JPWO2016181543A1 - 鉄道車両の状態監視装置、状態監視システム、及び編成車両 - Google Patents

鉄道車両の状態監視装置、状態監視システム、及び編成車両 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の異常状態を監視して、車両オペレーション時の走行安全性を向上させる。【解決手段】状態監視装置100は、振動加速度センサ17A〜17Nが搭載された複数の車両11A〜11Nのセンサ信号171A〜171Nを検出し、検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出し、抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算し、当該演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する。

Description

本発明は、状態監視装置、状態監視システム、及び編成車両に関し、鉄道車両の状態を監視する状態監視装置及び状態監視システム、並びに当該状態監視システムを有する編成車両に適用して好適なものである。
従来、鉄道車両の走行時(車両オペレーション時)には、走行安全性を確保するために、脱線、部品異常、蛇行動等の異常をいち早く察知することが重要であった。例えば、車両に乗車している運転士や乗務員が異常振動を感じたときには、車両の走行を非常停止させ、脱線等が起こっていないか車両状態を確認していた。
特許文献1には、軌道上を走行する鉄道車両の脱線を検出する脱線検出装置が開示されている。特許文献1に開示された脱線検出装置では、編成車両を構成する複数車両のそれぞれの車体に加速度検出手段を設置し、加速度検出手段の出力信号(加速度情報)から特定周波数帯の信号を抽出し、特定周波数帯の信号を所定時間ごとに繰り返し積分して積分値を算出し、現在の積分値と所定時間前の積分値との差とに基づいて車両の脱線を判定する(閾値判定処理)。このような脱出検出装置によれば、車両ごとに得られる加速度情報に基づいて閾値判定処理を行って脱線を判定することから、中間車両など乗務員が乗車していない車両では脱線検出が遅れるという問題を解決し、迅速かつ適切な脱線検出を可能にしようとしている。
特開2002−211400号公報
しかし、特許文献1に開示された脱線検出装置では、各車両で検知された個別の加速度情報に対する閾値判定処理において、加速度の絶対値に基づいた閾値判定処理を行うことから、加速度の絶対値が比較的低くなる低速走行時には、異常状態が発生していることを検知できない可能性が高いという課題があった。
また、一般に、車両が走行するインフラ状態(具体的には例えば、軌道状態、地盤、及び気候等)は一様ではなく、車両オペレーション時の車両の走行速度も車両運行条件によって変化するため、特許文献1に開示された脱出検出装置において、このような条件を鑑みて閾値判定処理を行おうとすると、インフラ状態や走行速度等で細分化した閾値条件を設定する必要が生じ、システムが複雑になってしまうという課題があった。また、閾値条件に用いる加速度情報を収集するために時間を要するという課題もあった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、車両の異常状態を監視して、車両オペレーション時の走行安全性を向上させることができる状態監視装置及び状態監視システム、並びに当該状態監視システムを有する編成車両を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、編成車両を構成する複数の車両(例えば、後述の車両11A〜11N)にそれぞれセンサ(同、振動加速度センサ17A〜17N)が搭載され、それぞれの前記センサからのセンサ信号(同、センサ信号171A〜171N)に基づいて車両の状態監視を行う状態監視装置であって、前記センサが搭載された複数の車両のセンサ信号を検出する信号検出処理部(同、振動加速度検出処理部101)と、前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出するデータ抽出部(同、フィルタ処理部102)と、前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する振幅比率演算処理部(同、振幅比率演算処理部103)と、前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する閾値判定処理部(同、閾値判定処理部104)と、を備える鉄道車両の状態監視装置(同、状態監視装置100)が提供される。
また、かかる課題を解決するため本発明においては、編成車両を構成する複数の車両にそれぞれ搭載されるセンサと、前記センサと通信可能に接続され、それぞれの前記センサからのセンサ信号に基づいて車両の状態監視を行う状態監視装置と、を備え、前記状態監視装置は、前記センサが搭載された複数の車両のセンサ信号を検出する信号検出処理部と、前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出するデータ抽出部と、前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する振幅比率演算処理部と、前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する閾値判定処理部と、を備えることを特徴とする鉄道車両の状態監視システム(例えば、後述の状態監視システム1)が提供される。
また、かかる課題を解決するため本発明においては、複数の車両が連結して構成される編成車両であって、前記編成車両を構成する複数の車両にそれぞれ搭載されるセンサと、前記センサと通信可能に接続され、それぞれの前記センサからのセンサ信号に基づいて車両の状態監視を行う状態監視装置と、を備え、前記状態監視装置は、前記センサが搭載された複数の車両のセンサ信号を検出する信号検出処理部と、前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出するデータ抽出部と、前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する振幅比率演算処理部と、前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する閾値判定処理部と、を備え、前記閾値判定処理部による異常状態の判定結果を前記編成車両の各車両で共有することを特徴とする編成車両(例えば、後述する第3の実施形態における編成車両)が提供される。
本発明によれば、運転士や乗務員が乗車していない車両に対しても異常状態の監視を可能にし、車両オペレーション時の走行安全性を向上させることができる。
第1の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムの全体構成例を示すブロック図である。 図1に示す状態監視装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態における異常検知処理の手順例を示すフローチャートである。 第1の実施形態における異常検知処理の処理イメージを説明するための図である。 第2の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムの全体構成例を示すブロック図である。 図5に示す状態監視装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態における異常検知処理の手順例を示すフローチャートである。 第2の実施形態における振幅比率演算処理の一例を説明するための図(その1)である。 第2の実施形態における振幅比率演算処理の一例を説明するための図(その2)である。 第3の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムによる異常検知処理の手順例を示すフローチャートである。 第3の実施形態における基準値生成処理の一例を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態を説明する。なお、各図において、共通な機能を有する構成要素には同一の番号を付与し、その重複する説明を省略する。
(1)第1の実施形態
(1−1)状態監視システムの構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システム(状態監視システム1)の全体構成例を示すブロック図である。
図1において、編成車両10は、連結された複数の車両11(11A〜11N)から構成される。これらの複数の車両11は、運転士90が搭乗して運転操作を行う先頭車両11Aと、その後方に接続される中間車両11B〜11Nとに分けることができる。なお、図示はしないが、編成車両10は、先頭車両11Aと反対側の末尾に後尾車両を備えてもよい。このとき、先頭車両11Aと後尾車両との間に中間車両11B〜11Nが接続(編成)される。また、後尾車両は中間車両11B〜11Nに含まれる(すなわち、中間車両11B〜11Nの1つである)と捉えてもよい。
先頭車両11Aを例に、車両11の構成を説明する。図1によれば、先頭車両11Aは、車体12及び台車13を備えて構成され、車体12及び台車13は空気ばね14等のサスペンションによって支持される。台車13は、台車13の枠組に相当する台車枠15と、回転可能な2本の輪軸16とを含んで構成され、輪軸16が軌道上を走行することによって、先頭車両11Aが移動する。なお、図1では、車両11Bの輪軸16が軌道(水平方向の実線)から外れた破線上にあるように記載されているが、これは、編成車両10のうち車両11Bが脱線状態であることを示しており、輪軸16が軌道上にあるように記載されたその他の車両11A,11N等は脱線していない。
なお、本明細書では、各車両11A〜11Nで共通する構成について、特定の車両に限定して示す場合には、対象の車両11A〜11Nと同じ添字(英大文字)を付けて表記することがある。具体的には例えば、先頭車両11Aの車体12は、車体12Aと表記することができ、中間車両11Bの車体12は、車体12Bと表記することができる。他の構成についても同様であり、以後は説明を省略する。
先頭車両11Aの車体12Aには、編成車両10を運転するための運転台18が設けられている。運転士90が先頭車両11Aに搭乗して運転台18を操作することによって、編成車両10が走行する。運転士90によって編成車両10が運転されている状態を車両オペレーション時と呼ぶ。なお、中間車両11B〜11Nは、運転台18が設けられていないこと以外は、先頭車両11Aとほぼ同様の構成を備える。
また、車体12Aには、編成車両10の進行方向に対して上下、左右、あるいは前後方向の車体12Aの振動加速度を検出する振動加速度センサ17Aが設けられ、振動加速度センサ17Aによる検出結果は、センサ信号171Aとして状態監視装置100に出力される。図1では、編成車両10を構成する各車両11A〜11Nにおいて、車体12A〜12Nの床面に同様の振動加速度センサ17A〜17Nが設置されることが示されている。各振動加速度センサ17A〜17Nによる検出結果は、センサ信号171(個別には171A〜171N)として状態監視装置100に出力される。
なお、図1では、編成車両10を構成する各車両11A〜11Nにおいて、車体12A〜12Nの床面に振動加速度センサ17A〜17Nが設置されることが示されているが、本発明の状態監視システムにおける振動加速度センサ17の設置構成はこれに限定するものではなく、少なくとも2以上の車両11において、それぞれ1個以上の振動加速度センサ17が設置されればよい。また、振動加速度センサ17の設置位置についても、車体12に限定されるものではなく、例えば、台車13の台車枠15又は輪軸16に設置されてもよいし、その他、各車両11に搭載される電気部品や機器部品等に設置されてもよく、さらに言えば、乗客が立ち入らない場所(例えば、運転室や乗務員室、床下など)に設置されることが好ましい。
また、図1では、振動加速度センサ17の設置個数は、車両1台につき1個で示されているが、本発明はこれに限定するものではなく、1台の車両11に複数の振動加速度センサ17が設置されるようにしてもよい。但し、このような場合、同一車両内から複数のセンサ信号が状態監視装置100に出力されると、状態監視装置100における異常検知処理(詳細は後述する)の処理負担が大きくなることが予想されるため、車両11又は状態監視装置100のなかで、同一車両内で出力された複数のセンサ信号を1つのセンサ信号に纏めるなどの処理を行わせることが好ましい。
状態監視装置100の構成について説明する。状態監視装置100は、状態監視システム1に含まれる構成であって、例えば、先頭車両11A等の特定車両の機器室内や床下に設置される。なお、状態監視装置100は、必ずしも編成車両10内に設置されなくてもよく、例えば、編成車両10と通信可能な管制室等に設置されるなどしてもよい。状態監視装置100は、振動加速度検出処理部101、フィルタ処理部102、振幅比率演算処理部103、閾値判定処理部104、アラーム発生処理部105、及びデータ記録処理部106を備えている。
状態監視装置100を構成する各処理部における詳細な処理内容については、図3,図4を参照しながら後述するが、状態監視装置100における信号の入出力の概要は以下の通りである。
振動加速度検出処理部101は、振動加速度センサ11A〜11Nから入力されるセンサ信号171(個別には171A〜171N)に基づいて、振動加速度信号172(個別には172A〜172N)をフィルタ処理部102に出力する。フィルタ処理部102は、振動加速度検出処理部101から入力される信号に基づいて、フィルタ処理後の振動加速度信号173(個別には173A〜173N)を振幅比率演算処理部103に出力する。振幅比率演算処理部103は、フィルタ処理部102から入力される信号に基づいて、振幅比率信号174(個別には174B〜174N)を閾値判定処理部104に出力する。閾値判定処理部104は、振幅比率演算処理部103から入力される信号に基づいて、判定処理結果信号175(個別には175B〜175N)をアラーム発生処理部105に出力する。アラーム発生処理部105は、閾値判定処理部104から入力される信号に基づいて、アラーム信号176をデータ記録処理部106及び運転台18に出力する。そして、データ記録処理部106は、アラーム発生処理部から入力された信号に基づいて、データを記録し、運転台18は、アラーム発生処理部から入力された信号に基づいて、必要に応じて警告等の出力を行う。
図2は、図1に示す状態監視装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2に示すように、状態監視装置100は、プロセッサ110を搭載している。プロセッサ110は、計算機であって、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、インターフェース113、ROM(Read Only Memory)114、及びカードコネクタ115を備えている。状態監視装置100の各処理部(101〜106)による処理は、プロセッサ110(主にCPU111)によって実現される。
CPU111は、プログラムによってプロセッサ110内を制御する中央処理装置であって、バス116を介してインターフェース113、RAM112、ROM114、及びカードコネクタ115に接続される。RAM112及びROM114は、データを記憶可能な記憶装置である。インターフェース113は、車両11(11A〜11N)に設置される振動加速度センサ17(17A〜17N)と接続され、運転台18とも接続される。
カードコネクタ115には記憶媒体であるメモリーカード117が装着可能であって、プロセッサ110(特にCPU111)は、カードコネクタ115に装着されたメモリーカード117に対してデータの記憶あるいは読出を行わせることができる。なお、カードコネクタ115は、装着されたメモリーカード117を運転士等が直接取り出せるような位置、例えば状態監視装置100の表面等に設けられるようにしてもよい。また、状態監視装置100の構成例において、カードコネクタ115及びメモリーカード117は一例に過ぎず、データを記憶可能な記憶媒体を接続可能な構成を備えていればよい。
また、状態監視装置100は、状態監視装置100の稼働状態や、編成車両10における異常状態の検知結果を表示するために、表面にLED(Light Emitting Diode)等の表示器を備えるようにしてもよい。また、状態監視装置100の表面には、状態監視装置100の状態をリセットするためのスイッチを設けるようにしてもよいし、状態装置100内の各処理部(図1参照)の処理において適用される種々のパラメータを設定するためのケーブル等を接続するためのコネクタを、設けるようにしてもよい。
(1−2)異常状態の検知処理
図3は、第1の実施形態における異常検知処理の手順例を示すフローチャートである。図3に示す異常検知処理は、鉄道車両(図1の編成車両10)の異常状態を検知するために状態監視装置100のプロセッサ110(主にCPU111)によって実行される。以下では、図3を参照しながら、異常検知処理を詳しく説明する。
まず、ステップS100において、各車両11(11A〜11N)に設置された振動加速度センサ17(17A〜17N)から振動加速度検出処理部101に、センサ信号171(個別には171A〜171N)が入力される。
ステップS101では、振動加速度検出処理部101が、入力されたセンサ信号171A〜171Nのそれぞれに対して、事前に設定された所定の周波数帯域幅のみを通過させるフィルタ(バンドパスフィルタ)を適用させることによって、所定の周波数帯域幅のみで構成される振動加速度信号172(個別には172A〜172N)を抽出し、当該信号をフィルタ処理部102に出力する。
ステップS102では、フィルタ処理部102が、入力された振動加速度信号172A〜172Nのそれぞれに対して、事前に設定された固定データ長(時間幅)で振動加速度信号を抽出するフィルタ(窓フィルタ)を適用させることによって、フィルタ処理後の振動加速度信号173(個別には173A〜173N)を抽出し、当該信号を振幅比率演算処理部103に出力する。なお、振動加速度信号172との混同を避けるため、以降では、フィルタ処理後の振動加速度信号173を窓フィルタリング信号173と呼ぶ。
ステップS103,S104では、振幅比率演算処理部103が振幅比率演算処理を行う。まず、ステップS103では、振幅比率演算処理部103が、入力された窓フィルタリング信号173A〜173Nのそれぞれに対して、二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)値である振動加速度RMS値(車両ごとの振動加速度RMS値)を演算する。振動加速度RMS値の詳細な演算方法例としては、例えば、窓フィルタによって抽出された固定データ長の時間幅のなかに複数の算出点を設定し、当該複数の算出点における振動加速度について、RMS値を演算すればよい(具体的には例えば、後の図4に示すRMS値185A〜185Nに相当する)。
ステップS104では、振幅比率演算処理部103が、ステップS103で算出した車両ごとの振動加速度RMS値を用いて、車両ごとの振幅比率(RMS値振幅比率)を演算する。具体的には例えば、振幅比率演算処理部103は、先頭車両11Aの振動加速度RMS値を基準として、その他の車両(中間車両11B〜11N)におけるそれぞれの振動加速度RMS値の比率を演算する。振幅比率演算処理部103は、当該演算結果に基づいて、中間車両11B〜11NのRMS値振幅比率に基づく振幅比率信号174(個別には174B〜174N)を閾値判定処理部104に出力する。なお、車両総数がNのときに先頭車両11Aの振動加速度RMS値を基準とした場合、車両11AのRMS値振幅比率は演算しなくても常に「1」となるため、敢えて閾値判定処理部104に出力する必要はない。したがって、ステップS104の計算処理の結果、閾値判定処理部104には、N−1個の振幅比率信号174B〜174Nが出力される。
なお、ステップS104における計算処理の別例として、先頭車両11Aの振動加速度RMS値を基準値としてその他の車両(中間車両11B〜11N)の振動加速度RMS値との差分の絶対値を算出し、当該算出結果に基づく信号を閾値判定処理部104に出力するようにしてもよい。
また、上記のステップS103,S104では、振動加速度RMS値を用いた計算処理例を説明したが、RMS値以外を用いた計算処理を行ってもよく、具体的には例えば、フィルタ処理部102から入力された窓フィルタリング信号173に基づいて、平均値、最大値、中央値、あるいは、パワースペクトル密度(PSD:Power Spectrum Density)の積算値(面積)などを演算するようにし、基準車両(例えば先頭車両11A)の演算値とその他の車両(中間車両11B〜11N)の演算値との振幅比率を算出するようにしてもよい。
ステップS105では、閾値判定処理部104が、振幅比率演算処理部103から入力された振幅比率信号174(174B〜174N)に対して、事前に設定しておいた閾値に基づいた閾値判定処理を実行する。具体的な閾値判定処理としては、例えば、振幅比率をレベル分けしておき所定のレベルを閾値として、当該閾値のレベルを超過しているか否かを判定する。また例えば、閾値のレベルを超過した時間(閾値超過時間)が所定時間を超過したか否かを判定する。そして、閾値判定処理部104は、それぞれの振幅比率信号174に対する判定結果に基づく判定処理結果信号175(個別には175B〜175N)をアラーム発生処理部105に出力する。
ステップS106では、アラーム発生処理部105が、閾値判定処理部104から入力された判定処理結果信号175(175B〜175N)に基づいて、警告(アラーム)を発生させるアラーム発生処理を実行する。アラーム発生処理においてアラームの発生を行う場合には、アラーム発生処理部105は、アラーム信号176をデータ記録処理部106及び運転台18に出力する。
なお、アラーム信号176は、少なくとも異常状態が検知された車両を特定可能な通知であればよいが、さらに多くのアラーム情報が含まれることが好ましい。具体的には例えば、アラーム対象の中間車両11(すなわち、ステップS105の閾値判定処理で閾値を超過したと判定された振幅比率信号174に対応する中間車両11)を特定可能な情報や、アラーム対象の中間車両11で検出された振動加速度などをアラーム情報とすることが想定される。
運転台18では、アラーム信号176が入力されると、警告表示(アラーム表示)が行われ、異常状態が発生していることを運転士や乗務員に通知する。アラーム信号176が上記のアラーム情報を含む場合には、当該アラーム情報が運転台18に表示されることが好ましい。
一方、データ記録処理部106は、アラーム発生処理部105から入力されたアラーム信号176(又は当該信号に含まれるアラーム情報)を状態監視装置100内の記憶媒体(例えば、メモリーカード117)に記録する(ステップS107)。さらに、データ記録処理部106は、アラーム信号176と合わせて、各種の車両情報(例えば、アラーム対象の中間車両11における車内カメラの映像や各種機器の状態など)を上記記憶媒体に記録することが好ましい。
このように、図3のステップS100〜S106に示した処理が行われることによって、状態監視装置100は、編成車両10を構成する複数の車両11A〜11Nに対して、特定車両(例えば先頭車両11A)を基準とした振動加速度の相対値(例えばRMS値振幅比率)に基づいて、各車両11の状態を判定し、異常状態を検知することができる。
図4は、第1の実施形態における異常検知処理の処理イメージを説明するための図である。図4(a)〜(c)は、先頭車両11Aの振動加速度センサ17Aから出力されるセンサ信号171Aに基づく「振動加速度A」の処理イメージを示し、図4(d)〜(f)は、中間車両11Bの振動加速度センサ17Bから出力されるセンサ信号171Bに基づく「振動加速度B」の処理イメージを示し、図4(g)〜(i)は、中間車両11Nの振動加速度センサ17Nから出力されるセンサ信号171Nに基づく「振動加速度N」の処理イメージを示す。そして、図4(j)は、先頭車両11Aを基準としたときの中間車両11B,11Nの振幅比率(RMS値振幅比率)の処理イメージを示す。以下では、図4(a)〜(c),(j)について詳しく説明し、同様の処理が行われる図4(d)〜(f),(g)〜(i)については説明を省略する。
図4(a)は、図3のステップS100に相当する処理イメージであり、振動加速度センサ17Aから状態監視装置100の振動加速度検出処理部101に時々刻々と入力されるセンサ信号171Aによって示される先頭車両11Aの振動加速度Aを示している。図4(a)に示される振動加速度A(181A)は、後述の各処理が行われる前の所謂「生の波形」であり、様々な周波数の振動加速度を含んでいる。
図4(b)は、図3のステップS101に相当する処理イメージであり、図4(a)に示された生の波形の振動加速度181Aに対して、事前に設定された所定の周波数帯域幅のみを通過させるバンドパスフィルタ182を適用させることを示している。
図4(c)は、図3のステップS102〜S103に相当する処理イメージである。まず、生の波形の振動加速度181Aにバンドパスフィルタ182を適用することで抽出される、フィルタ処理後の振動加速度A(183A)に対して、事前に設定された固定データ長(時間幅)の窓フィルタ184が適用される(ステップS102)。そして、窓フィルタ184の適用によって抽出された振動加速度183Aについて、複数の算出点における振動加速度を基に、振動加速度AのRMS値185Aが演算される(ステップS103)。図4(c)では、振動加速度AのRMS値185Aの具体値として「p」が例示されている。
図4(a)〜(c)と同様に、図4(d)〜(f)では中間車両11Bで検出された振動加速度B(図4(d)の振動加速度181B)についてRMS値185B(具体値「q」)が演算され、図4(g)〜(i)では中間車両11Nで検出された振動加速度N(図4(g)の振動加速度181N)についてRMS値185N(具体値「r」)が演算される。なお、図示はされていないが、その他の中間車両11についても、同様に、RMS値が演算される。これら各車両11について演算された振動加速度のRMS値を用いて、図4(j)では、車両ごとのRMS値振幅比率が演算される(ステップS104)。
図4(j)は、図3のステップS104〜S105に相当する処理イメージである。図4(j)の縦軸はRMS値振幅比率を示し、横軸は時間経過を示す。図4(j)には、閾値判定処理で用いられる閾値187(具体値「k」)も示されている。図4(j)において、RMS値振幅比率186Bは、振動加速度AのRMS値185Aを基準とした振動加速度BのRMS値185Bの振幅比率であり、具体値では「q/p」となる。同様に、RMS値振幅比率186Nは、振動加速度AのRMS値185Aを基準とした振動加速度NのRMS値185Nの振幅比率であり、具体値では「r/p」となる。なお、前述したように、振動加速度Aに関するRMS値振幅比率は、「p/p」、すなわち「1」となる。
ここで、図4に示した例では、振動加速度AのRMS値185Aに比べて、振動加速度BのRMS値185Bは、比較的大きな値となっており(図4(f))、振動加速度NのRMS値185Nは、ほぼ同様の値となっている(図4(i))。このため、図4(j)では、振動加速度Nに関するRMS値振幅比率186N(時間Xtにおいて「r/p」)よりも振動加速度Bに関するRMS値振幅比率186B「q/p」のほうが大きな値となっている。そして、図4(j)に示した閾値「k」とそれぞれのRMS値振幅比率186(個別には186B〜186N)を比較することによって、閾値に基づいた閾値判定処理が実行される(ステップS105)。
図4(j)の場合、時間Xtにおける振動加速度Bに関するRMS値振幅比率186B(「q/p」)は、閾値187(「k」)を超過していることから、異常と判定する。すなわち、振動加速度Bの検出元である振動加速度センサ17Bが搭載された中間車両11Bにおいて異常が発生した(異常状態である)ことを検知できる。
なお、本発明における閾値判定処理では、振動加速度センサ17A〜17Nの設置箇所や振動加速度の検出方向(例えば、進行方向に対して、上下、左右、前後方向)、及び状態監視装置100内の各処理部における設定パラメータ、あるいは、異常状態と判定されたRMS値振幅比率186のレベルに応じて、異常の内容を選別することもできる。
(1−3)第1の実施形態による効果
以上に説明したように、第1の実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)によれば、編成車両10を構成する複数車両11(11A〜11N)に搭載された振動加速度センサ17(17A〜17N)を用いて、運転士90が乗車する車両(先頭車両11A)における振動加速度のセンサ信号171Aを基準に、運転士90が乗車していない他の車両(中間車両11B〜11Nなど)における振動加速度を相対的に判定することによって、当該他の車両において発生する異常状態(例えば、車両の脱線に限らず、車両又はインフラ状態の不具合、及び蛇行動など)を検知することができる。
ここで、第1の実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)は、図3の異常検知処理において異常状態を判定する際、編成車両内の振動加速度の相対値を用いることを特徴としている。
仮に、振動加速度の絶対値に基づいた判定を行うとした場合(例えば、特許文献1)、低速走行時には、車両振動が小さくなる傾向があるため、検出される振動加速度も小さくなってしまい、低速脱線のような異常状態を検知し難いという課題があった。また、車両走行時のインフラ状態が良好ではない場合には、編成車両全体で比較的大きな車両振動が発生するため、車両異常ではないにも拘わらず状態異常を検知してしまうおそれもあった。このような課題を解決するために、走行速度やインフラ状態に応じて種々の設定(例えば閾値の設定変更など)を行おうとすれば、より複雑な処理が必要となってプロセッサの処理負担に繋がってしまう。また、閾値設定のために網羅的にデータ収集する必要も生じることから、実用性が著しく低下してしまう。
これに対し、第1の実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)は、図4で処理イメージを示したように、運転士90が乗車している特定車両(先頭車両21)を基準とした各車両の振動加速度の相対値(RMS値振幅比率186)を用いて異常検知処理を行うことから、例えば低速運転時であったとしても、また、インフラ状態が良好でなかったとしても、車両間の振動加速度に差異があれば検知することができる。すなわち、第1の実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)によれば、車両速度やインフラ状態による全車両への影響を除外し得るため、上記の課題を解決しながら高精度で異常状態を検知することができ、車両オペレーション時の走行安全性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)は、異常状態を検知した場合に運転士90等にアラームを通知することによって、異常状態から引き起こされ得る重大事故を未然に防ぐことが期待できる。すなわち、本実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)は、運転士や乗務員が乗車していない車両に対しても異常状態の監視を可能にし、車両オペレーション時の走行安全性を向上させることができる。
また、本実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)によれば、上述したように編成車両10を構成する車両11における異常状態の検知を可能にすることによって、編成車両10が走行するインフラ状態の不具合を察知することができる。そして、インフラ状態の不具合を早期に察知できればインフラの整備が容易となることから、インフラの信頼性を向上させる効果を奏する。
(2)第2の実施形態
(2−1)状態監視システムの構成
図5は、第2の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システム(状態監視システム2)の全体構成例を示すブロック図である。
以下では、図5を参照しながら、状態監視システム2の構成について、図1に示した状態監視システム1との相違点を中心に説明する。なお、第2の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システム2において、第1の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システム1と共通する番号が付された構成は、状態監視システム1と共通する構成を示すものとし、その詳細な説明を省略する。
図5において、編成車両20は、複数の車両21から構成され、具体的には、先頭車両21Aと中間車両21B〜21N(なお、第1の実施形態と同様、後尾車両も中間車両に含める)とを備えている。図5では、車両21Bの輪軸16が軌道(水平方向の実線)から外れた破線上にあるように記載されているが、これは、編成車両20のうち車両21Bが脱線状態であることを示しており、輪軸16が軌道上にあるように記載されたその他の車両21A,21C,21N等は脱線していない。
先頭車両21Aには、車両情報制御装置29Aが搭載されている。車両情報制御装置29Aは、編成車両20の全ての車両21A〜21Nに関して、車両運行中の走行速度、走行距離、走行位置(GPS情報:Global Positioning System)、及び駅情報といった車両運行上の基本情報をはじめ、編成車両20に搭載されているモータ、ブレーキ、ドア、及び空調機器等の機器状態を常時管理・制御する装置であって、例えばプログラムの実行によって制御される。
また、中間車両21B〜21Nには、車両情報制御装置29B〜29Nが搭載される。車両情報制御装置29B〜29Nは、少なくともそれぞれが搭載される車両21B〜21Nについての車両運行上の基本情報や機器状態等を収集可能とする。車両情報制御装置29B〜29Nは車両情報制御装置29Aと通信可能に接続され、車両情報制御装置29Aが親機で、車両情報制御装置29B〜29Nがそれぞれ子機という関係性を有する。なお、車両情報制御装置29A及び車両情報制御装置29B〜29Nは、同等の機能を有する装置であってもよいし、親機である車両情報制御装置29Aが、車両運行上の基本情報及び機器状態等を常時管理・制御するために、子機よりも多くの機能を有する装置であってもよい。
車両情報制御装置29A〜29Nの接続方法としては例えば、図5に示したように、隣接する車両間で車両情報制御装置29A〜29Nが互いに有線(又は無線)によって通信可能に接続されて互いの車両情報を共有できるようにすることで、車両情報制御装置29Aが全ての車両21A〜21Nに関する車両情報を把握できるようにする。または例えば、車両情報制御装置29Aが、それぞれの車両情報制御装置29B〜29Nと無線等で直接通信可能に接続されることによって、車両情報制御装置29Aが全ての車両21A〜21Nに関する車両情報を把握できるようにしてもよい。
次に、状態監視システム2における状態監視装置200との間での信号の入出力について説明する。
図5に示す状態監視システム2では、第1の実施形態の状態監視システム1(図1参照)と同様に、各車両21A〜21Nに振動加速度センサ17A〜17Nが設置されている。しかし、第2の実施形態では、振動加速度センサ17B〜17Nによる振動加速度の検出結果に基づくセンサ信号171B〜171Nは、第1の実施形態のように状態監視装置100に直接出力されるのではなく、自車両に搭載された車両情報制御装置29B〜29Nを介して、先頭車両21Aに搭載された車両情報制御装置29Aに伝送されたうえで、車両情報制御装置29Aからセンサ信号271として状態監視装置200に出力される。
例えば、中間車両21Bの振動加速度センサ17Bによる振動加速度の検出結果に基づくセンサ信号171Bは、車両情報制御装置29Bに伝送され、車両情報制御装置29Bと車両情報制御装置29Aとの間でやりとりされる車両情報信号270Bに含まれるなどして車両情報制御装置29Aに伝送される。なお、上述したように、車両情報制御装置29A〜29Nは隣接間で情報を共有可能であることから、車両情報制御装置29Bは、先頭車両21Aとは逆方向の全ての中間車両21C〜21Nにおけるセンサ信号171C〜171Nも取得可能であり、車両情報制御装置29Aに伝送することができる。そして、車両情報制御装置29Aは、伝送された車両情報信号270B(間接的には、車両情報信号270C〜270Nも含む)に基づいて、中間車両21B〜21Nで検出された振動加速度の情報をセンサ信号271として、状態監視装置200の振動加速度検出処理部201に入力する。
一方、先頭車両21Aの振動加速度センサ17Aによる振動加速度の検出結果は、第1の実施形態と同様、状態監視装置200の振動加速度検出処理部201に直接入力される。なお、第2の実施形態の状態監視システム2では、別例として、先頭車両21Aの振動加速度センサ17Aによる検出結果も車両情報制御装置29Aに伝送し、センサ信号271として振動加速度検出処理部201に入力するようにしてもよい。
また、先頭車両21Aの車両情報制御装置29Aは、センサ信号271の他に、車両情報信号273を状態監視装置200に入力する。車両情報信号273には、車両情報制御装置29Aが共有する車両情報(例えば、車両速度情報や振動加速度センサの設置位置情報など)が含まれている。センサ信号271及び車両情報信号273が入力されることによって、状態監視装置200は、各車両における振動加速度センサの設置位置や、振動加速度を検出したときの車両速度などを把握することができる。なお、図5の例では、車両情報信号273は状態監視装置200の振幅比率演算処理部203に入力されるように示しているが、本実施形態の状態監視システム2では、状態監視装置200内の他の処理部に入力されるようにしてもよい。
図5に示すように、状態監視装置200は、状態監視システム2に含まれる構成であって、例えば、先頭車両21A等の特定車両の機器室内や床下に設置される。なお、状態監視装置200は、必ずしも編成車両20内に設置されなくてもよく、例えば、先頭車両21Aと通信可能な管制室等に設置されるなどしてもよい。状態監視装置200は、振動加速度検出処理部201、フィルタ処理部202、振幅比率演算処理部203、閾値判定処理部204、アラーム発生処理部205、及びデータ記録処理部206を備えている。各処理部による処理の詳細については、図7を参照しながら後述する。
状態監視装置200は、加速度センサ17Aから入力されるセンサ信号171Aと、車両情報制御装置29Aから入力されるセンサ信号271及び車両情報信号273とに基づいて、異常状態の検知処理を行い、異常状態を検知した場合にはアラーム信号276を車両情報制御装置29Aに出力する。アラーム信号276が入力された車両情報制御装置29Aは、運転台18にアラーム表示信号277を入力し、アラームを表示させる。
図6は、図5に示す状態監視装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図6に示す状態監視装置200のプロセッサ210は、インターフェース213に車両情報制御装置29Aが接続される点が、図2に示した状態監視装置100のプロセッサ110と異なっている。すなわち、状態監視装置200が先頭車両21Aに搭載されるとすれば、状態監視装置200が搭載されていない中間車両21B〜21Nにおける振動加速度センサ17B〜17Nからのセンサ信号は、状態監視装置200が搭載された先頭車両21Aの車両情報制御装置29Aを介してプロセッサ210に入力される。
このように、第2の実施形態の状態監視システム2は、先頭車両21Aだけが状態監視装置200との間での信号の入出力を行うように構成されているため、編成車両20における先頭車両21A以外の構成に左右されることなく、状態異常の検知が可能となる。また、車両情報制御装置29Aが状態監視装置200を含むようなシステム構成にするなどしてもよく、このような場合は、車両情報制御装置29Aと状態監視装置200とが一体化されることで、よりコンパクトな機器設計が可能となり、積載空間が限定される車両内に搭載しやすいという効果を奏する。
(2−2)異常状態の検知処理
図7は、第2の実施形態における異常検知処理の手順例を示すフローチャートである。図7に示す異常検知処理は、状態監視装置200のプロセッサ210(主にCPU110)によって実行される。以下では、図5に示す異常検知処理について、第1の実施形態で説明した異常検知処理(図3参照)との差異を中心に説明する。
まず、ステップS200において、各車両21(21A〜21N)に設置された振動加速度センサ27(27A〜27N)によって検出されたセンサ信号171A,271が振動加速度検出処理部201に入力される。前述したように、振動加速度センサ17Aによって検出されたセンサ信号171Aは振動加速度センサ17Aから直接入力されるが、振動加速度センサ17B〜17Nによって検出されたセンサ信号171B〜171Nは、車両情報制御装置29Aを介して、センサ信号271として入力される。
そして、振動加速度検出処理部201は、センサ信号271からセンサ信号171B〜171Nを取り出すなどして、各車両21A〜21Nで検出された振動加速度を示すセンサ信号171(個別には171A〜171N)を振動加速度検出処理部201に出力する。
次いで、ステップS201では、振動加速度検出処理部201が、入力されたセンサ信号171A〜171Nのそれぞれに対して、バンドパスフィルタ処理を行い、振動加速度信号172(個別には172A〜172N)をフィルタ処理部202に出力する。ステップS201のバンドパスフィルタ処理は、図3のステップS101の処理と同様である。
ステップS202では、フィルタ処理部102が、入力された振動加速度信号172A〜172Nのそれぞれに対して、車両情報に基づいた窓フィルタによる変動データ長(時間幅)の振動加速度信号の抽出処理を行い、フィルタ処理後の窓フィルタリング信号173(個別には173A〜173N)を振幅比率演算処理部203に出力する。ステップS202の処理は、車両情報に基づいた窓フィルタを適用させる点で、固定データ長の窓フィルタを適用させる図3のステップS102の処理と異なる。
ここで、ステップS202の窓フィルタ処理について詳しく説明する。フィルタ処理部202は、車両情報制御装置29Aから状態監視装置200に入力された車両情報(例えば、車両速度情報及び振動加速度センサの設置位置情報など)に基づいて、振動加速度信号172A〜172Nに対する窓フィルタの適用位置及び適用範囲を変更する。
まず、窓フィルタの適用位置について説明する。編成車両20の走行時に発生する振動加速度は先頭車両21Aと中間車両21B〜21Nのそれぞれで走行位置が異なるものである。すなわち、例えば各車両21A〜21Nの振動加速度が同じタイミングで検出されたとして、検出時の各車両の絶対的な位置(より厳密には振動加速度センサ17A〜17Nの設置位置)は、車両の長さや車両速度によって異なるものとなる。このような車両間(振動加速度センサ間)のずれは、車両速度情報と振動加速度センサの設置位置情報とに基づいて特定することができる。
そこで、フィルタ処理部202は、車両速度情報と振動加速度センサの設置位置情報とに基づいて、各車両21A〜21Nの振動加速度センサ17A〜17Nが所定地点を通過するタイミングを算出し、各車両21A〜21Nで検出された振動加速度信号172A〜172Nに対して、車両ごとに窓フィルタの適用位置(位相)を変化させる。これによって、編成車両20の全車両に関する窓フィルタリング信号173(173A〜173N)について、全車両の振動加速度の検出位置(発生位置)を同一地点に一致させることができる(例えば、図8(a)〜(c)における窓フィルタ281の位置を参照)。
このように、全車両の振動加速度の検出位置(発生位置)を所定地点で一致させることにより、本実施形態の状態監視装置200は、所定地点におけるインフラ状態(起動状態や地盤など)による影響を排除して、車両間の相互での振動加速度の差異に基づいて異常状態を検知することができるようになる。
次に、窓フィルタの適用範囲について説明する。フィルタ処理部202は、車両速度に応じて窓フィルタの適用範囲(抽出する時間幅)を変動させることによって、窓フィルタを適用することで得られるデータ量(窓フィルタリング信号173のデータ量)を調整することができる。
例えば、車両速度が速い場合には、後の振動加速度RMS値の演算(ステップS203)において適切に演算値を算出するために必要な量の振動加速度のデータを、比較的短時間のうちに得ることができる。そこで、車両速度が速い場合には、窓フィルタによる適用範囲を通常よりも狭く(抽出する時間幅を短く)することにより、必要以上にデータ量が集積されることを抑制でき、ステップS203における振動加速度RMS値の演算量を低減させて、プロセッサ210の処理負担を軽減することができる(例えば、図9(a)〜(c)における窓フィルタ283の時間幅を参照)。
また例えば、車両速度が遅い場合には、振動加速度RMS値を適切に算出するために必要な量の振動加速度のデータを得るために、比較的長い時間を要する。そこで、車両速度が遅い場合には、窓フィルタによる適用範囲を通常よりも広く(抽出する時間幅を長く)することにより、データ量の収集不足によって信頼度の低い振動加速度RMS値が算出されてしまうことを防止することができる(例えば、図8(a)〜(c)における窓フィルタ281の時間幅を参照)。
ステップS202の処理後、ステップS203,S204では、振幅演算処理部203が振幅比率演算処理を行う。まず、ステップS203では、入力された窓フィルタリング信号173(173A〜173N)のそれぞれに対して、各振動加速度(車両ごと)の振動加速度RMS値を演算する。そして、ステップS204では、ステップS203で算出された車両ごとの振動加速度RMS値に基づいて、車両ごとのRMS値振幅比率を演算し、中間車両11B〜11NのRMS値振幅比率に基づく振幅比率信号174(個別には174B〜174N)を閾値判定処理部204に出力する。
ステップS205では、閾値判定処理部204が、振幅比率演算処理部203から入力された振幅比率信号174(174B〜174N)に対して、事前に設定しておいた閾値に基づいた閾値判定処理を実行する。
次いで、ステップS206では、アラーム発生処理部206が、閾値判定処理部204から入力された判定処理結果信号175(175B〜175N)に基づいて、異常状態の検知に関する警告(アラーム)を発生させるアラーム発生処理を実行する。アラーム発生処理においてアラームの発生を行う場合には、アラーム発生処理部205は、アラーム信号276をデータ記録処理部206及び車両情報制御装置29Aに出力する。アラーム信号276が入力された車両情報制御装置29Aは、運転台18にアラーム表示信号277を入力し、アラームを表示させる。アラームの表示では、具体的には例えば、異常状態が検知された車両の特定、また、検知された異常状態の種類、異常状態の判定対象とされたデータ(振動加速度)などが表示される。なお、車両情報制御装置29Aは、アラーム発生処理部206から入力されたアラーム信号276を、他の車両21B〜21Nに搭載された車両情報制御装置29B〜29Nにも転送することによって、編成車両20を構成する車両のうち車両情報制御装置29が搭載されたすべての車両21A〜21Nにおいて、異常検知処理の判定結果を共有することができる。
最後に、ステップS207では、データ記録処理部206が、アラーム発生処理部205から入力されたアラーム信号276(又は、当該信号に含まれるアラーム情報)を状態監視装置200内の記憶媒体(例えば、メモリーカード117)に記録する。さらに、データ記録処理部206は、アラーム信号176と合わせて、各種の車両情報(例えば、アラーム対象の中間車両11における車内カメラの映像や各種機器の状態など)を上記記憶媒体に記録することが好ましい。
ステップS203〜S205,S207の処理は、図3に示したステップS103〜105の処理と同様であるため、詳細な説明を省略している。また、ステップS206で出力されるアラーム信号276が含むアラーム情報についても、図3のアラーム信号176と同様であり、説明を省略する。
このように、図7のステップS200〜S206に示した処理が行われることによって、状態監視装置200は、編成車両20を構成する複数の車両21A〜21Nに対して、車両情報制御装置29Aが搭載された特定車両(先頭車両21A)を基準とした振動加速度の相対値(例えばRMS値振幅比率)に基づいて、各車両21の状態を判定し、異常状態を検知することができる。
図8,図9は、第2の実施形態における振幅比率演算処理の一例を説明するための図(その1,その2)である。図8は、車両速度が遅い場合の振幅比率演算処理の処理イメージであり、図9は、車両速度が速い場合の振幅比率演算処理の処理イメージである。
図8(a)は、先頭車両21Aの振動加速度センサ17Aから出力されるセンサ信号171Aに基づく「振動加速度A」に対する処理イメージであって、第1の実施形態で示した図4(c)に相当する。図8(b)は、中間車両21Bの振動加速度センサ17Bから出力されるセンサ信号171Bに基づく「振動加速度B」に対する処理イメージであって、第1の実施形態で示した図4(f)に相当する。図8(c)は、中間車両21Nの振動加速度センサ17Nから出力されるセンサ信号171Nに基づく「振動加速度N」に対する処理イメージであって、第1の実施形態で示した図4(i)に相当する。なお、図9(a)〜(c)も同様であるため、説明は省略する。
図8(a)〜(c)では、車両速度が遅いため、適用範囲(時間幅)を通常よりも広くした窓フィルタ281が用いられている。また、窓フィルタ281の適用位置(位相)は、先頭車両21Aに対応する図8(a)よりも、後方の中間車両21Bに対応する図8(b)のほうが時間的に早い位置にされており、さらに後方の中間車両21Nに対応する図8(c)では、より時間的に早い位置にされている。このようにすることで、全ての車両21A〜21Nにおける振動加速度の検出位置(発生位置)を一致させている。
図8(a)〜(c)では、このような窓フィルタ281を適用することによって、長いデータ長で抽出された振動加速度183(183A〜183N)に基づいて、各車両における振動加速度RMS値282(282A〜282N)を演算することができ、演算対象のデータ量を調整することができる。そして、振幅比率演算処理部203は、このような振動加速度RMS値282A〜282Nを用いてRMS値振幅比率を算出し、閾値判定処理部204は、RMS値振幅比率に基づいて閾値判定処理を行うことができる。
図9(a)〜(c)では、車両速度が速いため、適用範囲(時間幅)を通常よりも狭くした窓フィルタ283が用いられている。また、窓フィルタ283の適用位置(位相)は、先頭車両21Aに対応する図9(a)よりも、後方の中間車両21Bに対応する図9(b)のほうが時間的に早い位置にされており、さらに後方の中間車両21Nに対応する図9(c)では、より時間的に早い位置にされている。このようにすることで、全ての車両21A〜21Nにおける振動加速度の検出位置(発生位置)を一致させている。
図9(a)〜(c)では、このような窓フィルタ283を適用することによって、短いデータ長で抽出された振動加速度183(183A〜183N)に基づいて、各車両における振動加速度RMS値284(284A〜284N)を演算することができ、演算対象のデータ量を調整することができる。そして、振幅比率演算処理部203は、このような振動加速度RMS値284A〜284Nを用いてRMS値振幅比率を算出し、閾値判定処理部204は、RMS値振幅比率に基づいて閾値判定処理を行うことができる。
(2−3)第2の実施形態による効果
以上に説明したように、第2の実施形態の状態監視システム2(又は状態監視装置200)によれば、編成車両20を構成する複数車両21(21A〜21N)に搭載された振動加速度センサ17(17A〜17N)を用いて、特定車両(車両情報制御装置29Aが搭載された先頭車両21A)における振動加速度のセンサ信号171Aを基準に、他の車両(中間車両11B〜11N)における振動加速度を相対的に判定することによって、当該他の車両において発生する異常状態(例えば、車両の脱線、車両又はインフラ状態の不具合、及び蛇行動など)を検知することができる。
特に、第2の実施形態の状態監視システム2(又は状態監視装置200)では、図7の異常検知処理において、車両ごとの振動加速度の相対値(RMS値振幅比率)を算出するときの算出基準となる窓フィルタリング信号173A〜173Nについて、車両速度及び振動加速度センサの設置位置などの車両情報に基づいて、同一地点における振動加速度を抽出することができるため(図8,図9も参照)、所定地点におけるインフラ状態(起動状態や地盤など)による影響を排除して、車両間の相互での振動加速度の差異に基づいて異常状態を検知できるようになる。このように車両情報を考慮した異常状態の検知を可能にすることによって、第2の実施形態の状態監視システム2(又は状態監視装置200)は、高精度な状態監視が可能となり、車両オペレーション時の走行安全性をより向上させることができる。
また、第2の実施形態の状態監視システム2(又は状態監視装置200)は、運転士90が乗車する先頭車両21Aに車両情報制御装置29Aが搭載される場合には、第1の実施形態の状態監視システム1(又は状態監視装置100)と同様に、「運転士90が乗車する車両における振動加速度のセンサ信号171Aを基準に、運転士90が乗車していない他の車両における振動加速度を相対的に判定する」ことから、第1の実施形態による効果も合わせて実現することができる。
(3)第3の実施形態
本発明の第3の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムについて説明する。第3の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムは、第1又は第2の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムと同様の構成を流用可能であり、状態監視装置で行われる異常検知処理における一部の処理だけが異なっている。したがって、簡略のため、第1又は第2の実施形態と共通する部分は説明を省略する。ただし、第3の実施形態では、編成車両を構成する複数の車両のうち少なくとも3台以上の車両にそれぞれ振動加速度センサが設置されるものとする。
図10は、第3の実施形態に係る鉄道車両の状態監視システムによる異常検知処理の手順例を示すフローチャートである。
図10に示す異常検知処理では、第1又は第2の実施形態における異常検知処理のように先頭車両の振動加速度RMS値を基準値とするのではなく、全ての振動加速度RMS値に基づいて新たに基準値を決定する基準値生成処理を行う(ステップS304)。そして、この新たに決定された基準値を用いて、各車両のRMS値振幅比率を演算する(ステップS305)。
図10のステップS300〜S303の処理は、図3のステップS100〜S103(又は図7のステップS200〜S203)の処理と同様であり、図10のステップS306〜S308の処理は、図3のステップS105〜S107(又は図7のステップS205〜S207)の処理と同様であるため、これらの説明は省略し、ステップS304,S305だけを説明する。
ステップS304では、振幅比率演算処理部が、ステップS303で演算した各車両の振動加速度RMS値に基づいて、振幅比率の基準値を決定する(基準値生成処理)。基準値生成処理では、各車両の振動加速度センサで検出された振動加速度の集合データから、所定の算出方法(平均値、中央値、最小値など)によって基準値が決定される。
図11は、第3の実施形態における基準値生成処理の一例を説明するための図である。図11では、編成車両を構成する各車両(例えば、車両11A〜11N)に対応する振動加速度RMS値371A〜371Nが示されており、その平均値が基準値381として決定されている。
そして、ステップS305では、基準値生成処理で決定された基準値(例えば、図11の基準値381)を基準として、各車両の振動加速度RMS値(例えば、図11の振動加速度RMS値371A〜371N)の比率を演算することによって、各車両のRMS値振幅比率が算出され、当該算出結果に基づいて、各車両11A〜11Nの振幅比率信号174(個別には174A〜174N)が閾値判定処理部に出力される。
このように、図10のステップS300〜S308に示した処理が行われることによって、第3の実施形態の状態監視装置は、編成車両を構成する複数の車両に対して、編成車両全体における振動加速度を基準とした相対値を用いて異常状態を検知することから、先頭車両等を特定車両とすることなく、汎用的に全ての個別車両の異常状態(例えば、車両の脱線、車両又はインフラ状態の不具合、及び蛇行動など)を検知することができる。
また、第3の実施形態の状態監視システム(又は状態監視装置)によれば、車両間の振動加速度の相対値に基づいて異常状態を検知することから、第1又は第2の実施形態でも述べたように、車両速度やインフラ状態による全車両への影響を除外して高精度に異常状態を検知することができ、車両オペレーション時の走行安全性を向上させることができる。
また、第3の実施形態の状態監視システム(又は状態監視装置)によれば、編成車両を構成する個別の車両に対して汎用的に異常状態を検知できることで、編成車両が走行するインフラ状態の不具合を察知することができ、インフラ状態の不具合を早期に察知できればインフラの整備が容易となることから、インフラの信頼性を向上させる効果を奏する。
(4)他の実施形態
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記した実施形態では、車両オペレーション時の車両状態を検出するためのセンサとして、振動加速度を検出する振動加速度センサを設置し、センサ信号(振動加速度センサ信号)に基づいて異常状態を検知することについて説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。センサの別例としては、音を検出する音センサ(例えばマイクロフォン)、ひずみを測定するひずみゲージ、熱の物理量を測定する熱電対、あるいは、車両などに加わる圧力を検出する圧力センサなどを設置することができる。そしてこのような場合、センサから出力されるセンサ信号は、それぞれ、音センサ信号、ひずみセンサ信号、熱センサ信号、または圧力センサ信号となり、本発明は、これらのセンサ信号に基づいて異常状態を検知するようにしてもよい。このように、様々な種別のセンサを利用可能とすることで、本発明は、検知したい異常状態の種別に応じて適切なセンサを用いることができるため、状態監視システムの利用範囲を拡大することができる。
なお、センサにマイクロフォンを用いる場合、マイクロフォンによる検出音を、搭載車両の内部で発生した車内音か、搭載車両の外部で発生した車外音かを区別するようにしてもよい。そして、車内音に基づく各車両の音センサ信号同士を用いて異常検知処理を行うようにすれば、インフラ状態に起因する音(主に車外音)を除外した当該処理が可能になるため、車両内部を原因とする異常状態の検知精度を高めることができる。また、車外音に基づく各車両の音センサ信号同士を用いて異常検知処理を行うようにすれば、インフラ状態に起因する音に基づいた当該処理が可能になるため、車両外部を原因とする異常状態の検知精度を高めることができる。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実施には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、本発明は、鉄道車両の状態を監視する状態監視装置及び状態監視システム、並びに当該状態監視システムを有する編成車両に適用して好適なものであるが、それらに限定されるものではなく、例えば、特定の軌道上を走行するような移動体(例えば、エレベータ、エスカレータ、鉱山用ダンプなど)に対する状態監視を行う移動体システムに適用することができる。
1 状態監視システム
10,20 編成車両
11,21 車両
11A,21A 先頭車両
11B〜11N,21B〜21N 中間車両
12 車体
13 台車
14 空気ばね
15 台車枠
16 輪軸
17(17A〜17N) 振動加速度センサ
18 運転台
29(29A〜29N) 車両情報制御装置
90 運転士
100,200 状態監視装置
101,201 振動加速度検出処理部
102,202 フィルタ処理部
103,203 振幅比率演算処理部
104,204 閾値判定処理部
105,205 アラーム発生処理部
106,206 データ記録処理部
110,210 プロセッサ
111 CPU
112 RAM
113,213 インターフェース
114 ROM
115 カードコネクタ
116 バス
117 メモリーカード
171(171A〜171N)、271 センサ信号
172 振動加速度信号
173 振動加速度信号(窓フィルタリング信号)
174 振幅比率信号
175 判定処理結果信号
176 アラーム信号
270(270B〜270N),273 車両情報信号

Claims (15)

  1. 編成車両を構成する複数の車両にそれぞれセンサが搭載され、それぞれの前記センサからのセンサ信号に基づいて車両の状態監視を行う状態監視装置であって、
    前記センサが搭載された複数の車両のセンサ信号を検出する信号検出処理部と、
    前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出するデータ抽出部と、
    前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する振幅比率演算処理部と、
    前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する閾値判定処理部と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両の状態監視装置。
  2. 前記閾値判定処理部によって異常状態が有ると判定された場合に、当該判定がなされた車両の異常状態を警告するアラーム発生処理部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1記載の状態監視装置。
  3. 前記編成車両を構成する複数の車両のうち、特定車両と当該特定車両以外の一般車両とに前記センサが搭載され、
    前記振幅比率演算処理部は、前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータのうち、前記特定車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する前記一般車両のデータの比率を演算し、
    前記閾値判定処理部は、前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、前記一般車両の異常状態の有無を判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の状態監視装置。
  4. 前記振幅比率演算処理部は、前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータの集合から基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する
    ことを特徴とする請求項1記載の状態監視装置。
  5. 前記データ抽出部は、前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号に対して、抽出する周波数帯域を限定するバンドパスフィルタを適用させる第1のフィルタ処理と、抽出するデータ長を限定する窓フィルタを適用させる第2のフィルタ処理とを行うことによって、それぞれのセンサ信号に対応する車両のデータを抽出する
    ことを特徴とする請求項1記載の状態監視装置。
  6. 前記窓フィルタによって抽出されるデータ長は、事前に設定された固定のデータ長である
    ことを特徴とする請求項5記載の状態監視装置。
  7. 前記窓フィルタによって抽出されるデータ長は、編成車両の車両速度に基づいて変動される
    ことを特徴とする請求項5記載の状態監視装置。
  8. 前記データ抽出部は、前記第2のフィルタ処理において、編成車両の車両速度に基づいて前記窓フィルタを適用する位相を車両ごとに変位させる
    ことを特徴とする請求項5記載の状態監視装置。
  9. 編成車両を構成する複数の車両にそれぞれ搭載されるセンサと、
    前記センサと通信可能に接続され、それぞれの前記センサからのセンサ信号に基づいて車両の状態監視を行う状態監視装置と、
    を備え、
    前記状態監視装置は、
    前記センサが搭載された複数の車両のセンサ信号を検出する信号検出処理部と、
    前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出するデータ抽出部と、
    前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する振幅比率演算処理部と、
    前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する閾値判定処理部と、を備える
    ことを特徴とする鉄道車両の状態監視システム。
  10. 前記センサは、前記編成車両を構成する複数の車両のうち、運転士または乗務員が乗車する特定車両と当該特定車両以外の一般車両とにそれぞれ搭載され、
    前記状態監視装置において、
    前記振幅比率演算処理部は、前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータのうち、前記特定車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する前記一般車両のデータの比率を演算し、
    前記閾値判定処理部は、前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、前記一般車両の異常状態の有無を判定する
    ことを特徴とする請求項9記載の状態監視システム。
  11. 前記状態監視装置と通信可能な前記特定車両に搭載されて編成車両を構成する各車両に関する車両情報を管理する車両情報制御装置をさらに備え、
    前記一般車両に搭載された前記センサからのセンサ信号は、前記車両情報制御装置を介して前記状態監視装置に入力される
    ことを特徴とする請求項10記載の状態監視システム。
  12. 前記センサは、前記車両の車体又は台車に設置される
    ことを特徴とする請求項9記載の状態監視システム。
  13. 前記センサは、振動加速度を検出する振動加速度センサ、音を検出する音センサ、ひずみを測定するひずみゲージ、熱の物理量を測定する熱電対、又は、圧力を検出する圧力センサの少なくとも何れかである
    ことを特徴とする請求項9記載の状態監視システム。
  14. 前記複数の車両に前記音センサが搭載される場合、
    前記状態監視装置は、各車両の前記音センサで検出される音のうち、車両の外部で発生した車外音に基づくセンサ信号同士、又は、車両の内部で発生した車内音に基づくセンサ信号同士に基づいて、車両の状態監視を行う
    ことを特徴とする請求項13記載の状態監視システム。
  15. 複数の車両が連結して構成される編成車両であって、
    前記編成車両を構成する複数の車両にそれぞれ搭載されるセンサと、
    前記センサと通信可能に接続され、それぞれの前記センサからのセンサ信号に基づいて車両の状態監視を行う状態監視装置と、
    を備え、
    前記状態監視装置は、
    前記センサが搭載された複数の車両のセンサ信号を検出する信号検出処理部と、
    前記信号検出処理部によって検出されたそれぞれのセンサ信号から当該センサ信号に対応する車両のデータを抽出するデータ抽出部と、
    前記データ抽出部によって抽出された各車両のデータに基づいて1つの基準値を抽出し、当該基準値に対する各車両のデータの比率を演算する振幅比率演算処理部と、
    前記振幅比率演算処理部による演算の結果に基づいて、各車両の異常状態の有無を判定する閾値判定処理部と、を備え、
    前記閾値判定処理部による異常状態の判定結果を前記編成車両の各車両で共有する
    ことを特徴とする編成車両。
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