JP2013213764A - 質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 m/zのマスクロマトグラムにおけるピークを確実に検出することができる質量分析装置の提供。
【解決手段】 マスクロマトグラム及びトータルイオンクロマトグラムを作成する制御部30を備える質量分析装置1であって、制御部30は、トータルイオンクロマトグラムを用いて、検出強度の最大値からピークを探索して、検出強度の変化の傾斜量からピークの開始時間及び終了時間を探索することにより、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を決定する決定部31bと、マスクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間と同一とすることにより、マスクロマトグラムにおけるピークを検出する検出部31dとを有することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、質量分析装置に関し、さらに詳しくは、血液に含有される代謝物などの特定の成分を分析する質量分析装置に関する。
現在、診断する病気の種類によっては、健常者と罹患者とを比較すると、血液中の特定の成分の含有量が極端に異なる場合のあることがわかっている。よって、血液中の特定の成分の含有量を調べることで、病気の診断が行われている。また、このような病気の診断方法では、多数の被検者から採取されたサンプルを分析する必要がある。そのため、作業負担が大きくならないように、一次検査としてスクリーニング検査が行われている。
そこで、スクリーニング検査として血液中の代謝物を質量分析する質量分析法が重要視されている。質量分析法を用いた装置として、大気圧下で試料分子のイオンを生成し、得られたイオンを真空中に取り込んで分析する大気圧イオン化質量分析装置がある。さらに、大気圧イオン化質量分析装置では、サンプル溶液を送液しながら分析する試料導入方法として、フローインジェクション法が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。フローインジェクション法は、カラムによる成分の分離を行わずに分析を行うため、短時間でサンプルを分析することができる。そのため、大量のサンプルを分析する必要があるスクリーニング検査で利用されている。
図8は、フローインジェクション法を用いた大気圧イオン化質量分析装置の一例を示す概略構成図である。大気圧イオン化質量分析装置101は、MS10とコンピュータ(制御部)130とを備える。MS10では、イオン化室11と、イオン化室11に隣接する第一中間室12と、第一中間室12に隣接する第二中間室13と、第二中間室13に隣接する質量分析室14とがそれぞれ隔壁を介して連続的に設けられている。質量分析室14内には、第一質量分析部16と、コリジョンセル26と、第二質量分析部17と、検出器18とが配置されている。また、コリジョンセル26には、イオンの開裂のためのアルゴンガス等の不活性ガスが導入される。
このような大気圧イオン化質量分析装置101では、サンプル溶液と窒素ガス(ネブライズガス)とが、スプレー(プローブ)15によってイオン化室11内に噴霧されるようになっている。図9(a)は、スプレーの側面図であり、図9(b)は、図9(a)に示すAの拡大断面図である。
スプレー15は、二重管構造になっており、サンプル溶液は円管159の内側から噴出される。一方、窒素ガスは円管159と円管形状のノズル152との間から噴射される。このようにすることにより、噴出されたサンプル溶液は、円管159の周囲に噴射される窒素ガスとの衝突作用により霧状態となって噴霧される。また、ノズル152の先端に電圧源(図示せず)から数kVの高電圧が印加されるように配線(図示せず)が接続されており、イオン化が行われるようになっている。
これにより、スプレー15から順次流出するサンプル溶液は、イオン化されていくことになる。その結果、イオン化室11内で生成されたイオンは、脱溶媒管19、第一中間室12内の第一イオンレンズ21、スキマー22、第二中間室13内のオクタポール23及びフォーカスレンズ24、入口レンズ25を順に経て質量分析室14に送られる。質量分析室14に送られたイオンは、第一質量分析部16内の四重極により不要イオンが排出され、コリジョンセル26内でイオンが壊され、さらに第二質量分析部17内の四重極により不要イオンが排出された後、検出器18に到達した特定の質量m/電荷zのイオンのみが検出される。
このとき、直流電圧と高周波電圧とを重畳した電圧が印加された第一質量分析部16や第二質量分析部17内の四重極では、印加電圧に応じたm/zのイオンのみが選択的に通過するので、第一質量分析部16を通過させるプリカーサイオンと、第二質量分析部17を通過させるプロダクトイオンを選択しておき、選択されたm/zのイオンのみが通過するように電圧を印加する。測定対象の成分に対応するプリカーサイオンとプロダクトイオンを選択すれば、プロダクトイオンに対応するm/zのイオンが第一質量分析部16を通過し、コリジョンセル26内で解離された後、対応するプロダクトイオンが第二質量分析部17を通過し検出器18に到達することになる。四重極を通過するイオンのm/zは印加電圧に依存するので、印加電圧を走査することにより、着目する複数種類のm/zのイオンについてのイオン強度信号を検出器18で取得する。そして、検出器18で取得された情報(イオン強度信号)は、コンピュータ130に出力される。
コンピュータ130は、CPU131を備え、さらにメモリ132と、入力装置であるキーボード33aやマウス33bと、モニタ画面34a等を有する表示装置34とが連結されている。検出器18では、サンプルが各イオンに開裂されて、m/z毎にイオン強度が検出されることになる。この測定を短い時間間隔で繰り返すことにより、横軸をm/z、縦軸を検出強度とするマススペクトルが複数作成される。また、複数のm/zのイオンの検出強度の中で或るm/zのイオンの検出強度に着目して、その着目したm/zのイオンの検出強度を時間軸方向に並べることにより、マスクロマトグラムが作成される。さらに、着目する複数のm/zのマスクロマトグラムを積算することでトータルイオンクロマトグラムが作成される。
その結果、スクリーニング検査において、特定の成分に対応する或るm/zのマスクロマトグラムに現れるピークの面積値や検出強度値に基づいて、特定の成分の含有量を算出させることにより、検査員等は、特定の成分の含有量が極端に異なるサンプルを多数のサンプルの中から見つけ出している。
特開平8−005624号公報
しかしながら、上述したような大気圧イオン化質量分析装置101では、適切な分析条件に設定しなければ、血液中の特定の成分の含有量を正確に算出することができないことがあった。また、大気圧イオン化質量分析装置101自体の状態を良好にしていなければ、血液中の特定の成分の含有量を正確に算出することができないこともあった。よって、大気圧イオン化質量分析装置101によるスクリーニング検査において、実際は病気である被検者が罹患者でないと誤って判断されてしまうことがあった。
上記課題を解決するために、本件発明者は、大気圧イオン化質量分析装置101によるスクリーニング検査方法について検討を行った。スクリーニング検査では、多数のサンプルを次から次に分析していくことになる。よって、大気圧イオン化質量分析装置101は汚れていき、大気圧イオン化質量分析装置101自体の状態を良好にしておくことは困難であって、検出強度の減少や時間軸のずれが生じる。そのため、血液中の特定の成分の含有量を正確に算出するには、スクリーニング検査中に適切な分析条件に設定したり、大気圧イオン化質量分析装置101自体の状態を良好にしたりする必要が出てくる。一方、診断する病気の種類によっては、健常者と患者とを比較すると、血液中の特定の成分の含有量が極端に異なる。
そこで、血液中の特定の成分の含有量を正確に算出するには、適切な分析条件に設定したり、大気圧イオン化質量分析装置101自体の状態を良好にしたりする必要があるため、血液中の特定の成分の含有量を算出するだけではなく、検査員等が特定の成分の含有量が極端に異なるサンプルを見つけ出しやすいように、各サンプルに関するトータルイオンクロマトグラムを一致させた後、複数のサンプルに関するm/zのマスクロマトグラムを表示させることにした。
また、m/zのマスクロマトグラムを用いて、検出強度の最大値からピークを探索して、検出強度の変化の傾斜量からピークの開始時間及び終了時間を探索することにより、m/zのマスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値とピークの開始時間及び終了時間とを決定する際に、血液中のm/zのイオンの含有量が少ないため、ピークを検出できないことがあった。
そこで、フローインジェクション法を用いてサンプルを導入し、トータルイオンクロマトグラムを用いて、m/zのマスクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間と同一とすることにより、m/zのマスクロマトグラムにおけるピークを検出することにした。
すなわち、本発明の質量分析装置は、フローインジェクション法を用いて導入された試料をイオン化するイオン化室と、前記イオン化室からイオンが導入される質量分析部と、前記質量分析部で取得された情報に基づいて、m/zのイオンの検出強度と時間との関係を示すマスクロマトグラム、及び、全てのイオンの検出強度と時間との関係を示すトータルイオンクロマトグラムを作成する制御部とを備える質量分析装置であって、前記制御部は、前記トータルイオンクロマトグラムを用いて、検出強度の最大値からピークを探索して、検出強度の変化の傾斜量からピークの開始時間及び終了時間を探索することにより、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を決定する決定部と、前記マスクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間と同一とすることにより、前記マスクロマトグラムにおけるピークを検出する検出部とを有するようにしている。
以上のように、本発明の質量分析装置によれば、血液中の測定対象成分に対応する1つ1つのm/zのイオンの含有量が少なくても、測定対象成分に対応する全てのイオンの含有量は多いため、トータルイオンクロマトグラムを用いることで、m/zのマスクロマトグラムにおけるピークを確実に検出することができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の質量分析装置は、基準試料が分析された際に得られた基準トータルイオンクロマトグラム及びm/zの基準マスクロマトグラムを記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間が、前記基準トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間と同一となるように変換するための時間補正値を算出するとともに、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値が、前記基準トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値と同一となるように変換するための検出強度補正値を算出する算出部と、前記マスクロマトグラムにおけるm/zのイオンの検出強度と時間との関係を、前記時間補正値及び検出強度補正値を用いて補正することにより、m/zのイオンの検出強度と時間との関係を示す補正マスクロマトグラムを作成する補正部と、前記補正マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値と、前記基準マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値とを比較するための比較部とを有するようにしてもよい。
ここで、「基準試料」とは、健常者から採取されたサンプルであってもよく、スクリーニング検査を行う際における一番目のサンプルであってもよい。
本発明の質量分析装置によれば、血液中の特定の成分の含有量を算出するだけではなく、基準試料に関する基準トータルイオンクロマトグラムと試料に関するトータルイオンクロマトグラムとを一致させた後、基準試料に関するm/zの基準マスクロマトグラムと試料に関するm/zの補正マスクロマトグラムとを比較するので、検査員等は特定の成分の含有量が異なるか否かを容易に判断することができる。
そして、本発明の質量分析装置は、前記比較部は、前記補正マスクロマトグラム及び基準マスクロマトグラムを表示するようにしてもよい。
さらに、本発明の質量分析装置は、前記記憶部は、最大値差閾値を記憶し、前記比較部は、前記補正マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値と、前記基準マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値との差が、前記最大値差閾値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
ここで、「最大値差閾値」とは、血液中の特定の成分の含有量が健常者でないと判定するための数値であり、検査員等によって予め決められた任意の数値となる。
本発明に係るフローインジェクション法を用いた大気圧イオン化質量分析装置の一例を示す概略構成図。 トータルイオンクロマトグラムの一例。 トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値とピークの開始時間及び終了時間とを決定する際の説明図。 時間補正値算出の説明図。 検出強度補正値算出の説明図。 マスクロマトグラムが表示された画像の一例を示す図。 スクリーニング検査方法の一例を示すフローチャート。 フローインジェクション法を用いた大気圧イオン化質量分析装置の一例を示す概略構成図。 スプレーの側面図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
図1は、本発明に係るフローインジェクション法を用いた大気圧イオン化質量分析装置の一例を示す概略構成図である。本実施形態の大気圧イオン化質量分析装置1は、たとえば、血液や尿などのような生体由来のサンプルS中の、何らかの疾患に関連がある特定の成分に対応するm/zのイオンの含有量を算出することで、多数の被検者から患者である可能性がある被検者を見つけ出すことなどに利用されるものである。なお、上述した従来の大気圧イオン化質量分析装置と同様のものについては、同じ符号を付している。
大気圧イオン化質量分析装置1は、MS10とコンピュータ(制御部)30とを備える。MS10では、イオン化室11と、イオン化室11に隣接する第一中間室12と、第一中間室12に隣接する第二中間室13と、第二中間室13に隣接する質量分析室14とがそれぞれ隔壁を介して連続的に設けられている。質量分析室14内には、第一質量分析部16と、コリジョンセル26と、第二質量分析部17と、検出器18とが配置されている。
コンピュータ30は、CPU31を備え、さらにメモリ32と、入力装置であるキーボード33aやマウス33bと、モニタ画面34a等を有する表示装置34とが連結されている。CPU31が処理する機能をブロック化して説明すると、トータルイオンクロマトグラム及びマスクロマトグラムを作成する測定部31aと、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値imaxやピークの開始時間t及び終了時間tとを決定する決定部31bと、開始時間補正値Aや終了時間補正値Bや検出強度補正値Cを算出する算出部31cと、マスクロマトグラムにおけるピークを検出する検出部31dと、補正マスクロマトグラムを作成する補正部31eと、補正マスクロマトグラム及び基準マスクロマトグラムを表示する比較部31fとを有する。
また、メモリ32は、基準トータルイオンクロマトグラム及びm/zの基準マスクロマトグラムと最大値差閾値ΔIm/zthとを記憶する基準試料記憶領域32aと、イオン強度信号記憶領域32bとを有する。なお、図2(a)は、基準トータルイオンクロマトグラムの一例である。基準トータルイオンクロマトグラムは、基準試料(サンプル1)Sが分析された際に得られたものであり、そのピークの検出強度の最大値Imax、開始時間T、終了時間Tとなっている。また、m/zの基準マスクロマトグラムは、基準試料(サンプル1)Sが分析された際に得られたものであり、そのピークの検出強度の最大値Im/zmax、開始時間T、終了時間Tとなっている。そして、最大値差閾値ΔIm/zthは、血液(トータルイオンクロマトグラム)中の特定の成分に対応するm/zのイオンの含有量が健常者でないと判定するための数値である。
測定部31aは、検出器18で取得されたイオン強度信号をイオン強度信号記憶領域32bに蓄積させた後、検出強度を縦軸に、m/zを横軸にとることにより、マススペクトルを作成する制御を行う。このとき、一定間隔をあけて間欠的に連続して繰り返し質量走査を行うことにより、スプレー15から順次流出するサンプルの流出時間に対応する多数のマススペクトルを取得していく。その後、測定部31aは、多数のマススペクトルに基づいて、或るm/zに着目して時間軸方向に検出強度を展開して描出することにより、或るm/zのマスクロマトグラムを作成してイオン強度信号記憶領域32bに記憶させる制御を行う。さらに、1つのマススペクトルに現れている複数のイオンの検出強度を積算し、これを時間軸方向に並べることにより、トータルイオンクロマトグラムを作成してイオン強度信号記憶領域32bに記憶させる制御を行う。図2(b)は、サンプルSが分析された際に得られたトータルイオンクロマトグラムの一例である。
決定部31bは、イオン強度信号記憶領域32bに記憶されたトータルイオンクロマトグラムを用いて、検出強度の最大値imaxからピークを探索して、検出強度の最大値imaxの時間から進めていくことで、検出強度の変化の傾斜量が緩やかになったときを、ピークの終了時間tと決定するとともに、検出強度の最大値imaxの時間から戻していくことで、検出強度の変化の傾斜量が緩やかになったときを、ピークの開始時間tと決定する制御を行う。図3は、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値imaxとピークの開始時間t及び終了時間tとを決定する際の説明図である。これにより、図2(b)に示すサンプルSが分析された際に得られたトータルイオンクロマトグラムは、そのピークの検出強度の最大値imax、開始時間t、終了時間tとなる。
算出部31cは、下記式(1)〜式(3)に基づいて、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間t及び終了時間tが、基準トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間T及び終了時間Tと同一となるように変換するための開始時間補正値A及び終了時間補正値Bを算出するとともに、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値imaxが、基準トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値Imaxと同一となるように変換するための検出強度補正値Cを算出する制御を行う。
×A=T・・・(1)
×B=T・・・(2)
max×C=Imax ・・・(3)
なお、図4は、開始時間補正値A及び開始時間補正値Bの算出を説明するための図であり、図5は、検出強度補正値Cの算出を説明するための図である。これにより、サンプルSが分析された際に得られたトータルイオンクロマトグラムと、基準トータルイオンクロマトグラムとは、ほぼ重なり合うことになる。
検出部31dは、或るm/zのマスクロマトグラムにおけるピークの開始時間t及び終了時間tを、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間t及び終了時間tと同一とすることにより、或るm/zのマスクロマトグラムにおけるピークを検出する制御を行う。これにより、着目するm/zのイオンの含有量が少なくても、全てのイオンの含有量は多いため、トータルイオンクロマトグラムを用いることで、m/zのマスクロマトグラムにおけるピークを確実に検出することができる。
補正部31eは、或るm/zのマスクロマトグラムにおけるm/zのイオンの検出強度と時間との関係を、開始時間補正値Aや終了時間補正値Bや検出強度補正値Cを用いて補正することにより、m/zのイオンの検出強度と時間との関係を示す補正マスクロマトグラムを作成する制御を行う。
×A=t’ ・・・(4)
×B=t’ ・・・(5)
m/zmax×C=im/zmax’ ・・・(6)
比較部31fは、或るm/zの補正マスクロマトグラム及び或るm/zの基準マスクロマトグラムを重ねてモニタ画面34aに表示する制御を行う。図6は、或るm/zの補正マスクロマトグラム及び或るm/zの基準マスクロマトグラムが表示された画像の一例である。また、比較部31fは、補正マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値im/zmax’と、基準マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値Imaxとの差が、最大値差閾値ΔIm/zth以上であるか否かを判定することで、最大値差閾値ΔIm/zth以上であれば、該当した補正マスクロマトグラムに対して破線に変化させたり色を変化させたりして画像表示を行う。つまり、基準試料(サンプル1)Sに関する基準トータルイオンクロマトグラムと試料(サンプル2)Sに関するトータルイオンクロマトグラムとを一致させた後、基準試料(サンプル1)Sに関するm/zの基準マスクロマトグラムと試料(サンプル2)Sに関するm/zの補正マスクロマトグラムとが表示されるので、検査員等はm/zのイオンの含有量が極端に異なるか否かを容易に判断することができる。
次に、大気圧イオン化質量分析装置1によるスクリーニング検査方法について説明する。図7は、スクリーニング検査方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、基準試料(サンプル1)Sが分析された際に得られたものとして、基準トータルイオンクロマトグラム及びm/zの基準マスクロマトグラムと最大値差閾値ΔIm/zthとを基準試料記憶領域32aに記憶させる。
次に、ステップS102の処理において、サンプル個数パラメータS=Sとする。
次に、ステップS103の処理において、Sのサンプルがスプレー15によってイオン化室11内に導入される。
次に、ステップS104の処理において、測定部31aは、検出器18で取得されたイオン強度信号に基づいて、Sのサンプルに関するトータルイオンクロマトグラム及びm/zのマスクロマトグラムを作成する。
次に、ステップS105の処理において、決定部31bは、Sのサンプルに関するトータルイオンクロマトグラムを用いて、検出強度の最大値imaxとピークの終了時間tとピークの開始時間tとを決定する。
次に、ステップS106の処理において、算出部31cは、Sのサンプルに関する開始時間補正値A、終了時間補正値B、検出強度補正値Cを算出する。
次に、ステップS107の処理において、検出部31dは、Sのサンプルに関する或るm/zのマスクロマトグラムにおけるピークの開始時間t及び終了時間tを、トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間t及び終了時間tと同一とすることにより、或るm/zのマスクロマトグラムにおけるピークを検出する。
次に、ステップS108の処理において、補正部31eは、開始時間補正値Aや終了時間補正値Bや検出強度補正値Cを用いて補正することにより、Sのサンプルに関するm/zのイオンの検出強度と時間との関係を示す補正マスクロマトグラムを作成する。
次に、ステップS109の処理において、次のサンプルを分析するか否かを判断する。次のサンプルを分析すると判断したときには、ステップS110の処理において、S=Sn+1とした後、ステップS103の処理に戻る。
一方、次のサンプルを分析しないと判断したときには、ステップS111の処理において、比較部31fは、S〜Sのサンプルに関する或るm/zの補正マスクロマトグラム及び或るm/zの基準マスクロマトグラムを重ねてモニタ画面34aに表示する。
そして、ステップS111の処理が終了したときには、本フローチャートを終了させる。
以上のように、大気圧イオン化質量分析装置1によれば、血液中のm/zのイオンの含有量を算出するだけでなく、基準マスクロマトグラムと補正マスクロマトグラムを比較することになる。そのため、大気圧イオン化質量分析装置1自体の状態が良好でなくとも、検査員等は極端に異なるサンプルをS個のサンプルの中から見つけ出することができる。
<他の実施形態>
上述した大気圧イオン化質量分析装置1において、質量分析室14内には、第一質量分析部16とコリジョンセル26と第二質量分析部17と検出器18とが配置されている構成としたが、第一質量分析部と検出器とが配置されているような構成としてもよい。
本発明は、質量分析装置に利用することができる。
11: イオン化室
14: 質量分析部
15: スプレー
30: コンピュータ(制御部)
31b: 決定部
31d: 検出部

Claims (4)

  1. フローインジェクション法を用いて導入された試料をイオン化するイオン化室と、
    前記イオン化室からイオンが導入される質量分析部と、
    前記質量分析部で取得された情報に基づいて、m/zのイオンの検出強度と時間との関係を示すマスクロマトグラム、及び、全てのイオンの検出強度と時間との関係を示すトータルイオンクロマトグラムを作成する制御部とを備える質量分析装置であって、
    前記制御部は、前記トータルイオンクロマトグラムを用いて、検出強度の最大値からピークを探索して、検出強度の変化の傾斜量からピークの開始時間及び終了時間を探索することにより、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を決定する決定部と、
    前記マスクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間を、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間と同一とすることにより、前記マスクロマトグラムにおけるピークを検出する検出部とを有することを特徴とする質量分析装置。
  2. 基準試料が分析された際に得られた基準トータルイオンクロマトグラム及びm/zの基準マスクロマトグラムを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間が、前記基準トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの開始時間及び終了時間と同一となるように変換するための時間補正値を算出するとともに、前記トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値が、前記基準トータルイオンクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値と同一となるように変換するための検出強度補正値を算出する算出部と、
    前記マスクロマトグラムにおけるm/zのイオンの検出強度と時間との関係を、前記時間補正値及び検出強度補正値を用いて補正することにより、m/zのイオンの検出強度と時間との関係を示す補正マスクロマトグラムを作成する補正部と、
    前記補正マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値と、前記基準マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値とを比較するための比較部とを有することを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記比較部は、前記補正マスクロマトグラム及び基準マスクロマトグラムを表示することを特徴とする請求項2に記載の質量分析装置。
  4. 前記記憶部は、最大値差閾値を記憶し、
    前記比較部は、前記補正マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値と、前記基準マスクロマトグラムにおけるピークの検出強度の最大値との差が、前記最大値差閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の質量分析装置。
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