JPWO2017138436A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、水系インクで樹脂記録媒体に記録しても、高画質を維持したまま、外観の良好な記録物を得ることができるインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法に関し、原反ロール加熱支持機構における原反ロールに巻かれた記録媒体、及び複数のインクジェットヘッドの直下の記録媒体を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、複数の温度測定機は、それぞれ複数の記録媒体測定箇所の表面温度を測定し、加熱量制御装置は、該複数の測定温度に基づいて、該張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内になるように、原反ロール加熱支持機構の加熱量とアンダーヒーターの加熱量とを制御するインクジェット記録装置、及び該装置を用いるインクジェット記録方法である。

Description

本発明は、インクジェット記録装置、及び該記録装置を用いるインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被記録物に対して非接触、という数多くの利点があるため、一般消費者向けの民生用印刷に留まらず、近年は、商業印刷、産業印刷分野に応用され始めている。
商業印刷や産業印刷分野では、例えば、ラインヘッド方式の固定記録ヘッドを用いて、ロール状合成樹脂フィルムを走査させる高速印刷が提案されている。
合成樹脂フィルムはインクを吸液しないために、インク液滴の着弾後もインクの流動性が高く、混色が発生し易く、画質低下を招き易い。そこで、効率よくインクを乾燥させるために、様々な乾燥手段を有するインクジェット記録方法が提案されている。
例えば、特開2008−44367号(特許文献1)には、記録媒体の任意の一部分を選択的に加熱可能な加熱手段と、加熱手段を制御する制御手段とを備え、記録媒体上の液体吐出率が所定値以上の領域に対しては、記録媒体の許容温度以下を第1の設定温度とするとともに、液体吐出率が所定値以下の領域に対しては、第1の設定温度より低い所定温度を第2の設定温度とした加熱パターンにより、記録媒体を液体吐出前から加熱する画像形成装置が開示されている。
特開2013−166271号(特許文献2)には、インク吐出ノズルが設けられた記録ヘッドと、該ノズルが設けられた面に対向する記録媒体面の裏側の面から記録媒体を加熱する加熱手段とを備える印刷装置を用いるインクジェット印刷方法であって、インクは、溶媒、着色剤及び樹脂を含み、記録媒体上に該インクが着弾した後に、該加熱手段にて該インクを乾燥させる工程を含むインクジェット印刷方法が開示されている。特許文献2は、その図から明らかなように、インクジェットヘッド直下に記録媒体の裏面から加熱する手段を有する印刷装置を用いている。
本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]シート状の樹脂記録媒体が巻かれている原反ロールを支持すると共に、該原反ロールを加熱する原反ロール加熱支持機構と、
該原反ロールから巻ほどかれ送り方向に移動する該記録媒体に、複数の水系インクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、
それぞれが、各インクジェットヘッドに対向する該記録媒体の面とは裏側の面から該記録媒体を加熱する複数のアンダーヒーターと、
該記録媒体を巻き取りロールに巻き取る巻取機構と、
該送り方向において、該記録媒体のうち、該原反ロール加熱支持機構と該巻取機構との間の記録媒体をたわみなく均等に維持するための張力を付与する張力付与機構と、
記録媒体の表面温度を測定する複数の温度測定機と、
該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する加熱量制御装置と、を備え、
該原反ロール加熱支持機構における該原反ロールに巻かれた記録媒体、及び、該複数のインクジェットヘッドの直下の記録媒体を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、該複数の温度測定機は、それぞれ、該複数の記録媒体測定箇所の表面温度を測定し、
該加熱量制御装置は、該複数の温度測定機が測定した温度に基づいて、該張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内になるように、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する、インクジェット記録装置。
[2]前記[1]に記載のインクジェット記録装置を用いる、インクジェット記録方法。
本発明に使用するインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1のインクジェット記録装置において、更に定着・硬化手段を有する一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に使用するインクジェット記録装置のアンダーヒーター部分の一実施形態の詳細を示す説明図である。
特許文献1のインクジェット記録装置では、記録媒体に対する液体吐出率が変化すると設定温度が変化し、記録媒体が温度変化により膨張又は収縮し、中間色を印刷するために複数のインクジェットヘッドから複数のインクを重ね打ちするとインクの着弾位置が微妙にずれて、見当ずれによる画質低減が生じる場合があった。
特許文献2のインクジェット記録装置では、インクが着弾する前後で記録媒体の温度差が生じて、記録媒体が温度変化により不均一に膨張又は収縮し、中間色を印刷するために複数のインクジェットヘッドから複数のインクを重ね打ちするとインクの着弾位置が微妙にずれて、見当ずれによる画質低減が生じる場合があった。
また、記録媒体を加温すると、記録媒体がより伸縮しやすくなり、特に記録媒体が原反ロールから巻ほどかれ所定の張力を付与して搬送される印刷方式においては、記録媒体見当合わせは極めて困難となり、その改善が望まれていた。さらに、水系インクを用いる場合は、乾燥性を向上するために溶媒系インクよりも加熱が必要となり、より温度差が生じて見当ずれによる画質低減がさらに生やすい。
本発明は、水系インクで樹脂記録媒体に記録しても、高画質を維持したまま、外観の良好な記録物を得ることができるインクジェット記録装置、及び該記録装置を用いるインクジェット記録方法に関する。
なお、「記録」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「記録物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
本発明者らは、樹脂記録媒体を用いるインクジェット記録装置において、樹脂記録媒体が搬送される間の温度ムラを抑制すれば、高画質を維持したまま、シワ・ヨレのない外観の良好な記録物を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]シート状の樹脂記録媒体が巻かれている原反ロールを支持すると共に、該原反ロールを加熱する原反ロール加熱支持機構と、
該原反ロールから巻ほどかれ送り方向に移動する該記録媒体に、複数の水系インクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、
それぞれが、各インクジェットヘッドに対向する該記録媒体の面とは裏側の面から該記録媒体を加熱する複数のアンダーヒーターと、
該記録媒体を巻き取りロールに巻き取る巻取機構と、
該送り方向において、該記録媒体のうち、該原反ロール加熱支持機構と該巻取機構との間の記録媒体をたわみなく均等に維持するための張力を付与する張力付与機構と、
記録媒体の表面温度を測定する複数の温度測定機と、
該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する加熱量制御装置と、を備え、
該原反ロール加熱支持機構における該原反ロールに巻かれた記録媒体、及び、該複数のインクジェットヘッドの直下の記録媒体を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、該複数の温度測定機は、それぞれ、該複数の記録媒体測定箇所の表面温度を測定し、
該加熱量制御装置は、該複数の温度測定機が測定した温度に基づいて、該張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内になるように、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する、インクジェット記録装置。
[2]前記[1]に記載のインクジェット記録装置を用いる、インクジェット記録方法。
本発明によれば、水系インクで樹脂記録媒体に記録しても、高画質を維持したまま、外観の良好な記録物を得ることができるインクジェット記録装置、及び該記録装置を用いるインクジェット記録方法を提供することができる。
[インクジェット記録装置]
本発明のインクジェット記録装置は、シート状の樹脂記録媒体が巻かれている原反ロールを支持すると共に、該原反ロールを加熱する原反ロール加熱支持機構と、該原反ロールから巻ほどかれ送り方向に移動する該記録媒体に複数の水系インクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、それぞれが、各インクジェットヘッドに対向する該記録媒体の面とは裏側の面から該記録媒体を加熱する複数のアンダーヒーターと、該記録媒体を巻き取りロールに巻き取る巻取機構と、該送り方向において、該記録媒体のうち、該原反ロール加熱支持機構と該巻取機構との間の記録媒体をたわみなく均等に維持するための張力を付与する張力付与機構と、記録媒体の表面温度を測定する複数の温度測定機と、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する加熱量制御装置と、を備え、
該原反ロール加熱支持機構における該原反ロールに巻かれた記録媒体、及び、該複数のインクジェットヘッドの直下の記録媒体を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、該複数の温度測定機は、それぞれ、該複数の記録媒体測定箇所の表面温度を測定し、
該加熱量制御装置は、該複数の温度測定機が測定した温度に基づいて、該張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内になるように、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する、インクジェット記録装置である。
樹脂記録媒体を用いるインクジェット記録装置において、樹脂記録媒体を搬送する際には、樹脂記録媒体のシワ・ヨレを防止するために張力(以下、「テンション」ともいう)を付与する必要があるが、樹脂記録媒体の温度ムラが大きいと部分的な伸縮が生じてシワやヨレの発生を招く。
そこで、本発明のインクジェット記録装置においては、記録媒体の温度ムラを抑制するために、印刷前の記録媒体全体を加温できる加熱機構、各色ヘッドに対向する温度可変型のアンダーヒーターを設置することで、樹脂記録媒体が搬送される間の温度ムラを10℃以内に制御することにより、高画質を維持したまま、シワ・ヨレのない外観の良好な記録物を得ることができる。
従来、赤外線照射による乾燥手段を備えたインクジェット記録装置が知られているが、赤外線照射ではインク色間の赤外線の吸収差による温度差が大きくなるため、高画質を維持したまま、外観の良好な記録物を得ることが困難であった。また、温風吹きつけによる乾燥手段においても同様である。
また、プラテン一体型の加熱装置で記録媒体に全面接触させながら記録媒体を搬送すると、記録媒体の表面にシワ、ヨレ、キズ等の外観不良が生じるため、フィルム厚みの薄い軟包装分野の記録装置としては不適当であった。
<水系インク>
本発明に用いられる水系インク(以下、単に「インク」ともいう)は、少なくとも顔料(A)及び水を含有する水系インクである。また、必要に応じて、ポリマー(B)、有機溶媒(C)、界面活性剤(D)、その他の成分を含有することができる。なお、本明細書において、「水系」とは、インクに含有される媒体中で、水が最大割合を占めていることを意味する。
<顔料(A)>
本発明に用いられる顔料の種類は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられ、黒色インクにおいては、顔料としてカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。白色インクにおいては、顔料として酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物等が挙げられ、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。有彩色インクにおいては、有機顔料が好ましい。色相は特に限定されず、イエロー、マゼンタ、シアン、赤色、青色、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
黒色インク及び有彩色インクの顔料の平均粒径は、着色力と分散安定性の向上の観点から60nm以上180nm以下が好ましい。白色インクの顔料の平均粒径は、白色度向上の観点から、150nm以上400nm以下が好ましい。
本発明に用いられる顔料は、自己分散型顔料及び顔料をポリマー(B)で分散させた粒子から選ばれる1種以上の顔料の形態で用いることができる。
〔自己分散型顔料〕
本発明において用いることができる自己分散型顔料とは、親水性官能基(カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性親水基、又は第4級アンモニウム基等のカチオン性親水基)の1種以上を直接、又は炭素数1〜12のアルカンジイル基等の他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料を意味する。顔料を自己分散型顔料とするには、例えば、親水性官能基の必要量を、常法により顔料表面に化学結合させればよい。自己分散型顔料の市販品としては、キャボットジャパン株式会社製のCAB−O−JET 200、同300、同352K、同250A、同260M、同270Y、同450A、同465M、同470Y、同480Vやオリヱント化学工業株式会社製のBONJET CW−1、同CW−2等、東海カーボン株式会社製のAqua−Black 162等、SENSIENT INDUSTRIAL COLORS社製のSENSIJET BLACK SDP100、SDP1000、SDP2000等が挙げられる。自己分散型顔料は、水に分散された顔料水分散体として用いることが好ましい。
〔顔料をポリマー(B)で分散させた粒子〕
本発明では、顔料の形態として顔料をポリマー(B)で分散させた粒子を用いることができる。顔料をポリマーで分散させた粒子は、例えば、1)顔料とポリマーとを混練し、その混練物を水等の媒体中に分散させた粒子、2)顔料とポリマーを水等の媒体中で攪拌し、顔料を水等の媒体中に分散させた粒子、3)ポリマー原料と顔料を機械的に分散させた状態でポリマー原料を重合し、得られたポリマーにより顔料が水等の媒体中に分散している粒子、等が挙げられる。
さらに、保存安定性を向上する観点から、これらの顔料をポリマーで分散させた粒子に対して、ポリマーを架橋剤で架橋してもよい。架橋剤としては、ポリマーが有する官能基と反応できる官能基を2以上有する化合物が挙げられる。例えば、ポリマーがカルボキシ基を有する場合、架橋剤としては、多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が好ましく挙げられる。
[ポリマー(B)]
本発明では、顔料の分散性を向上する観点及び得られる画像の定着性を向上する観点から、水系インク中にポリマー(B)をさらに含有することが好ましい。ポリマー(B)として、ポリウレタン及びポリエステル等の縮合系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂及びアクリルシリコーン系樹脂等のビニル系ポリマーが挙げられるが、ビニル系ポリマーが好ましい。
ポリマー(B)の重量平均分子量は、顔料の分散性を向上する観点及び得られる画像の定着性を向上する観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、更に好ましくは30,000以上、より更に好ましくは40,000以上であり、そして、好ましくは2,500,000以下、より好ましくは1,000,000以下である。
本発明に用いられるポリマー(B)は、顔料を分散させるための顔料分散ポリマー(B−1)及び印刷物の耐擦過性を向上させるための定着助剤ポリマー(B−2)として用いることができ、これらを併用してもよい。
[顔料分散ポリマー(B−1)]
用いられる顔料を分散させるための顔料分散ポリマー(B−1)としては、ポリエステル、ポリウレタン等の縮合系樹脂、ビニル系ポリマー等が挙げられるが、顔料の分散安定性の観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマーが好ましい。顔料分散ポリマー(B−1)は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
顔料分散ポリマー(B−1)の重量平均分子量は、顔料の分散性を向上する観点から、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは40,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは300,000以下、更に好ましくは200,000以下である。
ビニル系ポリマーとしては、例えば、「アロンAC−10SL」(東亜合成株式会社製)等のポリアクリル酸、「ジョンクリル67」、「ジョンクリル611」、「ジョンクリル678」、「ジョンクリル680」、「ジョンクリル690」、「ジョンクリル819」(以上、BASFジャパン株式会社製)等のスチレン−アクリル樹脂等が挙げられる。
[定着助剤ポリマー(B−2)]
定着助剤ポリマー(B−2)は、顔料を含有しないポリマー粒子として用いることが好ましい。その成分としては、ポリウレタン及びポリエステル等の縮合系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂及びアクリルシリコーン系樹脂等のビニル系ポリマーが挙げられる。これらの中では、印刷基材上での乾燥性を早め、印刷物の耐擦過性を向上させる観点から、アクリル系樹脂が好ましい。
また、定着助剤ポリマー(B−2)は、水系インクの生産性を向上させる観点から、ポリマー粒子を含む分散液として用いることが好ましい。定着助剤ポリマー(B−2)は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
定着助剤ポリマー(B−2)は、モノマーの混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造される。例えば、重合法としては、好ましくは乳化重合法や懸濁重合法等が挙げられ、より好ましくは乳化重合法である。
市販の定着助剤ポリマー(B−2)としては、例えば、「Neocryl A1127」(DSM NeoResins社製、アニオン性自己架橋水系アクリル樹脂)、「ジョンクリル390」(BASFジャパン株式会社製)等のアクリル樹脂、「WBR−2018」「WBR−2000U」(大成ファインケミカル株式会社製)等のウレタン樹脂、「SR−100」、「SR102」(以上、日本エイアンドエル株式会社製)等のスチレン−ブタジエン樹脂、「ジョンクリル7100」、「ジョンクリル7600」、「ジョンクリル537J」、「ジョンクリルPDX−7164」、「ジョンクリル538J」、「ジョンクリル780」、(以上、BASFジャパン株式会社製)等のスチレン−アクリル樹脂、及び「ビニブラン700」、「ビニブラン701」(日信化学工業株式会社製)等の塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
定着助剤ポリマー(B−2)の形態としては、水中に分散した粒子が挙げられる。定着助剤ポリマー(B−2)粒子の分散体は、印刷基材上で成膜して定着性を向上させる。
本発明で用いられる定着助剤ポリマー(B−2)の重量平均分子量は、定着性の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、更に好ましくは50,000以上であり、そして、好ましくは2,500,000以下、より好ましくは1,000,000以下である。
また、定着助剤ポリマー(B−2)粒子を含有する分散体中又はインク中の定着助剤ポリマー(B−2)粒子の平均粒径は、インクの保存安定性から、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、そして、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下、より更に好ましくは130nm以下である。
<有機溶媒(C)>
有機溶媒(C)は、水系インクの色移りや記録媒体の外観不良を抑制する観点、及び高速印刷時における連続吐出性の観点から、沸点が90℃以上250℃未満であるものが好ましい。有機溶媒(C)の沸点は、上記と同様の観点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、そして、好ましくは245℃以下、好ましくは240℃以下、好ましくは235℃以下である。
かかる有機溶媒(C)としては、多価アルコール(c−1)、グリコールエーテル(c−2)等が挙げられる。
前記の多価アルコール(c−1)としては、エチレングリコール(沸点197℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,2−ブタンジオール(沸点193℃)、1,2−ペンタンジオール(沸点206℃)、1,2−ヘキサンジオール(沸点223℃)等の1,2−アルカンジオール、ジエチレングリコール(沸点245℃)、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,4−ブタンジオール(沸点230℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4−ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3−ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)等が挙げられる。
これらの中では、インクの保存安定性及び連続吐出性を向上させる観点から、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール等の炭素数2以上6以下のアルカンジオール、及び分子量500〜1000のポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上が好ましく、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素数3以上4以下の1,2−アルカンジオール、及び前記ポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上がより好ましい。
(グリコールエーテル(c−2))
グリコールエーテル(c−2)の具体例としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられるが、連続吐出性を向上させ、かつ色移りや記録媒体の外観不良がない良好な記録物を得る観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基は、直鎖及び分岐鎖が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールエチルエーテル(沸点136℃)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点144℃)、エチレングリコールプロピルエーテル(沸点151℃)、エチレングリコールブチルエーテル(沸点171℃)、ジエチレングリコールメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点207℃)、ジエチレングリコールイソブチルエーテル(沸点230℃)、ジエチレングリコールブチルエーテル(沸点230℃)、トリエチレングリコールメチルエーテル(沸点248℃)、ジプロピレングリコールブチルエーテル(沸点231℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(沸点189℃)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(沸点243℃)等が挙げられる。
これらの中では、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、及びジエチレングリコールブチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、及びジエチレングリコールイソブチルエーテルから選ばれる1種以上がより好ましい。
(その他の有機溶媒)
本発明においては、前記の有機溶媒(C)以外に、水系インクに通常配合されるその他のアルコール、該アルコールのアルキルエーテル、グリコールエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等を含有することができる。
例えば、1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、ポリプロピレングリコール(沸点250℃以上)、グリセリン(沸点290℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることができる。
<界面活性剤(D)>
本発明で用いられる水系インクは、インク粘度の上昇を抑制し、連続吐出性を向上させ、かつ色移りや記録媒体の外観不良のない良好な記録物を得る観点から、界面活性剤(D)を含有することが好ましく、界面活性剤(D)としては、シリコーン系界面活性剤(d−1)を含むものが好ましい。
シリコーン系界面活性剤(d−1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク粘度の上昇を抑制し、連続吐出性を向上させ、かつ色移りや記録媒体の外観不良がない良好な記録物を得る観点から、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましい。
(ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤)
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、インク粘度の上昇を抑制し、またインク同士の混色を抑制することができるため、高速印刷において色移りのない良好な記録物を得ることに寄与すると考えられる。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、シリコーンオイルの側鎖及び/又は末端の炭化水素基を、ポリエーテル基で置換された構造を有するものである。該ポリエーテル基としては、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(トリメチレンオキシ基又はプロパン−1,2−ジイルオキシ基;PO)がブロック状又はランダムに付加したポリアルキレンオキシ基が好適であり、シリコーン主鎖にポリエーテル基がグラフトした化合物、シリコーンとポリエーテル基がブロック状に結合した化合物等を用いることができる。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤のHLB値は、水系インクへの溶解性の観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは4.0以上、更に好ましくは4.5以上である。ここで、HLB値は、界面活性剤の水及び油への親和性を示す値であり、グリフィン法により次式から求めることができる。なお、次式において「界面活性剤中に含まれる親水基」としては、例えば、水酸基及びエチレンオキシ基が挙げられる。
HLB=20×[(界面活性剤中に含まれる親水基の分子量)/(界面活性剤の分子量)]
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤の具体例としては、信越化学工業株式会社製のKFシリーズ、日信化学工業株式会社製のシルフェイスSAG、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYKシリーズ等が挙げられる。
(それ以外の界面活性剤)
本発明においては、界面活性剤(D)として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤以外の界面活性剤を併用することができる。それらの中では、インクの適用性の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、(1)炭素数8〜22の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の高級アルコール、多価アルコール、又は芳香族アルコールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシド(以下総称して、「アルキレンオキシド」という)を付加したポリオキシアルキレンのアルキルエーテル、アルケニルエーテル、アルキニルエーテル又はアリールエーテル、(2)炭素数8〜22の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を有する高級アルコールと多価脂肪酸とのエステル、(3)炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を有する、ポリオキシアルキレン脂肪族アミン、(4)炭素数8〜22の高級脂肪酸と、多価アルコールのエステル化合物又はそれにアルキレンオキシドを付加した化合物等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、日信化学工業株式会社及びAir Products & Chemicals社製のサーフィノールシリーズ、川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールシリーズ、花王株式会社製のエマルゲン120(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)等が挙げられる。
[水系インクの各成分の含有量、インク物性]
本発明に用いられる水系インクの各成分の含有量、インク物性は以下のとおりである。
(顔料(A)の含有量)
黒色及び有彩色の水系インク中の顔料(A)の含有量は、水系インクの記録濃度を向上させる観点から、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは4.0質量%以上、更に好ましくは6.0質量%以上である。また、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、連続吐出性を向上させ、かつ色移りや記録媒体の外観不良がない良好な記録物を得る観点から、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましく15質量%以下、より更に好ましくは10.0質量%以下である。
白色の水系インク中の顔料(A)の含有量は、黒色及び有彩色インクによる画像1を白色インクで完全に被覆することにより、記録面の色むらをなくし、樹脂記録媒体の熱変形を防止する観点から、好ましくは4.0質量%以上、より好ましくは6.0質量%以上、更に好ましくは8.0質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましく20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。
(ポリマー(B)の含有量)
水系インク中のポリマー(B)の含有量は、定着性の観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは13質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下である。ポリマー(B)の含有量は、顔料含有ポリマー粒子の顔料分散ポリマー(B−1)と定着助剤ポリマー(B−2)を含む合計量をいう。
また、ポリマー(B)を顔料分散ポリマー(B−1)として用いる場合、水系インクにおける顔料分散ポリマー(B−1)の含有量は、定着性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。
また、ポリマー(B)をインク中の定着助剤ポリマー(B−2)として用いる場合、水系インク中の定着助剤ポリマー(B−2)の含有量は、インクの定着性の観点から、好ましくは0.9質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
(有機溶媒(C)の含有量)
水系インク中の沸点90℃以上250℃未満の有機溶媒の含有量は、インクの連続吐出性を向上させる観点から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
水系インク中の多価アルコール(c−1)の含有量は、インクの保存安定性及び連続吐出性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
水系インク中のグリコールエーテル(c−2)の含有量は、インクの保存安定性及び連続吐出性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。
本発明に用いられる水系インクは、高速印刷において、適度な乾燥性を付与し、色移りを防止する観点から、沸点250℃以上の高沸点有機溶媒の含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
(界面活性剤(D)の含有量)
水系インク中の界面活性剤(D)の合計含有量は、インク粘度の上昇を抑制し、インクの連続吐出性を向上させ、色移りや記録媒体の外観不良がない良好な記録物を得る観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、そして、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
(水の含有量)
水系インク中の水の含有量は、インクの連続吐出性及び保存安定性を向上させ、色移りや記録媒体の外観不良がない良好な記録物を得る観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、そして、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
(その他の成分)
本発明で用いられる水系インクには、上記成分の他に、通常用いられる保湿剤、湿潤剤、浸透剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を添加することができる。
(水系インク物性)
水系インクに含まれる粒子の平均粒径は、黒色インク及び有彩色インクの場合、保存安定性、吐出性の観点から、好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは80nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、更に好ましくは200nm以下、より更に好ましは180nm以下である。
白色インクの場合、含まれる粒子の平均粒径は、黒色インク及び/又は有彩色インクにより形成された画像1を被覆する観点から、好ましくは100nm以上、より好ましくは150nm以上、更に好ましくは200nm以上であり、そして、好ましくは400nm以下、より好ましくは350nm以下、更に好ましくは300nm以下、より更に好ましは280nm以下である。
水系インクの20℃における静的表面張力は、水系インクの吐出耐久性を向上させる観点から、好ましくは22mN/m以上、より好ましくは24mN/m以上、更に好ましくは25mN/m以上であり、そして、好ましくは45mN/m以下、より好ましくは40mN/m以下、更に好ましくは35mN/m以下である。
水系インクの32℃の粘度は、インクの連続吐出性を向上させる観点から、好ましくは2.0mPa・s以上であり、より好ましくは3.0mPa・s以上であり、更に好ましくは4.0mPa・s以上であり、そして、好ましくは12mPa・s以下であり、より好ましくは9.0mPa・s以下であり、更に好ましくは7.0mPa・s以下である。
水系インクのpHは、インクの保存安定性及び連続吐出性を向上させる観点、及び色移りや記録媒体の外観不良がない良好な記録物を得る観点から、好ましくは7.0以上であり、より好ましくは8.0以上であり、更に好ましくは8.5以上であり、より更に好ましくは8.7以上である。また、部材耐性、皮膚刺激性の観点から、pHは、好ましくは11.0以下であり、より好ましくは10.0以下である。
なお、平均粒径、静的表面張力、粘度、pHは、実施例に記載の方法により測定される。
<インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録装置は、シート状の樹脂記録媒体が巻かれている原反ロールを支持すると共に、該原反ロールを加熱する原反ロール加熱支持機構と、該原反ロールから巻ほどかれ送り方向に移動する該記録媒体に複数の水系インクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、それぞれが、各インクジェットヘッドに対向する該記録媒体の面とは裏側の面から該記録媒体を加熱する複数のアンダーヒーターと、該記録媒体を巻き取りロールに巻き取る巻取機構と、該送り方向において、該記録媒体のうち、該原反ロール加熱支持機構と該巻取機構との間の記録媒体をたわみなく均等に維持するための張力を付与する張力付与機構と、記録媒体の表面温度を測定する複数の温度測定機と、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する加熱量制御装置と、を備え、
該原反ロール加熱支持機構における該原反ロールに巻かれた記録媒体、及び、該複数のインクジェットヘッドの直下の記録媒体を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、該複数の温度測定機は、それぞれ、該複数の記録媒体測定箇所の表面温度を測定し、
該加熱量制御装置は、該複数の温度測定機が測定した温度に基づいて、該張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内になるように、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する、インクジェット記録装置である。
また、本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置を用いる、インクジェット記録方法である。
〔樹脂記録媒体〕
本発明に用いられる樹脂記録媒体は、シート状の樹脂記録媒体が巻かれているロール状の記録媒体、即ち原反ロールが用いられる。
樹脂記録媒体としては、透明合成樹脂フィルムが挙げられ、例えば、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルムであってもよい。これらの中では、ポリエステルフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムがより好ましく、コロナ放電処理等の表面処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムがより好ましい。
樹脂記録媒体の厚さは特に制限はない。厚さ1〜20μm未満の薄肉フィルムでもよいが、記録媒体の外観不良の抑制、及び入手性の観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは35μm以上であり、そして、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更に好ましくは75μm以下である。
樹脂記録媒体の原反ロールの長さ(印刷媒体が印刷の際に移動する送り方向の長さ)は、印刷物の生産性の観点から、100m以上が好ましく、500m以上がより好ましく、そして、原反ロールの交換の容易性の観点から、5000m以下が好ましい。樹脂記録媒体の原反ロールの幅は(樹脂記録媒体面上で送り方向と直交する長さ)は、樹脂記録媒体のよれを低減する観点から、100cm以上が好ましく、そして、樹脂記録媒体のしわを低減する観点から、2000cm以下が好ましい。
透明合成樹脂フィルムの市販品としては、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート)、太閤FE2001(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理ポリエチレンテレフタレート)、PVC80B P(リンテック株式会社製、塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)等が挙げられる。
〔インクジェットヘッド〕
本発明に用いるインクジェット記録装置は、複数の水系インクを吐出する複数のインクジェットヘッドを有することが好ましい。
インクジェットヘッドとしては、シリアルヘッド方式及びラインヘッド方式のいずれの記録ヘッドも用いることができるが、ラインヘッド方式が好ましい。ラインヘッド方式の記録ヘッドは、記録媒体の幅程度の長尺の記録ヘッドであり、記録ヘッドは固定して、記録媒体を搬送方向に移動させ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク液滴を吐出させ、記録媒体に付着させることにより、画像等を記録することができる。
インク液滴の吐出方式はピエゾ方式が好ましい。ピエゾ方式では、多数のノズルが、各々圧力室に連通しており、この圧力室の壁面をピエゾ素子で振動させることにより、ノズルからインク液滴を吐出させる。なお、サーマル方式を採用することもできる。
記録ヘッドの印加電圧は、高速印刷の効率性等の観点から、好ましくは5V以上、より好ましくは10V以上、更に好ましくは15V以上であり、そして、好ましくは40V以下、より好ましくは35V以下、更に好ましくは30V以下である。
駆動周波数は、高速印刷の効率性等の観点から、好ましくは2kHz以上、より好ましくは5kHz以上、更に好ましくは8kHz以上であり、そして、好ましくは80kHz以下、より好ましくは70kHz以下、更に好ましくは60kHz以下である。
〔記録方法〕
インクの吐出液滴量は、インク液滴の着弾位置の精度を維持する観点及び画質向上の観点から、1滴あたり好ましくは0.5pL以上、より好ましくは1.0pL以上、更に好ましくは1.5pL以上、より更に好ましくは1.8pL以上であり、そして、好ましくは20pL以下、より好ましくは15pL以下、更に好ましくは13pL以下である。
記録ヘッド解像度は、好ましくは400dpi(ドット/インチ)以上、より好ましくは500dpi以上、更に好ましくは550dpi以上である。
記録時のヘッド内、好ましくはラインヘッド内の温度は、インクの粘度を下げ、連続吐出性を向上させる観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、そして、好ましくは45℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは38℃以下である。
記録ヘッド、好ましくはラインヘッドがインクを吐出する領域と対面する記録媒体の表面温度は、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは45℃以上であり、そして、好ましくは75℃以下、より好ましくは65℃以下、更に好ましくは60℃以下、より更に好ましくは55℃以下である。
記録媒体の搬送速度は、生産性の観点から、5m/min以上であることが好ましく、10m/min以上であることがより好ましく、20m/min以上が更に好ましく、30m/min以上がより更にこのましい。記録媒体の搬送速度とは、印刷媒体が印刷の際に移動する方向に対して移動する速度を意味する。また、記録媒体の搬送速度は、安定した搬送速度を得る観点から、300m/min以下が好ましい。
〔水系インク〕
本発明に用いる水系インクは、好ましくは黒色インク、有彩色インク、白色インクから選ばれる2種以上の水系インクである。
水系インクを吐出する記録媒体の表面温度は、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは45℃以上であり、そして、好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
水系インクの記録媒体上の付着量は、記録物の画質向上及び記録速度の観点から、固形分として、好ましくは0.1g/m以上であり、そして、好ましくは25g/m以下、より好ましくは20g/m以下である。
〔その他の手段〕
水系インクを吐出して画像を記録した後は、吐出された黒色インク及び/又は有彩色インクを定着させ、引き続いて次の記録ヘッドからインクが吐出されても各インクの液滴同士が混色しないようにするために、定着・硬化手段を設けることもできる。
ここで、定着とは、記録媒体上に着弾したインクの紙の繊維内への浸透と、表面からのインクの乾燥の両方を合わせた内容を指すものとし、記録媒体の表面に着弾したインクが液滴として存在しなくなることをいう。また、硬化とは、記録媒体に着弾したインク液滴が固化し、インクが記録媒体の表面上に固定されることをいう。
定着・硬化手段としては、例えば、ヒーター等の熱エネルギーを付与する装置や熱風ファン等が挙げられる。
なお、黒色インク及び有彩色インクから選ばれる1種以上で形成された画像1に白色インクを吐出して、画像1を被覆して隠し、白色インクが背景になるように記録することもできる。
また、本発明においては、記録媒体の送り方向の下流に配置された乾燥機構により、記録媒体を乾燥することもできる。乾燥機構としては、ヒーター等の熱エネルギーを付与する装置や熱風ファン等が挙げられる。
<インクジェット記録装置>
次に、図1及び2を参照して、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
図1は、本発明に使用するインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略構成図である。図1において、インクジェット記録装置10は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、白(W)の水系インクを用い、樹脂フィルムからなる記録媒体16に記録する装置である。
インクジェット記録装置10は、原反ロール加熱支持機構61と、複数の転向ローラ32と、送り側テンション付与機構71と、複数のインクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wと、複数のヘッド距離調整機構13と、複数のアンダーヒーター26と、複数の温度測定機27と、複数の定着・硬化手段20と、複数の支持ロール31と、巻き取り側テンション付与機構72と、アフターヒーター24と、加熱量制御装置90と、複数の転向ローラ34と、巻取機構62とを備える。
記録媒体16である原反ロールは、ロール状の合成樹脂フィルムからなる。
原反ロール加熱支持機構61から送り出された記録媒体16は、複数の転向ローラ32を介して、送り側テンション付与機構71に送り出される。
送り側テンション付与機構71から送り出された記録媒体16は、支持ローラ31に支持されながら、インクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wと、複数のアンダーヒーター26と、複数の定着・硬化手段20との間を進み、アフターヒーター24により乾燥され、印刷される。
印刷された記録媒体16は、複数の転向ローラ34及び巻き取り側テンション付与機構72を介して、巻取機構62で巻取ロール50に巻き取られる。
原反ロール加熱支持機構61は、記録媒体16が巻かれた原反ロールを支持する支持ロール40と、支持ロール40に設けられたプーリ41と、プーリ41に架けられた無端ベルト43と、無端ベルト43に回転力を付与する送出しモータ42とを備える。原反ロール加熱支持機構61は、原反ロールを加熱することができるよう、支持ロール40をヒーター付きロールとしたり、格納された支持ロール40を加熱するプレヒーターを備えたりする。印刷時におけるプレヒーターの温度は、好ましくは25℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上、より更に好ましくは45℃以上であり、そして好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは65℃以下である。
このように、原反ロール加熱支持機構61は、送出しモータ42の作動により、支持ロール40を回転させ、原反ロールから巻き解かれた記録媒体16を送り出すことができるよう構成されている。
送り側テンション付与機構71と巻き取り側テンション付与機構72は、後述するように、協働で、記録媒体16の張力を付与する。
送り側テンション付与機構71は、一対のローラ37、38で記録媒体16を挟み、ローラ37の回転速度を調整することにより、記録媒体16の送り方向の速度を調整する。
巻き取り側テンション付与機構72は、一対のローラ35、36で記録媒体16を挟み、ローラ35の回転速度を調整することにより、記録媒体16の送り方向の速度を調整する。また、ローラ35は、記録媒体16が押し上がるような力を付与しているので、送り側テンション付与機構71と巻き取り側テンション付与機構72との間の記録媒体16には、所定の張力が付与される。記録媒体に付与する張力としては、シワ、よれ、伸び、破断を抑制する観点から、好ましくは20N以上、より好ましくは30N以上であり、そして、好ましくは60N以下、より好ましくは50N以下である。
インクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wは、それぞれ、所定量の黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、白(W)のインクを、原反ロールから巻ほどかれ送り方向に移動する記録媒体16の表面側に吐出して画像を記録する記録ヘッドである。記録ヘッドは、印刷ノズルが複数配列されたライン型ヘッドが好ましい。印刷時において、記録媒体16を搬送しつつ各記録ヘッドからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録媒体16上にカラー画像を形成することができる。
なお、図1においては、黒色インクと、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色の有彩色インクと、白インクとの5色を使用する例を示したが、6色以上を使用することもできる。
図2は、図1のインクジェット記録装置において、更に定着・硬化手段を有する一実施形態を示す概略構成図である。
図2において、定着・硬化手段20は、記録媒体16の記録面上に吐出された黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを定着・硬化させるため、記録ヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wの間に設置されている。定着・硬化手段20としては、例えば、ヒーター等の熱エネルギーを付与する装置や熱風ファン等が挙げられる。
複数のヘッド距離調整機構13は、各インクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wと記録媒体16との間の距離を複数のヘッド距離とした場合において、それぞれ、インクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wのヘッド距離を調整する機構である。ヘッド距離調整機構13は、例えば、加熱量制御装置90からの制御量を考慮して、ヘッド距離を調整する。
複数のアンダーヒーター26は、それぞれ、複数のインクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wに対向する、記録媒体16の面とは裏側の面に配置され、記録媒体16を加熱する。アンダーヒーター26は、例えば、温水式や、熱電式のステンレス又はセラミック板を有するヒーター式である。印刷時のおける、アンダーヒーター26の温度は、色移りや、記録媒体にシワ、ヨレ、表面傷がない良好な記録物を得る観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上、より更に好ましくは45℃以上であり、記録物の外観不良を抑制する観点、及び製造エネルギーの消費を抑制する観点から、好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは65℃以下である。
複数の温度測定機27は、原反ロール加熱支持機構61における原反ロールに巻かれた記録媒体16、及び、複数のインクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wの直下の記録媒体16を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、それぞれ、複数の記録媒体測定箇所の表面温度を、非接触で測定する。
複数の支持ロール31は、送り方向に移動する記録媒体16が下がらないように支持するロールである。送り方向において、隣接する2つの支持ロール31の間にアンダーヒーター26が配置している。アンダーヒーター26は、それぞれが、各インクジェットヘッドに対向する記録媒体16の面とは裏側の面から記録媒体16を加熱する。
複数の支持ロール31が記録媒体16を支持しているので、張力が付与された記録媒体16と、複数のアンダーヒーター26及びインクジェットヘッド12K、12C、12M、12Y、12Wとの間の距離は精度よく維持される。
複数のアンダーヒーター26の送り方向側には、記録媒体16を加熱するアフターヒーター24をさらに備えることが好ましい。アフターヒーター24は、記録媒体16を加熱乾燥する熱照射型の赤外線ヒーターで構成されることが好ましい。
加熱量制御装置90は、温度測定機27からの測定された温度に基づいて、張力が付与された記録媒体16の温度が一定になるように、原反ロール加熱支持機構61の加熱量と複数のアンダーヒーター26の加熱量と、好ましくは更にアフターヒーター24の加熱量とを制御し、張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内、好ましくは8℃以内、より好ましくは6℃以内、更に好ましくは5℃以内になるようにする。温度測定機27としては、例えば、赤外線放射温度計を用いることができる。張力が付与された記録媒体16の温度の測定は、印刷物の表面温度と、アンダーヒーターでの記録媒体の表面温度の少なくとも2点について行う。
巻取機構62は、記録媒体16を巻きとる巻取ロール50と、巻取ロールに設けられたプーリ51と、プーリ51に架けられた無端ベルト53と、無端ベルト53に回転力を付与する巻き取りモータ52とを備える。このように、巻取機構62は、巻き取りモータ52の作動により、巻取ロール50を回転させ、印刷された記録媒体16を巻き取るよう構成されている。
次に、図3を参照して、インクジェット記録装置10の詳細を説明する。
図3においては、インクジェットヘッド12Kについて説明するが、他のインクジェットヘッドについても同様である。
アンダーヒーター26は、印刷時において、記録媒体16の裏側の面から所定の距離t2だけ離れた位置に配置されている。距離t2は、色移りと記録物の外観不良を抑制しつつ、効率的に乾燥を行う観点から、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、そして、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。
また、アンダーヒーター26は、送り方向の上流側の支持ロール31と下流側の支持ロール31との間に配置されている。換言すると、印刷時において、アンダーヒーター26は、上流側の支持ロール31の外周円筒側面と、下流側の支持ロール31の外周円筒側面との接線面から離れた位置に配置されている。
また、印刷時において、インクジェットヘッド12Kと記録媒体16との間の距離t1は、インク液滴の着弾精度及びフィルム基材の搬送安定性の観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.4mm以上であり、そして、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以下である。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
(1)ポリマーの重量平均分子量の測定
N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK−GEL、α−M×2本)、流速:1mL/min〕により、標準物質として分子量が既知の単分散ポリスチレンを用いて測定した。
(2)顔料含有ポリマー粒子及び定着助剤ポリマー粒子の平均粒径の測定
レーザー粒子解析システム「ELS−8000」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行い測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定濃度は、5×10−3質量%(固形分濃度換算)で行った。
(3)水分散体の固形分濃度の測定
30mlのポリプロピレン製容器(φ:40mm、高さ:30mm)にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへサンプル約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更にデシケーター内で更に15分間放置し、質量を測定した。揮発分除去後のサンプルの質量を固形分として、添加したサンプルの質量で除して固形分濃度とした。
(4)水系インクの粘度の測定
E型粘度計「TV−25」(東機産業株式会社製、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて、32℃にて粘度を測定した。
(5)水系インクの静的表面張力の測定
表面張力計(協和界面科学株式会社製、商品名:CBVP−Z)を用いて、白金プレートを5gの水系インクの入った円柱ポリエチレン製容器(直径3.6cm×深さ1.2cm)に浸漬させ、20℃にて水系インクの静的表面張力を測定した。
(6)水系インクのpHの測定
pH電極「6337−10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F−71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、25℃における水系インクのpHを測定した。
製造例1(顔料分散ポリマーの合成)
メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)16部、スチレン(和光純薬工業株式会社製)44部、スチレンマクロモノマー「AS−6S」(東亞合成株式会社製、数平均分子量6,000、固形分50%)30部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート「ブレンマーPME−200」(日油株式会社)25部を混合し、モノマー混合液115部を調製した。
反応容器内に、メチルエチルケトン18部及び連鎖移動剤である2−メルカプトエタノール0.03部、及び前記モノマー混合液の10%(11.5部)を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、モノマー混合液の残りの90%(103.5部)と前記連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン42部及び重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)「V−65」(和光純薬工業株式会社製)3部を混合した混合液を滴下ロートに入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了から75℃で2時間経過後、前記重合開始剤3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、更にメチルエチルケトン50部を加え、顔料分散ポリマー(重量平均分子量:50,000)の溶液を得た。顔料分散ポリマー溶液の固形分濃度は45質量%であった。
製造例2(黒色顔料含有ポリマー粒子の水分散体の製造)
製造例1で得られた顔料分散ポリマー溶液95.2部をメチルエチルケトン53.9部に溶かし、その中に中和剤として5N水酸化ナトリウム水溶液15.0部と25%アンモニア水0.5部、及びイオン交換水341.3部を加え、更にカーボンブラック顔料としてC.I.ピグメント・ブラック7(P.B.7、キャボット社製)100部を加え、顔料混合液を得た。中和度は78.8モル%であった。顔料混合液をディスパー翼を用いて7000rpm、20℃の条件下で1時間混合した。得られた分散液をマイクロフルイダイザー「高圧ホモジナイザーM-140K」(Microfluidics社製)を用いて、180MPaの圧力で15パス分散処理した。
得られた黒色顔料含有ポリマー粒子の分散液を、減圧下60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、遠心分離し、液層部分をフィルター「ミニザルトシリンジフィルター」(ザルトリウス社製、孔径:5μm、材質:酢酸セルロース)でろ過して粗大粒子を除き、黒色顔料含有ポリマー粒子の水分散体を得た。固形分濃度は25質量%であった。
得られた黒色顔料含有ポリマー粒子の水分散体100部に対して、エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、商品名:デナコールEX321L、エポキシ当量130)を0.45部とイオン交換水15.23部を加え、撹拌しながら70℃、3時間の加熱処理を行った。室温まで冷却後、液層部分をフィルター「ミニザルトシリンジフィルター」(ザルトリウス社製、孔径:5μm、材質:酢酸セルロース)でろ過して粗大粒子を除き、黒色顔料含有ポリマー粒子の水分散体(固形分濃度は22質量%)を得た。得られた水分散体中の黒色顔料含有ポリマー粒子の平均粒径は100nmであった。結果を表1に示す。
製造例3〜5(シアン色、マゼンタ色、イエロー色顔料含有ポリマー粒子の水分散体の製造)
製造例2において、黒色顔料をシアン色顔料(DIC株式会社製、P.B.15:3)、マゼンタ色顔料(富士色素株式会社製、P.R.150)、又はイエロー色顔料(大日精化工業株式会社製、P.Y.74)に変え、表1に示す条件で、顔料含有ポリマー粒子の水分散体(固形分濃度は22質量%)を得た。結果を表1に示す。
製造例6(白色顔料を含むポリマー粒子の水分散体の製造)
5Lポリ容器に、ポリアクリル酸分散剤(東亜合成株式会社製、アロンAC−10SL、固形分濃度40%)を2500g、イオン交換水3.57gを添加し、容器を氷浴で冷却、溶液を100rpmで撹拌しながら5N水酸化ナトリウム水溶液を1666.43gゆっくりと添加して中和させた。中和させた水溶液にイオン交換水を添加して固形分濃度を20%に調整して、ポリアクリル酸分散剤の中和水溶液を得た。
2Lのポリ容器に、ポリアクリル酸分散剤の中和水溶液を30.0g、C.I.ピグメント・ホワイト6(P.W.6、石原産業株式会社製、酸化チタンCR80)を300g、水を306g加えて、ジルコニアビーズを1000g添加して、卓上型ポットミル架台(アズワン株式会社)にて8時間分散を行った。金属メッシュを用いてジルコニアビーズを除去し、イオン交換水で固形分濃度を調整して白色顔料を含むポリマー粒子の水分散体(固形分濃度30質量%)を得た。得られた水分散体中の白色顔料の平均粒径は270nmであった。結果を表1に示す。
Figure 2017138436
製造例7(定着助剤ポリマー粒子の水分散体の製造)
1000mLセパラブルフラスコ中にメチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)145部、2−エチルヘキシルアクリレート(和光純薬工業株式会社製)50部、メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)5部、ラテムルE118B(花王株式会社製、乳化剤、有効分26%)18.5部、イオン交換水96部、過硫酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)を仕込み、撹拌羽根で撹拌を行い(300rpm)モノマー乳化液を得た。
反応容器内に、ラテムルE118B 4.6部、イオン交換水186部、過硫酸カリウム0.08部を入れ窒素ガス置換を十分行った。窒素雰囲気下、撹拌羽根で攪拌(200rpm)しながら80℃まで昇温し、上記モノマー乳化液を滴下ロート中に仕込みのこのモノマー乳液を3時間かけて滴下、反応させた。この定着助剤ポリマー粒子の水分散体中の定着助剤ポリマー粒子の固形分は41.6重量%、平均粒径は100nmであった。
製造例8(黒色インクの製造)
製造例2で得られた黒色顔料含有ポリマー粒子の水分散体(固形分22.0質量%)508.9g、製造例7で得られた定着助剤ポリマー粒子の水分散体(固形分41.6重量%)48.3g、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点230℃)44.0g、プロピレングリコール(沸点188℃)286.0g、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、ポリエーテル変性シリコーン、KF−6011、HLB14.5)5.5g、イオン交換水207.3g添加して混合した。得られた混合液をフィルター「ミニザルトシリンジフィルター」(ザルトリウス社製、孔径:5.0μm、材質:酢酸セルロース)で濾過し、黒色水系インクを得た。黒色水系インクの各種物性を表2に示す。
製造例9〜11(シアン色、マゼンタ色、イエロー色インクの製造)
製造例8において、黒色顔料含有ポリマー粒子の水分散体を、製造例3〜5で得られたシアン色、マゼンタ色、イエロー色の顔料含有ポリマー粒子の水分散体に変え、表2に示す条件で、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の水系インクを得た。結果を表2に示す。
製造例12(白色インクの製造)
製造例6で得られた白色顔料含有ポリマー粒子の水分散体(固形分30.0質量%)374.2g、製造例4で得られた定着助剤ポリマー粒子の水分散体(固形分41.6重量%)132.3g、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点230℃)44.0g、プロピレングリコール(沸点188℃)286.0g、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、ポリエーテル変性シリコーン、KF−6011)5.5g、イオン交換水235.3g添加して混合した。得られた混合液をフィルター「ミニザルトシリンジフィルター」(ザルトリウス社製、孔径:5.0μm、材質:酢酸セルロース)で濾過し、白色水系インクを得た。白色水系インクの各種物性を表2に示す。
Figure 2017138436
実施例1
図1及び2に示すインクジェット記録装置を用いて、コロナ放電処理PET(フタムラ化学株式会社製、太閤ポリエチレンテレフタレートフィルムFE2001、厚さ25μm、長さ2000m、幅500cm)に、製造例で得られた水系インクを用いて、以下のインクジェット記録方式により画像を形成した印刷物を得た。
(インクジェット記録方式)
温度25±1℃、相対湿度30±5%の環境下で、インクジェット記録用ラインヘッド(京セラ株式会社製、「KJ4B-HD06MHG-STDV」、ピエゾ式)を装備した印刷評価装置に水系インクを充填した。この時、黒色インクを充填したラインヘッド、シアン色インクを充填したラインヘッド、マゼンタ色インクを充填したラインヘッド、イエロー色インクを充填したラインヘッド、白色インクを充填したラインヘッドの間隔は、黒色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、白色の順にそれぞれ55cmに設定した。
ヘッド印加電圧26V、駆動周波数20kHz、吐出液適量5pl、ヘッド温度32℃、ヘッド解像度600dpi、吐出前フラッシング回数200発、負圧−4.0kPaを設定し、記録媒体の長手方向と搬送方向が同じになる向きに、記録媒体を印刷装置に設置した。
アンダーヒーターと記録媒体の距離は0.25mm、インクジェットヘッドと記録媒体との間の距離は1.0mmに設定した。現反ロール加熱支持機構のプレヒーターの温度は65℃に設定した。アンダーヒーターの温度は55℃に設定した。アフターヒーターの温度は70℃に設定した。
前記印刷評価装置に印刷命令を転送し、樹脂記録媒体へ張力40Nを付与し、搬送速度50m/minで、黒色インクからなる5cm×5cmのDuty100%のベタ画像、シアン色インクからなる5cm×5cmのDuty100%のベタ画像、マゼンタ色インクからなる5cm×5cmのDuty100%のベタ画像、イエロー色インクからなる5cm×5cmのDuty100%のベタ画像、白色インクからなる5cm×5cmのDuty100%のベタ画像をそれぞれ重ならないように印刷して色移り評価用に使用した。
別途、前記印刷評価装置に印刷命令を転送し、搬送速度50m/minで、黒色インクからなる幅1mm長さ30mmの細線を印刷面に平行な向きと垂直な向きに中心でクロスさせた十字形状の画像、シアン色インクからなる同様の十字形状の画像、マゼンタ色インクからなる同様の十字形状の画像、イエロー色インクからなる同様の十字形状の画像をそれぞれ重なるように印刷して、同様の印刷を1m間隔で100回繰り返した。100回目の印刷部分を見当ズレの評価用に使用した。100回目の印刷の際に、原反ロールが巻きほどかれる部分、黒インクの印刷直後、アフターヒーター通過直後の測定箇所で記録媒体の表面温度を測定した。
印刷時において、張力が付与された記録媒体の温度の差は5℃以内であった。
得られた印刷物の色移り及び見当ズレを、下記基準で評価した。結果を表3に示す。
(印刷物の色移り評価)
A:得られた印刷物表面を指で擦った際に指への色移りがない。
B:得られた印刷物表面を指で擦った際に指への色移りが僅かにあるが問題とされるレベルではない。
C:得られた印刷物表面を指で擦った際に指への色移りが多く、印刷物表面が湿っていて実用上問題である。
(印刷物の見当ズレの評価)
A:目視で、5色の十字形状の重なりに全くズレが認識できない。
B:目視で、5色の十字形状のズレが最大で0.2mm以下であり実用上問題とならない。
C:目視で、5色の十字形状のズレが最大で0.2mm超であり実用上問題である。
実施例2、比較例1
アンダーヒーター温度、記録媒体の表面温度、アンダーヒーターと記録媒体との距離を、表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
Figure 2017138436
表3から、実施例1、2で得られた印刷物は、比較例1で得られた印刷物に比べ、色移りや、見当ズレがなく外観が良好であることが分かる。
本発明のインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法によれば、水系インクで樹脂記録媒体に記録しても、高画質を維持したまま、外観の良好な記録物を得ることができる。
10:インクジェット記録装置
12K、12C、12M、12Y、12W:インクジェットヘッド
13:ヘッド距離調整機構
16:記録媒体
20:定着・硬化手段
24:アフターヒーター
26:アンダーヒーター
27:温度測定機
32、34:転向ローラ
61:原反ロール加熱支持機構
62:巻取機構
71:送り側テンション付与機構
72:巻き取り側テンション付与機構
90:加熱量制御装置

Claims (12)

  1. シート状の樹脂記録媒体が巻かれている原反ロールを支持すると共に、該原反ロールを加熱する原反ロール加熱支持機構と、
    該原反ロールから巻ほどかれ送り方向に移動する該記録媒体に、複数の水系インクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、
    それぞれが、各インクジェットヘッドに対向する該記録媒体の面とは裏側の面から該記録媒体を加熱する複数のアンダーヒーターと、
    該記録媒体を巻き取りロールに巻き取る巻取機構と、
    該送り方向において、該記録媒体のうち、該原反ロール加熱支持機構と該巻取機構との間の記録媒体をたわみなく均等に維持するための張力を付与する張力付与機構と、
    記録媒体の表面温度を測定する複数の温度測定機と、
    該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する加熱量制御装置と、を備え、
    該原反ロール加熱支持機構における該原反ロールに巻かれた記録媒体、及び、該複数のインクジェットヘッドの直下の記録媒体を複数の記録媒体測定箇所とした場合において、該複数の温度測定機は、それぞれ、該複数の記録媒体測定箇所の表面温度を測定し、
    該加熱量制御装置は、該複数の温度測定機が測定した温度に基づいて、該張力が付与された記録媒体の温度の差が10℃以内になるように、該原反ロール加熱支持機構の加熱量と該複数のアンダーヒーターの加熱量とを制御する、インクジェット記録装置。
  2. 各インクジェットヘッドと前記記録媒体との間の距離を複数のヘッド距離とした場合において、さらに、各ヘッド距離を調整する複数のヘッド距離調整機構を備える、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 複数のアンダーヒーターの送り方向側に位置し、記録媒体を加熱するアフターヒーターをさらに備える、請求項1又は2に記載にインクジェット記録装置。
  4. アフターヒーターが熱照射型のヒーターである、請求項3に記載にインクジェット記録装置。
  5. 複数のインクジェットヘッドの間に、更に定着・硬化手段を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 印刷時におけるアンダーヒーターの温度が25℃以上75℃以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 原反ロール加熱支持機構が原反ロールを格納して加熱するプレヒーターを有する、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 印刷時におけるプレヒーターの温度が25℃以上75℃以下である、請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 樹脂記録媒体が、コロナ放電処理されたポリエステルフィルム又は延伸ポリプロピレンフィルムである、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 樹脂記録媒体の厚みが100μm以下である、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 水系インク中の沸点90℃以上250℃未満の有機溶媒の含有量が15質量%以上45質量%以下である、請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用いる、インクジェット記録方法。
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