JPWO2017085781A1 - 温度制御装置及び温度制御方法 - Google Patents

温度制御装置及び温度制御方法 Download PDF

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    • G05D23/19Control of temperature characterised by the use of electric means

Abstract

温度制御装置(1)は、ランプ制御を行う場合に、温度制御部(3)が定常速度偏差の影響が無くなるような補正目標値を算出する。更に温度制御部(3)は、算出された補正目標値に従い、積分器1個により構成される通常のPID演算を行うことで、定常速度偏差の影響が無くなるような補正操作量を算出することができる。温度制御装置(1)は以上のように構成されているので、コストを増加することなく、一般的に使用されている積分器1個のPID演算により、定常速度偏差の影響を無くし、目標温度への追従性を高めるように温度制御対象の温度を制御することができる。

Description

この発明は、時間の経過と共に一定の傾きで変化する目標値へと、制御対象の温度をPID制御する温度制御装置及び温度制御方法に関する。
射出成型機の起動時における加熱炉の温度等のように、例えば、複数の制御ゾーンが目標温度に到達する時間を一致させるために、時間の経過と共に一定の傾きで変化する目標値に対してPID制御をおこなう、すなわちランプ制御の場合、十分な時間が経過しても現在温度と目標温度との偏差がゼロにならず、いわゆる定常速度偏差が残る。また、各時刻における目標温度が都度変更されていくため、常に偏差が生じ、目標温度の変化に対する追従性が低くなる。そのため、制御対象の温度は、常に遅れて目標温度へと到達するという課題がある。
上記課題に対応する方法として、非特許文献1などに記載されているように、一般的な制御理論において積分要素を2個設ける制御方法が示されている。しかし、積分要素を2個設けた場合、PID演算が非常に複雑になるという課題がある。そのため、実際の運用においては、通常のPID制御に何らかの構成を加えることで、上記課題に対応している。
通常のPID制御に用いるフィードバック部に加え、フィードフォワード部を設けた、いわゆる2自由度PID制御を行い、現在温度と目標温度との差を監視し、その差に従ってPID制御の比例ゲイン係数を切り替えることで、目標温度の変化に対する追従性を高める温度制御装置が特許文献1に開示されている。
Jikkyo Shuppan Co. Ltd, p.129-p.133,「専門基礎ライブラリー 制御工学」
特開2009−15545号公報
しかし、従来の技術においては、定常速度偏差の影響を無くし、目標温度への追従性を高めるためには、積分器や、フィードフォワード部の増設が必要となる。また、目標温度が一定の値となる定値制御の場合と、ランプ制御の場合とで制御方法を切り替える必要があるため、制御方法の切り替え判断部などを設ける必要があった。そのため、回路数や回路面積などといったコストが増加してしまうという課題があった。
また、積分器を2個設ける場合、PID制御の比例ゲイン、積分時間、微分時間といった各パラメータをチューニングする一般的な方法が示されていないため、適切なパラメータを決定することができず、通常用いられる積分器1個のPID演算で制御すると定常速度偏差が発生するという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ランプ制御をおこなう場合に、一般的に使用されている積分器1個のPID演算により、コストを増加することなく定常速度偏差の影響を無くし、目標温度に対する追従性を高めるように温度制御対象の温度を制御することができる温度制御装置及び温度制御方法の提供を目的としている。
<構成1>
時間の経過と共に一定の傾きで変化する目標値へと、制御対象の温度をPID制御により制御する温度制御装置であって、
前記温度制御装置は、
前記制御対象の温度を前記目標値へと温度制御する温度制御部と、
前記温度制御部により、前記制御対象の温度への前記目標値へとPID制御したときに発生する定常的な偏差である定常速度偏差を算出する、定常速度偏差算出部と、
を備え、
前記温度制御部は、前記定常速度偏差に基づいて補正された前記目標値である補正目標値を出力することを特徴とする温度制御装置。
<構成2>
前記定常速度偏差算出部は、以下の式に基づいて前記定常速度偏差を表すevを算出し、
Figure 2017085781
上記式において、
aは前記一定の傾きであり、
Pは比例帯であり、
TIは積分定数であり、
Tspは設定された温度であり、
θspは前記温度制御部にて前記制御対象を前記Tspまで制御し、十分な時間が経過したときの操作量の値と、最大操作量との比率である、安定時負荷率であり、
T0は前記温度制御部にて前記制御対象への操作量を0として、十分な時間が経過したときの前記制御対象の温度、即ち制御対象の周囲温度であることを特徴とする構成1に記載の温度制御装置。
<構成3>
前記補正目標値は、各時刻における前記目標値に前記定常速度偏差を加算した値であることを特徴とする、構成1又は2に記載の温度制御装置。
<構成4>
前記補正目標値は、前記目標値に到達する全ての時刻を、以下の式で表される時間tvだけ早めたものであり、
Figure 2017085781
上記式において、aは前記一定の傾きであり、evは前記定常速度偏差であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度制御装置。
<構成5>
時間の経過と共に一定の傾きで変化する目標値へと、制御対象の温度をPID制御により制御する温度制御方法であって、
前記温度制御方法は、
前記制御対象の温度を前記目標値へと温度制御する温度制御ステップと、
前記温度制御ステップにより、前記制御対象の温度を前記目標値へとPID制御したときに発生する定常的な偏差である定常速度偏差を算出する、定常速度偏差算出ステップと、
を備え、
前記温度制御ステップは、前記定常速度偏差に基づいて補正された操作量である補正操作量を出力することを特徴とする温度制御方法。
<構成6>
前記定常速度偏差算出ステップは、以下の式に基づいて前記定常速度偏差を表すevを算出し、
Figure 2017085781
上記式において、
aは前記一定の傾きであり、
Pは比例帯であり、
TIは積分定数であり、
Tspは設定された温度であり、
θspは前記温度制御ステップにて前記制御対象を前記Tspまで制御し、十分な時間が経過したときの操作量の値と、最大操作量との比率である、安定時負荷率であり、
T0は前記温度制御ステップにて前記制御対象への操作量を0として、十分な時間が経過したときの前記制御対象の温度、即ち制御対象の周囲温度であることを特徴とする構成5に記載の温度制御方法。
<構成7>
前記補正目標値は、各時刻における前記目標値に前記定常速度偏差を加算した値であることを特徴とする、構成5又は6に記載の温度制御方法。
<構成8>
前記補正目標値は、前記目標値に到達する全ての時刻を、以下の式で表される時間tvだけ早めたものであり、
Figure 2017085781
上記式において、aは前記一定の傾きであり、evは前記定常速度偏差であることを特徴とする、構成5又は6に記載の温度制御方法。
この発明によれば、ランプ制御をおこなう場合に、コストを増加することなく、一般的に使用されている積分器1個のPID演算により、定常速度偏差の影響を無くし、目標温度への追従性を高めるように温度制御対象の温度を制御することができる温度制御装置及び温度制御方法を得ることができるという効果がある。
この発明の実施の形態における温度制御装置を示す構成図である。 定常速度偏差算出方法の説明のための一般的なフィードバック系を含む制御システムを示すブロック図である。 ランプ入力の一例と、本発明の実施の形態における算出された定常速度偏差に基づいて補正された補正目標値を示すグラフである。 この発明の実施の形態における、制御情報取得動作の処理内容を示すフローチャートである。示すフローチャートである。 この発明の実施の形態における、定常速度偏差の算出と、定常速度偏差に基づいて補正された補正目標値に従って、制御対象を制御する場合の動作を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態における、ランプ入力に従ってPID制御を行った場合の温度制御対象4の制御量を示すグラフである。 この発明の実施の形態における、補正目標値に従ってPID制御を行った場合の温度制御対象4の制御量を示すグラフである。
実施の形態
図1はこの発明の実施の形態による温度制御装置を示す構成図である。
<機能及び構成>
図1において、温度制御装置1は、定常速度偏差算出部2と、温度制御部3とを備え、温度制御装置1に接続された温度制御対象4の温度を制御する。
定常速度偏差算出部2は、温度制御対象4をランプ制御した際に発生する定常速度偏差を、後述する種々のパラメータより算出する。温度制御部3は、PID制御によって温度制御対象4の温度を制御する。また、定常速度偏差算出部2から入力された定常速度偏差に基づいて、定常速度偏差の影響が無くなるように補正された目標値である補正目標値を算出する。その場合、補正目標値に従いPID制御を行い、温度制御対象4の温度を制御する。
次に、定常速度偏差算出部2における、定常速度偏差算出方法について説明する。
図2は、一般的なフィードバック系を含む制御システムを示すブロック図である。図2上段のブロック図に示すように、コントローラの伝達関数をC(S)、制御対象の伝達関数P(S)とする。C(S)とP(S)をまとめて、開ループ伝達関数L(S)とすると、図2下段のブロック図のようになる。以下にこのような制御システムの各構成要素を数式で示す。まず、コントローラの伝達関数をC(S)とすると以下の式のように表せる。
Figure 2017085781
sは複素数、Kpは比例ゲイン、Pは比例帯、TIは積分時間、TDは微分時間である。また、制御対象を高次遅れ系だとすると伝達関数は、以下の式のように表される。
Figure 2017085781
Kはプロセスゲインである。数5、数6から開ループ伝達関数L(s)は以下の式のように表される。
Figure 2017085781
ここで、設定値を時間の経過と共に一定の傾きaで変化するランプ入力だとすると、設定値R(s)は以下の式のように表される。
Figure 2017085781
制御量をY(s)とすると偏差E(s)は以下の式のように表される。
Figure 2017085781

Figure 2017085781
数9に数7を代入すると、E(s)は以下の式のように表される。
Figure 2017085781
E(s)に最終値定理を適用すると、
Figure 2017085781
このようにして算出したe(∞)が定常速度偏差であり、evと表記する。また、プロセスゲインKは、制御量が設定値Tspで十分に安定したときの負荷率θspと、出力がゼロの状態で十分に時間が経過したときの制御量T0から以下の式のように表される。
Figure 2017085781
数12を用いて定常速度偏差evは以下の式のように表される。
Figure 2017085781
以上のように導出された数13に基づいて、定常速度偏差算出部2において定常速度偏差が算出される。また、数13から明らかなように、プロセスゲインKを導出することなく、目標値の傾きaと、制御量が設定値Tspで十分に安定したときの負荷率θspと、温度設定値Tspと、比例帯Pと、積分時間TIから定常速度偏差が算出されることもわかる。
温度制御部3は、制御目標値である目標値情報が入力される。制御開始後は、温度制御対象4の現在の温度、すなわち制御量が入力され、入力された目標値との差分である偏差に基づいて、PID演算を行う。その結果として算出された操作量を温度制御対象4へと出力する。また、その際に、定常速度偏差算出部2から定常速度偏差の値が入力されていた場合、定常速度偏差の影響をなくすように補正された補正目標値を算出し、補正目標値に基づいてPID演算を行う。その結果として算出された操作量を温度制御対象4へと出力する。
以下に、温度制御部3における補正操作量の算出方法について説明する。
入力された定常速度偏差をevとすると、ある時刻tの目標値であるy(t)に対してevを加算する。各時刻における目標値である、y(t)+evの値を、補正した目標値とする。これにより見掛け上定常速度偏差をゼロとするような補正目標値を算出することができる。
このようにして算出した補正目標値に基づいてPID演算を行うことにより、見掛け上定常速度偏差をゼロとするような補正操作量を算出することができる。
図3は、ランプ入力の一例と、算出された定常速度偏差に基づいて補正された補正目標値を示すグラフである。
<動作>
以下にこの発明の実施の形態における動作の概要を以下に示す。
まず、PID制御によりランプ制御した時に発生する速度偏差を相殺するために設定値を補正する値を算出するのに必要な情報であるプロセスゲインKは、あらかじめ制御対象を設定値TspでPID制御し、安定した時の負荷率θspとその時の周囲温度T0を測定し、それらの値を数12に代入して算出しておく。尚、Kを算出するためのPID制御を行う時の設定値Tspは任意の値で良い。
次に、一定の傾きaで変化する目標値を設定値としてPID制御する場合には、その傾きaとPID制御の比例帯Pと積分時間TIと、予め求めておいた前記プロセスゲインKを、数11に代入してevを算出し、そのevをランプ状に変化する設定値に加算した値を補正した設定値としてPID制御を行う事により、補正前の設定値に対して定常速度偏差のない制御を可能にする。
また、ev、aを数4に代入してtvを算出し、時間tvだけ、ランプ状に変化する設定値を時間的に前倒しして変化させた値を設定値としてPID制御を行う事により、補正前の設定値に対して定常速度偏差のない制御を可能にする。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態における動作を説明する。
図4は、この発明の実施の形態における、定常速度偏差を算出するために必要な制御情報を取得するための動作である、制御情報取得動作の処理内容を表すフローチャートである。
まず、温度制御対象4の目標温度である設定値Tspが、図示しない入力部によって温度制御部3へ入力され、温度制御対象4の制御開始前の温度T0の値を取得する(ステップS401)。なお、ここで入力される設定値Tspは、ランプ入力ではなく定値入力である。
その後、温度制御部3に対して、最大出力値での制御動作の開始が、図示しない入力部等によって指示される(ステップS402)。
それと同時に、制御開始から経過した時間の計測を開始する(ステップS403)。
温度制御対象4の制御量、すなわち温度を取得し、目標温度に到達していない場合は(ステップS404におけるNOの場合)、制御量の取得処理を継続する。制御量が目標温度に到達した場合(ステップS404におけるYESの場合)には、制御を継続したまま、その時点での、制御開始から経過した時間、すなわち昇温時間を取得する。
さらに、温度制御対象4について、制御量の変動量を監視し、その変動量が継続して一定の範囲内に収まっていない、すなわち温度制御対象4が安定していないと判断された場合、最大出力値での制御を継続したまま、制御量の取得処理を継続する(ステップS406におけるNOの場合)。温度制御対象4が安定していると判断された場合(ステップS406におけるYESの場合)、そのときの温度制御部3の負荷率である安定時負荷率θspの値を取得する(ステップS407)。
ここで、温度制御対象4が安定しているかどうかの判断における一定の範囲とは、事前に定められた範囲であってもよいし、都度、図示しない入力部によって設定されるようにしてもよい。
図5は、この発明の実施の形態における、定常速度偏差の算出と、定常速度偏差に基づいて補正された補正目標値に従って、制御対象を制御する場合の動作を表すフローチャートである。
定常速度偏差算出部2において定常速度偏差の算出に必要な値、すなわち、設定値Tsp、出力ゼロ時の温度制御対象4の温度T0、温度制御対象4の温度が設定値Tspで十分に安定した時の安定時負荷率θsp、が取得されているかどうかのチェックがなされる(ステップS502)。全ての値が取得されていなかった場合(ステップS502におけるNOの場合)、制御情報取得動作へと移行する(ステップS511)。
全ての値が取得されていた場合(S502におけるYESの場合)、図示しない入力部等によって、目標値情報が温度制御部3に入力される(ステップS501)。なお、ここでの目標値情報とはランプ入力である。
ステップS501にて、ランプ入力である目標値情報が入力されると、そのランプ入力の傾きであるaの値が温度制御部3により取得される(ステップS507)。
次に、定常速度偏差算出部2において、定常速度偏差の値が算出され、(ステップS503)。算出された定常速度偏差の値は温度制御部3に入力される(ステップS504)。
そして、温度制御部3にて、入力された定常速度偏差の値に基づいて、補正目標値が算出され(ステップS505)、温度制御部3は、補正目標値に基づいてPID演算を行い、温度制御対象4の温度を制御する(ステップS506)。
以上のように温度制御装置1が動作することで、温度制御対象4の温度は、定常速度偏差の影響を無くすように温度制御対象4を制御することができる。
以上で明らかなように、本発明の実施の形態によれば、温度制御装置1は、ランプ制御を行う場合に、温度制御部3が、定常速度偏差の影響が無くなるような補正目標値を算出する。更に温度制御部3は、算出された補正目標値に従い、積分器1個により構成される通常のPID演算を行うことで、定常速度偏差の影響が無くなるような補正操作量を算出することができる。温度制御装置1は以上のように構成されているので、コストを増加することなく、一般的に使用されている積分器1個のPID演算により、定常速度偏差の影響を無くし、目標温度への追従性を高めるように温度制御対象の温度を制御することができるという効果を奏する。
また、定常速度偏差算出部2は、設定値Tsp、出力ゼロ時の温度制御対象の温度T0、温度制御対象4の温度が設定値Tspで十分に安定した時の安定時負荷率θspの値に基づいて、定常速度偏差の値を算出するように構成されている。従って、プロセスゲインや時定数といった測定困難な特性の値を導出することなく定常速度偏差の値を算出できるという効果を奏する。
図6は、温度制御部3によって、温度制御対象4を、目標値SVに従ってPID制御した場合の、制御量PVのシミュレーション結果を示した図である。安定状態になったときに、定常速度偏差evの影響があることがわかる。また、定常速度偏差evの影響により、全ての時刻において目標値への到達が遅れていることがわかる。
図7は、温度制御対象4にて算出された補正目標値SV´に従ってPID制御した場合の、制御量PVのシミュレーション結果を示した図である。安定時において、定常速度偏差の影響がなくなり、補正前の目標値SVの値に到達していることがわかる。また、全ての時刻において目標値への到達が早まるか、目標値通りになっていることがわかる。
なお、本実施の形態においては、定常速度偏差算出部2はPIDコントローラに搭載された回路によって構成されているが、数値演算、数値の入力、その結果の記録、出力が可能であればよく、マイクロコンピュータなどを用いてもよい。また、温度制御部3はPIDコントローラによって構成されているが、PIDパラメータの算出及び、算出されたパラメータに基づいて操作量の出力が可能であればよく、専用の回路や通常のコンピュータなどを用いてもよい。
また、補正目標値については、予め目標値の変化、すなわちランプ入力の傾きaを用いて、tv=ev/aで表される時間tv分目標値を速く変化させるようにした目標値を、補正目標値としてもよい。
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成及び動作については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、当業者が理解しうる様々な変更を行うことができる。
1…温度制御装置
2…定常速度偏差算出部
3…温度制御部
4…温度制御対象

Claims (8)

  1. 時間の経過と共に一定の傾きで変化する目標値へと、制御対象の温度をPID制御により制御する温度制御装置であって、
    前記温度制御装置は、
    前記制御対象の温度を前記目標値へと温度制御する温度制御部と、
    前記温度制御部により、前記制御対象の温度を前記目標値へとPID制御したときに発生する定常的な偏差である定常速度偏差を算出する、定常速度偏差算出部と、
    を備え、
    前記温度制御部は、前記定常速度偏差に基づいて補正された前記目標値である補正目標値を出力することを特徴とする温度制御装置。
  2. 前記定常速度偏差算出部は、以下の式に基づいて前記定常速度偏差を表すevを算出し、
    Figure 2017085781
    上記式において、
    aは前記一定の傾きであり、
    Pは比例帯であり、
    TIは積分定数であり、
    Tspは設定された温度であり、
    θspは前記温度制御部にて前記制御対象を前記Tspまで制御し、十分な時間が経過したときの操作量の値と、最大操作量との比率である、安定時負荷率であり、
    T0は前記温度制御部にて前記制御対象への操作量を0として、十分な時間が経過したときの前記制御対象の温度、即ち前記制御対象の周囲温度であることを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。
  3. 前記補正目標値は、各時刻における前記目標値に前記定常速度偏差を加算した値であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度制御装置。
  4. 前記補正目標値は、前記目標値に到達する全ての時刻を、以下の式で表される時間tvだけ早めたものであり、
    Figure 2017085781
    上記式において、aは前記一定の傾きであり、evは前記定常速度偏差であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度制御装置。
  5. 時間の経過と共に一定の傾きで変化する目標値へと、制御対象の温度をPID制御により制御する温度制御方法であって、
    前記温度制御方法は、
    前記制御対象の温度を前記目標値へと温度制御する温度制御ステップと、
    前記温度制御ステップにより、前記制御対象の温度を前記目標値へとPID制御したときに発生する定常的な偏差である定常速度偏差を算出する、定常速度偏差算出ステップと、
    を備え、
    前記温度制御ステップは、前記定常速度偏差に基づいて補正された前記目標値である補正目標値を出力することを特徴とする温度制御方法。
  6. 前記定常速度偏差算出ステップは、以下の式に基づいて前記定常速度偏差を表すevを算出し、
    Figure 2017085781
    上記式において、
    aは前記一定の傾きであり、
    Pは比例帯であり、
    TIは積分定数であり、
    Tspは設定された温度であり、
    θspは前記温度制御ステップにて前記制御対象を前記Tspまで制御し、十分な時間が経過したときの操作量の値と、最大操作量との比率である、安定時負荷率であり、
    T0は前記温度制御ステップにて前記制御対象への操作量を0として、十分な時間が経過したときの前記制御対象の温度、即ち前記制御対象の周囲温度であることを特徴とする請求項5に記載の温度制御方法。
  7. 前記補正目標値は、各時刻における前記目標値に前記定常速度偏差を加算した値であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の温度制御方法。
  8. 前記補正目標値は、前記目標値に到達する全ての時刻を、以下の式で表される時間tvだけ早めたものであり、
    Figure 2017085781
    上記式において、aは前記一定の傾きであり、evは前記定常速度偏差であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の温度制御方法。
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