JPWO2017149588A1 - 船舶推進装置及び船舶推進方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】船舶推進装置1は、エンジン発電機4と、推進用のモータ9と、モータをトルク制御するインバータ8と、モータ回転速度の実測値と目標値の偏差を所定値以下に制御する偏差リミッタ16と、偏差が小さくなるようにトルク指令値を算出してインバータに出力するPIDレギュレータを有する。PIDレギュレータのパラメータを適宜に設定し、インバータの応答速度をエンジン発電機の応答速度に適合させる。モータに供給される電力の変動量をエンジン発電機が応答可能な変動量に抑え、エンジン発電機のハンチングを防止し、エンジン発電機の回転速度を安定化させる。
【選択図】図1
Description
1)発電機回転速度と、系統の電圧及び周波数を安定化させる系統安定化装置と、系統安定化装置が異常環境の発生を予測するための情報を検出する波検出器とが必要になるため、構造が複雑である。
2)エンジン発電機のエンジンの回転速度を制御するガバナと、発電機の励磁電圧を制御するAVRの両方について調整が必要であり、調整するパラメータが多く、制御が複雑である。
2)負荷変動に対してエンジン発電機の過給機が応答するまでにタイムラグがある点(物理的な遅れ)。
エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、
船舶を推進するためのモータと、
前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータと、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記インバータにトルク指令値を出力する機構において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように、制限するトルク指令値制限部と、
を具備することを特徴としている。
前記トルク指令値制限部が、トルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータであることを特徴としている。
前記トルク指令値制限部が、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタであることを特徴としている。
前記トルク指令値制限部が、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタと、
当該偏差リミッタから出力された偏差が小さくなるようにトルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度となるように、制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータと、
からなることを特徴としている。
前記PIDレギュレータが算出した前記トルク指令値に下限リミットを設ける下限リミッタを有することを特徴としている。
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止する速度リミッタを有することを特徴としている。
エンジンで発電機を駆動するエンジン発電機の前記エンジンを駆動して発生させた電力を、前記モータをトルク制御するインバータを介して前記モータに供給することにより船舶を推進する船舶推進方法であって、
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴としている。
前記インバータにPID演算して出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限するPIDパラメータを設定して、該トルク指令値を前記インバータに出力することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限し、当該制限された偏差が小さくなるようにトルク指令値を演算することによって、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴としている。
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限すると共に、
出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、
前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力することを特徴としている。
算出された前記トルク指令値に下限リミットを設けることを特徴としている。
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止することを特徴としている。
すなわち、トルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することにより、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようにする訳である。
従来においては、エンジン発電機の容量をモータ容量の例えば3倍程度としてモータの負荷変動に対する余裕度を確保する必要性があったが、本発明は、このエンジン発電機の余裕度の必要性を低減することが出来、エンジン発電機の容量を従来より小さいものにすることが出来る。
すなわち、モータに出力する電力の応答性がエンジン発電機の応答速度(応答遅れ)にマッチングするようにPIDレギュレータのPIDパラメータ値によってトルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されている為、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようになされる。言い換えると、電機推進を行う船舶推進装置におけるモータの応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置におけるプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
請求項3に記載された船舶推進装置及び請求項9に記載された船舶推進方法によれば、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を偏差リミッタで所定の値の範囲内に制限することにより、上述の特定のPIDパラメータ値が設定されたPIDレギュレータに代えて、通常の変換器(例えば、比例器)で当該制限された偏差に基づきトルク指令値を演算しても、その入力値が十分に制限されているので、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
これにより、上述の作用効果を同様に奏することが出来る。
すなわち、請求項2と請求項3とを組み合わせた船舶推進装置及び請求項8と請求項9とを組み合わせた船舶推進方法によっても、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
請求項4に記載された船舶推進装置及び請求項10に記載された船舶推進方法によれば、モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差が所定の値以下となるように制限し、さらに前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力するようにしたので、これによっても、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することができる。
図1に示すように、この船舶推進装置1は、エンジン2により発電機3を駆動して電力を発生するエンジン発電機4を備えている。エンジン2は、エンジン2の回転速度を自律的に調整する機能を備えたガバナ5によって制御される。発電機3は、AVR(Automatic Voltage Regulator )6によって励磁電圧を制御される。発電機制御装置7は、発電機3が発電する電気の電流と電圧周波数を検出し、これに基づいてガバナ5とAVR6を制御することができる。
(モータ9の許容最高回転速度−最大モータ目標回転速度)>設定定数α
の関係にある。これにより、インバータ8は、速度リミッタ指令を越えてモータ9を駆動することができなくなり、モータ9の過回転が防止される。
その結果、トルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されることにより、前記インバータの応答性が見掛け上“鈍くなり”、前記エンジン発電機の応答性に合わせられて、エンジン発電機がハンチングしないようになる。これによって、電機推進を行う船舶推進装置1におけるモータ9の応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置においてプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)−E(n −1) )+Δt /Tl×E(n)
+Td/Δt (E(n)−2E(n−1)+E(n −2))
トルク指令値(n) =トルク指令値(n−1) +トルク指令演算値 …(式2)
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)+Δt /Tl×ΣEi
+Td/Δt (E(n)−E(n −1)) …(式3)
Kp:比例分ゲイン(P 分) Tl:積分時間(I 分) Td:微分時間(D 分) Δt:演算周期
E(n):(式1)から算出さ制限された値(偏差)
以下、PIDパラメータの調整について、各成分ごとに説明する。
モータ9の負荷が急激に増加した時にエンジン発電機4の回転速度が瞬間的に大きく低下した場合、又はモータ9の負荷が急激に低下した時にエンジン発電機4の回転速度が瞬間的に大きく変化した場合にはP分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、P分パラメータ調整は、I分、D分パラメータ調整に影響を与えるので、P分パラメータを調整した場合は、必要によりI分、D分パラメータの再調整を行なう。
モータ9の負荷変動が小さい時、エンジン発電機4の回転速度がハンチングする時は、I分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、I分パラメータ調整は、P分D分パラメータ調整に影響を与えるので、I分パラメータを調整した場合は、必要によりP分、D分パラメータ再調整を行なう。
モータ9の負荷が急激に変化した時にエンジン発電機4の回転速度が一時的オーバシュート、又はアンダーシュートする場合は、D分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、D分パラメータ調整は、P分I分パラメータ調整に影響を与えるので、D分パラメータを調整した場合は、必要によりP分、I分パラメータ再調整を行なう。
図4Aは下限リミッタ値を0未満とした場合の回転速度とモータ9の作動状態の変化を示す。下限リミッタ値を0未満とすると、モータ回生電力量を有りに設定できる。モータ出力(一点鎖線)に細線楕円を付して示したように、モータ回生電力が発生してエネルギを回収しているため、その分だけモータ回転速度(破線)は後述する図4Bに比べて落ちている。
制御動作の開始後(START)、船舶の乗組員等が速度制御ハンドル12を操作してある位置に設定すると、当該位置に対応する信号がコントローラ11の速度算出部13に送られ、速度算出部13は、この信号から対応するモータ目標回転速度を算出する(S1)。
この場合、エンジン発電機4をハンチングさせないためのPIDパラメータ値の調整は、偏差リミッタ16がない場合に比べれば、インバータ8の応答性を“厳密に鈍くする”設定にする必要はなく、より緩くてもよい。すなわち偏差リミッタ16がない場合のように、インバータ8の応答速度をエンジン発電機4の応答速度に近づけなくとも、エンジン発電機4の回転速度及び周波数を安定化させるのに必要な効果は得られる。
PIDパラメータの値は各機器の出力、特性等によって変動する。この例では、各機器の仕様を以下のように設定する。
モータ9の容量:295KW
インバータ8の容量:315KW
エンジン発電機4の容量:400KW
偏差リミッタ16における下限リミッタ値と上限リミッタ値の範囲が100min-1に調整されている時は、
P分は4.000、I分は1.350、D分は0.055となる。
偏差リミッタ16における下限リミッタ値と上限リミッタ値の範囲が750min-1に調整されている時は、
P分は2.000 I分は0.900 D分は0.000となる。
この船舶推進装置1aはハイブリッド型の船舶推進装置であり、プロペラ10の駆動源として、モータ9と主機関(ディーゼルエンジン)20を有している。モータ9は減速変向機構22を介してプロペラ10に接続され、主機関20は、クラッチ21と減速変向機構22を介してプロペラ10に接続されている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
2…エンジン
3…発電機
4…エンジン発電機
8…インバータ
9…モータ
11…コントローラ
14…速度リミッタ
16…偏差リミッタ
17…PIDレギュレータ
18…下限リミッタ
力の変動量をエンジン発電機が応答可能な変動量に抑えてエンジン発電機の回転速度を安定化させることができる船舶推進装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段
[0014]
請求項1に記載された船舶推進装置は、
エンジン回転速度を自律的に調整するガバナによって制御されるエンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、
船舶を推進するためのモータと、
前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータと、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、トルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータと、
を具備することを特徴としている。
[0015]
[0016]
[0017]
請求項4に記載された船舶推進装置は、請求項1に記載の船舶推進装置に
おいて、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記PIDレギュレータがトルク指令値をPID演算するに際して、当該現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタを設け、当該偏差リミッタから出力された偏差を前記PIDレギュレータに入力させるようにしたこと
を特徴としている。
[0018]
請求項5に記載された船舶推進装置は、請求項1又は5に記載の船舶推進装置において、
前記PIDレギュレータが算出した前記トルク指令値に、前記モータの回生電力量を任意に制限することができる下限リミットを設ける下限リミッタを有することを特徴としている。
[0019]
請求項6に記載された船舶推進装置は、請求項1、4又は5のいずれか一つに記載の船舶推進装置において、
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止する速度リミッタを有することを特徴としている。
[0020]
請求項7に記載された船舶推進方法は、
エンジン回転速度を自律的に調整するガバナによって制御されるエンジンで発電機を駆動するエンジン発電機の前記エンジンを駆動して発生させた電力を、前記モータをトルク制御するインバータを介して前記モータに供給することにより船舶を推進する船舶推進方法であって、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定したPID演算式により前記トルク指令値を算出することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
[0022]
[0023]
請求項10に記載された船舶推進方法は、請求項7に記載の船舶推進方法において、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記PIDレギュレータがトルク指令値をPID演算するに際して、当該現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限し、当該制限された偏差から前記PID演算式によりトルク指令値を算出して前記インバータに出力することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
[0024]
請求項11に記載された船舶推進方法は、請求項7又は10に記載の船舶推進方法において、
算出された前記トルク指令値に、前記モータの回生電力量を任意に制限することができる下限リミットを設けることを特徴としている。
[0025]
請求項12に記載された船舶推進方法は、請求項7、10又は11のいずれか一つに記載の船舶推進方法において、
前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前
記モータの過回転を防止することを特徴としている。
発明の効果
[0026]
請求項1に記載された船舶推進装置及び請求項7に記載された船舶推進方法によれば、エンジン発電機と、推進用のモータと、モータをトルク制御するインバータと、を備えた船舶推進装置において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することにより、インバータがモータに出力する電力の変動量はエンジン発電機が応答可能な変動量になる。
すなわち、トルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限することにより、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようにする訳である。
従来においては、エンジン発電機の容量をモータ容量の例えば3倍程度としてモータの負荷変動に対する余裕度を確保する必要性があったが、本発明は、このエンジン発電機の余裕度の必要性を低減することが出来、エンジン発電機の容量を従来より小さいものにすることが出来る。
[0027]
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を制限するには、請求項1に記載された船舶推進装置及び請求項7に記載された船舶推進方法により達成できる。
すなわち、モータに出力する電力の応答性がエンジン発電機の応答速度(応答遅れ)にマッチングするようにPIDレギュレータのPIDパラメータ値によってトルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されている為、前記インバータの応答性を“鈍くして”、前記エンジン発電機の応答性に合わせ、エンジン発電機がハンチングしないようになされる。言い換えると、電機推進を行う船舶推進装置におけるモータの応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置におけるプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
[0028]
このように、発電機負荷の変動量、すなわちインバータがモータに出力す
る電力の変動量は、エンジン発電機が応答可能な変動量の範囲内に抑えられているため、ガバナ制御だけでエンジン発電機の回転速度及び周波数を安定化させることができ、エンジン発電機におけるガバナ及びAVRの調整などは不要である。この制御においては、エンジン発電機からのデータは必要ないし、またエンジン発電機そのものを制御するものでもない。
[0029]
[0030]
請求項4に記載された船舶推進装置及び請求項10に記載された船舶推進方法によれば、モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差が所定の値以下となるように制限し、さらに前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力するようにしたので、これによっても、前記イン
Claims (12)
- エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、
船舶を推進するためのモータと、
前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータと、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差に基づいて、前記インバータにトルク指令値を出力する機構において、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように、制限するトルク指令値制限部と、
を具備することを特徴とする船舶推進装置。 - 前記トルク指令値制限部が、トルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータであることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
- 前記トルク指令値制限部が、現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタであることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
- 前記トルク指令値制限部が、
現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限する偏差リミッタと、
当該偏差リミッタから出力された偏差が小さくなるようにトルク指令値をPID演算して前記インバータに出力するPIDレギュレータであって、該トルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度となるように、制限するPIDパラメータが設定されたPIDレギュレータと、
からなることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。 - 前記PIDレギュレータが算出した前記トルク指令値に下限リミットを設ける下限リミッタを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の船舶推進装置。
- 前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止する速度リミッタを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の船舶推進装置。
- エンジンで発電機を駆動するエンジン発電機の前記エンジンを駆動して発生させた電力を、前記モータをトルク制御するインバータを介して前記モータに供給することにより船舶を推進する船舶推進方法であって、
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴とする船舶推進方法。 - 前記インバータにPID演算して出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限するPIDパラメータを設定して、該トルク指令値を前記インバータに出力することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
- 現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限し、当該制限された偏差が小さくなるようにトルク指令値を演算することによって、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量が、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度に、制限することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。
- 現在の前記モータの回転速度と目標とする回転速度との偏差を所定の値の範囲内に制限すると共に、
出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定して、
前記制限された偏差が小さくなるようにPID演算したトルク指令値を前記インバータに出力することを特徴とする請求項7に記載の船舶推進方法。 - 算出された前記トルク指令値に下限リミットを設けることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一つに記載の船舶推進方法。
- 前記モータの目標とする回転速度に、予め設定した設定定数を加えて速度リミッタ指令を算出し、該速度リミッタ指令を前記インバータに出力して前記モータの過回転を防止することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一つに記載の船舶推進方法。
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