンレス板)に対して、ダブルパルス照射によるプラズマ発光スペクトルを測定した。このような空気中に設置されたターゲットの組成分析は、例えば、溶鉱炉内の鉄成分の計測に適用できる。
図10(C)は、ダブルパルス照射により観測されたスペクトルを示す図である。図10(A)、(B)は対比のための1回のパルス照射による測定結果である。具体的には、図10(A)は、シングルパルス照射、すなわち、波長が532nmのレーザ光L1のみを照射したときに観測された発光スペクトルを示す。図10(A)に示す測定結果においては、鉄(Fe)元素を示すシグナルが観測できるが、その強度は小さい。図10(B)は、波長が1064nmのレーザ光(すなわち、プラズマ温度維持のためのレーザ光L2)のみを照射したときに観測された発光スペクトルを示す。この場合、元素成分を示すシグナルは観測されない。図10(C)は、ダブルパルス照射(すなわち、波長が532nmのレーザ光L1と波長が1064nmのレーザ光L2を照射)により観測された発光スペクトルを示す。図10(C)に示すように、ダブルパルス照射により、シングルパルス照射の場合(図10(A)参照)に比して、より高いシグナル強度(4.5倍)が得られていることが分かる。
(B)第2の測定結果
第2の測定として、水中に設置されたアルミ板に対して、ダブルパルス照射によるプラズマ発光スペクトルを測定した。このような水中に設置されたターゲットの組成分析は、例えば、メルトダウンした原子炉内のデブリ成分の計測に適用できる。
図11(C)は、ダブルパルス照射により観測されたスペクトルを示す図である。図11(A)、(B)は対比のための1回のパルス照射による測定結果である。
具体的には、図11(A)は、シングルパルス照射、すなわち、波長が532nmのレーザ光L1のみを照射したときに観測された発光スペクトルを示す。図11(A)に示す測定結果においては、アルミ元素(Al)を示すシグナルは観測できなかった。これは、水中においては、発生したプラズマが短時間で消滅することから、計測がより困難になるためである。図11(B)は、波長が1064nmのレーザ光(すなわち、プラズマ温度維持のためのレーザ光L2)のみを照射したときに観測された発光スペクトルを示す。この場合も、アルミ元素を示すシグナルは観測されていない。図11(C)は、ダブルパルス照射(すなわち、波長が532nmのレーザ光L1と波長が1064nmのレーザ光L2を照射)により観測された発光スペクトルを示す。シングルパルス照射では観測できなかったにも関わらず、ダブルパルス照射によりアルミ元素(Al)を示すシグナルが観測された。
このように、プラズマを発生させるためのレーザ光L1(ショートパルス)に加えて、別のレーザ光L2(ロングパルス)を照射する。これにより、表面クリーニング効果、前処理効果により、表面性状(温度、凹凸形状)の影響が低減され、プラズマが発生し易くなる。さらに、加熱効果により、発生したプラズマの温度を維持することができ、温度低下(強度低下)の速度を遅くすることができる。その結果、プラズマ発光スペクトルにおいて元素を示すシグナルがより明確に観測できるようになる。
(C)第3の測定結果
さらに、本発明者は、表面クリーニング効果を確認するための測定を行った。対比のため、図12に示す3種類のレーザパルス照射方法のそれぞれを用いて測定した。すなわち、図12(A)に示すように、ショートパルスL1のみを照射した場合(以下「シングルパルス照射」という)と、図12(B)に示すように、ショートパルスL1の照射後にロングパルスL2の照射を開始した場合(以下「ダブルパルス照射(後)」という)と、図12(C)に示すように、ショートパルスL1の照射開始前にロングパルスL2の照射を開始した場合(以下「ダブルパルス照射(前)」という)とで、それぞれプラズマ発光スペクトルを測定した。
表面クリーニングを検証するために、表面が研磨されたサンプルと、表面が錆びたサンプルとを用いて測定を行った。図13は、表面が研磨されたサンプルに対して行った測定結果を示したものであり、図14は、表面が錆びたサンプルに対して行った測定結果を示したものである。図13(A)、図14(A)は、シングルパルス照射の場合のスペクトルの測定結果である。図13(B)、図14(B)は、ダブルパルス照射(後)の場合のスペクトルの測定結果である。図13(C)、図14(C)は、ダブルパルス照射(前)の場合のスペクトルの測定結果である。
図13(A)〜(C)を参照すると、表面が研磨されたサンプルに対しては、ダブルパルス照射(前)の場合に若干良好なスペクトルが得られているが、顕著な差は見られない。これはサンプル表面が研磨されていることから、クリーニング効果の影響が及ばなかったと考えられる。一方、表面が錆びたサンプルに対しては、図14(A)、(B)に示すように、シングルパルス照射とダブルパルス照射(後)では、ノイズが多いスペクトル波形となり使用できる測定結果は得られなかった。しかし、図14(C)に示すように、ダブルパルス照射(前)の場合では、表面クリーニング効果によって、良好な測定結果が得られている。これは、表面クリーニング効果により表面の錆びが除去されたためのであると考えられる。
図15(A)は、錆のある計測対象にシングルパルス照射した後の対象表面の様子を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影したSEM画像である。図15(B)は、錆のある対象にダブルパルス照射(前)した後の対象表面の様子を撮影したSEM画像である。図15(A)では、ショートパルス幅を有するレーザパルスL1を2回照射している。シングルパルス照射の場合、図15(A)に示すように錆80が比較的多く残っている。これに対して、ダブルパルス照射の場合、図15(B)に示すように、錆が比較的多く取り除かれていることが分かる。このことから、ダブルパルス照射(前)による対象表面のクリーニング効果があることが分かる。
(D)第4の測定結果
さらに、本発明者は、前処理効果(加熱効果)を確認するための測定を行った。図16、図17は、前処理効果(加熱効果)を確認するために、固体の鋼(常温)と、溶鋼(1600°C)に対して行った測定結果を示した図である。この測定においても、図12に示す3種類のレーザパルスの照射方法のそれぞれを用いてスペクトルを測定した。なお、以下では、鋼中に含まれるマンガン(Mn)成分の測定に注目する。図16(A)、(B)はそれぞれ固体の鋼と溶鋼に対してシングルパルス照射またはダブルパルス照射(後)を行った場合の測定結果を示す。図17(A)、(B)はそれぞれ固体の鋼と溶鋼に対してダブルパルス照射(前)を行った場合の測定結果を示す。
図16を参照すると、シングルパルス照射またはダブルパルス照射(後)の場合、固体の鋼に対する測定結果からは、マンガン(Mn)のスペクトルが確認できないが、溶鋼に対する測定結果においては、マンガン(Mn)のスペクトルが確認できている。これは、溶鋼の場合、マンガン(Mn)のスペクトルが計測できる程度に十分な温度にあるが、固体の鋼は温度が低く、計測に十分な温度に達していないためであると考えられる。
一方、ダブルパルス照射(前)の場合、図17に示すように、固体の鋼に対しても、マンガン(Mn)のスペクトルが計測できている。これは、ショートパルスL1照射前にロングパルスL2を照射することで、測定対象の表面が十分な高温に加熱される(加熱効果)ためであると考えられる。このように、ダブルパルス照射(前)により、計測対象が固体でも液体でも良好な測定結果が得られる。すなわち、測定対象表面の性状の影響を受けずにマンガンのスペクトルの計測が可能になっている。
以上のように、プラズマを発生させるためのショートパルスL1の照射前にロングパルスL2を照射すること(ダブルパルス照射(前))で、予め計測対象の温度を上昇させることができる(前処理効果)。さらに、クリーニング効果により対象表面が平坦になると(すなわち、対象表面の急激な形状変化がなくなると)、より効果的にレーザ照射がなされるため、効率よくプラズマを発生させることが可能となる。これらにより、計測対象の性状に依らず、プラズマを発生させることができる。
さらに、レーザパルスL1の照射後もレーザパルスL2を継続して照射することで、プラズマの温度を保持でき、プラズマ温度の低下を抑制することができる(加熱効果)。
4.まとめ
以上のように、本実施の形態の成分組成計測システム100bは、プラズマを発生させる程度の強度を有するレーザ光L1を計測対象200へ照射する第1のレーザ光源10と、プラズマを発生させない程度の強度を有するレーザ光L2を計測対象200へ照射する第2のレーザ光源10bと、第1のレーザ光源10から計測対象200へのレーザ光の照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するスペクトル測定装置(30と、測定された発光スペクトルのデータを用いて前記計測対象の組成を分析する制御装置50と、を備える。第2のレーザ光源10bは、第1のレーザ光源10のレーザ光L2を計測対象200へ照射する期間よりも長い期間の間、計測対象200へレーザ光L2を照射する。第1のレーザ光源からのレーザ光L1に加えて第2のレーザ光源10からレーザ光L2を照射することで、一旦発生させたプラズマの温度(強度)の低下(減衰)を遅らせることができる。
特に、第2のレーザ光源10bは、図7に示すように、レーザ光L1の照射開始前に、レーザ光L2の照射を開始し、レーザ光L1の照射終了後に、レーザ光L2の照射を終了する。これにより、レーザ光L1の照射前に計測対象200が事前に加熱され高温になる。さらに、計測対象表面に錆び等がある場合にはクリーニングされる。これにより、プラズマが発生しやすくなり、計測対象の性状の影響を受けずに測定が可能となる。また、第1のレーザ光源10からのレーザ光L1の照射によりプラズマが発生した時点で第2のレーザ光源10bからのレーザ光が照射されているため、プラズマ発生時点からプラズマを保温でき、より効果的にプラズマ温度の低下を低減することができる。これにより、プラズマの強弱に依存しない、高いレベルの信号を含むスペクトルが得られるため、高い計測精度を確保することができる。
特許文献1、非特許文献1においても2種類のレーザパルスを照射するLIBS装置が開示されてしている。しかし、これらの文献において、プラズマを発生させる程度の強度を有する一方のレーザパルスの照射開始前に、プラズマを発生させない程度の強度を有する他方のレーザパルスの照射を開始し、一方のレーザパルスの照射終了後に、他方のレーザパルスの照射を終了するという技術思想は開示されていない。よって、特許文献1及び非特許文献1に開示の技術からは、本実施の形態で示した表面クリーニング効果、前処理効果を得ることはできない。
上記の実施の形態で説明した成分組成計測システム100、100bによれば、レーザ誘起ブレークダウン分光法における測定精度が向上し、プロセス中の計測対象の位置や形状が変化する場でも、リアルタイムの成分濃度計測が可能となる。上記の実施の形態で説明した成分組成計測システムの思想は、合成化学プラント、鉄鋼プラント等の生産プロセスでの品質管理や制御のために原料や製品などに含まれる特定成分をモニタするための装置やシステムに適用できる。
以上のように、本発明の実施の形態の例示として、実施の形態1、2を説明した。しかしながら、本発明の思想はこれらの例に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。すなわち、上述した実施の形態は、本発明における技術のいくつかの具体的な例を示したものであり、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
(他の実施の形態)
実施の形態2の成分組成計測システム100bの構成において、第2のレーザ光源10bからのレーザ光をビームコンバイナ24の近傍まで光ファイバで伝送してもよい。これにより、第2のレーザ光源10bを任意の位置に配置することができる。一般にロングパルスのレーザ光を出力する第2のレーザ光源10bは大型な装置となり、設置位置に制約がある。よって、第2のレーザ光源10bのレーザ光を光ファイバで伝送することは、第2のレーザ光源10bのレイアウトの自由度が増す点で有用である。
実施の形態2において、ショートパルスを出力する第1のレーザ光源10とロングパルスを出力する第2のレーザ光源10bの機能を1つの光源装置で実現してもよい。図18に、そのような光源装置の構成の一例を示す。レーザ光源10cは、励起源51と、レーザ媒体52、53と、レーザ媒体52、53の光路上の両端に配置されたミラー55とを備える。さらにレーザ光源10cは、ポッケルセル57と、ミラー59と、波長板61と、ビームコンバイナ63とを備える。
励起源51は例えばフラッシュランプで構成され、励起光を出力する。レーザ媒体52、53は、励起光により励起されてレーザ光を発生するNd:YAG結晶を含む。ビームコンバイナ63は、レーザ光の偏光特性を用いてビームを合成する。ポッケルセル57は、レーザ光をショートパルス発振させる素子である。波長板61は、レーザ光の偏光特性を変化させる素子である。
レーザ媒体52、53は、励起源51からの励起光により励起され、光を出力する。レーザ媒体52、53で生成された光はミラー55間で反射され、レーザ光として出力される。レーザ媒体52からのレーザ光はポッケルセル57を介して、ショートパルスのレーザ光となりミラー59に出力される。一方、レーザ媒体53はロングパルスのレーザ光を出力する。ミラー59は、ポッケルセル57からのレーザ光の光路を変更し、波長板61に入射するようにする。波長板61を通過したショートパルスのレーザ光は、コンバイナ63に入射する。コンバイナ63は、レーザ媒体52からのショートパルスのレーザ光と、レーザ媒体553からのロングパルスのレーザ光とを合成し、出力する。
以上のような構成により、1つのレーザ光源10cから、パルス幅の異なる2つのレーザ光を出力することができる。このような構成を有するレーザ光源10cを、図1に示す成分組成計測システム100内のレーザ光源10と置換することで、実施の形態2で示した成分組成計測システム100bと同等の機能を実現できる。
(本開示)
上記の実施の形態1および実施の形態2のそれぞれに開示した思想を組み合わせることができることは言うまでもない。すなわち、本開示は、以下の成分組成計測システムを開示する。
(1)プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光(L1)を計測対象へ照射する第1のレーザ光源と、
プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光(L2)を計測対象へ照射する第2のレーザ光源と、
第1のレーザ光源から前記計測対象へのレーザ光の照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するスペクトル測定装置と、
測定された発光スペクトルのデータを用いて前記計測対象の組成を分析する制御装置と、を備え、
第2のレーザ光源は、第1のレーザ光の照射開始前に、第2のレーザ光の照射を開始し、第1のレーザ光の照射終了後に、第2のレーザ光の照射を終了する
成分組成計測システム。
この成分組成計測システムによれば、プラズマ発生前に、計測対象を加熱できるとともに、計測対象をクリーニングできる。さらに、プラズマ発生後はプラズマの温度の低下を遅らせることができる。これにより、高いレベルの信号を含むスペクトルが得られるため、高い計測精度を確保することができる。
(2)(1)の成分組成計測システムにおいて、第1のレーザ光と第2のレーザ光がそれらの光軸が一致した状態で計測対象へ照射されるように、第1及び第2のレーザ光源の光軸が調整されてもよい。これにより、第2のレーザ光により加熱した計測対象の部分に第1のレーザ光を照射できる。さらに、第1のレーザ光により発生したプラズマの温度を第2のレーザ光により保温することができる。
(3)(1)の成分組成計測システムにおいて、制御装置は、発光スペクトルの性状を判定し、性状が所定状態にある発光スペクトルのデータのみを用いて計測対象の組成を分析してもよい。これにより、精度低下が生じる可能性のある信号を分析に使用するデータから排除でき、高い計測精度を確保することができる。
(4)(3)の成分組成計測システムにおいて、制御装置は、発光スペクトルからプラズマの温度を判定し、プラズマ温度が所定温度以上である発光スペクトルを用いて計測対象の組成を分析してもよい。これにより、精度低下が生じる可能性のある信号を分析に使用するデータから排除できる。
(5)(3)の成分組成計測システムにおいて、制御装置は、発光スペクトルの信号強度を判定し、信号強度が所定値以上となる発光スペクトルのデータを用いて計測対象の組成を分析してもよい。これにより、精度低下が生じる可能性のある信号を分析に使用するデータから排除できる。
(6)(3)の成分組成計測システムにおいて、制御装置は、発光スペクトルを複数回測定し、複数の発光スペクトルのデータを積算した結果を用いて計測対象の組成を分析してもよい。複数回測定したデータを積算して用いることで測定データの精度を向上させることができる。
(7)(1)〜(6)の成分組成計測システムは、計測対象の三次元形状及び距離を計測する三次元形状計測装置と、第1のレーザ光源から計測対象へ照射されるレーザ光の焦点距離を調整する焦点調整手段をさらに備えてもよい。制御装置は、三次元形状計測装置による測定結果に基づき焦点調整手段を制御して、レーザ光の焦点距離を調整してもよい。これにより、計測対象の形状(距離)に依存せず、常にレーザ光を合焦させて計測対象に照射でき、一定の強度でレーザ光を照射できる。
(8)(1)〜(6)の成分組成計測システムは、三次元形状計測装置と、レーザ光の前記計測対象上の照射位置を調整する照射位置変更手段と、をさらに備えてもよい。制御装置は、三次元形状計測装置による測定結果に基づき照射位置変更手段を制御して、計測対象上のレーザ光の照射位置を調整してもよい。これにより、良好なプラズマ状態が得られる位置(領域)にレーザ光を照射でき、計測対象の形状に依存せずに一定状態の発光スペクトルを得ることができる。
(9)さらに本開示は以下の成分組成計測方法を開示する。
プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光を計測対象へ照射するステップと、
プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光を計測対象へ照射するステップと、
第1のレーザ光の計測対象への照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するステップと、
測定された発光スペクトルのデータを用いて計測対象の組成を分析するステップと、を含み、
第1のレーザ光の照射開始前に、第2のレーザ光の照射を開始し、第1のレーザ光の照射終了後に、第2のレーザ光の照射を終了する、
成分組成計測方法。
(10)(9)の成分組成計測方法において、分析するステップにおいて、発光スペクトルの性状を判定し、性状が所定状態にある発光スペクトルのデータのみを用いて計測対象の組成を分析してもよい。

Claims (10)

  1. プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光を計測対象へ照射する第1のレーザ光源と、
    プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光を前記計測対象へ照射する第2のレーザ光源と、
    前記第1のレーザ光源から前記計測対象への第1のレーザ光の照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するスペクトル測定装置と、
    測定された発光スペクトルのデータを用いて前記計測対象の組成を分析する制御装置と、を備え、
    前記第2のレーザ光源は、前記第1のレーザ光の照射開始前に、前記第2のレーザ光の照射を開始し、前記第1のレーザ光の照射終了後に、前記第2のレーザ光の照射を終了する、
    成分組成計測システム。
  2. 前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光がそれらの光軸が一致した状態で前記計測対象へ照射されるように、前記第1及び第2のレーザ光源の光軸が調整されている、請求項1に記載の成分組成計測システム。
  3. 前記制御装置は、前記発光スペクトルの性状を判定し、前記性状が所定状態にある発光スペクトルのデータのみを用いて前記計測対象の組成を分析する、
    請求項1に記載の成分組成計測システム。
  4. 前記制御装置は、前記発光スペクトルからプラズマの温度を判定し、プラズマ温度が所定温度以上である発光スペクトルを用いて前記計測対象の組成を分析する、請求項3に記載の成分組成計測システム。
  5. 前記制御装置は、前記発光スペクトルの信号強度を判定し、信号強度が所定値以上となる発光スペクトルのデータを用いて前記計測対象の組成を分析する、請求項3に記載の成分組成計測システム。
  6. 前記制御装置は、発光スペクトルを複数回測定し、複数の発光スペクトルのデータを積算した結果を用いて前記計測対象の組成を分析する、請求項3に記載の成分組成計測システム。
  7. 計測対象の三次元形状及び距離を計測する三次元形状計測装置と、
    前記第1のレーザ光源から前記計測対象へ照射されるレーザ光の焦点距離を調整する焦点調整手段をさらに備え、
    前記制御装置は、前記三次元形状計測装置による測定結果に基づき焦点調整手段を制御して、前記レーザ光の焦点距離を調整する、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の成分組成計測システム。
  8. 計測対象の三次元形状及び距離を計測する三次元形状計測装置と、
    前記レーザ光の前記計測対象上の照射位置を調整する照射位置変更手段と、をさらに備え、
    前記制御装置は、前記三次元形状計測装置による測定結果に基づき前記照射位置変更手段を制御して、前記計測対象上のレーザ光の照射位置を調整する、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の成分組成計測システム。
  9. プラズマを発生させる程度の強度を有する第1のレーザ光を計測対象へ照射するステップと、
    プラズマを発生させない程度の強度を有する第2のレーザ光を前記計測対象へ照射するステップと、
    前記第1のレーザ光の前記計測対象への照射により生じたプラズマの発光から、波長毎の強度を示す発光スペクトルを測定するステップと、
    測定された発光スペクトルのデータを用いて前記計測対象の組成を分析するステップと、含み、
    前記第1のレーザ光の照射開始前に、前記第2のレーザの照射を開始し、前記第1のレーザ光の照射終了後に、前記第2のレーザ光の照射を終了する、
    成分組成計測方法。
  10. 前記分析するステップにおいて、前記発光スペクトルの性状を判定し、前記性状が所定状態にある発光スペクトルのデータのみを用いて前記計測対象の組成を分析する、
    請求項9に記載の成分組成計測方法。
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