JPWO2017164020A1 - 中空糸膜モジュール、浄水器用カートリッジおよび浄水器 - Google Patents

中空糸膜モジュール、浄水器用カートリッジおよび浄水器 Download PDF

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Abstract

本発明の中空糸膜モジュールは、疎水性高分子および親水性高分子を含む中空糸膜を複数本束ねたU字状中空糸膜束が筒状ケースに充填され、前記中空糸膜束の開口端部がポッティング材により筒状ケースの開口部に固定されており、中空糸膜の外径が350μm以下であり、筒状ケースの軸方向に垂直である断面の断面積が最も小さくなる箇所の断面積をS、中空糸膜の外周長をL、筒状ケースに充填された中空糸膜の本数をNとした時に、(2N×L)/Sが6.2以上であり、粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が99.9%以上である。

Description

本発明は、中空糸膜モジュール、浄水器用カートリッジおよび浄水器に関する。
近年、家庭において水道水を浄化する浄水器が広く利用されており、水道水を浄化するための各種ろ材が収容された浄水カートリッジが使用されている。ろ材としては、水道水中の遊離残留塩素、カビ臭、トリハロメタン、鉛などの重金属イオンなどを除去する活性炭やイオン交換体と、水道水中の濁質成分、細菌類などを除去する中空糸膜とが一般的に使用されている。浄水器は蛇口に取り付けるタイプ、水栓本体のシャワーヘッドに内蔵されるタイプ、シンクの下に設置されるタイプ等、様々な形態で用いられるが、いずれの形態も、キッチンのスペースに限りがあるため、カートリッジサイズに制約があり、コンパクトな製品形態が好まれる。
特許文献1には、水栓本体内に取り付けて使用するタイプの浄水器カートリッジ内の繊維状活性炭部と中空糸膜部の容積比率を規定することで、目的とする物質の除去寿命をバランスよく設定できるという記載がある。
特許文献2には、浄水器用途として目詰まりしにくい高寿命な膜構造を有することが有効であるとして、複合化中空糸膜を適用した事例が開示されている。また、特許文献2には、ポリエチレンの溶融賦形物を延伸開孔させ、疎水性の中空糸膜を得た後、親水性共重合体溶液中に浸漬し、親水性中空糸膜とする方法が記載されている。
特許文献3には、非対称構造を持つ高性能な精密ろ過膜を用いた中空糸膜モジュールが開示されており、浄水器用途で重要となる粒子径が0.1μmや0.2μmの粒子の除去率の記載がある。
日本国特開2005−768号公報 日本国特開平11−262764号公報 日本国特開2009−285547号公報
しかしながら、特許文献1に開示された浄水器カートリッジにおいては、この浄水器カートリッジに使用される中空糸膜の性能によっては、浄水器用カートリッジの寿命が短いものになるとの課題がある。また、特許文献2に開示された複合化中空糸膜においては、中空糸膜の複合化に伴い、中空糸膜の膜厚が太くなることで、中空糸膜の外径も大きくなり、コンパクトなスペースの中で十分な膜面積を有することが難しく、上記の中空糸膜を用いた浄水器用カートリッジの寿命が短いものとなるとの課題がある。また、特許文献2に開示された複合化中空糸膜において、この中空糸膜を親水化する場合には、疎水性である上記の中空糸膜に親水性高分子を被覆する必要がある。しかし、上記の親水性高分子を含む親水化剤は粘度が高いため、浄水器用カートリッジの寿命を長期化すべく中空糸膜の外径を小さくし、中空糸膜束における、この中空糸膜の密度を高くすると、上記の中空糸膜束の親水化処理により、中空糸膜同士が密着してしまい、中空糸膜束の密着部分が有効利用されず、上記の中空糸膜を用いた浄水器用カートリッジの寿命が短いものとなるとの課題は解消されない。また、特許文献3に開示された中空糸膜モジュールにおいては、この中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜の外径や透水性能等によっては、上記の中空糸膜を用いた浄水器用カートリッジの寿命が短いものとなるとの課題がある。
そこで、本発明は、浄水器に必要な分画性能(0.3μm以上の粒子の除去性能)を満たしつつ、中空糸膜モジュールを小型化しても十分な中空糸膜の膜面積を有する中空糸膜モジュールを提供し、この中空糸膜モジュールを搭載する浄水器用カートリッジの長寿命化を達成することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は次の(1)〜(8)で構成される。
(1)疎水性高分子および親水性高分子を含む中空糸膜を複数本束ねたU字状中空糸膜束が筒状ケースに充填され、前記中空糸膜束の開口端部がポッティング材により前記筒状ケースの開口部に固定された中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜の外径が350μm以下であり、前記筒状ケースの軸方向に垂直である断面の断面積が最も小さくなる箇所の断面積をS、前記中空糸膜の外周長をL、前記筒状ケースに充填された前記中空糸膜の本数をNとした時に、(2N×L)/Sが6.2以上であり、粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が99.9%以上である、中空糸膜モジュール。
(2)前記中空糸膜の内径と前記中空糸膜の外径との比(内径/外径)が0.67以下である、前記(1)に記載の中空糸膜モジュール。
(3)前記筒状ケースの内側空間に対する中空糸膜充填率が60%以下である、前記(1)または(2)に記載の中空糸膜モジュール。
(4)前記中空糸膜の透水性能が30ml/Pa/hr/m以上である、前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュール。
(5)前記疎水性高分子がポリスルホン系高分子である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュール。
(6)前記親水性高分子がポリビニルピロリドンを含む、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュール。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュールを搭載した、浄水器用カートリッジ。
(8)前記(7)に記載の浄水器用カートリッジを備えた、浄水器。
本発明によれば、浄水器に必要な分画性能(0.3μm以上の粒子の除去性能)を満たしつつ中空糸膜モジュールを小型化しても十分な膜面積を有する中空糸膜モジュールを提供することができ、この中空糸膜モジュールを搭載する浄水器用カートリッジの長寿命化を達成することができる。また、本中空糸膜モジュールは浄水器用カートリッジのみならず、大きなサイズの水処理用モジュールにも用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
尚、本明細書において、「質量」は「重量」と同義である。
本発明の中空糸膜モジュールに用いる中空糸膜は、例えば、非溶媒誘起相分離法にて、二重環ノズルを用いて液体注入法で非対称構造の中空糸膜を製造する方法であって、二重環ノズルの外周スリット部に製膜原液を、中心パイプに非凝固性等の液体を注入して、中空糸膜の中空形状を形成する方法などにより得ることができる。また、上記の方法において、製膜原液は、例えば、非凝固性等の液体とともに二重環ノズルから吐出され、所定の区間を空走した後、下流側に設けられている凝固浴に導かれる。そして、製膜原液は凝固浴によって中空形状に凝固し中空糸膜となる。そしてこの中空糸膜は水洗され、その後かせに巻き取られる。
上記の中空糸膜は疎水性高分子を含み、この疎水性高分子は中空糸膜の基材を構成する。そして、上記の疎水性高分子には、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレートなどのポリスルホン系高分子を用いることが好適であり、ポリスルホンがより好適に用いられる。また、ポリビニリデンフルオリドなどのフッ素系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミドなどを有するものも適宜選択することができる。
ここで、製膜原液には、ポリスルホン系ポリマー等の中空糸膜構成成分が溶解されている。ポリマーを溶解する溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン等、多種の溶媒が用いられるが、特にジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンが望ましく、製膜原液の粘度や注入液体の凝固性に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明の中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜には親水性高分子が含まれることが重要である。その理由としては、中空糸膜の表面に親水性を付与することができ、その透水性能を向上させることができ、さらに濁質が中空糸膜へ付着し中空糸膜が有する微孔が目詰まりすることも抑制できるためである。上記の効果を十分に得ることができる観点から、親水性高分子の含有量は、中空糸膜全体の質量に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方で、中空糸膜中の親水性高分子の含有量が多いと、親水性高分子自体が水を保持するため、逆に透過抵抗となり中空糸膜の透水性能が低下する。そのため、親水性高分子の質量は、中空糸膜全体の質量に対して20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
ここで、上記の親水性高分子とは、水溶性の高分子化合物または非水溶性であっても静電相互作用や水素結合により水分子と相互作用する高分子化合物をいう。具体的には、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドのようなポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(以下、「PVP」と言う。)、ポリ酢酸ビニル、ポリジメチルメトキシアクリレート、ポリジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドンとアクリル酸とのコポリマー、酢酸ビニルとビニルピロリドンとのコポリマーなどのノニオン性親水性高分子、ポリアクリル酸、ポリビニル硫酸、カルボキシメチルセルロースなどのアニオン性親水性高分子、ポリアリルアミン、ポリリジン、キトサン、ポリ[メタクリル酸{2(ジメチルアミノ)エチル}]などのカチオン性親水性高分子を、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルジメチルアンモニオプロピオナートなどの双イオン性親水性高分子を挙げることができる。なお、中空糸膜に含まれる親水性高分子は2種類以上であっても構わない。特に濁質の付着抑制という観点からは、ノニオン性親水性高分子、双イオン性親水性高分子が好適に用いられる。ポリスルホン系樹脂との親和性を考慮すると、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールを含むことがより好ましく、ポリビニルピロリドンを含むことが特に好ましい。また、浄水器用途として使用する場合に、中空糸膜からの親水性高分子の溶出が少ないことが安全性の面から望ましく、ポリビニルピロリドンを単独で用いることも好適である。
本発明の中空糸膜モジュールに用いる中空糸膜は、紡糸原液の組成および注入液組成、口金から紡糸原液、注入液を吐出させる際の吐出量、吐出後の乾式部の冷風の露点・温度、冷風速度、紡糸原液吐出時のドラフト比、凝固浴温度などを制御することにより得られる。その後、複数本の中空糸膜を束ねることで中空糸膜束となり、水洗条件、脱液条件、乾燥条件を制御することにより、中空糸膜モジュールに用いた際に、この中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率を99.9%以上とすることができる良質な中空糸膜束となる。そして、上記の方法で得られた中空糸膜束をU字状に折り、ポリウレタン樹脂等のポッティング材で中空糸膜束開口部を筒状ケースに接着固定することで、中空糸膜モジュールが得られる。
浄水器用の中空糸膜モジュールは、細菌のサイズ以上の濁質の除去性能を有することが必須要件である。よって、本発明の中空糸膜モジュールは粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が99.9%以上であることが重要である。また、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率を99.9%以上とするためには、中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜の破損が極めて高度に抑制されていることが重要となる。
ここで、親水性高分子を含有する中空糸膜の外径を350μm以下と極めて小さくし、この中空糸膜が高密度で存在する中空糸膜束とすると、上記の水洗の後、主に中空糸膜同士の間に親水性高分子が過剰に残る場合があり、この状態で中空糸膜束の乾燥を行うと、中空糸膜の外表面付近で水が凝集することで不溶化親水性高分子が偏在することとなり、中空糸膜同士が接着する箇所が生じ、中空糸膜束が剛直する場合がある。中空糸膜束が剛直となると、モジュール化での中空糸膜束加工性が悪化する傾向を示すだけでなく、中空糸膜束のしなやかさが失われることで、特にU字状の中空糸膜束の頂点部分に配される中空糸膜部分に亀裂が入り、中空糸膜束が破損する傾向が見られる。そして、中空糸膜束が破損すると粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が99.9%未満となる。
特に中空糸膜を細径化し、中空糸膜束に含まれる中空糸膜の密度が上がると、この傾向が顕著となる。上記の観点から中空糸膜束の不溶性親水性高分子の含有率(以下、中空糸膜束の不溶化親水性高分子率と言うことがある。)は中空糸膜束に含まれる全親水性高分子質量に対し、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。不溶性親水性高分子量が少なすぎると、中空糸膜の透水性能が低下するため、中空糸膜束の不溶性親水性高分子の含有率は5%以上であることが好ましく、さらには10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。
なお、不溶化親水性高分子率は以下のように求めることができる。乾燥後の中空糸膜束を溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)溶液に入れ、撹拌後、吸引ろ過を行い、残渣の乾燥固体質量を不溶化親水性高分子質量(uC)として測定する。不溶化親水性高分子率は、不溶化親水性高分子質量(uC)を中空糸膜束中の全親水性高分子質量(wC)で除することで、式(1)より計算する。
不溶化親水性高分子率(%)=100×uC/wC (1)
また、中空糸膜束の不溶性親水性高分子の含有率を上記の範囲とする手段としては、凝固浴にて構造形成された中空糸膜を、巻取り工程前に設けられた水洗浴にて洗浄したり、中空糸膜を巻取り、中空糸膜を糸束化した後、オフラインで中空糸膜束を洗浄することが挙げられる。また、両者の洗浄を適宜組み合わせて実施することがより好ましい。中空糸膜の洗浄は水やアルコール等の水溶性成分の溶媒を用いることが好ましく、80℃以上の高温の液で洗浄すると洗浄効率がよく、好ましい。
中空糸膜の洗浄後は、保管中の品質保持と取扱い性の面から、中空糸膜束を乾燥させておくことが好ましい。この時、乾燥温度は60℃以上であることが好ましく、140℃未満であることが好ましい。60℃未満の乾燥温度では、乾燥速度が遅くなるため、中空糸膜束の製造効率が悪い。140℃以上の乾燥温度では、乾燥速度が速すぎることで、糸束内の乾燥斑が生じ、中空糸膜束が剛直してしまう場合がある。
また、乾燥斑を生じさせない手段として、高温での乾燥前に遠心脱液したり、送風乾燥すること等が挙げられる。
本発明の中空糸膜の透水性能としては、30ml/Pa/hr/m以上であることが好ましく、さらには35ml/Pa/hr/m以上であることが好ましく、40ml/Pa/hr/m以上であることがより好ましい。また、中空糸膜の透水性能の上限については特に限定はしないが、透水性能が高すぎると、分画性能が低下するおそれがあることから、中空糸膜の透水性能の上限は120ml/Pa/hr/m未満であることが好ましく、さらには100ml/Pa/hr/m未満であることが好ましい。
中空糸膜の分画特性としては、粒子径0.2μm粒子の除去率が80%以上であることが好ましく、さらには90%以上であることが好ましい。また、原水中の細菌を除去する必要がある観点から、粒子径0.3μm以上の粒子の除去率は99.9%以上であることが必須である。
得られた中空糸膜を複数本束ねてU字状にした糸束を筒状ケースに挿入し、中空糸膜束の開口端部をポッティング材で筒状ケースの開口部に固定して中空糸膜モジュールとする。中空糸膜モジュールをカートリッジケースへ挿入し、活性炭等の吸着剤やイオン交換体を充填することで、一般的な水道水に含まれることのある人体に不要な物質の除去が可能な浄水器用カートリッジにすることができる。
浄水器用カートリッジ化した際の製品寿命の観点からは、中空糸膜の外径が小さいことが好ましい。一方で、ろ過流量の観点からは、中空糸膜の内径は大きく、中空糸膜の膜厚は薄いほうが好ましい。また、糸強度の観点からは、中空糸膜の外径が大きく、中空糸膜の内径は小さく、中空糸膜の膜厚は厚いほうが好ましい。これらを両立させるために、中空糸膜の外径は、350μm以下であることが重要で、330μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることが特に好ましい。一方で、上記の観点から中空糸膜の外径は、190μm以上であることが好ましく、220μm以上であることがより好ましく、260μm以上であることが特に好ましい。中空糸膜の内径は、150μm以上であることが好ましく、155μm以上であることがより好ましく、160μm以上であることが特に好ましい。一方で、上記の観点から中空糸膜の内径は、220μm以下であることが好ましく、210μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることが特に好ましい。
また、中空糸膜の膜厚は90μm以下であることが好ましく、85μm以下であることがより好ましい。一方で、中空糸膜の膜厚が30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。
外径が350μm以下の細径中空糸膜束をU字化し、筒状ケースに挿入する際は、膜厚が小さい、つまり中空糸膜の内径/外径比が大きいと、U字化時に中空部が潰れ、中空糸膜が損傷し、除去すべき濁質やバクテリア等が浄水中に漏洩してしまう恐れがある。このことから、外径が350μm以下の中空糸膜の内径/外径は0.67以下であることが好ましい。より好ましくは0.61以下であり、さらに好ましくは0.6以下である。
決まった容量の中空糸膜モジュールの筒状ケースで製品寿命を延ばす手段として、単純に筒状ケースの内側空間に対する中空糸膜の充填率を上げるとよい。その一方で、60%以下の充填率とすると、原水が中空糸膜束全体に浸透せず、中空糸膜束の奥部の中空糸膜部分が有効利用されない事態が発生するのを抑制でき、好ましい。また、60%以下の充填率とすると、U字状にした糸束を筒状ケースに挿入する際の操作性が向上する観点からも好ましい。ここで、充填率は、筒状ケースの中で最も面積の小さい断面で計算する。筒状ケースは、内径がその長手方向に沿って拡径又は縮径するものが用いられる場合がある。よって、本発明において、中空糸膜の充填率は内筒ケースの軸方向に垂直である断面の断面積が最も小さくなる箇所の断面積(S)について求める。充填率は、中空糸膜断面積(A)と中空糸膜本数の2倍値の積算値を筒状ケース断面積(S)で除した式(2)で表される。中空糸膜断面積は、中空糸膜の中空部は無視して計算する。
充填率(%)=100×[糸本数×2]×A/S (2)
中空糸膜は同心円状の二重環形状が好適な形態となるが、特に外周側は必ずしも円形である必要はなく、外表面上に突起を有したものや、多角形状であってもよい。
筒状ケース内に中空糸膜の膜面積を多くとること、すなわち、高密度の中空糸膜を有する中空糸膜束を筒状ケース内に収容し中空糸膜モジュールとすることが、この中空糸膜モジュールを用いた浄水器用カートリッジの製品寿命を伸ばすという観点で重要である。膜面積は、中空糸膜の外周長、中空糸膜本数、中空糸膜モジュール内の中空糸膜の有効長の積で表されるが、上記の有効長は筒状ケースのサイズに起因するため、筒状ケースの単位断面積あたり、[中空糸膜の外周長(L)]と[中空糸膜本数(N)×2]の積算値を如何に大きくとれるかが製品寿命を伸ばす上で重要である。なお、上記したように、筒状ケースの断面積は、筒状ケースの軸方向に垂直である断面の断面積が最も小さくなる箇所の断面積である。本発明において、(2N×L)/Sが6.2以上であることが重要であり、6.5以上が好ましく、6.8以上がより好ましく、7.0以上が特に好ましい。また、(2N×L)/Sの上限は特に限定されないが、糸強度の観点から中空糸膜の好適な外径が260μm以上、好適な充填率が60%以下であることから、9.3以下であることが好ましい。なお、中空糸膜の外周長(L)は実施例に記載の測定方法にて算出するものである。
筒状ケース内に中空糸膜の膜面積を多くとるには、上記したように、中空糸膜の外径を350μm以下とすることが重要である。好ましくは330μm以下であり、より好ましくは300μm以下である。
また、本発明の中空糸膜モジュールは中空糸膜モジュールおよび活性炭を備える浄水器用カートリッジに好適に用いることができ、この浄水器用カートリッジは浄水器用カートリッジおよび流路切替器を備える浄水器に好適に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(1)中空糸膜外径、内径および中空糸膜の外周長
中空糸膜を長手方向に対して垂直に刃で切断し、断面を露出させ、露出した断面の外径、内径をマイクロウォッチャー(KEYENCE社製、VH−Z100)の1000倍レンズで測定した。外径、内径はいずれも5点の平均値とした。中空糸膜の外周長Lは、外径(平均値)×πで計算した。
(2)透水性能
両端に還流液用の孔を備えた管形状のケースに中空糸膜を挿入し、コニシ(株)製エポキシ樹脂系化学反応形接着剤“クイックメンダー(登録商標)”でケースの両端部に中空糸膜を接着固定して、両端部をカットして開口することによって、有効長12cmの小型中空糸膜モジュールを作製した。次に、中空糸膜の内側に37℃の水を水圧をかけて供給し、中空糸膜の外側から透過して流出してくる単位時間当たりの水の量を測定し、以下の式により透水性能を算出した。
透水性能(mL/hr/Pa/m)=Q/(T×P×A)
Q : 中空糸膜の外側から流出した水の量(mL)
T : 水圧をかけた時間(hr)
P : 水圧(Pa)
A : 中空糸膜の有効面積(m
(3)中空糸膜束の不溶化親水性高分子率の測定
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)溶液50mlを入れたバイアル瓶に中空糸膜束1gを入れ、撹拌後、吸引ろ過を行った。ろ紙上の残渣を60℃で5時間、真空乾燥を行い、乾燥した固体質量を不溶化親水性高分子質量(uC)として測定した。不溶化親水性高分子率は次式(1)より計算した。なお、wCは、中空糸膜束に含まれる全親水性高分子質量である。
不溶化親水性高分子率(%)=100×uC/wC (1)
(4)粒子径0.3μm以上の粒子の除去率
中空糸膜束をU字状に折り曲げ、筒状ケース内に挿入し、中空糸膜の開口側を接着固定したモジュールを作製し、パーティクルカウンタ(Hach社製A2400)を用いて、中空糸膜モジュール開口端側から流量28.3L/分で吸引した。測定粒子径0.3μm以上の設定とし、28.3L/分での吸引時の大気中の粒子数が10000個以上となるように測定環境を調整し、開口端側から排出される粒子数をカウントし、除去率を算出した。
(5)中空糸膜モジュールろ過流量
中空糸膜モジュールの非開口側に原水供給可能となるようにチューブを接続し、20℃の水を0.1MPaで供給し、中空糸膜を透過して流出してくる単位時間あたりの水の量を測定し、単位時間あたりの中空糸膜モジュールろ過流量(L/min)を算出した。
(6)浄水器カートリッジ濁りろ過能力
作製した中空糸膜モジュール上流側に活性炭を配し、カートリッジ化した後、JIS S 3201:2004(家庭用浄水器試験方法)に示される方法に沿って実施した。初期流量は2.0L/minと設定した。
[実施例1]
ポリビニルピロリドン(PVP)(ISP社製K90)7質量部とN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)75質量部と水3.0質量部とポリスルホン(ソルベイ社製ユーデルポリスルホン(登録商標)P−3500)15質量部を溶解することで得た製膜原液を二重環口金の環状スリットから吐出した。注入液体としてDMAc55質量部とPVP(BASF社製K30、重量平均分子量4万)30質量部とグリセリン15質量部を溶解した液体を中心パイプより吐出した。乾式部に冷風筒を設置し、製膜原液の両側から冷風を供給しながら所定の乾式長を通過させ、90部の水及び10部のDMAcからなる混合溶液を入れた85℃の凝固浴に浸漬して凝固させた後、水洗工程を経てかせに巻き取り、湿潤状態の中空糸膜を得た。巻き取られた中空糸膜は、外径300μm、内径180μm、膜厚60μmであった。
得られた中空糸膜束を長手方向に30cmに切断し、85℃で1時間熱水洗浄した。乾熱乾燥器内において100℃で10時間乾燥し、熱処理することで乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1728本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は52.2%、得られた中空糸膜の膜面積は0.099m、(2N×L)/Sは6.97であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールろ過流量、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率、浄水器カートリッジ濁りろ過能力等の各種性能について、表1および2に示す。
[実施例2]
原液および注入液吐出量を調整し、実施例1と同じ方法で外径330μm、膜厚65μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を実施例1と同じ方法で処理することで、乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1428本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は52.2%、得られた中空糸膜の膜面積は0.090m、(2N×L)/Sは6.33であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率、中空糸膜モジュールろ過流量について、表1および2に示す。
[実施例3]
実施例1と同じ方法で調製した製膜原液を二重環口金の環状スリットから吐出した。注入液体としてDMAc55質量部とポリビニルピロリドン(BASF社製K30、重量平均分子量4万)30質量部とグリセリン15質量部を溶解した液体を中心パイプより吐出した。乾式部に冷風筒を設置し、製膜原液の片側から冷風を供給しながら所定の乾式長を通過させ、90部の水及び10部のDMAcからなる混合溶液を入れた凝固浴に浸漬して凝固させた後、水洗工程を経てかせに巻き取り、湿潤状態の中空糸膜を得た。巻き取られた中空糸膜は、外径300μm、膜厚60μmであった。
得られた中空糸膜束を長手方向に30cmに切断し、90℃で2時間熱水洗浄した。乾熱乾燥器内において100℃で10時間乾燥し、熱処理することで乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1728本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は52.2%、得られた中空糸膜の膜面積は0.099m、(2N×L)/Sは6.97であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールろ過流量、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率について、表1および2に示す。
[実施例4]
原液および注入液吐出量を調整し、実施例1と同じ方法で外径300μm、膜厚60μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を実施例1と同じ方法で処理することで、乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1824本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は55.1%、得られた中空糸膜の膜面積は0.105m、(2N×L)/Sは7.35であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールろ過流量、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率について、表1および2に示す。
[実施例5]
原液および注入液吐出量を調整し、実施例1と同じ方法で外径300μm、膜厚52μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を実施例1と同じ方法で処理することで、乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1728本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は52.2%、得られた中空糸膜の膜面積は0.099m、(2N×L)/Sは6.97であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールろ過流量、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率について、表1および2に示す。
[比較例1]
原液および注入液吐出量を調整し、実施例1と同じ方法で外径360μm、膜厚70μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を実施例1と同じ方法で処理することで、乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1200本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は52.2%、得られた中空糸膜の膜面積は0.083m、(2N×L)/Sは5.80であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールろ過流量、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率、浄水器カートリッジ濁りろ過能力等の各種性能について、表1および2に示す。
[比較例2]
原液および注入液吐出量を調整し、実施例1と同じ方法で外径360μm、膜厚70μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を実施例1と同じ方法で処理することで、乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1400本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は61.0%、得られた中空糸膜の膜面積は0.097m、(2N×L)/Sは6.77であった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールろ過流量、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率、浄水器カートリッジ濁りろ過能力等の各種性能について、表1および2に示す。
[比較例3]
実施例1と同じ方法で外径300μm、膜厚60μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を長手方向に30cmに切断し、90℃で2時間熱水洗浄した後、乾熱乾燥器内において160℃で5時間乾燥し、熱処理することで乾燥状態の中空糸膜束を得た。
(2N×L)/Sを6.97とすべく、上記中空糸膜1728本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入を試みたが、中空糸膜束が極めて剛直であったため、挿入できなかった。すなわち、U字状の中空糸膜束が筒状ケース内に充填された中空糸膜であって、その(2N×L)/Sが6.97であるものを作製することはできなかった。中空糸膜透水性能について、表1に示す。
[比較例4]
実施例1と同じ方法で外径300μm、膜厚60μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を長手方向に30cmに切断し、90℃で2時間熱水洗浄した。乾熱乾燥器内において160℃で5時間乾燥し、熱処理することで乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1680本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入したが、中空糸膜束頂点部分で中空糸膜が一部破損し、粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が82%の中空糸膜モジュールとなった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率について、表1および2に示す。
[比較例5]
ポリスルホン(ソルベイ社製ユーデルポリスルホン(登録商標)P−3500)16質量部とポリビニルピロリドン(ISP社製K30)3質量部とポリビニルピロリドン(ISP社K90)3質量部とジメチルアセトアミド77質量部と水1質量部を加熱溶解し、得られた製膜原液を二重環口金の環状スリットから吐出した。注入液体としてDMAc65質量部、水35質量部からなる注入液体を二重環口金の中心パイプから吐出した。乾式部を通過させ、90部の水及び10部のDMAcからなる混合溶液を入れた70℃の凝固浴に浸漬して凝固させた後、水洗工程を経てかせに巻き取り、湿潤状態の中空糸膜を得た。巻き取られた中空糸膜は、外径280μm、膜厚40μmであった。
得られた中空糸膜束を長手方向に30cmに切断し、90℃で2時間熱水洗浄した。乾熱乾燥器内において100℃で10時間乾燥し、熱処理することで乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜1932本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、ポリウレタン樹脂で開口部を固定し、中空糸膜モジュールとした。
充填率は52.2%であったが、中空糸膜束のU字頂点部分が折れ、粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が88.5%の中空糸膜モジュールとなった。中空糸膜透水性能、中空糸膜モジュールの粒子径0.3μm以上の粒子の除去率について、表1および2に示す。
[比較例6]
原液および注入液吐出量を調整し、実施例1と同じ方法で外径300μm、膜厚60μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜束を実施例1と同じ方法で処理することで、乾燥状態の中空糸膜束を得た。
上記中空糸膜2016本を水で濡らしたうえでU字状に曲げ、再び乾燥させた。この乾燥状態のU字状の中空糸膜束を筒状ケース(内径24.4mm、長さ56mm)内に挿入し、中空糸膜モジュール作製を試みたが、充填率が高すぎたため、挿入時に中空糸膜が切れ、良品モジュールが作製できなかった。中空糸膜透水性能について、表1に示す。
Figure 2017164020
Figure 2017164020
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2016年3月22日出願の日本特許出願(特願2016−056696)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (8)

  1. 疎水性高分子および親水性高分子を含む中空糸膜を複数本束ねたU字状中空糸膜束が筒状ケースに充填され、前記中空糸膜束の開口端部がポッティング材により前記筒状ケースの開口部に固定された中空糸膜モジュールであって、
    前記中空糸膜の外径が350μm以下であり、
    前記筒状ケースの軸方向に垂直である断面の断面積が最も小さくなる箇所の断面積をS、前記中空糸膜の外周長をL、前記筒状ケースに充填された前記中空糸膜の本数をNとした時に、(2N×L)/Sが6.2以上であり、
    粒子径0.3μm以上の粒子の除去率が99.9%以上である、中空糸膜モジュール。
  2. 前記中空糸膜の内径と前記中空糸膜の外径との比(内径/外径)が0.67以下である、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記筒状ケースの内側空間に対する中空糸膜充填率が60%以下である、請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記中空糸膜の透水性能が30ml/Pa/hr/m以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 前記疎水性高分子がポリスルホン系高分子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  6. 前記親水性高分子がポリビニルピロリドンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュールを搭載した、浄水器用カートリッジ。
  8. 請求項7に記載の浄水器用カートリッジを備えた、浄水器。
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