JPWO2016190184A1 - 内視鏡対物光学系 - Google Patents

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Abstract

細径で、水中画角が広く、画角のばらつきが小さく、光学系の全長が短い内視鏡対物光学系を提供する。内視鏡対物光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群GFと、明るさ絞りSと、正の屈折力を有する後群GRと、からなり、前群は、第1の負レンズL1と、第2の負レンズL2と、からなり、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足する。1<Iw/ft<1.8 (1)4<Lt/Iw<9.5 (2)Lsf/ft<2.8 (3)0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)

Description

本発明は、内視鏡対物光学系に関するもので、主に、医療用内視鏡の対物光学系に関する。
泌尿器系臓器を対象とした内視鏡として、挿入部を経尿道的に挿入する内視鏡(以下、「泌尿器用内視鏡」という)がある。泌尿器用内視鏡では、挿入部を尿道内に挿入可能とするために、挿入部の外径を7mm以下とすることが必須である。そのため、泌尿器用内視鏡の挿入部の径は、胃の検診や大腸の検診等で広く知られる消化管用内視鏡の挿入部よりも細径である。また、泌尿器系臓器は、通常は尿で満たされている。そのため、泌尿器用内視鏡に用いられる内視鏡対物光学系は、水中観察を想定した光学設計となっている。
特許文献1には、水中観察時の画角(以下、「水中画角」という)が広い内視鏡対物光学系が開示されている。特許文献1の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2群と、からなる。特許文献1の内視鏡対物光学系では、水中画角は105°〜164°である。
また、特許文献1には、観察空間の媒質について記載されている。ここでの観察空間は、泌尿器系臓器を泌尿器用内視鏡で観察する場合の空間である。特許文献1には、この場合の観察空間の媒質は、水を主成分とする灌流液や尿であることや、それら媒質の屈折率は水と同等とみなして差し支えないことが示されている。
更に、特許文献1では、水中画角が空気中観察時の画角(以下、「空気中画角」という)に対して狭角化されることを挙げている。特許文献1では、空気中画角と水中画角の関係が以下のように示されている。
空気中画角 180° 160° 140° 120°
水中画角 97.2° 95.3° 89.7° 81.0°
上記の空気中画角と水中画角は、水のd線における屈折率を1.333、内視鏡対物光学系の最も物体側のレンズを平面として算出している。
上記の関係は、例えば、空気中画角が120°の内視鏡対物光学系であっても、この内視鏡対物光学系を膀胱用内視鏡に用いると、実用時、すなわち、水中観察時は画角が81°に狭まる、ということを意味している。特許文献1では、空気中画角が広い内視鏡対物光学系であっても、膀胱内面全域での病変の探索を効率良く行えないことを課題として提示している。
特許文献2には、画角の切替えが可能、もしくは、画角のばらつきが低減可能な内視鏡対物光学系が開示されている。画角のばらつきは、部品の加工精度や組立誤差等により生じるものである。特許文献2の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2群と、からなる。そして、一部のレンズを移動させて、焦点距離を可変させている。
特許文献2の内視鏡対物光学系では、空気中画角は広角端で約170°である。特許文献2の実施例7では、光学系の先端面に正屈折力を持たせている。これにより、実施例7は水中画角が最も広い実施例となっている。実施例7における水中画角は119°である。先端面が平面になっている内視鏡対物光学系では、通常は水中画角が100°未満となることを鑑みると、引用文献2の実施例7の内視鏡対物光学系は、水中観察時でも広角と言える。
特許文献3には、画角ばらつきを低減した内視鏡用撮像ユニットが開示されている。特許文献3の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、からなる。そして、一部のレンズを移動させて、画角を可変させている。
特許文献3の内視鏡対物光学系では、空気中画角は145°〜173°である。水中画角に換算すると、先端面が平面になっている実施例では、水中画角は100°未満である。また、実施例4は先端面が正屈折力を持つ実施例で、水中画角が最も広い実施例であるが、この実施例4でも水中画角は105°である。
特許文献4には、画角が切替え可能な内視鏡対物光学系が開示されている。特許文献4の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2群と、からなる。そして、一部のレンズを移動させて、変倍を行っている。特許文献4の内視鏡対物光学系は、特に第1群に少なくとも2枚の負レンズを配置したことが特徴である。
特許文献4の全実施例では、先端面は平面で、空気中画角が約138°である。そのため、水中画角に換算すると画角は89°程度しかない。
特許文献5は、超広角で、画角の切替えが可能な内視鏡対物光学系が開示されている。特許文献5の内視鏡対物光学系では、空気中画角が180°以上になっている。特許文献5の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、負の屈折力を有する第2群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第3群と、正の屈折力を有する第4群と、からなる。そして、一部のレンズを移動させて、変倍を行っている。
特許文献5では、水中観察に関して説明されていない。しかしながら、全実施例において、先端面が正屈折力を持つ。そのため、特許文献5の内視鏡対物光学系の構成は、水中画角の広角化に有利な構成になっている。このようなことから、特許文献5の内視鏡対物光学系では、水中画角を十分に大きくとれるものと考えられる。
特許文献6には、超広角な内視鏡対物光学系が開示されている。特許文献6の内視鏡対物光学系では、空気中画角が180°以上になっている。特許文献6の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2群と、からなる。
特許文献6では、水中観察に関して説明されていない。しかしながら、全実施例において、先端面が正屈折力を持つ。そのため、特許文献6の内視鏡対物光学系の構成は、水中画角の広角化に有利な構成になっている。このようなことから、特許文献6の内視鏡対物光学系では、水中画角を十分に大きくとれるものと考えられる。
特許文献7には、超広角な内視鏡対物光学系が開示されている。特許文献7の内視鏡対物光学系では、空気中画角が180°以上になっている。特許文献7の内視鏡対物光学系は、負の屈折力を有する第1群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2群と、からなる。
特許文献7では、水中観察に関して説明されていない。しかしながら、全実施例において先端面が正屈折力を持つ。そのため、特許文献7の内視鏡対物光学系の構成は、水中画角の広角化に有利な構成になっている。このようなことから、特許文献7の内視鏡対物光学系では、水中画角を十分大きくとれるものと考えられる。
特許文献8には水中観察を想定した内視鏡対物光学系が開示されている。ただし、空気中画角が最も大きい実施例(6〜9、17、18)でも、画角は138.3°である。この画角は、水中画角に換算すると89°である。
国際公開第2014/208373号 特開平7−181377号公報 特開2006−3549号公報 特開2002−14282号公報 特開2012−47909号公報 国際公開第2011/70897号 国際公開第2011/148822号 特開平5−288986号公報
特許文献1に開示された内視鏡対物光学系では、画角のばらつきに関して考慮がされていない。また、画角調整を光学的に行うためには、レンズの移動が必要である。しかしながら、特許文献1の内視鏡対物光学系では、レンズの移動に必要な空間が十分に確保されているとは言えない。
また、特許文献2に開示された内視鏡対物光学系では、最も物体側のレンズが大き過ぎるため、細径化が困難である。
また、特許文献3に開示された内視鏡対物光学系は、水中画角が十分に広いとは言えない。
また、特許文献4に開示された内視鏡対物光学系は、水中画角が十分に広いとは言えない。更に、各実施例の図を参照すると、最も物体側にあるレンズの外径が像高に比して大きくなっている。そのため、更なる水中画角の広角化を図った際には、細径化が困難になる。
また、特許文献5に開示された内視鏡対物光学系では、広角状態の光線図を参照すると、各実施例で、最も物体側にあるレンズの外径が像高に比して非常に大きい。そのため、細径化が困難になる。
また、特許文献6に開示された内視鏡対物光学系では、画角のばらつきに関して考慮がされていない。また、光学的に画角調整を行うためにはレンズの移動が必要であるが、特許文献6の内視鏡対物光学系では、レンズの移動に必要な空間が十分に確保されているとは言えない。
また、特許文献7に開示された内視鏡対物光学系では、光学系の全長が長すぎる。
また、特許文献8に開示された内視鏡対物光学系では、水中画角が実用時に十分な画角とは言えない。更に、画角のばらつきに関して考慮がされていないので、画角のばらつきを低減する工夫についての開示が無い。
以上のように、特許文献1〜8に開示された内視鏡対物光学系では、主に膀胱用内視鏡に必要とされる、細径で、水中画角が広く、画角のばらつきが小さく、光学系の全長が短いという要求を、同時に満足することができない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、細径で、水中画角が広く、画角のばらつきが小さく、光学系の全長が短い内視鏡対物光学系を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
また、本発明の別の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、
接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
本発明によれば、細径で、水中画角が広く、画角のばらつきが小さく、光学系の全長が短い内視鏡対物光学系を提供することができる。
本実施形態の内視鏡対物光学系の基本構成を示す図である。 本実施形態の内視鏡ユニットを示す図であって、(a)は第1の構成を示す図、(b)は第2の構成を示す図である。 実施例1に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図と、球面収差(SA)、非点収差(AS)及び歪曲収差(DT)をそれぞれ示す収差図である。 実施例2に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図と、球面収差(SA)、非点収差(AS)及び歪曲収差(DT)をそれぞれ示す収差図である。 実施例3に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図と、球面収差(SA)、非点収差(AS)及び歪曲収差(DT)をそれぞれ示す収差図である。 撮像範囲を示す概念図であって、(a)は水中観察状態での撮像範囲を示す図、(b)は空気中観察状態での撮像範囲を示す図である。
以下、本実施形態に係る内視鏡対物光学系について、図面を用いて、このような構成をとった理由と作用を説明する。なお、以下の実施形態に係る内視鏡対物光学系によりこの発明が限定されるものではない。
本実施形態の内視鏡対物光学系の基本構成について説明する。基本構成の光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、から構成されている。
本実施形態の内視鏡対物光学系は、超広角光学系である。そこで、本実施形態の内視鏡対物光学系では、非常に広い画角を確保するために、画角の拡大に最適な、所謂レトロフォーカス型の構成を基本構成に採用している。
図1に、本実施形態の内視鏡対物光学系の基本構成の一例を示す。基本構成では、光学系を、物体側から順に、負の屈折力を有する前群GFと、明るさ絞りSと、正の屈折力を有する後群GRと、で構成している。
更に、基本構成では、前群GFを、第1の負レンズL1と第2の負レンズL2とで構成している。第1の負レンズL1と第2の負レンズL2は、共に単レンズである。このように、前群GFを構成するレンズを負の単レンズ2枚に限定することで、明るさ絞りSよりも物体側の空間において、広角化、入射瞳位置の短縮及び画角調整に寄与しない構造物を排除している。入射瞳位置の短縮とは、入射瞳位置をより物体側に近づけることである。
本実施形態の内視鏡対物光学系は、泌尿器系臓器の観察にも使用できる。前述のように、泌尿器系臓器の観察は水中で行われる。水中観察時に広い画角を確保するためには、前群GFの負レンズが1枚では負の屈折力が足りない。そこで、前群GFを2枚の負レンズで構成することで、負の屈折力を十分に確保している。その結果、水中での観察において広い画角を確保できる。
前群GFの第1の負レンズL1と第2の負レンズL2のいずれか、もしくは、両方を接合レンズで構成するとレンズ肉厚の増大により、明るさ絞りSよりも物体側の空間が長くなってしまう。第1の負レンズL1と第2の負レンズL2の各々を単レンズとすることで前群GFにおけるレンズ肉厚の増大を回避することができる。その結果、明るさ絞りSよりも物体側の空間にてレンズが占める空間を最小化できる。
このような前群GFの構成は、前群GFの長さの短縮を実現すると共に、光学系全体の長さの短縮にも寄与する。
このように、本実施形態の内視鏡対物光学系における基本構成は、細径化(レンズ外径の小径化)、広角化、光学系の全長の短縮化の全てに配慮した構成になっている。
尚、超広角光学系のなかには、明るさ絞りSの物体側に正レンズを配置した光学系もある。しかしながら、前群GFに配置した正の屈折力は、画角を狭める方向に作用する。しかも、正の屈折力は、入射瞳位置をより像側に位置させるので、レンズ外径を増大させる。そのため、明るさ絞りSの物体側に正レンズを配置することは望ましくない。
明るさ絞りSは、前群GFと後群GRとの間に配置されている。前群GFと後群GRとの間隔が狭い場合、明るさ絞りSをレンズ面に設けても良い。明るさ絞りSをレンズ面に設ける方法としては、例えば、レンズ面に金属遮光膜をコーティングしエッチングで開口を形成する方法や、レンズと枠の間に円環状の薄い金属板を挟み込む方法がある。
後群GRは、第1の正レンズL3と、第2の正レンズL4と、接合レンズCLとで構成されている。接合レンズCLは、正レンズL5と負レンズL6とで構成されている。また、後群GRには、光学フィルタFが配置されている。図1では、光学フィルタFは、第1の正レンズL3と第2の正レンズL4との間に配置されている。
光学フィルタFは、例えば、赤外線カットフィルタや、色温度変換フィルタである。これらのフィルタは、CCDなどの撮像素子の感度補正に用いられる。
また、レーザーカットフィルタや特殊機能フィルタを、光学系中に配置してもよい。レーザーカットフィルタとしては、例えば、YAGレーザや半導体レーザ等のレーザ光をカットするためのフィルタがある。特殊機能フィルタとしては、例えば、特定波長域の光線をカットするノッチフィルタがある。
また、光学フィルタFには、吸収型のフィルタ、反射型のフィルタ、もしくはそれらを一緒にした複合型のフィルタを用いても良い。また、反射防止膜を施したフィルタを用いてもよい。
後群GRの像側には、ガラスブロックCが配置されている。ガラスブロックCは、固体撮像素子のカバーガラスを想定したものである。ガラスブロックCの像側面には、像高がIwの物体の像が形成されている。ガラスブロックCの像側面は、撮像素子の撮像面と一致している。
以下、第1実施形態の内視鏡対物光学系と第2実施形態の内視鏡対物光学系について、説明する。
第1実施形態の内視鏡対物光学系は、上記の基本構成を備えると共に、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
条件式(1)は、水中画角に関連する条件式である。最大像高Iwは、水中観察も考慮した上での最大像高である。ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離である。ただし、物体側第1面が曲率を有する場合は、物体側媒質の屈折率に応じて焦点距離が変化する。そのため、ftは、一般的なレンズの焦点距離の定義と同様に、物体側媒質を空気としたときの焦点距離とする。
条件式(1)において、Iw/ftの値が小さくなると水中画角は狭くなり、Iw/ftの値が大きくなると水中画角は広くなる。
空気中での観察用に設計された従来の内視鏡対物光学系では、像高Hが、焦点距離ftと入射角θaの正弦に概ね比例するものが多い。このような内視鏡対物光学系は、所謂H=ft×sin(θa)型の対物光学系として知られている。θaは、物体側媒質空間での主光線と光軸とのなす角度であって、空気中観察時の角度である。H=ft×sin(θa)型の対物光学系では、H/ftの値は1以下となる。
これに対して、第1実施形態の内視鏡対物光学系は、条件式(1)から分かるようにIw/ftの値は1よりも大きくなる。これは、第1実施形態の内視鏡対物光学系では、水中観察時の最大像高を、空気中観察時に想定される像高よりも大きくとっていることを意味する。条件式(1)の下限値を上回ることは、水中画角の広角化に寄与する。条件式(1)の上限値を下回ることで、水中画角の過剰な広角化を回避することができる。
条件式(1)の下限値を下回ると、水中画角が狭くなる。すなわち、水中での観察に必要な画角を十分に得ることが困難になる。
条件式(1)の上限値を上回ると、水中画角が広くなり過ぎてしまう。この場合、観察視野の周辺部や撮像素子で取得した画像周辺部で明るさの低下が生じる。よって、条件式(1)の上限値を上回ることは望ましくない。観察視野の周辺部や画像の周辺で明るさの低下としては、例えば、照明光学系側での配光不足や、対物光学系における周辺光量の低下がある。
条件式(2)は、光学系の全長に関連する条件式である。Lt/Iwは、光学系の全長を最大像高で規格化することを意味する。Lt/Iwの値が小さいほど、光学系の全長が短い内視鏡対物光学系を実現できる。最大像高は固体撮像素子の撮像面サイズにほぼ比例すると考えて良い。
条件式(2)の下限値を下回ると、光学系の全長が短くなりすぎてしまう。この結果、画角調整のために必要な空間の確保、十分な収差補正及びレンズ製造時の容易性の確保が困難となる。よって、条件式(2)の下限値を下回ることは望ましくない。
条件式(2)の上限値を上回ると、先端硬質部長が増加する。先端硬質部長が長いと、内視鏡の先端部を湾曲させたときに、被写体までの距離が短くなる。その結果、視野が狭まってしまうので、広角化による視野拡大の価値が低下する。よって、条件式(2)の上限値を上回ることは望ましくない。
条件式(3)は、レンズの最大径に関連する条件式である。一般的に、広角レンズでは、所謂前玉レンズが最大径を有するレンズとなる。第1実施形態の内視鏡対物光学系では、物体側第1面を有するレンズ、すなわち第1の負レンズが前玉レンズに相当する。
超広角レンズでは、第1の負レンズにおける光線高は、画角と入射瞳位置でほぼ定まる。画角を決めた場合、入射瞳位置が、第1の負レンズにおける光線高を決めるパラメータとなる。入射瞳位置が物体側第1面から像側に向かって離れるほど、第1の負レンズにおける光線高が高くなる。そのため、第1の負レンズを小径化するためには、入射瞳位置を物体側第1面に近づける工夫が必要である。
入射瞳位置を物体側第1面に近づけるためには、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔(以下、「Lsf」という)を短くすれば良い。そこで、Lsfを内視鏡対物光学系全系の焦点距離(以下、「ft」という)で規格化し、上限値を設けた。尚、条件式(3)では、最大像高でなくftで、Lsfを規格化している。このようにした理由は、画角の要因も条件に加味するためである。
例えば、最大像高が撮像素子の撮像面サイズで決まるとすると、最大像高は画角の要因を含まない。一方、ftについては、最大像高を一定とすると、ftの値が小さくなると画角は広くなるという関係が成立する。このように、ftは、画角の要因を含んでいる。
ftでLsfを規格化することにより、広角化に伴ってftの値が小さくなるほどLsfの上限値も小さくなる。その結果、第1の負レンズの外径の規制を、より厳格に行うことができる。
条件式(3)の上限値を上回ると、第1の負レンズの外径が増大する。これに伴い、内視鏡、特に、先端硬質部が太径化する。よって、条件式(3)の上限値を上回ることは望ましくない。
画角を変化させるには、光学系全系の焦点距離を変化させれば良い。但し、焦点距離変動に伴うピント変動やレンズ移動距離を小さくする必要がある。レトロフォーカス型の光学系では、負の屈折力を有するレンズ群と正の屈折力を有するレンズ群との間隔を変更することで、ピント変動や移動距離を小さく保ちつつ焦点距離を大きく変化させることができる。よって、レトロフォーカス型の光学系では、負の屈折力を有するレンズ群と正の屈折力を有するレンズ群との間隔を変更することで画角調整を行うのが好適である。
条件式(4)は画角調整に関連する条件式である。画角調整を行うにはピント変動や移動距離を小さく保ちつつ焦点距離を大きく変化できる間隔を選び、レンズ移動によりその間隔を変化させる必要がある。前述のように、基本構成では、レトロフォーカス型の構成を採用している。第1実施形態の内視鏡対物光学系において、負屈折力と正屈折力との境界は、第1の負レンズと第2の負レンズとの間、又は、第2の負レンズと明るさ絞りとの間になる。よって、第1の負レンズと第2の負レンズとの間隔、又は、第2の負レンズと明るさ絞りとの間隔が、画角調整に好ましい間隔になる。
内視鏡対物光学系は、レンズや光学フィルタ等の光学素子で構成されている。これらの光学素子を、予め決められた間隔で配置するためには、複数のグループに分けた光学素子を、各々枠部材で保持し、枠部材同士の位置を調整すれば良い。この時、光学素子や枠部材などの部品には、各々、製造誤差による寸法のばらつきが存在する。そのため、部品の組み合わせによっては、内視鏡対物光学系の広角端の画角が、予め設定しておいた許容範囲を越えて過剰に広くなることもある。
前述のように、レトロフォーカス型の光学系では、負屈折力と正屈折力との境界における間隔を変化させることで画角調整を行う。この場合、過剰に広い画角を所定の許容範囲内に収めるためには、この間隔を減少させる必要がある。このようなことから、間隔の減少による画角調整が十分に行えるように、レンズの移動幅を大きく確保しておくことが重要である。
第1実施形態の内視鏡対物光学系では、条件式(3)を満足することで、明るさ絞りよりも物体側の空間を極力狭くしている。そのため、その限られた空間内で空気間隔を適正な比率で確保する必要がある。
ΣLa/Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔に対する、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の占める比率を表している。尚、明るさ絞りより物体側に位置する光学部材が第1の負レンズと第2の負レンズのみの場合、ΣLaは第1の負レンズと第2の負レンズとの間の空気間隔、及び、第2の負レンズと明るさ絞りとの間の空気間隔の和となる。
条件式(4)の下限値を下回ると、空気間隔が占める比率が小さくなりすぎる。この場合、画角調整に必要な調整幅を十分に確保することができない。特に、内視鏡対物光学系が、過剰な広角側ばらつきをもたらす部品の組合せで構成されている場合、画角を十分に狭められなくなる。よって、条件式(4)の下限値を下回ることは望ましくない。
条件式(4)の上限値を上回ると、空気間隔が占める比率が大きくなりすぎる。この場合、第1の負レンズや第2の負レンズの厚みを十分に確保できなくなる。その結果、第1の負レンズや第2の負レンズの加工時における破損や、枠組後の破損等の強度的課題が生じる。よって、条件式(4)の上限値を上回ることは望ましくない。
画角調整箇所は、条件式(4)を満足した上で、第1の負レンズと第2の負レンズとの間、及び、第2の負レンズと明るさ絞りの間のいずれかを、選択すれば良い。内視鏡に実装する小型の鏡枠では、鏡枠設計時の要求事項である枠部品加工性、組立性、及び、信頼性品質等に対する配慮が重要である。画角調整箇所の選択は鏡枠設計に強く影響する。そのため、画角調整箇所の選択は鏡枠設計上の要求事項を満足した上で調整幅を確保しやすい方を選択するのが望ましい。
また、第1実施形態の内視鏡対物光学系では、後群は、物体側に、第1の正レンズと、第2の正レンズと、を有し、以下の条件式(5)、(6)を満足することが好ましい。
0.25<PSp12×ft (5)
0.5<|PSp12/PSn12|<1.1 (6)
ここで、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
PSp12は、第1の正レンズと第2の正レンズとのペッツバール和、
PSn12は、第1の負レンズと第2の負レンズとのペッツバール和、
である。
条件式(5)と条件式(6)は、共に、部分的なペッツバール和に関連する条件式である。像面湾曲の尺度となるペッツバール和は、2つの領域が接することで形成された境界面における屈折力を、境界の両側に位置する領域の屈折率で除算したものの和であって、長さの逆数の次元を有する。ペッツバール和は境界面毎に算出できる。そのため、光学系においては、算出の対象となるレンズ面の枚数によって、レンズ毎やレンズ群毎というように、部分的なペッツバール和を算出できる。
前述のように、第1実施形態の内視鏡対物光学系は、レトロフォーカス型の構成を基本構成に採用している。レトロフォーカス型の光学系を超広角化すると、前群が大きな負の屈折力を持つために前群におけるペッツバール和が負となる。その結果、補正が過剰傾向の像面湾曲が発生し易くなる。これを光学系全体として補正するためには、後群で大きな正のペッツバール和を発生させて、前群で発生する負のペッツバール和とのバランスをとる必要がある。
レトロフォーカス型の構成では、前群で大きく光束が発散され、大きく発散された光束が後群に入射する。そこで、後群内の物体側に、大きな正の屈折力を持つレンズを配置して、光束をできるだけ後群内の物体側で収束方向に変換する必要がある。このように、後群内の物体側に配置した正の屈折力を持つレンズとそのレンズの屈折率を利用して、前群で発生する負のペッツバール和を相殺するのが効率的である。
第1実施形態の内視鏡対物光学系では、第1の正レンズと第2の正レンズを後群に配置し、この2つの正レンズでのペッツバール和が正の大きな値を持つようにしている。尚、内視鏡対物光学系では、光学系の全長短縮が望まれる。そのため、光学系内でレンズが配置される空間は限られる。この限られた空間内で正のペッツバール和を効率良く発生させるためには、第1の正レンズと第2の正レンズを接合レンズにするよりも、単レンズのままにした方が望ましく、更に、正レンズの各々の屈折力と屈折率の選択により条件式(5)を満足することが望ましい。
条件式(5)は第1の正レンズと第2の正レンズのペッツバール和(以下「PSp12」という)に関する条件式で、PSp12にftを乗算して無次元化すると共に、規格化したものである。
条件式(5)の下限値を下回ると、後群における正のペッツバール和が小さくなり過ぎる。そのため、前群における負のペッツバール和の相殺に正のペッツバール和を利用する際に、正のペッツバール和が絶対的に不足する。よって、条件式(5)の下限値を下回ることは望ましくない。
条件式(6)は、前述のPSp12と前群のペッツバール和(以下、「PSn12」という)のバランスに関する条件式である。第1実施形態の内視鏡対物光学系では、PSn12の絶対値をできる限り小さくするのが望ましい。しかしながら、前群の屈折力は、画角やレンズの外径等でほぼ決まってしまう。よって、PSn12の絶対値を小さくするための自由度としては、第1の負レンズと第2の負レンズに高屈折率素材を用いる、という程度の自由度しか無い。
このようなことから、PSn12は、実質的には、絶対値として大きく残存してしまう。そこで、大きな値を持つPSn12に対して、意図的に大きな値のPSp12を発生させて、バランスをとることとなる。PSp12の値の符号とPSn12の値の符号は異符号のため、条件式(6)では、絶対値で両者の比をとっている。
|PSp12/PSn12|の値が1であれば、これら4枚のレンズでペッツバール和が相殺される状態となっている。よって、ペッツバール和の点では、好ましい内視鏡対物光学系が実現できる。
条件式(6)の下限値を下回ると、PSn12に対してPSp12が相対的に小さくなりすぎる。この場合、正のペッツバール和で、負のペッツバール和を十分に相殺できなくなる。その結果、内視鏡対物光学系の全系でのペッツバール和が補正過剰の状態で残存することになる。よって、条件式(6)の下限値を下回ることは望ましくない。
ちなみに、管腔内を観察する内視鏡では視野周辺の被写体が内視鏡対物光学系に近接しやすい。そのため、像面湾曲は少し補正不足傾向の方が、視野周辺のピントが合い易くなる。逆に、補正が過剰傾向の像面湾曲が残存している場合は、視野周辺のピントをよりさらにぼかすこととなる。よって、補正が過剰傾向の像面湾曲が残存することは好ましくない。
条件式(6)の上限値を上回ると、PSp12が必要以上に大きくなる。この場合、第1の正レンズと第2の正レンズを低屈折率素材で構成し、且つ、非常に大きい正の屈折力を2つの正レンズに持たせることとなる。しかしながら、このようにすると、偏心等の製造誤差感度が高くなりすぎる。偏心は一般的に点像強度分布の形状を崩すか、もしくは、像面の対称性と平坦性を悪化させる形で結像性能を劣化させる。偏心の製造誤差感度が高いことは実装時に結像性能が劣化し易いことにつながる。よって、PSp12を必要以上に大きくすること、すなわち、条件式(6)の上限値である1.1を上回ることは望ましくない。
また、第1実施形態の内視鏡対物光学系では、後群は、第2の正レンズの像側に接合レンズを有し、接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
0.02<PS3×ft (7)
ここで、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
PS3は、接合レンズのペッツバール和、
である。
第1の負レンズ、第2の負レンズ、第1の正レンズ及び第2のレンズの4枚のレンズで、所望の光学仕様実現と像面湾曲の良好な補正が概ね可能となる。ただし、この4枚のレンズだけで、球面収差、コマ収差、非点収差及び色収差を良好に補正しきれるものではない。
そこで、後群内に、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの組み合わせからなる接合レンズを追加する。このようにすることで、球面収差、コマ収差、非点収差及び色収差の補正が可能になる。
負の屈折力を有するレンズには、高屈折率で高分散の硝材を用い、正の屈折力を有するレンズは、負の屈折力を有するレンズに用いた硝材よりも、相対的に低屈折率で低分散の硝材を用いれば良い。このような組み合わせは、通常よく用いられる組み合わせである。
但し、像面湾曲の補正が過剰傾向になることをできる限り回避するため、第1実施形態の内視鏡対物光学系では、接合レンズについてもペッツバール和に関する条件を付加している。
条件式(7)は、接合レンズのペッツバール和にftを乗算して無次元化すると共に、規格化したものである。条件式(7)を満足することで、接合レンズにおけるペッツバール和を前群における負のペッツバール和の相殺に利用できる。その結果、内視鏡対物光学系全系でのペッツバール和の改善につながる。また、前述のように、第1の正レンズと第2の正レンズに対する制約は、製造誤差による画質劣化とトレードオフになり易い。条件式(7)を満足することは、第1の正レンズと第2の正レンズに対する制約の緩和ともなり得る。
条件式(7)の下限値を下回ると、前述のような効果が得られない。よって、条件式(7)の下限値を下回ることは望ましくない。
第2実施形態の内視鏡対物光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
また、第2実施形態の内視鏡対物光学系は、以下の条件式(5)、(6)、(7)を満足することが好ましい。
0.25<PSp12×ft (5)
0.5<|PSp12/PSn12|<1.1 (6)
0.02<PS3×ft (7)
ここで、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
PSp12は、第1の正レンズと第2の正レンズとのペッツバール和、
PSn12は、第1の負レンズと第2の負レンズとのペッツバール和、
PS3は、接合レンズのペッツバール和、
である。
第2実施形態の内視鏡対物光学系における構成や条件式は、第1実施形態の内視鏡対物光学系で説明したので、ここでの説明は省略する。
また、第1実施形態の内視鏡対物光学系や第2実施形態の内視鏡対物光学系(以下、「本実施形態の内視鏡対物光学系」という)では、第1の負レンズは物体側面が平面の平凹レンズであることが好ましい。
物体側面を平面とすることで、レンズ面の破損を低減することができる。また、レンズ面の周辺部に水滴が溜まりにくくなるので、観察可能な範囲が狭まることがない。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第1の負レンズの屈折率は1.75以上であることが好ましい。
このようにすることで、第1の負レンズの外径を小さくすることができる。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第1の負レンズの硝材はサファイアであることが好ましい。
サファイアは硬度が非常に高い材料なので、外部からの衝撃に強い。よって、物体側のレンズ面に傷が付きにくい。サファイアを用いることで、画像への傷の映り込みや、傷によるフレア発生が起こりにくくなる。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第2の負レンズの物体側面は、物体側に凹面を向けていることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第2の負レンズは平凹レンズであって、物体側に凹面を向け、像側面が平面であることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第2の負レンズの屈折率は1.75以上であることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第1の正レンズの像側面は、像側に凸面を向けていることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第1の正レンズは平凸レンズであって、物体側面が平面で、像側面は、像側に凸面を向けていることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第1の正レンズの屈折率は1.75未満であることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第2の正レンズの像側面は、像側に凸面を向けていることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第2の正レンズは平凸レンズであって、物体側面が平面で、像側面は、像側に凸面を向けていることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、第2の正レンズの屈折率は第1の正レンズの屈折率よりも高いことが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、接合レンズの正の屈折力を有するレンズは両凸レンズであることが好ましい。
また、本実施形態の内視鏡対物光学系では、凹レンズの屈折率は1.85以上で、アッベ数は23以下であることが好ましい。
本実施形態の内視鏡対物ユニットについて説明する。本実施形態の内視鏡対物ユニットは、内視鏡対物光学系と、第1の保持部材と、第2の保持部材と、を有し、内視鏡対物光学系は、物体側から順に、第1の負レンズと、第2の負レンズと、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、を有し、第1の保持部材は、第1の負レンズを少なくとも有し、第2の保持部材は、第1の正レンズ、第2の正レンズ及び接合レンズを少なくとも有し、第1の保持部材と第2の保持部材を、光軸に沿って相対的に移動させることを特徴とする。
前述のように、内視鏡対物光学系は、レンズや光学フィルタ等の光学素子で構成されている。これらの光学素子を、予め決められた間隔で配置するためには、複数のグループに分けた光学素子を、各々枠部材で保持し、枠部材同士の位置を調整すれば良い。全ての光学素子が枠部材で保持され、枠部材が組み合わさった状態になっているものを、ここでは、内視鏡対物ユニットとする。
内視鏡対物ユニットの組立てでは、各種の調整が行われる。その一つに光学系の画角調整がある。超広角光学系では、画角が非常に広い。そのため、超広角光学系における画角調整は、非常に難しいものになる。画角は、光学系の焦点距離を変化させることで調整できる。
前述のように、レトロフォーカス型の構成では、負の屈折力を有するレンズ群と正の屈折力を有するレンズ群との間隔を変更することで、ピント変動や移動距離を小さく保ちつつ焦点距離を大きく変更させることができる。本実施形態の内視鏡対物光学系も、レトロフォーカス型の構成を基本構成に採用している。よって、本実施形態の内視鏡対物ユニットにおいても、前群と後群との間隔を変更することで、少ない間隔の変更で画角調整が可能となる。
前述のように、基本構成では、前群GFを2枚の負レンズで構成すると共に、2枚の負レンズを、独立した状態で配置している。よって、負の屈折力を有するレンズ群に1枚の負レンズを用いる構成(以下、「第1の構成」という)と、負の屈折力を有するレンズ群に2枚の負レンズを用いる構成(以下、「第2の構成」という)とが存在する。
このように、基本構成では、画角調整に好適な箇所の候補が2つ存在する。よって、必要に応じて、2つの候補から画角調整を行う箇所を選択すれば良い。
図2に、本実施形態の内視鏡ユニットを示す。図2(a)は第1の構成を示す図、図2(b)は第2の構成を示す図である。
第1の構成を有する内視鏡対物ユニットを図2(a)に示す。内視鏡対物ユニットは、内視鏡対物光学系とレンズ枠とを少なくとも有する。内視鏡対物光学系は、負レンズL1と、負レンズL2と、正レンズL3と、正レンズL4と、正レンズL5と、負レンズL6と、で構成されている。正レンズL5と負レンズL6とが接合されている。
明るさ絞りSは、正レンズL3の物体側面に設けられている。正レンズL3と正レンズL4との間に、光学フィルタFが配置されている。負レンズL6の像側には、ガラスブロックCが配置されている。ガラスブロックCは、固体撮像素子のカバーガラスを想定したものである。ガラスブロックCの像側面は、撮像素子の撮像面と一致している。ガラスブロックCの像側面には、最大像高がIwの物体の像が形成されている。
負レンズL2から負レンズL6までの光学系は結像作用を有することから、この部分の光学系は必然的に正の屈折力を有するレンズ群となる。そうすると、第1の構成では、負レンズL1が前群、負レンズL2から負レンズL6までが後群になる。よって、第1の構成では、レトロフォーカス型に特有のレンズ群の関係が維持されることになる。その結果、負レンズL1と負レンズL2との間は、画角を調整する間隔として好適な場所になる。
そこで、第1の構成では、負レンズL1をレンズ枠LB1で保持し、負レンズL2、正レンズL3、光学フィルタF、正レンズL4、正レンズL5及び負レンズL6をレンズ枠LB2で保持し、ガラスブロックCをレンズ枠LB3で保持している。
このようにすることで、レンズ枠LB1とレンズ枠LB2を光軸に沿う方向に相対移動させることができる。これにより、負レンズL1と負レンズL2との間隔が変化する。このように、第1の構成では、負レンズL1と負レンズL2との間隔を変化させることで、画角調整を行うことができる。ここで、負レンズL1は第1の負レンズで、負レンズL2が第2の負レンズである。よって、第1の構成では、第1の負レンズと第2の負レンズとの間隔を変化させることで、画角調整を行うことができる。
また、負レンズL1と負レンズL2との間隔を変化させると、像位置が変化する。前述のように、ガラスブロックCの像側面は、撮像素子の撮像面と一致している。よって、負レンズL1と負レンズL2との間隔を変化させたときも、ガラスブロックCの像側面を像位置と一致させる必要がある。そこで、レンズ枠LB2とレンズ枠LB3を、光軸に沿う方向に相対移動させる。これにより、負レンズL6とガラスブロックCとの間隔が変化する。その結果、ピント位置の調整を行うことができる。
第2の構成を有する内視鏡対物ユニットを図2(b)に示す。内視鏡対物ユニットは、内視鏡対物光学系とレンズ枠とを少なくとも有する。内視鏡対物光学系は、負レンズL1と、負レンズL2と、正レンズL3と、正レンズL4と、正レンズL5と、負レンズL6と、で構成されている。正レンズL5と負レンズL6とが接合されている。
明るさ絞りSは、負レンズL2と正レンズL3との間に配置されている。正レンズL3と正レンズL4との間に、光学フィルタFが配置されている。負レンズL6の像側には、ガラスブロックCが配置されている。
第2の構成では、明るさ絞りSを挟んで物体側の屈折力が負屈折力となり、像側の屈折力が正屈折力となる。そうすると、第2の構成では、負レンズL1と負レンズL2が前群、負正レンズL3から負レンズL6までが後群になる。このように、第2の構成では、まさにレトロフォーカス型に特有のレンズ群の関係が実現されている。その結果、負レンズL2と明るさ絞りSとの間が、画角を調整する間隔として好適な場所になる。
そこで、第2の構成では、負レンズL1と負レンズL2をレンズ枠LB1で保持し、正レンズL3、光学フィルタF、正レンズL4、正レンズL5及び負レンズL6をレンズ枠LB2で保持し、ガラスブロックCをレンズ枠LB3で保持する。
このようにすることで、レンズ枠LB1とレンズ枠LB2を光軸に沿う方向に相対移動させることができる。これにより、負レンズL2と明るさ絞りSとの間隔が変化する。このように、第2の構成では、負レンズL2と明るさ絞りSとの間隔を変化させることで、画角調整を行うことができる。ここで、負レンズL2が第2の負レンズである。よって、第2の構成では、第2の負レンズと明るさ絞りとの間隔を変化させることで、画角調整を行うことができる。
また、負レンズL2と明るさ絞りSとの間隔を変化させると、像位置が変化する。前述のように、カバーガラスCの像側面は、撮像素子の撮像面と一致している。よって、負レンズL2と明るさ絞りSとの間隔を変化させたときも、ガラスブロックCの像側面を像位置と一致させる必要がある。そこで、レンズ枠LB2とレンズ枠LB3を、光軸に沿う方向に相対移動させる。これにより、負レンズL6とガラスブロックCとの間隔が変化する。その結果、ピント位置の調整を行うことができる。
以下、実施例について説明する。各実施例におけるレンズ断面図には、物体側空間を水としたときの光線が表示されている。また、各収差図において、横軸は収差量を表している。収差図に示す収差曲線は、水中観察時の収差を示している。球面収差と非点収差については、収差量の単位はmmである。また、歪曲収差については、収差量の単位は%である。また、Iwは最大像高で単位はmm、FNOはFナンバーである。また、収差曲線の波長の単位はnmである。球面収差はd線での収差を示している。
(実施例1)
実施例1に係る内視鏡対物光学系について説明する。図3は、実施例1に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図と収差図であって、(a)はレンズ断面、(b)は球面収差(SA)、(c)は非点収差(AS)、(d)は歪曲収差(DT)を示している。
実施例1の内視鏡対物光学系は、図3(a)に示すように、物体側から順に、負屈折力の前群と、明るさ絞りSと、正屈折力の後群と、からなる。
前群は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、像側が平面である平凹負レンズL2と、からなる。
後群は、物体側が平面である平凸正レンズL3と、物体側が平面である平凸正レンズL4と、両凸正レンズL5と、像側が平面である平凹負レンズL6と、からなる。ここで、両凸正レンズL5と平凹負レンズL6とで、正屈折力の接合レンズを形成している。
明るさ絞りSは、平凸正レンズL3の物体側面に設けられている。後群には、光学フィルタFが配置されている。光学フィルタFは、平凸正レンズL3と平凸正レンズL4との間に配置されている。後群の像側には、固体撮像素子のカバーガラスが配置されることを想定して、ガラスブロックCが配置されている。
前述のように、部品の製造誤差に伴う画角のばらつきを調整するために、実施例1の内視鏡対物光学系では、第1の負レンズと第2の負レンズとの間を画角調整のための間隔とし、調整幅を十分確保できるよう光学系を設計している。第1の負レンズは平凹負レンズL1、第2の負レンズは平凹負レンズL2である。また、接合レンズとガラスブロックCとの間をピント調整間隔とし、調整幅を十分確保できるよう光学設計している。
この設計を具体的な枠構造で示した構成が、図2(a)に示す構成である。図2(a)に示す構成では、2つの調整間隔を境界として3体構造としている。レンズ枠LB2内には、第2の負レンズから接合レンズまでが配置されている。この第2の負レンズから接合レンズまでを、光学概念上の画角調整用移動群とみなせる。
画角調整間隔の変更は、レンズ枠LB1とレンズ枠LB2とを光軸方向に相対移動させることで実現できる。また、ピント調整間隔の変更は、レンズ枠LB2とレンズ枠LB3とを光軸方向に相対移動させることで実現できる。通常、画角調整時には、仮のピント調整を行った後に、像のサイズをもとに画角調整を行う。この際に、ピントの変動が小さいほど作業性が良い。
実施例1における画角調整用移動群の近軸横倍率は、−0.932倍である。光学原理上広く知られるようにピントが変動しない特異点は近軸横倍率が−1倍である。実施例1における近軸横倍率は、ピントが変動しない特異点の近軸横倍率に近い。よって、実施例1では、画角調整に伴うピントの変動が小さい。このように、実施例1では、光学系の設計時に、画角調整時のピント変動が小さくなるような配慮が行われている。
第1の負レンズの特徴を述べる。第1の負レンズでは、物体側面を平面としている。この構造は内視鏡先端構造として一般的である。一般的に超広角レンズや魚眼レンズでは物体側面が凸面である。内視鏡では物体側面を凸面とした場合に照明光が直接入射してしまうため、内視鏡先端部にて遮光構造を工夫する必要がある。そのため、実施例1では、図示しない照明系からの直接光入射フレアに対して、第1の負レンズや枠構造での遮光の工夫を必要としない。
また、平面であるために出っ張りが無いということは、物体側から物が衝突することがあっても、第1の負レンズが傷付く確率が、凸面の場合よりも低い。尚、第1の負レンズの素材は、機械的耐久性に優れるサファイアとすることが好ましい。サファイアであれば、素材そのものとしても傷付きづらい。また、サファイアの外周にメタライズを行い、レンズ枠LB1とはんだ付けすることで、非常に信頼性の高い鏡枠構造を提供できる。
実施例1の内視鏡対物光学系は、一般的には、魚眼レンズに分類されてもよい画角を有する。それにもかかわらず、第1の負レンズの外径は直径で2.2mmと極めて小さいので、内視鏡先端の構造設計に負担をかけない。
第2の負レンズには高屈折率素材を用いて、負のペッツバール和の絶対値ができる限り小さくなるようにしている。また、第2の負レンズでは、明るさ絞り側を平面としている。このようにすると、明るさ絞りを薄板で構成した場合に、第1の正レンズとの間に明るさ絞りを挟み込むことができる。このように、2つのレンズの隙間に明るさ絞りを挟み込める構造とすることで、空気間隔を削減している。光学調整間隔以外の空気間隔を削減することは、良好なレンズ加工性の確保(薄肉化に伴う加工性の悪化の回避)につながり、また、光学系の全長短縮に寄与する。
第1の正レンズには低屈折率素材を用いて、正のペッツバール和が大きくなるようにしている。第1の正レンズでは、像側面が、像側に凸面を向けている。このように、第1の正レンズについては、像側面での主光線屈折角が小さくなる設計、所謂コンセントリックな設計が可能である。第1の正レンズにおける正のペッツバール和を大きくするには、大きな正の屈折力を持たせつつ低屈折率化すれば良い。ただし、このようにすると、レンズ面の曲率半径が小さくなるので、収差が発生し易くなる。しかしながら、第1の正レンズはコンセントリックな設計になっている。そのため、第1の正レンズでは、曲率半径を小さくしても、偏心による非点収差の変動を抑えることができる。
第2の正レンズでも正のペッツバール和を発生させている。ただし、第2の正レンズでは、ペッツバール和の増加よりも、光線高を低下させることを優先しているので、第2の正レンズには高屈折率素材を使用している。第2の正レンズでは、第1の正レンズよりも光線高が高くなる。そのため、第2の正レンズにおける像側凸面の屈折力と中肉厚は第2の正レンズ以降の外径に影響する。
第2の正レンズでは、像側面が像側に凸面を向けている。第2の正レンズについても、比較的コンセントリックな設計が可能で、正の屈折力を高め易い。そこで、像側面の凸面を近軸的にできるだけ第1の正レンズに近づけることで、第2の正レンズよりも像側での光線高を下げることができる。
第2の正レンズでは、屈折率を高めるほど曲率半径が増加する。曲率半径の増加に伴ってレンズの中肉を薄肉化できる。更に、空気換算長の低減効果も得られるので、近軸的な屈折力を第1の正レンズの屈折力に近づけられる。
接合レンズは、低屈折率素材の正レンズと高屈折率素材の負レンズとで構成している。そして、接合面に負の屈折力を持たせることで、非点収差やコマ収差を補正している。更に、接合面の物体側の屈折率と像側の屈折率との差を大きくとることで、接合面の曲率半径が小さくなり過ぎないように配慮している。これにより、偏心に伴う収差変動を抑えている。接合レンズより物体側には、倍率色収差を補正できるレンズが無い。そのため、接合レンズの負レンズには超高分散ガラスを使用し、接合レンズで倍率色収差をまとめて補正している。
光学フィルタFは、例えば、色補正フィルタである。色補正フィルタは、可視域の長波長側から近赤外波長域までを減衰する吸収素材からなる。ただし、泌尿器用途では、腫瘍等の処置にNd:YAGレーザが用いられることがある。そのため、Nd:YAGレーザの波長に対してほぼ100%の反射率を有する多層光学干渉膜を、色補正フィルタの片面、もしくは、両面に施しておいても良い。
多層光学干渉膜は入射角依存性が強いため、入射角によって反射率が大きく変化する。そこで、色補正フィルタが多層光学干渉膜を備える場合は、主光線入射角が大きくなり過ぎない場所に色補正フィルタを配置する必要がある。実施例1の内視鏡対物光学系の構成では、色補正フィルタは、第1の正レンズより像側に配置することが望ましい。
実施例1の内視鏡対物光学系の仕様について述べる。実施例1の内視鏡対物光学系では、水中観察状態での最大像高Iwは0.942mmである。この最大像高Iwは、固体撮像素子の有効撮像エリアに一致させることを想定している。よって、水中観察状態では、固体撮像素子の有効撮像エリア全体が使用される。
また、実施例1の内視鏡対物光学系では、水中画角は138.0°である。よって、実施例1の内視鏡対物光学系は、水中観察が可能な内視鏡対物光学系としては、非常に広角な光学系になっている。実施例1の内視鏡対物光学系によれば、水中にある被写体を固体撮像素子の有効撮像エリア全てを使用して観察できる。
実施例1の内視鏡対物光学系では、第1の負レンズの物体側が平面なので、空気中では画角が180°までの光線しか第1の負レンズに入射できない。空気中画角が180°のときの最大像高をIaとすると、Iaの位置に結像する光線の水中画角は97.2°になる。水中画角からIaとIwの関係は以下の式で表されることは自明である。
Ia(水中画角97.2°)<Iw(水中画角138.0°)
図6は、撮像範囲を示す概念図であって、(a)は水中観察状態での撮像範囲を示す図、(b)は空気中観察状態での撮像範囲を示す図である。図6では、空気中観察状態での撮像範囲が水中観察状態での撮像範囲よりも狭くなることを、直感的に把握できるように図示している。
ここでは、固体撮像素子の有効撮像エリアに対して、八角形の電気的視野マスクをつけることを前提としている。この場合、有効撮像エリアは八角形で示された領域の内側になるので、撮像範囲も八角形で示された領域の内側になる。図6(a)と図6(b)では、撮像範囲にハッチングを施している。
図6(a)は、水中観察状態での撮像範囲を示している。図6(a)に示すように、水中観察状態では、八角形で示された領域の内側全てが撮像範囲になる。よって、水中観察状態では、有効撮像エリアの全域を撮像に活用できる。また、撮像範囲は八角形で示された領域になる。よって、最大像高Iwは、八角形の中心から八角形の辺を結ぶ直線の長さのうちで、最大となる長さになる。
図6(b)は、空気中観察状態での撮像範囲を示している。図6(b)に示すように、空気中観察状態では、八角形で示された領域のうち、円で示された領域が撮像範囲になる。そのため、空気中観察状態では、有効撮像エリアの全域を撮像に活用できていない。また、撮像範囲は円で示された領域になる。よって、最大像高Iaは、円の半径になる。円
の外側の領域は、ハッチングが施されていない。この領域では被写体像が結像されないので、この領域は光学的無効領域となる。
(実施例2)
実施例2に係る内視鏡対物光学系について説明する。図4は、実施例2に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図と収差図であって、(a)はレンズ断面、(b)は球面収差(SA)、(c)は非点収差(AS)、(d)は歪曲収差(DT)を示している。
実施例2の内視鏡対物光学系は、図4(a)に示すように、物体側から順に、負屈折力の前群と、明るさ絞りSと、正屈折力の後群と、からなる。
前群は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、像側が平面である平凹負レンズL2と、からなる。
後群は、物体側が平面である平凸正レンズL3と、物体側が平面である平凸正レンズL4と、両凸正レンズL5と、像側が平面である平凹負レンズL6と、からなる。ここで、両凸正レンズL5と平凹負レンズL6とで、正屈折力の接合レンズを形成している。
明るさ絞りSは、平凸正レンズL3の物体側面に設けられている。後群には、光学フィルタFが配置されている。光学フィルタFは、平凸正レンズL3と平凸正レンズL4との間に配置されている。後群の像側には、固体撮像素子のカバーガラスが配置されることを想定して、ガラスブロックCが配置されている。
実施例1と同様に、実施例2でも固体撮像素子と組み合わせることを想定している。ただし、実施例2で想定している固体撮像素子の大きさは、実施例1で想定している固体撮像素子の大きさよりも小さい。そのため、実施例2では、最大像高Iwを、実施例1における最大像高よりも小さく設定して、光学系を設計している。
尚、最大像高を小さくしたことに伴い、回折像のスポットサイズを小さくする必要がある。回折像のスポットサイズを小さくするために、実施例2では、Fナンバーを実施例1でのFナンバーよりも小さくしている。
実施例2におけるレンズタイプは、実施例1におけるレンズタイプと同様に、固体撮像素子サイズの違いやFナンバーの違いに対してさほど敏感でないので、ある程度の汎用性がある。
前述のように、部品の製造誤差に伴う画角のばらつきを調整するために、実施例2の内視鏡対物光学系では、第1の負レンズと第2の負レンズとの間を画角調整のための間隔とし、調整幅を十分確保できるよう光学系を設計している。第1の負レンズは平凹負レンズL1、第2の負レンズは平凹負レンズL2である。また、接合レンズとガラスブロックCとの間をピント調整間隔とし、調整幅を十分確保できるよう光学設計している。
実施例2における具体的な枠構造は、実施例1における枠構造と同じである。
前述のように、実施例2では、第1の負レンズと第2の負レンズとの間を、画角調整のための間隔としている。この場合の画角調整用移動群の近軸横倍率は、−0.754倍である。絶対値で比較すると、実施例2における近軸横倍率の値は、実施例1における近軸横倍率の値よりも小さくなっている。その理由は、実施例2では、実施例1に比べて最大像高Iwが小さくなったからである。その結果、実施例2では、実施例1に比べて近軸横倍率が小さくなっている。
ここで、仮に画角調整のための間隔を、第2の負レンズと明るさ絞りの間にした場合、明るさ絞りから接合レンズまでの近軸横倍率は−1.131倍になる。前述のように、ピントが変動しない特異点では、近軸横倍率が−1倍になる。特異点における近軸横倍率に近いのは、画角調整のための間隔を、第2の負レンズと明るさ絞りの間にした場合となる。よって、実施例2では、第2の負レンズと明るさ絞りの間を、画角調整のための間隔とすることも可能である。
(実施例3)
実施例3に係る内視鏡対物光学系について説明する。図5は、実施例3に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図と収差図であって、(a)はレンズ断面、(b)は球面収差(SA)、(c)は非点収差(AS)、(d)は歪曲収差(DT)を示している。
実施例3の内視鏡対物光学系は、図5(a)に示すように、物体側から順に、負屈折力の前群と、明るさ絞りSと、正屈折力の後群と、からなる。
前群は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、像側が平面である平凹負レンズL2と、からなる。
後群は、物体側が平面である平凸正レンズL3と、物体側が平面である平凸正レンズL4と、両凸正レンズL5と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、からなる。ここで、両凸正レンズL5と負メニスカスレンズL6とで、正屈折力の接合レンズを形成している。
明るさ絞りSは、平凹負レンズL2と平凸正レンズL3との間に設けられている。後群には、光学フィルタFが配置されている。光学フィルタFは、平凸正レンズL3と平凸正レンズL4との間に配置されている。後群の像側には、固体撮像素子のカバーガラスが配置されることを想定して、ガラスブロックCが配置されている。
実施例1と同様に、実施例3でも固体撮像素子と組み合わせることを想定している。ただし、実施例3で想定している固体撮像素子の大きさは、実施例2で想定している固体撮像素子の大きさよりも更に小さい。そのため、実施例3では、最大像高Iwを、実施例2における最大像高よりも小さく設定して、光学系を設計している。
前述のように、部品の製造誤差に伴う画角のばらつきを調整するために、実施例3の内視鏡対物光学系では、第2の負レンズと明るさ絞りとの間を画角調整のための間隔とし、調整幅を十分確保できるよう光学系を設計している。第2の負レンズは平凹負レンズL2である。また、接合レンズとガラスブロックCとの間をピント調整間隔とし、調整幅を十分確保できるよう光学設計している。
この設計を具体的な枠構造で示した構成が、図2(b)に示す構成である。図2(b)に示す構成では、2つの調整間隔を境界として3体構造としている。レンズ枠LB2内には、第1の正レンズから接合レンズまでが配置されている。この第1の正レンズから接合レンズまでを、光学概念上の画角調整用移動群とみなせる。
画角調整間隔の変更は、レンズ枠LB1とレンズ枠LB2とを光軸方向に相対移動させることで実現できる。また、ピント調整間隔の変更は、レンズ枠LB2とレンズ枠LB3とを光軸方向に相対移動させることで実現できる。
実施例3では、第2の負レンズと明るさ絞りとの間を、画角調整のための間隔としている。この場合の画角調整用移動群の近軸横倍率は−1.255倍である。ここで、仮に画角調整のための間隔を、第1の負レンズと第2の負レンズとの間にした場合、第2の負レンズから接合レンズまでの近軸横倍率は−0.678倍になる。前述のように、ピントが変動しない特異点では、近軸横倍率が−1倍になる。特異点における近軸横倍率に近いのは、画角調整のための間隔を、第2の負レンズと明るさ絞りとの間にした場合になる。このようなことから、実施例3では、第2の負レンズと明るさ絞りとの間を、画角調整のための調整箇所にしている。
近軸横倍率のみに関していえば、最大像高Iwが比較的小さめなら、実施例3の如く第2の負レンズと明るさ絞りとの間を、画角調整間隔とするのが望ましい。一方、最大像高Iwが比較的大きめなら、実施例1の如く第1の負レンズと第2の負レンズとの間を、画角調整間隔とするのが望ましい。但し、画角調整のために間隔を変化させることは、ピントの変動のみならず、収差変動や枠構造制約にも関連する。そのため、それらを総合的に判断して、いずれか適切な方を選べば良い。
以下に、上記各実施例の数値データを示す。記号は、rは各面の曲率半径、dは各光学部材の肉厚または空気間隔、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは各光学部材のd線に対するアッベ数、ftは内視鏡対物光学系の全系の焦点距離、FNO.はFナンバー、D0wは物体距離、Iwは最大像高、ωwは半画角、を表している。尚、D0w、Iw及びωwは、各々、水中観察時を想定したものである。また、r、d、ft、D0w、Iw、Lt、Lsf、ΣLaの単位はmmである。ωwの単位は°(度)である。
数値実施例1
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 0.25 1.76820 71.7
2 0.639 0.49
3 -3.157 0.30 2.00330 28.27
4 ∞ 0.03
5(絞り) ∞ 1.00 1.58913 61.14
6 -0.961 0.08
7 ∞ 0.30 1.52100 65.13
8 ∞ 0.03
9 ∞ 0.52 1.88300 40.76
10 -2.484 0.05
11 2.665 0.83 1.58913 61.14
12 -1.869 0.30 1.95906 17.47
13 ∞ 0.42
14 ∞ 1.30 1.51633 64.14
15(像面) ∞

各種データ
ft 0.717
FNO. 5.528
D0w 8.5
Iw 0.942
2ωw 138.0
Lt 5.90
Lsf 1.07
ΣLa 0.52
数値実施例2
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 0.25 1.76820 71.79
2 0.639 0.49
3 -2.461 0.30 2.00330 28.27
4 ∞ 0.03
5(絞り) ∞ 0.91 1.58913 61.14
6 -0.978 0.08
7 ∞ 0.30 1.52100 65.13
8 ∞ 0.03
9 ∞ 0.56 1.88300 40.76
10 -2.107 0.05
11 2.526 0.82 1.69680 55.53
12 -1.667 0.30 1.95906 17.47
13 ∞ 0.44
14 ∞ 0.90 1.51633 64.14
15(像面) ∞

各種データ
ft 0.584
FNO. 3.780
D0w 8.5
Iw 0.751
2ωw 137.8
Lt 5.46
Lsf 1.07
ΣLa 0.52
数値実施例3
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 0.25 1.76820 71.79
2 0.639 0.41
3 -1.354 0.30 2.00330 28.27
4 ∞ 0.25
5(絞り) ∞ 0.06
6 ∞ 0.72 1.58144 40.75
7 -0.874 0.08
8 ∞ 0.30 1.52100 65.13
9 ∞ 0.03
10 ∞ 0.49 1.77250 49.60
11 -1.869 0.05
12 2.256 0.71 1.58913 61.14
13 -1.345 0.30 1.95906 17.47
14 -22.300 0.42
15 ∞ 1.05 1.51633 64.14
16(像面) ∞

各種データ
ft 0.525
FNO. 4.761
D0w 8.5
Iw 0.652
2ωw 138.1
Lt 5.42
Lsf 1.21
ΣLa 0.66
ftを乗算したペッツバール和
実施例1 実施例2 実施例3
第1の負レンズ -0.487 -0.397 -0.357
第2の負レンズ -0.114 -0.119 -0.194
第1の正レンズ 0.276 0.221 0.221
第2の正レンズ 0.135 0.130 0.123
接合レンズ 0.054 0.067 0.051
次に、各実施例における条件式(1)〜(7)の値を掲げる。
条件式 実施例1 実施例2 実施例3
(1)Iw/ft 1.31 1.29 1.24
(2)Lt/Iw 6.26 7.27 8.31
(3)Lsf/ft 1.49 1.83 2.30
(4)ΣLa/Lsf 0.49 0.49 0.55
(5)PSp12×ft 0.411 0.351 0.344
(6)|PSp12/PSn12| 0.684 0.680 0.624
(7)PS3×ft 0.054 0.067 0.051
以上のように、本発明は、細径で、水中画角が広く、画角のばらつきが小さく、光学系の全長が短い内視鏡対物光学系に有用である。
GF 前群
GR 後群
L1、L2、L3、L4、L5、L6 レンズ
CL 接合レンズ
S 明るさ絞り
F 光学フィルタ
C ガラスブロック(カバーガラス)
I 像面
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
以下の条件式(1)、(2)、(3’)、(4)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
1.49≦Lsf/ft≦2.30 (3’)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
また、本発明の別の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、
接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
以下の条件式(1)、(2)、(3’)、(4)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
1.49≦Lsf/ft≦2.30 (3’)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
また、本発明の別の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、
接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)を満足することを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
0.25<PSp12×ft (5)
0.5<|PSp12/PSn12|<1.1 (6)
0.02<PS3×ft (7)
ここで、
Iwは、最大像高
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
PSp12は、第1の正レンズと第2の正レンズとのペッツバール和、
PSn12は、第1の負レンズと第2の負レンズとのペッツバール和、
PS3は、接合レンズのペッツバール和、
である。
また、本発明の別の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、
接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、を満足し、
第2の負レンズの屈折率は1.75以上であることを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
また、本発明の別の内視鏡対物光学系は、
物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、
接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、を満足し、
第2の正レンズの屈折率は第1の正レンズの屈折率よりも高いことを特徴とする。
1<Iw/ft<1.8 (1)
4<Lt/Iw<9.5 (2)
Lsf/ft<2.8 (3)
0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
ここで、
Iwは、最大像高
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
Ltは、内視鏡対物光学系全系の全長、
Lsfは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間隔、
ΣLaは、物体側第1面から明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
全長は、物体側第1面から像位置までの距離、
物体側第1面は、内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、
である。
第2実施形態の内視鏡対物光学系における構成や条件式は、第1実施形態の内視鏡対物光学系で説明したので、ここでの説明は省略する。条件式(3)に代えて、以下の条件式(3’)を満足しても良い。
1.49≦Lsf/ft≦2.30 (3’)

Claims (5)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
    前記前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
    以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする内視鏡対物光学系。
    1<Iw/ft<1.8 (1)
    4<Lt/Iw<9.5 (2)
    Lsf/ft<2.8 (3)
    0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
    ここで、
    Iwは、最大像高、
    ftは、前記内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
    Ltは、前記内視鏡対物光学系全系の全長、
    Lsfは、物体側第1面から前記明るさ絞りまでの間隔、
    ΣLaは、前記物体側第1面から前記明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
    前記全長は、前記物体側第1面から像位置までの距離、
    前記物体側第1面は、前記内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、である。
  2. 前記後群は、物体側に、第1の正レンズと、第2の正レンズと、を有し、
    以下の条件式(5)、(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
    0.25<PSp12×ft (5)
    0.5<|PSp12/PSn12|<1.1 (6)
    ここで、
    ftは、前記内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
    PSp12は、前記第1の正レンズと前記第2の正レンズとのペッツバール和、
    PSn12は、前記第1の負レンズと前記第2の負レンズとのペッツバール和、
    である。
  3. 前記後群は、前記第2の正レンズの像側に接合レンズを有し、
    前記接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
    以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡対物光学系。
    0.02<PS3×ft (7)
    ここで、
    ftは、前記内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
    PS3は、前記接合レンズのペッツバール和、
    である。
  4. 物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する後群と、からなり、
    前記前群は、第1の負レンズと、第2の負レンズと、からなり、
    前記後群は、第1の正レンズと、第2の正レンズと、接合レンズと、からなり、
    前記接合レンズは、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
    以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする内視鏡対物光学系。
    1<Iw/ft<1.8 (1)
    4<Lt/Iw<9.5 (2)
    Lsf/ft<2.8 (3)
    0.38<ΣLa/Lsf<0.6 (4)
    ここで、
    Iwは、最大像高、
    ftは、前記内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
    Ltは、前記内視鏡対物光学系全系の全長、
    Lsfは、物体側第1面から前記明るさ絞りまでの間隔、
    ΣLaは、前記物体側第1面から前記明るさ絞りまでの間における空気間隔の和、
    前記全長は、前記物体側第1面から像位置までの距離、
    前記物体側第1面は、前記内視鏡対物光学系において最も物体側に位置するレンズ面、である。
  5. 以下の条件式(5)、(6)、(7)を満足することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡対物光学系。
    0.25<PSp12×ft (5)
    0.5<|PSp12/PSn12|<1.1 (6)
    0.02<PS3×ft (7)
    ここで、
    ftは、前記内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
    PSp12は、前記第1の正レンズと前記第2の正レンズとのペッツバール和、
    PSn12は、前記第1の負レンズと前記第2の負レンズとのペッツバール和、
    PS3は、前記接合レンズのペッツバール和、
    である。
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