JPWO2017047299A1 - 注射用液剤組成物 - Google Patents

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Abstract

キャンディン系抗真菌化合物及び脂肪酸トリグリセリドを含有する、保管時におけるキャンディン系抗真菌化合物の分解が抑制された注射用液剤組成物を提供する。

Description

本発明は、注射用液剤組成物に関する。
真菌によって引き起こされる真菌症は、患部が皮膚表面又は角質に留まる表在性真菌症と、患部が皮下組織に及ぶ深部表在性真菌症と、患部が体内の臓器等に及ぶ深在性真菌症とに大別される。真菌症の中でも、アスペルギルス症、カンジダ症等の深在性真菌症は、患者数が年々増える傾向にあり、多くの場合に予後不良である。このため、深在性真菌症の治療及び予防は、医療上の重要な課題となっている。
従来、深在性真菌症の治療又は予防には、ポリエン系抗真菌化合物及びアゾール系抗真菌化合物が主に使用されてきたが、近年になり、より安全性の高いキャンディン系抗真菌化合物が開発されている。キャンディン系抗真菌化合物は、環状ヘキサペプチド骨格を有する化合物であり、真菌細胞壁の主要構成成分である1,3−β−D−グルカンの生合成を非競合的に阻害することにより抗真菌活性を示す。
キャンディン系抗真菌化合物は、光、熱、湿度、酸等に対して不安定であることから、キャンディン系抗真菌化合物を安定化する製剤技術が種々提案されている。
例えば、特許第4272359号公報には、キャンディン系抗真菌化合物であるエキノカンジン化合物とフルクトース等の炭水化物とが複合化した結晶複合体、及び賦形剤を含有する薬学的処方物が開示されている。
特許第4755464号公報には、キャンディン系抗真菌化合物であるエキノカンジン化合物、ミセル形成界面活性剤、及びフルクトース、トレハロース等の安定化剤を含有する、凍結乾燥製剤としての薬学的処方物が開示されている。
特許第5723030号公報には、キャンディン系抗真菌化合物であるミカファンギン又はその塩と、安定化剤であるトレハロースとを含有する、凍結乾燥製剤としての薬用組成物が開示されている。
特許第5723031号公報には、キャンディン系抗真菌化合物であるミカファンギン又はその塩と、トレハロース等の安定化剤と、水とを含有する、液体製剤としての薬用組成物が開示されている。
特許第4272359号公報、特許第4755464号公報及び特許第5723030号公報に記載された製剤は、いずれも固形製剤である。このため、点滴により静脈内に投与するためには、固形製剤を生理食塩水等に溶解し、得られた溶解液を輸液に配合する必要がある。
一方、特許第5723031号公報に記載された製剤は、液体製剤であるため、生理食塩水等に溶解する必要がなく、取り扱いが容易である。しかし、本発明者らが確認したところ、特許第5723031号公報に記載された液体製剤としての薬用組成物では、保管時におけるキャンディン系抗真菌化合物の分解を十分に抑制することはできなかった。
本発明の一実施形態は、保管時におけるキャンディン系抗真菌化合物の分解が抑制された注射用液剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
<1> キャンディン系抗真菌化合物及び脂肪酸トリグリセリドを含有する、注射用液剤組成物。
<2> 安定化剤を更に含有する、<1>に記載の注射用液剤組成物。
<3> 安定化剤が、糖を含む、<2>に記載の注射用液剤組成物。
<4> 安定化剤が、二糖を含む、<2>又は<3>に記載の注射用液剤組成物。
<5> 安定化剤が、マルトース及びトレハロースから選ばれる少なくとも1種を含む、<2>〜<4>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<6> 安定化剤の含有量が、キャンディン系抗真菌化合物の含有量の0.6質量倍以上である、<2>〜<5>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<7> 界面活性剤を更に含有する、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<8> 界面活性剤の含有量が、脂肪酸トリグリセリドの含有量の1.0質量倍以上である、<7>に記載の注射用液剤組成物。
<9> 界面活性剤の含有量が、脂肪酸トリグリセリドの含有量の2.0質量倍以上である、<7>又は<8>に記載の注射用液剤組成物。
<10> 界面活性剤が、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレンヒマシ油からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<11> 界面活性剤が、ポリソルベートを含む、<7>〜<10>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<12> 脂肪酸トリグリセリドの含有率が、注射用液剤組成物の全質量に対して10質量%以上である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<13> 脂肪酸トリグリセリドが、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<14> キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が70質量%〜99.4質量%であり、安定化剤の含有率が0.2質量%〜20質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、及び安定化剤の合計の含有率が70.6質量%〜100質量%である、<2>〜<6>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<15> 安定化剤及び界面活性剤を含有し、
キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が22.5質量%〜50質量%であり、安定化剤の含有率が0.2質量%〜20質量%であり、界面活性剤の含有率が45質量%〜75質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、安定化剤、及び界面活性剤の合計の含有率が68.1質量%〜100質量%である、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の注射用液剤組成物。
<16> キャンディン系抗真菌化合物が、ミカファンギン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、<1>〜<15>のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
<17> キャンディン系抗真菌化合物が、ミカファンギン及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>〜<15>のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
本発明の一実施形態によれば、保管時におけるキャンディン系抗真菌化合物の分解が抑制された注射用液剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を適用した注射用液剤組成物の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において注射用液剤組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が注射用液剤組成物中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、注射用液剤組成物中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
<注射用液剤組成物>
本開示の注射用液剤組成物は、キャンディン系抗真菌化合物及び脂肪酸トリグリセリドを含有する。注射用液剤組成物は、例えば、医療現場において輸液(生理食塩水、ブドウ糖注射液、乳酸リンゲル液等)に配合され、この注射用液剤組成物を配合した輸液が点滴により静脈内に投与される。注射用液剤組成物は液剤であるため、輸液に配合する前に生理食塩水等に溶解する必要がなく、取り扱いが容易である。また、注射用液剤組成物は、脂肪酸トリグリセリドを含有することにより、保管時におけるキャンディン系抗真菌化合物の分解が抑制され、保存安定性に優れる。
以下、本開示の注射用液剤組成物が含有し得る成分について、詳細に説明する。
(キャンディン系抗真菌化合物)
本開示の注射用液剤組成物は、キャンディン系抗真菌化合物を含有する。注射用液剤組成物は、キャンディン系抗真菌化合物を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
キャンディン系抗真菌化合物としては、例えば、ミカファンギン(Micafungin)、アニデュラファンギン(Anidulafungin)、カスポファンギン(Caspofungin)、シロファンギン(Cilofungin)、及びそれらの塩が挙げられる。
ミカファンギン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、及びシロファンギンの構造式を以下に示す。




キャンディン系抗真菌化合物としては、抗真菌活性及び薬物動態の観点から、ミカファンギン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ミカファンギン及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
キャンディン系抗真菌化合物が塩の形態である場合、塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に制限されない。塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、マレイン酸塩等の有機カルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の有機スルホン酸塩;アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩などが挙げられる。
なお、キャンディン系抗真菌化合物は、水和物の形態であってもよい。
注射用液剤組成物中におけるキャンディン系抗真菌化合物の濃度は、例えば、3.0mg/mL〜300mg/mLであることが好ましく、3.0mg/mL〜150mg/mLであることがより好ましく、5.0mg/mL〜70mg/mLであることが更に好ましい。キャンディン系抗真菌化合物の濃度を3.0mg/mL〜300mg/mLとすることにより、注射用液剤組成物を用いた輸液の調製が容易になる傾向がある。
(脂肪酸トリグリセリド)
本開示の注射用液剤組成物は、脂肪酸トリグリセリドを含有する。注射用液剤組成物は、脂肪酸トリグリセリドを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
脂肪酸トリグリセリドとしては、常圧での融点が25℃以下のものが好ましく、5℃以下のものがより好ましい。脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び長鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられ、キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点から、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むことが好ましい。
中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、脂肪酸トリグリセリドの構成脂肪酸の平均炭素数が6〜12である脂肪酸トリグリセリドを意味する。構成脂肪酸の平均炭素数は、構成脂肪酸の炭素数(例えば、カプリル酸(オクタン酸)であれば8、カプリン酸(デカン酸)であれば10、ラウリン酸(ドデカン酸)であれば12)を構成脂肪酸の組成比によって加重平均したものである。構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。中鎖脂肪酸トリグリセリドの中でも、炭素数6〜12の飽和脂肪酸のトリグリセリドが好ましい。中鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然物由来であってもよく、合成脂肪酸のトリグリセリドであってもよい。
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、市販品を使用してもよい。中鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品としては、Sasol社製の「Miglyol(登録商標) 812」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「Miglyol(登録商標) 810」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、花王(株)製の「ココナード(登録商標)RK」(トリカプリル酸グリセリル)、「ココナード(登録商標)MT」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「MT−N」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「ココナード(登録商標)ML」(トリ(カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸)グリセリル)等が挙げられる。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとは、脂肪酸トリグリセリドの構成脂肪酸の平均炭素数が12を超える脂肪酸トリグリセリドを意味する。構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。長鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然の長鎖脂肪酸トリグリセリドに相当する植物油であってもよく、合成脂肪酸の長鎖脂肪酸トリグリセリドであってもよい。
植物油は、植物の種子又は堅果由来の油分であり、ダイズ油、綿実油、菜種油、ゴマ油、サフラワー油、コーン油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油、シソ油、ヒマシ油等が挙げられる。植物油の中でも、注射用途への使用実績の観点から、ダイズ油、ゴマ油、及びオリーブ油からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ダイズ油がより好ましい。
注射用液剤組成物中における脂肪酸トリグリセリドの含有率は、注射用液剤組成物の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、例えば、22.5質量%以上、70質量%以上又は80質量%以上であってもよい。脂肪酸トリグリセリドの含有率を10質量%以上とすることにより、キャンディン系抗真菌化合物の分解がより抑制される傾向にある。注射用液剤組成物中における脂肪酸トリグリセリドの含有率に関し、特に上限はないが、上限値としては、99.4質量%、98.5質量%、50質量%、又は34質量%であってもよい。
(安定化剤)
本開示の注射用液剤組成物は、キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制するため、安定化剤を含有していてもよい。注射用液剤組成物は、安定化剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
安定化剤としては、注射用途に使用可能であり、且つ、キャンディン系抗真菌化合物の分解を抑制できるものであれば特に制限されない。安定化剤としては、特許第4272359号公報、特許第4755464号公報、特許5723031号公報等に記載された公知の化合物を使用することができる。キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点から、安定化剤としては、糖及び糖アルコールから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、糖を含むことがより好ましい。
糖としては、例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、アルトロース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース等の単糖;マルトース、トレハロース、ラクトース、スクロース、ラクツロース、セロビオース等の二糖;ラフィノース、マルトトリオース、デンプン、デキストラン、セルロース、キチン、ヒアルロン酸等の三糖以上の多糖;及びそれらの水和物が挙げられる。キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点から、安定化剤としては、二糖を含むことが好ましく、マルトース、トレハロース、ラクトース、及びスクロースからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、マルトース及びトレハロースから選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
注射用液剤組成物が安定化剤を含有する場合、注射用液剤組成物中における安定化剤の濃度は、例えば、3mg/mL以上であることが好ましく、9mg/mL〜200mg/mLであることがより好ましく、30mg/mL〜160mg/mLであることが更に好ましい。安定化剤の濃度を3mg/mL以上とすることにより、キャンディン系抗真菌化合物の分解がより抑制される傾向にある。
また、注射用液剤組成物が安定化剤を含有する場合、注射用液剤組成物中における安定化剤の含有量は、キャンディン系抗真菌化合物の含有量に対して、例えば、0.6質量倍以上であることが好ましく、0.6質量倍〜11.0質量倍であることがより好ましく、1.0質量倍〜11.0質量倍であることが更に好ましい。安定化剤の含有量をキャンディン系抗真菌化合物の含有量に対して0.6質量倍以上とすることにより、キャンディン系抗真菌化合物の分解がより抑制される傾向にある。
(界面活性剤)
本開示の注射用液剤組成物は、注射用液剤組成物を輸液に配合する際の配合均一性を高めるため、界面活性剤を含有していてもよい。注射用液剤組成物は、界面活性剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
界面活性剤としては、注射用途に使用可能であり、且つ、輸液中で脂肪酸トリグリセリドを可溶化できるものであれば特に制限されない。注射用途への使用実績の観点から、界面活性剤としては、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレンヒマシ油からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点及び粘度の上昇を抑える観点から、ポリソルベートを含むことがより好ましい。
ポリソルベートは、ソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシドが約20分子縮合したものである。ポリソルベートとしては、ポリソルベート20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート40(パルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート65(トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート80(オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)等が挙げられる。ポリソルベートの中でも、注射用途への使用実績の観点から、ポリソルベート80が好ましい。
注射用液剤組成物が界面活性剤を含有する場合、注射用液剤組成物中における界面活性剤の含有率は、注射用液剤組成物の全質量に対して、例えば、50質量%以上であることが好ましく、50質量%〜80質量%であることがより好ましい。界面活性剤の含有率を50質量%以上とすることにより、注射用液剤組成物を輸液に配合する際の配合均一性をより高めることができる傾向にある。
また、注射用液剤組成物が界面活性剤を含有する場合、注射用液剤組成物中における界面活性剤の含有量は、脂肪酸トリグリセリドの含有量に対して、例えば、1.0質量倍以上であることが好ましく、2.0質量倍以上であることが好ましく、3.0質量倍以上であることが更に好ましい。界面活性剤の含有量を脂肪酸トリグリセリドの含有量に対して1.0質量倍以上とすることにより、注射用液剤組成物を輸液に配合する際の配合均一性をより高めることができる傾向にある。界面活性剤の含有量に関し、特に上限はないが、上限値としては、脂肪酸トリグリセリドの含有量に対して、例えば、5.0質量倍以下が好ましく、4.0質量倍以下がより好ましい。
(pH調整剤)
本開示の注射用液剤組成物は、pH調整剤を含有していてもよい。pH調整剤としては、薬理学的に許容されるものであれば特に制限されない。注射用液剤組成物は、pH調整剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
pH調整剤としては、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、リン酸又はその塩、クエン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、酢酸又はその塩、コハク酸又はその塩、乳酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、アジピン酸又はその塩、フマル酸又はその塩、ホウ酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、メタンスルホン酸又はその塩、リンゴ酸又はその塩、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トロメタモール(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)、グリシン、メグルミン、及びエデト酸二ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、塩酸、水酸化ナトリウム、リン酸又はその塩、クエン酸又はその塩、トリエタノールアミン、トロメタモール(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)、及びエデト酸二ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
注射用液剤組成物がpH調整剤を含有する場合、注射用液剤組成物中におけるpH調整剤の含有率は特に制限されず、pH調整剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
(他の成分)
本開示の注射用液剤組成物は、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、安定化剤、界面活性剤、及びpH調整剤の他に、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、消泡剤、着色剤、防腐剤、保存剤、溶媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、注射用液剤組成物は、キャンディン系抗真菌化合物の分解を抑制する観点から、水性溶媒(水及び水溶性有機溶媒から選ばれる少なくとも1種)の含有率が少ないことが好ましい。水溶性有機溶媒とは、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上の有機溶媒を指す。但し、界面活性剤は、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上であっても、水溶性有機溶媒とは称さない。
注射用液剤組成物中における水性溶媒の含有率は、注射用液剤組成物の全質量に対して、例えば、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
キャンディン系抗真菌化合物は水溶性であるため、キャンディン系抗真菌化合物を含有する液剤組成物を調製する場合、特許第5723031号公報のように、キャンディン系抗真菌化合物を水等の水性溶媒に溶解し、水性組成物とするのが通常である。本開示の注射用液剤組成物は、輸液に配合して注射用途に使用するためには水等の水性溶媒の含有率を減らした懸濁状態の組成物であってもよい、という新規な発想に基づく。
(注射用液剤組成物の組成例)
本開示の注射用液剤組成物の組成例としては、例えば、下記(a)〜(d)の組成が挙げられる。
(a)キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が80質量%〜98.5質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物及び脂肪酸トリグリセリドの合計の含有率が80.4質量%〜100質量%(好ましくは、95質量%〜100質量%)である組成。
(b)キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が70質量%〜99.4質量%であり、安定化剤の含有率が0.2質量%〜20質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、及び安定化剤の合計の含有率が70.6質量%〜100質量%(好ましくは、95質量%〜100質量%)である組成。
(c)キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が22.5質量%〜50質量%であり、界面活性剤の含有率が45質量%〜75質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、及び界面活性剤の合計の含有率が68質量%〜100質量%(好ましくは、95質量%〜100質量%)である組成。
(d)キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が22.5質量%〜50質量%であり、安定化剤の含有率が0.2質量%〜20質量%であり、界面活性剤の含有率が45質量%〜75質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、安定化剤、及び界面活性剤の合計の含有率が68.1質量%〜100質量%(好ましくは、95質量%〜100質量%)である組成。
上記(a)〜(d)の組成の中でも、キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点から、上記(b)又は(d)の組成が好ましく、安定化剤の含有量がキャンディン系抗真菌化合物の含有量の0.6質量倍以上である組成がより好ましく、0.6質量倍〜10.8質量倍である組成が更に好ましく、1.3質量倍〜10.8質量倍である組成が特に好ましい。
また、上記(a)〜(d)の組成の中でも、注射用液剤組成物を輸液に配合する際の配合均一性を高める観点から、上記(c)又は(d)の組成が好ましく、界面活性剤の含有量が脂肪酸トリグリセリドの含有量の1.0質量倍以上である組成がより好ましく、2.0質量倍以上である組成が更に好ましく、3.0質量倍以上である組成が特に好ましい。
また、上記(a)〜(d)の組成の中でも、キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点、及び注射用液剤組成物を輸液に配合する際の配合均一性を高める観点から、上記(d)の組成が好ましい。上記(d)の組成の中でも、安定化剤の含有量がキャンディン系抗真菌化合物の含有量の0.6質量倍以上である組成がより好ましく、0.6質量倍〜10.8質量倍である組成が更に好ましく、1.3質量倍〜10.8質量倍である組成が特に好ましい。また、上記(d)の組成の中でも、界面活性剤の含有量が脂肪酸トリグリセリドの含有量の1.0質量倍以上である組成がより好ましく、2.0質量倍以上である組成が更に好ましく、3.0質量倍以上である組成が特に好ましい。
<注射用液剤組成物の調製方法>
本開示の注射用液剤組成物の調製方法は特に制限されない。注射用液剤組成物の調製方法の一例は、例えば以下のとおりである。
まず、キャンディン系抗真菌化合物と、必要に応じて安定化剤とを含有する水溶液を調製し、この水溶液のpHをpH調整剤により調整した後、濃縮して水を除去し、固形成分を得る。水溶液中におけるキャンディン系抗真菌化合物の含有率は、例えば、注射用液剤組成物中におけるキャンディン系抗真菌化合物の含有率と同程度に設定される。水溶液のpHは、例えば、4.0〜8.0であることが好ましく、5.0〜7.5であることがより好ましい。
水溶液のpHは、水溶液の温度を25℃にして測定する。pHの測定には、pH測定法として一般的な方法を用いることができる。例えば、水溶液のpHは、pHメータ(装置型番:F−73、(株)堀場製作所製、pH電極:マイクロToupH電極9618−10D)により測定することができる。
次いで、脂肪酸トリグリセリドと、必要に応じて界面活性剤とを混合し、液成分を得る。
そして、得られた固形成分と液成分とを混合することで、注射用液剤組成物を調製することができる。
調製された注射用液剤組成物は、通常、容器に充填されて保管される。キャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制する観点から、容器への充填は、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
なお、注射用液剤組成物を容器に充填する前又は充填した後で、ホモジナイザー等を用いてせん断処理を行ってもよい。ホモジナイザーを用いる場合、例えば、回転速度を1000回/分〜40000回/分、撹拌時間を1分間〜200分間に設定することができる。
注射用液剤組成物を充填する容器としては、バイアル、アンプル等が挙げられる。医療現場における取り扱い性の観点から、注射用液剤組成物を充填する容器としては、バイアルが好ましい。
注射用液剤組成物を充填する容器は、市販品を使用することができる。容器の市販品としては、(株)大協精工製の「Daikyo Resin CZ」、不二硝子(株)製の「3010」、「3010 シリコート」、「FY−5」、「FY−5 シリコート」、「FY−5 サルファー処理」、「CS−20 シリコート」、「CS−30 シリコート」、「CS−40 シリコート」、大和特殊硝子(株)製の「23×43LA」、「23×43VIST」等が挙げられる。
注射用液剤組成物を封入する容器は、紫外線バリアフィルム、酸素バリアフィルム等のフィルムで包装しておくことにより、注射用液剤組成物中に含有されるキャンディン系抗真菌化合物の分解をより抑制することができる。容器の包装は、一重及び多重のいずれであってもよい。
<注射用液剤組成物の使用態様>
本開示の注射用液剤組成物は、例えば、医療現場において輸液(生理食塩水、ブドウ糖注射液、乳酸リンゲル液等)に配合され、この注射用液剤組成物を配合した輸液が点滴により静脈内に投与される。注射用液剤組成物を配合した輸液中におけるキャンディン系抗真菌化合物の濃度は、患者の年齢、症状等に応じて適宜設定することができる。輸液中におけるキャンディン系抗真菌化合物の濃度は、成人の患者の場合、通常、0.2mg/mL〜3.0mg/mL程度である。
注射用液剤組成物を配合した輸液は、真菌症の治療又は予防、特にアスペルギルス属又はカンジダ属の真菌によって引き起こされる深在性真菌症の治療又は予防に有効である。
以下、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:注射用液剤組成物(C−1)の調製>
撹拌子を入れた清潔な20mLバイアルに、ミカファンギンナトリウム232.5mgと、マルトース(和光純薬工業(株)製)627.8mgと、クエン酸1.2mgと、注射用水(光製薬(株)製)14.64gとを加え、水溶液を調製した。得られた水溶液に、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を少しずつ加えて、25℃におけるpHが5.5になるように調整した後、濃縮を行うことで固形成分を得た。
次いで、撹拌子を入れた清潔な10mLバイアルに、中鎖脂肪酸トリグリセリド(Sasol社製、Miglyol(登録商標) 812)2.43gと、ポリソルベート80(日油(株)製)8.10gとを加え、50℃で30分間撹拌することで液成分を得た。
次いで、清潔な4mLバイアルに、固形成分55mgと液成分955mgとを加え、ホモジナイザーを用いて、12000回/分の回転速度で3分間せん断処理を行った。せん断処理を行った後、窒素雰囲気下(気体中の酸素濃度0.1体積%未満)にて打栓及び巻締を行った。更に、バイアルを脱酸素剤(三菱ガス化学(株)製、エージレス(登録商標) Z−100PKC)入りの酸素バリアフィルム内に入れ、ヒートシールを施すことで、目的の注射用液剤組成物(C−1)を得た。
注射用液剤組成物(C−1)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例1の欄に示す。表1中、組成の欄の空欄部分は、その成分を含有しないことを意味する。
<実施例2〜8:注射用液剤組成物(C−2)〜(C−8)の調製>
ミカファンギンナトリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、及びポリソルベート80を表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−2)〜(C−8)を得た。注射用液剤組成物(C−2)〜(C−8)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例2〜8の欄に示す。
<実施例9〜11:注射用液剤組成物(C−9)〜(C−11)の調製>
表1に示すように、マルトースをトレハロース((株)林原製)に変更したこと以外はそれぞれ実施例1〜3と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−9)〜(C−11)を得た。注射用液剤組成物(C−9)〜(C−11)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例9〜11の欄に示す。
<実施例12〜14:注射用液剤組成物(C−12)〜(C−14)の調製>
固形成分を得る際の水溶液のpHを表1に示す値に調整したこと以外は実施例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−12)〜(C−14)を得た。注射用液剤組成物(C−12)〜(C−14)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例12〜14の欄に示す。
<実施例15〜16:注射用液剤組成物(C−15)〜(C−16)の調製>
マルトースをラクトース(和光純薬工業(株)製)に変更し、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びポリソルベート80を表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−15)〜(C−16)を得た。注射用液剤組成物(C−15)〜(C−16)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例15〜16の欄に示す。
<実施例17〜18:注射用液剤組成物(C−17)〜(C−18)の調製>
表1に示すように、マルトースをラクトース(和光純薬工業(株)製)又はスクロース(和光純薬工業(株)製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−17)〜(C−18)を得た。注射用液剤組成物(C−17)〜(C−18)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例17〜18の欄に示す。
<実施例19:注射用液剤組成物(C−19)の調製>
ポリソルベート80を用いず、中鎖脂肪酸トリグリセリドを表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例15と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−19)を得た。注射用液剤組成物(C−19)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例19の欄に示す。
<実施例20:注射用液剤組成物(C−20)の調製>
中鎖脂肪酸トリグリセリドをダイズ油(カネダ(株)製)に変更し、ダイズ油を表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例19と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−20)を得た。注射用液剤組成物(C−20)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例20の欄に示す。
<実施例21:注射用液剤組成物(C−21)の調製>
マルトースを用いず、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びポリソルベート80を表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−21)を得た。注射用液剤組成物(C−21)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例21の欄に示す。
<実施例22:注射用液剤組成物(C−22)の調製>
マルトース及びポリソルベート80を用いず、中鎖脂肪酸トリグリセリドを表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−22)を得た。注射用液剤組成物(C−22)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例22の欄に示す。
<実施例23:注射用液剤組成物(C−23)の調製>
ポリソルベート80をポリオキシエチレンヒマシ油(BASF社製、Cremophor(登録商標) ELP)に変更し、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びポリオキシエチレンヒマシ油を表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例15と同様にして、目的の注射用液剤組成物(C−23)を得た。注射用液剤組成物(C−23)の組成(pH調整剤を除く)を表1の実施例23の欄に示す。
<比較例1:注射用液剤組成物(R−1)の調製>
中鎖脂肪酸トリグリセリドを生理食塩水(大塚製薬(株)製)に変更し、生理食塩水を表1に示す組成となる量で用いたこと以外は実施例19と同様にして、目的の注射用液剤組成物(R−1)を得た。注射用液剤組成物(R−1)の組成(pH調整剤を除く)を表1の比較例1の欄に示す。
<比較例2:注射用液剤組成物(R−2)の調製>
固形成分を得る際の水溶液のpHを表1に示す値に調整したこと以外は比較例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(R−2)を得た。注射用液剤組成物(R−2)の組成(pH調整剤を除く)を表1の比較例2の欄に示す。
<比較例3〜4:注射用液剤組成物(R−3)〜(R−4)の調製>
表1に示すように、生理食塩水をプロピレングリコール((株)ADEKA製)又はグリセリン(阪本薬品工業(株)製)に変更したこと以外は比較例1と同様にして、目的の注射用液剤組成物(R−3)〜(R−4)を得た。注射用液剤組成物(R−3)〜(R−4)の組成(pH調整剤を除く)を表1の比較例3〜4の欄に示す。
<評価>
得られた注射用液剤組成物(C−1)〜(C−23)、及び(R−1)〜(R−4)に関し、下記に記載の方法にて、安定性評価及び輸液配合均一性評価を行った。
(1)安定性評価
注射用液剤組成物を70℃の恒温槽に3日間保管した後、注射用液剤組成物約100mgを5mLメスフラスコに秤量し、超純水でメスアップして試料液を得た。超純水でメスアップした後に油相と水相とに相分離する場合は、水相を試料液とした。高速液体クロマトグラフ(HPLC;High Performance Liquid Chromatography)により、ミカファンギンの残存率の定量を行った。ミカファンギンの残存率は、下記の測定条件において検出されるクロマトグラフにおいて、ミカファンギンのピーク面積(保持時間17分)を、保持時間3分〜45分の全ピーク面積の総和で除した値に100を乗じた値(%)として求めた。
[HPLC測定条件]
検出器:紫外線検出器(検出波長:210nm)
カラム:ZORBAX SB−C18(Agilent Technologies社製)、孔径5μm、4.6mm×250mm
カラム温度:45℃
展開溶媒:50mmol/L リン酸緩衝液(pH2.9)/アセトニトリル=62:38(体積比)
流速:1.0mL/分
注入量:10μL
サンプルクーラー温度:4℃
定量に基づく安定性の評価は、以下の評価基準に従い行った。評価結果を残存率の実測値と併せて表1に示す。
−評価基準−
A:残存率90%以上
B:残存率70%以上90%未満
C:残存率70%未満
(2)輸液配合均一性評価
清潔な10mLバイアルに、注射用液剤組成物750mgと生理食塩水(大塚製薬(株)製)2.25gとを加えた後、蓋をして手で撹拌した。撹拌開始から十分な時間が経った後、外観を目視で評価した。
外観に基づく均一性の評価は、以下の評価基準に従い行った。評価結果を表1に示す。
−評価基準−
A:均一液であり、析出物が無い。
B:相分離するが、析出物が無い。
C:析出物がある。
(3)総合評価
総合評価は、以下の評価基準に従い行った。評価結果を表1に示す。なお、総合評価が「A」又は「B」であれば実用上許容される。
−評価基準−
A:安定性評価及び輸液配合均一性評価の両方が「A」である。
B:安定性評価及び輸液配合均一性評価の両方が「B」であるか、又は、安定性評価及び輸液配合均一性評価の一方が「A」であり、他方がBである。
C:安定性評価及び輸液配合均一性評価の少なくとも一方が「C」である。

表1から分かるように、キャンディン系抗真菌化合物であるミカファンギンナトリウムと脂肪酸トリグリセリドとを含有する実施例1〜23の注射用液剤組成物は、70℃で3日間の保管後におけるミカファンギンナトリウムの残存率が80%以上と高く、ミカファンギンナトリウムの分解が抑制されていた。
一方、脂肪酸トリグリセリドの代わりに生理食塩水、プロピレングリコール、又はグリセリンを含有する比較例1〜4の注射用液剤組成物は、安定化剤としてラクトースを含有するにも関わらず、70℃で3日間の保管後におけるミカファンギンナトリウムの残存率が50%未満であり、安定性に劣っていた。
実施例1、9、17、18、及び21の結果から、注射用液剤組成物が安定化剤を含有することで、保管後におけるミカファンギンナトリウムの分解がより抑制されることが分かる。また、実施例1、9、17、及び18の結果から、安定化剤としてマルトース又はトレハロースを用いた場合の方が、ラクトース又はスクロースを用いた場合よりも、ミカファンギンナトリウムの分解がより抑制されることが分かる。
実施例16〜20の結果から、注射用液剤組成物が界面活性剤を含有することで、注射用液剤組成物を輸液に配合する際の配合均一性が向上することが分かる。なお、実施例19及び20では、注射用液剤組成物を輸液に配合した際に相分離しているが、高速液体クロマトグラフを用いた定量結果から、ミカファンギンナトリウムは水相に移行していることが明らかになっている。また、実施例15及び23の結果から、界面活性剤としてポリソルベートを用いた場合の方が、ポリオキシエチレンヒマシ油を用いた場合よりも、ミカファンギンナトリウムの分解がより抑制されることが分かる。
2015年9月15日に出願された日本国特許出願2015−181540の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (17)

  1. キャンディン系抗真菌化合物及び脂肪酸トリグリセリドを含有する、注射用液剤組成物。
  2. 安定化剤を更に含有する、請求項1に記載の注射用液剤組成物。
  3. 安定化剤が、糖を含む、請求項2に記載の注射用液剤組成物。
  4. 安定化剤が、二糖を含む、請求項2又は請求項3に記載の注射用液剤組成物。
  5. 安定化剤が、マルトース及びトレハロースから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  6. 安定化剤の含有量が、キャンディン系抗真菌化合物の含有量の0.6質量倍以上である、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  7. 界面活性剤を更に含有する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  8. 界面活性剤の含有量が、脂肪酸トリグリセリドの含有量の1.0質量倍以上である、請求項7に記載の注射用液剤組成物。
  9. 界面活性剤の含有量が、脂肪酸トリグリセリドの含有量の2.0質量倍以上である、請求項7又は請求項8に記載の注射用液剤組成物。
  10. 界面活性剤が、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレンヒマシ油からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  11. 界面活性剤が、ポリソルベートを含む、請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  12. 脂肪酸トリグリセリドの含有率が、注射用液剤組成物の全質量に対して10質量%以上である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  13. 脂肪酸トリグリセリドが、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  14. キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が70質量%〜99.4質量%であり、安定化剤の含有率が0.2質量%〜20質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、及び安定化剤の合計の含有率が70.6質量%〜100質量%である、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  15. 安定化剤及び界面活性剤を含有し、
    キャンディン系抗真菌化合物の含有率が0.4質量%〜10質量%であり、脂肪酸トリグリセリドの含有率が22.5質量%〜50質量%であり、安定化剤の含有率が0.2質量%〜20質量%であり、界面活性剤の含有率が45質量%〜75質量%であり、キャンディン系抗真菌化合物、脂肪酸トリグリセリド、安定化剤、及び界面活性剤の合計の含有率が68.1質量%〜100質量%である、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  16. キャンディン系抗真菌化合物が、ミカファンギン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
  17. キャンディン系抗真菌化合物が、ミカファンギン及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の注射用液剤組成物。
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