JPWO2017014298A1 - 膜カートリッジの再生方法 - Google Patents

膜カートリッジの再生方法

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Abstract

【課題】失われたMBR用膜カートリッジの分離性能をカートリッジ形態のまま復活させ、あるいはより向上させることができるだけでなく、高い透水性と耐ファウリング性が長期間維持されるMBR用膜カートリッジの再生方法を提供すること。【解決手段】活性汚泥の固液分離に使用した膜カートリッジを再生するに際し、第1の薬液含有水による洗浄工程、水洗工程、親水化溶液による第1の親水化工程、乾燥工程、親水化溶液による第2の親水化工程を順に行うことを特徴とする膜カートリッジの再生方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、膜分離活性汚泥法(MBR法)に使用される膜カートリッジの再生方法に関する。
近年、世界的な人口増加や工業化、都市化、生活レベルの向上を背景にして、生活用水や工業用水に必要な質・量が高まっている。
MBR法は、下水や工場排水の浄化を行う「活性汚泥法」の一種で、水と活性汚泥との分離を従来の沈殿池に代えて精密ろ過膜(MF膜)または限外ろ過膜(UF膜)を使って行う方法であり、将来予想される水不足を解消する方法として注目されている。MBR法に用いられる膜カートリッジとしては、親水化処理が施された中空糸膜タイプまたは平膜タイプのカートリッジ(例えば、特許文献1、2)が提案されている。
しかし、膜カートリッジを活性汚泥に浸漬された状態で長期にわたって使用すると、活性汚泥の出す分泌物やその死骸そのもの、汚泥中に含まれる夾雑物などが膜表面や細孔内に付着、堆積するファウリングによって透水性能が次第に低下することが避けられない。この問題に対し、次亜塩素酸ソーダや塩酸などの薬剤を用いて膜を洗浄することでファウリングを解消せしめ、膜をフレッシュな状態に戻す操作が行われる。
しかしながら、これらの薬剤による洗浄操作によって、膜表面や細孔内に付着、堆積したファウリング物質の大部分を除去することはできるが、透水性などの膜性能は必ずしも回復するわけではなかった。特に、親水化処理が施されたMBR用膜においては、長期間の使用により、またアルカリや酸を用いた洗浄により親水化剤が脱落してしまう問題があった。このため、膜カートリッジは、再生することができず一回の使い切りで、結果としてMBR法の運転・維持コストを上昇させてしまうことになり、普及を進めるうえで障害となっている。
そこで、使用後の膜カートリッジを、次亜塩素酸ソーダ洗浄、濯ぎ、シュウ酸洗浄、親水化剤を含んだ液に順につけることで、膜カートリッジを再生する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。該文献には、洗浄後の膜カートリッジに親水化剤を付与することは記載されているが、それを膜に固着せしめる方法やその効果についての言及はない。該方法で再生したモジュールをMBR法に再利用しても、親水化剤が速やかに脱落してしまうため、長期間にわたる親水性の保持は期待できない。
特開平07−136470号公報 特開2015−16463号公報 特開平11−300384号公報
本発明は、上記の従来技術の問題を克服するためになされたものであり、その目的は、失われたMBR用膜カートリッジの分離性能をカートリッジ形態のまま復活させ、あるいはより向上させることができるだけでなく、高い透水性と耐ファウリング性が長期間維持されるMBR用膜カートリッジの再生方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、使用済みのMBR用膜カートリッジを再生するに際し、親水化溶液による親水化工程の途中に乾燥工程を設けることにより、凝集した親水化剤が膜に残存する微量のファウラントをマスキングする作用を発揮して、MBR用膜カートリッジを再生できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の構成を有する。
(1)活性汚泥の固液分離に使用した膜カートリッジを再生するに際し、第1の薬液含有水による洗浄工程、水洗工程、親水化溶液による第1の親水化工程、乾燥工程、親水化溶液による第2の親水化工程を順に行うことを特徴とする膜カートリッジの再生方法。
(2)前記第1の薬液含有水が、アルカリ性薬液含有水であることを特徴とする(1)に記載の膜カートリッジの再生方法。
(3)前記親水化溶液が、ヒドロキシアルキルセルロースを含むアルコール水溶液であることを特徴とする(1)または(2)に記載の膜カートリッジの再生方法。
(4)前記乾燥工程後の膜の溶液付着率が350質量%以下であることを特徴する(1)〜(3)のいずれかに記載の膜カートリッジの再生方法。
(5)前記水洗工程と前記第1の親水化工程の間で、第2の薬液含有水による洗浄工程および水洗工程を順に実施することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の膜カートリッジの再生方法。
(6)前記第2の薬液含有水が、酸性薬液含有水であることを特徴とする(5)に記載の膜カートリッジの再生方法。
本発明によれば、親水化処理が施されたものであるか否かを問わず、MBR法にて使用後の膜カートリッジに親水化処理を施すこと及び親水化剤を膜表面に固定することができるため、膜カートリッジを再使用することが可能になる。
本発明のMBR用膜カートリッジを示す図である。
以下、本発明のMBR用膜カートリッジの再生方法を説明する。本発明のMBR用膜カートリッジの再生方法は、膜の形態に限定されるものではなく、平膜、中空糸膜、管状膜の再生に適用することができる。
以下、平膜タイプのカートリッジの再生方法を例に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において、活性汚泥の固液分離に使用した膜カートリッジを再生するに際し、第1の薬液含有水による洗浄工程、水洗工程、親水化溶液による第1の親水化工程、乾燥工程、親水化溶液による第2の親水化工程を順に行うことにより、膜カートリッジを再生するものである。
本発明が適用可能な素材には、使用時の吸引圧や洗浄時のスポンジ洗浄に耐える強度、次亜塩素酸ナトリウムや酸、アルカリ性薬剤の処理に耐える耐薬品特性、そして長期にわたる使用でも分解や変形、破損しない安定性が求められる。このような膜素材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、もしくはポリフッ化ビニリデン、またはこれらの混合物が挙げられる。
また、膜を固定する濾板(膜支持板)としては、例えば、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。
本発明において、第1の薬液含有水による洗浄工程で用いられる第1の薬液は、アルカリ性薬液が好ましく用いられ、具体的には、次亜塩素酸ナトリウムや苛性ソーダが挙げられるが、ファウリングの程度や使用する膜の耐薬品性などを考慮して、薬品種、濃度、温度、処理時間を選定すればよい。例えば、有効塩素濃度を0.3〜5%に調整し、室温で1分〜60分処理し、汚れがひどい場合には、温度を上げるか、処理時間を延長する。また、洗浄方法として、膜カートリッジを第1の薬液含有水に浸漬して洗浄しても良いし、カートリッジの透過水取水用ノズルから第1の薬液含有水を吸引または加圧して薬液を膜透過させることにより洗浄してもよい。
本発明において、水洗工程に用いる水は、超純水や逆浸透処理した水を用いるのが好ましい。水洗工程では、後段でシュウ酸洗浄を行うことを想定して、塩素ガス等が発生しない程度に第1の薬液を除去しておく必要がある。
本発明によれば、膜カートリッジのファウリング成分を完全に落とさなくても、膜カートリッジの分離性能を再生可能である。すなわち、親水化工程の途中に乾燥工程を設けることにより、親水化剤が凝集して物理ゲルを構成して、膜面に残る微量の不可逆性ファウラントを覆うように膜面に固着する。物理ゲルとは、親水化剤のOH基や−O−基の部分がお互いに水素結合することで3次元的な物理化学的架橋状態を呈することにより、結果としてゲルを形成したものである。洗浄により、残存ファウラントをある程度以下としておけば、前記物理ゲルがファウラントを覆い隠す効果が得られるため、所期の親水性の再発現が達成できる。また、疎水性膜を用いた膜カートリッジの再生に本技術を適用すれば、元の性能を上回ることも可能である。残存ファウラントが適正な範囲かどうかの見極めは、色調により判別することができる。具体的には、後述する色差計で測定した洗浄後の膜におけるL値が80超であれば、本発明の方法により膜カートリッジを再生(親水化または再親水化)可能といえる。
値が80以下の場合は、第1の薬液含有水による洗浄工程、水洗工程の後に、第2の薬液含有水による洗浄工程を加えることが好ましい。特に、被処理水中に鉄やカルシウム成分が多い場合は、次亜塩素酸ナトリウムや苛性ソーダでは洗浄しきれないことがあるので、以下に示すような第2の薬液含有水での洗浄を加えるのが好ましい。第2の薬液含有水としては、酸性薬液が好ましく用いられ、硫酸水溶液、塩酸水溶液、クエン酸水溶液またはシュウ酸水溶液のいずれかを用いるのが好ましい。洗浄方法としては、膜カートリッジを第2の薬液含有水に浸漬して洗浄しても良いし、膜カートリッジの通水口から第2の薬液含有水を吸引または加圧により導入し、薬液を膜透過させることにより洗浄してもよい。第2の薬液含有水は、pHを1〜3に調整して、室温で1分〜60分処理を行う。L値が80を超えない場合は、処理条件を強化するなどして再度洗浄を行う。洗浄が終了した膜カートリッジは、水洗により薬液を除去して、引き続き次工程(親水化工程)にて処理を行う。
本発明において、親水化溶液による第1の親水化工程における親水化溶液としては、ヒドロキシアルキルセルロース、アルコールおよび水を含む親水化溶液を用いるのが好ましい。ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシアルキル(C−C)セルロースおよびその誘導体が挙げられるが、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が好ましい。HPCとしては、日本曹達株式会社製HPC−Lが挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられるが、2−プロパノールが好ましい。親水化溶液中のHPCの濃度は、好ましくは0.1〜1.5質量%である。HPCの濃度は、処理対象の膜の状態により調整するのが好ましい。疎水性材料のみからなる膜カートリッジの場合は、比較的HPC濃度を高くしたものを用いてもよいし、親水化材を含む疎水性材料からなる膜カートリッジの場合は、HPC濃度を比較的低く調整してもよい。また、アルコール濃度は10〜70質量%が好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。
親水化処理の方法は特に限定されないが、親水化溶液に膜カートリッジを浸漬させる方法や、ダイ等を用いて膜カートリッジに固定された平膜へ塗布する方法などが挙げられる。また、膜カートリッジという特質を生かして、通水口から親水化溶液を膜カートリッジ内部に流し込み、あるいは膜カートリッジを親水化溶液に浸漬した状態で、通水口より吸引することで、親水化溶液を膜透過させることで処理することも有効である。
本発明において、親水化溶液による親水化工程の途中に乾燥工程を設けるのが特徴の1つである。乾燥条件としては、温度の好ましい範囲は18℃以上50℃未満である。また、相対湿度の好ましい範囲は1〜60%RHである。温度が高すぎたり、湿度が低すぎたりすると、アルコール水溶液中のHPCが凝集し過ぎてしまい、形成されたHPC微粒子による疎水部やファウラントの被覆効果を得られないことがある。そこで、温度が低い場合には、相対湿度を比較的低めに設定し、温度が高い場合には、相対湿度を比較的高めに設定することでアルコールの蒸発速度をコントロールするのが好ましい。また、アルコールの蒸発をより厳密に制御するために、膜カートリッジの周辺に風を流すことも好ましい。風速は、好ましくは0.01〜0.5m/秒である。この際、HPCアルコール水溶液中のアルコールの重量分率が、好ましくは25〜55%の範囲に低減されるのが好ましい。
このような乾燥工程を経ることにより、下記式で表される膜の溶液付着率を350質量%以下に乾燥するのが好ましい。乾燥工程後の溶液付着率が350質量%超では、アルコール水溶液が多すぎるために十分なサイズのHPCゲルが生成されにくくなり、結果としてHPCのゲルが洗浄で落としきれなかったファウラントを被覆しきれず、その後の親水化工程を経ても、十分な親水化効果を得ることができない。また、疎水性の高い素材の場合は、乾燥工程で絶乾してしまうと、その後の親水化工程で膜が濡れにくいために十分な親水化効果を得ることができないことがある。そのため、疎水性の高い素材の場合には、溶液付着率は70質量%以上とするのが好ましい。一方、親水性の素材からなる膜および親水化処理が施されていた膜の場合には、ほぼ絶乾状態まで乾燥しても構わない。
溶液付着率(質量%)=(W8−W9)/W9×100
ここで、W8は、乾燥工程後の膜の質量(およそ0.5g〜1.5g)であり、W9は、乾燥工程後の膜を静置乾燥機で60℃×12時間乾燥した後の膜質量である。
なお、溶液付着率の溶液とは、アルコールと水の混合液を指す。
このようにして得られた膜を、親水化溶液による第2の親水化工程に導く。このとき、第2の親水化工程の処理条件は、第1の親水化工程と同じ条件でもよいし、異なる条件としてもよい。第1の親水化工程から乾燥工程を経て、親水化の邪魔をするファウラントをマスキングした後、第2の親水化工程を実施することにより、膜全体を均質に親水化することが可能となる。
第2の親水化工程を経た膜カートリッジは、引き続き固着工程、最終乾燥工程を順に経て、再生処理を完了する。固着工程は、HPCの微粒子を膜(細孔)表面に固着させ、膜の親水性を長期間持続させるための処理である。この固着工程としては、熱水処理、温風処理、赤外線照射処理などが挙げられるが、熱水処理が簡便、低コストであり好ましい。熱水処理による固着工程としては、膜カートリッジを50〜72℃の水に5〜75分浸漬すればよい。最終乾燥工程は、温度40〜70℃、相対湿度1〜20%RHの条件が好ましい。
その他、必要に応じて親水化剤の架橋処理や膜と親水化剤とを反応・結合させるような処理をオフラインまたはオンラインで導入してもよいし、後加工として必要によりガンマ線照射やグラフト化反応を追加してもよい。
このようにして再生処理が施された膜カートリッジは、HPCを膜表面および細孔表面に微粒子の状態で分散させて固着させているため、MBR法に用いた場合に、優れた透水性の発現と高い親水性による耐ファウリング特性を発現できる。ところで、MBR用の膜カートリッジの再生の可否を評価するためには、活性汚泥を用いた実液中でのろ過テストが有効である。一般的に、一定のろ過流量を保持させながらろ過を継続し、その膜間差圧上昇の度合いをみる。その差圧上昇度が長期間にわたって小さく保たれるほど、MBR用膜として優れており、実用的であるといえる。本発明の方法によれば、実施例に記す条件で実液テストを行った際に、1週間の連続運転で膜間差圧上昇が10kPaを超えることは殆どない。
本発明の方法について、その効果を以下の実施例によって示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で測定した特性値の評価方法を以下に記載した。
(1)溶液付着率
乾燥工程後の膜の溶液付着率は重量法で算出した。乾燥工程後の膜約0.5〜約1.5gを秤量(W8)した後、静置乾燥機で60℃、12時間乾燥させ、再び秤量(W9)し、次式により溶液付着率(%)を算出した。
溶液付着率(%)=(W8−W9)/W9×100
(2)色調
膜を5cm角の正方形に切り出し、JIS Z8781−4:2013の規格に基づいてL表色系のL値を求めた。
(測定条件)装置:色差計 日本電色工業社製 ZE−2000測定方法:反射
標準光:C/2°光源
(3)実液テスト(差圧上昇度の評価)
実際の汚泥液を用いて、膜カートリッジのファウリング特性を調べた。装置は、宮本製作所製の浸漬型膜分離活性汚泥法テスト装置(Model IMF−5)を用いた。装置槽内のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)濃度を10g/Lになるよう活性汚泥液を調製し、本発明の再生処理を施した膜カートリッジをセットした。膜面積1mあたり1.0m/日のろ過速度にてチューブポンプによる吸引ろ過運転を行った。ろ過運転中は、30℃に保ち、運転停止時間を設けず連続運転として、膜カートリッジ下部より連続して曝気を行った。曝気量は、膜カートリッジ1個あたり2L/min.となるように調整した。この状態で1週間運転を続け、膜間差圧の上昇をモニターすることでファウリングの程度を判定した。
(実施例1)
(平膜シートの作製)
巻出し用フリーロールにポリエチレンテレフタレート(PET)抄紙からなる基材ロールをセットし、基材を巻き出して製膜原液(CPVC7.5質量%、THF63.3質量%、2−プロパノール19質量%、1−ブタノール10.2質量%)の入った含浸浴にゆっくり浸漬させた(滞留時間約1分)。その後、乾燥ゾーン(温度18℃、相対湿度68%、滞留時間5分)で溶媒を揮発させて相分離を誘発させ、製膜を行った。その後、巻取り機を用いて巻き取った。続いて、得られた複合膜にHPCの付与を行った。巻出し用のフリーロールに該複合膜のロールをセットし、HPC(0.7質量%)、2−プロパノール(49.65質量%)、水(49.65質量%)からなる溶液が入った含浸槽へ該複合膜を巻き出し浸漬させた。含浸槽の温度は20℃で、該膜の浸漬時間は15分とした。該複合膜を含浸槽から引き上げた後、温度25℃、風速0.03m/秒、処理時間2分の条件で膜中の2−プロパノールを揮発させた。さらに、純水の入った水洗槽に極わずかに浸した(1秒以下)。その後、該膜を65℃の熱水処理槽へ15分浸漬させた。熱水処理槽から該膜を引き上げた後、乾燥ゾーンで温度40℃、相対湿度10%RH、処理時間15分の条件で該膜を乾燥させた。最後に該膜を巻取り機でゆっくり巻き取った。このようにして、HPCが付与された親水性の膜(平膜シート)を得た。
(膜カートリッジの作製)
得られた平膜シートを用いて膜カートリッジを製作し、図1に示されるようなMBR用膜カートリッジとした。
周縁部4の厚みが6mmであり、中央部5より周縁部4が1mm高い塩化ビニル樹脂製の膜支持板3を作成した。また、膜支持板3の一部に矩形の貫通部を設け、透過水取水用のノズル7を取り付けた。
膜支持板3の中央部5に、流路材2として樹脂メッシュ:日本フィルコン(株)DOP−18Kをセットし、耐水接着剤にて膜支持板3と接着し、膜透過水流路を形成した。
膜支持板3と流路材2(樹脂メッシュ)を接着した後、流路材2の上面に緩衝材6としてPET製の不織布:廣瀬製紙(株)05TH−60をセットした。さらに、分離膜1の縁部と膜支持板3の周縁部4とを隙間無く接着した。裏面も同様にして、膜カートリッジとした。
(活性汚泥中での使用)
該膜カートリッジを実液テスト機でフラックス1.0m/dの条件で膜間差圧が40kPaを超えるまで運転を行った。
(洗浄処理)
実液テスト機より取り出した使用後の膜カートリッジの表面を流水下、スポンジでこすってケーク成分を取り除いた後、膜カートリッジを有効塩素濃度0.6%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に30℃、15分間浸漬して洗浄した。取り出した膜カートリッジを流水下で洗浄後、pH=2のシュウ酸水溶液に15分間浸漬した。膜カートリッジを取出し、流水下で残酸成分がなくなるまで洗浄した。
(再生処理)
洗浄後の膜カートリッジを、HPC(0.3質量%)、2−プロパノール(39.85質量%)、水(59.85質量%)からなる第1の親水化溶液槽へ(気泡が入らないように)浸漬させた。親水化溶液槽の温度は20℃で、該膜カートリッジの浸漬時間は15分とした。その後、膜カートリッジを親水化溶液槽から取出し、膜の溶液付着率が200質量%になるまで乾燥させた。
引き続き、乾燥後の膜カートリッジをHPC(0.7質量%)、2−プロパノール(49.65質量%)、水(49.65質量%)からなる第2の親水化溶液槽へ(気泡が入らないように)浸漬させた。親水化溶液槽の温度は20℃で、浸漬時間は15分とした。該膜カートリッジを親水化溶液槽から引き上げた後、温度25℃、風速0.03m/秒、処理時間2分の条件で膜中の2−プロパノールをゆっくりと揮発させた。さらに、純水の入った水洗槽に極短時間浸漬した。その後、該膜カートリッジを65℃の熱水処理槽へ15分浸漬させた。熱水処理槽から該膜カートリッジを引き上げた後、乾燥ゾーンで温度40℃、相対湿度10%RH、処理時間15分の条件で乾燥させた。このようにして、HPCが付着、固定化された親水性の再生膜カートリッジを得た。
(実液テスト)
再生した膜カートリッジを実液テストに供したところ問題なく運転することができた。結果を表1に示す。
(実施例2)
親水化溶液による第2の親水化処理前の膜の溶液付着率を330質量%としたこと以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
親水化溶液による第2の親水化処理前の膜の溶液付着率を15質量%としたこと以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
下水を処理するためのMBR装置中で使っていた、ファウリングのため塩素洗浄してもフラックスが回復しないSinap(中国上海)製カートリッジ(SINAP−10−PVDF)を、実施例1と同様にして再生処理を行った。実液テストに供したところ問題なく運転することができた。結果を表1に示す。
(実施例5)
上海名列科技(中国上海)製のPTFE膜(KF4140)を用いて実施例1と同様にして膜カートリッジを作製し、MBR装置中にて使用して膜ファウリングを起こさせた。その後、実施例1と同様の条件にて再生処理を行った。実液テストに供したところ問題なく運転することができた。結果を表1に示す。
(実施例6)
シュウ酸水溶液に浸漬する時間を5分にしたこと以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
親水化溶液による第1の親水化工程を省略した以外は、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。第1の親水化工程を省略したため、その後の乾燥工程において親水化材
(比較例2)
親水化溶液による第2の親水化工程を省略した以外は、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
(参考例1)
乾燥工程後(HPC浸漬前)の膜の溶液付着率を50質量%としたこと以外は実施例4と同じ操作を行った。
(参考例2)
シュウ酸水溶液に浸漬する時間を3分にしたこと以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
(参考例3)
乾燥工程後(親水化溶液による第2の親水化工程前)の膜の溶液付着率を400質量%としたこと以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017014298
本発明によれば、疎水性材料のみからなる膜カートリッジであるか、もしくは親水性材料を含む膜カートリッジであるかを問わず、親水化処理を施すことおよび親水化効果の長期維持が可能になるので、MBR用膜カートリッジの再生処理として極めて好適である。
1 分離膜
2 流路材
3 膜支持板
4 周縁部
5 中央部
6 緩衝材
7 透過水取水用ノズル

Claims (6)

  1. 活性汚泥の固液分離に使用した膜カートリッジを再生するに際し、第1の薬液含有水による洗浄工程、水洗工程、親水化溶液による第1の親水化工程、乾燥工程、親水化溶液による第2の親水化工程を順に行うことを特徴とする膜カートリッジの再生方法。
  2. 前記第1の薬液含有水が、アルカリ性薬液含有水であることを特徴とする請求項1に記載の膜カートリッジの再生方法。
  3. 前記親水化溶液が、ヒドロキシアルキルセルロースを含むアルコール水溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載の膜カートリッジの再生方法。
  4. 前記乾燥工程後の膜の溶液付着率が350質量%以下であることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載の膜カートリッジの再生方法。
  5. 前記水洗工程と前記第1の親水化工程の間で、さらに第2の薬液含有水による洗浄工程および水洗工程を実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜カートリッジの再生方法。
  6. 前記第2の薬液含有水が、酸性薬液含有水であることを特徴とする請求項5に記載の膜カートリッジの再生方法。
JP2017529944A 2015-07-23 2016-07-22 膜カートリッジの再生方法 Active JP6791142B2 (ja)

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