JP5465208B2 - 給湯装置 - Google Patents
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例えば、冷媒と水とを熱交換させて水を加熱するヒートポンプ式の給湯装置において、冷媒と水とを熱交換させる熱交換器の伝熱面にスケールが固着することがある。その結果、熱交換器の熱伝達効率が低下する場合や、熱交換器内の流路の閉塞が起こる場合がある。また、伝熱面から剥離したスケールが水回路へ流れ出ることにより、水回路が閉塞する場合や、水を流すポンプを損傷させる場合がある。その結果、給湯装置の運転が困難になる場合がある。
また、冷媒と水とを熱交換させる熱交換器の伝熱面に付いたスケールを積極的に剥がす技術もある(特許文献2)。
また、特許文献2は、スケールを機械的に剥ぎ落とす技術であるため、スケールを剥がす機構で熱交換器を傷つける恐れや機構そのものが動かなくなってスケールによる閉塞を助長する虞がある。
本発明は、スケールによる水回路の閉塞やポンプの損傷等、スケールによる悪影響を低減することを目的とする。
水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置が加熱した水を内部に蓄える貯湯タンクと、
前記加熱装置と前記貯湯タンクとを接続し、前記貯湯タンク側の端部が前記貯湯タンク内部に挿入され、前記貯湯タンク内部に挿入された挿入部分に複数の孔が開けられた流入配管であって、前記加熱装置で加熱された水を前記挿入部分に開けられた複数の孔から前記貯湯タンク内部へ流入させる流入配管と、
前記流入配管の前記挿入部分を覆うように設けられ、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から流出した水が通る流路が設けられたスケールトラップであって、水の硬度成分が析出したスケールが付着する所定の材質で形成され、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から前記水とともに流出した前記スケールを捕捉するスケールトラップと
を備えることを特徴とする。
なお、図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1は、実施の形態1に係るヒートポンプ式の給湯装置30の回路構成図である。
給湯装置30は、圧縮機1と、熱交換器2と、膨張機構3と、熱交換器4とが順次配管によって接続され、冷媒が循環する冷媒回路5を備える。なお、熱交換器4の近傍には、ファン6が設けられる。
また、給湯装置30は、熱交換器2と、貯湯タンク7と、ポンプ8とが順次配管によって接続され、水が循環する水回路9を備える。
一方、水回路9では、熱交換器2でガス冷媒と熱交換されることにより、加熱された水(温水)が貯湯タンク7の上部に接続された配管(流入配管9a)から貯湯タンク7内に流入して、貯湯タンク7内に蓄えられる。貯湯タンク7内に蓄えられた水(温水)は、貯湯タンク7の上部に接続された送水配管10からサニタリー設備等へ送水される。送水配管10から送水されることにより不足した分、水(冷水)が貯湯タンク7の下部に接続された給水配管11から貯湯タンク7内に供給される。また、ポンプ8により、貯湯タンク7の下部に接続された配管(流出配管9b)から貯湯タンク7内の水が流出して、熱交換器2へ流入する。
流入配管9aの先端部分(挿入部分12)は、貯湯タンク7の上部から貯湯タンク7内に挿入されている。なお、ここでは、挿入部分12は、熱交換器2と接続された配管とフランジ式継ぎ手14により接続されている。挿入部分12には、配管の終端部12aも含め、多数の孔が開けられている。
スケールトラップ13は、挿入部分12の周囲を覆うように設けられた網状体13aと、網状体13aと挿入部分12との間に充填されたシリコンゴムチップ13bとにより構成される。
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる構成のスケールトラップ13について説明する。
実施の形態2に係るスケールトラップ13は、シリコンゴムで形成された網状体であるシリコンゴムメッシュ13cを、挿入部分12を覆うように、挿入部分12の周りに複数重ねて巻きつけて構成される。
実施の形態3では、実施の形態1,2とは異なる構成のスケールトラップ13について説明する。
実施の形態3に係るスケールトラップ13は、シリコンゴムで形成された紐状体であるシリコンゴム紐13dを、挿入部分12を覆うように、挿入部分12の周りに複数吊るして構成される。
実施の形態4では、実施の形態1−3とは異なる構成のスケールトラップ13について説明する。
実施の形態4に係るスケールトラップ13は、シリコンゴムチップを数珠状に連ねた数珠紐13eを、挿入部分12を覆うように、挿入部分12の周りに複数吊るして構成される。
数珠を繋ぐ糸は、ナイロンなど耐熱性が高いものが望ましい。
実施の形態5では、実施の形態1−4で説明したスケールトラップ13の破損、落下を防止する支柱16について説明する。
スケールトラップ13によって捕捉されるスケールの量が多く、重量が重くなると、スケールトラップ13が破損して、落下してしまう虞がある。そこで、このようなことが想定される場合に、スケールトラップ13を支えるための支柱16を設ける。
支柱16の材質は、異種金属接触腐食を避けるため貯湯タンク7と同質が望ましい。
実施の形態6では、貯湯タンク7内に流入したスケールを蓄積するスケール蓄積部17について説明する。
スケール蓄積部17は、挿入部分12の下に設けられ、貯湯タンク7の底から挿入部分12側へ向かって徐々に内周が大きくなる逆円錐状の筒型に形成される。特に、スケール蓄積部17は、挿入部分12の下側の周囲を囲うように、挿入部分12の終端部12aよりも高い位置まで形成される。また、スケール蓄積部17の底には、排出口18が設けられる。
なお、挿入部分12は、実施の形態1−5とは異なり、配管の終端部12aにのみ孔(流入口)が開けられている。
スケール蓄積部17の底に溜まったスケールは、排出口18の蓋を開けることにより、取り除くことができる。
スケール蓄積部17の材質は、異種金属接触腐食を避けるため貯湯タンク7と同質が望ましい。
実施の形態7では、熱交換器2にスケールが付着しにくくする方法について説明する。
実施の形態7に係る給湯装置30は、図1に示す実施の形態1に係る給湯装置30の構成に加え、ポンプ8と熱交換器2との間に開閉弁19が設けられている。また、ポンプ8と開閉弁19の間から、開閉弁19と熱交換器2の間までを繋ぐバイパス配管20が設けられている。さらに、開閉弁19を所定の時間毎に開閉する制御装置31が設けられている。
なお、バイパス配管20が設けられているため、開閉弁19が閉じている場合であっても、ポンプ8から熱交換器2への水の流れは完全には止まらない。
その結果、貯湯タンク7へ流入するスケールの量は増える。しかし、貯湯タンク7には、実施の形態1−4で説明したスケールトラップ13(又は実施の形態6で説明したスケール蓄積部17)が設けられており、貯湯タンク7へ流入したスケールはスケールトラップ13(又はスケール蓄積部17)に捕捉される。
Claims (8)
- 水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置が加熱した水を内部に蓄える貯湯タンクと、
前記加熱装置と前記貯湯タンクとを接続し、前記貯湯タンク側の端部が前記貯湯タンク内部に挿入され、前記貯湯タンク内部に挿入された挿入部分に複数の孔が開けられた流入配管であって、前記加熱装置で加熱された水を前記挿入部分に開けられた複数の孔から前記貯湯タンク内部へ流入させる流入配管と、
前記流入配管の前記挿入部分を覆うように設けられ、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から流出した水が通る流路が設けられたスケールトラップであって、水の硬度成分が析出したスケールが付着する所定の材質で形成され、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から前記水とともに流出した前記スケールを捕捉するスケールトラップと、
前記貯湯タンクの内部における前記スケールトラップの下に設けられ、前記スケールトラップから落下したスケールが蓄積される蓄積部と
を備えることを特徴とする給湯装置。 - 前記スケールトラップは、前記挿入部分を覆うように設けられた網状体と、前記網状体と前記挿入部分との間に充填されたチップであって前記所定の材質で形成されたチップとによって構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 前記スケールトラップは、前記所定の材質で形成された網状体を、前記挿入部分を覆うように前記挿入部分の周りに複数重ねて巻きつけて構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 前記スケールトラップは、前記所定の材質で形成された紐状体を、前記挿入部分を覆うように前記挿入部分の周りに複数吊るして構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 前記スケールトラップは、前記所定の材質で形成されたチップを数珠状に連ねた数珠紐を、前記挿入部分を覆うように前記挿入部分の周りに複数吊るして構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 前記流入配管は、前記貯湯タンクの上部に挿入され、
前記給湯装置は、さらに、
前記貯湯タンクの内部に固定され、前記スケールトラップの下部を支える支持部材
を備えることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の給湯装置。 - 前記給湯装置は、さらに、
前記貯湯タンクと前記加熱装置とを接続し、前記貯湯タンクから流出した水を前記加熱装置へ流入させる流出配管であって、途中に開閉機構が設けられた流出配管と、
前記貯湯タンクから前記流出配管へ流出した水を、前記開閉機構をバイパスして前記加熱装置へ流入させるバイパス配管と、
前記開閉機構を所定の間隔で開閉制御する制御部と
を備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の給湯装置。 - 前記所定の材質は、シリコン、ガラス、ポリプロピレン、ゼオライトのいずれかである
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の給湯装置。
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