JPWO2017164395A1 - 銅合金及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書で開示する銅合金は、基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)であり、Mnが固溶したβCuSn相を主相とし、該βCuSn相が熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態するものである。また、本明細書で開示する銅合金の製造方法は、熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態する銅合金の製造方法であって、CuとSnとMnとを含み基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)となる原料を溶解鋳造し鋳造材を得る鋳造工程と、前記鋳造材をβCuSn相の温度域内で均質化処理し均質化材を得る均質化工程と、のうち少なくとも鋳造工程を含むものである。

Description

本明細書で開示する発明は、銅合金及びその製造方法に関する。
従来、銅合金としては、形状記憶特性を有するものが提案されている(例えば、非特許文献1,2など参照)。このような銅合金としては、Cu−Zn系合金、Cu−Al系合金、Cu−Sn系合金などが挙げられている。これらの銅系記憶合金は、いずれも高温で安定なβ相(bccに関連する結晶構造をもつ相)と呼ばれる母相を有し、この母相は合金元素が規則的な配列をとっている。このβ相を急冷して準安定な状態で常温近辺とし更に冷却するとマルテンサイト変態を生じ、結晶構造が瞬時に変化する。
繊維機械学会誌,42(1989),587 金属学会会報,19(1980),323
これらの銅合金のうち、Cu−Zn−Al、Cu−Zn−Sn、Cu−Al−Mn系銅合金では、原料価格の面では安価で有利であるが、一般的な形状記憶合金である、Ni−Ti合金ほど回復率が高くなかった。このNi−Ti合金においても、すぐれたSME特性、即ち高い回復率を示すが、Tiを多く含むために高価であり、また熱および電気伝導性が低く、100℃以下の低温でしか用いることができなかった。Cu−Sn系合金では、室温時効により時間とともに内部構造が変化し、形状記憶特性が変化する問題があった。室温時効によってSnの拡散が起こり、Sn−richなs相や、s相が粗大化したL相が析出するため、形状記憶特性が容易に変化してしまうことがあった。s相やL相はSn−richな相で、共析変態の進行によりγCuSn、δCuSn、εCuSnなどの析出物の可能性がある。このため、Cu−Sn系合金は、常温近辺の比較的低温で放置しただけで変態温度が大幅に変わるなど特性の経時変化が大きいため、基礎的な研究以外に実用化への取り組みはなされていなかった。このように、約500〜700℃の高温度域で逆変態する、応力誘起マルテンサイト変態を示す銅合金はこれまでに実用化されていなかった。
本開示の発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、Cu−Sn系合金において、安定的に形状記憶特性を発現する新規な銅合金及びその製造方法を提供することを主目的とする。
本明細書で開示する銅合金及びその製造方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本明細書で開示する銅合金は、
基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)であり、Mnが固溶したβCuSn相を主相とし、該βCuSn相が熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態するものである。
本明細書で開示する銅合金の製造方法は、
熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態する銅合金の製造方法であって、
CuとSnとMnとを含み基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)となる原料を溶解鋳造し鋳造材を得る鋳造工程と、
前記鋳造材をβCuSn相の温度域内で均質化処理し均質化材を得る均質化工程と、のうち少なくとも前記鋳造工程を含むものである。
本開示の銅合金及びその製造方法は、安定的に形状記憶特性を発現する新規なCu−Sn系の銅合金及びその製造方法を提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。例えば、添加元素のMnにより、常温における合金のβ相がより安定になるためであると推察される。また、Mnの添加により、転位によるすべり変形が抑制され、塑性変形が阻害されることにより、回復率がより向上すると推察される。
CuSn系合金の実験的二元系状態図。 CuSnMn系合金のMn=2.5at%の計算的状態図。 CuSnMn系合金のMn=5.0at%の計算的状態図。 CuSnMn系合金のMn=8.3at%の計算的状態図。 回復率測定に関する各角度の説明図。 実験例1の合金箔の形状記憶特性の巨視観察結果。 実験例1の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例1の鋳造組織の光学顕微鏡観察結果。 実験例1の変形時の割れ写真。 実験例2の合金箔の形状記憶特性の巨視観察結果。 実験例2の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例2の各温度と弾性+加熱回復率との関係図。 実験例2の各温度と加熱回復率との関係図。 実験例3の合金箔の形状記憶特性の巨視観察結果。 実験例3の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例3の各温度と弾性+加熱回復率との関係図。 実験例3の各温度と加熱回復率との関係図。 CuSnMn系合金の三元系状態図(700℃)。 実験例1のXRD測定結果。 実験例2のXRD測定結果。 実験例3のXRD測定結果。 実験例2のTEM観察結果。 引張量を変えたときの実験例2の母相のTEM観察結果。 実験例3のTEM観察結果。 曲げ試験用Wブロックの写真。 実験例7−2(空冷)の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例7−3(油冷)の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例7−4(水冷)の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例7−5(−90℃冷却)の合金箔の光学顕微鏡観察結果。 実験例7のTEM観察結果。 実験例7−2(空冷)のXRD測定結果。 実験例7−3(油冷)のXRD測定結果。 実験例7−4(水冷)のXRD測定結果。 実験例7−6(水冷後室温時効)のXRD測定結果。 実験例4、5、7のDTA測定結果。
[銅合金]
本明細書で開示する銅合金は、基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)であり、Mnが固溶したβCuSn相を主相とし、該βCuSn相が熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態するものである。ここで、主相とは、全体に占める中で最も多く含まれる相をいい、例えば、50質量%以上含まれる相としてもよく、80質量%以上含まれる相としてもよいし、90質量%以上含まれる相としてもよい。この銅合金では、βCuSn相が95質量%以上、より好ましくは、98質量%以上含まれている。この銅合金は、500℃以上の温度で処理したのち冷却したものであり、融点以下の温度で形状記憶効果及び超弾性効果のうち1以上を有するものとしてもよい。この銅合金では、主相がβCuSn相であるため、形状記憶効果や超弾性効果を発現することができる。あるいは、この銅合金は、表面観察において、βCuSn相が面積比で50%以上100%以下の範囲で含まれるものとしてもよい。このように表面観察により主相を求めるものとしてもよい。このβCuSn相の面積比は、95%以上、より好ましくは、98%以上であるものとしてもよい。この銅合金は、βCuSn相を単相として含むことが最も好ましいが、他の相が含まれてもよい。
この銅合金は、Snが8at%以上16at%以下の範囲、Mnが2at%以上10at%以下の範囲で含まれており、残部がCu及び不可避的不純物であるものとしてもよい。Mnが2at%以上含まれると、自己回復率をより高めることができる。また、Mnが10at%以下含まれると、導電率の低下や自己回復率の低下などをより抑制することができる。Mnの含有量は、2.5at%以上であることが好ましく、3.0at%以上であることがより好ましい。また、Mnの含有量は、8.3at%以下であることが好ましく、7.5at%以下であることがより好ましい。また、Snが8at%以上含まれると、自己回復率をより高めることができる。また、Snが16at%以下含まれると、導電率の低下や自己回復率の低下などをより抑制することができる。Snの含有量は、10at%以上であることが好ましく、12at%以上であることがより好ましい。また、Snの含有量は、15at%以下であることが好ましく、14at%以下であることがより好ましい。不可避的不純物としては、例えば、FeやPb、Bi、Cd、Sb、S、As、Se、Teのうち1以上などが挙げられるが、こうした不可避的不純物は合計で0.5at%以下であることが好ましく、0.2at%以下がより好ましく、0.1at%以下がさらに好ましい。
この銅合金は、平板状の銅合金を曲げ角度θ0で曲げたのち、除荷したときの角度θ1により求められる弾性回復率(%)が40%以上であることが好ましい。形状記憶合金や超弾性合金としては、弾性回復率は40%以上あることが好ましい。なお、この弾性回復率が18%以上有するものでは、単なる塑性変形ではなく、マルテンサイトの逆変態による回復(形状記憶特性)があったと判断することができる。この弾性回復率は、より高いことが好ましく、例えば、45%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。なお、曲げ角度θ0は、90°とするものとする。
弾性回復率RE[%]=(1−θ1/θ0)×100 …(数式1)
この銅合金では、平板状の銅合金を曲げ角度θ0で曲げたのち、βCuSn相に基づいて定められる所定の回復温度に加熱したときの角度θ2により求められる加熱回復率(%)が40%以上であることが好ましい。形状記憶合金や超弾性合金としては、加熱回復率は40%以上あることが好ましい。加熱回復率は、上記除荷時の角度θ1を用いて下記式から求めるものとしてもよい。この加熱回復率は、より高いことが好ましく、例えば、45%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。回復させる加熱処理は、例えば、500℃以上800℃以下の範囲で行うことが好ましい。加熱処理の時間は、銅合金の形状やサイズにも依存するが、短い時間としてもよく、例えば、10秒以下としてもよい。
加熱回復率RT[%]=(1−θ2/θ1)×100 …(数式2)
この銅合金では、平板状の銅合金を曲げ角度θ0で曲げたのち除荷したときの角度θ1、更にβCuSn相に基づいて定められる所定の回復温度に加熱したときの角度θ2より求められる弾性加熱回復率(%)が45%以上であることが好ましい。形状記憶合金や超弾性合金としては、弾性加熱回復率は45%以上あることが好ましい。弾性加熱回復率[%]は、平均弾性回復率を用いて、下記式から求めるものとしてもよい。この弾性加熱回復率は、より高いことが好ましく、例えば、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが更にまた好ましい。また、弾性加熱回復率は、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
弾性加熱回復率RE+T[%]
= 平均弾性回復率+(1−θ2/θ1)×(1−平均弾性回復率)…(数式3)
この銅合金は、多結晶又は単結晶からなるものとしてもよい。この銅合金は、結晶粒径が100μm以上であるものとしてもよい。結晶粒径は、より大きいことがより好ましく、多結晶よりも単結晶であることがより好ましい。形状記憶効果や超弾性効果を発現しやすいためである。また、この銅合金は、鋳造材が均質化された均質化材であることが好ましい。鋳造後の銅合金は、凝固組織が残ることがあるため、均質化処理を行ったものが好ましい。
この銅合金は、Ms点(冷却時のマルテンサイト変態の開始点温度)とAs点(マルテンサイトからβCuSn相への逆変態開始点温度)とがSn及びMnの含有量に応じて変化するものとしてもよい。この銅合金では、Mnの含有量に応じてMs点やAs点が変化するため、発現効果など、様々な調整を行いやすい。
[銅合金の製造方法]
この製造方法は、熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態する銅合金の製造方法であって、鋳造工程と、均質化工程とのうち少なくとも鋳造工程を含むものである。
(鋳造工程)
鋳造工程では、CuとSnとMnとを含み基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)となる原料を溶解鋳造し鋳造材を得る。このとき、原料を溶解鋳造しβCuSn相を主相とする鋳造材を得るものとしてもよい。Cu、Sn、Mnの原料としては、例えば、これらの単体やこれらのうちの2種以上を含む合金を用いることができる。また、原料の配合比は、所望の基本合金組成に合わせて調整すればよい。この工程では、CuSn相にMnを固溶させるため、溶融順序はCu、Mn、Snの順に原料を加えて鋳造することが好ましい。溶解方法は、特に限定されないが、高周波溶解法が効率よく、工業的利用が可能であり好ましい。鋳造工程では、窒素、Ar、真空中など不活性雰囲気下で行うことが好ましい。鋳造体の酸化をより抑制することができる。この工程では、750℃以上1300℃以下の温度範囲で原料を溶解し、800℃〜400℃の間を−50℃/s〜−500℃/sの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却速度は、できるだけ大きい方が安定的なβCuSn相を得るのに好ましい。冷却方法としては、空冷、油冷、水冷などが挙げられ、水冷が好ましい。
(均質化工程)
均質化工程では、鋳造材をβCuSn相の温度域内で均質化処理し均質化材を得る。この工程では、600℃以上850℃以下の温度範囲で鋳造材を保持したのち、−50℃/s〜−500℃/sの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却速度は、できるだけ大きい方が安定的なβCuSn相を得るのに好ましい。均質化温度は、例えば、650℃以上がより好ましく、700℃以上が更に好ましい。また、均質化温度は、800℃以下がより好ましく、750℃以下が更に好ましい。均質化時間は、例えば、20分以上としてもよいし30分以上としてもよい。また、均質化時間は、例えば、48時間以下としてもよいし24時間以下としてもよい。均質化処理においても、窒素、Ar、真空中など不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
(その他の工程)
鋳造工程及び均質化工程のいずれかのあとに他の工程を行ってもよい。例えば、銅合金の製造方法は、鋳造材及び均質化材のうち1以上に対して、板状、箔状、棒状、線状及び所定形状のうちいずれか1以上に冷間加工又は熱間加工する1以上の加工工程、を更に含むものとしてもよい。この加工工程では、500℃以上700℃以下の温度範囲で熱間加工を行い、その後−50℃/s〜−500℃/sの冷却速度で冷却するものとしてもよい。また、加工工程では、せん断変形の発生を抑制する方法により、断面減少率が50%以下で加工するものとしてもよい。あるいは、銅合金の製造方法は、鋳造材及び均質化材のうち1以上に対して、時効硬化処理を行い時効硬化材を得る時効化工程を更に含むものとしてもよい。あるいは、銅合金の製造方法は、鋳造材及び均質化材のうち1以上に対して、規則化処理を行い規則化材を得る規則化工程を更に含むものとしてもよい。この工程では、100℃以上400℃以下の温度範囲、0.5h以上24h以下の時間範囲で時効硬化処理または規則化処理を行うものとしてもよい。
以上詳述した本開示では、安定的に形状記憶特性を発現する新規なCu−Sn系の銅合金及びその製造方法を提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。例えば、添加元素のMnにより、常温における合金のβ相がより安定になるためであると推察される。また、Mnの添加により、転位によるすべり変形が抑制され塑性変形が阻害されることにより、回復率がより向上するものと推察される。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、銅合金を具体的に製造した例を実験例として説明する。
CuSn系合金は、鋳造性がよく、βCuSnの共析点が高温のため形状記憶特性低下の原因である共析変態を起こしにくいと考えられる。本開示では、CuSn系合金の第3添加元素X(Mn)を添加することによって形状記憶特性の発現、制御を行うことを検討した。
[実験例1、2]
Cu−Sn−Mn系合金を作製した。Cu−Sn二元系状態図(図1)を参照して、対象試料の高温での構成相がβCuSn単相となる組成を目標組成とした。参考とした状態図はASM International DESK HANDBOOK Phase Diagrams for Binary Alloys Second Edition(5)とASM International Handbook of Ternary Alloy Phase Diagramsによる実験的状態図である。またCALPHAD法により平衡状態図を作成するソフトであるThermo−Calcによる計算的状態図も使用した。図2〜4は、Mn=2.5at%、5.0at%、8.3at%でのCuSnMn合金の計算的状態図である。溶製された合金が、目標組成付近となるように純Cu、純Sn、純Mnを秤量し、大気用高周波溶解炉でN2ガスを噴きかけながら溶融・鋳造して合金試料を作製した。目標組成は、Cu100-(x+y)SnxMny(x=14,13、y=2.5,4.9)とし、溶融順序は、Cu→Mn→Snとした。溶製された鋳造試料はそのままであると凝固組織が残って不均一であるため、均質化処理を施した。その際、酸化防止を図るために試料は石英管に真空封入し、マッフル炉で700℃(973K)、30分保持したのち、氷水中に入れて急冷すると同時に石英管を破壊した。基本合金組成でx=14、y=2.5のものを実験例1とし、x=13、y=4.9を実験例2とした。
(光学顕微鏡観察)
合金鋳塊をファインカッタとマイクロカッタを用いて厚さ0.2〜0.3mmに切り出し、100〜2000番の耐水研摩紙を貼り付けた回転研摩機で機械研磨し、アルミナ液(アルミナ径0.3μm)でバフ研摩を行い、鏡面を得た。光学顕微鏡観察試料は曲げ試験試料としても扱うため、試料厚さもそろえてから熱処理(均質化処理)を施した。試料厚さは0.15mmとした。光学顕微鏡観察には、キーエンス製デジタルマイクロスコープVH−8000を用いた。本装置の拡大可能倍率は450〜3000倍であるが、基本的に450倍で観察した。
(X線粉末回折測定:XRD)
XRD測定試料は、以下のように作製した。合金鋳塊をファインカッタで切り出し、端部を金やすりで削って粉末試料を得た。熱処理を施した後、XRD測定試料とした。焼き入れ時は通常試料のように石英管を水中で破砕すると粉末試料が水分を含んでしまうことと酸化の危険性があるため、冷却時に石英管は破壊していない。XRD測定装置は、リガク製RINT2500を用いた。この回折装置は、回転対陰極型X線回折装置で、対陰極であるロータターゲット:Cu、管電圧:40kV、管電流:200mA、測定範囲:10〜120°、サンプリング幅:0.02°、測定速度:2°/分、発散スリット角度:1°、散乱スリット角度:1°、受光スリット幅:0.3mmで測定した。データ解析は、統合粉末X線解析ソフトウェアRIGAKU PDXLを用いて出現ピークを解析し、相同定・相分率の算出を行った。なお、PDXLはピーク同定にHanawalt法を採用している。
(透過型電子顕微鏡観察:TEM)
TEM観察試料は、以下のように作製した。溶製した合金鋳塊をファインカッタとマイクロカッタで厚さ0.2〜0.3mmに切り出し、さらに回転研磨機・耐水研磨紙2000番で厚さ0.15〜0.25mmまで機械研磨した。この薄膜試料を3mm四方に成形し、熱処理を施した後、以下の条件で電解研磨した。電解研磨では、電解研磨液としてナイタールを用い、約−20℃〜−10℃(253〜263K)に温度保持した状態でジェット研磨した。使用した電解研磨装置は、STRUERS社製テヌポールであり、以下の条件で研磨した。研磨条件は、電圧:5〜10V、電流:0.5A、流量:2.5とし、研磨開始から30秒は酸化皮膜形成、研磨終了までは酸化皮膜を除去するものとし、二段階で電解研磨した。試料は電解研磨後、直ちに観察した。TEM観察は、日立H−800(サイドエントリ分析仕様)TEM(加速電圧175kV)を用いた。また、一軸引張ホルダを用いたその場TEM観察も行った。引張その場観察にはH−800付属装置であるH−5001T型試料引張ホルダを用いた。加熱その場観察にはH−800付属装置である加熱ホルダを用いた。
(形状記憶特性の巨視観察:曲げ試験)
合金鋳塊をファインカッタとマイクロカッタを用いて厚さ0.3mmに切り出し、100〜2000番の耐水研摩紙を用いて回転研摩によって機械研磨し、厚さ0.15mmとした。なお、Cu−Sn−Mnは、厚さ0.1mmでは弾性的に回復してしまい、曲げ変形時にマルテンサイトも観察されないため、厚さを0.15mmとした。上記光学顕微鏡観察の試料と同様の処理を施し、熱処理後の試料をR=0.75mmのガイドに巻き付けて90°の曲げ角で押し曲げることによって曲げ変形を加えた。なお、Cu−Sn−Mnは、45°曲げでは弾性的に回復してしまい、曲げ変形時にマルテンサイトも観察されないため、90°曲げとした。試料の曲げ角度θ0(90°)、除荷後の角度θ1、750℃(1023K)で1分、加熱処理した後の角度θ2を測定し、弾性回復率と加熱回復率を以下の式によって求めた。また、変形後に加熱温度を変えることで回復率−温度曲線も得た。回復率−温度曲線を求める際、曲げ時に加える応力を各試料で一定にはできないため、試料ごとに除荷時の角度(弾性回復率)に差が生じやすい。そのため、弾性+加熱回復率は、弾性回復率の平均値を求め、加熱回復率を補正して以下の式によって求めた。図5は、回復率測定に関する各角度の説明図である。
弾性回復率[%]=(1−θ1/θ0)×100 …(数式1)
加熱回復率[%]=(1−θ2/θ1)×100 …(数式2)
弾性+加熱回復率[%]
= 平均弾性回復率+(1−θ2/θ1)×(1−平均弾性回復率)…(数式3)
均質化処理した試料を処理後、変形時、加熱処理(除荷)したあとの組織をそれぞれ観察した。図6は、実験例1の合金箔の形状記憶特性の巨視観察結果であり、図6(a)が均質化処理後、図6(b)が曲げ変形時、図6(c)が加熱回復後の写真である。図7は、実験例1の合金箔の光学顕微鏡観察結果であり、図7(a)が均質化処理後、図7(b)が曲げ変形時、図7(c)が加熱回復後の写真である。図8は、実験例1の鋳造組織の光学顕微鏡観察結果である。図9は、実験例1の変形時の割れ写真である。図6(b)に示すように、実験例1を曲げ変形させると、永久歪みが残り、図6(c)に示すように、700℃(973K)で1分加熱する加熱処理を行うと、わずかに形状回復した。均質化処理後は、マルテンサイトが確認されなかったが(図7(a))、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された(図7(b))。また、加熱処理後に応力誘起マルテンサイトは消滅した(図7(c))。しかし、この試料では、均質化処理後も直径300μmの気泡が多数確認された(図8)。そのため、曲げ変形時に試料片がその気泡部分から割れてしまった(図9)。
図10は、実験例2の合金箔の形状記憶特性の巨視観察結果である。図11は、実験例2の合金箔の光学顕微鏡観察結果である。図10(b)に示すように、実験例2を曲げ変形させると、永久歪みが残り、図10(c)に示すように、700℃(973K)で1分加熱する加熱処理を行うと、形状回復した。均質化処理後は、マルテンサイトが確認されなかったが(図11(a))、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された(図11(b))。また、加熱処理後に応力誘起マルテンサイトは消滅しかけていた(図11(c))。図12は、実験例2の各温度と弾性+加熱回復率との関係図である。図13は、実験例2の各温度と加熱回復率との関係図である。表1には、実験例2の測定結果をまとめた。実験例2では、弾性回復率は、77%であり、加熱処理すると500℃(773K)以上で大きく回復し(図13)、弾性+加熱回復率は95%に達した(図12)。
[実験例3]
実験例2を室温で10000分時効した銅合金を実験例3とした。実験例3に対しても、実験例1と同様の測定を行った。図14は、実験例3の合金箔の形状記憶特性の巨視観察結果であり、図14(a)が均質化処理後、図14(b)が曲げ変形時、図14(c)が加熱回復後の写真である。図15は、実験例3の合金箔の光学顕微鏡観察結果であり、図15(a)が均質化処理後、図15(b)が曲げ変形時、図15(c)が加熱回復後の写真である。図14(b)に示すように、実験例3を曲げ変形させると、永久歪みが残り、図14(c)に示すように、700℃(973K)で1分加熱する加熱処理を行うと、形状回復した。均質化処理後は、マルテンサイトが確認されなかったが(図15(a))、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された(図15(b))。また、加熱処理後に応力誘起マルテンサイトは消滅した(図15(c))。図16は、実験例3の各温度と弾性+加熱回復率との関係図である。図17は、実験例3の各温度と加熱回復率との関係図である。表2には、実験例3の測定結果をまとめた。実験例3では、弾性回復率は、80%であり、加熱処理すると500℃(773K)以上で大きく回復し(図17)、弾性+加熱回復率は93%に達した(図16)。図14、15に示すように、実験例3においても、弾性回復し、且つ加熱処理すると大きく回復した。即ち、常温で時効した場合でも、形状記憶特性は、維持されていることがわかった。
(考察)
実験例1では、形状記憶効果を示し、均質化処理後にはマルテンサイトが確認されなかったが、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された。また、加熱処理後にはマルテンサイトは消滅したことから、この形状記憶効果は応力誘起マルテンサイトによるものと思われる。しかし、この試料は均質化処理後も図8のような直径300μmの気泡が多数確認された。そのため、曲げ変形時に試料片がその気泡の部分から割れてしまった。この気泡は鋳造組織であり、鋳造組織の残存は溶解・鋳造がうまくいかなかったためである。そのため、作製したこの鋳塊では、形状回復率の正確な測定が困難であった。実験例2では、形状記憶効果を示し、均質化処理後にはマルテンサイトが確認されなかったが、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された。また、加熱処理後にはマルテンサイトは消滅しかけていた。これより、この形状記憶効果は応力誘起マルテンサイトによるものと思われる。試料の平均弾性回復率は、77%で、加熱すると500℃(773K)以上で大きく回復し、弾性+加熱回復率は、95%に達した。Cu−14at%Snに比して、弾性回復率が35%から77%へと上昇した。Mn添加により、転位によるすべり変形が抑制され、塑性変形が阻害されたのではないかと思われた。実験例3では、室温時効後も形状記憶効果を示し、均質化処理後はマルテンサイトが確認されなかったが、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された。また、加熱処理後に応力誘起マルテンサイトは消滅したことにより、この形状記憶効果が応力誘起マルテンサイトによるものと思われた。試料の平均弾性回復率は、80%で、加熱すると500℃(773K)以上で大きく回復し、弾性+加熱回復率は、93%に達した。Cu−14at%Snに比して、弾性回復率が35%から80%へと上昇した。Mn添加により、転位によるすべり変形が抑制され、塑性変形が阻害されたのではないかと思われた。
βCuSnの室温時効による形状記憶特性の変化はKennonが報告している。それは、「Snの室温拡散によりSn含有量の多いs相や、それが粗大化したL相が析出する」というSnの室温拡散と析出に関係すると思われる。s相やL相はSn含有量の多い相であるため、共析変態による生成物(γCuSn、δCuSn、εCuSnなど)である可能性もある。MnはβCuSnの安定化元素であり、Mnが固溶したことによりβCuSnが安定化し、共析変態を阻害したのではないかと推察された。図18は、CuSnMn系合金の三元系状態図(700℃(973K))である。図18に示すように、Cu−Sn−Mn状態図上でもMnを添加することでβCuSnが広い組成範囲で現れることも、MnがβCuSnの安定化元素である理由のひとつと考えられる。
図19は、実験例1のXRD測定結果である。実験例1の強度プロファイルを解析した結果、構成相は、βCuSnであった。即ち、ほぼ全ての相がβCuSnであった。また、この格子定数は、2.99Åであり、文献値である3.03Åに比べてやや小さかった。図20は、実験例2のXRD測定結果である。実験例2の強度プロファイルを解析した結果、構成相はβCuSnであった。即ち、ほぼ全ての相がβCuSnであった。また、この実験例2の格子定数も2.99Åであり、文献値3.03Åに比べてやや小さかった。図21は、実験例3のXRD測定結果である。実験例3の強度プロファイルを解析した結果、構成相はβCuSnであった。即ち、ほぼ全ての相がβCuSnであった。また、この実験例3の格子定数も2.99Åであり、文献値3.03Åに比べてやや小さく、実験例2との大きな違いは見られなかった。このため、Mnを固溶したCu−Sn−Mn系銅合金においては、時間経過後においてもβCuSnが安定に存在することがわかった。
実験例1の構成相は、βCuSnであった。この試料がわずかに形状記憶効果を示し、応力誘起マルテンサイトが発現するという結果は妥当であるといえる。なお、上記説明したように、試料の形状記憶効果がわずかしか得られないのは、鋳造に不備があったためか、鋳造組織(気泡)を多数含み、曲げ変形時に割れてしまうためである。また、文献値より格子定数が小さい原因を、試料組織がβCuSn(Cu85Sn15)に比べてずれがあることに関して考察する。Cu−14at%Sn−2.5at%Mnに含まれる14at%Snに釣り合うβCuSn(Cu85Sn15)のCu組織は、14/15×85=約79at%Cuであるため、Cu−14at%Sn−2.5at%MnはSnが少なく、Cu、Mnが多く固溶しているβCuSnであることを示す。Cu、Mnは、Snに比べて原子半径が小さい。よって、格子定数が小さいのは、βCuSn中にSnよりも原子半径の小さいCu、Mnが固溶したためであると考えられた。
実験例2の構成相は、βCuSnであった。この試料が形状記憶効果を示し、応力誘起マルテンサイトが発現するという結果は妥当であるといえる。また、文献値より格子定数が小さい原因を、試料組織がβCuSn(Cu85Sn15)に比べてずれがあることに関して考察する。Cu−13at%Sn−4.9at%Mnに含まれる13at%Snに釣り合うβCuSn(Cu85Sn15)のCu組織は、13/15×85=約74at%Cuであるため、Cu−13at%Sn−4.9at%MnはSnが少なく、Cu、Mnが多く固溶しているβCuSnであることを示す。Cu、Mnは、Snに比べて原子半径が小さい。よって、格子定数が小さいのは、βCuSn中にSnよりも原子半径の小さいCu、Mnが固溶したためであると考えられた。実験例3の構成相は、βCuSnであった。この試料が形状記憶効果を示し、応力誘起マルテンサイトが発現するという結果は妥当であるといえる。なお、実験例2と比べて大きな違いは見られなかった。
図22は、実験例2のTEM観察結果である。実験例2の電子回折パターンには、余分な翼状の回折斑点は確認されなかった。図23は、引張量を変えたときの実験例2の母相のTEM観察結果であり、図23(a)が引張量0mm、図23(b)が引張量0.1mm、図23(c)が引張量1.0mm、図23(d)が引張量25mmである。図23は、引張その場観察の結果である。図23(a)の母相の中央部分に着目する。図23(b)に示すように、引張量を加えると細かい応力誘起マルテンサイトが現れた。図23(c)、(d)に示すように、引張量を増やせば増やすほど応力誘起マルテンサイトは、バンド長が伸びていき、更に数を増やすことがわかった。図24は、実験例3のTEM観察結果である。実験例3では、電子回折パターンには余分な翼状の回折斑点は確認されなかった。実験例2では、電子回折パターンに余分な翼状の回折斑点がみられなかった。また、光学顕微鏡観察と同様に、応力誘起マルテンサイトが確認された。この応力誘起マルテンサイトが形状記憶効果の要因であると考えられた。実験例3の時効試料は、電子回折パターンに余分な翼状の回折斑点がみられなかった。これは、室温時効によるs相やL相の析出が起きないことを示す。この試料は、室温時効による形状記憶特性変化を示さない。以上の結果から、Mnは、Cu−Sn形状記憶合金において問題となる室温時効を阻害し、安定した形状記憶効果を発現する上で重要な意味を持つ添加元素であることがわかった。
上述したように、実験例2の構成相はβCuSnであった。また、実験例2,3共に、形状記憶効果を示した。試料の平均弾性回復率は、約80%で、加熱すると500℃(773K)以上で大きく回復し、弾性+加熱回復率は、90%以上に達した。Cu−14Snに比べて、弾性回復率が35%から約80%へと上昇した。Mn添加により、転位によるすべり変形が抑制され、弾性変形が阻害されたのではないかと思われた。室温時効による形状記憶特性変化を起こさないのは、MnがβCuSnの安定化元素であり、室温時効の原因であるs相やL相を析出させない可能性が考えられた。TEMによれば、このCuSnMn系合金では、他のCu−Snと異なり、s相やL相による余分な翼状の回折斑点がみられない。これは、室温時効によるs相やL相の析出が起きないことを示す。以上より、Mnは、Cu−Sn系形状記憶合金において問題となる室温時効を阻害し、安定した形状記憶効果を発現する上で重要な添加元素であると考えられた。
[実験例4〜8]
Cu−Sn−Mn系合金を作製し、更に形状記憶特性について検討した。表3に実験例4〜8のCu−Sn−Mn系合金の組成をまとめて示した。目標組成付近となるように原料である純Cu、純Sn、純Mnを秤量し、大気用高周波溶解炉でN2ガスまたはArガスを噴きかけながら溶融・金型鋳造をすることで試料を作製した。実験例5,6はN2ガス、実験例4、7、8はArガスを用いて溶解鋳造した。溶製された鋳造組織は、そのままであると凝固組織が残って不均一であるため、電気炉において700℃、24hの均質化処理を施した。その際、酸化防止のために試料を石英管内に真空封入した。さらに種々の試験の試料形状に加工した後、β相単相化するために過冷高温相化処理を施した。この際も酸化防止のために試料を石英管内に真空封入し、電気炉でそれぞれの温度で30分保持した後、それぞれ以下の方法(炉冷、水冷、油冷、空冷、−90℃メタノール焼き入れ)で冷却した。それぞれの冷却速度は、炉冷が0.1℃/秒、空冷が1℃/秒、油冷が10℃/秒、水冷が100℃/秒、−90℃メタノール焼き入れが100℃/秒程度と推定される。試料によってはその後、時効処理を施した。時効処理は、水冷後に室温で10000分の条件か、水冷後に200℃、30分間の条件で行った。
(曲げ試験)
合金鋳塊をファインカッタとマイクロカッタを用いて厚さ約0.3mmに切り出し、100〜2000番の耐水研摩紙を用いて回転研摩によって機械研磨し、厚さ0.15mmとした。曲げ試験試料は光学顕微鏡観察試料としても扱うため、アルミナ液(0.3μm)を用い、バフ研摩して鏡面を得てから、過冷高温相化処理を施した。熱処理後に希王水(蒸留水:塩酸:硝酸=8:1:1)によって化学エッチングを行った。熱処理を施した試料をR=0.75mm、曲げ角90°のW型ブロックをガイドとして用いて、押し曲げることによって曲げ変形を加えた。図25は、曲げ試験用Wブロックの写真である。試料の曲げ角度θ0(=90°)、除荷後の角度θ1、700℃で1分加熱処理した後の角度θ2を測定し、弾性回復率と弾性+加熱回復率を上記数式(1)及び数式(4)によって求めた。測定にはWブロック中央部による曲がり部分を用いた。
弾性+加熱回復率[%]=(1−θ2/θ0)×100 …(数式4)
(光学顕微鏡観察)
光学顕微鏡観察に用いる試料は、曲げ試験と同等のものを用いた。光学顕微鏡観察は、キーエンス製デジタルマイクロスコープVH−8000を用いた。本装置の拡大可能倍率は450〜3000倍だが、基本的に450倍で観察した。
(X線粉末回折測定)
測定試料、測定装置、測定条件及び解析方法は、上述した実験例1と同様とした。
(透過型電子顕微鏡(TEM)観察)
溶製した合金鋳塊をファインカッタとマイクロカッタで厚さ約0.3mmに切り出し、さらに回転研磨機・耐水研磨紙100〜800番で厚さ0.1mmまで機械研磨した。この薄膜試料を3mm四方のほぼ正方形に成形し、熱処理を施した後、以下の条件で電解研磨した。電解研磨液として希硫酸(蒸留水950mL、硫酸50mL、水酸化ナトリウム2g、硫酸鉄(II)15g)を用い、液温約5℃〜10℃で試料をジェット研磨した。ジェット電解研磨装置は、STRUERS社製テヌポールIII、Vを使用した。試料は、電解研磨後、直ちにTEM観察した。TEM観察は、日立H−800(サイドエントリ分析仕様)TEM(加速電圧175kV)を用いた。観察の際、結晶方位を100あるいは110晶帯からの入射になるように2軸試料傾斜機構を用いて調整した。露光時間は多くの場合約3秒前後である。多くの場合、観察は対物絞りを透過波に入れた明視野像である。
(示差熱分析(DTA))
合金鋳塊をファインカッタとマイクロカッタを用いて幅と長さと高さがそれぞれ約3mmの立方体になるように切り出し、240番の耐水研摩紙を用いて回転研摩によって機械研磨し、質量を約190mgとした。DTA測定は、セイコーインスツルメント製TG/DTA6200NとTG/DTA6300を用いて、室温から700℃まで20℃/分で昇温測定し、その後700℃から室温まで20℃/分で降温測定することで熱分析曲線を得た。測定中は酸化防止のため、窒素を流量400mL/分で流した。標準試料には純銅を用いた。
(結果と考察)
実験例4〜8の組成、弾性回復率RE(%)、弾性加熱回復率RE+T(%)、及びXRDで検出された結晶相をまとめて表4に示す。各実験例は、炉冷、空冷、油冷、水冷、−90℃焼き入れ、水冷後室温時効、水冷後200℃時効の試料に対してそれぞれ1〜7の下位番号を付けて区別する。即ち、実験例7の空冷品は実験例7−2、実験例7の水冷品は実験例7−4と称する。表4に示すように、Mnを添加せず水冷した実験例4−4では、弾性回復率が18%と低かった。また、水冷後、室温時効した実験例4−6では、弾性回復率が61%と大きく変化した。これに対して、Mnを添加した実験例5〜6では、主相がβCuSn相であり、40%以上の弾性回復率を示し、高い形状記憶特性を示した。また、実験例6〜8では、室温時効した前後で、回復率の大きな変化はみられず、結晶の安定性が高いことがわかった。実験例7では、空冷程度の冷却速度でも比較的高い形状記憶特性を示した。また、400℃以上に加熱したのち冷却する際に、この冷却速度が小さいと、α相やδ相、金属間化合物(Cu4MnSnなど)などが析出して単相になりにくくなり、脆くなって加工が難しくなった。これらの結果より、鋳造処理、均質化処理などの冷却速度は、油冷以上、例えば−50℃/秒よりも大きな冷却速度であることが好ましいと推察された。また、Mnの添加量は、多すぎると副相が析出することから、2.5at%以上8.3at%以下の範囲、より好ましくは7.5at%以下の範囲が良好であると推察された。
上記作製した銅合金の具体例として、実験例7の測定結果を示す。図26〜29は、実験例7−2〜5(空冷、油冷、水冷、−90℃冷却)の合金箔の光学顕微鏡観察結果である。各図の(a)が過冷高温相化処理後、(b)が曲げ変形時、(c)が加熱回復後の写真である。図30は、実験例7のTEM観察結果である。図31〜34は、実験例7−2〜4,6(空冷、油冷、水冷、水冷後室温時効)の銅合金のXRD測定結果である。図26に示すように、実験例7−2では、過冷高温相化処理後は、マルテンサイトが確認されなかったが(図26(a))、変形時に応力誘起マルテンサイトが観察された(図26(b))。また、加熱処理後に応力誘起マルテンサイトは消滅しかけていた(図26(c))。また、図27〜29についても同様の結果が得られた。実験例4〜8においても、実験例2と同様の結果が得られた。また、冷却速度の小さい実験例7−2(空冷)では、β相のほか、α相やδ相などが微量検出された。実験例7のその他の試料では、βCuSn相の単相であった。
図35は、実験例4、5、7のDTA測定結果である。図35に示すように、CuとSnの比率を一定にしながらMnの添加量を変化させた結果、昇温時にβ相が相分離する温度は、Mnの濃度が上がるにつれて上がっており、降温時にβ相の共析変態する温度がMnの濃度があがるにつれて下がっている。Mnの固溶量がより大きくなると、βCuSn相が安定に存在する温度域が広がる、即ち、βCuSn相が安定になることが明らかとなった。このことより、MnはβCuSn相の熱安定性を向上させることができるということがわかり、Mnを添加することで室温時効による特性の変化を防ぐことができるものと推察された。
この明細書は、米国において2016年3月25日に仮出願された62/313,228を引用することにより、それにおいて開示された明細書、図面、クレームの内容のすべてが組み込まれている。
本明細書で開示する発明は、銅合金に関連する分野に利用可能である。

Claims (16)

  1. 基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)であり、Mnが固溶したβCuSn相を主相とし、該βCuSn相が熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態する、銅合金。
  2. 融点以下の温度で形状記憶効果及び超弾性効果のうち1以上を有する、請求項1に記載の銅合金。
  3. 平板状の前記銅合金を曲げ角度θ0で曲げたのち、除荷したときの角度θにより求められる弾性回復率(%)が40%以上である、請求項1又は2に記載の銅合金。
  4. 平板状の前記銅合金を曲げ角度θ0で曲げたのち、βCuSn相に基づいて定められる所定の回復温度に加熱したときの角度θにより求められる加熱回復率(%)が40%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金。
  5. 平板状の前記銅合金を曲げ角度θ0で曲げたのち除荷したときの角度θ1、更にβCuSn相に基づいて定められる所定の回復温度に加熱したときの角度θ2より求められる弾性加熱回復率(%)が45%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅合金。
  6. 表面観察において、前記βCuSn相が面積比で50%以上100%以下の範囲で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅合金。
  7. 多結晶又は単結晶からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅合金。
  8. 鋳造材が均質化された均質化材である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅合金。
  9. 熱処理あるいは加工によりマルテンサイト変態する銅合金の製造方法であって、
    CuとSnとMnとを含み基本合金組成がCu100-(x+y)SnxMny(但し8≦x≦16、2≦y≦10を満たす)となる原料を溶解鋳造し鋳造材を得る鋳造工程と、
    前記鋳造材をβCuSn相の温度域内で均質化処理し均質化材を得る均質化工程と、のうち少なくとも前記鋳造工程を含む、銅合金の製造方法。
  10. 前記鋳造工程では、750℃以上1300℃以下の温度範囲で前記原料を溶解し、800℃〜400℃の間を−50℃/s〜−500℃/sの冷却速度で冷却する、請求項9に記載の銅合金の製造方法。
  11. 前記均質化工程では、600℃以上850℃以下の温度範囲で保持したのち−50℃/s〜−500℃/sの冷却速度で冷却する、請求項9又は10に記載の銅合金の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法であって、
    前記鋳造材及び前記均質化材のうち1以上に対して、板状、箔状、棒状、線状及び所定形状のうちいずれか1以上に冷間加工又は熱間加工する1以上の加工工程、を更に含む、銅合金の製造方法。
  13. 前記加工工程では、500℃以上700℃以下の温度範囲で熱間加工を行い、その後−50℃/s〜−500℃/sの冷却速度で冷却する、請求項12に記載の銅合金の製造方法。
  14. 前記加工工程では、せん断変形の発生を抑制する方法により、断面減少率が50%以下で加工する、請求項12又は13に記載の銅合金の製造方法。
  15. 請求項9〜14のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法であって、
    前記鋳造材及び前記均質化材のうち1以上に対して、時効硬化処理または規則化処理を行い時効硬化材または規則化材を得る時効または規則化工程、を更に含む、銅合金の製造方法。
  16. 前記時効工程では、100℃以上400℃以下の温度範囲、0.5h以上24h以下の時間範囲で前記時効硬化処理または規則化処理を行う、請求項15に記載の銅合金の製造方法。
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