JPWO2017086056A1 - ストロンチウムイオン吸着剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)前記マンガン酸化物は、X線回折(Cu−Kα)において、2θ=15〜17度、31〜34度及び35〜38度の領域に、前記層状結晶構造に特有の回折ピークを示すこと。
(B)前記ストロンチウムイオン吸着剤は、トンネル内にナトリウムイオンが存在しているトンネル結晶構造を有しており、且つX線回折(Cu−Kα)において、2θ=13〜15度、15〜18度、18〜21度、33〜35度、36〜39度及び50〜53度の領域に、前記トンネル結晶構造に特有の回折ピークを示すマンガン酸化物を含んでいること。
(C)前記ストロンチウムイオン吸着剤は、下記式(1)または(2):
(1) NaxTyMn1−y
式中、Tは多価金属を示し、
x及びyは、それぞれ、0.4≦x≦1、0≦y≦0.44を満足
する数である、
(2) NaXLiZMn1−Z
式中、Liは、Mnと置換されたリチウム原子であり、
x及びzは、それぞれ、0.4≦x≦1、0<z≦0.33を満足
する数である、
で表される原子組成を有すること。
(D)前記式(2)における多価金属TがAl、Co、Ni、CuまたはMgであること。
(E)前記式(1)及び(2)において、xが、0.44≦x≦1を満足する数であること。
(F)前記式(1)及び(2)において、xが、0.6≦x≦1を満足する数であること。
(G)層間内にナトリウムイオンを含むNa0.7MnO2.05層状結晶構造を有するマンガン酸化物を含んでいること。
(H)多価金属塩、多価金属酸化物及び多価金属水酸化物からなる群より選択された少なくとも1種の多価金属源化合物を、前記層間金属源化合物及び前記マンガン源化合物と混合して焼成を行うこと、
(I)リチウム塩、リチウム酸化物及びリチウム水酸化物からなる群より選択された少なくとも1種のリチウム源化合物を、Mn置換金属源として使用し、前記層間金属源化合物及び前記マンガン源化合物と混合して焼成を行うこと、
という態様を採用することができる。
また、このストロンチウムイオン吸着剤は、溶媒を使用せず、Naを含む層間金属源化合物とマンガン源化合物との混合物を焼成する(即ち、固相で反応させる)ことにより製造することができるため、溶媒の除去のための負荷がなく、製造コストなどの面でも極めて優れている。
本発明のストロンチウムイオン吸着剤(以下、単に「Sr吸着剤」と略すことがある)は、層状結晶構造(以下、単に「層状構造」と略すことがある)を有し、層間にナトリウムイオンを含む結晶構造を有するマンガン酸化物を含んでいる。
このような層状構造を有する代表的な物質としては、Na0.7MnO2.05で表される組成を有しており、XRDにより、(001)面に由来する2θ=16度近辺の回折ピークが発現していることから確認することができ、例えば、X線回折(Cu−Kα)において、2θ=15〜17度、31〜34度及び35〜38度の領域に、該層状構造に特有の回折ピークを示す。このような層状構造においては、Mn原子の一部が他の金属原子で置換されてもその層状構造が維持されることがある。
例えば、ストロンチウムイオンの有効イオン半径は1.16Åであるのに対し、Naイオンの有効イオン半径は1.02Åであり、ストロンチウムイオンの有効イオン半径と同程度である。
また、層間にNaイオンが存在している場合、(001)面の面間隔は、5.55〜5.57Å程度である。この面間隔は、水分子の大きさにも近いため、層間に水分子が侵入することができ、これにより、この面間隔は多少拡大し(7.0〜7.2Å程度)、これにより、海水中に存在するSrイオンが容易に導入される。即ち、このような層間にNaイオンが存在する層状マンガン酸化物は、ストロンチウムイオンに対して大きなイオン篩効果を発揮し、種々のイオンが存在する海水中に存在するストロンチウムイオンに対して優れた選択吸着性示し、海水中に存在するストロンチウムイオンを有効に吸着することができる。
但し、トンネル構造を有するマンガン酸化物が示すストロンチウムイオンに対する選択吸着性は、層状構造を有するマンガン酸化物ほどではない。トンネル内へのSrイオンの出入りは、層間に比して制限されるからである。
NaxTyMn1−y (1)
式中、Tは多価金属を示し、
x及びyは、それぞれ、0.4≦x≦1、0≦y≦0.44を満足
する数である、
(2) NaXLiZMn1−Z
式中、Liは、Mnと置換されたリチウム原子であり、
x及びzは、それぞれ、0.4≦x≦1、0<z≦0.33を満足
する数である、
このタイプのSr吸着剤は、前記式(1)において、y=0に相当する金属原子組成を有している。即ち、結晶骨格中のMnサイトは、他の金属(例えば多価金属TやLi原子)で置換されたサイトを含んでいないMn酸化物を含んでいる。このようなMn酸化物の組成は、下記式(1a)で表される。
NaXMnO2+q (1a)
式中、xは、前記式(1)と同様、0.4≦x≦1を満足する数であり、
qは、0≦q≦0.5を満足する数である。
このタイプのSr吸着剤は、前記式(1)において、y>0である金属原子組成を有するものであり、Mnの結晶骨格中のMnサイトの一部が、前述した多価金属Tで置換されているMn酸化物を含んでいる。このようなMn酸化物の組成は、例えば下記式(1b)で表される。
NaXTyMn1−yO2+q (1b)
式中、Tは、前記多価の金属であり、
xは、前記式(1)と同様、0.4≦x≦1を満足する数であり、
yは、0<y≦0.44を満足する数であり、
qは、前記式(1a)と同様、0≦q≦0.5を満足する数である
。
このタイプのSr吸着剤は、前記式(2)に相当する金属原子組成を有するマンガン酸化物を含んでいる。このようなマンガン酸化物の組成は、下記(2a)で表される。
NaXLiZMn1−ZO2+q (2a)
式中、x及びzは、前記式(2)と同様、0.4≦x≦1及び
0<z≦0.33 を満足する数であり、
qは、前記式(1a)及び(1b)と同様、0≦q≦0.5を満足
する数である。
即ち、かかる式で表されるSr吸着剤は、結晶骨格中のMnサイトの一部がリチウム(Li)で置換されている結晶構造を有するマンガン酸化物を含むものである。この場合、Liは、その半径がMnに近いため、後述する焼成によって、層間(或いはトンネル内)にはほとんど導入されず、MnO6八面体或いはトンネル構造のMnサイトの一部にMnと置換して導入されることとなる。
本発明のSr吸着剤において、最も高いSr吸着性を示すものは、層間にナトリウムイオンが存在している層状結晶構造を有するマンガン酸化物であり、トンネル結晶構造を有するMn酸化物のSr吸着性は、層状結晶構造のマンガン酸化物が示すほどではない。
従って、本発明のSr吸着剤においては、トンネル結晶構造のマンガン酸化物の含有量が少ない程、より高いSr吸着性を示す。このため、前述した式(1)或いは式(2)(或いは式(1a)、(1b)及び(2a))中のxの値が大きいことが好ましく、例えば、0.44≦x≦1、より好ましくは、0.44<x≦1、さらに好ましくは、0.6≦x≦1、を満足していることが好適である。即ち、前述したxの範囲(0.4≦x≦1)の中で、xの値が小さい程、Na/Mn(Mn置換型ではNa/(T+Mn)或いはNa/(Li+Mn))が0.44のモル組成を有するトンネル結晶構造を多く含んでいることを意味しているからである。
本発明のSr吸着剤は、層間金属源化合物とMn源化合物とを固相で反応させることにより製造され、結晶骨格中のMnサイトの一部を多価金属T或いはLi原子で置換する場合には、上記の層間金属源化合物及びMn源化合物と共に、多価金属源化合物或いはLi源化合物が使用される。
ナトリウム化合物の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩;酸化ナトリウム等の酸化物;及び水酸化ナトリウム等のナトリウム水酸化物;の少なくとも1種を使用することができ、特に炭酸ナトリウムが好適に使用される。
さらに、Li源化合物としては、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウム等のLi塩;酸化リチウム等のLi酸化物;及び水酸化リチウム等のLi水酸化物;好適には、炭酸リチウムが使用される。
即ち、上記の原料化合物の仕込み比は、各式におけるxの値が0.4〜1の範囲となるように設定されるが、層状結晶構造のマンガン酸化物を多く含み、トンネル結晶構造の生成が抑制された酸化物を得るためには、xの値が、0.44〜1、より好ましくは0.44より大きく1以下、最も好ましくは0.6〜1の範囲となるように、上記の原料化合物の仕込み比が調整され、これにより、前述したX線回折ピークのピーク強度比α/βを所定の範囲とすることが可能となる。
以下、このマンガン酸化物のタイプに応じた製造条件を説明する。
このタイプのSr吸着剤を構成するマンガン酸化物は、前述した式(1a)、即ち、
NaXMnO2+q (1a)
式中、xは、0.4≦x≦1(好ましくは0.44≦x≦1、より好ま
しくは0.44<x≦1、さらに好ましくは0.6≦x≦1)を満
足する数であり、
qは、0≦q≦0.5を満足する数である、
で表される。
このタイプのSr吸着剤の製造では、上述したように、層間金属源化合物とMn源化合物との仕込み量を、上記式(1a)のxの値が上記範囲を満足するように設定して固相で反応が行われるが、このときの焼成温度は、400℃以上、特に500℃以上が好ましい。この焼成温度が低すぎると、目的とする層状結晶構造が十分な量で生成せず、また、過度に高温とすると、結晶構造の破壊やトンネル構造が過度に生成してしまうので、通常、焼成温度は1000℃以下、特に600℃以下が好ましい。
また、焼成は、少なくとも原料に用いた層間金属源化合物やMn源化合物のX線回折ピークが消失し且つ層状結晶構造に特有のX線回折ピークが発現するまで行われ、焼成温度によっても異なるが、通常、2〜8時間程度である。
このタイプのSr吸着剤を構成するマンガン酸化物は、前述した式(1b)、即ち、
NaXTyMn1−yO2+q (1b)
式中、Tは、前記多価の金属であり、
xは、0.4≦x≦1(好ましくは0.44≦x≦1、より好ま
しくは0.44<x≦1、さらに好ましくは0.6≦x≦1
)を満足する数であり、
yは、0<y≦0.44を満足する数であり、
qは、0≦q≦0.5を満足する数である、
で表される。
例えば、焼成温度は、一般的には400℃よりも高温であるが、500℃以上が好適である。また、過度に高温とすると、結晶構造の破壊やトンネル構造が過度に生成してしまうので、通常、焼成温度は1000℃以下、特に800℃以下が好ましい。
即ち、かかるSr吸着剤においても、Na/Mn比が小さい程或いは焼成温度が高くなる程、トンネル構造の結晶構造の量が増大する傾向がある。従って、トンネル構造のマンガン酸化物の生成を抑制し、前述したピーク強度比α/βの値を所定の範囲に調整するために、式(1b)中のxの値や焼成温度を、上記の好適範囲とするのがよい。これにより、より高いストロンチウムイオン吸着性を得ることができる。
さらに、この場合も、焼成時間は、通常、2〜8時間程度である。
このタイプのSr吸着剤を構成するマンガン酸化物は、前述した式(2a)、即ち、
NaXLiZMn1−ZO2+q (2a)
式中、xは、0.4≦x≦1(好ましくは0.44≦x≦1、より好ま
しくは0.44<x≦1、さらに好ましくは0.6≦x≦1)を満
足する数であり、
zは、0<z≦0.33を満足する数であり、
qは、0≦q≦0.5を満足する数である、
で表される。
このSr吸着剤は、海水中に存在するSrイオンに対しても優れた選択吸着性を示し、A型ゼオライト等の吸着剤と比較しても同等以上の性能を示し、さらにその吸着速度も速いため、少ない量でA型ゼオライトと同等以上の吸着性を示し、コスト的に極めて有利である。例えば、後述する実験例でも示されているように、所定の組成の海水(詳細は、実験例参照)にSrイオン10ppmを投入した液を用いて本発明のSr吸着剤が示すSrイオン吸着量は、好適なものでは2mg/gを超えており(A型ゼオライトで約1.9mg/g)、特に好適なものでは、3mg/gを大きく超え、6mg/g以上で7mg/gに近いSrイオン吸着量を示す。
また、使用に際しては、予め、水洗等によって、層状結晶構造の層間に水分子を導入することにより、さらに高いSr吸着性を発揮させることもできる。
さらに、本発明のSr吸着剤は、マンガン酸化物が有する層状結晶構造が破壊されない程度の弱酸処理によって層間に存在しているナトリウムイオンをプロトン(H+)にイオン交換して使用に供することもできる。
さらに、本発明のSr吸着剤は、前述したタイプの異なるMn酸化物成分が混合されていてもよいし、また、Na0.7MnO2.05層状結晶構造のMn酸化物による優れたSr吸着性が損なわれない範囲で、他の酸化物成分を含んでいてもよい。
結晶構造の検討
(Sr吸着剤の合成)
(1)NMO(非置換型)
以下の手順でNa−Mn−O系のマンガン酸化物を合成した。
炭酸ナトリウム(Na2CO3)1.40gと、炭酸マンガン(MnCO3)6.54gとを混合した(Na/Mnモル比=0.528/1)。
この混合物に少量のエタノールを添加しペースト状にして、ボールミルで1日間混合・粉砕した。得られた試料を乾燥した後、所定温度(空気中温度:400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃)で4時間焼成した。
得られた焼成物(合成物)の原子組成は、以下のとおりであった。
400℃焼成物:
Na0.528MnO2.26(Na0.528Mn(IV)O2.26)
500℃焼成物:
Na0.528MnO2.26(Na0.528Mn(IV)O2.26)
600℃生成物:
Na0.528MnO2.18
(Na0.528Mn(III)0.164Mn(IV)0.736O2.18)
700℃生成物:
Na0.528MnO2.09
(Na0.528Mn(III)0.356Mn(IV)0.644O2.09)
800℃焼成物:
Na0.528MnO2
(Na0.528Mn(III)0.528Mn(IV)0.472O2)
900℃焼成物:
Na0.528MnO2
(Na0.528Mn(III)0.528Mn(IV)0.472O2)
即ち、400℃、500℃の低温では、4価のMnが生成し易いが、800℃、900℃の高温では、3価のMnが生成し易い。
図3の結果から、焼成温度が400℃の場合には(曲線(b)参照)、原料混合物の回折ピーク(CaCO3のピーク)が消失しているが、結晶がほとんど生成せず、非晶質のものが生成することが判る。
また、焼成温度が500℃以上になると(曲線(c)〜(g)参照)、(001)面に由来する回折ピークが2θ=16度付近に発現しており、層状結晶構造(Na0.7MnO2.05)の生成が確認され、同時に、2θ=34度付近にトンネル構造に特有のピークも発現しており、得られた合成物は、層状結晶構を有するマンガン酸化物と共に、トンネル構造を有するマンガン酸化物(Na0.44MnO2)が生成していることが判る。
また、焼成温度が600℃、700℃、800℃及び900℃と高温になるにつれ(曲線(d)〜(g)参照)、トンネル構造を有するマンガン酸化物の量が増えていることが判る。
焼成温度が高くなるにともない、棒状結晶の割合が大きくなり、結晶サイズが大きくなる。棒状結晶は、Na0.44MnO2(トンネル構造)の結晶相に対応すると思われる。
以下の手順でNa−Al−Mn−O系のマンガン酸化物を合成した。
下記処方により、原料混合物(Na/Al/Mnモル比=0.462/0.44/0.56)を調製した。
炭酸ナトリウム(Na2CO3) 2.21g
水酸化アルミニウム(Al(OH)3) 3.07g
炭酸マンガン(MnCO3) 6.54g
この混合物に少量のエタノールを添加しペースト状にして、ボールミルで1日間混合・粉砕した。得られた試料を乾燥した後、所定温度(空気中温度:600℃、700℃、800℃、900℃)で4時間焼成した。
得られた焼成物(合成物)の原子組成は、何れも以下のとおりである。
Na0.462Al0.44Mn0.56O2
(x=0.462、y=0.44、p=0)
Al置換によって、4価のMnが生成し易くなり、ほとんどのMnが4価となる。
図5の結果から、焼成温度が600℃の場合(曲線(b)参照)、原料混合物の回折ピーク(MnCO3、Al(OH)3、Na2CO3のピーク)が消失しているが、層状結晶構造(Na0.7MnO2.05)が形成されており、さらに少量のトンネル構造(Na0.44MnO2)を有する結晶(Na/(Al+Mn)=0.44)を含んでいることが判る。
また、焼成温度が700℃、800℃及び900℃と高温になるにつれ(曲線(c)〜(e)参照)、トンネル構造を有するマンガン酸化物の量が増えていることが判る。即ち、900℃の高温では、主にトンネル構造を有するNa0.44Al0.44Mn0.56O2が生成した。
以下の手順でNa−Li−Mn−O系のマンガン酸化物を合成した。
下記処方により、原料混合物(Na/Li/Mnモル比=0.462/0.15/0.85)を調製した。
炭酸ナトリウム(Na2CO3) 2.89g
炭酸リチウム(Li2CO3) 0.67g
炭酸マンガン(MnCO3) 6.54g
この混合物に少量のエタノールを添加しペースト状にして、ボールミルで1日間混合・粉砕した。得られた試料を乾燥した後、所定温度(空気中温度:400℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、800℃、900℃)で4時間焼成した。
得られた焼成物(合成物)の原子組成は、以下のとおりであった。
Na0.462Li0.15Mn0.85O2
(x=0.462、z=0.15、q=0)
これらの合成物では、焼成温度が500℃以上になると層状結晶構造(Na0.7MnO2.05)が生成しており(2θ=16度のピーク参照)、同時に、トンネル内にLiが存在しているスピネル型トンネル構造の結晶(Li4Mn5O12)がわずかではあるが生成していることが判る(2θ=18度近辺のピーク参照)。また、焼成温度が650℃以上になると、Na/Mnモル比が0.44のトンネル構造が生成し(2θ=34度近辺のピーク参照)、焼成温度が高くなるにつれて、その割合が増している。
また、これらの合成物においても、焼成温度が高くなるにつれて棒状結晶の割合が増えている。
上記で得られたマンガン酸化物について、以下の試験を行い、Srイオン吸着性を評価した。
下記の組成の標準海水を用意した。
Na+濃度:10800ppm
Ca2+濃度:412ppm
K+濃度:400ppm
Mg2+濃度:1280ppm
前述した実験で合成されたマンガン酸化物を用いて、以下の手順でSrイオンの吸着量を求めた。
上記の標準海水を50%濃度に希釈し、希釈された海水にSrイオンを添加し、Srイオン濃度を10ppmとした。このSr含有希釈海水50mlに、試料のマンガン酸化物0.05gを加え、スターラーで2日間撹拌して、吸着処理を行った。
試料のマンガン酸化物としては、NMO、NAMO及びNLMOについて、それぞれ、600℃、700℃及び800℃での焼成により得られた合成物を用いた。
吸着量=ストロンチウム減少量[mg]/吸着剤重量[g]
この結果から、NMO、NAMO及びNLMOの何れにおいても、焼成温度が高くなるにしたがい、Srイオンの吸着量が減少することが分かる。これは、焼成温度が高くなるにともない、トンネル構造の結晶が増えているためと考えられる。即ち、トンネル構造では、吸着したSrイオンの結晶内部への拡散距離が大きくなり、Srイオンの吸着が難しくなるためと考えられる。
以上の結果、600℃の焼成により得られたNLMOが、最も高い吸着量を示すことが分かる。
前述した標準海水を希釈せずに、そのまま用いた以外は、50%濃度海水試験と全く同様にして吸着試験を行った。
試料の吸着剤としては、NMO、NAMO及びNLMOについて、焼成温度600℃での合成物を用いた。
また、比較のため、従来の吸着剤として、KMn4O8(ホランダイト構造)、A型−ゼオライト、Na2Ti3O7、K2Ti4O9、ヒドロキシアパタイトについても同じ吸着試験を行った。
図9に試験結果を示す。
(1)50%濃度海水
50%に希釈された標準海水を用いて、以下の手順で吸着剤のストロンチウムイオンの分配係数を求めた。
Srイオンが添加され、Srイオン10ppmを含有する希釈海水50mlに、吸着剤0.5gを加え、スターラーで2日間撹拌して、吸着剤にストロンチウムイオンを吸着させた。吸着剤として、先の実験で合成されたNMO、NAMO、NLMO(焼成温度:600℃、700℃、800℃)を用いた。
また、比較のため、K型ホランダイトマンガン酸化物、Na型ホランダイトマンガン酸化物、H型ホランダイトマンガン酸化物の分配係数を求めた。
Kd=((C0−Ct)/Ct)×V/m
C0:吸着処理前の海水のストロンチウム濃度
Ct:吸着処理後の海水のストロンチウム濃度
V:吸着溶液の体積(mL)
m:吸着剤の添加量(g)
前述した標準海水を希釈せずに、そのまま用いた以外は、50%濃度海水試験と全く同様に分配係数試験を行った。試験方法は100%濃度の海水を用いたほかは、前記分配係数試験と同様である。
吸着剤としては、NMO、NAMO、NLMO(焼成温度:600℃)を用いた。また、比較のため、KMn4O8(ホランダイト構造)、A型−ゼオライト、Na2Ti3O7、K2Ti4O9、ヒドロキシアパタイトの分配係数を求めた。
図10に100%濃度の海水を用いて求めた各吸着剤の分配係数Kdを示す。従来の吸着剤のなかでは、A型−ゼオライトが最も高い分配係数を示した。NLMOはA型−ゼオライトよりも高い分配係数を示した。
NMOに関してNa/Mnモル比についての検討;
図11に得られた合成物a〜hのXRD測定結果を示す。図11には、(001)面に由来する2θ=16度での面間隔dの値が示されている。
各合成物についてのNa/Mnモル比、及びXRDから算出されるピーク強度比α/βの値等は以下のとおりである。
合成物a:Na/Mnモル比=0.4
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造が生成
層状結晶構造は生成せず。
合成物b:Na/Mnモル比=0.44
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
層状結晶構造は生成せず。
合成物c:Na/Mnモル比=0.5
α/β=0.5
合成物d:Na/Mnモル比=0.6
層状結晶構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成
合成物e:Na/Mnモル比=0.7
層状結晶構造のみ生成
合成物f:Na/Mnモル比=0.8
層状結晶構造のみ生成
合成物g:Na/Mnモル比=0.9
層状結晶構造のみ生成
合成物h:Na/Mnモル比=1.0
層状結晶構造のみ生成
上記の結果から、Na/Mnモル比が0.5以上(特に0.6以上)では、トンネル構造の生成が抑制され、これに伴い、Srイオン吸着量が増大していることが判る。
また、合成物a(Na/Mn=0.4)及び合成物b(Na/Mn=0.44)では、構造変化が生じていないため、水洗前後でSr吸着量はほぼ変わらないが、Na/Mn=0.7(合成物g)では水洗によりSr吸着量が増大した。この試料の含水率は、TG−DTAによると約10%であり、このことから、層間に水が入り、Sr吸着性が向上したことが判る。
また、Na/Mn=0.9(合成物g)では、Sr吸着性が低下しているが、これは、一部の成分が溶解したためではないかと考えられる。
尚、水洗した試料は脱水すると、元の構造に戻ることを確認した。
図15に得られた合成物a〜hのXRD測定結果を示す。
各合成物についてのNa/Mnモル比、及びXRDの解析結果は以下のとおりである。図15には、(001)面に由来する2θ=16度での面間隔dの値が示されている。
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造が生成
層状結晶構造は生成せず。
合成物b:Na/Mnモル比=0.44
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
層状結晶構造は生成せず。
合成物c:Na/Mnモル比=0.5
α/β=0.7
合成物d:Na/Mnモル比=0.6
α/β=0.2
合成物e:Na/Mnモル比=0.7
層状結晶構造のみ生成
合成物f:Na/Mnモル比=0.8
層状結晶構造のみ生成
合成物g:Na/Mnモル比=0.9
層状結晶構造のみ生成
合成物h:Na/Mnモル比=1.0
層状結晶構造のみ生成
かかる合成物においても、Na/Mnモル比が0.5以上、特に0.6以上でトンネル構造の生成が少なく、これに伴い、Srイオン吸着量が増大している。
NMOに関して焼成温度の検討;
図17に得られた合成物a〜fについて、焼成温度及びXRD測定による解析結果を示す。
焼成温度400℃
回折ピークがほとんど生成しておらず、ほとんど非晶質である。
合成物b:
焼成温度500℃
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造が生成
合成物c:
焼成温度600℃
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造が生成
合成物d:
焼成温度700℃
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
合成物e:
焼成温度800℃
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
合成物f:
焼成温度900℃
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
図18に得られた合成物a〜fのXRD測定結果を示す。
各合成物についての焼成温度及びXRD解析結果は以下のとおりである。
焼成温度400℃
回折ピークがほとんど生成しておらず、ほとんど非晶質である。
合成物b:
焼成温度500℃
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造が生成
合成物c:
焼成温度600℃
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造が生成
合成物d:
焼成温度700℃
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
合成物e:
焼成温度800℃
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
合成物f:
焼成温度900℃
Na0.44MnO2トンネル構造が生成
図19に得られた合成物a〜fのXRD測定結果を示す。
各合成物についての焼成温度及びXRDの解析結果は、以下のとおりである。
焼成温度400℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)が生成しているが、
Na0.44MnO2トンネル構造は生成していない。2θ=14度付
近(面間隔d=6.34Å)のピークは、層間に水分子が入り込んだ層
状構造の(001)面に対応する。即ち、この合成物aでは、空気中の
水分を吸収して層間隔が拡大している。
また、2θ=17度付近(面間隔d=5.3Å)のピークは、
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造に対応している。
合成物b:
焼成温度500℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成
合成物c:
焼成温度600℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成
合成物d:
焼成温度700℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)は生成しているが、
Na0.44MnO2トンネル構造は生成していない。2θ=14度付
近(面間隔d=6.36Å)のピークは、層間に水分子が入り込んだ層
状構造の(001)面に対応する。即ち、この合成物dでは、空気中の
水分を吸収して層間隔が拡大している。
また、2θ=17度付近(面間隔d=5.3Å)のピークは、
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造に対応している。
合成物e:
焼成温度800℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)は生成しているが、
Na0.44MnO2トンネル構造は生成していない。2θ=14度付
近(面間隔d=6.34Å)のピークは、層間に水分子が入り込んだ層
状構造の(001)面に対応する。即ち、この合成物eでは、空気中の
水分を吸収して層間隔が拡大している。
また、2θ=17度付近(面間隔d=5.3Å)のピークは、
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造に対応している。
合成物f:
焼成温度900℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)は生成しているが、
Na0.44MnO2トンネル構造は生成していない。2θ=14度付
近(面間隔d=6.36Å)のピークは、層間に水分子が入り込んだ層
状構造の(001)面に対応する。即ち、この合成物fでは、空気中の
水分を吸収して層間隔が拡大している。
また、2θ=17度付近(面間隔d=5.3Å)のピークは、
Na2Mn5O10(ロマネサイト)トンネル構造に対応している。
図20に得られた合成物a〜fのXRD測定結果を示す。
各合成物についての焼成温度及びXRDの解析結果は、以下のとおりである。
焼成温度400℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成。
合成物b:
焼成温度500℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成。
合成物c:
焼成温度600℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成。
合成物d:
焼成温度700℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成。
合成物e:
焼成温度800℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)のみ生成。2θ=13度付近
(面間隔d=7.01Å)のピークは、層間に水分子が入り込んだ層状
構造の(001)面に対応する。即ち、この合成物eでは、空気中の水
分を吸収して層間隔が拡大している。
これらの合成物においては、トンネル構造が生成している場合(Na/Mnモル比が0.4及び0.44)、Srイオン吸着量が低い。しかし、層状構造が生成している場合(Na/Mnモル比が0.7及び0.9)、Srイオン吸着量は高い。また、焼成温度が500℃を超えると、Srイオン吸着量が次第に低下していくことが判る。
置換型Mn酸化物(NLMO或いはNTMO)についての検討;
図22に得られた合成物a〜gのXRD測定結果を示す。
各合成物についてのNa/(Li+Mn)モル比、及びXRDの解析結果は以下のとおりである。
Na/(Li+Mn)モル比=0.4、α/β=0
層状構造及びLi4Mn5O12(スピネル構造)トンネル構造が生成
。
合成物b:
Na/(Li+Mn)モル比=0.5、α/β=0
層状構造及びLi4Mn5O12(スピネル構造)トンネル構造が生成
。
合成物c:
Na/(Li+Mn)モル比=0.6、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物d:
Na/(Li+Mn)モル比=0.7、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物e:
Na/(Li+Mn)モル比=0.8、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物f:Na/(Li+Mn)モル比=0.9、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物g:
Na/(Li+Mn)モル比=1.0、α/β=0
層状構造のみ生成。
尚、Tは、Co、NiまたはCuである。
図23に得られた合成物a〜dのXRD測定結果を示す。図23において、合成物aは、上記の実験(1)で得られたNa/(Li+Mn)モル比=0.7のNa−Li−Mn−O系のマンガン酸化物である。
各合成物について、Na/(Li+Mn)モル比及びXRDの解析結果は以下のとおりである。
Na/(Li+Mn)モル比=0.7、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物b:
Na/(Co+Mn)モル比=0.7、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物c:
Na/(Ni+Mn)モル比=0.7、α/β=0
層状構造のみ生成。2θ=13度付近のピークは、層間に水分子が入
った層状構造の(001)面に対応する。即ち、空気中の水分を吸収し
て層間隔が拡大している。
合成物d:
Na/(Cu+Mn)モル比=0.7、α/β=0
層状構造のみ生成。2θ=13度付近のピークは、層間に水分子が入
った層状構造の(001)面に対応する。即ち、空気中の水分を吸収し
て層間隔が拡大している。
これらの合成物においては、Li置換型のマンガン酸化物が最もSrイオン吸着量が多く、Na/(Li+Mn)モル比が0.5以上、特に0.7で特に吸着量が多かった。
Mg置換型Mn酸化物(NMgMO)についての検討;
Na2CO3、MnCO3及びMgCO3の混合比を種々変更し、500℃で焼成を行うことにより、実験4(1)と同様にして、Na/(Mg+Mn)モル比が0.4〜1の範囲にあるNa−Mg−Mn−O系のマンガン酸化物(NMgMO)を合成した。
図25に得られた合成物a〜gのXRD測定結果を示す。
各合成物についてのNa/(Mg+Mn)モル比、及びXRDの解析結果は以下のとおりである。
Na/(Mg+Mn)モル比=0.4、α/β=0
回折ピークが小さく、ほとんど非晶質である。
合成物b:
Na/(Mg+Mn)モル比=0.5、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物c:
Na/(Mg+Mn)モル比=0.6、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物d:
Na/(Mg+Mn)モル比=0.7、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物e:
Na/(Mg+Mn)モル比=0.8、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物f:
Na/(Mg+Mn)モル比=0.9、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物g:
Na/(Mg+Mn)モル比=1.0、α/β=0
層状構造のみ生成。
合成物a:3.32mg/g
合成物f:6.08mg/g
Li置換型吸着剤(Na1.0Li0.33Mn0.67O2)についての検討;
炭酸ナトリウム、炭酸リチウム及び炭酸マンガンを使用し、Na/Li/Mnモル比が1.0/0.33/0.67の原料混合物を調製し、実験1−(3)と同様にして、500℃及び700℃で焼成を行い、下記組成の焼成物(合成物)を得た。
Na1.0Li0.33Mn0.67O2
(x=1.0、z=0.33、q=0)
かかる焼成物についてのXRD測定結果を、原料混合物の測定結果と共に図26に示した。図26中、(a)が原料混合物の回折パターン、(b)が500℃での焼成により得られた合成物(焼成物)の回折パターン、(c)が700℃での焼成により得られた合成物(焼成物)の回折パターンである。
各合成物についての焼成温度及びXRDの解析結果は以下のとおりである。
焼成温度500℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)及びLiMn2O4(スピネル
構造)トンネル構造が生成。α/β=0
合成物c:
焼成温度700℃
層状構造(Na0.7MnO2.05)及びLiMn2O4(スピネル
構造)トンネル構造が生成。α/β=0
合成物b:5.87mg/g(吸着率:66.0%)
合成物c:4.00mg/g(吸着率:44.9%)
Claims (11)
- 層状結晶構造を有しており、層間内にナトリウムイオンが存在しているマンガン酸化物を含むストロンチウムイオン吸着剤。
- 前記マンガン酸化物は、X線回折(Cu−Kα)において、2θ=15〜17度、31〜34度及び35〜38度の領域に、前記層状結晶構造に特有の回折ピークを示す請求項1に記載のストロンチウムイオン吸着剤。
- 前記ストロンチウムイオン吸着剤は、トンネル内にナトリウムイオンが存在しているトンネル結晶構造を有しており、且つX線回折(Cu−Kα)において、2θ=13〜15度、15〜18度、18〜21度、33〜35度、36〜39度及び50〜53度の領域に、前記トンネル結晶構造に特有の回折ピークを示すマンガン酸化物を含んでいる請求項1に記載のストロンチウムイオン吸着剤。
- 前記ストロンチウムイオン吸着剤は、下記式(1)または(2):
(1) NaxTyMn1−y
式中、Tは、多価金属を示し、
x及びyは、それぞれ、0.4≦x≦1、0≦y≦0.4
4を満足する数である、
(2) NaLiZMn1−Z
式中、Liは、Mnと置換されたリチウム原子であり、
x及びzは、それぞれ、0.4≦x≦1、0<z≦0.33
を満足する数である、
で表される原子組成を有する請求項2または3記載のストロンチウムイオン吸着剤。 - 前記式(1)における多価金属TがAl、Co、Ni、CuまたはMgである請求項4に記載のストロンチウムイオン吸着剤。
- 前記式(1)及び(2)において、xが、0.44≦x≦1を満足する数である請求項4に記載のストロンチウムイオン吸着剤。
- 前記式(1)及び(2)において、xが、0.6≦x≦1を満足する数である請求項6に記載のストロンチウムイオン吸着剤。
- 層間内にナトリウムイオンを含む層状結晶構造を有するマンガン酸化物として、Na0.7MnO2.05層状結晶構造を有するマンガン酸化物を含む請求項1に記載のストロンチウムイオン吸着剤。
- ナトリウム塩、ナトリウム酸化物及びナトリウム水酸化物からなる群より選択された少なくとも1種の層間金属源化合物と、マンガン塩、マンガン酸化物及びマンガン水酸化物からなる群より選択された少なくとも1種のマンガン源化合物とを混合し、得られた混合物を400℃以上の温度で焼成することを特徴とする請求項1に記載のストロンチウムイオン吸着剤の製造方法。
- 多価金属塩、多価金属酸化物及び多価金属水酸化物からなる群より選択された少なくとも1種の多価金属源化合物を、前記層間金属源化合物及び前記マンガン源化合物と混合して焼成を行う請求項9に記載の製造方法。
- リチウム塩、リチウム酸化物及びリチウム水酸化物からなる群より選択された少なくとも1種のリチウム源化合物を、Mn置換金属源として使用し、前記層間金属源化合物及び前記マンガン源化合物と混合して焼成を行う請求項9に記載の製造方法。
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