JPWO2017022808A1 - ビスカスダンパ - Google Patents
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Abstract
ビスカスダンパ10は、回転軸に装着されるハブプレート11を有し、ハブプレート11には円筒部12が軸方向に突出して設けられ、フランジ14が円筒部から径方向外方に突出している。フランジ14の外側に配置される慣性質量体20は、第1の環状慣性部材21と第2の環状慣性部材22を備え、慣性質量体20とフランジとの間にはジャーナルベアリング28が配置される。第1の環状慣性部材21の内周部には、減衰液をシールする第1の摺動シール41が設けられ、第2の環状慣性部材22の内周部には、減衰液Lをシールする第2の摺動シール42が設けられる。
Description
本発明は、内燃機関のクランクシャフト等の回転軸に取り付けられ、回転軸の捩り振動を吸収するビスカスダンパに関する。
自動車、トラック、バス等の車両の動力源や、建設機械、農業機械等の産業機械の動力源として使用される内燃機関つまりエンジンは、クランクシャフトやカムシャフト等の回転軸を有している。回転軸は、燃料の燃焼に起因して捩り振動つまり回転脈動が発生する。この捩り振動を吸収するために、トーショナルダンパが回転軸に装着される。トーショナルダンパの一種として、ビスカスダンパと称されるものがある。ビスカスダンパは、回転軸に装着されるハブ側部材と、ハブ側部材の外周部に回転自在に装着される慣性質量体とを有し、ハブ側部材と慣性質量体との間に配された減衰液の剪断抵抗により、回転軸の捩り振動を吸収して消散する。
ビスカスダンパには、慣性質量体つまり慣性マスがハブ側部材の外周部に設けられた環状のケース内に収納されるタイプつまり内マス型と、慣性マスがハブ側部材、すなわちハブプレートの外周部の外側を取り囲むように装着されるタイプつまり外マス型とがある。特許文献1には内マス型のビスカスダンパが記載されており、慣性マスとしての慣性リングが収納されるケース内には、シリコーンオイルが減衰液として封入される。特許文献1に記載されるような内マス型は、慣性マスがケース内に収納されるので、捩り振動を吸収する対象に合わせて、慣性マスの大きさや形状を容易に変更することができない。さらに、慣性マスをケースで覆う必要があるため、ハブ側部材を含む被防振系の質量が大きくなり、慣性マスとの質量比を大きくすることができない。
特許文献2〜6には、それぞれ外マス型のビスカスダンパが記載されている。特許文献2に記載されるビスカスダンパは、プレート状のハブ側部材の外周部の両側に慣性マスとしての振動リングを装着し、それぞれの振動リングのハブ側部材との間に環状ゴムが挟み込まれている。一方、特許文献3〜6に記載されるビスカスダンパは、ハブ側部材の外周部に円筒部が設けられ、円筒部には径方向外方に伸びてフランジが設けられており、フランジの外側に環状の慣性質量体が装着される。フランジと慣性質量体との間の空間内に封入される減衰液をシールするために、特許文献3に記載されるビスカスダンパにおいては、慣性質量体の内周面と円筒部との間に弾性バンドが圧入され、特許文献4に記載されるビスカスダンパにおいてはOリングが圧入される。さらに、特許文献5および特許文献6に記載されるビスカスダンパにおいては、フランジと円筒部との角部に弾性部材が圧入される。
上述のように、外マス型のビスカスダンパにおいては、振動により作動する慣性マスがハブ側部材の外周部の外側に装着されるので、慣性マスとハブ側部材との間から減衰液の漏れを防止するために、慣性マスとハブ側部材との間に装着されるシール用の弾性部材を加圧状態となるように組み立てる必要がある。しかしながら、漏れを防止するために慣性マスとハブ側部材に装着されるシール用の弾性部材の緊迫力が高いと、ハブ側部材に対して慣性マスが大きく変位することができず、ハブ側部材と慣性マス間に封入された減衰液に大きな剪断力を付与できないため、減衰液の剪断抵抗による大きな振動減衰が期待できない。また、シール用の弾性部材の加圧力が高い場合には、シール用の弾性部材の圧入抵抗が大きくなり、組み立てが難しい。そこで、シール用の弾性部材の緊迫力を弱めて滑りを許容すると、弾性部材による慣性マスの保持力が弱くなるため、振動時に慣性マスが暴れて、シール用弾性部材の局所的な摩耗や振動減衰性の低下が生じる可能性がある。
本発明の目的は、振動減衰性が高いビスカスダンパを提供することにある。さらに、組み立てが容易で、長期にわたって使用しても、摺動シールの脱落や摩耗が生じ難いビスカスダンパを提供することにある。
本発明のビスカスダンパは、円筒部が軸方向に突出して外周部に設けられたプレート基部と前記円筒部から径方向外方に突出するフランジとを備え回転軸に装着されるハブプレートと、前記フランジの一方面に対向する第1の対向面が設けられた第1の環状慣性部材、および前記フランジの他方面に対向する第2の対向面が設けられた第2の環状慣性部材を備え、前記フランジの外側に空間を介して配置される慣性質量体と、前記慣性質量体に設けられた支持面と前記フランジの外周面との間に配置されるジャーナルベアリングと、前記第1の環状慣性部材の内周部に設けられ、前記第1の環状慣性部材と前記円筒部との間で前記空間内に充填された減衰液をシールする第1の摺動シールと、前記第2の環状慣性部材の内周部に設けられ、前記第2の環状慣性部材と前記円筒部との間で前記空間内に充填された減衰液をシールする第2の摺動シールと、を有する。
本発明のビスカスダンパによれば、それぞれの摺動シールが、ハブプレートに対する慣性質量体の大きな差動を許容して大きな防振性を実現するとともに、慣性質量体には、ハブプレートの回転方向以外のブレが生じず、また、摺動シールには、慣性質量体から径方向の負荷が加わらないので、摺動シールの摩耗が抑制される。よって、ビスカスダンパの振動防振性を維持したまま、耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2に示されるビスカスダンパ10は円板形状のハブ側部材、すなわちハブプレート11を有する。ハブプレート11は、自動車、トラック、バス等の車両や、建設機械等の産業機械の動力源として使用されるエンジンのクランクシャフトやカムシャフト等の図示しない回転軸に装着される。ハブプレート11は、円筒部12が外周部に一体に設けられたプレート基部13を有し、円筒部12はプレート基部13の両面から軸方向に突出している。円筒部12の軸方向の中央部には、フランジ14が径方向外方に突出しており、フランジ14は円筒部12と一体となっている。
ハブプレート11には、回転軸が挿入される貫通孔15と、図示しないボルトが挿入される複数の取付孔16とが設けられており、ハブプレート11は回転軸にボルトによって取り付けられる。
フランジ14の外側には慣性マスつまり慣性質量体20が配置され、ビスカスダンパ10は慣性マスがフランジ14の外側に装着される外マス型である。慣性質量体20は、第1の環状慣性部材21と、第2の環状慣性部材22とを備えており、両方の部材を組み合わせることにより組み立てられる。図3に示されるように、第1の環状慣性部材21には、フランジ14の一方面に対向する第1の対向面23が設けられ、環状慣性部材21の外周部から軸方向に嵌合部24が突出している。第2の環状慣性部材22には、フランジ14の他方面に対向する第2の対向面25が設けられ、第1の環状慣性部材22の嵌合部24内に圧入嵌合される。
両方の対向面23,25の間の間隔は、フランジ14の厚みよりも大きく設定されており、フランジ14と対向面23,25の間には空間26が形成され、空間26内にはシリコーンオイルが減衰液Lとして封入される。フランジ14と慣性質量体20との間の空間26は、狭い隙間となっており、回転軸の捩り振動によりフランジ14とそれぞれの対向面23,25との間に差動が生じ、この差動により、減衰液Lは剪断力を受け、減衰液の剪断抵抗により捩り振動が吸収され消散される。
環状慣性部材21の嵌合部24の内周面のうち、両方の対向面23,25の間は、支持面27となっており、この支持面27とフランジ14の外周面との間にはジャーナルベアリング28が配置される。したがって、慣性質量体20からハブプレート11に径方向に加わる負荷は、ジャーナルベアリング28を介してハブプレート11により支持され、慣性質量体20は回転軸に同軸状に保持される。これにより、慣性質量体20がハブプレート11すなわち回転軸に対して偏心することが防止される。
フランジ14と第1の対向面23との間には第1のスラストベアリング31が設けられ、フランジ14と第2の対向面25の間には第2のスラストベアリング32が設けられる。スラストベアリング31は、環状慣性部材21の対向面23に環状に設けられた収容溝33a内に組み込まれる。スラストベアリング32は、フランジ14に環状に設けられた収容溝33b内に組み込まれる。これにより、慣性質量体20に傾斜させる方向の外力が加わっても、両方のスラストベアリング31,32を介してハブプレート11に慣性質量体20が支持されて、慣性質量体20は回転軸の軸方向位置が保持される。
ジャーナルベアリング28によりハブプレート11に径方向に加わる負荷を支持し、ジスラストベアリグ31,32によりハブプレート11を傾斜させる方向の負荷を支持するようにしたので、ハブプレート11に加わる負荷は、別々のベアリングにより支持される。これにより、ジャーナルベアリング28に加わる負荷がスラストベアリング31,32に影響を与えることがなく、同様に、スラストベアリング31,32に加わる負荷がジャーナルベアリング28に影響を与えることなく、それぞれのベアリングの耐久性を向上させることができる。なお、スラストベアリング32が組み込まれる収容溝33bを環状慣性部材22の対向面25に設けるようにしても良い。また、両方のスラストベアリング31,32を、フランジ14の外周部にジャーナルベアリング28に接近させて設けるようにしても良い。また、スラストベアリング32を環状とせず、周方向に複数分割して配置することとしても良い。
なお、一般的なエンジンに装着されるビスカスダンパは、立てた状態(回転軸が水平)で使用され、さらに、熱時膨張を考慮して、減衰液Lの充填率が90%程度で使用される場合が多いため、環状のスラストベアリング31,32を採用することで、エンジン停止時においても、減衰液Lが下方に流れづらいため、一部の減衰液Lがジャーナルベアリング28の周囲に留まり易く、ジャーナルベアリング28の摩耗を防止できる。
このビスカスダンパ10は、回転軸に装着されて他の回転軸、例えば、オルタネータなどに回転動力を伝達するためのプーリとしても使用することができる。そのような用途に使用されるビスカスダンパ10においては、環状慣性部材21の外周部にプーリ溝が設けられ、プーリ溝にはプーリベルトが掛け渡される。ビスカスダンパ10にプーリベルトが掛け渡されると、慣性質量体20には径方向の負荷が加えられるが、フランジ14と慣性質量体20との間には、ジャーナルベアリング28が配置されるので、慣性質量体20に加えられる負荷は、ハブプレート11により受けることができる。
環状慣性部材21の内周部には支持孔34が設けられ、支持孔34は対向面23の径方向内方端に開口してこの内方端から軸方向に伸びている。環状慣性部材21の外面側の内周部には、第1の脱落防止壁35が径方向内方に突出しており、この脱落防止壁35の内面は支持孔34の底面となっている。同様に、環状慣性部材22の内周部には、支持孔34とほぼ同一内径の支持孔36が設けられ、支持孔36は対向面25の径方向内方端に開口してこの内方端から軸方向に伸びている。環状慣性部材22の外面側の内周部には、第2の脱落防止壁37が径方向内方に突出しており、この脱落防止壁37の内面は支持孔36の底面となっている。
支持孔34と脱落防止壁35とにより区画される環状の収納溝38は、フランジ14と円筒部12に向けて開口しており、収納溝38には第1の摺動シール41が装着される。この摺動シール41により、空間26内に充填された減衰液Lは、環状慣性部材21と円筒部12との間でシールされる。同様に、支持孔36と脱落防止壁37とにより区画される環状の収納溝39は、フランジ14と円筒部12に向けて開口しており、収納溝39には第2の摺動シール42が装着される。この摺動シール42により、空間26内に充填された減衰液Lは、環状慣性部材22と円筒部12との間でシールされる。
摺動シール41は本体部43を有しており、本体部43は、軸方向に伸びて支持孔34に嵌合される軸方向部43aと、環状部から径方向に伸びて脱落防止壁35に突き当てられる径方向部43bとを備えている。径方向部43bが脱落防止壁35に突き当てられることにより、摺動シール41は、軸方向に移動しないように収納溝38内に保持される。摺動シール41の本体部43にはリップ部44が一体に設けられている。リップ部44は、径方向部43bの径方向内方端部から円筒部12に向けて径方向内方に傾斜しており、リップ部44の先端部は円筒部12の一端部外周面に摺動接触する。摺動シール42は、摺動シール41と同様の構造であり、本体部43とリップ部44とを有し、リップ部44は円筒部12の他端部外周面に摺動接触する。
それぞれの摺動シール41,42のリップ部44には、ばね部材としての引張コイルスプリング45が装着され、引張コイルスプリング45によりリップ部44には円筒部12に向かう方向のばね力が付勢される。引張コイルスプリング45は、リップ部44と軸方向部43aとの間のスペースからリップ部44に装着される。リップ部44と軸方向部43aとの間のスペース、リップ部44と円筒部12の外周部との摺動接触部にも減衰液Lが接触可能となっている。この摺動接触部に減衰液Lが接触することで、振動時の摺動接触部の発熱を抑え、摩耗を抑制することができるのである。
円筒部12の一端部外周面は、軸方向に伸びて摺動シール41のリップ部44が接触する第1の接触面46と、この接触面46から円筒部12の一端面に向けて径方向内方に傾斜した第1のテーパ面47とを有している。同様に、円筒部12の他端部外周面は、軸方向に伸びて摺動シール42のリップ部44が接触する第2の接触面48と、この接触面48から円筒部12の他端面に向けて径方向内方に傾斜した第2のテーパ面49とを有している。
慣性質量体20からハブプレート11に径方向に加わる負荷は、ジャーナルベアリング28を介してハブプレート11により支持されるので、摺動シール41,42には慣性質量体20から径方向に負荷が加わることがなく、慣性質量体20の偏心発生が抑制される。これにより、摺動シール41,42が径方向荷重を保持する必要が無いため、リップ部44には、減衰液Lの漏れ防止、摺動接触部の摩耗抑制に対して、適切な緊迫力を付与することができる。さらに、リップ部44は、回転方向以外のズレを考慮する必要が無いので、ビスカスダンパ10の耐久性を向上することができる。
上述のように、円筒部12の軸方向両端部にはテーパ面47,49が設けられているので、ビスカスダンパ10を容易に組み立てることができる。つまり、ビスカスダンパ10を組み立てるには、摺動シール41が収納溝38に挿入された環状慣性部材21をフランジ14の外側に組み付ける。このときには、摺動シール41のリップ部44がテーパ面47にまず接触し、環状慣性部材21をハブプレート11に接近させると、リップ部44はテーパ面47に案内されて径方向外方に弾性変形し、接触面46に接触する位置となる。これにより、環状慣性部材21を容易にハブプレート11に組み付けることができる。
次いで、摺動シール42が収納溝39に挿入された環状慣性部材22を嵌合部24に嵌合させる。このときには、摺動シール42のリップ部44がテーパ面49に接触し、環状慣性部材22がハブプレート11に接近すると、リップ部44はテーパ面49に案内されて径方向外方に弾性変形し、接触面48に接触する位置となる。このように、テーパ面47,49を円筒部12に設けると、ビスカスダンパ10を容易に組み立てることができ、組立作業性を向上させることができる。
摺動シール41は脱落防止壁35に突き当てられ、摺動シール部42は脱落防止壁37に突き当てられるので、ビスカスダンパ10を組み立てるときに、それぞれの摺動シール41,42がずれることなく、容易にビスカスダンパ10を組み立てることができる。
それぞれのリップ部44は、軸方向に伸びる接触面46,48に摺動接触する形態となっているが、円筒部12の外周面全体をテーパ面47,49として、リップ部44をそれぞれテーパ面47,49に摺動接触させるようにしても良い。
図4および図5は、それぞれ他の実施の形態であるビスカスダンパの要部を示す断面図である。図4および図5においては、図3に示された部材と共通性を有する部材には、図3と同様の符号が付されており、重複した説明は省略される。
図4に示されるビスカスダンパ10においては、フランジ14の外周部に軸方向に伸びてフランジ14の両面から突出する外周円筒部51が設けられている。このように、外周円筒部51をフランジ14に設けると、ジャーナルベアリング28の軸方向の長さ寸法を、図3に示したジャーナルベアリング28よりも長くすることができる。長い寸法のジャーナルベアリング28をフランジ14と支持面27との間に装着することができると、ジャーナルベアリング28によるハブプレート11を支持するための有効面積を増加させることができる。これにより、慣性質量体20のハブプレート11に対する傾斜をより確実に防止することができる。さらに、空間26を形成する対向面23,25等の剪断面積を増加させることができるので、減衰液Lの剪断抵抗を高めて、回転軸の捩り振動の吸収特性をたかめることができる。他の構造は、図3に示されたビスカスダンパ10と同様である。
図4に示されるように、フランジ14の外周部に外周円筒部51を設けた形態においては、外周円筒部51の両側面と環状慣性部材21,22との間にスラストベアリングを装着するようにしても良い。
図5に示されるビスカスダンパ10においては、フランジ14の両面から軸方向に突出する環状突起部52がフランジ14の径方向中間部に設けられている。環状突起部52とそれぞれの環状慣性部材21,22との間には空間26が形成されている。したがって、図5に示されるビスカスダンパ10においても、図3に示されるものよりも、空間26を形成する対向面23,25等の剪断面積を増加させることができる。他の構造は、図3に示されたビスカスダンパ10と同様である。また、図5に示されるように、環状突起部52を設けた形態においても、環状突起部52と環状慣性部材21,22との間にスラストベアリングを装着するようにしても良い。ここにおいて、減衰液Lを100%充填しない場合でも、環状突起部52の存在により、減衰液Lが環状突起部52よりも内径側に残存しやすいため、摺動シール41,42のリップ部44と円筒部12との摺動接触部に減衰液Lを保持しやすいため、減衰液Lが潤滑油として働き、リップ部44の発熱及び摩耗を抑制することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、減衰液Lとして、シリコーンオイルを使用するほか、要求される減衰性が小さくて良い場合には、エチレングリコール水溶液などを使用することもできる。また、上記実施の形態においては、環状慣性部材21,22の組み立てには、嵌合を用いたが、通常知られる方法、例えば、接着や、ボルト締結等で代替することもできる。また、ハブプレート11において、プレート基部13の円盤状部を廃して、円筒部12の内径側に、直接回転軸を嵌合固定することもできる。また、上記実施の形態においては、引張コイルスプリング45を用いたが、引張コイルスプリング45を使用しなくともよい。その場合、リップ部44の摺動接触部の内径を円筒部12の接触面48よりもわずかに小径に形成しておき、テーパ面47,49により、拡径しつつ組み付けることで、容易に組み立てることができる。
この発明のビスカスダンパは、内燃機関のクランクシャフト等の回転軸の捩り振動を吸収するために適用される。
Claims (6)
- 円筒部が軸方向に突出して外周部に設けられたプレート基部と前記円筒部から径方向外方に突出するフランジとを備え回転軸に装着されるハブプレートと、
前記フランジの一方面に対向する第1の対向面が設けられた第1の環状慣性部材、および前記フランジの他方面に対向する第2の対向面が設けられた第2の環状慣性部材を備え、前記フランジの外側に空間を介して配置される慣性質量体と、
前記慣性質量体に設けられた支持面と前記フランジの外周面との間に配置されるジャーナルベアリングと、
前記第1の環状慣性部材の内周部に設けられ、前記第1の環状慣性部材と前記円筒部との間で前記空間内に充填された減衰液をシールする第1の摺動シールと、
前記第2の環状慣性部材の内周部に設けられ、前記第2の環状慣性部材と前記円筒部との間で前記空間内に充填された減衰液をシールする第2の摺動シールと、
を有するビスカスダンパ。 - 請求項1記載のビスカスダンパにおいて、前記第1の摺動シールと前記第2の摺動シールは、それぞれ前記慣性質量体に装着される本体部と、前記本体部に一体に設けられ前記円筒部に接触するリップ部とを有する、ビスカスダンパ。
- 請求項1または2記載のビスカスダンパにおいて、前記円筒部の一端部外周面は、軸方向に伸びて前記第1の摺動シールが接触する第1の接触面と、前記第1の接触面から前記円筒部の一端面に向けて径方向内方に傾斜した第1のテーパ面とを有し、前記円筒部の他端部外周面は、軸方向に伸びて前記第2の摺動シールが接触する第2の接触面と、前記第2の接触面から前記円筒部の他端面に向けて径方向内方に傾斜した第2のテーパ面とを有する、ビスカスダンパ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のビスカスダンパにおいて、前記第1の環状慣性部材の内周部に径方向内方に突出して前記第1の摺動シールを保持する第1の脱落防止壁を設け、前記第2の環状慣性部材の内周部に径方向内方に突出して前記第2の摺動シールを保持する第2の脱落防止壁を設けた、ビスカスダンパ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のビスカスダンパにおいて、前記フランジの外周部に軸方向に伸びて前記フランジの両面から突出して前記ジャーナルベアリングに支持される外周円筒部を設けた、ビスカスダンパ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のビスカスダンパにおいて、前記フランジの径方向中間部に、前記フランジから軸方向に突出する環状突起部を設けた、ビスカスダンパ。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015156003 | 2015-08-06 | ||
JP2015156003 | 2015-08-06 | ||
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Publications (1)
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