JP6214075B1 - 船舶推進方法及び船舶推進装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ガバナにより制御される主機関と、前記主機関の駆動力をプロペラに伝達できるクラッチと、前記プロペラを駆動するモータと、エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータとを備え、前記クラッチを離脱させた状態で行う前記モータによるモータ推進と、前記クラッチを嵌合させた状態で行う前記主機関及び前記モータによるハイブリッド推進とを切り替えて船舶を推進させる船舶推進方法であって、
前記モータ推進から前記ハイブリッド推進状態に移行完了しているか否かの判定を、次の3つの条件式を使用して行ない、
(a)主機関出力≧プロペラ回転必要出力値、
(b)モータ出力<プロペラ回転必要出力値、
(c)(モータ回転速度−主機関回転速度)の絶対値≦所定回転速度、
前記(a)及び前記(b)が成立するか、又は前記(a)及び前記(c)が成立する場合、ハイブリッド推進移行完了と判定し、前記ハイブリッド推進の制御に移ることを特徴としている。
前記ハイブリッド推進においては、
現在主機関出力を取得する現在主機関出力取得工程と、
現在のプロペラ回転速度から目標主機関出力を算出する目標主機関出力算出工程と、
前記目標主機関出力と前記現在主機関出力の偏差を使用したPID演算式によりアシストトルク指令値を算出して前記インバータに指示するモータトルク制御工程とを備えて、
前記インバータは引き続き前記モータをトルク制御することを特徴としている。
ガバナにより制御される主機関と、前記主機関の駆動力をプロペラに伝達できるクラッチと、前記プロペラを駆動するモータと、エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータとを備え、前記クラッチを離脱させた状態で行う前記モータによるモータ推進と、前記クラッチを嵌合させた状態で行う前記主機関及び前記モータによるハイブリッド推進とを切り替えて船舶を推進させる船舶推進装置であって、
前記モータ推進から前記ハイブリッド推進状態に移行完了しているか否かの判定を、次の3つの条件式を使用して行ない、
(a) 主機関出力≧プロペラ回転必要出力値、
(b) モータ出力<プロペラ回転必要出力値、
(c) (モータ回転速度−主機関回転速度)の絶対値≦所定回転速度、
前記(a) 及び前記(b) が成立するか、又は前記(a) 及び前記(c) が成立する場合、ハイブリッド推進移行完了と判定し、前記ハイブリッド推進の制御に移ることを特徴としている。
現在主機関出力を取得する現在主機関出力取得部と、
現在のプロペラ回転速度から目標主機関出力を算出する目標主機関出力算出部と、
前記目標主機関出力と前記現在主機関出力の偏差を算出する偏差算出部と、
前記偏差算出部が算出した偏差に基づきアシストトルク指令値を算出して前記インバータに出力するPIDレギュレータとを備えて、
前記ハイブリッド推進でも、前記インバータは引き続き前記モータをトルク制御するコントローラを有することを特徴としている。
請求項3に記載された船舶推進方法は、請求項1記載の船舶推進方法において、
前記モータ推進では、速度制御ハンドル位置からモータ目標回転速度を決定し、モータ回転速度がモータ目標回転速度に一致するようフィードバック制御によりトルク指令値を前記インバータに指令するに際して、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない値となるように制限することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
請求項4に記載された船舶推進方法は、請求項3に記載の船舶推進方法において、
前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定したPID演算式により算出することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
請求項7に記載された船舶推進装置は、請求項5記載の船舶推進装置において、
前記モータ推進では、速度制御ハンドル位置からモータ目標回転速度を決定し、モータ回転速度がモータ目標回転速度に一致するようフィードバック制御によりトルク指令値を前記インバータに指令するに際して、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない値となるように制限することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせるコントローラを有することを特徴としている。
請求項8に記載された船舶推進装置は、請求項7に記載の船舶推進装置において、
前記コントローラは、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定したPID演算式により算出することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴としている。
請求項2に記載の船舶推進方法及び請求項6に記載の船舶推進装置によれば、インバータの運転中にインバータ制御を速度制御とトルク制御の間で切替えることが不要になる事から、舶用ハイブリッドシステムにおいて安価な汎用インバータを使用することができる。
請求項3に記載の船舶推進方法及び請求項7に記載の船舶推進装置によれば、トルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されることにより、前記インバータの応答性が見掛け上“鈍くなり”、前記エンジン発電機の応答性に合わせられて、エンジン発電機がハンチングしないようになる。これによって、電機推進を行う船舶推進装置におけるモータの応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置においてプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
請求項4に記載の船舶推進方法及び請求項8に記載の船舶推進装置によれば、モータに電力を出力するインバータの応答性がエンジン発電機の応答速度にマッチングするように、インバータを制御するモータ推進制御部のパラメータが調整されており、推進用のモータの応答性が、主機関ディーゼルエンジンがプロペラを駆動する時の応答性と同程度となっている。このため、モータ推進制御部はエンジン発電機の側からの情報に基づく制御を行う必要がなく、エンジン発電機はガバナ制御のみで回転速度を安定させることが出来、エンジン発電機がハンチングを起こすことは確実に防止される。
まず、現状の推進状態判定部30における推進状態の判定に基づき、ハイブリッド推進移行が未完了かを判断し(S1)、未完了ではない場合(S1、NO)、ハイブリッド推進移行済みであるとして、ハイブリッド移行完了(S2)と判定して終了する。
まず、主機関出力≧プロペラ回転必要出力値が成立するか否かを判断し、成立しない場合(S3、NO)、主機関出力よりプロペラ回転必要出力値の方が大きいので、ハイブリッド推進移行未完了であるとして、ハイブリッド推進移行未完了(S4)と判定して終了する。
また、ステップS5のモータ出力に関する判定では、図4Bに示すように、条件が成立してYへ移行する場合にはプロペラ回転必要出力値LOWを判断条件とし、条件が不成立となってNへ移行する場合には大きめのプロペラ回転必要出力値を判断条件としている。
これを換言すれば、前記所定出力値を高所定出力値と低所定出力値とに別け、前記主機関出力が前記高所定出力値以上であり、かつ、モータ出力が前記低所定出力値以下になったとき、前記クラッチが嵌合したと判断し、前記ハイブリッド推進の制御に移るようにしているわけである。
これによって、常に安全サイドに判断が行われると共に、システムのハンチングを防止している。
図5に示すように、モータ推進制御部50は速度算出部53を有している。速度算出部53には、図1に示したように外部信号処理部20を介して速度制御ハンドル15が接続されている。速度制御ハンドル15は、操縦者によって操作・設定された位置に対応した信号を出力し、速度算出部53はこの信号に基づいてモータ目標回転速度を算出する。
(モータ11の許容最高回転速度−最大モータ目標回転速度)>設定定数α
の関係にある。これにより、インバータ12は、速度リミッタ指令を越えてモータ11を駆動することができなくなり、モータ11の過回転が防止される。
その結果、トルク指令値の単位時間あたりの変化量が制限されることにより、前記インバータの応答性が見掛け上“鈍くなり”、前記エンジン発電機の応答性に合わせられて、エンジン発電機がハンチングしないようになる。これによって、電機推進を行う船舶推進装置1におけるモータ11の応答性が、ディーゼルエンジンを主機関とする船舶推進装置においてプロペラを駆動する場合の応答性と同程度となる。
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)−E(n −1) )+Δt /Tl×E(n)
+Td/Δt (E(n)−2E(n−1)+E(n −2))
トルク指令値(n) =トルク指令値(n−1) +トルク指令演算値 …(式2)
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)+Δt /Tl×ΣEi
+Td/Δt (E(n)−E(n −1)) …(式3)
Kp:比例分ゲイン(P 分) Tl:積分時間(I 分) Td:微分時間(D 分) Δt:演算周期
E(n):(式1)から算出さ制限された値(偏差)
以下、PIDパラメータの調整について、各成分ごとに説明する。
モータ11の負荷が急激に増加した時にエンジン発電機EGの回転速度が瞬間的に大きく低下した場合、又はモータ11の負荷が急激に低下した時にエンジン発電機EGの回転速度が瞬間的に大きく変化した場合にはP分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、P分パラメータ調整は、I分、D分パラメータ調整に影響を与えるので、P分パラメータを調整した場合は、必要によりI分、D分パラメータの再調整を行なう。
モータ11の負荷変動が小さい時、エンジン発電機EGの回転速度がハンチングする時は、I分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、I分パラメータ調整は、P分D分パラメータ調整に影響を与えるので、I分パラメータを調整した場合は、必要によりP分、D分パラメータ再調整を行なう。
モータ11の負荷が急激に変化した時にエンジン発電機EGの回転速度が一時的オーバシュート、又はアンダーシュートする場合は、D分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、D分パラメータ調整は、P分I分パラメータ調整に影響を与えるので、D分パラメータを調整した場合は、必要によりP分、I分パラメータ再調整を行なう。
図8Aは下限リミッタ値を0未満とした場合の回転速度とモータ11の作動状態の変化を示す。下限リミッタ値を0未満とすると、モータ回生電力量を有りに設定できる。モータ出力(一点鎖線)に細線楕円を付して示したように、モータ回生電力が発生してエネルギを回収しているため、その分だけモータ回転速度(破線)は後述する図8Bに比べて落ちている。
制御動作の開始後(START)、船舶の乗組員等が速度制御ハンドル15を操作してある位置に設定すると、当該位置に対応する信号がモータ推進制御部50の速度算出部53に送られ、速度算出部53は、この信号から対応するモータ目標回転速度を算出する(S11)。
この場合、エンジン発電機EGをハンチングさせないためのPIDパラメータ値の調整は、偏差リミッタ56がない場合に比べれば、インバータ12の応答性を“厳密に鈍くする”設定にする必要はなく、より緩くてもよい。すなわち偏差リミッタ56がない場合のように、インバータ12の応答速度をエンジン発電機EGの応答速度に近づけなくとも、エンジン発電機EGの回転速度及び周波数を安定化させるのに必要な効果は得られる。
PIDパラメータの値は各機器の出力、特性等によって変動する。この例では、各機器の仕様を以下のように設定する。
モータ11の容量:295KW
インバータ12の容量:315KW
エンジン発電機EGの容量:400KW
偏差リミッタ56における下限リミッタ値と上限リミッタ値の範囲が100min-1に調整されている時は、
P分は4.000、I分は1.350、D分は0.055となる。
偏差リミッタ56における下限リミッタ値と上限リミッタ値の範囲が750min-1に調整されている時は、
P分は2.000 I分は0.900 D分は0.000となる。
図11に示すように、ハイブリッド推進制御部40は、ガバナ指令値算出部41を有している。ガバナ指令値算出部41は、外部信号処理部20から送られた信号からガバナ指令値(回転数指示)を算出し、ガバナ3に指令する。
図12を参照して上記算出の手順の一例をより具体的に説明すれば、例えば、この図12のグラフにおいて、入力されたプロペラ回転速度が450[min -1] である時の目標主機関出力は、
プロペラ回転速度が400 〜500[min -1] での直線の傾きが2.5 なので、
2.5 ×(450[min -1]-400[min -1] )+500[kW]=625 [kW]
となる。
新造船のとき:回転マージン+4%曲線
理想的な就航中: 回転マージン+ 2%曲線
トルクリッチ上限作動線:回転マージン−4%曲線
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)−E(n −1)) +Δt /Tl×E(n)
+Td/Δt (E(n)−2E(n−1)+E(n −2)) }
トルク指令値(n) =トルク指令値(n−1) +トルク指令演算値 …(式5)
トルク指令演算値=Kp×{(E(n)+Δt /Tl×ΣEi
+Td/Δt (E(n)−E(n −1))} …(式6)
Kp:比例分ゲイン(P分)、Tl:積分時間(I分)、Td:微分時間(D分)、Δt:演算周期、E(n):現在主機関出力−目標主機関出力=偏差
である。
以下、PIDパラメータの調整について、各成分ごとに説明する。
目標主機関出力と現在主機関出力との偏差が大きく、現在主機関出力が目標機関出力に到達するスピードが遅い、つまりモータ11のアシストスピードが遅い場合は、P分パラメータを現状値より大きい値に調整する。反対に、到達スピードが速い場合は、P分パラメータを現状値より小さい値に調整する。現在主機関出力が目標主機関出力に到達するスピードは、ユーザーの要求又は船舶推進装置1の構成に応じて自由に調整可能。尚、P分パラメータ調整は、I分及びD分パラメータの調整に影響を与えるので、I分、D分パラメータの再調整を行なう。
現在主機関出力が目標主機関出力に到達している時、モータ11の出力が安定しない(ハンチング)時、I分パラメータを現状値より小さい値に調整する。反対にモータ11の応答が鈍い場合はI分パラメータを現状値より大きい値に調整する。尚、I分パラメータ調整は、P分及びD分パラメータの調整に影響を与えるので、P分、D分パラメータの再調整を行なう。
モータ11がオーバシュート又はアンダーシュートする場合は、D分パラメータを現状値より小さい値に調整する。尚、D分パラメータ調整は、P分及びI分パラメータの調整に影響を与えるので、P分、I分パラメータの再調整を行なう。
1.制御動作が開始された後、船舶の乗組員等が速度制御ハンドル15を操作してある位置に設定すると、ハンドル位置を示す信号がコントローラ4の外部信号処理部20に送られ、外部信号処理部20はハンドル位置の信号を処理してガバナ指令値算出部41に送る。ガバナ指令値算出部41は、外部信号処理部20から送られた信号からガバナ指令値(回転数指示)を算出し、ガバナ3に指令する。ガバナ3は、ガバナ指令値(回転数指示)に基づいて主機関2の制御を行う。
現在主機関出力算出部42には、外部信号処理部20で処理された主機関回転速度とラック位置の各信号が入力される。現在主機関出力算出部42は、これら各信号から主機関出力を推定値として演算する。前述したように、現在主機関出力取得部として主機関2に軸馬力計を設け、軸馬力計が検出した主機関出力の実測値を、コントローラ4の外部信号処理部20に出力してもよい。この場合、現在主機関出力算出部42は不要であり、外部信号処理部20から出力された処理済みの主機関出力の実測値を後述する偏差算出部44に与える。
目標主機関出力算出部43には、外部信号処理部20で処理された現在のプロペラ回転速度が入力される。目標主機関出力算出部43は、目標主機関出力とプロペラ回転速度の関係を示す前記制御用データ(図12に例示した)を予め備えており、この制御用データとプロペラ回転速度から、目標主機関出力を算出する。
偏差算出部44は、現在主機関出力算出部42が出力した現在主機関出力と、目標主機関出力算出部43が算出した目標機関出力の偏差を算出する。そして、PIDレギュレータ45は、この偏差と、PID演算式(前記式5、式6)からモータ11のアシストトルク指令を算出する。この場合、現在主機関出力と目標主機関出力の大小関係に対応して、モータ11の状態がモータ力行又はモータ回生に分かれるので、それぞれ次のように制御を行う。
この場合は、図12に例示した「プロペラ性能曲線」のとある回転速度において、同グラフよりも上の位置に現在主機関出力がプロットされる状態であり、船舶が向かい風を受けながら航行しモータ11が動力を生み出している状態(モータ力行)であり以下のような制御を行う。
トルク指令(n)=トルク指令(n−1)+PID演算値
このトルク指令(n)をインバータ12に指令する。トルク指令は増加する。
2)その結果、モータ出力が増加し、モータ11と軸で直結している主機関2の回転速度が増加する。
3)ガバナ3は主機関2の回転速度を維持しようとする為、主機関2に供給する燃料を絞り、主機関出力が低下する。
4)主機関出力と目標機関出力の偏差が小さくなる。
5)主機関出力と目標機関出力の偏差が0より大きい時は、1)に戻り制御を続行する。主機関出力と目標機関出力の偏差が0の時は、現在主機関出力と目標機関出力が一致し、ガバナ3による主機関2の制御及びインバータ12によるモータ11の制御は、現時点での状態を維持する。
この場合は、図12に例示した「プロペラ性能曲線」のとある回転速度において同グラフよりも下の位置に現在主機関出力がプロットされる状態であり、船舶が追い潮に乗って航行しモータ11が発電している状態(モータ回生)であり以下のような制御を行う。
トルク指令(n)=トルク指令(n−1)−PID演算値≧下限リミッタパラメータα このトルク指令(n)をインバータ12に指令する。トルク指令は減少する。
下限リミッタパラメータαが≧0の時は、トルク指令値(n)を0以上に制限する為、モータ11は回生電力を発生しない。
一方、下限リミッタパラメータαが<0の時は、トルク指令値(n)が0未満になる場合もあり、トルク指令値(n)が0未満になった時はモータ11から回生電力が発生する。
3)ガバナ3は主機関2の回転速度を維持しようとする為、主機関2に供給する燃料を増加させ、主機関出力が増加する。
4)主機関出力と目標機関出力の偏差が小さくなる。
5)主機関出力と目標機関出力の偏差が0より小さい時は、1)に戻り制御を続行する。主機関出力と目標機関出力の偏差が0の時は、現在主機関出力と目標機関出力が一致し、ガバナ3による主機関2の制御及びインバータ12によるモータ11の制御は、現時点での状態を維持する。
PIDパラメータの値は各機器の出力、特性等によって変動する。この例では、各機器の仕様を以下のように設定する。
モータ11の容量:295KW
インバータ12の容量:315KW
エンジン発電機の容量:400KW
P分は1.300、I分は0.500、D分は0.000となる。
2…主機関
3…ガバナ
4…コントローラ
7…クラッチ
9…プロペラ
11…モータ
12…インバータ
15…速度制御ハンドル
20…外部信号処理部
30…推進状態判定部
40…ハイブリッド推進制御部
41…ガバナ指令値算出部
42…現在主機関出力算出部
43…目標主機関出力算出部
44…偏差算出部
45…PIDレギュレータ
46…下限リミッタ
50…モータ推進制御部
53…速度算出部
54…速度リミッタ
55…偏差計算部
56…偏差リミッタ
57…PIDレギュレータ
58…下段リミッタ
EG…エンジン発電機
EN…エンジン
GR…発電機
GV…ガバナ
Claims (8)
- ガバナにより制御される主機関と、前記主機関の駆動力をプロペラに伝達できるクラッチと、前記プロペラを駆動するモータと、エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータとを備え、前記クラッチを離脱させた状態で行う前記モータによるモータ推進と、前記クラッチを嵌合させた状態で行う前記主機関及び前記モータによるハイブリッド推進とを切り替えて船舶を推進させる船舶推進方法であって、
前記モータ推進から前記ハイブリッド推進状態に移行完了しているか否かの判定を、次の3つの条件式を使用して行ない、
(a) 主機関出力≧プロペラ回転必要出力値、
(b) モータ出力<プロペラ回転必要出力値、
(c) (モータ回転速度−主機関回転速度)の絶対値≦所定回転速度、
前記(a) 及び前記(b) が成立するか、又は前記(a) 及び前記(c) が成立する場合、ハイブリッド推進移行完了と判定し、前記ハイブリッド推進の制御に移ることを特徴とする船舶推進方法。 - 前記ハイブリッド推進においては、
現在主機関出力を取得する現在主機関出力取得工程と、
現在のプロペラ回転速度から目標主機関出力を算出する目標主機関出力算出工程と、
前記目標主機関出力と前記現在主機関出力の偏差を使用したPID演算式によりアシストトルク指令値を算出して前記インバータに指示するモータトルク制御工程とを備えて、
前記インバータは引き続き前記モータをトルク制御することを特徴とする請求項1記載の船舶推進方法。 - 前記モータ推進では、速度制御ハンドル位置からモータ目標回転速度を決定し、モータ回転速度がモータ目標回転速度に一致するようフィードバック制御によりトルク指令値を前記インバータに指令するに際して、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない値となるように制限することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴とする請求項1記載の船舶推進方法。
- 前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定したPID演算式により算出することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴とする請求項3に記載の船舶推進方法。
- ガバナにより制御される主機関と、前記主機関の駆動力をプロペラに伝達できるクラッチと、前記プロペラを駆動するモータと、エンジンにより発電機を駆動して電力を発生するエンジン発電機と、前記エンジン発電機から供給される電力を用いて前記モータをトルク制御するインバータとを備え、前記クラッチを離脱させた状態で行う前記モータによるモータ推進と、前記クラッチを嵌合させた状態で行う前記主機関及び前記モータによるハイブリッド推進とを切り替えて船舶を推進させる船舶推進装置であって、
前記モータ推進から前記ハイブリッド推進状態に移行完了しているか否かの判定を、次の3つの条件式を使用して行ない、
(a) 主機関出力≧プロペラ回転必要出力値、
(b) モータ出力<プロペラ回転必要出力値、
(c) (モータ回転速度−主機関回転速度)の絶対値≦所定回転速度、
前記(a) 及び前記(b) が成立するか、又は前記(a) 及び前記(c) が成立する場合、ハイブリッド推進移行完了と判定し、前記ハイブリッド推進の制御に移ることを特徴とする船舶推進装置。 - 現在主機関出力を取得する現在主機関出力取得部と、
現在のプロペラ回転速度から目標主機関出力を算出する目標主機関出力算出部と、
前記目標主機関出力と前記現在主機関出力の偏差を算出する偏差算出部と、
前記偏差算出部が算出した偏差に基づきアシストトルク指令値を算出して前記インバータに出力するPIDレギュレータとを備えて、
前記ハイブリッド推進でも、前記インバータは引き続き前記モータをトルク制御するコントローラを有することを特徴とする請求項5記載の船舶推進装置。 - 前記モータ推進では、速度制御ハンドル位置からモータ目標回転速度を決定し、モータ回転速度がモータ目標回転速度に一致するようフィードバック制御によりトルク指令値を前記インバータに指令するに際して、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない値となるように制限することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせるコントローラを有することを特徴とする請求項5記載の船舶推進装置。
- 前記コントローラは、前記インバータに出力するトルク指令値の単位時間あたりの変化量を、前記エンジン発電機がハンチングを起こさない前記インバータの応答速度になるように制限するPIDパラメータを設定したPID演算式により算出することによって、インバータの応答性を鈍くしてエンジン発電機の応答性に合わせることを特徴とする請求項7に記載の船舶推進装置。
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