JP5613092B2 - ガス加温システム - Google Patents

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Description

熱交換器に循環する加温液体と加温の対象となるガスを熱交換器で熱交換することにより、前記ガスを加温するガス加温システムに関する。
各種プラントやガス導管に配置されるガバナステーションにおける配管経路には、配管経路を通流するガスの圧力調整に伴う温度変化を補正するために熱交換器を備えたガス加温システムが設けられている。
このようなガス加温システムに用いる熱交換器の一例として、例えば特許文献1には、密封容器型(シェル&チューブ型)の熱交換器を用いるものが開示されている。
この密封容器型熱交換器は、特許文献1によれば、循環する液体が充填された密封容器内にガス配管等の気体流通配管に連通する熱交換部を配備する構造を有しており、配管内ガスを加温するヒータとして用いる場合には、密封容器に対して温水を循環させる温水循環経路を形成し、密封容器内に充填された温水内に多数のチューブからなる熱交換部を配備して、このチューブの出入り口にガス配管を接続する構造を有している、とされている。
密封容器型熱交換器における熱交換部で気体の漏洩が生じて密封容器を含む液体の循環系に気体が浸入すると、熱交換効率の低下や循環系の不具合を引き起こすという問題が生じる。
そこで、気体の漏洩を検知するためのシステムとして、特許文献1には、「密封容器の頂上部に形成される気体溜まり部と、該気体溜まり部に漏洩気体が溜まることによる液面低下を検出するフロートと、該フロートの前記気体溜まり部内での位置低下を検知する検知手段とを備え、前記検知手段の検知信号によって前記密封容器内での気体漏れを検知することを特徴とする」ものが開示されている(特許文献1の請求項1参照)。
特開2005-134057号公報
特許文献1の気体漏れ検知システムにおいては、密封容器の頂上部に形成される気体溜まり部を設け、該気体溜まり部にフロート及びその位置検知手段を備えるというものである。
しかしながら、密封容器内には液体が常時循環しており、チューブから漏れ出したガスは密封容器の上部に溜まることなく循環経路に排出されて循環するものもある。実際にはガスが漏れているにそれを検知することができず、ガス漏れの発見が遅れる可能性がある。
換言すれば、特許文献1の気体漏れ検知システムでは微量なガス漏れを早期に発見することができないという問題がある。
また、特許文献1の気体漏れ検知システムは、密封容器を用いるシェル&チューブ方式に限定されているため、プレート&シェル方式のように加温液体を貯留する容器がないものには適用できないという問題もある。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、微量なガス漏れを早期に発見できると共に熱交換器の種類に限定されないようなガス漏洩検知機能を備えたガス加温システムを提供することを目的としている。
(1)本発明に係るガス加温システムは、加温液体循環経路に設けられた熱交換器に供給される加温液体と加温の対象となるガスを前記熱交換器で熱交換することにより、前記ガスを加温するガス加温システムであって、
前記加温液体循環経路における前記熱交換器の出側に設けられて、前記熱交換器から排出される前記加温液体がその内部に吐出されるポットと、循環する前記加温液体を前記ポット内に吐出する吐出管と、前記ポットに設けられてポット内の加温液体を加温液体循環経路に排出する排出口と、前記ポットの上部に設けられた気体溜り部と、該気体溜り部に設けられて該気体溜り部の液面を検出する液面検出手段とを備え、前記吐出管は前記加温液体をポット内の上部に向けて吐出すると共に、前記吐出管の吐出口が前記排出口よりも上方にあることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記ポットの上部にガス排出弁を設け、該ガス排出弁から排出されるガスを検知するガス検出手段を設けたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記熱交換器は、密封容器内にガスが通流するチューブを配置したシェル&チューブ方式のものであって、該熱交換器から排出される加温液体の排出口が前記密封容器の上端部に設けられていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記熱交換器は、複数枚のプレートの隙間を前記加温液体とガスが流れるプレート&シェル方式のものであることを特徴とするものである。
本発明においては、加温液体循環経路に設けられたポットと、循環する前記加温液体を前記ポットの上部に向けて吐出する吐出管と、前記ポットに設けられてポット内の加温液体を加温液体循環経路に排出する排出口と、前記ポットの上部に設けられた気体溜り部と、該気体溜り部に設けられて該気体溜り部の液面を検出する液面検出手段とを備えたことにより、加温液体に漏洩したガスが微量であっても確実に検出することができる。
本発明の一実施の形態に係る加温システムの説明図である。
本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
本実施の形態の加温システム1は、温水循環経路3に設けられた熱交換器5に供給される温水と加温の対象となるガスを熱交換器5で熱交換することにより、ガスを加温するガス加温システム1であって、温水循環経路3に設けられたポット7と、該ポット7の上部に向けて循環する前記温水を吐出する吐出管9と、ポット7の下部に設けられてポット7内の温水を温水循環経路3に排出する排出口11と、ポット7の上部に設けられた気体溜り部12と、気体溜り部12に設けられて気体溜り部12の液面を検出する液面検出手段13とを備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<温水循環経路>
温水循環経路3には、ガスと温水の熱交換を行う熱交換器5と、熱交換器5における温水の出側に設けられたポット7と、ポット7における温水の出側に設けられた安全弁15、圧力計17、バルブ19、バイパス経路21、循環ポンプ23、温水ヒータ25、膨張タンク27などが設けられている。
熱交換器5は、特許文献1に開示されたような、密封容器内にガスが通流するチューブを配置したシェル&チューブ方式のものであってもよいし、あるいは複数枚のプレートの隙間を前記温水とガスが流れるプレート&シェル方式のものであってもよい。
なお、シェル&チューブ方式の場合には、熱交換器5から排出される温水の排出口が密封容器の上端部に設けられているようにするのが好ましい。このようにすることで、密封容器内に漏れ出したガスが容器内を上昇して必ず温水循環経路3に排出されるので、漏洩ガスの検知を確実に行えるからである。
<ポット>
ポット7は、温水循環経路3に設けられて、温水を一時的に貯留する容器である。ポット7の上端側は縮径しており、縮径した上端側に後述する気体溜り部12が設けられている。ポット7の上端側を縮径させたことで、ポット内にある気体が気体溜り部12側にスムーズに移動する。
<吐出管>
吐出管9は、吐出部がポット7内に挿入されており、温水循環経路3を流れる温水をポット7の上部に向けて吐出する。吐出口の位置は、排出口11の位置よりも上方になるように配置するのが好ましい。吐出管9の吐出口をポット7の上部に向けることにより、循環する温水内に漏洩ガスが含まれていた場合、その漏洩ガスを気体溜り部12に強制的に送るためである。循環水にはある程度の勢いがあり、その勢いによって循環水内に含まれる漏洩ガスは確実にポット7の上部の気体溜り部12に送られる。これによって、微量な漏洩ガスであっても確実に検知できる。
<排出口>
排出口11は、ポット7の下部に設けられてポット7に吐出された前記温水を温水循環経路3に排出するためのものである。前述したように、排出口11のポット7における位置は、吐出口よりも下方であることが望ましい。
<気体溜り部>
気体溜り部12は、ポット7の上端部に設けられてポット内の気体を貯める部位である。気体溜り部12は細い筒状体によって形成されており、筒状体の上部に気体が溜まり、その下方には温水の液面がくる。したがって、気体の溜り具合によって、温水の液面が上下する。
<液面検出手段>
液面検出手段13は気体溜り部12に設けられて気体溜り部12の液面を検出する。
液面検出手段13は、例えばレベルスイッチによって構成される。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、気体溜り部12の上端側に予め定めた微量のガスを排出するガス排出弁32を設け、ガス排出弁32の上方にガス排出弁32から排出されるガスを検知するガス検知手段33を設けている。
以上のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
熱交換器5には加温の対象となるガスが通流して温水と熱交換が行われる。熱交換器5には、温水ヒータ25によって加熱された温水が循環ポンプ23によって温水循環経路3に供給される。温水循環経路3に供給された温水は、熱交換器5を出てから吐出管9によってポット7内に吐出される。吐出管9は上方に向けてポット7内に挿入されているので、吐出される温水はポット7の上方に向けて突出される。ポット7内の温水は、ポット7の排出口11から温水循環経路3に排出されて循環する。
上記のようなガス加温システムの運転中において、熱交換器5内においてガス漏れが発生した場合、漏れたガスは温水中に入り温水と共に温水循環経路3を流れる。温水中のガスは吐出管9からポット7内に温水と共に吐出される。このとき、吐出管9が上方に向いているので、温水中のガスは、ポット7上部の気体溜り部12に向けて吐出され、気体溜り部12に溜まる。気体溜り部12の上部には微量のガスを排出するガス排出弁32が設けられているので、気体溜り部12に流入した気体はガス排出弁32から排出され、ガス検知手段33によって検知される。ガス検知手段33によってガスの検知が行われることで、例えばピンホールのよう微細な孔によってガス漏れが生じていても検知することができる。
ガス排出弁32から排出されるガス量は微量であるため、熱交換器5内におけるガス漏れが多量であった場合には、ガス排出弁32からの排出が間に合わず、気体溜り部12にガスが溜まり気体溜り部12の液面が降下する。気体溜り部12の液面が降下すると液面検出手段13によってその旨が検知され、警報が出される。
なお、漏れた気体がさらに大量であって、温水循環経路3に設けた圧力計17による検出圧力が所定値を超えた場合には、安全弁15を開放してガスを温水循環経路3の外部に放出して温水流通配管系を保護するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、ポット7を温水循環経路3の途中に設け、ポット7に設けた気体溜り部12に向けて吐出管9から温水を吐出するようにしたので、温水に侵入したガスが少量であってもその少量のガスを気体溜り部12に誘導でき、ガス漏洩を確実に検出することができる。
また、本実施の形態では、気体溜り部12の上方に微量のガスを排出するガス排出弁32を設け、微量のガスが排出されたときにガス検知手段33で検出できるようにしているので、熱交換器5内での例えばピンホールのような微量なガスの温水への混入であっても検出でき、また、多量のガス漏れの予兆を知ることもできる。
1 加温システム
3 温水循環経路
5 熱交換器
7 ポット
9 吐出管
11 排出口
12 気体溜り部
13 液面検出手段
15 安全弁
17 圧力計
19 バルブ
21 バイパス経路
23 循環ポンプ
25 温水ヒータ
27 膨張タンク
32 ガス排出弁
33 ガス検知手段

Claims (4)

  1. 加温液体循環経路に設けられた熱交換器に供給される加温液体と加温の対象となるガスを前記熱交換器で熱交換することにより、前記ガスを加温するガス加温システムであって、
    前記加温液体循環経路における前記熱交換器の出側に設けられて、前記熱交換器から排出される前記加温液体がその内部に吐出されるポットと、循環する前記加温液体を前記ポット内に吐出する吐出管と、前記ポットに設けられてポット内の加温液体を加温液体循環経路に排出する排出口と、前記ポットの上部に設けられた気体溜り部と、該気体溜り部に設けられて該気体溜り部の液面を検出する液面検出手段とを備え
    前記吐出管は前記加温液体をポット内の上部に向けて吐出すると共に、前記吐出管の吐出口が前記排出口よりも上方にあることを特徴とするガス加温システム。
  2. 前記ポットの上部にガス排出弁を設け、該ガス排出弁から排出されるガスを検知するガス検出手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のガス加温システム。
  3. 前記熱交換器は、密封容器内にガスが通流するチューブを配置したシェル&チューブ方式のものであって、該熱交換器から排出される加温液体の排出口が前記密封容器の上端部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のガス加温システム。
  4. 前記熱交換器は、複数枚のプレートの隙間を前記加温液体とガスが流れるプレート&シェル方式のものであることを特徴とする請求項1又は2記載のガス加温システム。
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