JPWO2017051468A1 - 定性分析のための質量分析データ処理装置 - Google Patents

定性分析のための質量分析データ処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017051468A1
JPWO2017051468A1 JP2017541207A JP2017541207A JPWO2017051468A1 JP WO2017051468 A1 JPWO2017051468 A1 JP WO2017051468A1 JP 2017541207 A JP2017541207 A JP 2017541207A JP 2017541207 A JP2017541207 A JP 2017541207A JP WO2017051468 A1 JPWO2017051468 A1 JP WO2017051468A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
mass
index value
mass spectrometry
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017541207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6460252B2 (ja
Inventor
見悟 前田
見悟 前田
智裕 川瀬
智裕 川瀬
雄太郎 山村
雄太郎 山村
大海 星
大海 星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2017051468A1 publication Critical patent/JPWO2017051468A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6460252B2 publication Critical patent/JP6460252B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/86Signal analysis
    • G01N30/8675Evaluation, i.e. decoding of the signal into analytical information
    • G01N30/8679Target compound analysis, i.e. whereby a limited number of peaks is analysed
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0036Step by step routines describing the handling of the data generated during a measurement
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
    • G01N27/626Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using heat to ionise a gas
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
    • G01N27/68Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using electric discharge to ionise a gas
    • G01N27/70Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using electric discharge to ionise a gas and measuring current or voltage
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N30/72Mass spectrometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/86Signal analysis
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2218/00Aspects of pattern recognition specially adapted for signal processing
    • G06F2218/08Feature extraction
    • G06F2218/10Feature extraction by analysing the shape of a waveform, e.g. extracting parameters relating to peaks

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Library & Information Science (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

試料中の未知の目的物質について得られたマススペクトルと特定物質の既知のマススペクトルとのピークパターンの類似度を算出し(S4)、類似度が80〜60%の範囲である(S6でNo)場合には、特定物質を特徴付ける二つのm/zにおける信号強度の比を計算し、それを基準値と比較する(S7、S8)。強度比が基準値を超えていれば目的物質は特定物質である可能性が高いので、類似度が80%以上であった場合と同様に、試料中に特定物質が含まれていると判定する(S10)。また、こうした判定に先立ち、試料が測定位置に置かれる前の時点から測定を行うことで収集したデータに基づいて作成した全イオン電流信号のグラフから、試料が確実に質量分析に供されたか否かを判定し(S2、S3)、該グラフに有意なピークがない場合には試料導入エラーと判定する(S11)。このようにして、類似度のみを利用した従来の定性分析よりも定性の精度を上げることができる。

Description

本発明は、質量分析装置を利用して試料中に含まれる物質(化合物)を同定するための質量分析データ処理装置に関する。
試料に含まれる未知の物質を同定したり或いは既知の物質が試料に含まれているか否かを判定したりする際に、質量分析装置を用いた定性分析がしばしば利用されている。質量分析装置を用いた定性分析では、質量分析によって得られた実測マススペクトル上のピークパターンと、スペクトルライブラリ(データベース)に登録されている既知物質のピークパターンとの類似度を算出し、その類似度を評価するデータ処理が一般に行われている(特許文献1など参照)。こうしたデータ処理では、通常、ピークパターンの類似度が既定の閾値を超えている場合に、試料中の未知物質はそのスペクトルライブラリ中の既知物質である可能性が高い、又は、試料中に該既知物質が存在する可能性が高い、と結論付けられる。
こうした定性分析の手法ではマススペクトルのピークパターンの類似度が判定の拠り所であるが、定性対象の物質がスペクトルライブラリに登録されていたとしても、以下のような様々な要因によって類似度は信頼性を欠くことがある。
(1)試料中の目的物質の濃度が低い場合に、各種ノイズが相対的に大きくなり、マススペクトル上で目的物質由来の信号がノイズに埋もれることによって、類似度が実際よりも過小に見積もられる。
(2)試料中の目的物質の濃度が低い場合に、各種ノイズが相対的に大きくなり、マススペクトル上でそうしたノイズを目的物質由来の信号であると誤検出することによって、類似度が誤って実際よりも過大に見積もられる。
(3)目的物質と化学構造が類似している類似物質が試料中に混在している場合に、マススペクトル上でその類似物質由来の信号を目的物質由来の信号であると誤検出することによって、類似度が誤って実際よりも過大に見積もられる。
(4)試料が適切に質量分析装置に導入されないために、該試料中に存在している目的物質に対する信号強度がマススペクトル上でゼロに近い値となり、その結果、類似度が極端に低くなって試料中に該目的物質が存在しないと誤って判断されてしまう。
上述したように、マススペクトルのピークパターンの類似度は試料の状態やノイズの状態などによっては必ずしも信頼性が高くなく、こうしたことが定性精度の低下の一因となっていた。
また、上述したようなマススペクトルのピークパターンの類似度に基づく物質の有無の判定は、試料中にその物質が存在しない状態とその物質が存在する状態とのいずれであるのかを識別することを前提としている。そのため、試料中に或る物質が存在している通常状態と該物質が通常状態よりも多く(過剰に)存在している状態とのいずれであるのかを識別することは難しく、その識別の精度も高くないという問題もあった。
特開2013−2967号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マススペクトルのピークパターンの類似度のみからでは又は該類似度を用いては正確な定性が困難である場合でも、より高い精度で試料中の特定の物質の有無や試料中の未知物質の定性を行うことができる、定性分析のための質量分析データ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様による質量分析データ処理装置は、試料について質量分析を行うことにより得られたデータを利用して該試料に含まれる物質を定性する定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
a)試料から得られたデータに基づいて該試料中の目的物質に対応するマススペクトルを作成するスペクトル作成部と、
b)前記スペクトル作成部で作成された前記目的物質に対応するマススペクトルにおいて、特定の物質に対して予め定められている二つ質量電荷比における信号強度値をそれぞれ求め、その信号強度値の比又は差を指標値として算出する指標値算出部と、
c)前記指標値算出部により算出された指標値を所定の基準値又は基準値範囲と比較することによって、前記目的物質が前記特定の物質である可能性を評価する指標値評価部と、
を備えることを特徴としている。
ここで、質量分析を行うための質量分析装置は特にその態様を問わない。また、質量分析装置はタンデム四重極型質量分析装置等のMS/MS分析、MSn分析(nは2以上の整数)が可能な質量分析装置でもよい。その場合には、上記マススペクトルはMS/MSスペクトル又はMSnスペクトルである。
また、上記指標値算出部においてマススペクトルから求まる信号強度値は、特定の質量電荷比値におけるピーク(通常、セントロイド処理後の線状のピーク)の強度値又は該特定の質量電荷比付近のセントロイド処理前の山状のピークの面積値のいずれでもよい。
本発明の第1の態様による質量分析データ処理装置では、試料中に存在するか否かを確認したい物質(特定の物質)の種類に応じて、その物質のマススペクトルに現れるピークの特徴から、信号強度値を求めるための二つ質量電荷比が予め決められる。後述するように特定の物質が臭素系難燃剤の一つであるDecaBDE(デカブロモジフェニルエーテル)である場合には、そのマススペクトルに現れるピークの特徴から、m/z=898.4及びm/z=897.4を二つの質量電荷比とすればよい。試料中の目的物質がDecaBDEである場合、そのマススペクトル上では、m/z=898.4に大きなピークが現れ、m/z=897.4はピークの谷間になって信号強度は小さい。そのため、指標値算出部により算出される指標値は或る程度大きな値となる。そこで、指標値評価部はこの指標値を所定の基準値又は基準値範囲と比較することで、その目的物質が特定の物質である可能性が高いか低いかを評価することができる。
ただし、特定の物質とは異なる別の物質で、上記二つの質量電荷比の一方(DecaBDEの例でいえばm/z=898.4)にピークを有する物質が試料に含まれている場合、上記指標値によっては正確な判定が行えない。
そこで本発明の第1の態様による質量分析データ処理装置では、好ましくは、
前記目的物質に対応するマススペクトルと前記特定の物質に対応するマススペクトルとのピークパターンの類似性を第2の指標値として算出する類似性指標値算出部をさらに備え、
前記指標値評価部は、前記指標値と前記第2の指標値とを併用して前記目的物質が該特定の物質である可能性を評価する構成とするとよい。
具体的には例えば、第2の指標値が極端に高い場合や極端に低い場合には、該第2の指標値に基づいて目的物質が特定の物質であるか否かを判定し、第2の指標値がその両者の中間付近であってそれのみでは判断が困難である場合に、上記指標値を用いて目的物質が特定の物質であるか否かを判定するとよい。一般に、目的物質が特定の物質と化学構造が類似している別の物質であるとき、マススペクトルのピークパターンの類似度は極端に高くも低くもない値になることが多い。上記構成によれば、そうした場合に、二つの質量電荷比における信号強度の比という新たな指標値を導入することで、定性の精度を向上させることができる。
なお、試料に含まれているか否かを確認したい特定の物質の種類や試料に混在している物質の種類などによっては、二つの質量電荷比における信号強度比では適切な定性ができない場合がある。例えば、特定の物質において特徴的な強度比が得られる二つの質量電荷比において、信号強度比が同様に特徴的である別の物質が試料に含まれることが既知であるような場合である。
そこで、本発明の第1の態様による質量分析データ処理装置では、
前記指標値評価部において目的物質が特定の物質である可能性を評価する際の条件として、使用する指標値を分析者が選択可能である条件指定部をさらに備える構成とするとよい。
この構成によれば、上述したように強度比を指標値とした評価が有意でない場合に、分析者の選択によって、第2の指標値のみを利用して、つまりは従来と同様の方法で以て、目的物質が特定の物質である可能性を評価するように指標値評価部の処理を切り替えることができる。それによって、定性の信頼性を確保することができる。
また上述したような試料中の目的物質が特定の物質であるか否かの判定は、あくまでも試料についての質量分析が確実に行われた、つまりは試料が質量分析装置のイオン源に導入されたことを前提としている。しかしながら、試料を自動的に測定位置まで搬送する装置を用いた場合でも或いは作業者が試料を所定の測定位置にセットする場合でも、測定位置に置かれた試料を質量分析する構成では、何らかの原因によって試料が適切に測定位置に置かれない状態で測定が実行されると、該試料に特定の物質が含まれていたとしても、当然のことながら、それを検出することは不可能である。
そこで、本発明の第1の態様による質量分析データ処理装置では、さらに好ましくは、
質量分析を繰り返し行うことによって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示すグラフを作成するグラフ作成部と、
前記グラフに基づいて試料が確実に質量分析に供されたことを判定する試料導入判定部と、をさらに備え、
前記指標値評価部は、前記指標値又は該指標値及び前記第2の指標値に拘わらず、前記試料導入判定部により試料が質量分析に供されていないと判定された場合にはその判定結果を評価結果とする構成とするとよい。
試料に特定の物質が含まれているか否かに拘わらず、試料が測定位置に適切にセットされ該試料が質量分析に供されれば、そのときに何らかの物質由来の検出信号が現れる筈である。そこで、グラフ作成部は例えば試料が測定位置にセットされる前後の期間を含めて所定の時間範囲だけ繰り返し実行された質量分析によって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示すグラフを作成する。これは液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)等におけるトータルイオンクロマトグラムに相当するグラフであり、試料が測定位置に適切にセットされていれば、その期間にピーク波形が観測される筈である。
試料導入判定部は例えば、上記グラフ上で或る程度の大きさのピークが検出されたとき、試料が確実に質量分析に供されたものと判断する。一方、試料が質量分析に供されていないと判断できる場合には、試料中の目的物質の定性処理は意味がないから、前記指標値評価部は、目的物質が特定の物質である可能性の評価結果に代えて、例えば試料導入が異常である旨の結果を出力すればよい。
上記課題を解決するためになされた本発明の第2の態様による質量分析データ処理装置は、所定位置にセットされた試料又は所定のタイミングで導入された試料について質量分析を行うことにより得られたデータを利用して該試料に含まれる物質を定性する定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
a)試料が所定位置にセットされる以前又は試料が導入される以前の所定の時点から質量分析を繰り返し行うことによって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示す第1のグラフを作成する第1グラフ作成部と、
b)前記データに基づいて、特定の物質を特徴付ける質量電荷比における信号強度の時間的な変動を示す第2のグラフを作成する第2グラフ作成部と、
c)試料が確実に質量分析に供されたことを前記第1のグラフに基づいて判定するとともに、前記試料中に前記特定の物質が含まれているか否かを前記第2のグラフに基づいて判定する特定物質含有判定部と、
を備えることを特徴としている。
上述したように、試料に特定の物質が含まれているか否かに拘わらず、試料が測定位置に適切にセットされ該試料が質量分析に供されれば、或いは、試料が所定のタイミングで質量分析装置に導入されて質量分析が実行されれば、そのときに何らかの物質由来の検出信号が現れる筈である。そこで、本発明の第2の態様による質量分析データ処理装置では、第1グラフ作成部は、試料が測定位置にセットされる前又は試料が導入される前の時点から繰り返し実行された質量分析によって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示すグラフを作成する。一方、第2グラフ作成部は、同じデータに基づいて、特定の物質を特徴付ける質量電荷比における信号強度の時間的な変動を示す第2のグラフを作成する。第1のグラフはLC−MS等におけるトータルイオンクロマトグラムに相当するグラフであり、第2のグラフはマスクロマトグラムに相当するグラフである。
特定物質含有判定部は、例えば第1のグラフ上で或る程度の大きさのピークが検出されるか否かによって、試料が確実に質量分析に供されたか否かを判断する。また、試料が確実に供給されていると判定された下で、例えば第2のグラフ上で或る程度の大きさのピークが検出されるか否かによって、試料中に特定の物質が含まれているか否かを判断する。或る程度のピークが検出されるか否かの判断は、例えば、試料が導入されていない無試料期間中の所定時間範囲における信号強度の積算値と試料が導入されている有試料期間中の所定時間範囲における信号強度の積算値との比を指標値として判断すればよい。
本発明の第1の態様による定性分析のための質量分析データ処理装置によれば、マススペクトルのピークパターンの類似度のみからでは正確な定性が困難である場合であっても、それとは異なる指標値を用いる又は併用することで、より高い精度で以て、試料中に特定の物質が含まれているか否か、試料中の未知の目的物質が特定の物質であるか否か、或いは、試料中の未知の目的物質が複数の特定物質のうちのいずれであるのか、等を判定し、その結果を分析者に提示することができる。
また本発明の第2の態様による定性分析のための質量分析データ処理装置によれば、マススペクトルのピークパターンの類似度では定性が困難である場合であっても、それとは異なる指標値を用いることで、高い精度で以て、試料中に特定の物質が含まれているか否か、或いは、試料中の未知の目的物質が特定の物質であるか否か、等を判定し、その結果を分析者に提示することができる。
本発明の第1実施例である定性分析システムの要部の構成図。 第1実施例の定性分析システムにおいて試料に対する測定によって得られる全イオン電流信号の時間的変化の概念図。 第1実施例の定性分析システムにおける定性のためのデータ処理のフローチャート。 含有を確認したい物質の一つである臭素系難燃剤DecaBDEのマススペクトルの一例。 含有を確認したい物質の一つであるフタル酸エステルDEHP由来イオンの質量電荷比におけるイオン電流信号の時間的変化を示すグラフの一例。 第2実施例の定性分析システムにおける定性のためのデータ処理のフローチャート。
[第1実施例]
本発明に係る質量分析データ処理装置を用いた定性分析システムの第1実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1は第1実施例の定量分析システムの要部の構成図である。このシステムは質量分析装置としてDART質量分析装置を用いたものである。
本実施例の定性分析システムにおいて、DART質量分析装置はDARTイオン化ユニット1と質量分析部2とから成る。質量分析部2は、イオン化が行われる大気圧の領域と高真空雰囲気である分析室24との間に、段階的に真空度が高められた第1中間真空室22及び第2中間真空室23を備えた多段差動排気系の構成である。大気圧の領域と第1中間真空室22とは細径のイオン導入管21を通して連通している。DARTイオン化ユニット1はイオン導入管21の入口開口21aに対向して配置され、図1中に示すように、入口開口21aとDARTイオン化ユニット1との間の測定位置に、分析対象である試料Sが挿入される。なお、図1には示していないが、試料Sは自動試料搬送装置により自動的に測定位置に搬送される構成とすることができる。
DARTイオン化ユニット1は、放電室10、反応室11、及び加熱室12の3室を有する。初段の放電室10にはヘリウムなどの不活性ガスを導入するためのガス導入管13が接続され、また放電室10内部には針電極14が配設されている。最終段の加熱室12には図示しないヒータが付設されており、また該加熱室12の出口であるノズル17の外側にはグリッド電極18が設けられている。
第1中間真空室22と第2中間真空室23との間は頂部に小孔を有するスキマー26で隔てられ、第1中間真空室22と第2中間真空室23とにはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へ輸送するためのイオンガイド25、27が設置されている。本実施例では、イオンガイド25は、イオン光軸Cに沿って配列された複数の電極板を1本の仮想的なロッド電極とし、イオン光軸Cの周囲に複数本(例えば4本)の仮想的ロッド電極を配置した構成である。また、イオンガイド27は、イオン光軸Cの方向に延伸するロッド電極をイオン光軸Cの周囲に複数本(例えば8本)配置した構成である。分析室24内部には、イオンを質量電荷比m/zに応じて分離する四重極マスフィルタ28と該四重極マスフィルタ28を通り抜けたイオンを検出する検出器29が設置されている。この検出器29による検出信号はデータ処理部4に入力される。
分析制御部3は中央制御部5からの指示を受けて、測定を実行する際に、DARTイオン化ユニット1及び質量分析部2の各部の動作を制御する。データ処理部4は検出器29で得られた検出信号をデジタル化したデータを処理するものであり、特徴的な機能ブロックとして、データ収集部41、マススペクトル作成部42、信号変動グラフ作成部43、特定物質含有判定部44、スペクトルライブラリ48などを含む。特定物質含有判定部44は、類似度判定部45、強度比判定部46、信号変動判定部47を含む。中央制御部5はユーザインターフェイスやシステム全体の統括的な制御を担うものであり、分析者により操作される入力部6及び表示部7が接続されている。
なお、一般に、データ処理部4及び中央制御部5は、パーソナルコンピュータやより高度なワークステーションをハードウエア資源とし、該コンピュータに予めインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより、それぞれの機能を達成する構成とすることができる。
DART質量分析装置における、試料Sに対する測定動作を概略的に説明する。
DARTイオン化ユニット1において、ガス導入管13を通して放電室10内にヘリウムが供給され、ヘリウムが放電室10内に充満した状態で針電極14に高電圧が印加されると、針電極14と接地電位である隔壁15との間で放電が生じる。この放電によって、基底一重項分子ヘリウムガス(11S)は、ヘリウムイオン、電子、及び励起された励起三重項分子ヘリウム(23S)の混合物に変化する。この混合物は次の反応室11に入るが、反応室11の隔壁15、16にそれぞれ印加されている電圧により生成される電場の作用により、電荷を有するヘリウムイオンと電子とは反応室11で遮断され、電気的に中性である励起三重項分子ヘリウムのみが加熱室12へと送り込まれる。
加熱室12において高温に加熱された励起三重項分子ヘリウムが、グリッド電極18を通してノズル17から噴出される。加熱された励起三重項分子ヘリウムは大気中の水分子をペニングイオン化する。これにより生成された水分子イオンは励起状態にある。また励起三重項分子ヘリウムを含むガスは高温であるため、このガスがノズル17の前方に置かれた試料Sに吹き掛けられると、該試料S中の成分分子は気化する。気化により発生した成分分子に励起状態の水分子イオンが作用すると、反応を生じて該成分分子をイオン化する。このようにしてDARTイオン化ユニット1では、固体状や液体状の試料Sをそのまま、つまり、その場に置いた状態でイオン化することができる。
生成されたイオンは、大気圧と第1中間真空室22内のガス圧との圧力差によってイオン導入管21に吸い込まれ該中間真空室22へと送られる。このイオンはイオンガイド25で収束されてスキマー26頂部の小孔を経て第2中間真空室23へと送られ、さらにイオンガイド27で収束され分析室24へ送られる。四重極マスフィルタ28を構成する4本のロッド電極には所定の電圧が印加され、その電圧に対応した質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ28を通り抜けて検出器29に入射する。検出器29は入射したイオンの量に応じた検出信号を出力する。したがって、例えば、四重極マスフィルタ28を構成する4本のロッド電極に印加する電圧を所定範囲で走査すると、四重極マスフィルタ28を通過し得るイオンの質量電荷比が所定の質量電荷比範囲で走査される。データ処理部4では、このときに順次得られる検出信号に基づき、所定の質量電荷比範囲に亘るイオンの信号強度を示すマススペクトルを作成することができる。
データ処理部4においてデータ収集部41は、測定開始の指示時点からデータの収集を開始し、図1に示すように試料Sが所定の測定位置に所定時間挿入され、それが取り除かれたあとの測定終了の指示時点までデータの収集を継続する。したがって、検出器29で得られる質量電荷比に依らない全イオン電流(TIC=Total Ion Current)信号は、図2に示すように、時間経過とともに変化する。図2中で、A期間は未だ試料Sが測定位置に挿入されていない期間、B期間は試料Sの少なくとも一部が測定位置に挿入されている期間、C期間は試料Sが測定位置から取り除かれたあとの期間である。
次に、本実施例の定性分析システムにおいて、試料中の特定物質の有無を判定する定性のためのデータ処理を、図3のフローチャートに従って説明する。ここでは、特定物質が臭素系難燃剤であるDecaBDE(デカブロモジフェニルエーテル)であるものとする。DecaBDEはPBDE製剤としてRoHS指令の下で規制された物質であり、該物質を構造が類似した他の臭素系難燃剤と的確に識別してその存在を判定することは重要である。この特定物質の名称(又は該物質を特定するIDなどの情報)は分析者により入力部6から予め指示される。
上述したように、分析制御部3の制御の下で試料Sに対する測定がDART質量分析装置により実施される。データ収集部41は測定データ(測定時点毎に得られるマススペクトルデータ)を収集し格納する(ステップS1)。信号変動グラフ作成部43は収集されたデータに基づいて、図2に示したような、TIC信号の時間的変化を示すグラフ(以下「TICグラフ」と称す)を作成する。特定物質含有判定部44の信号変動判定部47は、TICグラフ上でピークを検出し、そのピークの幅やピーク強度値に基づいて試料導入が適切であったか否かを判定する(ステップS2)。何らかの不具合や作業ミスなどのために、測定開始時点から測定終了時点までの間に試料Sが測定位置にセットされない場合、TICグラフ上にはピークが現れない。そこで、TICグラフを利用して試料の導入の適切性を判断することができる。適切に試料が導入されていないと判定された場合にはステップS3からS11へと進み、試料導入エラーであると判定する。
一方、適切に試料が導入されていると判定された場合にはステップS3からS4へと進み、マススペクトル作成部42は測定データに基づき、試料中の未知の目的物質に対応するマススペクトルを作成する。ここでは例えば、上述したTICグラフ又は特定物質に対応して予め指定された質量電荷比におけるイオン電流信号(検出信号)の時間的変動を示すグラフ(以下「特定m/zグラフ」と称す)においてピークトップが現れる時間におけるマススペクトルを作成すればよい。そして類似度判定部45は所定のアルゴリズムに従って、目的物質に対する実測マススペクトル上のピークパターン(複数のピークの質量電荷比値及び信号強度)とスペクトルライブラリ48から読み出した特定物質に対応するマススペクトルのピークパターンとの類似度(%値)を算出する(ステップS4)。
さらに類似度判定部45は算出された類似度が80%以上であるか否かを判定する(ステップS5)。類似度が80%以上であればステップS10へ進み、目的物質は特定物質である可能性が高い、つまりは試料に特定物質が含まれている、と判断する。一方、ステップS5で類似度が80%以上でないと判定されると次に、その類似度が60%未満であるか否かを判定する(ステップS6)。類似度が60%未満であると判定されると、ステップS9へ進み、目的物質は特定物質でない可能性が高い、つまりは試料には特定物質が含まれない、と判断する。
ステップS6でNoと判定された場合、即ち、類似度が60%以上80%未満であるときには、類似度のみから適切な定性の判断を下すのは困難であるし誤判定も生じ易い。そこで、類似度とは異なる指標として、強度比判定部46は目的物質に対する実測マススペクトルにおいて、特定の二つの質量電荷比における信号強度値を抽出し、その強度値の比を計算する(ステップS7)。そして、その強度比が特定物質について予め定められている基準値を超えているか否か(又は基準値以上の所定範囲内であるか否か)を判定する(ステップS8)。
ここで、こうした指標を用いた評価が適切である理由を説明する。図4はDecaBDEの典型的なマススペクトルである。図4から、DecaBDEのマススペクトルでは、m/z=892.4を基点とし2Da間隔で特徴的なピークが出現していることが分かる。これに対し、他の臭素系難燃剤(例えばエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)など)では、同じように2Da間隔でピークが現れるものの、ピーク出現の基点となる質量電荷比はDecaBDEにおけるピーク出現位置のいずれとも相違する。そこで、大きな強度を示すピークのピークトップに対応するm/z=898.4とそれから1Daだけ離れたm/z=897.4との二つの質量電荷比における信号強度の比を求めると、DecaBDEではその強度比は或る程度大きくなるが、他の臭素系難燃剤ではその強度比は小さい。したがって、その強度比が予め実験的に求めておいた基準値を超えるか否かによって、実測した目的物質が特定物質であるDecaBDEであるか或いは他の臭素系難燃剤であるかを識別することができる。
こうしたことから、本実施例では、強度比判定部46は、実測マススペクトル上のm/z=898.4及びm/z=897.4における信号強度値を抽出してその強度比を計算し、その強度比が所定の基準値を超えるか否かを判定する。強度比が基準値を超える場合には、目的物質は特定物質である可能性が高いから上述したステップS10へ進む。一方、強度比が基準値を下回る場合には、目的物質が特定物質である可能性は低いから上述したステップS9へ進む。そうして、ステップS9〜S11のいずれかで判定結果が定まったならば、中央制御部5を通して判定結果を表示部7の画面上に出力する(ステップS12)。
以上のようにして、本実施例の定性分析システムでは、マススペクトルのピークパターンの類似度とマススペクトル上の二つの質量電荷比における信号強度の比という二つの指標値を利用して、従来よりも正確に試料中の目的物質が特定物質であるか否かを判定することができる。もちろん、目的物質の候補である特定物質を複数決めておき、目的物質とその各特定物質とについてそれぞれ上述したようなデータ処理を行うことにより、目的物質がいずれの特定物質であるのか決める、つまりは目的物質を同定することもできる。
上記実施例では、DecaBDEのマススペクトルにおいて2Da間隔で大きなピークが現れるということを利用して強度比を計算する二つの質量電荷比を決めていたが、その二つの質量電荷比は、目的物質のマススペクトルと該物質と識別したい他の物質のマススペクトルの特徴に応じて決めればよいことは明らかである。したがって、上記質量電荷比の値やその差などはあくまでも一例であり、物質によって相違することは当然である。
また、上記実施例では、一つの指標値である類似度で判断が難しい場合に、別の指標値である強度比を利用していたが、物質の種類によっては、類似度のみで判断したほうがよい場合や、強度比のみで判断したほうがよい場合があり得る。そこで、特定物質含有判定部44において判定に使用する指標値を分析者が予め入力部6から指定できるようにしてもよい。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例である定性分析システムについて説明する。基本的なシステム構成は第1実施例と同じであるので、構成の説明は省略し、以下の説明では構成図として図1を参照する。図6はこの第2実施例の定性分析システムにおいて、試料中の特定物質の有無を判定するデータ処理のフローチャートである。ここでは、特定物質はフタル酸エステルである。フタル酸エステルは工業用の可塑剤として一般に用いられているが、その安全性の観点からRoHS指令の下で規制物質となっている。そのため、フタル酸エステルが試料中に含まれているか否かの判定は重要であるものの、フタル酸エステルは周辺環境に広く存在しているため、マススペクトルのピークパターンの類似度を用いても適切に判定することが困難である。この特定物質の名称等は分析者により入力部6から予め指示される。
ステップS21〜S23の処理は第1実施例におけるステップS1〜S3の処理と同じである。即ち、試料Sに対する測定がDART質量分析装置により実施され、測定データがデータ収集部41に格納される(ステップS21)。信号変動グラフ作成部43は収集されたデータに基づいてTICグラフを作成し、信号変動判定部47は、そのTICグラフ上でのピーク検出結果に基づいて試料導入が適切であるか否かを判定する(ステップS22、S23)。適切に試料が導入されていないと判定された場合にはステップS23からS28へと進み、試料導入エラーであると判定する。
一方、適切に試料が導入されていると判定された場合、信号変動グラフ作成部43は、収集されたデータに基づき、特定物質に対応する特定の質量電荷比における特定m/zグラフを作成する。これは、LC−MS等でのマスクロマトグラムに相当するグラフである。図5はフタル酸エステルDEHP由来イオンの実測の特定m/zグラフである。このように、フタル酸エステルが含まれている場合には、特定m/zグラフに明確なピークが現れる。そこで、その特定m/zグラフにおいて、試料導入前の期間中の一定期間(図5中のT1)における信号強度の積算値と、試料が導入されている期間中の一定期間(図5中のT2)における信号強度の積算値とを算出し、その積算値の比を計算する。そして、その積算値の比を予め定めた閾値と比較し、閾値を超えている場合にピークが存在すると判断する(ステップS24、S25)。
ピークが存在すると判定された場合には特定物質が試料に含まれると判定し(ステップS26)、ピークが存在しないと判定された場合には特定物質が試料に含まれないと判定する(ステップS27)。そうして、ステップS26〜S28のいずれかで判定結果が定まったならば、中央制御部5を通して判定結果を表示部7の画面上に出力する(ステップS29)。
このようにして第2実施例の定性分析システムでは、マススペクトルのピークパターンの類似度を用いては有無を判定できない物質についても、適切にその有無を判定することができる。
なお、上記第1、第2実施例では質量分析装置としてDART質量分析装置を用いていたが、質量分析装置の形態はこれに限らない。また、シングルタイプの質量分析装置ではなく、タンデム四重極型質量分析装置、Q−TOF型質量分析装置、TOF/TOF型質量分析装置などのMS/MS分析が可能である質量分析装置や、さらには、イオントラップ質量分析装置、イオントラップTOF型質量分析装置などのMSn分析が可能である質量分析装置を利用した定性分析にも本発明は利用可能である。
さらにまた、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正、変更、追加などを行っても本願請求の範囲に包含されることも当然である。
1…DARTイオン化ユニット
10…放電室
11…反応室
12…加熱室
13…ガス導入管
14…針電極
15…隔壁
17…ノズル
18…グリッド電極
2…質量分析部
21…イオン導入管
21a…入口開口
22…第1中間真空室
23…第2中間真空室
24…分析室
25、27…イオンガイド
26…スキマー
28…四重極マスフィルタ
29…検出器
3…分析制御部
4…データ処理部
41…データ収集部
42…マススペクトル作成部
43…信号変動グラフ作成部
44…特定物質含有判定部
45…類似度判定部
46…強度比判定部
47…信号変動判定部
5…中央制御部
6…入力部
7…表示部
C…イオン光軸
S…試料
上記課題を解決するためになされた本発明は、試料について質量分析を行うことにより得られたデータを利用して該試料に含まれる物質を定性する定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
a)試料から得られたデータに基づいて該試料中の目的物質に対応するマススペクトルを作成するスペクトル作成部と、
b)前記スペクトル作成部で作成された前記目的物質に対応するマススペクトルにおいて、特定の物質に対して予め定められている二つ質量電荷比における信号強度値をそれぞれ求め、その信号強度値の比又は差を指標値として算出する指標値算出部と、
c)前記目的物質に対応するマススペクトルと前記特定の物質に対応するマススペクトルとのピークパターンの類似性を第2の指標値として算出する類似性指標値算出部と、
d)前記類似性指標値算出部で算出された第2の指標値が所定の範囲である場合に、前記指標値算出部により算出された指標値を所定の基準値又は基準値範囲と比較することによって、前記目的物質が前記特定の物質である可能性を評価する指標値評価部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る質量分析データ処理装置では、試料中に存在するか否かを確認したい物質(特定の物質)の種類に応じて、その物質のマススペクトルに現れるピークの特徴から、信号強度値を求めるための二つ質量電荷比が予め決められる。後述するように特定の物質が臭素系難燃剤の一つであるDecaBDE(デカブロモジフェニルエーテル)である場合には、そのマススペクトルに現れるピークの特徴から、m/z=898.4及びm/z=897.4を二つの質量電荷比とすればよい。試料中の目的物質がDecaBDEである場合、そのマススペクトル上では、m/z=898.4に大きなピークが現れ、m/z=897.4はピークの谷間になって信号強度は小さい。そのため、指標値算出部により算出される指標値は或る程度大きな値となる
そこで本発明において類似性指標値算出部は、前記目的物質に対応するマススペクトルと前記特定の物質に対応するマススペクトルとのピークパターンの類似性を第2の指標値として算出する。そして、指標値評価部は類似性指標値算出部で算出された第2の指標値が所定の範囲である場合に、前記指標値算出部により算出された指標値を所定の基準値又は基準値範囲と比較することで、その目的物質が前記特定の物質である可能性を評価する。
具体的には例えば、第2の指標値が極端に高い場合や極端に低い場合には、該第2の指標値に基づいて目的物質が特定の物質であるか否かを判定し、第2の指標値がその両者の中間付近であってそれのみでは判断が困難である場合に、上記指標値を用いて目的物質が特定の物質であるか否かを判定する。一般に、目的物質が特定の物質と化学構造が類似している別の物質であるとき、マススペクトルのピークパターンの類似度は極端に高くも低くもない値になることが多い。本発明によれば、そうした場合に、二つの質量電荷比における信号強度の比という新たな指標値を導入することで、定性の精度を向上させることができる。
また本発明において、前記指標値評価部は、前記類似性指標値算出部で算出された第2の指標値が前記所定の範囲よりも大きい場合に、該第2の指標値を用いて前記目的物質が該特定の物質である可能性を評価するとよい。
そこで、本発明に係る質量分析データ処理装置では、
前記指標値評価部において目的物質が特定の物質である可能性を評価する際の条件として、使用する指標値を分析者が選択可能である条件指定部をさらに備える構成とするとよい。
そこで、本発明に係る質量分析データ処理装置では、さらに好ましくは、
質量分析を繰り返し行うことによって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示すグラフを作成するグラフ作成部と、
前記グラフに基づいて試料が確実に質量分析に供されたことを判定する試料導入判定部と、をさらに備え、
前記指標値評価部は、前記指標値又は該指標値及び前記第2の指標値に拘わらず、前記試料導入判定部により試料が質量分析に供されていないと判定された場合にはその判定結果を評価結果とする構成とするとよい。
上記課題を解決するためになされた、上記発明とは異なる態様による質量分析データ処理装置は、所定位置にセットされた試料又は所定のタイミングで導入された試料について質量分析を行うことにより得られたデータを利用して該試料に含まれる物質を定性する定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
a)試料が所定位置にセットされる以前又は試料が導入される以前の所定の時点から質量分析を繰り返し行うことによって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示す第1のグラフを作成する第1グラフ作成部と、
b)前記データに基づいて、特定の物質を特徴付ける質量電荷比における信号強度の時間的な変動を示す第2のグラフを作成する第2グラフ作成部と、
c)試料が確実に質量分析に供されたことを前記第1のグラフに基づいて判定するとともに、前記試料中に前記特定の物質が含まれているか否かを前記第2のグラフに基づいて判定する特定物質含有判定部と、
を備えることを特徴としている。
上述したように、試料に特定の物質が含まれているか否かに拘わらず、試料が測定位置に適切にセットされ該試料が質量分析に供されれば、或いは、試料が所定のタイミングで質量分析装置に導入されて質量分析が実行されれば、そのときに何らかの物質由来の検出信号が現れる筈である。そこで、この態様による質量分析データ処理装置では、第1グラフ作成部は、試料が測定位置にセットされる前又は試料が導入される前の時点から繰り返し実行された質量分析によって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示すグラフを作成する。一方、第2グラフ作成部は、同じデータに基づいて、特定の物質を特徴付ける質量電荷比における信号強度の時間的な変動を示す第2のグラフを作成する。第1のグラフはLC−MS等におけるトータルイオンクロマトグラムに相当するグラフであり、第2のグラフはマスクロマトグラムに相当するグラフである。
本発明に係る定性分析のための質量分析データ処理装置によれば、マススペクトルのピークパターンの類似度のみからでは正確な定性が困難である場合であっても、それとは異なる指標値を用いる又は併用することで、より高い精度で以て、試料中に特定の物質が含まれているか否か、試料中の未知の目的物質が特定の物質であるか否か、或いは、試料中の未知の目的物質が複数の特定物質のうちのいずれであるのか、等を判定し、その結果を分析者に提示することができる。
[第2実施例]
次に、本発明には包含されない関連発明の一実施例である第2実施例による定性分析システムについて説明する。基本的なシステム構成は第1実施例と同じであるので、構成の説明は省略し、以下の説明では構成図として図1を参照する。図6はこの第2実施例の定性分析システムにおいて、試料中の特定物質の有無を判定するデータ処理のフローチャートである。ここでは、特定物質はフタル酸エステルである。フタル酸エステルは工業用の可塑剤として一般に用いられているが、その安全性の観点からRoHS指令の下で規制物質となっている。そのため、フタル酸エステルが試料中に含まれているか否かの判定は重要であるものの、フタル酸エステルは周辺環境に広く存在しているため、マススペクトルのピークパターンの類似度を用いても適切に判定することが困難である。この特定物質の名称等は分析者により入力部6から予め指示される。
さらにまた、上記第1実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正、変更、追加などを行っても本願請求の範囲に包含されることも当然である。

Claims (6)

  1. 試料を質量分析することにより得られたデータを利用して該試料に含まれる物質を定性する定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
    a)質量分析によって得られたデータに基づいて試料中の目的物質に対応するマススペクトルを作成するスペクトル作成部と、
    b)前記スペクトル作成部で作成された前記目的物質に対応するマススペクトルにおいて、特定の物質に対して予め定められている二つ質量電荷比における信号強度値をそれぞれ求め、その信号強度値の比又は差を指標値として算出する指標値算出部と、
    c)前記指標値算出部により算出された指標値を所定の基準値又は基準値範囲と比較することによって、前記目的物質が前記特定の物質である可能性を評価する指標値評価部と、
    を備えることを特徴とする定性分析のための質量分析データ処理装置。
  2. 請求項1に記載の定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
    d)前記目的物質に対応するマススペクトルと前記特定の物質に対応するマススペクトルとのピークパターンの類似性を第2の指標値として算出する類似性指標値算出部をさらに備え、
    前記指標値評価部は、前記指標値と前記第2の指標値とを併用して前記目的物質が該特定の物質である可能性を評価することを特徴とする定性分析のための質量分析データ処理装置。
  3. 請求項1に記載の定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
    e)前記指標値評価部において目的物質が特定の物質である可能性を評価する際の条件として、使用する指標値を分析者が選択可能である条件指定部をさらに備えることを特徴とする定性分析のための質量分析データ処理装置。
  4. 請求項2に記載の定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
    e)前記指標値評価部において目的物質が特定の物質である可能性を評価する際の条件として、使用する指標値を分析者が選択可能である条件指定部をさらに備えることを特徴とする定性分析のための質量分析データ処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
    f)質量分析を繰り返し行うことによって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示すグラフを作成するグラフ作成部と、
    g)前記グラフに基づいて試料が確実に質量分析に供されたことを判定する試料導入判定部と、
    をさらに備え、前記指標値評価部は、前記指標値又は該指標値及び前記第2の指標値に拘わらず、前記試料導入判定部により試料が質量分析に供されていないと判定された場合にはその判定結果を評価結果とすることを特徴とする定性分析のための質量分析データ処理装置。
  6. 所定位置にセットされた試料又は所定のタイミングで導入された試料について質量分析を行うことにより得られたデータを利用して該試料に含まれる物質を定性する定性分析のための質量分析データ処理装置であって、
    a)試料が所定位置にセットされる以前又は試料が導入される以前の所定の時点から質量分析を繰り返し行うことによって得られたデータに基づいて、全質量電荷比範囲又は所定の質量電荷比範囲に亘る信号強度の時間的な変動を示す第1のグラフを作成する第1グラフ作成部と、
    b)前記データに基づいて、特定の物質を特徴付ける質量電荷比における信号強度の時間的な変動を示す第2のグラフを作成する第2グラフ作成部と、
    c)試料が確実に質量分析に供されたことを前記第1のグラフに基づいて判定するとともに、前記試料中に前記特定の物質が含まれているか否かを前記第2のグラフに基づいて判定する特定物質含有判定部と、
    を備えることを特徴とする定性分析のための質量分析データ処理装置。
JP2017541207A 2015-09-25 2015-09-25 定性分析のための質量分析データ処理装置 Active JP6460252B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2015/077047 WO2017051468A1 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 定性分析のための質量分析データ処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017051468A1 true JPWO2017051468A1 (ja) 2018-03-08
JP6460252B2 JP6460252B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=58385926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017541207A Active JP6460252B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 定性分析のための質量分析データ処理装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11112391B2 (ja)
JP (1) JP6460252B2 (ja)
CN (1) CN108139356A (ja)
WO (1) WO2017051468A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108287200B (zh) * 2017-04-24 2020-12-18 麦特绘谱生物科技(上海)有限公司 质谱参照数据库的建立方法及基于其的物质分析方法
TWI770189B (zh) * 2017-07-21 2022-07-11 日商日立高新技術科學股份有限公司 質量分析裝置以及質量分析方法
WO2019202776A1 (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 株式会社島津製作所 吸光度検出器及び液体クロマトグラフ
US20220051885A1 (en) * 2018-09-28 2022-02-17 Shimadzu Corporation Method for evaluating mass spectrometry device, method for calibrating mass spectrometry device, analysis method, mass spectrometry device, and mass spectrometry reagent
JP7103144B2 (ja) * 2018-10-12 2022-07-20 株式会社島津製作所 自動分析装置
JP7139941B2 (ja) * 2018-12-27 2022-09-21 株式会社島津製作所 電気泳動分離データの解析装置
WO2021095144A1 (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 株式会社島津製作所 分析方法、分析装置およびプログラム
JP2022178382A (ja) * 2021-05-20 2022-12-02 株式会社島津製作所 臭素系難燃化合物の定量装置
CN113655111A (zh) * 2021-08-17 2021-11-16 北京雪迪龙科技股份有限公司 基于走航监测的大气挥发性有机物溯源方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011033346A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Shimadzu Corp クロマトグラフ質量分析データ解析方法及び装置
JP2011242255A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Shimadzu Corp クロマトグラフ質量分析用データ処理装置
JP2013064730A (ja) * 2011-09-02 2013-04-11 Shiseido Co Ltd 解析装置、解析方法、プログラム
JP2013200219A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Jeol Ltd 質量分析装置のデータ記録装置
JP2013213764A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Shimadzu Corp 質量分析装置
WO2015102053A1 (ja) * 2014-01-06 2015-07-09 株式会社島津製作所 質量分析装置
WO2015132901A1 (ja) * 2014-03-05 2015-09-11 株式会社島津製作所 質量分析方法及び質量分析装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5742525A (en) * 1995-01-10 1998-04-21 Ye; Yuancai Method for eliminating the fluctuation and drift of spectral line intensities
CN102971826B (zh) * 2010-06-24 2015-07-22 株式会社岛津制作所 大气压电离质谱仪
EP2479188A1 (en) * 2011-01-24 2012-07-25 National University of Ireland, Galway Endo Tv, a novel high-mannose-specific endo-ß-N-acetylglucosaminidase from trichoderma viride
CN102323363A (zh) * 2011-06-13 2012-01-18 中国科学院计算机网络信息中心 化合物的色谱-质谱联用鉴定方法
JP5708289B2 (ja) 2011-06-16 2015-04-30 株式会社島津製作所 質量分析データ表示装置及び質量分析データ表示プログラム
US9582909B2 (en) * 2012-11-15 2017-02-28 Shimadzu Corporation Chromatograph mass spectrometry data processing device
CN104504706A (zh) * 2014-12-26 2015-04-08 天津大学 一种气相色谱质谱谱图匹配方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011033346A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Shimadzu Corp クロマトグラフ質量分析データ解析方法及び装置
JP2011242255A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Shimadzu Corp クロマトグラフ質量分析用データ処理装置
JP2013064730A (ja) * 2011-09-02 2013-04-11 Shiseido Co Ltd 解析装置、解析方法、プログラム
US20140183353A1 (en) * 2011-09-02 2014-07-03 SHISEIDO COMPANY, LTD., Tokyo, Japan and Bio Chromato, Inc., Analysis device, analysis method, and storage medium
JP2013200219A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Jeol Ltd 質量分析装置のデータ記録装置
JP2013213764A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Shimadzu Corp 質量分析装置
WO2015102053A1 (ja) * 2014-01-06 2015-07-09 株式会社島津製作所 質量分析装置
WO2015132901A1 (ja) * 2014-03-05 2015-09-11 株式会社島津製作所 質量分析方法及び質量分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017051468A1 (ja) 2017-03-30
CN108139356A (zh) 2018-06-08
US11112391B2 (en) 2021-09-07
JP6460252B2 (ja) 2019-01-30
US20190011410A1 (en) 2019-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6460252B2 (ja) 定性分析のための質量分析データ処理装置
US10381207B2 (en) Data processing system for chromatographic mass spectrometry
US9869662B2 (en) Chromatograph/mass spectrometer data processing device
JP6176334B2 (ja) 質量分析方法、質量分析装置、及び質量分析データ処理プログラム
JP7173293B2 (ja) クロマトグラフ質量分析装置
JP6737396B2 (ja) 質量分析装置及びクロマトグラフ質量分析装置
JP2001249114A (ja) 質量分析方法および装置
JP4758862B2 (ja) 質量分析方法及び装置
WO2018163926A1 (ja) タンデム型質量分析装置及び該装置用プログラム
JP6149947B2 (ja) 質量分析装置
JP6288313B2 (ja) 質量分析方法、クロマトグラフ質量分析装置、及び質量分析用プログラム
JP6303896B2 (ja) 質量分析データ処理装置及び質量分析データ処理方法
JP5786703B2 (ja) クロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置
JP7411806B2 (ja) 質量分析方法及び質量分析装置
JP2016031323A5 (ja)
JP7359302B2 (ja) クロマトグラフ質量分析データ処理方法、クロマトグラフ質量分析装置、及びクロマトグラフ質量分析データ処理用プログラム
JP7070692B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP4921302B2 (ja) 質量分析システム
WO2017149632A1 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP7380866B2 (ja) クロマトグラフ質量分析データ処理方法、クロマトグラフ質量分析装置、及びクロマトグラフ質量分析データ処理用プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171114

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6460252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151