JPWO2017085953A1 - コイル成形装置及びコイル成形方法 - Google Patents
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Abstract
Description
固定子コアへコイルを設置する組立工程の作業性を向上できる固定子として、同芯巻で形成されており、隣り合う導線の間に他の導線が挿入可能な隙間を有し、且つコイルエンド部に形成されるレーンチェンジ部が導線1本分の幅をかわすように形成されているコイル体を作製し、複数のコイル体を周方向に配設して形成したコイル籠にステータコアを配置して作製された固定子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
コイルの成形性が良く、複数のコイルを組み立てた固定子コイルに対して固定子コアを挿入する際に、コイルの形状変化がなく、導線の皮膜の損傷を防止できるコイル成形装置及びコイルの成形方法を提供することを目的とする。
1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、
前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置であって、
前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
前記コイル成形装置は、
前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されているものである。
1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着する重ね巻きコイルに展開するコイル成形方法であって、
前記中間コイルは、前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるものであり、
前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有するものである。
1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、
前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置を用いて前記中間コイルを展開するコイル成形方法であって、
前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
前記コイル成形装置は、
前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されており、
前記コイル成形装置の径方向の最も内周側に配置される前記クランプ型の内周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の外周側が円弧状であり、外周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な内壁を備え、
前記コイル成形装置の径方向の最も外周側に配置される前記クランプ型の外周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な外壁を備え、
前記内壁と前記内壁の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された最初の前記成形型との間と、
前記成形型と当該成形型の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された次の前記成形型との間と、
前記外壁と前記外壁の前記コイル成形装置の径方向内側に配置された最も外周側の前記成形型との間に、
前記コイルエンド部を案内する案内溝が形成され、
内側からN番目の案内溝と内側からN+1番目の案内溝の径方向の位置は、N番目の前記案内溝に案内される導線分だけ異なり、
前記成形型の端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記成形型の反端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた反端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記端末側斜辺部成形スロープの最も端末側の端部と、
前記反端末側斜辺部成形スロープの最も反端末側の端部とに、
軸方向に垂直に切り欠かれた切り欠きを備え、
前記コイル成形方法は、前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有し、
前記コイル展開工程において、
1つの前記端末側折返部は、径方向に前記導線の1本分の位置が異なる2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となり、
1つの前記反端末側折返部は、最も内側と最も外側の2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、他の反端末側のコイルエンド部を跨いで前記反端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となるものである。
中間コイルの直線部を周方向の両側から成形型、クランプ型を用いて把持し、固定子コアに取り付ける位置の曲率と同じ曲率で周方向に展開できるので、成形後のコイルの各スロット収納部を固定子コアのスロットに収納される時の相互の位置関係と同じ位置関係で一度に高精度に成形できる。
また、一旦、平面状の中間コイルを成形した後に、実際のコイル形状と同一形状の同芯巻き形状に展開するので、コイルの成形性が良い。また、複数のコイルを組み立てた固定子コイルに対して固定子コアを挿入する際に、コイルの形状変化がなく、導線の皮膜の損傷を防止できる。
以下、この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る固定子100の斜視模式図である。
図2は、固定子100を軸方向に垂直に切断した断面模式図である。
図3(a)は、固定子コア2を構成する分割コア20の斜視図である。
図3(b)は、分割コア20の平面図である。
固定子コイル10は、コイル4を周方向に等間隔に並べて籠状に構成されている。図示しない絶縁部材を装着した分割コア20は、2つのティース21の周方向の間に形成されるスロット5にコイル4が絶縁部材を介して配置されるように、固定子コイル10に対して径方向外側から内側に向かって挿入される。すべての分割コア20が、固定子コイル10に対して組みつけられ、コイル4の端部の結線をすると、固定子コア2と固定子コイル10とが組み付けられた固定子100となる。本実施の形態では、コイル4、スロット5およびティース21が、各々48個となっている固定子コイル10および固定子コア2を例示しているが、これに限るものではない。
図5(a)は、固定子コイル10を構成する最小単位であるコイル4の正面図である。
図5(b)は、コイル4を端末側から見た平面図である。
図5(c)は、コイル4を反端末側から見た平面図である。
コイル4は、導体部と導体部の表面を被覆する絶縁皮膜とからなる1本の導線3を略六角形状に重ね巻きして成形されている。すなわち、同芯巻きに成形されている。また、図5(b)に示すように、導線3として、断面が円形の丸線を用いているが、断面が矩形の平角線を用いてもよい。
コイル4のうち、スロット5に収納される部分をスロット収納部41という。また、スロット収納部41間を固定子コア2の軸方向端面上で連結する部分のうち、コイル4の端末側に存在する部分を端末側コイルエンド部42cといい、反端末側に存在する部分を反端末側コイルエンド部43(第一反端末側コイルエンド部43a、第二反端末側コイルエンド部43b)という(詳細は後述)。また、スロット収納部41から軸方向に延出した端部を第一端末線42a、第二端末線42bという。
図7は、コイル4を成形する工程の概略を示すフロー図である。
まず、直線状の導線3に対して第一平面曲げ工程と第二平面曲げ工程を連続して実施してコイル4の元になる平面状の中間コイル6を成形する。
次に、コイル展開工程により中間コイル6を展開し、固定子コア2に装着できる立体形状のコイル4に成形する。
図9は、図8の要部拡大図である。
第一平面曲げ工程により、直線状の導線3を平面上で二つ折りに折り曲げる。第一平面曲げ工程によって曲げる部分を第一曲部62c1とする。
次に、図10に示すように、第一曲げ工程を終えた導線3を、更に同一平面上において2本一緒に、二つ折りに折り返す。このとき、第一曲部62c1が無い側が少し長くなるように折り返す。すると、第一曲部62c1と反対方向に第二曲部63が成形される。第二曲部63では、導線3が二重に重ねて曲げられている。
図12(b)は、コイル成形装置50を端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6を装着した状態を示している(把持位置)。
図12(c)は、コイル成形装置50を端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している(成形位置)。
図13(b)は、図12(c)の左側の内壁INを外した状態を示す斜視図である。
図14(b)は、コイル成形装置50を端末側から見た平面図であり、中間コイル6を装着した状態を示している。
図14(c)は、コイル成形装置50を端末側から見た平面図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。
図15(b)は、コイル成形装置50を反端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6を装着した状態を示している。図12(b)を反対側から見た図なので、図12(b)とは左右が逆になっている。
図15(c)は、コイル成形装置50を反端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。図12(c)を反対側から見た図なので、図12(c)とは左右が逆になっている。
図16(b)は、図15(c)の右側の内壁INを外した状態を示す斜視図である。
図17(b)は、コイル成形装置50を反端末側から見た平面図であり、中間コイル6を装着した状態を示している。図14(b)を反対側から見た図なので、図14(b)とは左右が逆になっている。
図17(c)は、コイル成形装置50を反端末側から見た平面図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。図14(c)を反対側から見た図なので、図14(c)とは左右が逆になっている。
図18(b)は、中間コイル6を装着したコイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。コイル4の成形前の状態を示している。
図18(c)は、コイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。
コイル成形装置50は、中間コイル6の長手方向がコイル成形装置50の軸方向と一致し、中間コイル6の各直線部61a1〜61b2が、コイル成形装置の径方向に並ぶように中間コイル6を把持する。
中間コイル把持工程において、中間コイル6の各直線部61a1〜61b2を把持した状態から、それぞれの直線部61a1〜61b2を把持したまま、図14(c)、図18(c)に示すように、内壁IN、成形型2S、クランプ型2C、成形型4S、クランプ型4Cを時計回りに22.5度、コイル成形位置まで回転させる。
図16(a)に示す把持位置から、コイル成形装置50の内壁IN、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUTを駆動して、図16(b)に示す成形位置に移動させると、図18に示すように、2番線の直線部61b1は、成形型2Sとクランプ型2Cによって把持され、3番線の直線部61a2は、成形型3Sとクランプ型3Cに把持される。そして成形型2S、3S、クランプ型2C、3Cが成形位置に移動すると、直線部61b1の反端末側端部と直線部61a2の反端末側端部との間に形成されている第二内側折返部63aは、コイル成形装置50の周方向に、次第に引き延ばされていく。
直線状に切り出した導線3を、平面上にて中間コイル6として成形する平面曲げ工程(第一曲工程、第二曲げ工程)と、スロット収納部となる中間コイルの直線部61a1〜61b2を把持し、交互に周方向の反対方向に相対距離を広げるコイル展開工程の2つの工程でコイル4を成形できるので、コイル4の製造工程数を抑制でき、コイル4の生産性を向上することができる。
中間コイル6の直線部61a1〜61b2を周方向の両側から成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4Cを用いて把持し、固定子コア2に取り付ける位置の曲率と同じ曲率で周方向に展開できるので、成形後のコイル4の各スロット収納部41a1〜41b2を固定子コア2のスロット5に収納される時の相互の位置関係と同じ位置関係で一度に高精度に成形できる。
実施の形態2.
図20は、固定子200の要部断面図である。
コイル204は、図20に示すように、スロット5に対する占積率を向上するためにスロット収納部241(241a1〜241b2)の断面をスロット5の形状に沿った台形形状に成形したコイルである。
図22は、導線3の断面形状成形部と金型の配置を示す図である。
図23は、中間コイル206の直線部261a1を成形する前後を示す模式図であり、図23(a)は、成形前、図23(b)は成形後を示している。
図24は、中間コイル206の平面図である。
図25(a)は、実施の形態2に係る中間コイル206を装着したコイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。コイル204の成形前の状態を示している。
図25(b)は、コイル成形装置50の軸方向の断面図である。中間コイル206をコイル204の形状に成形後の状態を示している。
図26は、コイル成形装置50に装着した中間コイル206の直線部261a1〜261b2が、スロット収納部241a1〜241b2へと展開される方向を示す図である。
導線3の長手方向に垂直な断面形状を台形に予め成形する断面形状成形部Sの範囲は、成形後のコイルのスロット収納部241の領域B2よりも長く成形してもよい。導線3の断面形状成形部Sをコイル204bの端末側コイルエンド部242c、第一反端末側コイルエンド部243a、第二反端末側コイルエンド部243b、第一端末線242a、第二端末線242bの一部に相当する部分まで延長して成形する。すなわち、中間コイルに対する断面形状成形部成形工程Aにおいて、直線部261a1〜261b2を含み、直線部261a1〜261b2よりも長い範囲について導線3の断面形状を成形する。
以下、この発明の実施の形態3に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて実施の形態1、2と異なる部分を中心に説明する。
本実施の形態で使用するコイル304は、実施の形態2と同様に、スロット5に対する占積率を向上するためにスロット収納部の断面をスロット5の形状に沿った形状に成形したコイル304である。以下、そのコイル304の成形方法について説明する。ここでは、実施の形態2と同様に台形の段面形状の場合について説明する。
直線状の導線3から実施の形態1と同様の方法で、まず先に平面巻形状の中間コイル306を成形し、その後、中間コイル306のスロット収納部を4本同時に断面形状成形し(断面形状成形部成形工程B)、コイル304を成形するという流れである。
図29(a)、(b)に示すように、中間コイル306の直線部361a1〜361b2(断面形状成形部)は、下金型361d内に4本纏めて配置され、上金型361uにより4本同時に成形される。その後、実施の形態2と同様の方法でコイル304が成形される。
以下、この発明の実施の形態4に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて実施の形態1〜3と異なる部分を中心に説明する。実施の形態1〜3では、スロット収納部41の数が4本のコイルについて説明した。本実施の形態4では、スロット収納部が6本のコイルについて説明する。
図31(a)は、中間コイル406を展開して成形したコイル404の正面図である。
図31(b)は、コイル404を端末側から見た平面図である。
図31(c)は、コイル404を反端末側から見た平面図である。
実施の形態1〜3と同様に、平面巻形状の中間コイル406のスロット収納部となる各直線部461a1〜461b2を把持して、交互に周方向に反対方向に距離が離れるように展開することにより、コイル404が成形される。
実施の形態5.
図33に示すように、固定子コア502は、内側コア502aと、内側コア502aとは別体であり、且つ内側コア502aの外周面に内周面が嵌合された円筒状の外側コア502bとで構成されている。内側コア502aは、複数のティース521と複数の連結部521aとで構成されている。
図36は、コイル504の側面模式図である。
本実施の形態5では、コイル504の形状およびコイル籠504kの形状が、実施の形態1と異なっている。ただし、コイル504における、スロット収納部541a1〜541b2の導線数と、各コイルエンド部542c、543a、543bの数と、レーンチェンジ部542c1、543a1、543b1が径方向に位置をシフトする幅、及びコイル504が1本の導線3を巻回して形成されている点は、実施の形態1と同様である。
図37は、中間コイル506を把持させた状態のコイル成形装置550の斜視図である。
図38は、図37を中間コイル506の部分で軸方向に切断した断面図である。
コイル成形装置550の構成は、実施の形態1と基本的に同様であるが、実施の形態1のコイル成形装置50とは、コイル成形装置550の内壁IN2、外壁OUT2、各クランプ型1C2〜4C2および成形型1S2〜4S2が、コイル成形装置550の中心軸に対して、傾いて配置されている点が異なる。すなわち、成形型1S2〜4S2は、端末側の軸方向端部と、反端末側の軸方向端部では、曲率中心は、いずれもコイル成形装置550の中心軸上にあるが、曲率半径は、異なっており、反端末側の方が小さい。
図40は、コイル504を成形した後のコイル成形装置550の斜視図であり、内壁IN2を外した状態を示す図である。
図34に示すように、コイル籠504kは、端末側の内径が反端末側の内径より大きくなっている。すなわち、図36に示す中心軸Xをコイル籠504kの中心軸とすると、第一スロット内側収納部541a1の端末側の端部と、中心軸Xとの距離T1が、第一スロット収納部541a1の反端末側の端部と中心軸Xとの距離T2より大きくなっている。このように、コイル籠504kを形成しているコイル504は、第一スロット収納部541a、第二スロット収納部541bが、中心軸Xに対して傾いている。
図42は、コイル籠504kの内側に、内側コア502aが配設された状態を示す断面模式図である。
図41、42に示すように、内側コア502aの外径502aOUTは、コイル籠504kの端末側端部の内径LTより小さく、反端末側の端部の内径LHより大きくなっている。
図44は、図43に示す収縮コイル籠504k2を装着した内側コア502aを中心軸を通る平面で切断した断面図である。
Claims (17)
- 1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、
前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置であって、
前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
前記コイル成形装置は、
前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されているコイル成形装置。 - 前記コイル成形装置の径方向の最も内周側に配置される前記クランプ型の内周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の外周側が円弧状であり、外周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な内壁を備え、
前記コイル成形装置の径方向の最も外周側に配置される前記クランプ型の外周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な外壁を備え、
前記内壁と前記内壁の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された最初の前記成形型との間と、
前記成形型と当該成形型の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された次の前記成形型との間と、
前記外壁と前記外壁の前記コイル成形装置の径方向内側に配置された最も外周側の前記成形型との間に、
前記コイルエンド部を案内する案内溝が形成され、
内側からN番目の案内溝と内側からN+1番目の案内溝の径方向の位置は、N番目の前記案内溝に案内される導線分だけ異なる請求項1に記載のコイル成形装置。 - 前記成形型の端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記成形型の反端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた反端末側斜辺部成形スロープが設けられている請求項2に記載のコイル成形装置。 - 前記端末側斜辺部成形スロープの最も端末側の端部と、
前記反端末側斜辺部成形スロープの最も反端末側の端部とに、
軸方向に垂直に切り欠かれた切り欠きを備える請求項3に記載のコイル成形装置。 - それぞれの前記成形型およびそれぞれの前記クランプ型の曲率半径は、前記端末側と前記反端末側で異なる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル成形装置。
- それぞれの前記成形型および、それぞれの前記クランプ型の曲率半径は、前記端末側と前記反端末側とで異なり、
前記内壁および前記外壁の曲率半径は、前記端末側と前記反端末側とで異なる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のコイル成形装置。 - 1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着する重ね巻きコイルに展開するコイル成形方法であって、
前記中間コイルは、前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるものであり、
前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有するコイル成形方法。 - 前記コイル展開工程において、隣り合う前記直線部を、交互に、反対方向に広げて前記中間コイルを展開する請求項7に記載のコイル成形方法。
- 前記平面曲げ加工前に、前記固定子コアのスロット内に収納されるスロット収納部となる前記直線部の長手方向に垂直な断面形状を成形する断面形状成形部成形工程Aを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
- 前記平面曲げ加工後に、前記中間コイルに対して、前記固定子コアのスロット内に収納されるスロット収納部となる直線部の長手方向に垂直な断面形状を一度に成形する断面形状成形部成形工程Bを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
- 前記平面曲げ加工前に、前記固定子コアのスロット内に収納されるスロット収納部となる前記直線部を含み、前記直線部より長い部分の長手方向に垂直な断面形状を成形する断面形状成形部成形工程Aを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
- 前記平面曲げ加工後に、前記中間コイルに対して、前記固定子コアのスロット内に収納される全てのスロット収納部となる直線部を含み、前記直線部より長い部分の長手方向に垂直な断面形状を一度に成形する断面形状成形部成形工程Bを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
- 前記断面形状は、矩形である請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のコイル成形方法。
- 前記断面形状は、台形である請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のコイル成形方法。
- 前記中間コイルのうち、前記重ね巻きコイルとして展開したときに最も外側のスロット収納部となる前記直線部と、最も内側のスロット収納部となる前記直線部は、前記反端末側において反端末側折返部によって接続されている請求項7から請求項14のいずれか1項に記載のコイル成形方法。
- 1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、
前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置を用いて前記中間コイルを展開するコイル成形方法であって、
前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
前記コイル成形装置は、
前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されており、
前記コイル成形装置の径方向の最も内周側に配置される前記クランプ型の内周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の外周側が円弧状であり、外周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な内壁を備え、
前記コイル成形装置の径方向の最も外周側に配置される前記クランプ型の外周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な外壁を備え、
前記内壁と前記内壁の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された最初の前記成形型との間と、
前記成形型と当該成形型の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された次の前記成形型との間と、
前記外壁と前記外壁の前記コイル成形装置の径方向内側に配置された最も外周側の前記成形型との間に、
前記コイルエンド部を案内する案内溝が形成され、
内側からN番目の案内溝と内側からN+1番目の案内溝の径方向の位置は、N番目の前記案内溝に案内される導線分だけ異なり、
前記成形型の端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記成形型の反端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた反端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記端末側斜辺部成形スロープの最も端末側の端部と、
前記反端末側斜辺部成形スロープの最も反端末側の端部とに、
軸方向に垂直に切り欠かれた切り欠きを備え、
前記コイル成形方法は、前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有し、
前記コイル展開工程において、
1つの前記端末側折返部は、径方向に前記導線の1本分の位置が異なる2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となり、
1つの前記反端末側折返部は、最も内側と最も外側の2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、他の反端末側のコイルエンド部を跨いで前記反端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となるコイル成形方法。 - 前記コイル成形装置の軸方向に対して傾けて、複数の前記直線部が径方向に並ぶように前記中間コイルを前記コイル成形装置に配設し、隣り合う前記直線部を、交互に反対方向に広げて前記中間コイルを展開することにより、
前記端末側のコイルエンド部の幅と前記反端末側のコイルエンド部の幅が異なる前記重ね巻きコイルを成形する請求項16に記載のコイル成形方法。
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