JPWO2017085953A1 - コイル成形装置及びコイル成形方法 - Google Patents

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Abstract

コイル成形装置(50)は、内周面の曲率中心を回転軸の軸心(P)として回転可能な複数の成形型(1S〜4S)と、内周面の曲率中心を回転軸の軸心(P)として回転可能な複数のクランプ型(1C〜4C)と、それぞれの成形型およびクランプ型を回転駆動する駆動機構(52)と、それぞれの成形型(1S〜4S)およびクランプ型(1C〜4C)の回転方向を変換する駆動方向変換機構(51)とを有し、平面曲げ加工された中間コイル(6)の直線部(61a1〜61b2)を周方向の両側から把持する一対の成形型とクランプ型とは、それぞれコイル成形装置(50)の径方向の幅が等しく、コイル成形装置(50)の内周側から外周側に向かって配置される複数の直線部(61a1〜61b2)を把持する成形型とクランプ型は、直線部(61a1〜61b2)を挟んで周方向に交互に配置されている。

Description

この発明は、回転電機の固定子のコイルを成形するコイル成形装置及びコイル成形方法に関し、特に、分布巻用コイルの成形過程における生産性の向上とコイルの品質向上に資するコイル成形装置及びコイル成形方法に関するものである。
近年、電動機、発電機等の回転電機は、多様な用途に対応する必要があり、生産性の向上と品質向上が要望されている。特に、分布巻コイルを用いた回転電機は、固定子コアへのコイルの設置工程が複雑であり、コイル及び固定子の組立性の向上が望まれている。
固定子コアへコイルを設置する組立工程の作業性を向上できる固定子として、同芯巻で形成されており、隣り合う導線の間に他の導線が挿入可能な隙間を有し、且つコイルエンド部に形成されるレーンチェンジ部が導線1本分の幅をかわすように形成されているコイル体を作製し、複数のコイル体を周方向に配設して形成したコイル籠にステータコアを配置して作製された固定子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
分布巻きの重ね巻きコイルを成形する方法としては、巻き枠にコイルを巻いて中間成形コイルを成形する中間成形コイル成形工程と、中間成形コイルのコイルエンド部に対して、レーンチェンジ部を形成するクランク成形工程と、中間成形コイルをスタータコアの形状に合わせて円弧状に曲げる円弧成形工程を有する中間成形コイルの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−125043号公報(第8−10頁、第3−4図、第7図) 特開2014−209834号公報
特許文献2のような従来のコイル成形方法では、分布巻用のコイルを成形するとき、巻き枠に導線を巻いて中間成形コイルを成形する中間コイル成形工程と、中間コイルのコイルエンド部に対して、レーンチェンジ部を形成するクランク成形工程と、ステータコアの形状に合わせて中間コイルを円弧状に曲げる円弧成形工程を経てコイルの最小単位が成形される。このとき、中間成形コイルのスロット収納部の各直線部分は、最初に中間コイル成形工程で成形された後にクランク成形工程及び円弧成形工程を経るために、相互の位置関係が変動する。これにより、コイルを所望の形状に精度良く成形することが難しく、固定子コイルに対して固定子コアを挿入する時に、固定子コイルの導線にストレスを掛けずに精度良く組み立てることが難しいという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
コイルの成形性が良く、複数のコイルを組み立てた固定子コイルに対して固定子コアを挿入する際に、コイルの形状変化がなく、導線の皮膜の損傷を防止できるコイル成形装置及びコイルの成形方法を提供することを目的とする。
この発明に係るコイル成形装置は、
1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、
前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置であって、
前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
前記コイル成形装置は、
前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されているものである。
この発明に係るコイル成形方法は、
1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着する重ね巻きコイルに展開するコイル成形方法であって、
前記中間コイルは、前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるものであり、
前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有するものである。
この発明に係るコイル成形方法は、
1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
環状のヨーク部と、
前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置を用いて前記中間コイルを展開するコイル成形方法であって、
前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
前記コイル成形装置は、
前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されており、
前記コイル成形装置の径方向の最も内周側に配置される前記クランプ型の内周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の外周側が円弧状であり、外周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な内壁を備え、
前記コイル成形装置の径方向の最も外周側に配置される前記クランプ型の外周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な外壁を備え、
前記内壁と前記内壁の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された最初の前記成形型との間と、
前記成形型と当該成形型の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された次の前記成形型との間と、
前記外壁と前記外壁の前記コイル成形装置の径方向内側に配置された最も外周側の前記成形型との間に、
前記コイルエンド部を案内する案内溝が形成され、
内側からN番目の案内溝と内側からN+1番目の案内溝の径方向の位置は、N番目の前記案内溝に案内される導線分だけ異なり、
前記成形型の端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記成形型の反端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた反端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
前記端末側斜辺部成形スロープの最も端末側の端部と、
前記反端末側斜辺部成形スロープの最も反端末側の端部とに、
軸方向に垂直に切り欠かれた切り欠きを備え、
前記コイル成形方法は、前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有し、
前記コイル展開工程において、
1つの前記端末側折返部は、径方向に前記導線の1本分の位置が異なる2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となり、
1つの前記反端末側折返部は、最も内側と最も外側の2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、他の反端末側のコイルエンド部を跨いで前記反端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となるものである。
この発明に係るコイル成形装置によれば、
中間コイルの直線部を周方向の両側から成形型、クランプ型を用いて把持し、固定子コアに取り付ける位置の曲率と同じ曲率で周方向に展開できるので、成形後のコイルの各スロット収納部を固定子コアのスロットに収納される時の相互の位置関係と同じ位置関係で一度に高精度に成形できる。
この発明に係るコイル成形方法によれば、
また、一旦、平面状の中間コイルを成形した後に、実際のコイル形状と同一形状の同芯巻き形状に展開するので、コイルの成形性が良い。また、複数のコイルを組み立てた固定子コイルに対して固定子コアを挿入する際に、コイルの形状変化がなく、導線の皮膜の損傷を防止できる。
この発明の実施の形態1に係る固定子の斜視模式図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子を軸方向に垂直に切断した断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る分割コアの斜視図と平面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子コイルに、分割コアを挿入する工程を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係るコイルの正面図と平面図である。 この発明の実施の形態1に係る1個のコイルが配設された固定子コアを軸方向に対して垂直に切断した断面の部分模式図である。 この発明の実施の形態1に係るコイルを成形する工程の概略を示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係る第一平面曲げ工程を終えた導線の平面図である。 図8の要部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る第二平面曲げ工程を終えた中間コイルの平面図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置の構成を示す概念図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置を端末側から見た図である。 図12の内壁を外した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置を端末側から見た平面図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置を反端末側から見た図である。 図15の内壁を外した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置を反端末側から見た平面図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置に装着した中間コイルの直線部が、スロット収納部へと展開される方向を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子の要部断面図である。 この発明の実施の形態2に係るコイルを成形する工程の概略を示すフロー図である。 この発明の実施の形態2に係る導線の断面形状成形部を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る中間コイルの直線部を成形する前後を示す模式図である。 この発明の実施の形態2に係る中間コイルの平面図である。 この発明の実施の形態2に係る中間コイルを装着したコイル成形装置の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。 この発明の実施の形態2に係るコイル成形装置に装着した中間コイルの直線部が、コイルのスロット収納部へと展開される方向を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る他のコイルの例を示す正面図である。 この発明の実施の形態3に係るコイルを成形する工程の概略を示すフロー図である。 この発明の実施の形態3に係る中間コイルの直線部を成形する前後を示す模式図である。 この発明の実施の形態4に係る中間コイルの平面図である。 この発明の実施の形態4に係るコイルの正面図と平面図である。 この発明の実施の形態5に係る固定子コアに、収縮コイル籠を装着した状態の固定子の斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る固定子コアを軸方向から見た図である。 この発明の実施の形態5に係るコイル籠の斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る重ね巻きコイルの正面模式図である。 この発明の実施の形態5に係る重ね巻きコイルの側面模式図である。 この発明の実施の形態5に係る中間コイルを把持させた状態のコイル成形装置の斜視図である。 図37を中間コイルの部分で軸方向に切断した断面図である。 図37の内壁を外した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る重ね巻きコイルを成形した後のコイル成形装置550の斜視図であり、内壁を外した状態を示す図である。 この発明の実施の形態5に係るコイル籠の内側に、内側コアを配置した状態を軸方向、端末側から見た図である。 この発明の実施の形態5に係るコイル籠の内側に、内側コアが配設された状態を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態5に係る収縮コイル籠を装着した内側コアの斜視図である。 図43に示す収縮コイル籠504k2を装着した内側コア502aを中心軸を通る平面で切断した断面図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る固定子100の斜視模式図である。
図2は、固定子100を軸方向に垂直に切断した断面模式図である。
図3(a)は、固定子コア2を構成する分割コア20の斜視図である。
図3(b)は、分割コア20の平面図である。
本明細書中の固定子100についての説明において、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」というときは、固定子コア2の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」をいうものとする。また、「上」、「下」と言うときは、基準となる場所において、軸方向に垂直な面を想定し、その面を境界として固定子コア2の中心点が含まれる側を「下」、その反対を「上」とする。また、高さの高低を比較する場合は、固定子コア2の中心からの距離が長い方を「高い」とする。
本明細書中のコイル成形装置についての説明において、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」というときは、コイル成形装置の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」をいうものとする。また、「上」、「下」と言うときは、基準となる場所において、軸方向に垂直な面を想定し、その面を境界としてコイル成形装置の中心点が含まれる側を「下」、その反対を「上」とする。また、高さの高低を比較する場合は、コイル成形装置の中心からの距離が長い方を「高い」とする。
また、固定子100において、コイル4の一方の端末線である第一端末線42aと、他方の端末線である第二端末線42bとが、それぞれ固定子コア2から軸方向上方に延出する側を端末側とし、その反対側(端末線の無い側)を反端末側とする。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の固定子100は、円筒状の固定子コア2と重ね巻きコイル4(以下、単にコイル4という。)を周方向に複数(ここでは48本)結合することにより構成される固定子コイル10とを備える。
図2、3に示すように、固定子コア2は、周方向に分割される複数の分割コア20からなる。分割コア20は、全て同じ形状を有しており、周方向に等分されたバックヨーク22と、バックヨーク22の内周面から径方向内側に突出しているティース21とからなる。図2に示すように、組み合わせると隣り合うティース21の周方向の間に、固定子コイル10を収納するスロット5が形成される。
なお、図示しないが、固定子コア2と固定子コイル10との間には相互の絶縁性を確保するシート状の絶縁部材が取り付けられている。
固定子コイル10は、詳細を後述する複数のコイル4を結合して構成されており、U相とV相とW相との3相のコイル群がY結線されている。各コイル4のスロット収納部は、軸方向の両端部においては、固定子コア2から露出し、複数(ここでは6個)のティース21を跨いで他のスロット5内に挿入されて固定子コア2に巻回されている。すなわち、固定子コイル10は分布巻コイルである。
図4は、複数のコイル4を組み合わせて結合したコイル籠である固定子コイル10に、分割コア20を挿入する工程を示す模式図である。
固定子コイル10は、コイル4を周方向に等間隔に並べて籠状に構成されている。図示しない絶縁部材を装着した分割コア20は、2つのティース21の周方向の間に形成されるスロット5にコイル4が絶縁部材を介して配置されるように、固定子コイル10に対して径方向外側から内側に向かって挿入される。すべての分割コア20が、固定子コイル10に対して組みつけられ、コイル4の端部の結線をすると、固定子コア2と固定子コイル10とが組み付けられた固定子100となる。本実施の形態では、コイル4、スロット5およびティース21が、各々48個となっている固定子コイル10および固定子コア2を例示しているが、これに限るものではない。
次に、コイル4について説明する。
図5(a)は、固定子コイル10を構成する最小単位であるコイル4の正面図である。
図5(b)は、コイル4を端末側から見た平面図である。
図5(c)は、コイル4を反端末側から見た平面図である。
コイル4は、導体部と導体部の表面を被覆する絶縁皮膜とからなる1本の導線3を略六角形状に重ね巻きして成形されている。すなわち、同芯巻きに成形されている。また、図5(b)に示すように、導線3として、断面が円形の丸線を用いているが、断面が矩形の平角線を用いてもよい。
図6は、1個のコイル4が配設された固定子コア2を軸方向に対して垂直に切断した断面の部分模式図である。
コイル4のうち、スロット5に収納される部分をスロット収納部41という。また、スロット収納部41間を固定子コア2の軸方向端面上で連結する部分のうち、コイル4の端末側に存在する部分を端末側コイルエンド部42cといい、反端末側に存在する部分を反端末側コイルエンド部43(第一反端末側コイルエンド部43a、第二反端末側コイルエンド部43b)という(詳細は後述)。また、スロット収納部41から軸方向に延出した端部を第一端末線42a、第二端末線42bという。
次に、コイル4の詳細な形状と、固定子コア2のスロット5内における導線3の各部分の収納位置関係を説明する。
図6では、一つのコイル4の収納状態を示しているため、導線3の断面は4箇所のみ描いている。実際には、1つのスロット5には、4本の導線(コイル4は1本の導線で構成されるが、スロット5内のみに注目すると4本となる)が収納されている。最も内側の導線3が収納される位置をA(Aレーン)、Aの外側の収納位置をB(Bレーン)、Bの外側の収納位置をC(Cレーン)、最も外側の収納位置をD(Dレーン)とする。
スロット収納部41のうち、図5(a)における紙面左側に位置する一方のスロット収納部41(二本一組)が、第一スロット収納部41aである。紙面右側に位置する他方のスロット収納部41(二本一組)が、第二スロット収納部41bである。また、図5(a)、図6に示すように、第一スロット収納部41aは、スロット5内において固定子コア2の内側に位置する第一スロット内側収納部41a1と、外側に位置する第一スロット外側収納部41a2とで構成されている。同様に、第二スロット収納部41bは、他のスロット5内において内側に位置する第二スロット内側収納部41b1と、外側に位置する第二スロット外側収納部41b2とで構成されている。反端末側コイルエンド部43は、第一反端末側コイルエンド部43aと第二反端末側コイルエンド部43bとからなる。
1つのコイル4に注目すると、第一端末線42aに繋がる第一スロット外側収納部41a2は、端末側から反端末側に、あるスロット5のCの位置に収納されている。そして当該スロット5から反端末側に延出した導線3は、第一反端末側コイルエンド部43aとなり、6つのティース21を跨いで、他のスロット5のBの位置に、第二スロット内側収納部41b1となって収納されている。
そして、当該スロット5から端末側に延出した導線3は、端末側コイルエンド部42cとなり、先述の6つのティース21を跨いで戻り、最初のスロット5のAの位置に、第一スロット内側収納部41a1となって収納されている。そして当該スロット5から反端末側に延出した導線3は、第二反端末側コイルエンド部43bとなり、先の第一反端末側コイルエンド部43aの上を交差して、6つのティース21を跨いで、先述した他のスロット5のDの位置に、第二スロット外側収納部41b2となって収納され、軸方向端末側に延出して第二端末線42bとなる。
これまでは、1つのコイル4に注目してコイル4を構成する各部分がどのように構成され、固定子コア2に配設されているかを説明した。次に、1つのスロット5に注目して、あるスロット5内での導線3の配置を説明する。
1つのスロット5において、あるコイル4の第一スロット内側収納部41a1がAの位置に収納され、同じコイル4の第一スロット外側収納部41a2はCの位置に収納される。そして、Bの位置には、他のコイル4の第二スロット内側収納部41b1が収納され、Dの位置には、上述の他のコイル4の第二スロット外側収納部41b2が収納される。このように、1つのスロット5内には、あるコイル4の第一スロット収納部41aを構成する導線3と、他のコイル4の第二スロット収納部41bを構成する導線3が、交互に4本(実際の物理的な導線の数は2本)収納されている。
図5(b)、図6に示すように、端末側コイルエンド部42cには、第二スロット内側収納部41b1を、第一スロット内側収納部41a1に対して導線3の1本分(ここでは直径分)だけ径方向外側へシフトさせるように位置調整するためのレーンチェンジ部42c1が設けられている。
図5(c)、図6に示すように、第一反端末側コイルエンド部43aには、第一スロット外側収納部41a2を、第二スロット内側収納部41b1に対して導線3の直径分だけ径方向外側へシフトさせるように位置調整するためのレーンチェンジ部43a1が設けられている。
同様に、第二反端末側コイルエンド部43bには、第二スロット外側収納部41b2を、第一スロット内側収納部41a1に対して導線3の直径の3倍分だけ径方向外側へシフトさせるように位置調整するためのレーンチェンジ部43b1が設けられている。また、第二反端末側コイルエンド部43bは、第一反端末側コイルエンド部43aを軸方向上側から覆うように配置されており、反端末側から見るとレーンチェンジ部43b1とレーンチェンジ部43a1とは交差している。
次に、コイル4の中間成形体である中間コイル6の製造工程について説明する。
図7は、コイル4を成形する工程の概略を示すフロー図である。
まず、直線状の導線3に対して第一平面曲げ工程と第二平面曲げ工程を連続して実施してコイル4の元になる平面状の中間コイル6を成形する。
次に、コイル展開工程により中間コイル6を展開し、固定子コア2に装着できる立体形状のコイル4に成形する。
図8は、第一平面曲げ工程を終えた導線3の平面図である。
図9は、図8の要部拡大図である。
第一平面曲げ工程により、直線状の導線3を平面上で二つ折りに折り曲げる。第一平面曲げ工程によって曲げる部分を第一曲部62c1とする。
導線3をヘアピン状に曲げて第一曲部62c1を成形する際は、図9に示すように、所定の直径を有するピン7などに導線3を巻きつけて折り返す。このとき、折り返された導線3同士の間に隙間が開かないようにピン7に近い部分(図に示すN部分)から相互に接触させる。第一曲部62c1の形状は図9に示すヘアピン状に限ったものではなく、導線3を半分に折り返して、導線3同士を相互に接触できればよい。
図10は、第二平面曲げ工程を終えた中間コイル6の平面図である。
次に、図10に示すように、第一曲げ工程を終えた導線3を、更に同一平面上において2本一緒に、二つ折りに折り返す。このとき、第一曲部62c1が無い側が少し長くなるように折り返す。すると、第一曲部62c1と反対方向に第二曲部63が成形される。第二曲部63では、導線3が二重に重ねて曲げられている。
このように、1本の導線3を、同一平面上で二回折り返すことにより、4本の導線3が重なるように並列して並んだ(厳密には導線3は連続した1本であるが、説明の都合上、導線3のそれぞれの直線部分を1本として説明している)平面状の中間コイル6を成形する。
図10に示す上側2本の導線3(直線部分を1本と数えて)のX1−X1線から左側部分が、第一折返部62c(端末側折返部)である。そして、第一折返部62cの内、図10の紙面X2−X2線から左側部分が、第一曲部62c1である。後のコイル展開工程により、第一折返部62cは、コイル4の端末側コイルエンド部42cとなり、第一曲部62c1は、レーンチェンジ部42c1となる。
また、図10に示すY1−Y1線から右側かつ、2重に折り返された導線3の内側の部分が、第二内側折返部63a(反端末側折返部)であり、外側部分が、第二外側折返部63b(反端末側折返部)である。そして、第二内側折返部63aのうち、図10に示すY2−Y2線から右側部分が、第二内側曲部63a1であり、第二外側折返部63bの同部分が、第二外側曲部63b1である。
後のコイル展開工程により、第二内側折返部63aは、コイル4の第一反端末側コイルエンド部43aとなり、第二外側折返部63bは、第二反端末側コイルエンド部43bとなる。また、第二内側曲部63a1は、第一反端末側コイルエンド部43aのレーンチェンジ部43a1となり、第二外側曲部63b1は、第二反端末側コイルエンド部43bのレーンチェンジ部43b1となる。
このように、中間コイル6の、図10に示す中間部分(B1で示す範囲)の直線部61a1〜61b2は、後のコイル展開工程によりコイル4のスロット収納部41となる部分である。直線部61a1は、第一スロット内側収納部41a1になり、直線部61b1は、第二スロット内側収納部41b1になり、直線部61a2は、第一スロット外側収納部41a2になり、直線部61b2は、第二スロット外側収納部41b2となる。
中間コイル6の直線部61a1〜61b2は、スロット5内に配置される位置が内側になるものから外側になるものの順に並ぶ。なお、ここでは、中間コイル6の直線部は、コイル4の各スロット収納部内で導線3が径方向に、内側に配置されるものから順番に並べられるものとしたが、逆順であってもよい。
次に、中間コイル6をコイル4に成形するコイル成形装置と、このコイル成形装置を用いて中間コイル6からコイル4を成形する方法について説明する。以下の説明において、図10に示す中間コイル6の導線3のうち、直線部61a1を含む紙面左端から右端までの部分を1番線という。同様に、直線部61b1を含む部分を2番線、直線部61a2を含む部分を3番線、直線部61b2を含む部分を4番線という。
図11は、コイル成形装置50の構成を示す概念図である。コイル成形装置50は、中間コイル6をコイル4の形状に成形する成形型1S〜4Sと、成形型1S〜4Sに対して中間コイル6を固定するクランプ型1C〜4Cと、外周側から中間コイル6を保持する外壁OUTと、内周側から中間コイル6を保持する内壁INと、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUT、内壁INの駆動方向を個別に変換する駆動方向変換機構51と、駆動方向変換機構51に対して駆動力を加える駆動機構としてのモータ52と、モータ52に対する駆動量と駆動方向変換機構51とを制御するコントローラ53とからなる。
図12(a)は、コイル成形装置50を端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6を装着する前の状態を示している(準備位置)。駆動方向変換機構51、モータ52及びコントローラ53は省略している。
図12(b)は、コイル成形装置50を端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6を装着した状態を示している(把持位置)。
図12(c)は、コイル成形装置50を端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している(成形位置)。
図13(a)は、図12(b)の左側の内壁INを外した状態を示す斜視図である。
図13(b)は、図12(c)の左側の内壁INを外した状態を示す斜視図である。
図14(a)は、コイル成形装置50を端末側から見た平面図であり、中間コイル6を装着する前の状態を示している。
図14(b)は、コイル成形装置50を端末側から見た平面図であり、中間コイル6を装着した状態を示している。
図14(c)は、コイル成形装置50を端末側から見た平面図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。
図15(a)は、コイル成形装置50を反端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6を装着する前の状態を示している。図12(a)を反対側から見た図なので、図12(a)とは左右が逆になっている。
図15(b)は、コイル成形装置50を反端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6を装着した状態を示している。図12(b)を反対側から見た図なので、図12(b)とは左右が逆になっている。
図15(c)は、コイル成形装置50を反端末側から見た要部斜視図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。図12(c)を反対側から見た図なので、図12(c)とは左右が逆になっている。
図16(a)は、図15(b)の右側の内壁INを外した状態を示す斜視図である。図13(a)を反対側から見た図なので、図13(a)とは左右が逆になっている。
図16(b)は、図15(c)の右側の内壁INを外した状態を示す斜視図である。
図17(a)は、コイル成形装置50を反端末側から見た平面図であり、中間コイル6を装着する前の状態を示している。図14(a)を反対側から見た図なので、図14(a)とは左右が逆になっている。
図17(b)は、コイル成形装置50を反端末側から見た平面図であり、中間コイル6を装着した状態を示している。図14(b)を反対側から見た図なので、図14(b)とは左右が逆になっている。
図17(c)は、コイル成形装置50を反端末側から見た平面図であり、中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。図14(c)を反対側から見た図なので、図14(c)とは左右が逆になっている。
図18(a)は、コイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。中間コイル6を装着する前の状態を示している。
図18(b)は、中間コイル6を装着したコイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。コイル4の成形前の状態を示している。
図18(c)は、コイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。中間コイル6をコイル4の形状に成形後の状態を示している。
図19は、コイル成形装置50に装着した中間コイル6の直線部61a1〜61b2が、スロット収納部41a1〜41b2へと展開される方向を示す図である。
各図に示すコイル成形装置50の成形型1S〜4Sは、中間コイル6の1番線〜4番線を成形型1S〜4Sの外周面に沿わせて中間コイル6からコイル4を成形するための型枠である。クランプ型1C〜4Cは、成形型1S〜4Sの周方向の端面との間に1番線〜4番線の直線部61a1〜61b2を挟んで固定するための固定具である。
図12、図14(a)に示すように、コイル成形装置50は、中間コイル6を把持していない開放状態においては、図14(a)の左側に示す第一グループの構成部材として、内側から外側に向かって、それぞれ軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状の内壁IN、クランプ型1C、成形型2S、クランプ型3C、成形型4Sが径方向に並んで配置されている。そしてこれらの一群から周方向に間隙を開けて、右側に示す第二グループの構成部材として、内側から外側に向かって、それぞれ軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状の、成形型1S、クランプ型2C、成形型3S、クランプ型4C、外壁OUTが径方向に並んで配置されている。
内壁IN、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUTの外周面及び内周面の軸方向に垂直な断面は全て、仮に固定子コア2を、コイル成形装置50に軸方向から重ねたと仮定すると、それぞれの曲率中心が同心となる円弧状である。また、一対の成形型1Sとクランプ型1Cは、コイル成形装置50の回転軸の軸心Pから同じ距離の位置にあり、径方向の幅は等しい。成形型2Sとクランプ型2C、成形型3Sとクランプ型3C、成形型4Sとクランプ型4Cについても同様である。そして、第一、第二いずれのグループも、成形型とクランプ型は、径方向に交互に並ぶように配置されている。すなわち、第一グループにおいては、成形型2Sと4Sとが、クランプ型3Cを挟んで配置され、成形型2Sと内壁INとが、クランプ型1Cを挟んで配置されている。また、第二グループにおいては、クランプ型2Cと4Cとが、成形型3Sを挟んで配置され、成形型3Sと外壁OUTとが、クランプ型4Cを挟んで配置されている。従って、中間コイル6の各直線部61a1〜61b2を周方から把持する成形型とクランプ型の組み合わせに注目すると、外周側に向かって左右が入れ替わって交互に配置されていることになる。内壁IN、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUTは、上述の曲率中心を回転軸の軸心Pとして、それぞれ時計回り、反時計回りに回転可能である。
次に、コイル成形装置50によって、中間コイル6を図12(b)に示すように把持する中間コイル把持工程ついて説明する。
コイル成形装置50は、中間コイル6の長手方向がコイル成形装置50の軸方向と一致し、中間コイル6の各直線部61a1〜61b2が、コイル成形装置の径方向に並ぶように中間コイル6を把持する。
内壁IN、クランプ型1C、成形型2S、クランプ型3C、成形型4Sが、図12(a)に示す準備位置から、時計回りに図12(b)に示す把持位置まで回転され、成形型1S、クランプ型2C、成形型3S、クランプ型4C、外壁OUTが、開放位置から反時計回りに把持位置まで回転されると、1番線の直線部61a1は、周方向の両側から、成形型1Sとクランプ型1Cによって全長に渡って把持され、2番線の直線部61b1は、周方向の両側から、成形型2Sとクランプ型2Cによって全長に渡って把持され、3番線の直線部61a2は、周方向の両側から、成形型3Sとクランプ型3Cによって全長に渡って把持され、4番線の直線部61b2は、周方向の両側から、成形型4Sとクランプ型4Cによって全長に渡って把持される。
次に、コイル成形装置50によって、中間コイル6をコイル4の形状に成形するコイル成形工程を説明する。
中間コイル把持工程において、中間コイル6の各直線部61a1〜61b2を把持した状態から、それぞれの直線部61a1〜61b2を把持したまま、図14(c)、図18(c)に示すように、内壁IN、成形型2S、クランプ型2C、成形型4S、クランプ型4Cを時計回りに22.5度、コイル成形位置まで回転させる。
それと同時に、成形型1S、クランプ型1C、成形型3S、クランプ型3C、外壁OUTを、反時計回りに22.5度、コイル成形位置まで回転させる。これにより、1番線と3番線の2本と、2番線と4番線の2本は、周方向に45度離れた位置に引き離される。360度に対して48スロット存在するので、45度では、6スロット分引き離されたことになる。これにより、直線部61a1〜61b2が、コイル4のスロット収納部41a1〜41b2として成形される。
次に、中間コイル6からコイル4の各コイルエンド部が成形させる過程を説明する。説明の都合上、主に1番線を使って説明する。図12(a)〜(c)に示すように、内壁INの外周面と成形型2Sの内周面との間に案内溝Aが形成され、同様に、成形型2Sと成形型4Sとの間に案内溝Cが形成され、成形型1Sと成形型3Sとの間に案内溝Bが形成され、成形型3Sと外壁OUTとの間に案内溝Dが形成される。案内溝A〜Dのコイル成形装置50の軸心Pからの距離は、それぞれ、図6に示すスロット収納部41a1〜41b2の、固定子100の軸心から図6に示したA〜Dの位置までの距離に等しい。すなわち、固定子コア2におけるA〜Dの位置は、コイル成形装置50における案内溝A〜Dの位置に対応し、案内溝Aと案内溝Bのコイル成形装置50の軸心Pからの距離は、案内溝Aに案内される導線3の1本分(ここでは直径分)だけ異なる。コイル4の端末側コイルエンド部42c、第一反端末側コイルエンド部43a、第二反端末側コイルエンド部43bは、案内溝A〜D内で成形型1S〜4Sの軸方向端面に沿って成形される。各案内溝A〜Dは、コイルエンド部42c、43a、43bを案内する溝となる。
図12(b)、図13(a)に示す把持位置から、コイル成形装置50の内壁IN、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUTを駆動して、図13(b)に示す成形位置に移動させると。1番線の直線部61a1は、成形型1Sとクランプ型1Cによって把持されて反時計回りに移動し、2番線の直線部61b1は、成形型2Sとクランプ型2Cに把持されて時計回りに移動するので、直線部61a1の端末側端部と直線部61b1の端末側端部との間に形成されている第一折返部62cは、コイル成形装置50の周方向に、次第に引き延ばされていく。
このとき、第一折返部62cの図14(c)に示すクランプ型1C側の半分弱(第一曲部62c1の部分を除くので)の部分は、案内溝A内にあり、クランプ型2C側の半分弱の部分は、案内溝B内にある。成形型1Sの端末側かつクランプ型1C側の角には、斜めに切り落とされた斜辺部成形スロープ1sst(端末側斜辺成形スロープ)が設けられている。また、成形型1Sの反端末側かつクランプ型1C側の角にも、斜めに切り落とされた斜辺部成形スロープ1ssh(反端末側斜辺成形スロープ)が設けられている。
次第に引き延ばされた第一折返部62cのクランプ型1C側の半分弱の部分は、成形型1Sの斜辺部成形スロープ1sstに沿って斜辺部42cs1に成形される。第一折返部62cのクランプ型2C側の半分弱の部分は、同様に成形型2Sの端末側かつクランプ型2C側の角に形成された斜辺部成形スロープ2sstに沿って斜辺部42cs2に成形される。なお、斜辺部42cs1、42cs2は径方向内側から見ると図13(b)のように斜めに見えるが、端末側から見ると、内壁IN、成形型1Sに沿って円弧状にカーブしている。なお、実際には、案内溝A、Bの径方向の幅は、導線3の直径より大きいので、完全な円弧形状となる訳ではない。
ところで、図13(a)に示すように、斜辺部成形スロープ1sst、2sstの最も端末側の端部は、それぞれ軸方向に垂直に切り欠かれている。当該部分が、切り欠き1skt、2sktである。コイル成形装置50の各可動構成部材が成形位置にあるとき、成形型1Sの切り欠き1sktと成形型2Sの切り欠き2sktとは径方向に斜めに案内溝Aから案内溝Bに連通し、軸方向に凹んだレーンチェンジ溝M1を形成する。このレーンチェンジ溝M1の中を通って端末側コイルエンド部42cのレーンチェンジ部42c1が成形される。このように、コイル成形装置50の各可動構成部材を把持位置から成形位置に移動させることにより、コイル成形装置50の案内溝A内、案内溝B内、斜辺部成形スロープ1sst、2sst、レーンチェンジ溝M1の底に沿って端末側コイルエンド部42cが成形される。なお、端末側には、3番線と4番線を結合するコイルエンド部は存在しないので、成形型3S、4Sの端末側には、斜辺部成形スロープや切り欠きは無い。
また、斜辺部成形スロープと切り欠きがなくてもコイルエンド部を成形することは可能であるが、これらを設けることにより、設計値に近い形状で端末側コイルエンド部42cを成形することができる。
次に、第一反端末側コイルエンド部43aの成形について説明する。
図16(a)に示す把持位置から、コイル成形装置50の内壁IN、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUTを駆動して、図16(b)に示す成形位置に移動させると、図18に示すように、2番線の直線部61b1は、成形型2Sとクランプ型2Cによって把持され、3番線の直線部61a2は、成形型3Sとクランプ型3Cに把持される。そして成形型2S、3S、クランプ型2C、3Cが成形位置に移動すると、直線部61b1の反端末側端部と直線部61a2の反端末側端部との間に形成されている第二内側折返部63aは、コイル成形装置50の周方向に、次第に引き延ばされていく。
このとき、第二内側折返部63aのクランプ型2C側の半分弱の部分は、反端末側の案内溝B内にあり、クランプ型3C側の半分弱の部分は、反端末側の案内溝C内にある。成形型2Sの反端末側かつクランプ型2C側の角には、斜めに切り落とされた斜辺部成形スロープ2sshが設けられている。また、成形型3Sの反端末側かつクランプ型3C側の角にも、斜めに切り落とされた斜辺部成形スロープ3sshが設けられている。
次第に引き延ばされた第二内側折返部63aのクランプ型2C側の半分弱の部分は、図17(c)に示す成形型2Sの斜辺部成形スロープ2sshに沿って斜辺部43as1に成形される。第二内側折返部63aのクランプ型3C側の半分弱の部分は、同様に成形型3Sの反端末側かつクランプ型3C側の角に形成された斜辺部成形スロープ3sshに沿って斜辺部43as2に成形される。
斜辺部成形スロープ2ssh、3sshの最も反端末側の端部は、それぞれ軸方向に垂直に切り欠かれている。当該部分が、切り欠き2skh、3skhである。コイル成形装置50の各可動構成部材が成形位置にあるとき、成形型2Sの切り欠き2skhと成形型3Sの切り欠き3skhは、径方向に斜めに連通し、軸方向に凹んだ図17(c)に示すレーンチェンジ溝M2を形成する。
このレーンチェンジ溝M2の中を通って第一反端末側コイルエンド部43aのレーンチェンジ部43a1が成形される。このように、コイル成形装置50の各可動構成部材を把持位置から成形位置に移動させることにより、コイル成形装置50の反端末側の案内溝B内、案内溝C内、斜辺部成形スロープ2ssh、3ssh、レーンチェンジ溝M2の底に沿って第一反端末側コイルエンド部43aが成形される。
次に、反端末側の、第二反端末側コイルエンド部43bの成形について説明する。実際には、上述の第一反端末側コイルエンド部43aの成形工程と、以下に説明する第二反端末側コイルエンド部43bの成形工程は同時に進行する。
図16(a)に示す把持位置から、コイル成形装置50の内壁IN、成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4C、外壁OUTを駆動して、図16(b)に示す成形位置に移動させると、1番線の直線部61a1は、成形型1Sとクランプ型1Cによって把持され、4番線の直線部61b2は、成形型4Sとクランプ型4Cに把持される。そして成形型1S、4S、クランプ型1C、4Cが成形位置に移動すると、直線部61a1の反端末側端部と直線部61b2の反端末側端部との間に形成されている第二外側折返部63bは、コイル成形装置50の周方向に、次第に引き延ばされていく。
このとき、第二外側折返部63bのクランプ型1C側の3分の1程度の部分は、反端末側の案内溝A内にあり、クランプ型4C側の3分の1程度の部分は、反端末側の案内溝D内にある。成形型1Sの反端末側かつクランプ型1C側の角には、斜めに切り落とされた斜辺部成形スロープ1sshが設けられている。また、成形型4Sの反端末側かつクランプ型4C側の角にも、斜めに切り落とされた斜辺部成形スロープ4sshが設けられている。
次第に引き延ばされた第二外側折返部63bのクランプ型4C側の3分の1程度の部分は、図17(c)に示す成形型4Sの斜辺部成形スロープ4sshに沿って斜辺部43bs1に成形される。第二外側折返部63bのクランプ型1Cの3分の1程度の部分は、同様に成形型1Sの反端末側かつクランプ型1C側の角に形成された斜辺部成形スロープ1sshに沿って斜辺部43bs2に成形される。
斜辺部成形スロープ1ssh、4sshは、それぞれ反端末側端部が軸方向に垂直に切り欠かれている。当該部分が、切り欠き1skh、4skhである。コイル成形装置50の各可動構成部材が成形位置にあるとき、成形型1Sの切り欠き1skhと成形型4Sの切り欠き4skhは、径方向に斜めに先のレーンチェンジ溝M2と連通する図17(c)に示すレーンチェンジ溝M3を形成する。
このレーンチェンジ溝M3の中を通り、第一反端末側コイルエンド部43aの軸方向上方を径方向に斜めに横切って、第二反端末側コイルエンド部43bのレーンチェンジ部43b1が成形される。このように、コイル成形装置50の各可動構成部材を把持位置から成形位置に移動させることにより、コイル成形装置50の反端末側の案内溝A内、案内溝D内、斜辺部成形スロープ1ssh、4ssh、レーンチェンジ溝M3の底に沿い、第一反端末側コイルエンド部43aのレーンチェンジ部43a1の上を径方向に斜めに横切って第二反端末側コイルエンド部43bが成形される。
この発明の実施の形態1に係るコイル成形方法によれば、
直線状に切り出した導線3を、平面上にて中間コイル6として成形する平面曲げ工程(第一曲工程、第二曲げ工程)と、スロット収納部となる中間コイルの直線部61a1〜61b2を把持し、交互に周方向の反対方向に相対距離を広げるコイル展開工程の2つの工程でコイル4を成形できるので、コイル4の製造工程数を抑制でき、コイル4の生産性を向上することができる。
また、重ね巻きコイル4の各スロット収納部41a1〜41b2、各コイルエンド部42c、43の斜辺部42cs1等、レーンチェンジ部42c1等を全て同時に成形することができるので、コイル4の成形性と精度を向上できる。
また、一旦、平面状の中間コイル6を成形した後に、実際のコイル形状と同一形状の同芯巻き形状のコイル4に展開するので、コイル4の成形性が良い。また、複数のコイル4を組み立てた固定子コイル10に対して分割コア20を挿入する際に、コイル4の形状変化がなく、導線3の皮膜の損傷を防止できる。
この発明の実施の形態1に係るコイル成形装置によれば、
中間コイル6の直線部61a1〜61b2を周方向の両側から成形型1S〜4S、クランプ型1C〜4Cを用いて把持し、固定子コア2に取り付ける位置の曲率と同じ曲率で周方向に展開できるので、成形後のコイル4の各スロット収納部41a1〜41b2を固定子コア2のスロット5に収納される時の相互の位置関係と同じ位置関係で一度に高精度に成形できる。
また、コイル4が固定子コア2に取り付けられる位置における固定子コア2の曲率に合わせてコイルエンド部42c、43を円弧形状に成形することができるので、精度の高いコイル4の形状を実現できる。
なお、本実施の形態では、中間コイル6の把持位置から、コイル成形装置50を構成する第一、第二の各グループの各部材をそれぞれ反対方向に22.5度(3スロット分)回転させたが、一方のスロット収納部41を構成する2本の直線部を固定しておいて、他方のスロット収納部を構成する2本の直線部を45度(6スロット分)回転させてもよい。すなわち、中間コイル6の直線部61a1〜61b2を、交互に、周方向の反対方向に、それぞれの間の相対距離が広がるように移動できればよく、例えば、成形型1Sから見れば成形型2Sが回転するように見え、成形型2Sから見れば成形型1Sが回転するように見えるように、隣り合う成形型を互いに相対的に回転できれば良い。クランプ型についても同様である。
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図20は、固定子200の要部断面図である。
コイル204は、図20に示すように、スロット5に対する占積率を向上するためにスロット収納部241(241a1〜241b2)の断面をスロット5の形状に沿った台形形状に成形したコイルである。
次に、コイル204の成形方法について説明する。図20に示す固定子コア2のスロット5の軸方向に垂直な断面形状が外周側に広がる台形形状であるため、このコイル204のスロット収納部241a1〜241b2の長手方向に垂直な断面形状も台形形状に成形している。なお、スロット収納部41の断面形状は、台形形状に限らず例えば矩形状でもよい。
図21は、コイル204を成形する工程の概略を示すフロー図である。
図22は、導線3の断面形状成形部と金型の配置を示す図である。
図23は、中間コイル206の直線部261a1を成形する前後を示す模式図であり、図23(a)は、成形前、図23(b)は成形後を示している。
図24は、中間コイル206の平面図である。
図25(a)は、実施の形態2に係る中間コイル206を装着したコイル成形装置50の軸方向に垂直な断面図であり、断面を端末側から見た図である。コイル204の成形前の状態を示している。
図25(b)は、コイル成形装置50の軸方向の断面図である。中間コイル206をコイル204の形状に成形後の状態を示している。
図26は、コイル成形装置50に装着した中間コイル206の直線部261a1〜261b2が、スロット収納部241a1〜241b2へと展開される方向を示す図である。
スロット収納部241a1〜241b2の長手方向に垂直な断面形状が台形状の場合は、各番線の成形型1S〜4Sとクランプ型1C〜4Cが、導線3の各直線部261a1〜261b2をクランプする周方向端部部分(クランプ部)の形状も、中間コイル206の直線部261a1〜261b2の長手方向に垂直な断面形状に沿った形状にする。これにより、直線部261a1〜261b2を周方向に回転させてコイルを成形する途中に、導線3の断面形状がねじれることがなく、コイル204の成形後も台形状の断面形状が、固定子コア2の軸心方向を向いて整列するようにコイル204を成形することができる。
直線状の導線3のスロット収納部241a1〜241b2となる4箇所の直線部261b2、261a1、261b1、261a2の長手方向に垂直な断面形状が、それぞれ、コイル204となって、スロット5に収納される場所の軸方向に垂直な断面形状に沿うように予め導線3を成形する。すなわち、導線3は、実施の形態1と同様に2回折り返されるので、導線3が直線状態にある状態で加工するに当たっては、直線部261b2と261b1の組と、261a1と261a2の組とは、外周側と内周側が反対になるように成形する必要がある。従って、直線状の導線3から、4箇所の直線部261a1〜261b2をそれぞれ長手方向に垂直な断面を台形状に加工するには、図23に示す下金型261a1d、上金型261a1uのようなセットが4組必要になる。
直線部261a1〜261b2を上述のように加工した導線3を実施の形態1で示した要領で平面状の中間コイル206に成形し、その後、コイル204を成形する。導線3の直線部261b2、261a1、261b1、261a2に対応する部分を、それぞれの形状に対応する下金型261b2d、261a1d、261b1d、261a2d内に配置し、それぞれの下金型に対応する上金型261a1u等を用いて直線部261a1〜261b2を長手方向垂直断面が台形形状になるように成形する(断面形状成形部成形工程A)。
その後、実施の形態の1と同様に平面曲げ工程を実施することで図23に示す中間コイル206を成形する。長手方向に垂直な断面が台形形状に成形された4本のスロット収納部241a1〜241b2を1本ずつ把持し、4本のスロット収納部241a1〜241b2をそれぞれ所定の回転方向に、所定の回転角度だけ、交互に反対方向に、広げる方向に移動させる。
従来のように、もし、重ね巻き形状にコイルを成形した後に、スロット収納部の断面形状の成形を行うとすると、コイルが変形し所望の最終形状が得られない。また、重ね巻き形状にコイルを成形した後に、コイルの断面形状を成形した場合は、潰し加工を施す部分の両端間が伸びて、スロット収納部の長さが軸方向に長くなってしまい、コイルエンド部が軸方向に高くなってしまう。
この発明の実施の形態2に係るコイル成形装置50及びコイル成形方法によれば、1本の導線3の内の、コイル204のスロット収納部241a1〜241b2となる部分の、長手方向に垂直な断面形状を予め成形した上でコイル204を成形するので、コイル204を所望の最終形状に近い形状でコイル204を成形でき、コイル204の成形性が高い。またコイル204を最終形状にする前に、スロット収納部241a1〜241b2となる直線部261a1〜261b2の断面形状を成形するので、最終形状におけるコイル204のスロット収納部241a1〜241b2の伸びが無くコイル204のコイルエンド部を低くできる。
図27は、この発明の実施の形態2に係る他のコイル204bの正面図である。
導線3の長手方向に垂直な断面形状を台形に予め成形する断面形状成形部Sの範囲は、成形後のコイルのスロット収納部241の領域B2よりも長く成形してもよい。導線3の断面形状成形部Sをコイル204bの端末側コイルエンド部242c、第一反端末側コイルエンド部243a、第二反端末側コイルエンド部243b、第一端末線242a、第二端末線242bの一部に相当する部分まで延長して成形する。すなわち、中間コイルに対する断面形状成形部成形工程Aにおいて、直線部261a1〜261b2を含み、直線部261a1〜261b2よりも長い範囲について導線3の断面形状を成形する。
このようにすることで、中間コイルを成形する際に、直線状の導線3の断面形状成形部に位置にずれがあった場合でも、中間コイルをコイル204bに成形した時にスロット収納部241bの断面形状が確実に成形されたコイル204bを製造することができる。
また、各コイルエンド部におけるテーパー形状になる断面形状成形部Sと断面形状が円形の非成形部Nとの境界部Kと、スロット収納部241bと、端末側コイルエンド部242c、第一反端末側コイルエンド部243a、第二反端末側コイルエンド部243bとの境界となる円弧部Rの位置をずらすことができるので、境界部Kにおいて導線3が曲げられて、導線3の絶縁が劣化することを防止することができる。なお、4箇所の断面形状成形部Sの長さは同じでなくてもよい。
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて実施の形態1、2と異なる部分を中心に説明する。
本実施の形態で使用するコイル304は、実施の形態2と同様に、スロット5に対する占積率を向上するためにスロット収納部の断面をスロット5の形状に沿った形状に成形したコイル304である。以下、そのコイル304の成形方法について説明する。ここでは、実施の形態2と同様に台形の段面形状の場合について説明する。
図28は、コイル304を成形する工程の概略を示すフロー図である。
直線状の導線3から実施の形態1と同様の方法で、まず先に平面巻形状の中間コイル306を成形し、その後、中間コイル306のスロット収納部を4本同時に断面形状成形し(断面形状成形部成形工程B)、コイル304を成形するという流れである。
図29は、中間コイル306の直線部361a1〜361b2を成形する前後を示す模式図であり、図29(a)は、成形前、図29(b)は成形後を示している。
図29(a)、(b)に示すように、中間コイル306の直線部361a1〜361b2(断面形状成形部)は、下金型361d内に4本纏めて配置され、上金型361uにより4本同時に成形される。その後、実施の形態2と同様の方法でコイル304が成形される。
本実施の形態3に係るコイル成形装置及びコイル成形方法によれば、実施の形態2と同様の効果を得られる他に、4箇所の断面形状成形部を一度に成形できることからコイル304の工程数の抑制ができ、コイル304の生産性を向上できる。
また、中間コイル306を成形してから、スロット収納部の形状成形を行うため、実施の形態2よりも中間コイル306の断面形状成形部のずれが少なく成形性がよい。また、本実施の形態3においても、導線3の断面形状成形部の範囲をコイル304のスロット収納部よりも長くし、余分に導線3を潰すことで、実施の形態2と同様にスロット収納部41の断面形状が確実に成形されたコイル304を製造することができる。また、導線3の絶縁性の劣化を防ぐことができる。なお、4本の各導線3の断面形状成形部の成形範囲は同じでなくてもよい。
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて実施の形態1〜3と異なる部分を中心に説明する。実施の形態1〜3では、スロット収納部41の数が4本のコイルについて説明した。本実施の形態4では、スロット収納部が6本のコイルについて説明する。
図30は、スロット収納部を6本有する重ね巻きコイル用の中間コイル406の平面図である。
図31(a)は、中間コイル406を展開して成形したコイル404の正面図である。
図31(b)は、コイル404を端末側から見た平面図である。
図31(c)は、コイル404を反端末側から見た平面図である。
実施の形態1〜3と同様に、平面巻形状の中間コイル406のスロット収納部となる各直線部461a1〜461b2を把持して、交互に周方向に反対方向に距離が離れるように展開することにより、コイル404が成形される。
本実施の形態4では、スロット収納部が6本の場合を示したが、スロット収納部は6本に限ったものではなく、8本、10本など4本以上かつ偶数の場合も平面巻形状の中間コイルを成形した後に、コイル展開をすることによりコイル404が成形できる。
本実施の形態4に係るコイル成形装置及びコイル成形方法によれば、実施の形態1と同様に、平面状の中間コイル406を成形した後に展開して重ね巻きコイル404に成形するため、所望の最終形状でコイル404を成形でき、コイル404の成形性が高い。また平面上で行う平面曲げ工程と、コイル展開工程の2工程でコイル成形が可能なため、コイル404の製造工程数が少なくコイル404の生産性が高い。
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5に係るコイル成形装置及びコイル成形方法を図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。実施の形態1では、複数の重ね巻きコイル4を組み合わせたコイル籠である固定子コイル10に、分割コア20を外周側から挿入する方法で固定子100を製造した。また、コイル4を成形するコイル成形装置50及びコイル成形方法について詳細に説明した。本実施の形態5では、実施の形態1とは異なる工程で製造される重ね巻きコイルのコイル成形装置及びコイル成形方法について説明する。なお、実施の形態5においても中間コイルの成形方法については、実施の形態1と同様である。
図32は、固定子コア502に収縮コイル籠504k2を装着した状態の固定子500の斜視図である。
図33は、固定子コア502をその軸方向から見た図である。
図33に示すように、固定子コア502は、内側コア502aと、内側コア502aとは別体であり、且つ内側コア502aの外周面に内周面が嵌合された円筒状の外側コア502bとで構成されている。内側コア502aは、複数のティース521と複数の連結部521aとで構成されている。
複数のティース521は、周方向に、一定の間隔を設けて放射状に配置されている。連結部521aは、隣接するティース521の径方向内側の先端部同士を連結している。そして、複数のティース521の径方向の内側の先端部と複数の連結部521aとで1つの環状体を形成している。隣接するティース521の間が、スロット505となる。そして、外側コア502bは、固定子コア502のバックヨークになっている。
図34は、複数の重ね巻きコイル504を組み合わせたコイル籠504kの斜視図である。図32に示すように、コイル籠504kが径方向に収縮されて内側コア502aに入ったものを収縮コイル籠504k2と呼ぶ。図32に示す固定子500は、第一端末線542aと第二端末線542bとが、未だ周方向に折り曲げられておらず、且つ溶接等により接合されてはいない。
図35は、コイル籠504kを構成する1個の単位コイルである重ね巻きコイル504(以下、単にコイル504という)の正面模式図である。
図36は、コイル504の側面模式図である。
本実施の形態5では、コイル504の形状およびコイル籠504kの形状が、実施の形態1と異なっている。ただし、コイル504における、スロット収納部541a1〜541b2の導線数と、各コイルエンド部542c、543a、543bの数と、レーンチェンジ部542c1、543a1、543b1が径方向に位置をシフトする幅、及びコイル504が1本の導線3を巻回して形成されている点は、実施の形態1と同様である。
図35に示すように、コイル504は、端末側コイルエンド部542cの周方向の幅E1が、第一反端末側コイルエンド部543aおよび第二反端末側コイルエンド部543bの周方向の幅E2より広くなっている。
次に、コイル504の成形方法について説明する。本実施の形態では実施の形態1と同様の中間コイル506を用いる。
図37は、中間コイル506を把持させた状態のコイル成形装置550の斜視図である。
図38は、図37を中間コイル506の部分で軸方向に切断した断面図である。
コイル成形装置550の構成は、実施の形態1と基本的に同様であるが、実施の形態1のコイル成形装置50とは、コイル成形装置550の内壁IN2、外壁OUT2、各クランプ型1C2〜4C2および成形型1S2〜4S2が、コイル成形装置550の中心軸に対して、傾いて配置されている点が異なる。すなわち、成形型1S2〜4S2は、端末側の軸方向端部と、反端末側の軸方向端部では、曲率中心は、いずれもコイル成形装置550の中心軸上にあるが、曲率半径は、異なっており、反端末側の方が小さい。
中間コイル506は、成形型1S2〜4S2の傾きと同様の角度だけ傾けてコイル成形装置550に配設され、各クランプ型1C2〜4C2、成形型1S2〜4S2により把持される。
図39は、図37に示すコイル成形装置550の内壁IN2を外した状態を示す斜視図である。
図40は、コイル504を成形した後のコイル成形装置550の斜視図であり、内壁IN2を外した状態を示す図である。
コイル成形装置550を用いたコイル504の成形手順は、実施の形態1と同様であり、図39の状態から実施の形態1と同様に、内壁IN2、成形型1S2〜4S2、クランプ型1C2〜4C2、外壁OUT2を周方向に回転させることで、中間コイル506をコイル504に成形する。
このコイル成形装置550を用いることにより、実施の形態1と同じ工数でコイルを成形できるため、複雑な形状を有するコイル504を、製造工程を増やすことなく製造できる。
次に、本実施の形態に係る固定子500の製造方法について説明する。
図34に示すように、コイル籠504kは、端末側の内径が反端末側の内径より大きくなっている。すなわち、図36に示す中心軸Xをコイル籠504kの中心軸とすると、第一スロット内側収納部541a1の端末側の端部と、中心軸Xとの距離T1が、第一スロット収納部541a1の反端末側の端部と中心軸Xとの距離T2より大きくなっている。このように、コイル籠504kを形成しているコイル504は、第一スロット収納部541a、第二スロット収納部541bが、中心軸Xに対して傾いている。
図41は、コイル籠504kの内側に、内側コア502aを配置した状態を軸方向、端末側から見た図である。
図42は、コイル籠504kの内側に、内側コア502aが配設された状態を示す断面模式図である。
図41、42に示すように、内側コア502aの外径502aOUTは、コイル籠504kの端末側端部の内径LTより小さく、反端末側の端部の内径LHより大きくなっている。
図43は、収縮コイル籠504k2を装着した内側コア502aの斜視図である。
図44は、図43に示す収縮コイル籠504k2を装着した内側コア502aを中心軸を通る平面で切断した断面図である。
内側コア502aにコイル籠504kを装着するには、まず、コイル籠504kの端末側から内側コア502aを軸方向に挿入する。このとき、各コイル504のスロット収納部541a1〜541b2の反端末側がスロット505内に斜めに挿入される。そして、図41、図42の矢印Qに示すように、コイル籠504kの外周側から、内側に向かって均等に力を加える。
すると、図43に示すように、コイル籠504kの端末側が、径方向内側に収縮して、コイル籠504kのスロット収納部541a1〜541b2が、内側コア502aのスロット505内に完全に収納され、コイル籠504kが、収縮コイル籠504k2となる。次に、収縮コイル籠504k2が装着された内側コア502aの外周面に、外側コア502bの外周面を圧入して、固定子500を得る。
なお、図39のクランプ型1C2に示すように、実施の形態1〜5において、各クランプ型1c2〜4c2には、切り欠きK2を設けてもよい。また各クランプ型1c2〜4c2のコイル把持部の長さZ1は、各成形型1S2〜4S2のコイル把持部の長さZ2と同じでなくてもよい。
本発明の実施の形態5に係る、コイル成形装置及びコイル成形方法によれば、複雑な形状を有するコイル504であっても、実施の形態1に比べて製造工程を増やすことなく製造することができる。
また、内側コア502a、外側コア502bに分割した固定子コア502を用いることにより、固定子コア502の内周の形状精度が優れており、固定子500を用いる回転電機のコギングトルクおよびトルクリップルを少なくできる。
なお、上記コイル成形方法では、コイル504の端末側コイルエンド部542cの幅E1が、反端末側コイルエンド部543a、543bの幅E2より広い場合について説明したが、逆であってもよい。
尚、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (17)

  1. 1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
    環状のヨーク部と、
    前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置であって、
    前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
    前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
    全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
    前記コイル成形装置は、
    前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
    それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
    それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
    それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
    それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
    前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されているコイル成形装置。
  2. 前記コイル成形装置の径方向の最も内周側に配置される前記クランプ型の内周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の外周側が円弧状であり、外周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な内壁を備え、
    前記コイル成形装置の径方向の最も外周側に配置される前記クランプ型の外周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な外壁を備え、
    前記内壁と前記内壁の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された最初の前記成形型との間と、
    前記成形型と当該成形型の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された次の前記成形型との間と、
    前記外壁と前記外壁の前記コイル成形装置の径方向内側に配置された最も外周側の前記成形型との間に、
    前記コイルエンド部を案内する案内溝が形成され、
    内側からN番目の案内溝と内側からN+1番目の案内溝の径方向の位置は、N番目の前記案内溝に案内される導線分だけ異なる請求項1に記載のコイル成形装置。
  3. 前記成形型の端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
    前記成形型の反端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた反端末側斜辺部成形スロープが設けられている請求項2に記載のコイル成形装置。
  4. 前記端末側斜辺部成形スロープの最も端末側の端部と、
    前記反端末側斜辺部成形スロープの最も反端末側の端部とに、
    軸方向に垂直に切り欠かれた切り欠きを備える請求項3に記載のコイル成形装置。
  5. それぞれの前記成形型およびそれぞれの前記クランプ型の曲率半径は、前記端末側と前記反端末側で異なる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル成形装置。
  6. それぞれの前記成形型および、それぞれの前記クランプ型の曲率半径は、前記端末側と前記反端末側とで異なり、
    前記内壁および前記外壁の曲率半径は、前記端末側と前記反端末側とで異なる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のコイル成形装置。
  7. 1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
    環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着する重ね巻きコイルに展開するコイル成形方法であって、
    前記中間コイルは、前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
    全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるものであり、
    前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
    前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有するコイル成形方法。
  8. 前記コイル展開工程において、隣り合う前記直線部を、交互に、反対方向に広げて前記中間コイルを展開する請求項7に記載のコイル成形方法。
  9. 前記平面曲げ加工前に、前記固定子コアのスロット内に収納されるスロット収納部となる前記直線部の長手方向に垂直な断面形状を成形する断面形状成形部成形工程Aを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
  10. 前記平面曲げ加工後に、前記中間コイルに対して、前記固定子コアのスロット内に収納されるスロット収納部となる直線部の長手方向に垂直な断面形状を一度に成形する断面形状成形部成形工程Bを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
  11. 前記平面曲げ加工前に、前記固定子コアのスロット内に収納されるスロット収納部となる前記直線部を含み、前記直線部より長い部分の長手方向に垂直な断面形状を成形する断面形状成形部成形工程Aを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
  12. 前記平面曲げ加工後に、前記中間コイルに対して、前記固定子コアのスロット内に収納される全てのスロット収納部となる直線部を含み、前記直線部より長い部分の長手方向に垂直な断面形状を一度に成形する断面形状成形部成形工程Bを実施する請求項7又は請求項8に記載のコイル成形方法。
  13. 前記断面形状は、矩形である請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のコイル成形方法。
  14. 前記断面形状は、台形である請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のコイル成形方法。
  15. 前記中間コイルのうち、前記重ね巻きコイルとして展開したときに最も外側のスロット収納部となる前記直線部と、最も内側のスロット収納部となる前記直線部は、前記反端末側において反端末側折返部によって接続されている請求項7から請求項14のいずれか1項に記載のコイル成形方法。
  16. 1本の導線からなる折り曲げられた中間コイルを、
    環状のヨーク部と、
    前記ヨーク部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有する回転電機の固定子コアの異なる2つのスロットに装着できる重ね巻きコイルに展開するコイル成形装置を用いて前記中間コイルを展開するコイル成形方法であって、
    前記中間コイルは、1本の導線が全長に渡って平面上にて平面曲げ加工され、
    前記導線の両端部が、端末側としての同一方向を向き、4本以上の偶数の直線部が重なるように並列し、前記導線の前記両端部に繋がる2本の前記直線部以外の前記直線部の前記端末側は、それぞれ端末側折返部によって、他の前記直線部の端末側に繋がり、
    全ての前記直線部の反端末側は、それぞれ反端末側折返部によって、他のいずれかの前記直線部の反端末側に繋がるように折り曲げられており、
    前記コイル成形装置は、
    前記端末側折返部および前記反端末側折返部を前記重ね巻きコイルのコイルエンド部として成形する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数の成形型と、
    それぞれの前記成形型の周方向端面との間に、それぞれ1本の前記直線部を周方向の両側から把持する、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側および外周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として互いに相対的に回転可能な複数のクランプ型と、
    それぞれの前記成形型および前記クランプ型を回転駆動する駆動機構と、
    それぞれの前記成形型および前記クランプ型の回転方向を変換する駆動方向変換機構とを備え、
    それぞれの前記直線部を周方向の両側から把持する一対の前記成形型と前記クランプ型とは、それぞれ前記コイル成形装置の径方向の幅が等しく、
    前記コイル成形装置の内周側から外周側に向かって配置される複数の前記直線部を把持する前記成形型と前記クランプ型は、前記直線部を挟んで周方向に交互に配置されており、
    前記コイル成形装置の径方向の最も内周側に配置される前記クランプ型の内周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の外周側が円弧状であり、外周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な内壁を備え、
    前記コイル成形装置の径方向の最も外周側に配置される前記クランプ型の外周側には、前記コイル成形装置の軸方向に垂直な断面の内周側が円弧状であり、内周面の曲率中心を回転軸の軸心として回転可能な外壁を備え、
    前記内壁と前記内壁の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された最初の前記成形型との間と、
    前記成形型と当該成形型の前記コイル成形装置の径方向外側に配置された次の前記成形型との間と、
    前記外壁と前記外壁の前記コイル成形装置の径方向内側に配置された最も外周側の前記成形型との間に、
    前記コイルエンド部を案内する案内溝が形成され、
    内側からN番目の案内溝と内側からN+1番目の案内溝の径方向の位置は、N番目の前記案内溝に案内される導線分だけ異なり、
    前記成形型の端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
    前記成形型の反端末側かつ、当該成形型と前記一対をなす前記クランプ型側の角には、斜めに切り落とされた反端末側斜辺部成形スロープが設けられ、
    前記端末側斜辺部成形スロープの最も端末側の端部と、
    前記反端末側斜辺部成形スロープの最も反端末側の端部とに、
    軸方向に垂直に切り欠かれた切り欠きを備え、
    前記コイル成形方法は、前記中間コイルを成形する平面曲げ工程と、
    前記中間コイルの隣り合う2本の前記直線部の間の相対距離を、前記重ね巻きコイルが前記固定子コアに装着されるときの周方向に相対的に広げるコイル展開工程とを有し、
    前記コイル展開工程において、
    1つの前記端末側折返部は、径方向に前記導線の1本分の位置が異なる2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となり、
    1つの前記反端末側折返部は、最も内側と最も外側の2つの前記案内溝内で周方向に引き延ばされ、それぞれの前記案内溝を構成する前記成形型の前記切り欠きの間に形成されたレーンチェンジ溝を通って、他の反端末側のコイルエンド部を跨いで前記反端末側のコイルエンド部のレーンチェンジ部となるコイル成形方法。
  17. 前記コイル成形装置の軸方向に対して傾けて、複数の前記直線部が径方向に並ぶように前記中間コイルを前記コイル成形装置に配設し、隣り合う前記直線部を、交互に反対方向に広げて前記中間コイルを展開することにより、
    前記端末側のコイルエンド部の幅と前記反端末側のコイルエンド部の幅が異なる前記重ね巻きコイルを成形する請求項16に記載のコイル成形方法。
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