JPWO2017149588A1 - 船舶推進装置及び船舶推進方法 - Google Patents

船舶推進装置及び船舶推進方法 Download PDF

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    • B63H21/17Use of propulsion power plant or units on vessels the vessels being motor-driven by electric motor

Abstract

【課題】電気推進可能な船舶推進装置においてエンジン発電機の回転速度を安定化させる。
【解決手段】船舶推進装置1は、エンジン発電機4と、推進用のモータ9と、モータをトルク制御するインバータ8と、モータ回転速度の実測値と目標値の偏差を所定値以下に制御する偏差リミッタ16と、偏差が小さくなるようにトルク指令値を算出してインバータに出力するPIDレギュレータを有する。PIDレギュレータのパラメータを適宜に設定し、インバータの応答速度をエンジン発電機の応答速度に適合させる。モータに供給される電力の変動量をエンジン発電機が応答可能な変動量に抑え、エンジン発電機のハンチングを防止し、エンジン発電機の回転速度を安定化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン発電機の電力によってインバータがモータをトルク制御する船舶推進装置に係り、特に、エンジン発電機の応答速度に適合したインバータの応答速度を実現することにより、エンジン発電機がハンチングを起こすことを防ぎ、インバータからモータに供給される電力の変動量をエンジン発電機が応答可能な変動量に抑えてエンジン発電機の回転速度を安定化させることができる船舶推進装置に関するものである。
特許文献1に記載された電気推進船の系統安定化システムは、電気推進船に設けられたプロペラ等の負荷設備を駆動する電動機と、発電機から系統に対して供給された電力を所望の電圧及び周波数に変換して電動機を制御するインバータと、電気推進船の近傍に発生している波の高さ及び周期を検出する波検出器と、波検出器によって検出された波高及び波周期に基づいて異常環境を予測する系統安定化装置とを備えており、特に、系統安定化装置は、異常環境の発生を予測した場合に、インバータに対して運転上限速度の制限を課し、電動機の最大負荷電流を低減させるようにしたものである。さらに具体的には、この系統安定化システムには、発電機の励磁電圧を制御するAVR制御ユニットと、発電機用の駆動装置に対応して設けられたガバナを制御するガバナ制御ユニットがさらに設けられており、系統安定化装置は、異常環境の発生を予測した場合に、インバータの出力電流及び周波数の各変化率に基づいて、発電機に対する電圧調整率と駆動装置に対するガバナ調整率を演算し、その演算結果をAVR制御ユニットとガバナ制御ユニットに出力し、系統の電圧と周波数とを安定化させるようにしている。
また、特許文献2に記載された発明は、電気推進船に係るものではなく、車両用駆動制御装置に関するものである。この車両用駆動制御装置の発明は、発電機と、当該発電機の電力がインバータを介して供給されて駆動輪を駆動する交流モータとを備える車両用駆動制御装置において、前記交流モータが必要とするモータ必要電力に基づいて前記発電機の界磁を制御する界磁制御手段と、前記交流モータが必要とするモータ必要電力に基づいて、前記交流モータのトルク指令値を演算するトルク指令値演算手段と、前記トルク指令値演算手段で演算したトルク指令値及び前記発電機の出力状態に基づいて、前記交流モータを制御するモータ制御手段とを備えている。そして、このモータ制御手段は、前記発電機の出力電圧及び出力電流から決定する動作点を含む発電機出力特性線上で、電圧値が電圧上限値となる動作点に相当するトルクによって、前記トルク指令値に下限を設けると共に、前記発電機の出力電圧及び出力電流から決定する動作点を含む発電機出力特性線上で、出力電力が最大となる動作点に相当するトルクによって、前記トルク指令値に上限を設けるトルク指令値制限手段を有し、該トルク指令値制限手段で制限されたトルク指令値に基づいて前記交流モータを制御する。すなわち、同文献2には、交流モータをトルク制御するインバータへのトルク指令値を出す際に、前記発電機の状況に応じて当該トルク指令値に上限と下限を設ける点が記載されている。
特開2010−89550号公報 特許第4466542号公報
上記特許文献1に記載された電気推進船の系統安定化システムの発明によれば、次のような問題があった。
1)発電機回転速度と、系統の電圧及び周波数を安定化させる系統安定化装置と、系統安定化装置が異常環境の発生を予測するための情報を検出する波検出器とが必要になるため、構造が複雑である。
2)エンジン発電機のエンジンの回転速度を制御するガバナと、発電機の励磁電圧を制御するAVRの両方について調整が必要であり、調整するパラメータが多く、制御が複雑である。
また、上記特許文献2に記載された車両用駆動制御装置の発明によれば、インバータへのトルク指令値を出す際に、当該トルク指令値に上限と下限を設けるためには、前記発電機の情報が必要となり、種々のセンサー類を備えなければならず、コントローラが複雑になり、その調整が煩雑であるという問題があった。
さらに、エンジン発電機が供給する電力によってインバータがモータの回転速度を制御するモータ推進の船舶推進装置(ハイブリッド推進も含む)が知られているが、この種の船舶推進装置では、特にエンジン発電機とモータが概ね同程度の容量である場合には、下記の要因により発電機の回転速度が変動しやすくなる傾向が顕著であることに気がついた。
(1)コントローラからの速度指令値に応じてインバータがモータを回転速度制御する場合、インバータは、モータ回転速度の変動に対して瞬時応答性に優れた高ゲインのフィードバック制御を行い、モータ回転速度をコントローラからの速度指令値に合わせて制御し、モータ出力の調整を高速で行うようにしている。従って、モータ出力は瞬間的に大きく変動する傾向がある。ところが、このようにモータ出力が瞬間的に大きく変動することは、モータに電力を供給しているエンジン発電機にとってはストレスとなるため、エンジン発電機の容量をモータの容量の例えば3倍程度としてモータの負荷変動に対する余裕度を確保する必要がある。
(2)このように、モータ出力が高速で変動すれば、エンジン発電機の負荷も高速で変動することになる。そのため、エンジン発電機の制御装置は、エンジン発電機の負荷の急激な変動に対して回転速度を追従させるためにエンジンの回転速度を高ゲインで制御する。しかしながら、エンジン発電機のエンジンがディーゼル機関であり、発電機とモータが同程度の容量である場合には、モータ出力の高速な変動に対し、エンジン発電機の応答遅れのためにガバナのフィードバック制御が位相遅れになるため、前述したような高ゲインのフィードバック制御では発電機の回転数がハンチングし、周波数や電圧が振れて制御系が不安定になる傾向がある。
なお、ハンチングとは、発電機等の電気機器において周波数や電圧が不安定化し、電気機器の動作に支障が生じる現象である。電気機器において周波数や電圧が不安定化した場合、電気機器が支障なく動作できる限界の値乃至範囲を一例として挙げれば、電圧については、定常時であれば+6%及び−10%、過渡期であれば±20%(1.5秒以内)であり、周波数については、定常時であれば±5%、過渡期であれば±10%(5秒以内)である。なお、このような電気機器が支障なく動作できる限界の値乃至範囲は、電機機器の種類や用途(適用分野)等によって異なる場合がある。このように、本明細書では、種々の電気機器が、その目的の範囲内で支障なく動作できる範囲を越えて周波数や電圧が不安定化する現象をハンチングと呼ぶこととする。
上述したエンジン発電機の応答遅れの要因としては、次の2つを挙げることができる。 1)インジェクタから噴射された燃料が燃焼し、運動エネルギーになるまでに時間がかかる点(燃焼遅れ)。
2)負荷変動に対してエンジン発電機の過給機が応答するまでにタイムラグがある点(物理的な遅れ)。
以上説明したように、ハイブリッド推進も含めたモータ推進が可能な船舶推進装置において、発電機とモータが同程度の容量である場合には、発電機回転速度が変動しやすいという問題が顕著である。
本発明は、上述した問題点を解決することを目的としており、エンジン発電機の電力によってインバータがモータをトルク制御する船舶推進装置において、発電機側の情報に基づく制御に頼ることなく、エンジン発電機の応答速度に適合したインバータの応答速度を実現することにより、エンジン発電機がハンチングを起こすことを防ぎ、インバータからモータに供給される電力の変動量をエンジン発電機が応答可能な変動量に抑えてエンジン発電機の回転速度を安定化させることができる船舶推進装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された船舶推進装置は、
エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、
船舶を推進するためのモータと、
前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータと、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記インバータにトルク指令値を出力する機構において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように、制限するトルク指令値制限部と、
を具備することを特徴としている。
請求項2に記載された船舶推進装置は、請求項1に記載の船舶推進装置において、
前記トルク指令値制限部が、トルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータであることを特徴としている。
請求項3に記載された船舶推進装置は、請求項1に記載の船舶推進装置において、
前記トルク指令値制限部が、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタであることを特徴としている。
請求項4に記載された船舶推進装置は、請求項1に記載の船舶推進装置において、
前記トルク指令値制限部が、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタと、
当該偏差リミッタから出力された偏差が小さくなるようにトルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度となるように、制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータと、
からなることを特徴としている。
請求項5に記載された船舶推進装置は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の船舶推進装置において、
前記PIDレギュレータが算出した前記トルク指令値に下限リミットを設ける下限リミッタを有することを特徴としている。
請求項6に記載された船舶推進装置は、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の船舶推進装置において、
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止する速度リミッタを有することを特徴としている。
請求項7に記載された船舶推進方法は、
エンジンで発電機を駆動するエンジン発電機の前記エンジンを駆動して発生させた電力を、前記モータをトルク制御するインバータを介して前記モータに供給することにより船舶を推進する船舶推進方法であって、
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴としている。
請求項8に記載された船舶推進方法は、請求項7に記載の船舶推進方法において、
前記インバータにPID演算して出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限するPIDパラメータを設定して、該トルク指令値を前記インバータに出力することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
請求項9に記載された船舶推進方法は、請求項7に記載の船舶推進方法において、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限し、当該制限された偏差が小さくなるようにトルク指令値を演算することによって、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴としている。
請求項10に記載された船舶推進方法は、請求項7に記載の船舶推進方法において、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限すると共に、
出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、
前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力することを特徴としている。
請求項11に記載された船舶推進方法は、請求項7乃至10のいずれか一つに記載の船舶推進方法において、
算出された前記トルク指令値に下限リミットを設けることを特徴としている。
請求項12に記載された船舶推進方法は、請求項7乃至11のいずれか一つに記載の船舶推進方法において、
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止することを特徴としている。
請求項1に記載された船舶推進装置及び請求項7に記載された船舶推進方法によれば、エンジン発電機と、推進用のモータと、モータをトルク制御するインバータと、を備えた船舶推進装置において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することにより、インバータがモータに出力する電力の変動量はエンジン発電機が応答可能な変動量になる。
すなわち、トルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することにより、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようにする訳である。
従来においては、エンジン発電機の容量をモータ容量の例えば3倍程度としてモータの負荷変動に対する余裕度を確保する必要性があったが、本発明は、このエンジン発電機の余裕度の必要性を低減することが出来、エンジン発電機の容量を従来より小さいものにすることが出来る。
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限するには、請求項2に記載された船舶推進装置及び請求項8に記載された船舶推進方法により達成できる。
すなわち、モータに出力する電力の応答性がエンジン発電機の応答速度(応答遅れ)にマッチングするようにPIDレギュレータのPIDパラメータ値によってトルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されている為、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようになされる。言い換えると、電機推進を行う船舶推進装置におけるモータの応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置におけるプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
このように、発電機負荷の変動量、すなわちインバータがモータに出力する電力の変動量は、エンジン発電機が応答可能な変動量の範囲内に抑えられているため、ガバナ制御だけでエンジン発電機の回転速度及び周波数を安定化させることができ、エンジン発電機におけるガバナ及びAVRの調整などは不要である。この制御においては、エンジン発電機からのデータは必要ないし、またエンジン発電機そのものを制御するものでもない。
また、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限するには、請求項3に記載された船舶推進装置及び請求項9に記載された船舶推進方法によっても達成できる。
請求項3に記載された船舶推進装置及び請求項9に記載された船舶推進方法によれば、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を偏差リミッタで所定の値の範囲内に制限することにより、上述の特定のPIDパラメータ値が設定されたPIDレギュレータに代えて、通常の変換器(例えば、比例器)で当該制限された偏差に基づきトルク指令値を演算しても、その入力値が十分に制限されているので、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
これにより、上述の作用効果を同様に奏することが出来る。
さらに、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限するには、請求項4に記載された船舶推進装置及び請求項10に記載された船舶推進方法によっても達成できる。
すなわち、請求項2と請求項3とを組み合わせた船舶推進装置及び請求項8と請求項9とを組み合わせた船舶推進方法によっても、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
請求項4に記載された船舶推進装置及び請求項10に記載された船舶推進方法によれば、モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差が所定の値以下となるように制限し、さらに前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力するようにしたので、これによっても、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
この場合、エンジン発電機をハンチングさせないためのPIDパラメータ値の調整は、前記偏差の制限がない場合に比べれば、前記インバータの応答性を“厳密に鈍くする”設定にする必要はなく、より緩くてもよい。すなわち前記偏差の制限がない場合のように、インバータの応答速度をエンジン発電機の応答速度に近づけなくとも、エンジン発電機の回転速度及び周波数を安定化させるのに必要な効果は得られる。
また、PIDパラメータを適宜に設定することによりインバータの応答速度をエンジン発電機の応答速度に近づけ、エンジン発電機のハンチングを防ぐ一定の効果を得ている場合において、さらに前記偏差を所定の値以下となるような制御を行えば、前記偏差が大きい場合に予想されるインバータがモータに出力する電力の極端な変化を避けることができ、エンジン発電機の回転速度及び周波数を安定化させるさらなる相乗効果が得られる。
請求項5に記載された船舶推進装置及び請求項11に記載された船舶推進方法によれば、例えば下限リミットを0以上に設定してモータの回生電力量をなしにすることもできるし、下限リミットを0未満に設定してモータの回生電力量をありとすることもできる。
請求項6に記載された船舶推進装置及び請求項12に記載された船舶推進方法によれば、モータの目標回転速度に設定定数を加えて算出した速度リミッタ指令をインバータに出力するので、モータの過回転を防止することができる。
第1実施形態の船舶推進装置の制御ブロック図である。 第1実施形態の船舶推進装置における偏差リミッタの作用又は機能を示すグラフである。 第1実施形態の船舶推進装置においてインバータの応答速度をエンジン発電機の応答速度に近くなるように調整するPIDレギュレータの作用又は機能を説明するグラフである。 第1実施形態の船舶推進装置におけるモータ回転速度の下限リミッタによる制御を示すグラフであり、分図(a)は下限リミットを0未満に設定した場合を示し、同分図(b)は下限リミットを0以上に設定した場合を示す。 第1実施形態の船舶推進装置の制御フロー図である。 第1実施形態の船舶推進装置における速度制御ハンドルのハンドル位置と、モータ目標回転速度の対応関係を示す表である。 第2実施形態の船舶推進装置の制御ブロック図である。
第1実施形態の船舶推進装置を図1〜図6を参照して説明する。この船舶推進装置は、コントローラの制御により、エンジン発電機が発生する電力でインバータがモータをトルク制御し、モータがプロペラを回転させて船舶を推進させる装置である。
図1〜図4を参照して船舶推進装置1の構成を説明する。
図1に示すように、この船舶推進装置1は、エンジン2により発電機3を駆動して電力を発生するエンジン発電機4を備えている。エンジン2は、エンジン2の回転速度を自律的に調整する機能を備えたガバナ5によって制御される。発電機3は、AVR(Automatic Voltage Regulator )6によって励磁電圧を制御される。発電機制御装置7は、発電機3が発電する電気の電流と電圧周波数を検出し、これに基づいてガバナ5とAVR6を制御することができる。
図1に示すように、エンジン発電機4からの電力はインバータ8を介してモータ9に与えられ、モータ9が駆動されてプロペラ10を回転させる。インバータ8は、コントローラ11によって制御される。コントローラ11は、エンジン発電機4の回転速度安定化制御のため、以下に説明する構成を備えている。
図1に示すように、コントローラ11は速度算出部13を有している。速度算出部13には、船舶の運転位置に設置された速度制御ハンドル12が接続されている。速度制御ハンドル12は、操縦者によって操作・設定された位置に対応した信号を出力する。速度算出部13は、速度制御ハンドル12からの信号を受け、この信号に基づいてモータ目標回転速度を算出する。
図1に示すように、速度算出部13には、速度リミッタ14が接続されている。速度リミッタ14は、速度算出部13が算出したモータ目標回転速度に設定定数αを加えて速度リミッタ指令を算出し、インバータ8に与える。この設定定数αは、速度制御ハンドル12を最大にした場合の最大モータ目標回転速度に当該設定定数αを加えても、モータ9の許容最高回転速度未満になるように設定される。すなわち、
(モータ9の許容最高回転速度−最大モータ目標回転速度)>設定定数α
の関係にある。これにより、インバータ8は、速度リミッタ指令を越えてモータ9を駆動することができなくなり、モータ9の過回転が防止される。
図1に示すように、速度算出部13には偏差計算部15が接続されている。偏差計算部15には、速度算出部13からモータ目標回転速度が入力される。この偏差計算部15はインバータ8とも接続されており、インバータ8からは現在のモータ回転速度が入力される。偏差計算部15は、モータ目標回転速度とモータ回転速度の偏差を算出する。
図1に示すように、偏差計算部15には、偏差リミッタ16が接続されている。偏差リミッタ16には、偏差計算部15から前記偏差が入力される。偏差リミッタ16は、モータ出力の瞬間的な変動量が大きくならないように、下記(式1)に従い、前記偏差が+側及び−側の各偏差リミッタ値の範囲内になるよう制限して出力する。(式1)によって制限されて出力される偏差を特に偏差E(n)で表す。
下限偏差リミッタ値≦E(n)(偏差)≦上限偏差リミッタ値 …(式1)
すなわち、図2において、横軸はモータ目標回転速度と現実のモータ回転速度の差である前記偏差を示しており、縦軸は実際に偏差リミッタ16から出力される偏差E(n)を示している。横軸の前記偏差が0の前後における比較的狭い範囲ではそのまま縦軸の偏差E(n)として出力されるが、±のある範囲を越えると、縦軸に示す制限値である下限偏差リミッタ値と上限偏差リミッタ値に制限されて偏差E(n)として出力される。
図1に示すように、偏差リミッタ16には、PIDレギュレータ17が接続されている。PIDレギュレータ17は、エンジン発電機4がハンチングしないようなインバータ8の応答速度を実現するPIDパラメータ値、すなわちエンジン発電機4の応答速度にマッチングしたパラメータ値が設定され、制限された前記偏差E(n)がより小さくなるようにトルク指令値を算出して出力する。
図3に示すように、モータ9を駆動するインバータ8の応答速度(実線)は、エンジン発電機4の応答速度(破線)よりも大きい。すなわち、応答特性で比較すると、時間に対する出力の立ち上がりは、インバータ8の方がエンジン発電機4よりも早く、急峻である。そこで、PIDレギュレータ17は、インバータ8に対するトルク指令のPID制御においてPIDパラメータを調整することにより、インバータ8の応答速度をエンジン発電機4の応答速度以下とし(一点鎖線)、モータ9に出力する電力の応答性をエンジン発電機4の応答速度にマッチングさせる。すなわち、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差E(n)に基づいて、PIDパラメータを調整したPIDレギュレータ17によって、トルク指令値の単位時間あたりの変化量がエンジン発電機4のハンチングを起こさせない値となったトルク指令値が、インバータ8に出力される。
その結果、トルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されることにより、前記インバータの応答性が見掛け上“鈍くなり”、前記エンジン発電機の応答性に合わせられて、エンジン発電機がハンチングしないようになる。これによって、電機推進を行う船舶推進装置1におけるモータ9の応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置においてプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
より具体的には、偏差リミッタ16で算出され制限された前記偏差E(n)を基に、下記(式2)又は(式3)に従い、トルク指令値を算出する。これは、ソフトウエアデジタル演算処理におけるPID演算式の代表例である。
速度型PID演算式の場合
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)−E(n −1) )+Δt /Tl×E(n)
+Td/Δt (E(n)−2E(n−1)+E(n −2))
トルク指令値(n) =トルク指令値(n−1) +トルク指令演算値 …(式2)
位置型PID演算式の場合
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)+Δt /Tl×ΣEi
+Td/Δt (E(n)−E(n −1)) …(式3)
上記各式において、
Kp:比例分ゲイン(P 分) Tl:積分時間(I 分) Td:微分時間(D 分) Δt:演算周期
E(n):(式1)から算出さ制限された値(偏差)
前記演算周期Δtは、前述の「インバータ8に出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量」における“単位時間”に当たる。通常この演算周期は、1msec〜数秒、好ましくは10〜500msecである。前記“変化量”は、PIDパラメータである比例分ゲイン(P 分)Kp、積分時間(I 分)Tl、微分時間(D 分)Tdに織り込まれおり、トルク指令値の単位時間あたりの変化量がエンジン発電機4のハンチングを起こさせない値となったトルク指令値がPIDレギュレータから出力される。
すなわち、PIDレギュレータ17においては、モータ9に負荷がかかった時、エンジン発電機の回転速度がハンチングしないように、事前にPIDパラメータを調整する。このPIDパラメータの値はエンジン発電機4の特性とインバータ8の特性に合わせて決める。この調整は、本船舶推進装置1の試運転等の運転当初に行い、一度設定すれば以後の調整は不要である。
以下、PIDパラメータの調整について、各成分ごとに説明する。
P分パラメータ調整
モータ9の負荷が急激に増加した時にエンジン発電機4の回転速度が瞬間的に大きく低下した場合、又はモータ9の負荷が急激に低下した時にエンジン発電機4の回転速度が瞬間的に大きく変化した場合にはP分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、P分パラメータ調整は、I分、D分パラメータ調整に影響を与えるので、P分パラメータを調整した場合は、必要によりI分、D分パラメータの再調整を行なう。
I分パラメータ調整
モータ9の負荷変動が小さい時、エンジン発電機4の回転速度がハンチングする時は、I分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、I分パラメータ調整は、P分D分パラメータ調整に影響を与えるので、I分パラメータを調整した場合は、必要によりP分、D分パラメータ再調整を行なう。
D分パラメータ調整
モータ9の負荷が急激に変化した時にエンジン発電機4の回転速度が一時的オーバシュート、又はアンダーシュートする場合は、D分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、D分パラメータ調整は、P分I分パラメータ調整に影響を与えるので、D分パラメータを調整した場合は、必要によりP分、I分パラメータ再調整を行なう。
一応のP分、I分、D分のパラメータ調整後、速度制御ハンドル12を動かしてモータ9(プロペラ10)の回転速度を上げることによって、発電機3の負荷をあげる。それに伴って、エンジン2の出力を上げるようガバナ5が自動調節する様子を観察し、エンジン発電機4がハンチングを起こしていないかを確認する。ハンチングを起こすようであれば、前記指針に従ってP分、I分、D分のパラメータを再調整し、ハンチングを起こしていないのが確認できれば、P分、I分、D分のパラメータの調整は終了である。通常、当業者であれば3〜6時間でP分、I分、D分のパラメータの調整を終了することが出来る。
図1に示すように、PIDレギュレータ17には、下限リミッタ18が接続されている。下限リミッタ18には、PIDレギュレータ17で算出された前記トルク指令が入力される。下限リミッタ18は、モータ出力の瞬間的な変動量が大きくならないように、下記(式4)に従い、PIDレギュレータ17で算出された前記トルク指令を制限してインバータ8に出力する。
下限リミッタ値≦トルク指令値 …(式4)
図4に示すように、下限リミッタ値の設定を変えることでモータ回生電力量を任意に制限する事ができる。
図4Aは下限リミッタ値を0未満とした場合の回転速度とモータ9の作動状態の変化を示す。下限リミッタ値を0未満とすると、モータ回生電力量を有りに設定できる。モータ出力(一点鎖線)に細線楕円を付して示したように、モータ回生電力が発生してエネルギを回収しているため、その分だけモータ回転速度(破線)は後述する図4Bに比べて落ちている。
図4Bは下限リミッタ値を0以上とした場合の回転速度とモータ9の作動状態の変化を示す。下限リミッタ値を0以上とすると、モータ回生電力量を無しに設定できる。モータ出力(一点鎖線)は力行又は0であるため、船舶の進行にはブレーキがかからず、その分だけモータ回転速度(破線)は前述した図4Aに比べて落ち方が遅い。
図1に示すように、下限リミッタ18はインバータ8に接続されており、下限リミッタ18で下限リミッタが与えられたトルク指令がインバータ8に与えられる。
次に、図5を参照して船舶推進装置1における制御手順を説明する。同図中、YはYES、NはNOの意味である。
制御動作の開始後(START)、船舶の乗組員等が速度制御ハンドル12を操作してある位置に設定すると、当該位置に対応する信号がコントローラ11の速度算出部13に送られ、速度算出部13は、この信号から対応するモータ目標回転速度を算出する(S1)。
速度算出部13は、モータ目標回転速度を速度リミッタ14に出力する。速度リミッタ14は、これに設定定数αを加えて速度リミッタ指令を算出し(S2)、インバータ8に出力する。これにより、インバータ8は、速度リミッタ指令を越えてモータ9を駆動することができなくなり、モータ9の過回転が防止される。
速度算出部13は、モータ目標回転速度を偏差計算部15に出力する。一方、インバータ8は、モータ回転速度の信号を偏差計算部15に出力する。偏差計算部15は、モータ目標回転速度とモータ回転速度の偏差を算出する(S3)。
偏差計算部15は、前記偏差を偏差リミッタ16に出力する。偏差リミッタ16は、モータ出力の瞬間的な変動量が所定の範囲を越えて大きくならないように、前記(式1)に従い、前記偏差が+側及び−側の各偏差リミッタ値以下になるよう制限する(S4)。
すなわち、偏差が下限偏差リミッタ値と上限偏差リミッタ値の間の値である場合(S4、Y)には、モータ目標回転速度とモータ回転速度の実際の偏差を算出された偏差E(n)として出力する(S5)。
偏差が下限偏差リミッタ値と上限偏差リミッタ値の間の値でなく(S4、N)、偏差が0を越える場合(S6、Y)には、上限偏差リミッタ値を算出された偏差E(n)として出力する(S7)。
偏差が下限偏差リミッタ値と上限偏差リミッタ値の間の値でなく(S4、N)、偏差が0を越えない場合(S6、N)には、下限偏差リミッタ値を算出された偏差E(n)として出力する(S8)。
偏差リミッタ16は、以上のようにして算出した偏差E(n)をPIDレギュレータ17に出力する。PIDレギュレータ17は、偏差リミッタ16で算出された前記偏差E(n)を基に、前記(式2)又は(式3)に従い、トルク指令演算値を算出する(S9)。
ここで、PIDレギュレータ17には、エンジン発電機4の応答速度にマッチングしたパラメータ値が設定されており、インバータ8に出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限して、インバータ8の応答速度をエンジン発電機4の応答速度に近接させた状態、より具体的にはインバータ8の応答速度をエンジン発電機4の応答速度よりも若干小さくした状態で制御できるようになっており、モータ9に出力する電力の応答性をエンジン発電機4の応答速度にマッチングさせるようなトルク指令演算値を算出・出力することができる。従って、インバータ8がモータ9に出力する電力が極端に変動することがなく、エンジン発電機4の回転速度及び周波数が安定化する。
また、本実施形態では、PIDレギュレータ17のPIDパラメータを適宜に設定してインバータ8に出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限して、エンジン発電機4のハンチングを防ぐ一定の効果を得ているとともに、さらに前述した通り偏差を偏差リミッタ16で所定の範囲となるようにしているため、前記偏差が大きい場合に予想されるモータ電力の極端な変化を避けることができ、エンジン発電機4の回転速度及び周波数をさらに安定化させる相乗効果が得られている。
また、前記偏差リミッタ16で偏差を所定の値の範囲内に制限することにより、前述の特定のPIDパラメータ値が設定されたPIDレギュレータ17に代えて、通常の変換器(例えば、比例器)で当該制限された偏差に基づきトルク指令値を演算しても、その入力値が十分に制限されているので、インバータ8に出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
従って、インバータ8に出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限するものとして、偏差リミッタ16とPIDレギュレータ17とをそれぞれ単独で行ってもよいが、前述の如く、偏差リミッタ16とPIDレギュレータ17とを併用するのが好ましい。
この場合、エンジン発電機4をハンチングさせないためのPIDパラメータ値の調整は、偏差リミッタ16がない場合に比べれば、インバータ8の応答性を“厳密に鈍くする”設定にする必要はなく、より緩くてもよい。すなわち偏差リミッタ16がない場合のように、インバータ8の応答速度をエンジン発電機4の応答速度に近づけなくとも、エンジン発電機4の回転速度及び周波数を安定化させるのに必要な効果は得られる。
PIDレギュレータ17は、トルク指令演算値を下限リミッタ18に出力する。下限リミッタ18は、PIDレギュレータ17で算出されたトルク指令演算値を基に、前記(式4)に従い、トルク指令値を算出する(S10)。
すなわち、トルク指令演算値が下限リミッタ値以上である場合(S10、Y)には、トルク指令演算値をトルク指令値とする(S11)。また、トルク指令演算値が下限リミッタ値未満である場合(S10、N)には、下限リミッタ値をトルク指令値とする(S12)。(式4)の下限リミッタ値の設定を変えることでモータ回生電力量を任意に制限する事ができる。
下限リミッタ18は、算出したトルク指令値をインバータ8に出力し、制御動作は終了する(END)。
次に、以上説明した第1実施形態におけるPIDパラメータの調整について、さらに詳しい具体例を挙げて説明する。
PIDパラメータの値は各機器の出力、特性等によって変動する。この例では、各機器の仕様を以下のように設定する。
モータ9の容量:295KW
インバータ8の容量:315KW
エンジン発電機4の容量:400KW
また、モータ目標回転速度は、図6に示す2点間直線補間テーブルにより決定される。 速度リミッタ14が速度リミッタ指令を算出、出力するために必要な設定定数αは+150min-1とする。すなわち、モータ目標回転速度に150min-1を加えて速度リミッタ指令とする。
以上の設定によれば、PIDパラメータ(速度型)は以下の通りとなる。
偏差リミッタ16における下限リミッタ値と上限リミッタ値の範囲が100min-1に調整されている時は、
P分は4.000、I分は1.350、D分は0.055となる。
偏差リミッタ16における下限リミッタ値と上限リミッタ値の範囲が750min-1に調整されている時は、
P分は2.000 I分は0.900 D分は0.000となる。
次に、第2実施形態の船舶推進装置1aを図7を参照して説明する。
この船舶推進装置1aはハイブリッド型の船舶推進装置であり、プロペラ10の駆動源として、モータ9と主機関(ディーゼルエンジン)20を有している。モータ9は減速変向機構22を介してプロペラ10に接続され、主機関20は、クラッチ21と減速変向機構22を介してプロペラ10に接続されている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
以上説明した各実施形態の説明から理解されるように、本発明は、インバータ駆動のモータで船舶を推進させる構造を備えた船舶推進装置に広く適用が可能である。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、インバータ8がモータ9に出力する電力の変動量は、発電機3が応答可能な変動量になっている。つまり、モータ9に電力を出力するインバータ8の応答性がエンジン発電機4の応答速度にマッチングするように、インバータ8を制御するコントローラ11のパラメータが調整されており、推進用のモータ9の応答性が、主機関ディーゼルエンジン2がプロペラ10を駆動する時の応答性と同程度となっている。このため、コントローラ11はエンジン発電機4の側からの情報に基づく制御を行う必要がなく、エンジン発電機4はガバナ制御のみで回転速度を安定させることが出来、エンジン発電機4がハンチングを起こすことは確実に防止される。
さらに、PIDレギュレータ17における上記制御に先立ち、偏差リミッタ16では、モータ目標回転速度とモータ回転速度の前記偏差が所定の値以下となるように制御を行っているため、前記偏差が大きい場合に予想されるモータ9の電力の極端な変化を避けることができ、エンジン発電機4の回転速度及び周波数を安定化させるさらなる相乗効果も得られる。
1,1a…船舶推進装置
2…エンジン
3…発電機
4…エンジン発電機
8…インバータ
9…モータ
11…コントローラ
14…速度リミッタ
16…偏差リミッタ
17…PIDレギュレータ
18…下限リミッタ
【0005】
力の変動量をエンジン発電機が応答可能な変動量に抑えてエンジン発電機の回転速度を安定化させることができる船舶推進装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段
[0014]
請求項1に記載された船舶推進装置は、
エンジン回転速度を自律的に調整するガバナによって制御されるエンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、
船舶を推進するためのモータと、
前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータと、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、トルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータと、
を具備することを特徴としている。
[0015]
[0016]
[0017]
請求項4に記載された船舶推進装置は、請求項1に記載の船舶推進装置に
【0006】
おいて、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記PIDレギュレータがトルク指令値をPID演算するに際して、当該現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタを設け、当該偏差リミッタから出力された偏差を前記PIDレギュレータに入力させるようにしたこと
を特徴としている。
[0018]
請求項5に記載された船舶推進装置は、請求項1又は5に記載の船舶推進装置において、
前記PIDレギュレータが算出した前記トルク指令値に、前記モータの回生電力量を任意に制限することができる下限リミットを設ける下限リミッタを有することを特徴としている。
[0019]
請求項6に記載された船舶推進装置は、請求項1、4又は5のいずれか一つに記載の船舶推進装置において、
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止する速度リミッタを有することを特徴としている。
[0020]
請求項7に記載された船舶推進方法は、
エンジン回転速度を自律的に調整するガバナによって制御されるエンジンで発電機を駆動するエンジン発電機の前記エンジンを駆動して発生させた電力を、前記モータをトルク制御するインバータを介して前記モータに供給することにより船舶を推進する船舶推進方法であって、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定したPID演算式により前記トルク指令値を算出することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
【0007】
[0022]
[0023]
請求項10に記載された船舶推進方法は、請求項7に記載の船舶推進方法において、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記PIDレギュレータがトルク指令値をPID演算するに際して、当該現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限し、当該制限された偏差から前記PID演算式によりトルク指令値を算出して前記インバータに出力することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
[0024]
請求項11に記載された船舶推進方法は、請求項7又は10に記載の船舶推進方法において、
算出された前記トルク指令値に、前記モータの回生電力量を任意に制限することができる下限リミットを設けることを特徴としている。
[0025]
請求項12に記載された船舶推進方法は、請求項7、10又は11のいずれか一つに記載の船舶推進方法において、
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前
【0008】
記モータの過回転を防止することを特徴としている。
発明の効果
[0026]
請求項1に記載された船舶推進装置及び請求項7に記載された船舶推進方法によれば、エンジン発電機と、推進用のモータと、モータをトルク制御するインバータと、を備えた船舶推進装置において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することにより、インバータがモータに出力する電力の変動量はエンジン発電機が応答可能な変動量になる。
すなわち、トルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することにより、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようにする訳である。
従来においては、エンジン発電機の容量をモータ容量の例えば3倍程度としてモータの負荷変動に対する余裕度を確保する必要性があったが、本発明は、このエンジン発電機の余裕度の必要性を低減することが出来、エンジン発電機の容量を従来より小さいものにすることが出来る。
[0027]
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限するには、請求項1に記載された船舶推進装置及び請求項7に記載された船舶推進方法により達成できる。
すなわち、モータに出力する電力の応答性がエンジン発電機の応答速度(応答遅れ)にマッチングするようにPIDレギュレータのPIDパラメータ値によってトルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されている為、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようになされる。言い換えると、電機推進を行う船舶推進装置におけるモータの応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置におけるプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
[0028]
このように、発電機負荷の変動量、すなわちインバータがモータに出力す
【0009】
る電力の変動量は、エンジン発電機が応答可能な変動量の範囲内に抑えられているため、ガバナ制御だけでエンジン発電機の回転速度及び周波数を安定化させることができ、エンジン発電機におけるガバナ及びAVRの調整などは不要である。この制御においては、エンジン発電機からのデータは必要ないし、またエンジン発電機そのものを制御するものでもない。
[0029]
[0030]
請求項4に記載された船舶推進装置及び請求項10に記載された船舶推進方法によれば、モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差が所定の値以下となるように制限し、さらに前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力するようにしたので、これによっても、前記イン

Claims (12)

  1. エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、
    船舶を推進するためのモータと、
    前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータと、
    現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記インバータにトルク指令値を出力する機構において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように、制限するトルク指令値制限部と、
    を具備することを特徴とする船舶推進装置。
  2. 前記トルク指令値制限部が、トルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータであることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
  3. 前記トルク指令値制限部が、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタであることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
  4. 前記トルク指令値制限部が、
    現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタと、
    当該偏差リミッタから出力された偏差が小さくなるようにトルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度となるように、制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータと、
    からなることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
  5. 前記PIDレギュレータが算出した前記トルク指令値に下限リミットを設ける下限リミッタを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の船舶推進装置。
  6. 前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止する速度リミッタを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の船舶推進装置。
  7. エンジンで発電機を駆動するエンジン発電機の前記エンジンを駆動して発生させた電力を、前記モータをトルク制御するインバータを介して前記モータに供給することにより船舶を推進する船舶推進方法であって、
    前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴とする船舶推進方法。
  8. 前記インバータにPID演算して出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限するPIDパラメータを設定して、該トルク指令値を前記インバータに出力することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
  9. 現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限し、当該制限された偏差が小さくなるようにトルク指令値を演算することによって、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
  10. 現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限すると共に、
    出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、
    前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
  11. 算出された前記トルク指令値に下限リミットを設けることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一つに記載の船舶推進方法。
  12. 前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一つに記載の船舶推進方法。
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