JPWO2017073209A1 - 有機性廃水の処理方法、及び、有機性廃水処理用組成物 - Google Patents
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Abstract
浮遊固形物(SS)に対して廃有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する、有機性廃水の処理方法。
Description
本発明は、有機性廃水の処理方法及び、高分子凝集剤に関し、例えば、有機性廃水を低コストで浄化する処理方法及び、それに使用するための高分子凝集剤に関する。より詳しくは、本発明は、有機性廃水中の有機物のみならず、有機体窒素成分を固形物として凝集フロックに含有させ、効率よく分離回収し、処理水のBOD、COD及び全窒素を大幅に低減することで、良質な水質の処理水が得られる有機性廃水の処理方法及び、それに使用するための高分子凝集剤に関する。
有機性廃水の処理方法として活性汚泥法が挙げられる。活性汚泥法は、活性汚泥を曝気して好気的な条件で微生物に汚泥中の汚濁物質を分解させ、汚濁物質濃度及び曝気量を適切に管理することで良質な処理水を得る方法である。活性汚泥法は、下水及び工場から排出される有機性廃水等の浄化処理で多く利用されている。
活性汚泥法は、有機性廃水中に含まれるBODの除去効果は高いが、反面、窒素化合物及びリン化合物の除去効果は低い。また、処理に要する時間が長く、設備費も高価であり、多大な設置面積及び設置空間が必要になる。
糞尿を多く含む畜産系の有機性廃水、及び、大規模な工場から排出される有機性廃水は、処理設備に与える負荷が激しく変動する。そのため、処理設備を正常に稼動するための運転条件が複雑で、メンテナンスが困難であり多大な労力が必要になる。また、畜産系の有機性廃水の多くは、廃水中のBOD、COD及び窒素化合物の含有量が高いため、処理時間の増加及び曝気槽の容積増大により処理設備の運転コストの増加が問題視されている。
一方、前記の有機性廃水には、窒素化合物及びリン化合物として、蛋白質等の高い栄養成分が含まれている。これらの栄養成分は、飼育動物のための飼料又はその原料への再利用、果樹及び作物等の植物のための有機質肥料、堆肥又はその原料等として有効に利用できる有価物として注目されている。
これらの蛋白質を、有機性廃水から分離・精製して使用する場合には、凝集・濃縮処理を行って、固形物として回収する方法が有効である。しかしながら、有機性廃水中の蛋白質の多くは凝集性が低く、特に廃水の液相に溶解している溶解性蛋白質は不溶化が極めて困難であり、複雑な処理が必要になる。
有機性廃水に高分子凝集剤を添加・混合し、廃水中の有機物を凝集させ固形物として固液分離する方法について特許文献1及び2に記載されている。特許文献1及び2のどちらも、多種の薬剤を組み合わせて使用することで、有機物との反応性を改善することや、固液分離の効率を改善することを目的としたものである。
しかし、特許文献1及び2に記載された処理方法は、いずれも次の問題を有している。
つまり、煩雑な前処理を行うため、多大な労力と処理コストを必要とする。また、浮遊固形物(以下、「SS」という。)に含まれる有機体窒素成分の割合が高い有機性廃水に対しては、効果は不十分であり、蛋白質の回収性は低く、更に、有機性廃水中のBOD及びCODを低減するには至っていない。
また、活性汚泥法等の従来の有機性廃水の処理方法は、前処理の工程で無機凝結剤等の添加物を多量に使用するため、その後回収した固形物を肥料や飼料として使用する際に、植物の成長や家畜の身体への悪影響が懸念されるので好ましい処理方法ではない。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、SSに占める有機体窒素成分が多い廃水であっても、有機体窒素成分及びリン化合物を効率よく分離回収して、分離水のSS、BOD及びCODを低減することで、良質な処理水が得られる処理方法を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、前述した問題を解決するために、鋭意検討した結果、次の知見を得た。即ち、特定の有機性廃水に対して、高分子凝集剤を添加し混合することで、蛋白質等の有機体窒素成分やリン化合物を含むフロックが形成され、その後、固液分離によって有機性廃水からフロックを回収することで、有機体窒素成分及びリン化合物を効率よく回収し、且つ処理水のSS、BOD、CODを低減できることを見出した。
これまで、無機凝結剤を使用せずに高分子凝集剤単独で有機性廃水中の有機体窒素成分を凝集分離する処理方法に関する検討の報告及び実績はない。しかし、本発明者らは、高分子凝集剤単独での凝集処理によって、好ましくは特定の高分子凝集剤を使用することによって、有機性廃水中の有機体窒素成分、特に溶解性蛋白質が効率良くフロック内に取り込まれ、また、有機性廃水中のリン化合物、SS、BOD成分及びCOD成分も同時に良好に凝集し、その後、固液分離によってフロックを回収することで、有機体窒素成分及びリン化合物の優れた回収効果と、良質な処理水が得られることを見出した。
即ち、本発明は、以下の側面を有する。
浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する、有機性廃水の処理方法。
高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に添加して有機体窒素成分を含むフロックを形成した後に固液分離して前記有機性廃水から前記フロックと有機体窒素成分を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下でありリン化合物を含む有機性廃水に添加して、リン化合物を含むフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックとリン化合物を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
本発明によれば、SSに占める有機体窒素成分が多い廃水であっても、有機体窒素成分及びリン化合物を効率よく分離回収して、分離水のSS、BOD及びCODを低減することで、良質な処理水が得られるという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
<用語の説明>
まず、本明細書内のいくつかの用語に関して説明する。
まず、本明細書内のいくつかの用語に関して説明する。
「有機性廃水」とは有機物を含む廃水を意味する。例えば、有機性廃水は、BOD成分、COD成分、有機体窒素成分、リン化合物、またそれ以外の懸濁物質、コロイド状物質、イオン性成分等を含む廃水である。
「BOD」とは、有機性廃水に含まれる水溶性及び非水溶性の有機物による汚濁を意味する。本明細書において、BODの値は、JIS K 0102:21及び32.3に記載のBOD分析方法に準じて測定した値を意味する。従って、本明細書において「BOD」とは、試料を5日間培養した方法で測定されたBOD5を意味する。また、BODとして検出される成分を、本明細書では説明の便宜のため「BOD成分」という。
「COD」とは、有機性廃水に含まれる水溶性及び非水溶性の有機物による汚濁を意味し、本明細書においてBODの代替値として用いることもある。本明細書において、CODの値は、JIS K 0102:17に記載のCOD(Mn)分析方法に準じて測定した値を意味する。従って、本明細書において「COD」とは、過マンガン酸カリウムを酸化剤とした方法で測定されたCODMnを意味する。また、CODとして検出される成分を、本明細書では説明の便宜のため「COD成分」という。
「有機体窒素成分」とは、有機性廃水に含まれる全蛋白質を意味し、有機性廃水のSS中に含まれるSS性蛋白質と、液相に溶解している溶解性蛋白質とに分類される。なお、本発明において処理の対象とする有機性廃水は、有機体窒素成分以外の窒素成分を含んでもよい。本明細書において、有機体窒素成分の値は、具体的にはBradford法を用いて測定した値を意味する。
「溶解性蛋白質」とは、有機性廃水中の液相に溶解している蛋白質を意味する。本明細書において溶解性蛋白の値は、有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて上澄み液を得た後、上澄み液中の蛋白質を色素クマシーブルーで発色させて吸光度を測定するBradford法を用いて測定した値を意味する。
「リン化合物」とは、有機性廃水に含まれる全リンを意味する。本明細書において、リン化合物の値は、JIS K 0102:46.3.1およびJIS K 0102:46.1.1に記載のペルオキソ二硫酸カリウム分解法とモリブデン青吸光光度法に準じて測定した値を意味する。
「イオン性成分」とは、有機性廃水に含まれるアニオン性又は両性の有機高分子成分及び無機塩由来のアニオン性成分を意味する。
「コロイド値」は、有機性廃水、又は有機性廃水の上澄み液に含まれる荷電量を意味する。また、ここでの荷電量は有機性廃水中に含まれるBOD成分、COD成分、有機体窒素成分、リン化合物、またそれ以外の懸濁物質、コロイド状物質、イオン性成分等に由来する。コロイド値(上澄み)(meq/L)は、有機性廃水を3000rpm×5分で遠心分離して得られる上澄み液に含まれる荷電量を意味し、コロイド値(全体)(meq/L)は、有機性廃水中に含まれる荷電量を意味する。
コロイド値(上澄み)の値は、具体的には以下の手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水100mLを遠沈管に量り取る。
(2)3000rpmで5分間、遠心分離にかけて固液分離を行い、液相部分を上澄み液として採取する。
(3)200mLのトールビーカーに、前記上澄み液を10mL採取し、純水を90mL加える。
(4)さらに1/200Nのメチルグリコールキトサン溶液を2mL加えて撹拌する。
(5)さらに指示薬としてトルイジンブルーを1〜2滴加える。
(6)500rpmで撹拌しながら、1/400Nのポリビニル硫酸カリウム水溶液にて滴定し、液の色が青からピンクに変わる滴定量X(mL)を測定する。
(7)同様に純水100mLに対して、(2)〜(3)の作業で滴定し、ブランクの滴定量Y(mL)を測定する。
(8)下記式を用いて、コロイド値(meq/L)を求める。
(1)有機性廃水100mLを遠沈管に量り取る。
(2)3000rpmで5分間、遠心分離にかけて固液分離を行い、液相部分を上澄み液として採取する。
(3)200mLのトールビーカーに、前記上澄み液を10mL採取し、純水を90mL加える。
(4)さらに1/200Nのメチルグリコールキトサン溶液を2mL加えて撹拌する。
(5)さらに指示薬としてトルイジンブルーを1〜2滴加える。
(6)500rpmで撹拌しながら、1/400Nのポリビニル硫酸カリウム水溶液にて滴定し、液の色が青からピンクに変わる滴定量X(mL)を測定する。
(7)同様に純水100mLに対して、(2)〜(3)の作業で滴定し、ブランクの滴定量Y(mL)を測定する。
(8)下記式を用いて、コロイド値(meq/L)を求める。
コロイド値(全体)の値は、具体的には以下の手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水10mLを200mLのガラスビーカーに量り取り、純水を90mL加える。
(2)1/200Nのメチルグリコールキトサン溶液を10mL加えて撹拌する。
(3)マグネチックスターラーを用いて500rpmで10分間、撹拌する。
(4)遠沈管に移し、3000rpmで10分間、遠心分離にかけて固液分離を行い、液相部分60mLを200mLのトールビーカーに採取する。
(5)指示薬としてトルイジンブルーを1〜2滴加える。
(6)500rpmで撹拌しながら、1/400Nのポリビニル硫酸カリウム水溶液にて滴定し、液の色が青からピンクに変わる滴定量W(mL)を測定する。
(7)純水100mLに対して、(2)〜(6)の作業で滴定し、ブランクの滴定量Z(mL)を測定する。
(8)下記式を用いて、コロイド値(meq/L)を求める。
(1)有機性廃水10mLを200mLのガラスビーカーに量り取り、純水を90mL加える。
(2)1/200Nのメチルグリコールキトサン溶液を10mL加えて撹拌する。
(3)マグネチックスターラーを用いて500rpmで10分間、撹拌する。
(4)遠沈管に移し、3000rpmで10分間、遠心分離にかけて固液分離を行い、液相部分60mLを200mLのトールビーカーに採取する。
(5)指示薬としてトルイジンブルーを1〜2滴加える。
(6)500rpmで撹拌しながら、1/400Nのポリビニル硫酸カリウム水溶液にて滴定し、液の色が青からピンクに変わる滴定量W(mL)を測定する。
(7)純水100mLに対して、(2)〜(6)の作業で滴定し、ブランクの滴定量Z(mL)を測定する。
(8)下記式を用いて、コロイド値(meq/L)を求める。
「SS」とは有機性廃水中の浮遊固形物を意味する。
本明細書においてSSの値は、具体的には以下に示す手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水50mLを遠沈管に量り取る。
(2)3500rpmで10分間、遠心分離し、沈殿物を採取する。
(3)前記沈殿物をそのまま105℃で6時間乾燥し残量(沈殿固形物量C)(g)を秤量する。
(4)下記式を用いて、SS(%)を求める。
本明細書においてSSの値は、具体的には以下に示す手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水50mLを遠沈管に量り取る。
(2)3500rpmで10分間、遠心分離し、沈殿物を採取する。
(3)前記沈殿物をそのまま105℃で6時間乾燥し残量(沈殿固形物量C)(g)を秤量する。
(4)下記式を用いて、SS(%)を求める。
「TS」とは有機性廃水中の蒸発残留物を意味する。
本明細書においてTSの値は、具体的には以下に示す手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水50gを105℃で6時間乾燥し残量(総固形物量D)(g)を秤量する。
(2)下記式を用いて、TS(%)を求める。
本明細書においてTSの値は、具体的には以下に示す手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水50gを105℃で6時間乾燥し残量(総固形物量D)(g)を秤量する。
(2)下記式を用いて、TS(%)を求める。
「SVI3000」とは有機性廃水を3000rpmで5分間に遠心分離にかけて得られる沈殿物の比容積を意味する。本明細書においてのSVI3000の値は、具体的には以下に示す手順で測定した値を意味する。
(1)有機性廃水100mLを遠沈管に量り取る。
(2)3000rpmで5分間、遠心分離にかけて固液分離を行い、液相部分と沈殿物に分離する。
(3)前記液相部分の容積E(mL)を測定する。
(4)前記沈殿物の全量をそのまま105℃で6時間乾燥し残量(沈殿固形物量F)(g)を秤量する。
(5)下記式を用いて、SVI3000(mL/g)を求める。
(1)有機性廃水100mLを遠沈管に量り取る。
(2)3000rpmで5分間、遠心分離にかけて固液分離を行い、液相部分と沈殿物に分離する。
(3)前記液相部分の容積E(mL)を測定する。
(4)前記沈殿物の全量をそのまま105℃で6時間乾燥し残量(沈殿固形物量F)(g)を秤量する。
(5)下記式を用いて、SVI3000(mL/g)を求める。
「コロイド比」とは有機性廃水のコロイド値(全体)に対するコロイド値(上澄み)の比を意味する。本明細書においてのコロイド比の値は、具体的には下記式で求められる。
「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成されたモノマー分子由来の構造単位、又は、モノマー分子由来の構造単位のペンダント基と他のモノマー分子由来の構造単位のペンダント基との反応によってペンダント基同士が連結した2つ以上のモノマー分子由来の構造単位からなる構造単位を意味する。
「凝集剤」とは、有機性廃水に含まれる水溶性及び非水溶性の汚濁物質、懸濁物質、コロイド状物質、イオン性成分等を凝集して、フロックを形成する機能を有する薬剤を意味する。フロックは、例えば、微細フロック、凝集フロック等であり得る。また、本明細書において「高分子凝集剤」とは、前記凝集剤の内、高分子化合物であるものを意味する。
「ポリマー」とは、単数種類又は複数種類の構成単位から構成された構造を有する、高分子化合物を意味する。
「凝集処理」とは、有機性廃水に含まれるBOD成分、COD成分、有機体窒素成分、リン化合物、これら以外の懸濁物質、コロイド状物質、イオン性成分等を凝集してフロックを形成した後に固液分離して、分離水と分離固形分であるフロックとを得ることを意味する。
「処理水」とは、有機性廃水の凝集処理で、固液分離によってフロックを分離した液分のことを意味する。
<有機性廃水の処理方法>
本発明に係る有機性廃水の処理方法は、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する方法である。
本発明に係る有機性廃水の処理方法は、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する方法である。
有機体窒素成分の含有量が6%/SS以上、20%/SS以下という、SSに占める有機体窒素成分が多い廃水であっても、高分子凝集剤を用いることで、有機体窒素成分及びリン化合物を効率よく分離回収することができる。また、処理水のSS、BOD、CODも処理前の有機性廃水に比べて良好に低減することができる。また、高分子凝集剤を有機性廃水に混合して固液分離するだけでよいので、処理を簡易に行うことができる。
〔有機性廃水〕
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水としては、上述の通り有機物を含む廃水であればよい。具体的には、畜産施設から発生する畜産糞尿廃水、糞尿を含む廃水に対してメタン醗酵処理を行うことで得られる消化液等を例示できる。また、雑生活下水及びし尿を含む下水等の廃水、飲料工場及び食品工場から発生する廃水、染色、樹脂、繊維及び化成品等の化学工場から発生する廃水、並びに、ここに例示した以外の様々な工場施設より発生する廃水等を例示できる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水としては、上述の通り有機物を含む廃水であればよい。具体的には、畜産施設から発生する畜産糞尿廃水、糞尿を含む廃水に対してメタン醗酵処理を行うことで得られる消化液等を例示できる。また、雑生活下水及びし尿を含む下水等の廃水、飲料工場及び食品工場から発生する廃水、染色、樹脂、繊維及び化成品等の化学工場から発生する廃水、並びに、ここに例示した以外の様々な工場施設より発生する廃水等を例示できる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水に含まれる有機物は、水溶性及び非水溶性の有機物のいずれであってもよく、双方が混ざっていてもよい。有機物の含有量の指標として、COD及び全蛋白質含有量の値を用いることができる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水のCODの範囲は、4000mg/L以上が好ましく、7000mg/L以上がより好ましく、10000mg/L以上が更に好ましい。有機性廃水のCODが前記範囲内であれば、凝集処理において、良好な有機体窒素の回収効果と、BOD及びCODによる環境への負荷の低減の良好な効果とが得られる。従って、本発明に有機性廃水の処理方法によって、良質な処理水を得ることができる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水のSSの範囲は、50mg/L以上が好ましく、500mg/L以上がより好ましく、1000mg/L以上が更に好ましい。またSSの範囲は、100000mg/L以下が好ましく、50000mg/L以下がより好ましく、30000mg/L以下が更に好ましい。有機性廃水のSSが前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分とリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成され、優れた有機体窒素成分とリン化合物の回収効果が得られる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水のTSの範囲は、100mg/L以上が好ましく、1000mg/L以上がより好ましく、2000mg/L以上が更に好ましい。またSSの範囲は、100000mg/L以下が好ましく、50000mg/L以下がより好ましく、30000mg/L以下が更に好ましい。有機性廃水のTSが前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分とリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成され、優れた有機体窒素成分とリン化合物の回収効果が得られる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水のSSに対する有機体窒素成分の範囲は、6%/SS以上であればよい。また、8%/SS以上であることがより好ましく、10%/SS以上であることが更に好ましい。また、SSに対する有機体窒素成分の範囲は、20%/SS以下であればよいが、18%/SS以下がより好ましく、16%/SS以下が更に好ましい。有機性廃水のSSに対する有機体窒素成分が前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分とリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成され、優れた有機体窒素成分とリン化合物の回収効果が得られる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水の有機体窒素成分の範囲は、800mg/L以上であればよい。また、1000mg/L以上であればより好ましく、1200mg/L以上であれば更に好ましい。また有機体窒素成分の範囲は、10000mg/L以下であればよいが、8000mg/L以下であればより好ましく、6000mg/L以下であれば更に好ましい。有機性廃水の有機体窒素成分が前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分とリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成され、優れた有機体窒素成分とリン化合物の回収効果が得られる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水のリン化合物の範囲は、100mg/L以上であればよい。また、300mg/L以上であればより好ましく、600mg/L以上であれば更に好ましい。またリン化合物の範囲は、7000mg/L以下であればよいが、5000mg/L以下であればより好ましく、3000mg/L以下であれば更に好ましい。有機性廃水のリン化合物が前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分とリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成され、優れた有機体窒素成分とリン化合物の回収効果が得られる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水の上澄み液のコロイド比の範囲は、5.0以上であれば好ましく、8.0以上であればより好ましく、10.0以上であれば更に好ましく、15.0以上であれば特に好ましい。また上澄み液のコロイド値の範囲は、60.0以下であればよい。また50.0以下であればより好ましく、40.0以下であれば更に好ましい。有機性廃水のコロイド比の範囲が前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分とリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成され、優れた有機体窒素成分とリン化合物の回収効果が得られる。
以上のように、本発明に係る有機性廃水の処理方法は有機体窒素成分及びリン化合物の分離回収に優れているため、有機性廃水として有機体窒素成分及びリン化合物が含まれているものを好適に用いることができ、その結果得られるフロックは当該有機体窒素成分及びリン化合物を含有することとなる。
〔高分子凝集剤(X)〕
本発明に係る有機性廃水の処理方法で用いる高分子凝集剤は特に限定されるものではないが、少なくとも一種以上の高分子凝集剤から成る高分子凝集剤(X)であってもよく、高分子凝集剤(X)としては、カチオン性構成単位と非イオン性構成単位とを有するものをより好適に用いることができる。
本発明に係る有機性廃水の処理方法で用いる高分子凝集剤は特に限定されるものではないが、少なくとも一種以上の高分子凝集剤から成る高分子凝集剤(X)であってもよく、高分子凝集剤(X)としては、カチオン性構成単位と非イオン性構成単位とを有するものをより好適に用いることができる。
(構成単位)
高分子凝集剤(X)を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対して、カチオン性構成単位の含有量の範囲は10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。また、含有量の範囲は60モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。高分子凝集剤(X)を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対して、非イオン性構成単位の含有量の範囲は1モル%以上がより好ましい。また、99モル%以下が好ましい。
高分子凝集剤(X)を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対して、カチオン性構成単位の含有量の範囲は10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。また、含有量の範囲は60モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。高分子凝集剤(X)を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対して、非イオン性構成単位の含有量の範囲は1モル%以上がより好ましい。また、99モル%以下が好ましい。
本発明に係る有機性廃水の処理方法が対象とする有機性廃水の上澄み液にはBOD成分、COD成分、有機体窒素成分、リン化合物、またそれ以外の懸濁物質、コロイド状物質、イオン性成分等のマイナス荷電を有する成分(以下、「マイナス荷電成分」という。)が多く含まれる。本発明に係る有機性廃水の処理方法における凝集フロック形成過程では、前記高分子凝集剤のカチオン性構成単位と前記マイナス荷電が反応し高粘性の不溶化物が微細フロックとして形成されるが、その後、その微細フロックが凝集して粗大な凝集フロックへと成長していく。前記有機体窒素成分は、前記の微細フロックが粗大な凝集フロックへと成長する際に、凝集フロック内に取り込まれていくと考えられる。更に、この微細フロックが形成される反応は、高分子凝集剤と有機性廃水が均一に混和した後で進行すると考えられる。前記カチオン性構成単位を前記範囲で有する高分子凝集剤(X)であれば、有機性廃水の凝集処理において、前記有機性廃水と高分子凝集剤が均一に混和された後に、高分子凝集剤のカチオン性構成単位と有機性廃水のマイナス荷電成分が反応し微細フロックを形成するため、有機体窒素成分及びリン化合物を含む凝集フロックが良好に形成される。そのため、良好な有機体窒素成分とリン化合物の回収効果と、BOD及びCODによる環境への負荷の低減の良好な効果とが得られる。従って、本発明に有機性廃水の処理方法によって、良質な処理水を得ることができる。
〔非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)〕
高分子凝集剤(X)には、特定構造の非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)が含まれる。また、非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)は、カチオン性構成単位と非イオン性構成単位とを有する。
高分子凝集剤(X)には、特定構造の非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)が含まれる。また、非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)は、カチオン性構成単位と非イオン性構成単位とを有する。
(カチオン性構成単位)
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)が有するカチオン性構成単位は、下記一般式(1)で表される構成単位である。
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)が有するカチオン性構成単位は、下記一般式(1)で表される構成単位である。
(一般式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子及び炭素数が1〜4のアルキル基のうちのいずれかを表し、R4は、炭素数が1〜4のアルキル基又はベンジル基を表し、Yは、酸素原子又はNHであり、Z−は、陰イオンを表し、nは1〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表されるカチオン性構成単位の具体例としては、カチオン性モノマーであるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのアミン塩、アルキルクロライド4級塩に由来するカチオン性構成単位、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドのアミン塩又はアルキルクロライド4級塩に由来するカチオン性構成単位が挙げられる。中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートアルキルクロライド4級塩が、凝集性能が高いため好ましい。カチオン性構成単位を構成するためのモノマーは、カチオン性モノマー1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
一般式(1)で表されるカチオン性構成単位の具体例としては、カチオン性モノマーであるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのアミン塩、アルキルクロライド4級塩に由来するカチオン性構成単位、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドのアミン塩又はアルキルクロライド4級塩に由来するカチオン性構成単位が挙げられる。中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートアルキルクロライド4級塩が、凝集性能が高いため好ましい。カチオン性構成単位を構成するためのモノマーは、カチオン性モノマー1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)におけるカチオン性構成単位の含有量の範囲は、10モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましい。また、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)におけるカチオン性構成単位の含有量の範囲は、80モル%以上であり、85モル%以上がより好ましい。また、100モル%以下である。
非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)におけるカチオン性構成単位の含有量の範囲は、1モル%以上であり、4モル%以上がより好ましい。また、10モル%以下であり、8モル%以下がより好ましい。
本発明に係る有機性廃水の処理方法に用いる高分子凝集剤(X)は、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)と非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)との混合物であってもよい。混合物を用いる場合にも、混合物中のカチオン性構成単位の含有量の範囲は、10モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましい。また、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)として、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の混合物のように複数種類を混合して用いても、一種類のものを用いても、カチオン性構成単位の総量を前述のようにすることで、良好な凝集性能を発揮できる。
(非イオン性構成単位)
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)は、非イオン性構成単位を含有する。非イオン性構成単位としては、モノマーが(メタ)アクリルアミドであることに由来する構成単位が挙げられる。非アミジン系カチオン性ポリマー(A)における非イオン性構成単位の含有量は1モル%以上が好ましい。また、99モル%以下が好ましい。
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)は、非イオン性構成単位を含有する。非イオン性構成単位としては、モノマーが(メタ)アクリルアミドであることに由来する構成単位が挙げられる。非アミジン系カチオン性ポリマー(A)における非イオン性構成単位の含有量は1モル%以上が好ましい。また、99モル%以下が好ましい。
(還元粘度)
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の還元粘度の範囲は、7.0dL/g以上が好ましく、9.0dL/g以上がより好ましく、11.0dL/g以上が更に好ましい。また、20.0dL/g以下が好ましく、17.0dL/g以下がより好ましく、15.0dL/g以下が更に好ましい。
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の還元粘度の範囲は、7.0dL/g以上が好ましく、9.0dL/g以上がより好ましく、11.0dL/g以上が更に好ましい。また、20.0dL/g以下が好ましく、17.0dL/g以下がより好ましく、15.0dL/g以下が更に好ましい。
(非アミジン系カチオン性ポリマーの製造方法)
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の製造方法は、特に限定されないが、水溶液光重合方法、断熱重合方法、分散重合方法、乳化重合方法等の方法を適宜選択することができる。水溶液光重合方法では、例えば、前記の構成単位を構成するためのモノマーを水に溶解させたモノマー水溶液を、均一なシート状にして、光開始剤を用いて可視光又は紫外光を照射して重合させればよい。断熱重合方法では、例えば、モノマーの水溶液に1種類以上の開始剤を加えて重合させることで水性ゲル状の重合物が得られる。分散重合方法では、例えば、非水溶媒中にモノマー水溶液を分散させて重合すればよい。乳化重合方法では、非水溶媒中で乳化剤を用いてモノマー水溶液を乳化させて重合させればよい。光重合、断熱重合等の場合には、ポリマーは水性ゲルとして取得されるので、水性ゲルを粉砕、乾燥して粉末にすることがより好ましい。
非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の製造方法は、特に限定されないが、水溶液光重合方法、断熱重合方法、分散重合方法、乳化重合方法等の方法を適宜選択することができる。水溶液光重合方法では、例えば、前記の構成単位を構成するためのモノマーを水に溶解させたモノマー水溶液を、均一なシート状にして、光開始剤を用いて可視光又は紫外光を照射して重合させればよい。断熱重合方法では、例えば、モノマーの水溶液に1種類以上の開始剤を加えて重合させることで水性ゲル状の重合物が得られる。分散重合方法では、例えば、非水溶媒中にモノマー水溶液を分散させて重合すればよい。乳化重合方法では、非水溶媒中で乳化剤を用いてモノマー水溶液を乳化させて重合させればよい。光重合、断熱重合等の場合には、ポリマーは水性ゲルとして取得されるので、水性ゲルを粉砕、乾燥して粉末にすることがより好ましい。
また、前記の還元粘度を有する非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の製造方法としては、特に限定されず、製造工程における重合時間、重合温度、連鎖移動剤添加量等の条件を、製造するポリマーの粘度を考慮して適宜選定すればよい。また、連鎖移動剤の添加量により、還元粘度を調整することが好ましい。連鎖移動剤の種類は特に限定されないが、例えばメルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等の還元性無機塩類等が挙げられる。中でも特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。連鎖移動剤の添加量は、原料の全モノマーに対して1ppm以上が好ましく、また、3000ppm以下が好ましい。
〔アミジン系カチオン性ポリマー(B)〕
高分子凝集剤は、特定のアミジン系カチオン性ポリマー(B)を更に含むことが好ましい。アミジン系カチオン性ポリマー(B)はカチオン密度が高く、有機性廃水中の、有機体窒素成分、特に溶解性蛋白質と効率よく反応し不溶化する。そのため、有機体窒素成分を多く含む凝集フロックを形成することができる。また、BOD及びCODの凝集性も向上するため、より良質な処理水を得ることができる。
高分子凝集剤は、特定のアミジン系カチオン性ポリマー(B)を更に含むことが好ましい。アミジン系カチオン性ポリマー(B)はカチオン密度が高く、有機性廃水中の、有機体窒素成分、特に溶解性蛋白質と効率よく反応し不溶化する。そのため、有機体窒素成分を多く含む凝集フロックを形成することができる。また、BOD及びCODの凝集性も向上するため、より良質な処理水を得ることができる。
アミジン系カチオン性ポリマー(B)は、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表されるアミジン構成単位のうち少なくとも一つを有する。
(一般式(2)及び一般式(3)中、R5、R6はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基のいずれかを表し、X−は陰イオンを表す。)
アミジン系カチオン性ポリマー(B)におけるアミジン構成単位の含有量の範囲は、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。また、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分、特に、溶解性蛋白質を効率よく不溶化し、有機体窒素成分を多く含む凝集フロックを形成することができる。
アミジン系カチオン性ポリマー(B)におけるアミジン構成単位の含有量の範囲は、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。また、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。前記範囲内であれば、有機性廃水の凝集処理において、有機体窒素成分、特に、溶解性蛋白質を効率よく不溶化し、有機体窒素成分を多く含む凝集フロックを形成することができる。
(アミジン系カチオン性ポリマーの製造方法)
アミジン系カチオン性ポリマー(B)の製造方法としては、特に限定されないが、アミノ基又は変換反応によりアミノ基を形成し得る置換アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーと、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル等のニトリル類とのコポリマーを製造し、当該コポリマー中のシアノ基とアミノ基とを酸性下で反応させてアミジン化する方法が挙げられる。
アミジン系カチオン性ポリマー(B)の製造方法としては、特に限定されないが、アミノ基又は変換反応によりアミノ基を形成し得る置換アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーと、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル等のニトリル類とのコポリマーを製造し、当該コポリマー中のシアノ基とアミノ基とを酸性下で反応させてアミジン化する方法が挙げられる。
前記のエチレン性不飽和モノマーとしては、下記一般式(4)で表わされる化合物であることが好ましい。
CH2=CR7−NHCOR8 一般式(4)
(式中、R7は水素原子又はメチル基、R8は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記コポリマーは、加水分解又は加アルコール分解により容易にアミノ基に変換される。更に、このアミノ基は、隣接したシアノ基と反応してアミジン化する。前記の一般式(4)で表される化合物の具体例としては、N−ビニルホルムアミド(R7=H、R8=H)、N−ビニルアセトアミド(R7=H、R8=CH3)等が挙げられる。
CH2=CR7−NHCOR8 一般式(4)
(式中、R7は水素原子又はメチル基、R8は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記コポリマーは、加水分解又は加アルコール分解により容易にアミノ基に変換される。更に、このアミノ基は、隣接したシアノ基と反応してアミジン化する。前記の一般式(4)で表される化合物の具体例としては、N−ビニルホルムアミド(R7=H、R8=H)、N−ビニルアセトアミド(R7=H、R8=CH3)等が挙げられる。
前記コポリマーにおけるエチレン性不飽和モノマーとニトリル類との使用割合は、モル比で20:80〜80:20が好ましく、40:60〜60:40がより好ましい。
アミジン系カチオン性ポリマー(B)の最も典型的な製造方法を説明する。まず、前記の説明に従い、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとを共重合させる。次に、形成したコポリマーを、塩酸の存在下、加熱し加水分解で形成したアミノ基と隣接するシアノ基からアミジン構成単位を形成させることにより製造される。この場合、共重合に供するN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとのモル比、及びコポリマーのアミジン化条件を適宜、選択することにより、各種の組成を持つアミジン系カチオン性ポリマー(B)が得られる。なお、アミジン系カチオン性ポリマー(B)としては、入手し易い市販品から選択して使用してもよい。
アミジン系カチオン性ポリマー(B)の還元粘度は、0.1dL/g以上が好ましく、1dL/g以上がより好ましい。また、10dL/g以下が好ましく、5dL/g以下がより好ましい。
〔他のポリマー〕
本発明に係る有機性廃水の処理方法で用いる高分子凝集剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)、アミジン系カチオン性ポリマー(B)以外の他の非アミジン系カチオン性ポリマー及び両性ポリマーを含んでいてもよい。他のカチオン性ポリマー及び両性ポリマーの混合比率は、高分子凝集剤の全質量に対して、10質量%未満が好ましく、5質量%未満がより好ましく、0質量%が更に好ましい。
本発明に係る有機性廃水の処理方法で用いる高分子凝集剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)、アミジン系カチオン性ポリマー(B)以外の他の非アミジン系カチオン性ポリマー及び両性ポリマーを含んでいてもよい。他のカチオン性ポリマー及び両性ポリマーの混合比率は、高分子凝集剤の全質量に対して、10質量%未満が好ましく、5質量%未満がより好ましく、0質量%が更に好ましい。
〔フロックの形成方法〕
高分子凝集剤の有機性廃水に添加する方法及びフロックの形成方法としては、公知の方法が適用できる。
高分子凝集剤の有機性廃水に添加する方法及びフロックの形成方法としては、公知の方法が適用できる。
高分子凝集剤の添加方法としては、例えば、高分子凝集剤を水に0.05質量%以上、0.5質量%以下の濃度で溶解させた後、有機性廃水に添加することが好ましい。また、高分子凝集剤が非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)、アミジン系カチオン性ポリマー(B)のうち2種類以上のポリマーからなる場合、各ポリマーを混合した1剤型薬剤として添加することがより好ましい。また、高分子凝集剤を粉末状のまま有機性廃水に添加してもよい。
本発明の有機性廃水の凝集処理方法において、より良好な凝集フロックを形成するために、必要に応じて、有機性廃水に高分子凝集剤を添加した後に、更に非アミジン系カチオン性ポリマー(A)や非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)、アミジン系カチオン性ポリマー(B)以外の非アミジン系カチオン性ポリマーや両性ポリマー、アニオン性ポリマーからなる高分子凝集剤を添加してもよい。
高分子凝集剤の添加は、有機性廃水を撹拌しながら行うか、又は、添加の後に撹拌することが好ましい。高分子凝集剤を添加しながら行う撹拌の回転数、及び、高分子凝集剤を添加した後の撹拌の回転数は、180rpm以上が好ましく、また、3000rpm以下が好ましい。180rpm以上であることにより、高分子凝集剤がより均一に混和される。3000rpm以下であることにより、撹拌される力が強くなり過ぎないため、微細フロックが凝集フロックへと良好に成長する。
また、高分子凝集剤の添加の際には酸性物質を添加してもよい。酸性物質の添加によって、高分子凝集剤の水への溶解性が向上する。また、酸性物質を高分子凝集剤の水溶液に添加すれば、高分子凝集剤の水溶液の粘度が低下すること等による高分子凝集剤の劣化を防止できる。酸性物質の添加は、有機性廃水に対して、高分子凝集剤の添加の前、添加の後及び添加している間の、任意のときに行えばよい。また、酸性物質の添加は、有機性廃水に加えられる前の高分子凝集剤の水溶液に対して行ってもよい。酸性物質としては、例えば、スルファミン酸、酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
〔固液分離〕
固液分離によって有機性廃水からフロックを分離する方法としては、特に限定されないが、例えば、凝集沈殿、浮上分離、遠心分離、ろ過等の方法が挙げられる。
固液分離によって有機性廃水からフロックを分離する方法としては、特に限定されないが、例えば、凝集沈殿、浮上分離、遠心分離、ろ過等の方法が挙げられる。
また、脱水装置を用いて、有機性廃水から固液分離されたフロックの脱水を行ってもよい。脱水に使用し得る脱水装置としては、例えば、プレス脱水機、遠心脱水機、スクリュープレス脱水機、多重円盤式脱水機、ロータリープレスフィルター、真空脱水機等が挙げられる。
高分子凝集剤の添加量は、有機性廃水中のSS、有機体窒素成分、リン化合物、BOD及びCOD、懸濁物質、コロイド状物質、イオン性成分等の濃度等により、適宜設定すればよいが、大よその目安として、例えば、有機性廃水中にて、1ppm以上となる量であり、また、3000ppm以下となる量である。
また、高分子凝集剤に加えて、凝結剤を併用してもよい。凝結剤としては、無機凝結剤及び有機凝結剤が挙げられる。併用する凝結剤は1種類でもよく複数種類でもよい。前記の高分子凝集剤は、凝結剤と併用しても、SS、BOD及びCODの低減効果を十分に発揮することができる。
無機凝結剤としては、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、ポリ鉄(ポリ硫酸鉄、ポリ塩化鉄)等が挙げられる。
有機凝結剤としては、例えば、ポリアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアルキルアミノアルキルメタクリレートのアルキルクロライド4級塩、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
凝結剤の添加時期は、特に限定されないが、高分子凝集剤を添加する前に有機性廃水に添加することが好ましい。凝結剤の添加量は、有機性廃水に添加する高分子凝集剤100質量部に対し、5質量部以上であることが好ましく、また、3000質量部以下であることが好ましい。
本発明の有機性廃水の処理方法において、前記有機性廃水に含まれる有機体窒素成分に対する、分離した前記フロックに含まれる有機体窒素成分の量の重量比で示される回収率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、前記重量比が100%以下であることが好ましい。これまで説明した方法によれば、70%以上という高い有機体窒素成分の回収率を実現できる。このように高い回収率によって、処理水の水質がより向上する。
本発明の有機性廃水の処理方法において、前記有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液に含まれる有機体窒素成分に対する、前記有機性廃水から固液分離された処理水の含有する有機体窒素成分の比率は0%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。また、70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましい。これまで説明した方法によれば、このように高い除去率で有機体窒素成分を除去できる。
また、本発明に係る有機性廃水の処理方法は、リン化合物を含む有機性廃水に好適に利用できる。有機性廃水がリン化合物を含む場合、前記フロックはリン化合物を含有するフロックになる。本発明の有機性廃水の凝集処理方法において、前記有機性廃水に含まれるリン化合物に対する、分離した前記フロックに含まれるリン化合物の量の重量比で示される回収率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、100%以下であることが好ましい。これまで説明した方法によれば、50%以上という高いリン化合物の回収率を実現できる。このように高い回収率によって、処理水の水質がより向上する。
また、本発明は高分子凝集剤の新たな用途を提供するものであり、高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に添加して有機体窒素成分を含むフロックを形成した後に固液分離して前記有機性廃水から前記フロックと有機体窒素成分を分離回収するための有機性廃水処理用組成物も本発明の範疇である。また、高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下でありリン化合物を含む有機性廃水に添加して、リン化合物を含むフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックとリン化合物を分離回収するための有機性廃水処理用組成物も本発明の範疇である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態中にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔付記事項〕
以上に説明した通り、本発明に係る有機性廃水の処理方法では、前記有機性廃水が有機体窒素成分を含み、前記フロックが有機体窒素成分を含有するフロックであることがより好ましい。
以上に説明した通り、本発明に係る有機性廃水の処理方法では、前記有機性廃水が有機体窒素成分を含み、前記フロックが有機体窒素成分を含有するフロックであることがより好ましい。
また、本発明に係る有機性廃水の処理方法では、高分子凝集剤が高分子凝集剤(X)であることがより好ましい。高分子凝集剤(X)を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対して、カチオン性構成単位の含有量の範囲は10モル%以上が好ましい。また、60モル%以下が好ましい。
また、本発明に係る有機性廃水の処理方法では、前記高分子凝集剤(X)が、前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位と、非イオン性構成単位とを有する非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)及び非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)であることが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃水の処理方法では、前記非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)が、全構成単位に対してカチオン性構成単位を80モル%以上、100モル%以下含むことが好ましい。また、前記非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)が、全構成単位に対してカチオン性構成単位を1モル%以上、10モル%以下含むことが好ましい。
また、本発明に係る有機性廃水の処理方法では、前記高分子凝集剤(X)が、アミジン系カチオン性ポリマー(B)を更に含み、前記アミジン系カチオン性ポリマー(B)が前記一般式(2)及び前記一般式(3)で表されるアミジン構成単位のうちの少なくとも一つを有することが好ましい。
本発明は一側面を列記すると以下の通りである。
[1]浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する、有機性廃水の処理方法。
[2]前記フロックが当該有機体窒素成分を含有するフロックである、[1]に記載の有機性廃水の処理方法。
[3]前記有機性廃水に含まれる有機体窒素成分に対する、分離した前記フロックに含まれる有機体窒素成分の量の重量比で示される回収率が70%以上、100%以下である[2]に記載の有機性廃水の処理方法。
[4]前記有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液に含まれる有機体窒素成分に対する、前記固液分離で得られる処理水に含まれる有機体窒素成分の比率が0%以上、70%以下である[2]又は[3]に記載の有機性廃水の処理方法。
[5]前記有機性廃水がリン化合物を含み、前記フロックがリン化合物を含有するフロックである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
[6]前記有機性廃水に含まれるリン化合物に対する、分離した前記フロックに含まれるリン化合物の量の重量比で示される回収率が50%以上、100%以下である[5]に記載の有機性廃水の処理方法。
[7]前記高分子凝集剤が少なくとも一種以上の高分子凝集剤から成る高分子凝集剤(X)であり、高分子凝集剤(X)は、構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対してカチオン性構成単位を10モル%以上、60モル%以下含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
[8]前記高分子凝集剤(X)が、下記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を有する非アミジン系カチオン性ポリマー(A)である[7]に記載の有機性廃水の処理方法。
[1]浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する、有機性廃水の処理方法。
[2]前記フロックが当該有機体窒素成分を含有するフロックである、[1]に記載の有機性廃水の処理方法。
[3]前記有機性廃水に含まれる有機体窒素成分に対する、分離した前記フロックに含まれる有機体窒素成分の量の重量比で示される回収率が70%以上、100%以下である[2]に記載の有機性廃水の処理方法。
[4]前記有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液に含まれる有機体窒素成分に対する、前記固液分離で得られる処理水に含まれる有機体窒素成分の比率が0%以上、70%以下である[2]又は[3]に記載の有機性廃水の処理方法。
[5]前記有機性廃水がリン化合物を含み、前記フロックがリン化合物を含有するフロックである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
[6]前記有機性廃水に含まれるリン化合物に対する、分離した前記フロックに含まれるリン化合物の量の重量比で示される回収率が50%以上、100%以下である[5]に記載の有機性廃水の処理方法。
[7]前記高分子凝集剤が少なくとも一種以上の高分子凝集剤から成る高分子凝集剤(X)であり、高分子凝集剤(X)は、構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対してカチオン性構成単位を10モル%以上、60モル%以下含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
[8]前記高分子凝集剤(X)が、下記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を有する非アミジン系カチオン性ポリマー(A)である[7]に記載の有機性廃水の処理方法。
(一般式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子及び炭素数が1〜4のアルキル基のうちのいずれかを表し、R4は、炭素数が1〜4のアルキル基又はベンジル基を表し、Yは、酸素原子又はNHであり、Z−は、陰イオンを表し、nは1〜3の整数を表す。)
[9]前記高分子凝集剤(X)が、高分子凝集剤の全構成単位に対して前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を80モル%以上、100モル%以下含む非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)と、前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を1モル%以上、10モル%以下含む非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)との混合物から成る、[8]に記載の有機性廃水の処理方法。
[10]前記高分子凝集剤(X)が、アミジン系カチオン性ポリマー(B)を更に含み、前記アミジン系カチオン性ポリマー(B)が下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表されるアミジン構成単位のうちの少なくとも一つを有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
[9]前記高分子凝集剤(X)が、高分子凝集剤の全構成単位に対して前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を80モル%以上、100モル%以下含む非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)と、前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を1モル%以上、10モル%以下含む非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)との混合物から成る、[8]に記載の有機性廃水の処理方法。
[10]前記高分子凝集剤(X)が、アミジン系カチオン性ポリマー(B)を更に含み、前記アミジン系カチオン性ポリマー(B)が下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表されるアミジン構成単位のうちの少なくとも一つを有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
(一般式(2)及び一般式(3)中、R5、R6はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基のいずれかを表し、X−は陰イオンを表す。)
[11]前記有機性廃水の有機体窒素成分が800mg/L以上、10000mg/L以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載の有機性廃水の処理方法。
[12]前記有機性廃水の下記式で求められるコロイド比が5.0以上である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
[11]前記有機性廃水の有機体窒素成分が800mg/L以上、10000mg/L以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載の有機性廃水の処理方法。
[12]前記有機性廃水の下記式で求められるコロイド比が5.0以上である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
(式中、コロイド値(上澄み)(meq/L)は、有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液に含まれる荷電量を示し、コロイド値(全体)(meq/L)は、有機性廃水中に含まれる荷電量を示し、TS(%)は、有機性廃水中の蒸発残留物の重量百分率を示し、SS(%)は、有機性廃水中の浮遊固形物の重量百分率を示し、SVI3000(mL/g)は有機性廃水を3000rpmで5分間に遠心分離にかけて得られる沈殿物の比容積を示す。)
[13]高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に添加して有機体窒素成分を含むフロックを形成した後に固液分離して前記有機性廃水から前記フロックと有機体窒素成分を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
[14]高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下でありリン化合物を含む有機性廃水に添加して、リン化合物を含むフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックとリン化合物を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
[13]高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に添加して有機体窒素成分を含むフロックを形成した後に固液分離して前記有機性廃水から前記フロックと有機体窒素成分を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
[14]高分子凝集剤を含む、浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下でありリン化合物を含む有機性廃水に添加して、リン化合物を含むフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックとリン化合物を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の記載によって限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例における「%」は特に断りのない限り「質量%」を示す。以下の製造例で得られた各ポリマーに関しては、以下に示す還元粘度の測定を行った。測定には、粉末状の高分子凝集剤を用いた。
[還元粘度の測定]
1規定塩化ナトリウム水溶液中、0.1g/dLのポリマー溶液として25℃でオストワルド粘度計により還元粘度を測定した。
1規定塩化ナトリウム水溶液中、0.1g/dLのポリマー溶液として25℃でオストワルド粘度計により還元粘度を測定した。
[各ポリマーの各モノマーに由来する構成単位の割合(モル%)の測定]
各ポリマーを重水に溶解させ、NMRスペクトロメーター(日本電子社製、270MHz)にて13C−NMRスペクトルを測定した。13C−NMRスペクトルの各繰り返し単位に対応したピークの積分値より各ポリマーの各モノマーに由来する構成単位の割合(モル%)を算出した。
各ポリマーを重水に溶解させ、NMRスペクトロメーター(日本電子社製、270MHz)にて13C−NMRスペクトルを測定した。13C−NMRスペクトルの各繰り返し単位に対応したピークの積分値より各ポリマーの各モノマーに由来する構成単位の割合(モル%)を算出した。
実施例で用いた原料を以下に示す。
[モノマー]
(i)カチオン性モノマー:
(a)N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(以下、「DME」という。)、大阪有機化学工業社製、80質量%水溶液
(b)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル4級塩(以下、「DMC」という。)、大阪有機化学工業社製、80質量%水溶液
(ii)非イオン性モノマー:
(a)アクリルアミド(以下、「AAM」という。)、三菱レイヨン株式会社製、50質量%水溶液
(b)アクリロニトリル(以下、「AN」という。)、三菱レイヨン株式会社製、純度99質量%
(c)N−ビニルホルムアミド(以下、「NVF」と記す)、三菱レイヨン株式会社製、純度91質量%水溶液
[開始剤]
(i)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR1173)、(以下、「D−1173」と記す)、Ciba社製
(ii)2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩(V−50)(以下、「V−50」と記す)、和光純薬社製
[連鎖移動剤]
次亜リン酸ナトリウム(以下、「HPA」と記す)、和光純薬社製
[無機凝結剤]
ポリ硫酸第二鉄、日鉄鉱業株式会社製、全鉄含有量 11.0%以上
[非アミジン系カチオン性ポリマー(A)の合成]
(製造例1)
DME256.3g、AAM595.0gを、内容積2000mLの褐色耐熱瓶に投入し、HPA0.05g及び蒸留水を加え、総質量が2000gのモノマー水溶液(DME:AAM=40.0:60.0(モル%)、モノマー濃度50%)を調製した。次に、D−1173を、モノマー水溶液の総質量に対して、150ppmとなるように投入し、これに窒素ガスを30分間吹き込みながらモノマー水溶液の温度を20℃に調節した。
(i)カチオン性モノマー:
(a)N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(以下、「DME」という。)、大阪有機化学工業社製、80質量%水溶液
(b)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル4級塩(以下、「DMC」という。)、大阪有機化学工業社製、80質量%水溶液
(ii)非イオン性モノマー:
(a)アクリルアミド(以下、「AAM」という。)、三菱レイヨン株式会社製、50質量%水溶液
(b)アクリロニトリル(以下、「AN」という。)、三菱レイヨン株式会社製、純度99質量%
(c)N−ビニルホルムアミド(以下、「NVF」と記す)、三菱レイヨン株式会社製、純度91質量%水溶液
[開始剤]
(i)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR1173)、(以下、「D−1173」と記す)、Ciba社製
(ii)2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩(V−50)(以下、「V−50」と記す)、和光純薬社製
[連鎖移動剤]
次亜リン酸ナトリウム(以下、「HPA」と記す)、和光純薬社製
[無機凝結剤]
ポリ硫酸第二鉄、日鉄鉱業株式会社製、全鉄含有量 11.0%以上
[非アミジン系カチオン性ポリマー(A)の合成]
(製造例1)
DME256.3g、AAM595.0gを、内容積2000mLの褐色耐熱瓶に投入し、HPA0.05g及び蒸留水を加え、総質量が2000gのモノマー水溶液(DME:AAM=40.0:60.0(モル%)、モノマー濃度50%)を調製した。次に、D−1173を、モノマー水溶液の総質量に対して、150ppmとなるように投入し、これに窒素ガスを30分間吹き込みながらモノマー水溶液の温度を20℃に調節した。
その後、モノマー水溶液をステンレス反応容器に移し、容器の下方から16℃の水を噴霧しながら、ケミカルランプを用いて、容器の上方から5W/m2の照射強度で、表面温度が40℃になるまで光を照射した。表面温度が40℃に到達した後は、0.3W/m2の照射強度で30分間光を照射した。更に、モノマーの残存量を低減させるために、照射強度を50W/m2にして10分間光を照射することで、含水ゲル状のポリマーを得た。得られた含水ゲル状のポリマーを容器から取り出し、小型ミートチョッパーを用いて解砕した後、温度60℃で16時間乾燥した。その後、ウィレー型粉砕機を用いて乾燥したポリマーを粉砕し非アミジン系カチオン性ポリマー(A)(ポリマーA−1)を得た。
(製造例2〜12)
各モノマー及びHPAの量を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、(ポリマーA−2〜A−12)を得た。
各モノマー及びHPAの量を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、非アミジン系カチオン性ポリマー(A)、(ポリマーA−2〜A−12)を得た。
[非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)の合成]
(製造例13〜16)
各モノマー及びHPAの量を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)、(ポリマーAH−1〜AH−4)を得た。
(製造例13〜16)
各モノマー及びHPAの量を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)、(ポリマーAH−1〜AH−4)を得た。
[非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)の合成]
(製造例17、18)
各モノマー及びHPAの量を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)、(ポリマーAL−1、AL−2)を得た。
(製造例17、18)
各モノマー及びHPAの量を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)、(ポリマーAL−1、AL−2)を得た。
[アミジン系カチオン性ポリマー(B)の合成]
(製造例19)
攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた内容積50mLの四つ口フラスコに、AN及びNVFの混合物(モル比55:45)6gと蒸留水34gとの混合物を入れた。その後、窒素ガス中で攪拌しつつ60℃に昇温し、V−50を0.12g添加し、更に、60℃で3時間保持し、水中にポリマーが析出した懸濁物を得た。懸濁物に蒸留水20gを添加し、更に、濃塩酸をポリマーのホルミル基に対し1当量添加して、100℃で4時間保持することで、黄色の高粘度液を得た。これを多量のアセトンに添加し、ポリマーを析出させ、得られたポリマーゲルを細断し、60℃で1昼夜乾燥後、粉砕することでアミジン系カチオン性ポリマー(B)(ポリマーB−1)を得た。
(製造例19)
攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた内容積50mLの四つ口フラスコに、AN及びNVFの混合物(モル比55:45)6gと蒸留水34gとの混合物を入れた。その後、窒素ガス中で攪拌しつつ60℃に昇温し、V−50を0.12g添加し、更に、60℃で3時間保持し、水中にポリマーが析出した懸濁物を得た。懸濁物に蒸留水20gを添加し、更に、濃塩酸をポリマーのホルミル基に対し1当量添加して、100℃で4時間保持することで、黄色の高粘度液を得た。これを多量のアセトンに添加し、ポリマーを析出させ、得られたポリマーゲルを細断し、60℃で1昼夜乾燥後、粉砕することでアミジン系カチオン性ポリマー(B)(ポリマーB−1)を得た。
ポリマーB−1を重水に溶解させ、NMRスペクトロメーター(日本電子社製、270MHz)にて13C−NMRスペクトルを測定した。13C−NMRスペクトルの各繰り返し単位に対応したピークの積分値より各構成単位の組成を算出した。前記一般式(2)及び一般式(3)の構成単位は、区別することなく、その総量として求めた。結果を表2に示す。
(*)アミジン:アミジン塩酸塩構成単位、NVF:N−ビニルホルムアミド構成単位、AN:アクリロニトリル構成単位、VAM:ビニルアミン塩酸塩構成単位
[高分子凝集剤の調製]
(製造例20〜25)
表1及び表2に記載のポリマーを表3に記載の各混合比率で混合・調製することで、表3に記載の高分子凝集剤(ブレンド1〜6)を得た。
[高分子凝集剤の調製]
(製造例20〜25)
表1及び表2に記載のポリマーを表3に記載の各混合比率で混合・調製することで、表3に記載の高分子凝集剤(ブレンド1〜6)を得た。
[有機性廃水のTSの測定]
有機性廃水のTSは、前記のTSの測定方法によって測定した。
有機性廃水のTSは、前記のTSの測定方法によって測定した。
[有機性廃水及び処理水のSSの測定]
有機性廃水及び処理水のSSは、前記のSSの測定方法によって測定した。
有機性廃水及び処理水のSSは、前記のSSの測定方法によって測定した。
[有機性廃水及び処理水のCODの測定]
有機性廃水及び処理水のCODは、前記のJIS K 0102:17に記載のCOD(Mn)の測定方法によって測定した。
有機性廃水及び処理水のCODは、前記のJIS K 0102:17に記載のCOD(Mn)の測定方法によって測定した。
[有機性廃水及び処理水の有機体窒素成分(全蛋白質)の測定]
有機性廃水及び処理水の有機体窒素成分(全蛋白質)は、色素クマシーブルーで発色させて吸光度を測定する前記のBradford法による蛋白質の測定方法によって測定した。
有機性廃水及び処理水の有機体窒素成分(全蛋白質)は、色素クマシーブルーで発色させて吸光度を測定する前記のBradford法による蛋白質の測定方法によって測定した。
[有機性廃水の溶解性蛋白質の測定]
有機性廃水の溶解性蛋白質は、前記の溶解性蛋白質の測定方法によって測定した。即ち、有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液中の蛋白質を色素クマシーブルーで発色させて吸光度を測定するBradford法によって測定した。
有機性廃水の溶解性蛋白質は、前記の溶解性蛋白質の測定方法によって測定した。即ち、有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液中の蛋白質を色素クマシーブルーで発色させて吸光度を測定するBradford法によって測定した。
[有機性廃水及び処理水の全リンの測定]
有機性廃水及び処理水の全リンは、前記のペルオキソ二硫酸カリウム分解法とモリブデン青吸光光度法による全リンの測定方法によって測定した。
有機性廃水及び処理水の全リンは、前記のペルオキソ二硫酸カリウム分解法とモリブデン青吸光光度法による全リンの測定方法によって測定した。
[有機性廃水のコロイド値(上澄み)の測定]
有機性廃水のコロイド値(上澄み)は、前記のコロイド値の測定方法によって測定した。
有機性廃水のコロイド値(上澄み)は、前記のコロイド値の測定方法によって測定した。
[有機性廃水のコロイド値(全体)の測定]
有機性廃水のコロイド値(全体)は、前記のコロイド値の測定方法によって測定した。
有機性廃水のコロイド値(全体)は、前記のコロイド値の測定方法によって測定した。
[有機性廃水のSVI3000の測定]
有機性廃水のSVI3000は、前記のSVI3000の測定方法によって測定した。
有機性廃水のSVI3000は、前記のSVI3000の測定方法によって測定した。
[有機性廃水のコロイド比の測定]
有機性廃水のコロイド比は、前記のコロイド比の測定方法によって測定した。
有機性廃水のコロイド比は、前記のコロイド比の測定方法によって測定した。
(実施例1〜25、比較例1)
[使用した有機性廃水]
酪農産業の処理施設から発生した有機性廃水として、KW牧場の廃水処理設備から採取した酪農廃水で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが8.28、TSが31580mg/L、SSが21800mg/L、CODが12000mg/L、全蛋白質が2380mg/L、溶解性蛋白質が863mg/L、SSに対する有機体窒素成分が10.9%/SS、全リンが470mg/L、コロイド値(上澄み)が−8.5meq/L、コロイド値(全体)が−10.4meq/L、SVI3000が13.5mL/g、コロイド比が35.7である廃水を用いた。
[使用した有機性廃水]
酪農産業の処理施設から発生した有機性廃水として、KW牧場の廃水処理設備から採取した酪農廃水で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが8.28、TSが31580mg/L、SSが21800mg/L、CODが12000mg/L、全蛋白質が2380mg/L、溶解性蛋白質が863mg/L、SSに対する有機体窒素成分が10.9%/SS、全リンが470mg/L、コロイド値(上澄み)が−8.5meq/L、コロイド値(全体)が−10.4meq/L、SVI3000が13.5mL/g、コロイド比が35.7である廃水を用いた。
[凝集試験]
先ず、500mLのビーカーに前記有機性廃水300mLを採取した。次いで、表1〜3に記載のそれぞれのポリマーを0.3%に溶解して高分子凝集剤水溶液を調製し、これを表4、5に示す濃度になるように添加した後、スパチュラにより、攪拌速度:180回転/分、攪拌時間:60秒間の条件下に撹拌混合して凝集フロックを形成させた。その後、凝集フロックを沈殿させ、凝集フロックと処理水を分離した。
先ず、500mLのビーカーに前記有機性廃水300mLを採取した。次いで、表1〜3に記載のそれぞれのポリマーを0.3%に溶解して高分子凝集剤水溶液を調製し、これを表4、5に示す濃度になるように添加した後、スパチュラにより、攪拌速度:180回転/分、攪拌時間:60秒間の条件下に撹拌混合して凝集フロックを形成させた。その後、凝集フロックを沈殿させ、凝集フロックと処理水を分離した。
[評価方法]
[凝集フロック粒径、処理水のSS、処理水のCOD、処理水の全蛋白、処理水の全リン]
各実施例において凝集フロックを形成させた後に攪拌を止め、凝集フロック粒径を目視により測定した。その後、処理水を採取し、処理水のSS、処理水COD、処理水の全蛋白質、処理水の全リンを測定した。
[凝集フロック粒径、処理水のSS、処理水のCOD、処理水の全蛋白、処理水の全リン]
各実施例において凝集フロックを形成させた後に攪拌を止め、凝集フロック粒径を目視により測定した。その後、処理水を採取し、処理水のSS、処理水COD、処理水の全蛋白質、処理水の全リンを測定した。
[全蛋白質回収率]
各実施例において測定した有機性廃水及び処理水の全蛋白質から、下記式を用いて、全蛋白質回収率を求めた。
各実施例において測定した有機性廃水及び処理水の全蛋白質から、下記式を用いて、全蛋白質回収率を求めた。
[蛋白質残留率]
各実施例において測定した有機性廃水の溶解性蛋白質と処理水の全蛋白質から、下記式を用いて、蛋白質残留率を求めた。
各実施例において測定した有機性廃水の溶解性蛋白質と処理水の全蛋白質から、下記式を用いて、蛋白質残留率を求めた。
[全リン回収率]
各実施例において測定した有機性廃水及び処理水の全リンから、下記式を用いて、全リン回収率を求めた。
各実施例において測定した有機性廃水及び処理水の全リンから、下記式を用いて、全リン回収率を求めた。
[脱水ケーキの含水率]
凝集フロックを0.1MPaの圧力で60秒間プレス脱水して脱水ケーキを得て、その含水率を測定した。含水率の測定は、(財)日本下水道協会編、「下水道試験法上巻1997年度版」p296−297に準拠して行った。
凝集フロックを0.1MPaの圧力で60秒間プレス脱水して脱水ケーキを得て、その含水率を測定した。含水率の測定は、(財)日本下水道協会編、「下水道試験法上巻1997年度版」p296−297に準拠して行った。
表4、5に示すように、本発明に係る有機性廃水の処理方法にて対象とする範囲の有機性廃水に対して、本発明に係る有機性廃水の処理方法に従って処理を行った実施例1〜25では、粗大な凝集フロックを形成し、処理水のSS及びCODが低く、良質な処理水が得られた。また、処理水の全蛋白質、及び全リンは低く、良好な全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
また、高分子凝集剤を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対する、カチオン性構成単位の含有量が10〜60モル%の範囲内である実施例1〜16、20〜24では、全蛋白質回収率及び全リン回収率が高く、また蛋白質残留率は低く、特に優れた全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
表4、5に示すように、比較例1は、本発明に係る有機性廃水の処理方法の範囲外の無機凝結剤を用いて、有機性廃水の凝集処理を実施した結果であり、処理水のSS、CODが高かった。また、処理水の全蛋白質および全リンも高く、良好な蛋白質および全リンの回収効果を確認できなかった。
(実施例26〜28)
[使用有機性廃水]
養豚産業の処理施設から発生した有機性廃水として、HT畜産の廃水処理施設から採取した養豚尿液廃水で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが6.56、TSが47320mg/L、SSが33300mg/L、CODが6540mg/L、全蛋白質が3020mg/L、溶解性蛋白質が895mg/L、SSに対する有機体窒素成分が9.1%/SS、全リンが475mg/L、コロイド値(上澄み)が−3.5meq/L、コロイド値(全体)が−10.1meq/L、コロイド比が8.6である廃水を用いた。
[使用有機性廃水]
養豚産業の処理施設から発生した有機性廃水として、HT畜産の廃水処理施設から採取した養豚尿液廃水で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが6.56、TSが47320mg/L、SSが33300mg/L、CODが6540mg/L、全蛋白質が3020mg/L、溶解性蛋白質が895mg/L、SSに対する有機体窒素成分が9.1%/SS、全リンが475mg/L、コロイド値(上澄み)が−3.5meq/L、コロイド値(全体)が−10.1meq/L、コロイド比が8.6である廃水を用いた。
[凝集試験]
試験に用いた高分子凝集剤を表6、7に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。実施例26〜28における評価結果を表6、7に示す。
試験に用いた高分子凝集剤を表6、7に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。実施例26〜28における評価結果を表6、7に示す。
表6、7に示すように、本発明に係る有機性廃水の処理方法の対象とする範囲の有機性廃水に対して、本発明に係る有機性廃水の処理方法に従って処理を行った実施例26〜28では、粗大な凝集フロックを形成し、処理水のSS及びCODが低く、良質な処理水が得られた。また、処理水の全蛋白質、及び全リンは低く、良好な全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
また、高分子凝集剤を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対する、カチオン性構成単位の含有量が10〜60モル%の範囲内である実施例26、27では、全蛋白質回収率及び全リン回収率が高く、また蛋白質残留率は低く、特に優れた全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
(実施例29、30)
[使用有機性廃水]
下水処理場の処理施設から発生した有機性廃水として、TK処理場の廃水処理施設から採取した混合生汚泥で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが5.43、TSが25800mg/L、SSが23200mg/L、CODが9400mg/L、全蛋白質が1530mg/L、溶解性蛋白質が124mg/L、SSに対する有機体窒素成分が6.6%/SS、全リンが2690mg/L、コロイド値(上澄み)が−0.5meq/L、コロイド値(全体)が−8.4meq/L、SVI3000が15.7mL/g、コロイド比が8.3である廃水を用いた。
[使用有機性廃水]
下水処理場の処理施設から発生した有機性廃水として、TK処理場の廃水処理施設から採取した混合生汚泥で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが5.43、TSが25800mg/L、SSが23200mg/L、CODが9400mg/L、全蛋白質が1530mg/L、溶解性蛋白質が124mg/L、SSに対する有機体窒素成分が6.6%/SS、全リンが2690mg/L、コロイド値(上澄み)が−0.5meq/L、コロイド値(全体)が−8.4meq/L、SVI3000が15.7mL/g、コロイド比が8.3である廃水を用いた。
[凝集試験]
試験に用いた高分子凝集剤を表8、9に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。実施例29、30における評価結果を表8、9に示す。
試験に用いた高分子凝集剤を表8、9に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。実施例29、30における評価結果を表8、9に示す。
表8、9に示すように、本発明に係る有機性廃水の処理方法の対象とする範囲の有機性廃水に対して、本発明に係る有機性廃水の処理方法に従って処理を行った実施例29、30では、粗大な凝集フロックを形成し、処理水のSS及びCODが低く、良質な処理水が得られた。また、処理水の全蛋白質、及び全リンは低く、良好な全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
また、高分子凝集剤を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対する、カチオン性構成単位の含有量が10〜60モル%の範囲内である実施例29では、全蛋白質回収率及び全リン回収率が高く、また蛋白質残留率は低く、特に優れた全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
(実施例31、32)
[使用有機性廃水]
養豚産業の処理施設から発生した有機性廃水として、HT畜産の廃水処理施設から採取した養豚尿液廃水で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが6.63、TSが48700mg/L、SSが37000mg/L、CODが6840mg/L、全蛋白質が3710mg/L、溶解性蛋白質が1160mg/L、SSに対する有機体窒素成分が10.0%/SS、全リンが6470mg/L、コロイド値(上澄み)が−1.4meq/L、コロイド値(全体)が−8.2meq/L、SVI3000が7.1mL/g、コロイド比が5.0である廃水を用いた。
[使用有機性廃水]
養豚産業の処理施設から発生した有機性廃水として、HT畜産の廃水処理施設から採取した養豚尿液廃水で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが6.63、TSが48700mg/L、SSが37000mg/L、CODが6840mg/L、全蛋白質が3710mg/L、溶解性蛋白質が1160mg/L、SSに対する有機体窒素成分が10.0%/SS、全リンが6470mg/L、コロイド値(上澄み)が−1.4meq/L、コロイド値(全体)が−8.2meq/L、SVI3000が7.1mL/g、コロイド比が5.0である廃水を用いた。
[凝集試験]
試験に用いた高分子凝集剤を表10、11に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。実施例31、32における評価結果を表10、表11に示す。
試験に用いた高分子凝集剤を表10、11に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。実施例31、32における評価結果を表10、表11に示す。
表10、11に示すように、本発明に係る有機性廃水の処理方法の対象とする範囲の有機性廃水に対して、本発明に係る有機性廃水の処理方法に従って処理を行った実施例31、32では、粗大な凝集フロックを形成し、処理水のSS及びCODが低く、良質な処理水が得られた。また、処理水の全蛋白質及び全リンは低く、良好な全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
また、高分子凝集剤を構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対する、カチオン性構成単位の含有量が10〜60モル%の範囲内である実施例31では、全蛋白質回収率及び全リン回収率が高く、また蛋白質残留率は低く、特に優れた全蛋白質および全リンの回収性能を示した。
(比較例2、3)
[使用有機性廃水]
下水処理場の処理施設から発生した有機性廃水として、OG処理場の廃水処理施設から採取した消化汚泥で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが7.73、TSが22640mg/L、SSが18100mg/L、CODが4200mg/L、全蛋白質が835mg/L、溶解性蛋白質が280mg/L、SSに対する有機体窒素成分が4.5%/SS、全リンが630mg/L、コロイド値(上澄み)が−2.5meq/L、コロイド値(全体)が−20.4meq/L、SVI3000が17.6mL/g、コロイド比が11.6である廃水を用いた。
[使用有機性廃水]
下水処理場の処理施設から発生した有機性廃水として、OG処理場の廃水処理施設から採取した消化汚泥で次の特性を有する廃水を用いた。即ち、JIS規格に記載された分析方法を用いて測定された廃水のpHが7.73、TSが22640mg/L、SSが18100mg/L、CODが4200mg/L、全蛋白質が835mg/L、溶解性蛋白質が280mg/L、SSに対する有機体窒素成分が4.5%/SS、全リンが630mg/L、コロイド値(上澄み)が−2.5meq/L、コロイド値(全体)が−20.4meq/L、SVI3000が17.6mL/g、コロイド比が11.6である廃水を用いた。
[凝集試験]
試験に用いた高分子凝集剤を表12、13に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。比較例2、3における評価結果を表12、13に示す。
試験に用いた高分子凝集剤を表12、13に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の凝集試験を実施した。比較例2、3における評価結果を表12、13に示す。
表12、13に示すように、本発明に係る有機性廃水の処理方法の対象外の有機性廃水に対して、本発明に係る有機性廃水の処理方法で用いる高分子凝集剤により処理を行った比較例2、3では、全蛋白質回収率及び全リン回収率が低く、また、蛋白質残留率も高く、良好な蛋白質および全リンの回収効果を確認できなかった。
本発明に係る有機性廃水の処理方法によれば、有機性廃水の凝集処理において、複雑な前処理を行わず、高分子凝集剤を添加し混合することで、良好で且つ有機体窒素成分を多く含む凝集フロックが形成される。このため、有機性廃水中の有機体窒素成分やリン化合物を固形物として効率よく分離回収でき、且つ分離液中のSSとBOD及びCODが大幅に低減し、良質な水質の処理水が得られる。
Claims (14)
- 浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に、高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックを分離する、有機性廃水の処理方法。
- 前記フロックが有機体窒素成分を含有するフロックである、請求項1に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記有機性廃水に含まれる有機体窒素成分に対する、分離した前記フロックに含まれる有機体窒素成分の量の重量比で示される回収率が70%以上、100%以下である請求項2に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記有機性廃水を3000rpmで5分間、遠心分離にかけて得られる上澄み液に含まれる有機体窒素成分に対する、前記固液分離で得られる処理水に含まれる有機体窒素成分の比率が0%以上、70%以下である請求項2又は請求項3に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記有機性廃水がリン化合物を含み、前記フロックがリン化合物を含有するフロックである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記有機性廃水に含まれるリン化合物に対する、分離した前記フロックに含まれるリン化合物の量の重量比で示される回収率が50%以上、100%以下である請求項5に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記高分子凝集剤が少なくとも一種以上の高分子凝集剤から成る高分子凝集剤(X)であり、高分子凝集剤(X)は、構成する各高分子凝集剤の全構成単位の合計に対してカチオン性構成単位を10モル%以上、60モル%以下含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記高分子凝集剤(X)が、高分子凝集剤の全構成単位に対して前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を80モル%以上、100モル%以下含む非アミジン系カチオン性ポリマー(AH)と、前記一般式(1)で表されるカチオン性構成単位を1モル%以上、10モル%以下含む非アミジン系カチオン性ポリマー(AL)との混合物から成る、請求項8に記載の有機性廃水の処理方法。
- 前記有機性廃水の有機体窒素成分が800mg/L以上、10000mg/L以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機性廃水の処理方法。
- 高分子凝集剤を含む、
浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下である有機性廃水に添加して有機体窒素成分を含むフロックを形成した後に固液分離して前記有機性廃水から前記フロックと有機体窒素成分を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。 - 高分子凝集剤を含む、
浮遊固形物(SS)に対して有機体窒素成分が6%/SS以上、20%/SS以下でありリン化合物を含む有機性廃水に添加して、リン化合物を含むフロックを形成した後に、固液分離して前記有機性廃水から前記フロックとリン化合物を分離回収するための有機性廃水処理用組成物。
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