JPWO2017158938A1 - 熱交換システムおよび熱交換システムのスケール抑制方法 - Google Patents

熱交換システムおよび熱交換システムのスケール抑制方法 Download PDF

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Abstract

熱交換システムは、第1の液体が循環する環状の第1の循環回路と、第2の液体が循環する環状の第2の循環回路と、第1の液体と第2の液体との間で熱交換を行う熱交換器と、第2の液体の一部を加圧して保持する圧力保持部と、熱交換器の第2の液体の流入側に設けられ、熱交換器に流入する第2の液体を、第2の循環回路と圧力保持部との間で切り替える開閉機構部と、圧力保持部に保持された第2の液体に対する加圧量、および開閉機構部の切り替えを制御する制御部とを備える。

Description

本発明は、シャワー等に利用される水などの被加熱液体を加熱する熱交換システムおよび熱交換システムのスケール抑制方法に関するものである。
浴室や台所に温水を供給する給湯器は、例えば、電気給湯器、ガスボイラー等のガス給湯器、石油給湯器などに大別され、このような給湯器においては、熱を水に伝えるための熱交換器が設けられている。最近では、特に、省エネルギー性および地球温暖化対策のために二酸化炭素を削減する観点から、電気給湯器の中でも、ヒートポンプ熱交換式の電気給湯器であるヒートポンプ給湯器が注目されている。
このようなヒートポンプ給湯器は、大気の熱を熱媒体に移し、その熱を用いることでお湯を沸かすものである。より具体的に、ヒートポンプ給湯器の原理は、熱媒体を気体状に圧縮した際に発生する熱を熱交換器によって水に移し、その熱媒体を膨張させた際に発生する冷気により、熱媒体の温度を再び大気温まで戻す冷熱サイクルによるものである。
ここで、理論上は、給湯器を運転させるために投入されたエネルギー以上の熱エネルギーを取り出すことはできない。しかしながら、このような冷熱サイクルを利用したヒートポンプ給湯器は、大気の熱を利用する仕組みであるため、給湯器の運転に要するエネルギーよりも多くの熱エネルギーを利用することができる。
ところで、熱交換器は、内部を流れる熱媒体と表面を流れる水などの流体との間で熱交換を行う。そのため、伝熱面である熱交換器の表面を常に清浄な状態に保つことが重要となる。これは、熱交換器の表面が汚れると、有効な伝熱面が減少し、熱伝達性能が低下してしまうためである。また、このような汚れが蓄積した場合には、水などの流路が閉塞してしまう虞がある。
特に、硬度成分、硫酸塩、ケイ酸成分、金属イオンなどを含む結晶状の生成物であるスケール成分を含む水を給湯器に供給すると、スケールが熱交換器、給湯タンクまたは配管内に付着し、熱交換率が低下したり、流路が閉塞したりしてしまうという問題点があった。
そこで、最近では、スケールの付着により発生するこのような問題点を解決するための様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1および特許文献2には、給湯用水の圧力に脈動を印加することによって発生する、流量が変化する脈流を用いてスケールの発生を抑制することが記載されている。
特許文献1および特許文献2に記載されたヒートポンプ式給湯器は、貯湯タンクと、貯湯タンク下部から湯水を取り出し、貯湯タンクの上部に戻す加熱循環経路と、加熱循環経路内の湯水を加熱する加熱用熱交換器と、加熱循環経路の加熱用交換機の上流に設けられ、加熱循環経路内の湯水を脈流させる脈動発生手段と、加熱循環経路内の湯水を循環させる循環手段と、脈動発生手段および循環手段を制御する制御部とを備えている。
また、制御部は、脈動発生手段を加熱用熱交換器による加熱中に動作させ脈流を発生させるとともに、加熱循環経路内の流量が予め設定した所定値以上となるように循環手段を制御する。
このようなヒートポンプ式給湯器では、硬度成分が高い水を用いてお湯を沸かした場合でも、加熱用熱交換器内でのスケールの堆積を抑制することができ、スケールによる配管閉塞の速度を緩和し、ヒートポンプ式給湯器の長寿命化を図ることができる。
また、特許文献3には、水の脈動時におけるせん断応力が一定流量のせん断応力よりも大きく、脈動を印加することにより、スケールの付着を効率的に抑制できることが記載されている。
そして、特許文献1〜特許文献3に記載のヒートポンプ式給湯器においては、熱交換システム内で水を循環させるためのポンプを駆動するモータの回転数を制御することによって水に脈動を印加している。
特開2010−145037号公報 特開2012−117776号公報 特開2014−16098号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に記載されているように、モータの回転数によって脈動の印加を制御する場合には、モータの回転数が瞬時に上昇しない。そのため、スケール抑制効果を発揮するポンプ流量を実現するモータ回転数に達するまでに時間を要するという問題点があった。
その結果、水の流量がスケール抑制効果を発揮する流量に到達する前に、熱交換器に対して単位時間あたりに接触するカルシウムイオン等のスケール原因物質の量が、一定流量の場合と比較して増えてしまう。そのため、スケールの付着が促進されることになり、脈動を印加することによるスケール抑制効果が低減してしまう。
本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、熱交換器に対するスケールの発生および成長をより効率的かつ確実に抑制することが可能な熱交換システムおよび熱交換システムのスケール抑制方法を提供することを目的とする。
本発明の熱交換システムは、第1の液体が循環する環状の第1の循環回路と、第2の液体が循環する環状の第2の循環回路と、前記第1の液体と前記第2の液体との間で熱交換を行う熱交換器と、前記第2の液体の一部を加圧して保持する圧力保持部と、前記熱交換器の前記第2の液体の流入側に設けられ、前記熱交換器に流入する前記第2の液体を、前記第2の循環回路と前記圧力保持部との間で切り替える開閉機構部と、前記圧力保持部に保持された前記第2の液体に対する加圧量、および前記開閉機構部の切り替えを制御する制御部とを備えるものである。
以上のように、本発明によれば、予め設定された圧力が印加された2次側液体を、予め設定されたタイミングで熱交換器に対して供給することにより、熱交換器に対するスケールの発生および成長をより効率的かつ確実に抑制することが可能になる。
実施の形態1に係る熱交換システムの構成の一例を示すブロック図である。 図1の圧力保持部の構成の一例を示す概略図である。 図1の開閉機構部の構成の一例を示す概略図である。 図1の圧力印加部の動作について説明するためのフローチャートである。 従来のポンプにおけるモータの回転数を増加させた場合のせん断応力の時間変化の一例を示すグラフである。 図1の熱交換器の接触面に付着する気泡と析出するスケールとの関係について説明するための概略図である。 図1の熱交換器の接触面に析出したスケールの一例を示す概略図である。 図1の熱交換器から気泡が離脱する際の気泡離脱径とせん断応力との関係の一例を示すグラフである。 図1の熱交換システムにおいて、2次側被加熱液体にせん断応力を印加した場合のせん断応力の時間変化の一例を示すグラフである。 せん断応力パルスの印加回数と気泡の平均径との関係の一例を示すグラフである。 せん断応力パルスの印加タイミングを変化させた場合の熱交換器に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。 せん断応力パルスのせん断応力を変化させた場合の熱交換器に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。 せん断応力パルスのパルス幅を変化させた場合の熱交換器に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。 せん断応力パルスのせん断応力およびパルス幅を変化させた場合の熱交換器に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。 実施の形態2に係る熱交換システムの構成の一例を示すブロック図である。 図15の第2の開閉機構部の構成の一例を示す概略図である。 第1のせん断応力パルス〜第3のせん断応力パルスを印加した場合の熱交換器に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。 実施の形態3に係る熱交換システムの構成の一例を示すブロック図である。 第1のせん断応力パルス〜第3のせん断応力パルスを印加した場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る熱交換システムについて説明する。
この熱交換システムは、ヒートポンプによって加熱または冷却された1次側の液体の熱により、水などの2次側の液体を加熱または冷却するものである。また、この熱交換システムでは、2次側液体を加熱または冷却する際に、熱交換器における2次側液体との接触面に発生するスケールの付着を抑制する。
なお、以下では、ヒートポンプによって加熱された被加熱液体の熱により、シャワー等に利用される水などの被加熱液体を加熱して温水を生成する熱交換システムを例にとって説明する。
[熱交換システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、熱交換システム1は、第1の循環回路としての1次側循環回路10、第2の循環回路としての2次側循環回路20、および1次側循環回路10と2次側循環回路20との間に設けられた熱交換器2で構成されている。この熱交換システム1は、熱交換器2により、1次側循環回路10を循環する第1の液体としての1次側被加熱液体と、2次側循環回路20を循環する第2の液体としての2次側被加熱液体との間で熱交換を行う。そして、熱交換システム1は、1次側被加熱液体の熱によって2次側被加熱液体を加熱する。
ここで、本実施の形態1では、例えば、1次側循環回路10を流れる1次側被加熱液体の温度が60℃となり、ヒートポンプ11の出口側温度が65℃となるように制御を行う。また、2次側循環回路20の2次側被加熱液体の温度は、熱交換器2の出口側温度が57℃とする。なお、2次側循環回路20では、例えば2週に一度程度、2次側被加熱液体中の細菌の除去を目的として、熱交換器2における2次側被加熱液体の出口側温度を65℃まで昇温する滅菌運転を、1時間だけ行う。
1次側循環回路10は、ヒートポンプ11、ヒータ12、流路切替装置13、第1のポンプ14、ラジエータ15、膨張容器16、および熱交換器2を備えている。
1次側循環回路10において、ヒートポンプ11、ヒータ12、膨張容器16、流路切替装置13、熱交換器2、および第1のポンプ14は、配管17によって環状に接続されている。また、ラジエータ15は、流路切替装置13と第1のポンプ14との間に設けられた、配管17とは異なる配管18によって接続されている。配管17および配管18は、流路切替装置13によって分岐し、熱交換器2と第1のポンプ14との間で合流するようにして接続されている。
ヒートポンプ11は、例えば、内部に冷凍サイクルが形成され、第1のポンプ14によって供給された1次側被加熱液体を加熱する。
ヒータ12は、ヒートポンプ11から供給された1次側被加熱液体をさらに加熱するために設けられている。ヒータ12は、ヒートポンプ11から供給された1次側被加熱液体を加熱し、流路切替装置13に供給する。
流路切替装置13は、例えば電磁式の三方弁であり、1つの流入口と、2つの流出口とを有している。流路切替装置13は、ヒータ12を介してヒートポンプ11から供給された1次側被加熱液体を、熱交換器2およびラジエータ15のいずれか一方へ供給するために流出口が選択され、流路を切り替える。
第1のポンプ14は、図示しないモータによって駆動され、熱交換器2またはラジエータ15からヒートポンプ11へ1次側被加熱液体を供給する。
ラジエータ15は、例えば熱交換器であり、配管18を流れる1次側被加熱液体と空調対象空間である室内の空気との間で熱交換を行い、1次側被加熱液体の熱によって室内の空気を加熱する。
熱交換器2は、1次側循環回路10を流れる1次側被加熱液体と、2次側循環回路20を流れる2次側被加熱液体との間で熱交換を行い、1次側被加熱液体の熱によって2次側被加熱液体を加熱する。
膨張容器16は、ヒータ12から流出する1次側被加熱液体を一時的に貯留するために設けられている。
2次側循環回路20は、タンク21、第2のポンプ22、スケールトラップ23、圧力印加部30、および熱交換器2を備えている。2次側循環回路20において、タンク21、第2のポンプ22、熱交換器2、およびスケールトラップ23は、配管24および配管25によって環状に接続されている。
また、圧力印加部30は、タンク21と、第2のポンプ22および熱交換器2の間とに、配管24および配管25によって形成される流路とは異なる、配管36および配管37によって形成されるバイパス回路としての流路に設けられている。
タンク21は、熱交換器2で加熱された2次側被加熱液体が供給され、この2次側被加熱液体を蓄える。また、タンク21は、給水配管21aを介して外部から水道水等が供給され、供給された水道水等を2次側被加熱液体として流出させて第2のポンプ22に供給する。タンク21に蓄えられた、加熱された2次側被加熱液体は、温水配管21bを介して外部に放出され、シャワー等の温水として利用される。
第2のポンプ22は、図示しないモータによって駆動され、タンク21から熱交換器2へ2次側被加熱液体である水を供給する。第2のポンプ22は、モータの回転数によって熱交換器2へ供給する2次側被加熱液体の流速を変化させることができる。例えば、第2のポンプ22は、モータの回転数を上昇させることにより、熱交換器2へ供給する2次側被加熱液体の流速を増加させることができる。
スケールトラップ23は、熱交換器2の2次側被加熱液体との接触面に付着し除去されたスケールを捕捉するために設けられている。なお、スケールトラップ23のスケール捕捉効果は、2次側被加熱液体の循環回数が多いほど大きい。そのため、循環回数が1回の沸き上げ方式の場合には、スケール捕捉効果がほとんど期待できないため、スケールトラップ23は設置しなくてもよい。
圧力印加部30は、タンク21から2次側被加熱液体が供給される。圧力印加部30は、供給された2次側被加熱液体に対して予め設定された圧力を印加した後、この2次側被加熱液体を熱交換器2に対して供給する。
圧力印加部30は、第3のポンプ31、圧力保持部32、開閉機構部33、および開閉制御部34で構成されている。
第3のポンプ31は、図示しないモータによって駆動され、タンク21から圧力保持部32へ被加熱液体を供給する。
圧力保持部32は、第3のポンプ31を介してタンク21から2次側被加熱液体が供給される。圧力保持部32の内部は、2次側被加熱液体によって常に満たされるとともに、2次側循環回路20内の配管を流れる2次側被加熱液体よりも高い圧力が印加された状態となっている。
図2は、図1の圧力保持部32の構成の一例を示す概略図である。
図2に示すように、圧力保持部32は、中空のシリンダー状に形成されたシリンダー構造部32aに、電磁弁32bおよび電磁弁32c、水量センサ32d、圧力センサ32e、加圧力部32fが設けられている。これら電磁弁32b〜加圧力部32fは、信号線35を介して開閉制御部34に接続されている。
圧力保持部32は、配管36を介してシリンダー構造部32aに流入した2次側被加熱液体に対して予め設定された圧力を印加する。そして、圧力保持部32は、圧力が印加された2次側被加熱液体を、配管37を介して後述する開閉機構部33に対して流出させる。
電磁弁32bは、第3のポンプ31を介して配管36を流れる2次側被加熱液体が流入する流入口に設けられている。電磁弁32bは、弁の開閉状態を示す情報を、信号線35を介して開閉制御部34に供給するとともに、信号線35を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づき、弁の開閉状態が制御される。
電磁弁32cは、例えば圧力保持部32の上部に設けられている。電磁弁32cは、弁の開閉状態を示す情報を、信号線35を介して開閉制御部34に供給するとともに、信号線35を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づき、弁の開閉状態が制御される。
これら電磁弁32bおよび電磁弁32cは、通常時には「開」状態とされており、後述する水量センサ32dの検出結果に基づき、開閉制御部34によって弁の開閉状態が制御される。そして、シリンダー構造部32a内が2次側被加熱液体によって満たされたことを水量センサ32dが検出すると、電磁弁32bおよび電磁弁32cは、開閉制御部34の制御に基づき「閉」状態となるように制御される。
水量センサ32dは、シリンダー構造部32a内に蓄積された2次側被加熱液体の水量を検出し、得られた検出結果を、信号線35を介して開閉制御部34に供給する。
圧力センサ32eは、シリンダー構造部32a内に蓄積された2次側被加熱液体の圧力を検出し、得られた検出結果を、信号線35を介して開閉制御部34に供給する。
加圧力部32fは、棒状に形成されている。加圧力部32fは、信号線35を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づきシリンダー構造部32aに押し込まれることにより、シリンダー構造部32a内に蓄積された2次側被加熱液体に対して予め設定された圧力を印加する。
そして、シリンダー構造部32a内の2次側被加熱液体の圧力が予め設定された圧力に達したことを圧力センサ32eが検出すると、シリンダー構造部32aは、開閉制御部34の制御に基づき、2次側被加熱液体に対して圧力を印加した状態を保持する。これにより、シリンダー構造部32a内の2次側被加熱液体は、現在の圧力を保持した状態となる。
説明は図1に戻り、開閉機構部33は、例えば三方弁であり、圧力保持部32側の配管37を流れる2次側被加熱液体と、第2のポンプ22側の配管24を流れる2次側被加熱液体とのうちいずれか一方の2次側被加熱液体を選択し、熱交換器2側に流出させる。
なお、通常時において、開閉機構部33は、圧力印加部30と2次側循環回路20におけるタンク21側とが圧力的に絶縁された状態を保持するようにされている。
図3は、図1の開閉機構部33の構成の一例を示す概略図である。
図3に示すように、開閉機構部33は、電磁弁33aおよび電磁弁33bを有している。
電磁弁33aは、圧力保持部32に接続された配管37に設けられている。電磁弁33aは、弁の開閉状態を示す情報を、信号線38を介して開閉制御部34に供給するとともに、信号線38を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づき、弁の開閉状態が制御される。
電磁弁33aには、金属シャッター33cが設けられている。金属シャッター33cは、開閉制御部34の制御に基づき動作し、電磁弁33aの開閉状態を決定する。金属シャッター33cは、例えば、中央部近傍に貫通孔が設けられており、この貫通孔を配管37と一致させることにより、電磁弁33aが「開」状態となる。
電磁弁33bは、第2のポンプ22に接続された配管24に設けられている。電磁弁33bは、弁の開閉状態を示す情報を、信号線38を介して開閉制御部34に供給するとともに、信号線38を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づき、弁の開閉状態が制御される。
電磁弁33bには、金属シャッター33dが設けられている。金属シャッター33dは、開閉制御部34の制御に基づき動作し、電磁弁33bの開閉状態を決定する。金属シャッター33dは、例えば、中央部近傍に貫通孔が設けられており、この貫通孔を配管24と一致させることにより、電磁弁33bが「開」状態となる。
開閉機構部33は、開閉制御部34の制御に基づき、電磁弁33aおよび電磁弁33bが互いに連動するように動作する。
開閉機構部33では、例えば、金属シャッター33cが移動して電磁弁33aが「開」状態となると同時に、金属シャッター33dが移動して電磁弁33bが「閉」状態となる。
このように電磁弁33aおよび電磁弁33bが動作することにより、配管37および配管24を流れる2つの2次側被加熱液体が同時に流出するのを防ぐことができる。また、圧力保持部32側の2次側被加熱液体に印加された圧力がタンク21の方向に印加されるのを防ぐことができる。
なお、電磁弁33aおよび電磁弁33bをこのような構造とするのは、開閉制御部34による制御に対する応答を速くするためである。
説明は図1に戻り、開閉制御部34は、圧力保持部32および開閉機構部33における各部を制御する。
開閉制御部34は、図2に示す圧力保持部32の水量センサ32dの検出結果を受信し、この結果が示す情報に基づき、電磁弁32bおよび電磁弁32cの開閉を制御するための制御信号を、信号線35を介して圧力保持部32に供給する。
また、開閉制御部34は、図2の圧力センサ32eの検出結果を圧力保持部32から受信し、この結果が示す情報に基づき、加圧力部32fの動作を制御するための制御信号を、信号線35を介して圧力保持部32に供給する。
さらに、開閉制御部34は、予め設定されたタイミングで、図3に示す開閉機構部33の電磁弁33aおよび電磁弁33bの開閉を制御するための制御信号を、信号線38を介して開閉機構部33に供給する。
[熱交換システムの動作]
1次側被加熱液体は、第1のポンプ14によってヒートポンプ11に供給され、加熱される。加熱された1次側被加熱液体は、ヒータ12によって再度加熱された後、流路切替装置13に流入する。
流路切替装置13において、ラジエータ15側の流出口が選択されている場合、1次側被加熱液体は、ラジエータ15側の流出口から流出する。流路切替装置13から流出した1次側被加熱液体は、ラジエータ15に流入し、室内の空気との間で熱交換を行うことによって室内の空気を加熱する。そして、ラジエータ15から流出した1次側被加熱液体は、第1のポンプ14に流入する。
また、流路切替装置13において、熱交換器2側の流出口が選択されている場合、1次側被加熱液体は、熱交換器2側の流出口から流出する。流路切替装置13から流出した1次側被加熱液体は、熱交換器2に流入し、2次側被加熱液体との間で熱交換を行うことによって2次側被加熱液体を加熱する。そして、熱交換器2から流出した1次側被加熱液体は、第1のポンプ14に流入する。
一方、タンク21に供給された水などの2次側被加熱液体は、タンク21から流出し、第2のポンプ22によって圧力印加部30を介して熱交換器2に流入する。熱交換器2に流入した2次側被加熱液体は、1次側被加熱液体との間で熱交換を行うことによって加熱され、熱交換器2から流出する。
熱交換器2から流出した2次側被加熱液体は、スケールトラップ23を介してタンク21に流入し、タンク21内に蓄えられる。タンク21に蓄えられた2次側被加熱液体は、例えば水などと混合されることにより、シャワー等の温水として利用される。
また、タンク21に蓄えられた2次側被加熱液体は、圧力印加部30に供給される。圧力印加部30に供給された2次側被加熱液体は、圧力印加部30の第3のポンプ31によって圧力保持部32に流入する。
圧力保持部32に流入した2次側被加熱液体は、開閉制御部34の制御に基づき予め設定された圧力が印加され、圧力保持部32から流出する。圧力保持部32から流出した2次側被加熱液体は、開閉機構部33に流入する。
開閉機構部33に流入した2次側被加熱液体は、開閉制御部34の制御に基づき開閉動作を行う電磁弁33aが「開」状態となった際に、開閉機構部33から流出し、熱交換器2に流入する。
このとき、開閉機構部33では、圧力保持部32側の電磁弁33aと、第2のポンプ22側の電磁弁33bとが互いに連動し、電磁弁33aおよび電磁弁33bのいずれか一方が「開」状態となるように制御されている。そのため、電磁弁33aが「開」状態とされている場合には、圧力保持部32から流出した2次側被加熱液体のみが熱交換器2に流入する。そして、このときの電磁弁33aの開閉動作と、圧力保持部32における2次側被加熱液体に対して印加する圧力を制御することにより、圧力保持部32から流出する2次側被加熱液体を予め設定されたタイミングおよび圧力で熱交換器2に流入させる。
図4は、図1の圧力印加部30の動作について説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、タンク21から2次側被加熱液体が圧力印加部30に供給され、圧力印加部30に保持された2次側被加熱液体が熱交換器2に流入するまでの動作について説明する。
まず、開閉制御部34の制御に基づき、電磁弁32cが「開」状態とされるとともに、電磁弁32bが「開」状態とされる(ステップS1、S2)。そして、第3のポンプ31により、タンク21に蓄えられた2次側被加熱液体が圧力保持部32に供給される(ステップS3)。2次側被加熱液体が圧力保持部32に供給されると、開閉制御部34の制御に基づき、電磁弁32cが「閉」状態とされるとともに、電磁弁32bが「閉」状態とされる(ステップS4、S5)。
圧力保持部32では、開閉制御部34の制御に基づき、圧力保持部32内の2次側被加熱液体に対して設定圧力が加圧力部32fによって印加される(ステップS6)。そして、圧力保持部32内の2次側被加熱液体に対する加圧が保持される(ステップS7)。
次に、開閉制御部34から開閉機構部33の電磁弁33bに対して制御信号が発信される(ステップS8)。開閉機構部33では、当該制御信号に基づき、金属シャッター33dがスライドし、電磁弁33bが「閉」状態とされる(ステップS9)。
また、開閉制御部34から開閉機構部33の電磁弁33aに対して制御信号が発信される(ステップS10)。開閉機構部33では、当該制御信号に基づき、金属シャッター33cがスライドし、電磁弁33aが「開」状態とされる(ステップS11)。
これにより、圧力保持部32内の2次側被加熱液体が圧力保持部32から流出し、熱交換器2に流入する(ステップS12)。
次に、開閉制御部34から開閉機構部33の電磁弁33aに対して制御信号が発信される(ステップS13)。開閉機構部33では、当該制御信号に基づき、金属シャッター33cがスライドし、電磁弁33aが「閉」状態とされる(ステップS14)。
また、開閉制御部34から開閉機構部33の電磁弁33bに対して制御信号が発信される(ステップS15)。開閉機構部33では、当該制御信号に基づき、金属シャッター33dがスライドし、電磁弁33bが「開」状態とされる(ステップS16)。
[熱交換器に対して発生するスケールの抑制]
次に、熱交換器2に対して発生するスケールの抑制について説明する。
図5は、従来のポンプにおけるモータの回転数を増加させた場合のせん断応力の時間変化の一例を示すグラフである。
本実施の形態1においては、タンク21に蓄えられる2次側被加熱液体として、例えば水道水などが用いられている。このような2次側被加熱液体には、例えば、カルシウムに代表される金属イオンの酸化物、炭酸化合物などのスケール成分が含まれている。そのため、熱交換器2によって2次側被加熱液体を1次側被加熱液体と熱交換する際には、2次側被加熱液体に含まれるスケール成分が熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に析出し、付着する。そして、析出したスケールが熱交換器2に付着すると、このスケールが流路を閉塞するため、熱交換効率が低下する。
そこで、背景技術の項でも説明したように、従来は、被加熱液体に対して脈流を発生させたり、被加熱液体が熱交換器を通過する際の通過速度を増加させたりすることにより、被加熱液体と熱交換器における被加熱液体との接触面との間にせん断応力を発生させる。そして、従来は、このせん断応力によって、熱交換器の接触面に析出したスケールを剥離することにより、スケールの成長を抑制するようにしている。
ここで、例えば、被加熱液体の速度を増加させる場合は、通常、被加熱液体を送り出すポンプを駆動するモータの回転数を上昇させることによって行う。しかしながら、ポンプを駆動するモータは、その回転数が目標とする回転数に到達するまでには時間を要する。そのため、モータの回転数を上昇させることによって目標とするせん断応力を得ようとする場合には、図5に示すように、例えば2秒間の時間が必要となる。
すなわち、従来の方法では、被加熱液体の流量がスケール抑制効果を発揮する流量に到達するまでの時間を要し、スケールの成長が促進されるため、スケール抑制効果が低減してしまう。
本実施の形態1では、スケールの成長を抑制するように、予め設定された圧力を付与した2次側被加熱液体を予め設定されたタイミングで熱交換器2に流入させることにより、熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に析出したスケールを除去可能なせん断応力を与えるようにする。
(スケールの析出)
図6は、図1の熱交換器2の接触面に付着する気泡と析出するスケールとの関係について説明するための概略図である。
図7は、図1の熱交換器2の接触面に析出したスケールの一例を示す概略図である。
図6に示すように、2次側被加熱液体に含まれる気泡40が熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に付着した場合、気泡40と熱交換器2の接触面との界面には、界面以外の領域の1.5倍程度のイオン濃縮が発生するマイクロ層41が形成される。このマイクロ層41では、気泡40が付着していない部分と比較して、スケールの起点となるスケール核が多く析出される。そして、図7に示すように、気泡40と熱交換器2の接触面との界面には、気泡40の形状に対応するようにしてスケール核が析出される。
このようにして析出されたスケールは、せん断応力を印加することによって除去することができる。このとき、成長していない核の状態で熱交換器2の接触面に付着している場合には、一般的に、成長したスケールと比較して低いせん断応力で除去することができる。
また、スケール核は、成長したスケールと比較して微少であるため、熱交換器2および配管の表面などへ再付着したり、配管の澱み部に沈殿したりする虞がない。そのため、スケール核の状態でスケールを除去する場合には、成長したスケールを除去する場合と比較して低流量、低せん断応力で効率的に除去することができる。
(せん断応力と気泡離脱径との関係)
図8は、図1の熱交換器2から気泡40が離脱する際の気泡離脱径とせん断応力との関係の一例を示すグラフである。
図8に示すように、2次側被加熱液体に印加されるせん断応力が大きくなるにしたがって、熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面から離脱する気泡40の径が小さくなることがわかる。例えば、2次側被加熱液体に対して50[Pa]のせん断応力を印加した場合には、100[μm]程度の径の気泡40を熱交換器2の接触面から離脱させることができる。
図9は、図1の熱交換システム1において、2次側被加熱液体にせん断応力を印加した場合のせん断応力の時間変化の一例を示すグラフである。なお、図9において、点線で示すせん断応力の時間変化は、図5のせん断応力の時間変化を示す。
図9に示すように、本実施の形態1では、2次側被加熱液体に対してパルス状のせん断応力(以下、「せん断応力パルス」とここでは定義する)を印加する。この場合、印加されたせん断応力は、図5に示す場合と比較して立ち上がりが急峻となり、熱交換器2に付着した気泡40およびスケール核に対して短時間で目標となるせん断応力を印加することができる。そのため、図5に示す場合と比較して、スケール核を効率的に除去できるとともに、スケールの成長を抑制することができる。
ここで、図9に示すせん断応力パルスを印加すると、上述したように、印加されたせん断応力に応じて熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に付着した気泡40が移動する。例えば、図8に示す例では、印加時間が0.5[秒]であり、大きさが50[Pa]のせん断応力を印加した場合には、気泡径が100[μm]程度の気泡40を移動させることができる。
図10は、せん断応力パルスの印加回数と気泡40の平均径との関係の一例を示すグラフである。なお、図10は、印加時間が0.5[秒]であり、大きさが50[Pa]であるせん断応力を、0.5秒間隔で2次側被加熱液体に印加した場合の例を示す。
図10に示すように、印加するせん断応力パルスの回数が増加するにしたがって、熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に付着した気泡40の平均径が増加する。例えば、せん断応力パルスを3回印加した場合、気泡40の平均径は、1000[μm]以上となっている。これは、せん断応力パルスを複数回印加することにより、複数の気泡40が集合して大きな1つの気泡40が形成されるためである。
また、図8に示すように、気泡40の気泡径が大きいほど、小さいせん断応力で気泡を除去することができる。例えば、3.3[Pa]のせん断応力パルスを印加することにより、気泡径が1000[μm]程度となるように集合させた気泡40を除去することができる。
すなわち、本実施の形態1では、せん断応力が目標せん断応力となるような大きいせん断応力パルスを複数回印加し、気泡40を移動および集合させて大きな気泡を形成した後、当該せん断応力よりも小さいせん断応力のせん断応力パルスを印加する。これにより、熱交換器2に付着した気泡40およびスケール核を効率的に除去し、スケールの成長を抑制することができる。
[スケール抑制効果の検証]
次に、熱交換器2に付着するスケールの抑制効果について検証する。
ここでは、せん断応力パルスの印加タイミングを変化させた場合、せん断応力パルスのせん断応力を変化させた場合、せん断応力パルスの印加時間であるパルス幅を変化させた場合、ならびに、せん断応力パルスのせん断応力およびパルス幅を変化させた場合のそれぞれにおけるスケール抑制効果について検証する。
(第1の検証:せん断応力パルスの印加タイミングを変化させた場合)
まず、第1の検証として、せん断応力パルスの印加タイミングを変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明する。
図11は、せん断応力パルスの印加タイミングを変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
この例では、通常状態の流量でのせん断応力である1[Pa]の2次側被加熱液体に対して、予め設定された大きさのせん断応力を有する第1のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスよりもせん断応力が小さい第2のせん断応力パルスとを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを、以下の条件で印加する。そして、熱交換システム1を100時間運転したときに、せん断応力パルスサイクルを印加する周期を変化させた場合の、熱交換器2に対するスケール付着量を計測した。
(a)第1のせん断応力パルス
せん断応力 :50[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :3回
(b)第2のせん断応力パルス
せん断応力 :3.3[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :1回
図11に示す例は、せん断応力パルスを印加しない場合のスケール付着量を100%とし、せん断応力パルスサイクルを印加する周期をそれぞれ3[分]、5[分]および7[分]とした場合のスケール付着量比を示す。また、参考として、従来のポンプにおけるモータの回転数を増加させて脈動を発生させた脈動運転の場合の結果も併せて示す。
図11に示すように、3分周期でせん断応力パルスサイクルを印加した場合には、熱交換器2に対するスケール付着量がせん断応力パルスを印加しない場合の50%となった。また、5分周期でせん断応力パルスサイクルを印加した場合には、熱交換器2に対するスケール付着量がせん断応力パルスを印加しない場合の61%となった。さらに、7分周期でせん断応力パルスサイクルを印加した場合には、熱交換器2に対するスケール付着量がせん断応力パルスを印加しない場合の65%となった。なお、従来の脈動運転では、熱交換器2に対するスケール付着量がせん断応力パルスを印加しない場合の73%となった。
この結果から、3分周期でせん断応力パルスサイクルを印加した場合のスケール付着量が最も小さくなり、他の周期でせん断応力パルスサイクルを印加した場合と比較して、スケール抑制効果が最も大きくなっている。
すなわち、せん断応力パルスサイクルを印加する周期が短いほど、熱交換器2に対するスケール付着量が少なくなり、スケール抑制効果が高くなる。
なお、大きいせん断応力パルスである第1のせん断応力パルスを印加する回数が多い、または時間が長いほど熱交換器2の表面温度が低下し、熱交換効率が低下することが知られている。そのため、熱交換器2表面のスケール付着量に応じて、熱交換効率がより向上するように、せん断応力パルスサイクルにおける第1のせん断応力パルスの印加回数および印加時間を設定する必要がある。
(第2の検証:せん断応力パルスのせん断応力を変化させた場合)
次に、第2の検証として、せん断応力パルスのせん断応力を変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明する。
図12は、せん断応力パルスのせん断応力を変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
この例では、通常状態の流量でのせん断応力である1[Pa]の2次側被加熱液体に対して、せん断応力パルスサイクルを以下の条件で印加する。そして、熱交換システム1を100時間運転したときに、せん断応力パルスサイクルを5分毎に1回印加する周期で印加した場合の、熱交換器2に対するスケール付着量を計測した。
(a)第1のせん断応力パルス
せん断応力 :0[Pa]〜70[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :3回
(b)第2のせん断応力パルス
せん断応力 :3.3[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :1回
図12に示す例は、せん断応力パルスを印加しない場合のスケール付着量を「100」とし、第1のせん断応力パルスの大きさを0[Pa]〜70[Pa]まで変化させた場合のスケール付着量を示す。
図12に示すように、第1のせん断応力パルスの大きさが5[Pa]以上の場合には、せん断応力パルスを印加しない場合と比較して、熱交換器2に対するスケール付着量が抑制された。一方、第1のせん断応力パルスの大きさが50[Pa]以上の場合には、スケール付着量が変化せず、スケール抑制効果が飽和する傾向となった。
このように、第1のせん断応力パルスの大きさが5[Pa]以上でスケール抑制効果を得ることができ、第1のせん断応力パルスの大きさが50[Pa]以上でスケール抑制効果が飽和する。すなわち、2次側被加熱液体に印加する第1のせん断応力パルスの大きさは、5[Pa]〜50[Pa]の範囲で設定すると好ましい。
また、第2のせん断応力パルスの大きさが3.3[Pa]であるため、第1のせん断応力パルスの大きさと第2のせん断応力パルスの大きさの比率は、「5:3.3」〜「50:3.3」の範囲で設定するとより好ましい。
(第3の検証:せん断応力パルスのパルス幅を変化させた場合)
次に、第3の検証として、せん断応力パルスのパルス幅を変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明する。
図13は、せん断応力パルスのパルス幅を変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
この例では、通常状態の流量でのせん断応力である1[Pa]の2次側被加熱液体に対して、せん断応力パルスサイクルを以下の条件で印加する。そして、熱交換システム1を100時間運転したときに、せん断応力パルスサイクルを5分毎に1回印加する周期で印加した場合の、熱交換器2に対するスケール付着量を計測した。
(a)第1のせん断応力パルス
せん断応力 :30[Pa]
印加時間(パルス幅):0[秒]〜5.0[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :1回
(b)第2のせん断応力パルス
せん断応力 :3.3[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :1回
図13に示す例は、せん断応力パルスを印加しない場合のスケール付着量を「100」とし、第1のせん断応力パルスの印加時間であるパルス幅を0[秒]〜5.0[秒]まで変化させた場合のスケール付着量を示す。
図13に示すように、第1のせん断応力パルスのパルス幅が0[秒]〜5.0[秒]のすべての範囲において、せん断応力パルスを印加しない場合と比較して、熱交換器2に対するスケール付着量が抑制された。
特に、第1のせん断応力パルスのパルス幅が0.1[秒]〜1.0[秒]の範囲では、スケール付着量がせん断応力パルスを印加しない場合の70%以下となり、スケール抑制効果がより高い傾向となった。
このように、第1のせん断応力パルスのパルス幅を0[秒]〜5.0[秒]の範囲で設定した場合には、せん断応力パルスを印加しない場合と比較して、スケール抑制効果を得ることができる。特に、パルス幅を0.1[秒]〜1.0[秒]の範囲で設定した場合には、より高いスケール抑制効果を得ることができる。
また、このようにせん断応力パルスのパルス幅を設定した場合には、上述したようなポンプの制御によってスケールを抑制する際に必要とされる時間は、2秒程度であるのに対して、短い時間でスケールを抑制することができる。
(第4の検証:せん断応力パルスのせん断応力およびパルス幅を変化させた場合)
次に、第4の検証として、せん断応力パルスのせん断応力およびパルス幅を変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明する。この第4の検証は、上述した第2の検証および第3の検証を組み合わせたものである。
図14は、せん断応力パルスのせん断応力およびパルス幅を変化させた場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
この例では、通常状態の流量でのせん断応力である1[Pa]の2次側被加熱液体に対して、せん断応力パルスサイクルを以下の条件で印加する。そして、熱交換システム1を100時間運転したときに、せん断応力パルスサイクルを5分毎に1回印加する周期で印加した場合の、熱交換器2に対するスケール付着量を計測した。
第1および第2のせん断応力パルスの大きさの比率 :「3:1」〜「30:1」
第1および第2のせん断応力パルスのパルス幅 :0.1[秒]〜2.0[秒]
第1および第2のせん断応力パルスのパルス休止時間:0.5[秒]
(a)第1のせん断応力パルスの印加回数 :3回
(b)第2のせん断応力パルスの印加回数 :1回
図14に示す例は、せん断応力パルスを印加しない場合のスケール付着量を「100」とした場合のスケール抑制効果の結果を示す。なお、同図においては、スケール抑制効果が20%以上、すなわちスケール付着量が80%以下となった場合の結果を「−」と記載し、スケール抑制効果が20%未満、すなわちスケール付着量が80%を超える場合の結果を「+」と記載している。
図14に示すように、第1のせん断応力パルスの大きさと第2のせん断応力パルスの大きさとの比率が「5:1」以上であり、かつ、せん断応力パルスのパルス幅が1.0[秒]以内である場合には、スケール抑制効果が20%以上となった。
また、第1のせん断応力パルスの大きさと第2のせん断応力パルスの大きさとの比率が「10:1」以上であり、かつ、せん断応力パルスのパルス幅が1.5[秒]以内である場合には、スケール抑制効果が20%以上となった。
さらに、第1のせん断応力パルスの大きさと第2のせん断応力パルスの大きさとの比率が「20:1」以上であり、かつ、せん断応力パルスのパルス幅が2.0[秒]以内である場合には、スケール抑制効果が20%以上となった。
この結果から、第1のせん断応力パルスの大きさと第2のせん断応力パルスの大きさとの比率が大きいほど、せん断応力パルスのパルス幅を短くしても、熱交換器2に対するスケール抑制効果を得られることがわかる。
以上のように、本実施の形態1では、1次側被加熱液体が循環する環状の1次側循環回路10と、2次側被加熱液体が循環する環状の2次側循環回路20と、1次側被加熱液体と2次側被加熱液体との間で熱交換を行う熱交換器2と、2次側被加熱液体の一部を加圧して保持する圧力保持部32と、熱交換器2の2次側被加熱液体の流入側に設けられ、熱交換器2に流入する2次側被加熱液体を、2次側循環回路20と圧力保持部32との間で切り替える開閉機構部33と、圧力保持部32に保持された2次側被加熱液体に対する加圧量、および開閉機構部33の切り替えを制御する開閉制御部34とを備える。
このように、加圧された2次側被加熱液体を熱交換器2に対して供給することにより、より効率的かつ確実にスケールの発生および成長を抑制することができる。
また、開閉制御部34は、圧力の大きさが異なる複数のせん断応力パルスを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを印加した2次側被加熱液体を熱交換器2に対して供給するように、圧力保持部32および開閉機構部33を制御する。
さらに、せん断応力パルスサイクルは、第1のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスよりも圧力の大きさが小さい第2のせん断応力パルスとによって形成され、第1のせん断応力パルスおよび第2のせん断応力パルスの順序で組み合わせられる。
これにより、熱交換器2の接触面に付着した気泡40を第1のせん断応力パルスによって移動および集合させて大きな気泡が形成された後、第2のせん断応力パルスによって大きな気泡を除去することができる。そのため、熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に付着した気泡40およびスケール核を効率的に除去することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る熱交換システムについて説明する。
本実施の形態2に係る熱交換システムは、第2の圧力印加部を備える点で、上述した実施の形態1と相違する。本実施の形態2において、2次側被加熱液体は、タンク21と熱交換器2との間を複数回循環することによって沸き上げられる(以下、「複数回沸き上げ方式」と適宜称する)。
[熱交換システムの構成]
図15は、本実施の形態2に係る熱交換システム1の構成の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、熱交換システム1は、1次側循環回路10、2次側循環回路20および熱交換器2で構成されている。2次側循環回路20には、実施の形態1と同様の構成に加えて、第2の圧力印加部50が設けられている。
第2の圧力印加部50は、第4のポンプ51、配管56によって第4のポンプ51に接続された第2の圧力保持部52、および配管57によって第2の圧力保持部52に接続された第2の開閉機構部53で構成されている。第4のポンプ51は、第3のポンプ31と同様の構成および機能を有している。また、第2の圧力保持部52は、圧力保持部32と同様の構成および機能を有している。
図16は、図15の第2の開閉機構部53の構成の一例を示す概略図である。
図16に示すように、第2の開閉機構部53は、電磁弁53aおよび電磁弁53bを有している。
電磁弁53aは、第2の圧力保持部52に接続された配管57に設けられている。電磁弁53aは、弁の開閉状態を示す情報を、信号線58を介して開閉制御部34に供給するとともに、信号線58を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づき、弁の開閉状態が制御される。
電磁弁53aには、金属シャッター53cが設けられている。金属シャッター53cは、開閉制御部34の制御に基づき動作し、電磁弁53aの開閉状態を決定する。金属シャッター53cは、例えば、中央部近傍に貫通孔が設けられており、この貫通孔を配管57と一致させることにより、電磁弁53aが「開」状態となる。
電磁弁53bは、タンク21に接続された配管25に設けられている。電磁弁53bは、弁の開閉状態を示す情報を、信号線58を介して開閉制御部34に供給するとともに、信号線58を介して開閉制御部34から供給される制御信号に基づき、弁の開閉状態が制御される。
電磁弁53bには、金属シャッター53dが設けられている。金属シャッター53dは、開閉制御部34の制御に基づき動作し、電磁弁53bの開閉状態を決定する。金属シャッター53dは、例えば、中央部近傍に貫通孔が設けられており、この貫通孔を配管25と一致させることにより、電磁弁53bが「開」状態となる。
第2の開閉機構部53は、開閉制御部34の制御に基づき、電磁弁53aおよび電磁弁53bが互いに連動するように動作する。
第2の開閉機構部53では、例えば、金属シャッター53cが移動して電磁弁53aが「開」状態となると同時に、金属シャッター53dが移動して電磁弁53bが「閉」状態となる。
このように電磁弁53aおよび電磁弁53bが動作することにより、配管57を介して第2の圧力保持部52から流出した2次側被加熱液体がタンク21の方向へ流れるのを防ぐことができる。なお、電磁弁53aおよび電磁弁53bをこのような構造とするのは、開閉制御部34による制御に対する応答を速くするためである。
説明は図15に戻り、開閉制御部34は、実施の形態1と同様の制御に加えて、第2の圧力保持部52および第2の開閉機構部53における各部を制御する。
例えば、開閉制御部34は、第2の圧力保持部52の動作を制御するための制御信号を、信号線55を介して第2の圧力保持部52に供給する。また、開閉制御部34は、予め設定されたタイミングで、図16に示す第2の開閉機構部53の電磁弁53aおよび電磁弁53bの開閉を制御するための制御信号を、信号線58を介して第2の開閉機構部53に供給する。
なお、この例では、実施の形態1と異なり、開閉制御部34が圧力印加部30から独立して構成されているが、これはこの例に限られない。例えば、実施の形態1と同様に、開閉制御部34が圧力印加部30に含まれていてもよいし、第2の圧力印加部50に含まれるようにしてもよい。
[熱交換システムの動作]
本実施の形態2に係る熱交換システム1における、1次側循環回路10を流れる1次側被加熱液体の流れ、および2次側循環回路20を流れる2次側被加熱液体の流れについては、実施の形態1と同様である。また、圧力印加部30の動作についても、実施の形態1と同様である。
タンク21に蓄えられた2次側被加熱液体は、第2の圧力印加部50に供給される。第2の圧力印加部50に供給された2次側被加熱液体は、第2の圧力印加部50の第4のポンプ51によって第2の圧力保持部52に流入する。
第2の圧力保持部52に流入した2次側被加熱液体は、開閉制御部34の制御に基づき予め設定された圧力が印加され、第2の圧力保持部52から流出する。第2の圧力保持部52から流出した2次側被加熱液体は、第2の開閉機構部53に流入する。
第2の開閉機構部53に流入した2次側被加熱液体は、開閉制御部34の制御に基づき開閉動作を行う電磁弁53aが「開」状態となった際に、第2の開閉機構部53から流出し、熱交換器2に流入する。
このとき、電磁弁53aの開閉動作と、第2の圧力保持部52における2次側被加熱液体に対して印加する圧力を制御することにより、第2の圧力保持部52から流出する2次側被加熱液体を予め設定されたタイミングおよび圧力で熱交換器2に流入させる。
ここで、第2の圧力保持部52から熱交換器2に流入する2次側被加熱液体は、熱交換器2内部におけるせん断応力パルスの方向が、圧力保持部32から熱交換器2に流入する2次側被加熱液体と逆方向になる。本実施の形態3では、このような逆方向のせん断応力パルスを第3のせん断応力パルスとして、実施の形態1で示した第1のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスよりも小さい第2のせん断応力パルスとの間に加える。なお、この場合の第3のせん断応力パルスは、印加方向を除いて第1のせん断応力パルスと同等とする。
このように、熱交換器2内へ押し出す方向の第1のせん断応力パルスを印加することによって気泡の移動および集合を行い、熱交換器2内から引き戻す方向の第3のせん断応力パルスを印加する。これにより、第1のせん断応力パルスによって移動および集合して形成される大きな気泡の生成効率を高めることができる。
この場合、第1および第2のせん断応力パルスのみを印加した場合よりも、熱交換器2における2次側被加熱液体との接触面に付着した気泡40およびスケール核が、より効率的に除去される。
[スケール抑制効果の検証]
次に、熱交換器2に付着するスケールの抑制効果について検証する。
本実施の形態2では、実施の形態1における第1のせん断応力パルスおよび第2のせん断応力パルスに加えて、熱交換器2に対する応力の印加方向が第1および第2のせん断応力パルスとは逆方向となる第3のせん断応力パルスからなるせん断応力パルスサイクルを、熱交換器2に対して印加する。
図17は、第1のせん断応力パルス〜第3のせん断応力パルスを印加した場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
この例では、通常状態の流量でのせん断応力である1[Pa]の2次側被加熱液体に対して、予め設定された大きさのせん断応力を有する第1のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスよりもせん断応力が小さい第2のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスと同じ大きさで応力の印加方向が熱交換器2に対して逆方向となる第3のせん断応力パルスとを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを、以下の条件で印加する。そして、熱交換システム1を100時間運転したときに、せん断応力パルスサイクルを印加する周期を変化させた場合の、熱交換器2に対するスケール付着量を計測した。なお、せん断応力パルスは、第1のせん断応力パルス、第3のせん断応力パルス、第2のせん断応力パルスの順序で印加する。
(a)第1のせん断応力パルス
せん断応力 :50[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :3回
(b)第3のせん断応力パルス
せん断応力 :50[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :3回
(c)第2のせん断応力パルス
せん断応力 :3.3[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :1回
図17に示す例は、せん断応力パルスを印加しない場合のスケール付着量を100%とし、せん断応力パルスサイクルを印加する周期を3[分]とした場合のスケール付着量比を示す。ここでは、せん断応力パルスを印加しない場合の例を「比較例1」とし、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスを印加するせん断応力パルスサイクルの場合の例を「実施例1」として示している。また、実施の形態1と同様に、第1、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスを印加するせん断応力パルスサイクルの場合の例を「比較例2」として示している。
図17に示すように、第1、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスサイクルを印加した比較例2では、熱交換器2に対するスケール付着量がせん断応力パルスを印加しない比較例1の50%となった。また、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスサイクルを印加した実施例1では、熱交換器2に対するスケール付着量が比較例1の35%となった。
この結果から、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスサイクルを印加した場合には、第1、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスサイクルを印加した場合と比較して、熱交換器2に対するスケール付着量が少なくなり、スケール抑制効果がより高くなる。
以上のように、本実施の形態2では、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序で組み合わせたせん断応力パルスサイクルを印加した2次側被加熱液体を、熱交換器2に対して供給する。これにより、より効率的かつ確実にスケールの発生および成長を抑制することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係る熱交換システムについて説明する。
本実施の形態3に係る熱交換システムは、2次側循環回路20に設けられたスケールトラップ23を取り除いた点で、実施の形態2と相違する。本実施の形態3において、2次側被加熱液体は、タンク21と熱交換器2との間を1回循環することによって沸き上げられる(以下、「1回沸き上げ方式」と適宜称する)。
2次側被加熱液体のタンク21と熱交換器2との間の循環回数が1回の場合、図15に示すスケールトラップ23によるスケール捕捉効果は、循環回数が複数回の場合と比較して低く、熱交換器2に対するスケール付着の抑制効果がほとんど期待できない。そのため、熱交換器2へのスケール付着量は、同量の2次側被加熱液体を複数回循環させて沸き上げた場合と比較して多くなる。そこで、本実施の形態3では、1回沸き上げ方式の場合においても、実施の形態2と同様のせん断応力パルスサイクルを印加し、熱交換器2へのスケール付着を抑制する。
2次側被加熱液体を沸き上げる際に必要な循環回数は、例えば、ヒートポンプに使用される冷媒の種類によるエネルギー特性に依存する。例えば、2次側被加熱液体がR410等のフロン系ガスの場合は、複数回循環させて沸き上げる際のエネルギー効率が高い。また、2次側被加熱液体がCO(二酸化炭素)等の自然冷媒の場合は、1回循環させて沸き上げる際の方が、エネルギー効率が高い。
[熱交換システムの構成]
図18は、本発明の実施の形態3に係る熱交換システム1の構成の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態1および2と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図18に示すように、熱交換システム1は、1次側循環回路10、2次側循環回路20および熱交換器2で構成されている。ただし、図15に示す実施の形態2に係る熱交換システム1と比較して、スケールトラップ23が取り除かれている。
[スケール抑制効果の検証]
次に、熱交換器2に付着するスケールの抑制効果について検証する。
本実施の形態3では、実施の形態2と同様に、第1〜第3のせん断応力パルスからなるせん断応力パルスサイクルを、熱交換器2に対して印加する。
図19は、第1のせん断応力パルス〜第3のせん断応力パルスを印加した場合の熱交換器2に対するスケールの付着量について説明するためのグラフである。
この例では、通常状態の流量でのせん断応力である1[Pa]の2次側被加熱液体に対して、予め設定された大きさのせん断応力を有する第1のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスよりもせん断応力が小さい第2のせん断応力パルスと、第1のせん断応力パルスと同じ大きさで応力の印加方向が熱交換器2に対して逆方向となる第3のせん断応力パルスとを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを、以下の条件で印加する。なお、せん断応力パルスは、第1のせん断応力パルス、第3のせん断応力パルス、第2のせん断応力パルスの順序で印加する。
熱交換器2に対するスケール付着量は、2次側被加熱液体を2000L(リットル)沸き上げた時点の付着量を計測した。これは、例えばタンク21の1個分の容量である200Lを沸き上げた時点では、熱交換器2へのスケール付着量が十分でないためであり、評価に際しては、タンク21の10個分の容量の沸き上げが必要であったためである。
(a)第1のせん断応力パルス
せん断応力 :50[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :3回
(b)第3のせん断応力パルス
せん断応力 :50[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :3回
(c)第2のせん断応力パルス
せん断応力 :3.3[Pa]
印加時間(パルス幅):0.5[秒]
パルス休止時間 :0.5[秒]
印加回数 :1回
図19に示す例は、実施の形態2に示すようにスケールトラップ23を有し、複数回沸き上げ方式で、せん断応力パルスを印加しない場合の例を上述した「比較例1」とし、熱交換器2に付着したスケール付着量を100%とした。このときのタンク21と熱交換器2との間の循環回数は、100回である。
ここでは、スケールトラップ23を取り除いた状態で、かつ1回沸き上げ方式で、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスを印加するせん断応力パルスサイクルの場合の例を「実施例2」として示している。また、実施の形態2と同様に、複数回沸き上げ方式で、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスを印加するせん断応力パルスサイクルの場合の例を上述した「実施例1」として示している。さらに、本実施の形態3のように1回沸き上げ方式であるものの、せん断応力パルスを印加しない場合の例を「比較例3」として示している。
図19に示すように、スケールトラップ23がなく、かつ1回沸き上げ方式で、せん断応力パルスを印加しない比較例3では、熱交換器2へのスケール付着量が比較例1の215%に増加した。また、スケールトラップ23がなく、かつ1回沸き上げ方式で、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序でせん断応力パルスを印加する実施例2では、熱交換器2へのスケール付着量が比較例1の58%となった。
以上の結果から、1回沸き上げ方式において、せん断応力パルスを印加した場合には、せん断応力パルスを印加しない場合と比較して、比較例1を基準とした場合のスケール付着量が215%から58%に大幅に低減することができる。また、複数回沸き上げ方式では、せん断応力パルスを印加することにより、スケール付着量が100%から35%に低減するため、65%の低減効果がある。これに対して、1回沸き上げ方式では、せん断応力パルスを印加することにより、スケール付着量が比較例3の215%から実施例2の58%に低減し、157%の低減効果があり、複数回沸き上げ方式よりも高い低減効果を奏することができる。
以上のように、本実施の形態3では、実施の形態2と同様に、第1、第3、第2のせん断応力パルスの順序で組み合わせたせん断応力パルスサイクルを印加した2次側被加熱液体を、熱交換器2に対して供給する。これにより、実施の形態2と同様に、より効率的かつ確実にスケールの発生および成長を抑制することができる。
すなわち、このようなせん断応力パルスサイクルを熱交換器2に供給することによってスケールの発生および成長を抑制するという効果は、2次側循環回路20における循環回数が実施の形態1および2のような複数回の場合だけでなく、例えば1回の場合であっても得ることができる。
以上、本発明の実施の形態1〜3について説明したが、本発明は、上述した本発明の実施の形態1〜3に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、本実施の形態1〜3では、ヒートポンプ11によって加熱された1次側被加熱液体の熱によって2次側被加熱液体を加熱する熱交換システム1を例にとって説明したが、これはこの例に限られない。例えば、熱交換システム1は、ヒートポンプ11によって冷却された1次側液体の熱によって2次側液体を冷却するものであってもよい。
また、例えば、熱交換システム1は、タンク21を備えていなくてもよい。この場合には、例えば、2次側循環回路20における2次側被加熱液体が循環する経路から分岐した経路を設ける。そして、圧力印加部30には、この分岐経路を流れる2次側被加熱液体を供給する。これにより、上述した説明と同様に、熱交換器2の接触面に付着した気泡40およびスケール核を効率的に除去することができる。
1 熱交換システム、2 熱交換器、10 1次側循環回路、11 ヒートポンプ、12 ヒータ、13 流路切替装置、14 第1のポンプ、15 ラジエータ、16 膨張容器、17、18 配管、20 2次側循環回路、21 タンク、21a 給水配管、21b 温水配管、22 第2のポンプ、23 スケールトラップ、24、25 配管、30 圧力印加部、31 第3のポンプ、32 圧力保持部、32a シリンダー構造部、32b、32c 電磁弁、32d 水量センサ、32e 圧力センサ、32f 加圧力部、33 開閉機構部、33a、33b、53a、53b 電磁弁、33c、33d、53c、53d 金属シャッター、34 開閉制御部、35、38、55、58 信号線、36、37、56、57 配管、40 気泡、41 マイクロ層、50 第2の圧力印加部、51 第4のポンプ、52 第2の圧力保持部、53 第2の開閉機構部。
本発明の熱交換システムは、第1の液体が循環する環状の第1の循環回路と、第2の液体が循環する環状の第2の循環回路と、前記第1の液体と前記第2の液体との間で熱交換を行う熱交換器と、前記第2の液体の一部を加圧して保持する圧力保持部と、前記熱交換器の前記第2の液体の流入側に設けられ、前記熱交換器に流入する前記第2の液体を、前記第2の循環回路と前記圧力保持部との間で切り替える開閉機構部と、前記圧力保持部に保持された前記第2の液体に対する加圧量、および前記開閉機構部の切り替えを制御する制御部とを備え、前記制御部は、圧力の大きさが異なる複数のせん断応力パルスを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを印加した第2の液体を前記熱交換器に対して供給するように、前記圧力保持部および前記開閉機構部を制御するものである。

Claims (10)

  1. 第1の液体が循環する環状の第1の循環回路と、
    第2の液体が循環する環状の第2の循環回路と、
    前記第1の液体と前記第2の液体との間で熱交換を行う熱交換器と、
    前記第2の液体の一部を加圧して保持する圧力保持部と、
    前記熱交換器の前記第2の液体の流入側に設けられ、前記熱交換器に流入する前記第2の液体を、前記第2の循環回路と前記圧力保持部との間で切り替える開閉機構部と、
    前記圧力保持部に保持された前記第2の液体に対する加圧量、および前記開閉機構部の切り替えを制御する制御部と
    を備える
    熱交換システム。
  2. 前記開閉機構部と前記第2の循環回路との間にバイパス回路が設けられ、
    前記バイパス回路に前記圧力保持部が設けられている
    請求項1に記載の熱交換システム。
  3. 前記第2の循環回路に前記第2の液体を蓄えるタンクが設けられ、
    前記開閉機構部と前記タンクとの間に前記バイパス回路が設けられている
    請求項2に記載の熱交換システム。
  4. 前記制御部は、
    圧力の大きさが異なる複数のせん断応力パルスを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを印加した第2の液体を前記熱交換器に対して供給するように、前記圧力保持部および前記開閉機構部を制御する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換システム。
  5. 前記せん断応力パルスサイクルは、
    第1のせん断応力パルスと、該第1のせん断応力パルスよりも圧力の大きさが小さい第2のせん断応力パルスとによって形成され、
    前記第1のせん断応力パルスおよび前記第2のせん断応力パルスの順序で組み合わせられる
    請求項4に記載の熱交換システム。
  6. 前記開閉機構部は、
    前記圧力保持部から前記第2の循環回路に合流する流路に設けられた第1の弁と、
    前記第2の循環回路における前記流路との合流地点の上流側に設けられた第2の弁と
    を有し、
    前記制御部の制御に基づき、前記第2の弁を閉じるとともに前記第1の弁を開き、
    前記圧力保持部で加圧された前記第2の流体を前記第1のせん断応力パルスまたは前記第2のせん断応力パルスとして前記熱交換器に対して流入させ、
    前記制御部の制御に基づき、前記第1の弁を閉じるとともに前記第2の弁を開く
    請求項5に記載の熱交換システム。
  7. 前記第2の液体の位置を加圧して保持する第2の圧力保持部と、
    前記熱交換器の前記第2の流体の流出側に設けられ、前記第2の圧力保持部に保持された前記第2の液体を、前記熱交換器に流入させるようにして、前記熱交換器の流出側に対する前記第2の液体の流入出を切り替える第2の開閉機構部と
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記熱交換器に対して供給する方向が異なる複数のせん断応力パルスを組み合わせたせん断応力パルスサイクルを印加した第2の液体を前記熱交換器に対して供給するように、前記圧力保持部および前記開閉機構部、ならびに前記第2の圧力保持部および前記第2の開閉機構部を制御する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換システム。
  8. 前記せん断応力パルスサイクルは、
    第1のせん断応力パルスと、該第1のせん断応力パルスよりも圧力の大きさが小さい第2のせん断応力パルスと、前記第1のせん断応力パルスと同等の圧力で、印加方向が逆方向となる第3のせん断応力パルスとによって形成され、
    前記第1のせん断応力パルス、前記第3のせん断応力パルス、および前記第2のせん断応力パルスの順序で組み合わせられる
    請求項7に記載の熱交換システム。
  9. 前記開閉機構部は、
    前記圧力保持部から前記第2の循環回路に合流する第1の流路に設けられた第1の弁と、
    前記第2の循環回路における前記第1の流路との合流地点の上流側に設けられた第2の弁と
    を有し、
    前記第2の開閉機構部は、
    前記第2の圧力保持部から前記第2の循環回路に合流する第2の流路に設けられた第3の弁と、
    前記第2の循環回路における前記第2の流路との合流地点の下流側に設けられた第4の弁と
    を有し、
    前記開閉機構部は、
    前記制御部の制御に基づき、前記第2の弁を閉じるとともに前記第1の弁を開き、
    前記圧力保持部で加圧された前記第2の流体を前記第1のせん断応力パルスまたは前記第2のせん断応力パルスとして前記熱交換器に対して流入させ、
    前記制御部の制御に基づき、前記第1の弁を閉じるとともに前記第2の弁を開き、
    前記第2の開閉機構部は、
    前記制御部の制御に基づき、前記第4の弁を閉じるとともに前記第3の弁を開き、
    前記第2の圧力保持部で加圧された前記第2の流体を前記第3のせん断応力パルスとして前記熱交換器に対して流入させ、
    前記制御部の制御に基づき、前記第3の弁を閉じるとともに前記第4の弁を開く
    請求項8に記載の熱交換システム。
  10. 第1の液体が循環する環状の第1の循環回路と、第2の液体が循環する環状の第2の循環回路と、前記第1の液体と前記第2の液体との間で熱交換を行う熱交換器とを備えた熱交換システムにおいて、前記熱交換器における前記第2の液体との接触面に析出するスケールを抑制するスケール抑制方法であって、
    前記第2の液体の一部を加圧して保持するステップと、
    前記熱交換器に流入する前記第2の液体を、前記第2の循環回路と前記圧力保持部との間で切り替えるステップと
    を有する
    ことを特徴とするスケール抑制方法。
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