JPWO2016167289A1 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

本発明は、低発熱性、耐摩耗性に優れゴム組成物の提供を目的とし、本発明は、原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量のうちの0.02〜4モル%がカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムを少なくとも含むゴム成分と、窒素吸着比表面積が155m2/g以上のシリカ1と、窒素吸着比表面積が125m2/g以下のシリカ2と、シランカップリング剤とを含有し、変性ジエン系ゴムの含有量がゴム成分100質量部に対して10〜100質量部であり、シリカ1とシリカ2の合計含有量がゴム成分100質量部に対して55〜200質量部であり、シランカップリング剤の含有量が上記合計含有量の2〜16質量%である、タイヤトレッド用のゴム組成物、および、これをタイヤトレッドに用いるタイヤである。

Description

本発明はゴム組成物及びタイヤに関する。
従来、タイヤにはウェット性能、低発熱性、耐摩耗性等に優れることが要求されている。しかし、ウェット性能や低発熱性が優れると、耐摩耗性が犠牲となる場合がある。
このため、低転がり抵抗性、ウェットグリップ性および耐摩耗性を従来レベルよりも向上させることを目的として、例えば、特許文献1が提案されている。
特許文献1には、ビニル単位含有量が25重量%以上、ガラス転移温度が−50℃以下の末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(変性S−SBR)を5〜50重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、軟化点が100℃以上の芳香族変性テルペン樹脂を2〜50重量部、2種類のシリカX及びシリカYを合計で60〜130重量部配合してなり、前記変性S−SBRの官能基がシリカ表面のシラノール基と反応性があり、前記シリカ及びカーボンブラックを含む補強性充填剤の総量に対するシリカの比率が85重量%以上であり、前記シリカXの窒素吸着比表面積が140m2/g以上、前記シリカYの窒素吸着比表面積が100m2/gを超え140m2/g未満であり、かつ前記ジエン系ゴム100重量部に対するシリカXの配合量をx重量部、シリカYの配合量をy重量部とするとき、x/7<y≦xの関係を満たすことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
特開2013−227375号公報
本発明者らは、特許文献1をもとに、窒素吸着比表面積が異なる2種のシリカを含有するゴム組成物を調製し評価したところ、このようなゴム組成物は、耐摩耗性が低下する場合があり、低発熱性について改善の余地があることが明らかとなった。
本発明は、上記実情を鑑みて、低発熱性、耐摩耗性に優れるゴム組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、タイヤを提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ゴム組成物が特定範囲の変性率でカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムを含有することによって所定の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
1. 原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量のうちの0.02〜4モル%がカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムを少なくとも含むゴム成分と、
窒素吸着比表面積が155m2/g以上のシリカ1と、
窒素吸着比表面積が125m2/g以下のシリカ2と、
シランカップリング剤とを含有し、
上記変性ジエン系ゴムの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部であり、
上記シリカ1と上記シリカ2の合計含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、55〜200質量部であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記合計含有量の2〜16質量%である、タイヤトレッド用のゴム組成物。
2. 上記シリカ2の含有量に対する上記シリカ1の含有量の比率(シリカ1/シリカ2)が、2〜10である、上記1に記載のゴム組成物。
3. 上記変性ジエン系ゴムが、上記原料ジエン系ゴムとカルボキシ基及びニトロン基を有するニトロン化合物とを反応させて製造される、上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 上記ニトロン化合物が、
N−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、
N−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、
N−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、
N−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、
N−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン及び
N−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記3に記載のゴム組成物。
5. 上記変性ジエン系ゴムに導入された上記ニトロン化合物の含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下である、上記3又は4に記載のゴム組成物。
6. 二重結合及びカルボキシ基を有し、上記カルボキシ基の含有量が上記二重結合及び上記カルボキシ基の合計の0.2〜4モル%である変性ジエン系ゴムを少なくとも含むゴム成分と、
窒素吸着比表面積が155m2/g以上のシリカ1と、
窒素吸着比表面積が125m2/g以下のシリカ2と、
シランカップリング剤とを含有し、
上記変性ジエン系ゴムの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部であり、
上記シリカ1と上記シリカ2の合計含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、55〜200質量部であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記合計含有量の2〜16質量%である、タイヤトレッド用のゴム組成物。
7. 上記1〜6のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤトレッドに使用するタイヤ。
なお、本発明において、上記6に記載のゴム組成物に含有される変性ジエン系ゴムは、上記1に記載のゴム組成物に含有される変性ジエン系ゴムに対応する。本発明において、変性ジエン系ゴムは、上記6に記載のゴム組成物に含有される変性ジエン系ゴム、及び、上記1に記載のゴム組成物に含有される変性ジエン系ゴムのうちのいずれかであればよい。
また、上記6に記載のゴム組成物における、変性ジエン系ゴム以外の成分は、上記1に記載のゴム組成物における、変性ジエン系ゴム以外の成分とそれぞれ同じである。
本発明のゴム組成物は、低発熱性、耐摩耗性に優れる。
本発明のタイヤは、低発熱性、耐摩耗性に優れる。
本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、成分が2種以上の物質を含む場合、上記成分の含有量とは、2種以上の物質の合計の含有量を指す。
本発明のゴム組成物は、
原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量のうちの0.02〜4モル%がカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムを少なくとも含むゴム成分と、
窒素吸着比表面積が155m2/g以上のシリカ1と、
窒素吸着比表面積が125m2/g以下のシリカ2と、
シランカップリング剤とを含有し、
上記変性ジエン系ゴムの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部であり、
上記シリカ1と上記シリカ2の合計含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、55〜200質量部であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記合計含有量の2〜16質量%である、タイヤトレッド用のゴム組成物である。
本発明のゴム組成物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
窒素吸着比表面積が大きいシリカと窒素吸着比表面積が小さいシリカとを併用する場合、窒素吸着比表面積が小さいシリカはゴムと相互作用しにくいため、シリカがゴム成分に分散しにくく、低発熱性等の効果が得られにくい。
これに対して、特定の変性率でカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムは、シリカと相互作用及び/又は結合することができる。上記変性ジエン系ゴムは窒素吸着比表面積が異なり補強性が異なる2種のシリカに対しても強く相互作用等する事ができるため、変性ジエン系ゴムとシランカップリング剤とを併用することによって、シリカを、さらに分散させることができる。
そのため、変性ジエン系ゴムを用いることで、さらなる低発熱性、耐摩耗性を向上させることができたと考えられる。
[ゴム組成物]
以下、本発明のゴム組成物に含有される各成分について詳述する。
<<ゴム成分>>
本発明のゴム組成物に含有されるゴム成分は、変性ジエン系ゴムを少なくとも含む。
<変性ジエン系ゴム>
ゴム成分に少なくとも含まれる変性ジエン系ゴムは、原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量のうちの0.02〜4モル%がカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムである。なお、本明細書において、原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量(モル)に対する、変性ジエン系ゴムが有するカルボキシ基(モル)の割合、又は、変性ジエン系ゴムが有する、二重結合及びカルボキシ基の合計(モル)に対するカルボキシ基(モル)の割合を、変性率ということがある。つまり、本発明において変性率は0.02〜4モル%である。
また、本発明において、変性ジエン系ゴムは、二重結合及びカルボキシ基を有し、カルボキシ基の含有量が二重結合及びカルボキシ基の合計の0.2〜4モル%である。
本発明において変性ジエン系ゴムは、変性基としてカルボキシ基を有する。
(変性基)
変性ジエン系ゴムは、主鎖及び側鎖のうちの少なくともいずれかに変性基としてカルボキシ基を有することができる。また、変性ジエン系ゴムの主鎖の少なくとも一部又は側鎖の少なくとも一部に変性基としてカルボキシ基を有することができる。
主鎖における変性基としては、例えば、下記式(I)で表される基が挙げられる。
側鎖における変性基としては、例えば、下記式(II)で表される基が挙げられる。
上記式(I)中、a21、a22はそれぞれ独立に0〜5が好ましく、0、1又は2がより好ましい。
a21+a22は1以上が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
式(I)の、a21、a22、a21+a22は、それぞれ、後述する式(3)の、n、m、m+nと同様である。
上記式(II)中、a31、a32はそれぞれ独立に0〜5が好ましく、0、1又は2がより好ましい。
a31+a32は1以上が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
式(II)の、a31、a32、a31+a32は、それぞれ、後述する式(3)の、n、m、m+nと同様である。
変性ジエン系ゴムの主鎖は、例えば、後述する、原料ジエン系ゴムとして使用されるジエン系ゴムと同様のものが挙げられる。なかでも、低発熱性により優れ、強度特性に優れるという観点から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムが好ましく、スチレンブタジエンゴムがより好ましい。
(変性ジエン系ゴムの製造方法)
変性ジエン系ゴムは、低発熱性、耐摩耗性のうちの少なくとも1つがより優れる(以下これを本発明の効果がより優れるという)点から、原料ジエン系ゴムとカルボキシ基を有する変性剤とを反応させて製造されるものが好ましい。
変性ジエン系ゴムは、主鎖及び側鎖のうちの一方又は両方において、カルボキシ基に変性されることが好ましい。
・原料ジエン系ゴム
原料ジエン系ゴムとして使用されるジエン系ゴムは特に限定されない。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(例えば、Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)が挙げられる。なかでも、低発熱性により優れ、強度特性に優れるという観点から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムが好ましく、スチレンブタジエンゴムがより好ましい。
原料ジエン系ゴムとして使用できるスチレンブタジエンゴム(SBR)はスチレンとブタジエンとの共重合体であれば特に制限されない。スチレンブタジエンゴムはブタジエンに由来する不飽和結合における立体障害が小さいことから、変性剤との反応性に優れる。
スチレンブタジエンゴムが有するスチレン量は、変性剤との相溶性に優れるという観点から、スチレンブタジエンゴムを構成する全構成単位の10質量%以上が好ましく、26〜70質量%であることがより好ましい。
ここで、スチレンブタジエンゴムが有するスチレン量とは、スチレンブタジエンゴムを構成する全構成単位中において、スチレン単位が占める割合(質量%又は重量%)をいう。
本発明において、スチレンブタジエンゴムのミクロ構造は、JIS K 6239:2007(原料ゴム−溶液重合SBRのミクロ構造の求め方(定量))に準じて測定された。
スチレンブタジエンゴムが有する、ブタジエンに由来する二重結合としては、1,4−結合(シス−1,4−結合、トランス−1,4−結合)および1,2−結合が挙げられる。
スチレンブタジエンゴムが有する二重結合のうち1,4−結合が占める割合は、二重結合全量中の20〜80モル%が好ましく、25〜65モル%であることがより好ましい。
ここで、スチレンブタジエンゴムが有する二重結合のうち1,4−結合が占める割合とは、スチレンブタジエンゴムが有する全ての二重結合(ブタジエン成分のトランス−1,4単位、シス−1,4単位及び1,2単位。以下同様。)のうちの1,4単位(1,4−結合)の割合(モル%)をいう。
スチレンブタジエンゴムが有する二重結合のうち1,2−結合が占める割合(ビニル量又はビニル結合量)は、二重結合全量中の20〜80モル%が好ましく、35〜75モル%であることがより好ましい。
ここで、スチレンブタジエンゴムが有する二重結合のうち1,2−結合が占める割合とは、スチレンブタジエンゴムが有する全ての二重結合のうちの1,2単位(1,2−結合)が占める割合(モル%)をいう。
原料ジエン系ゴムのガラス転移温度は特に制限されない。例えば、耐磨耗性により優れるという観点から、−20℃以下であることが好ましい。
原料ジエン系ゴムが芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムである場合、−20℃以下−80℃以上であることが好ましい。
原料ジエン系ゴムが芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム以外である場合、−50〜−80℃であることが好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定し、中点法にて算出したものである。
原料ジエン系ゴムの重量平均分子量は、取扱い性の観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、100,000〜1,400,000であることがより好ましく、300,000〜1,300,000であることが更に好ましい。原料ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
・変性剤
変性ジエン系ゴムを製造する際に使用できる変性剤について以下に説明する。変性剤は、少なくともカルボキシ基を有する化合物であることが好ましく、カルボキシ基及びニトロン基を有するニトロン化合物であることがより好ましい。
変性剤が1分子当たり有するカルボキシ基の数は1個以上であることが好ましく、10個以下とすることができ、1〜4個であることがより好ましく、1〜2個であることがさらに好ましい。
ニトロン基は下記式(1)で表される基である。
上記式(1)中、*は結合位置を表す。
変性剤が1分子当たり有するニトロン基の数は1〜3個であることが好ましい。
変性剤は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
上記式(2)中、XおよびYは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または、芳香族複素環基を表す。カルボキシ基はX及びYのうちの一方又は両方に結合することができる。
XまたはYで表される脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。
なかでも、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
なかでも、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基がより好ましい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが挙げられる。
なかでも、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
XまたはYで表される芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基などが挙げられ、なかでも、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などが挙げられ、なかでも、炭素数7〜13のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜11のアラルキル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
XまたはYで表される芳香族複素環基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基(イミダゾール基)、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基(ピリジン基)、フラン基、チオフェン基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基等が挙げられる。なかでも、ピリジル基が好ましい。
XまたはYで表される基が有してもよい、カルボキシ基以外の置換基としては、特に限定されず、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルホニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
なお、このような置換基を有する芳香族炭化水素基としては、例えば、トリル基、キシリル基などの、アルキル基を有するアリール基;メチルベンジル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基などの、置換基を有するアラルキル基;等が挙げられる。
変性剤は、原料ジエン系ゴムとの相溶性、反応性に優れるという観点から、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
式(3)中、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜5の整数を示し、mとnとの合計が1以上である。
mが示す整数としては、変性剤を合成する際の溶媒への溶解度が良好になり合成が容易になるという理由から、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
nが示す整数としては、変性剤を合成する際の溶媒への溶解度が良好になり合成が容易になるという理由から、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
また、mとnとの合計(m+n)は、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
変性剤は、下記式(3−1)で表されるN−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(3−2)で表されるN−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(3−3)で表されるN−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(3−4)で表されるN−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、下記式(3−5)で表されるN−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、および、下記式(3−6)で表されるN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
変性剤の合成方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ヒドロキシアミノ基(−NHOH)を有する化合物と、アルデヒド基(−CHO)を有する化合物とを、ヒドロキシアミノ基とアルデヒド基とのモル比(−NHOH/−CHO)が1.0〜1.5となる量で、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等)下で、室温で1〜24時間撹拌することにより、両基が反応し、ニトロン基を有する化合物を製造することができる。上記においてヒドロキシアミノ基を有する化合物と、アルデヒド基を有する化合物とのいずれか一方又は両方がカルボキシ基を有すればよい。変性剤がカルボキシ基以外の置換基を更に有する場合、ヒドロキシアミノ基を有する化合物と、アルデヒド基を有する化合物とのいずれか一方又は両方が上記置換基を有することができる。
変性ジエン系ゴムの製造方法としては特に制限されないが、原料ジエン系ゴムと変性剤とを、例えば100〜200℃で1〜30分間混合する方法が挙げられる。
変性ジエン系ゴムを製造する際に使用される変性剤(例えばニトロン化合物)の量は、原料ジエン系ゴム100質量部に対して、0.3〜10質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。
<変性率>
本発明において、変性ジエン系ゴムは、原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量のうちの0.02〜4モル%がカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴム、又は、二重結合及びカルボキシ基を有しカルボキシ基の含有量が二重結合及びカルボキシ基の合計の0.2〜4モル%である変性ジエン系ゴムである。
本発明において変性率は0.02〜4モル%である。上記変性率は、所定の効果により優れる点から、0.10〜3モル%であることが好ましく、0.15〜2モル%であることがより好ましい。
本発明において、変性率は、例えば、原料ジエン系ゴムおよび変性ジエン系ゴムのNMR(核磁気共鳴:nuclear magnetic resonance)測定を行うことで求めることができる。具体的には、原料ジエン系ゴム及び変性ジエン系ゴムについて、CDCl3を溶媒とした1H−NMR測定(CDCl3、400MHz、TMS:テトラメチルシラン)を行い、8.08ppm付近(カルボキシ基に隣接する2つのプロトンに帰属する。具体的には、カルボキシ基がベンゼン環に結合する場合、カルボキシ基が結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合する2つのプロトンに帰属する。)のピーク面積を測定して、変性率を算出した。
変性ジエン系ゴムに導入された変性剤(例えば、ニトロン化合物)の含有量は、本発明の効果がより優れる点から、ゴム成分100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.3〜5質量部であることがより好ましい。
変性ジエン系ゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<変性ジエン系ゴムの含有量>
本発明において、変性ジエン系ゴムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部である。変性ジエン系ゴムの含有量は、本発明の効果がより優れる点から、ゴム成分100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましく、25〜70質量部であることがより好ましい。
本発明において、ゴム成分はさらに変性ジエン系ゴム以外のゴムを含むことができる。変性ジエン系ゴム以外のゴムとしては、例えば、ジエン系ゴムが挙げられる。ジエン系ゴムは特に制限されない。例えば、変性ジエン系ゴムを製造する際に使用できる原料ジエン系ゴムと同様のものが挙げられる。
なかでも、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムは特に制限されない。例えば、上記原料ジエン系ゴムと同様とすることができる。
ゴム成分の平均ガラス転移温度は、低温時においてもタイヤの硬度を低く保つことができ、タイヤの氷上性能が良好となる理由から、−50℃以下であることが好ましく、−50〜−80℃であることがより好ましい。平均ガラス転移温度は、ガラス転移温度の平均値である。ゴム成分として変性ジエン系ゴムを1種のみ用いる場合は、その変性ジエン系ゴムのガラス転移温度をいう。ゴム成分として変性ジエン系ゴムを2種以上使用する、又は、変性ジエン系ゴムとそれ以外のゴムとを併用する場合は、ゴム成分全体のガラス転移温度の平均値をいう。この場合、各ゴムのガラス転移温度と各ゴムの配合割合から、平均ガラス転移温度を算出することができる。
<シリカ1>
本発明のゴム組成物に含有されるシリカ1は、その窒素吸着比表面積(N2SA)が155m2/g以上であれば特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明において、シリカの窒素吸着比表面積はJIS K6430に準拠して測定したものである。
シリカ1の窒素吸着比表面積は、本発明の効果がより優れる点から、155〜250m2/gが好ましく、160〜200m2/gがより好ましい。
シリカ1としては、具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
シリカ1はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<シリカ2>
本発明のゴム組成物に含有されるシリカ2は、その窒素吸着比表面積が125m2/g以下であれば特に限定されない。
シリカ2の窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果がより優れる点から、80〜125m2/gが好ましく、100〜120m2/gがより好ましい。
シリカとしては、具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
<シリカ1とシリカ2の合計含有量>
本発明において、シリカ1とシリカ2の合計含有量が、ゴム成分100質量部に対して、55〜200質量部である。シリカ1とシリカ2の合計含有量は、本発明の効果がより優れる点から、ゴム成分100質量部に対して、55〜180質量部であることが好ましく、55〜160質量部であることがより好ましい。
(シリカ1/シリカ2)
シリカ2の含有量に対するシリカ1の含有量の比率(シリカ1/シリカ2。質量比)は、本発明の効果がより優れる点から、2〜10であることが好ましく、2.2〜5であることがより好ましく、2.4〜2.8であることが更に好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明のゴム組成物に含有されるシランカップリング剤は特に制限されない。
シランカップリング剤としては、具体的には例えば、メルカプトシラン、スルフィドシランのような硫黄原子を含有するシランカップリング剤が挙げられる。
メルカプトシランとしては、例えば、C1327O−(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH22SH、:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプト基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
スルフィドシランとしては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィドのような(ポリ)スルフィド結合を有するシランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<シランカップリング剤の含有量>
本発明において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ1とシリカ2との合計含有量の2〜16質量%である。シランカップリング剤の含有量は、本発明の効果がより優れる点から、シリカ1とシリカ2との合計含有量の2〜14質量%であることが好ましく、3〜12質量%であることがより好ましい。
(そのほかの成分)
本発明のゴム組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、ジエン系ゴム以外のゴム、上記シリカ以外の充填剤(例えば、シリカ1、2以外のシリカ(例えば、窒素吸着比表面積が125m2/gを超え155m2/g未満であるシリカ)、カーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン)、加硫促進剤、テルペン系樹脂のような樹脂、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル(例えば、アロマオイル、プロセスオイル)、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、硫黄のような加硫剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用されるものが挙げられる。添加剤の含有量は適宜選択することができる。
・カーボンブラック
本発明のゴム組成物はカーボンブラックを更に含有することが好ましい。
上記カーボンブラックは、特に限定されず、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace。以下同様)−HS(High Structure。以下同様)、SAF、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace。以下同様)−HS、ISAF、ISAF−LS(Low Structure。以下同様)、IISAF(Intermediate ISAF)−HS、HAF(High Abrasion Furnace。以下同様)−HS、HAF、HAF−LS、FEF(Fast Extruding Furnace)等の各種グレードのものを使用することができる。
カーボンブラックのCTAB(臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの略)吸着比表面積は特に制限されない。カーボンブラックのCTAB吸着比表面積は、本発明の効果がより優れる点から、60〜250m2/gが好ましく、90〜200m2/gがより好ましい。ここで、カーボンブラックのCTAB吸着比表面積は、JIS K 6217−3に記載されたCTAB吸着法に従って測定したものである。
カーボンブラックの含有量は特に制限されないが、ゴム成分100質量部に対して、5〜70質量部であることが好ましく、8〜20質量部であることがより好ましい。
・テルペン系樹脂
本発明のゴム組成物はさらにテルペン系樹脂を含有することができる。テルペン系樹脂は、モノマーとして少なくともテルペン系単量体を使用する重合体であればよく、単独重合体、共重合体のいずれでもよい。またテルペン系樹脂は例えば芳香族化合物によって変性されていてもよい。
テルペン系単量体としては、例えばα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、これらの誘導体が挙げられる。
芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、フェノール類が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂が挙げられる。テルペン系樹脂は、芳香族変性テルペン樹脂が好ましい。
テルペン系樹脂(特に芳香族変性テルペン樹脂)の軟化点は、60〜150℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。
テルペン系樹脂はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。テルペン系樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
テルペン系樹脂の量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
(ゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のゴム組成物を用いてタイヤを製造することができる。本発明のゴム組成物をタイヤトレッドに使用する。本発明のゴム組成物をタイヤのタイヤトレッド以外の部分に使用してもよい。
[タイヤ]
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物をタイヤトレッドに使用するタイヤである。
本発明のタイヤは、タイヤトレッドが本発明のゴム組成物を使用して製造(形成)されたものであれば特に制限されない。
タイヤトレッドに使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。
ゴム組成物を適用するタイヤトレッド以外のタイヤの部位は特に制限されない。本発明のゴム組成物を、タイヤトレッド、ビード部、サイドウォール部等に使用してもよい。
本発明のタイヤは空気入りタイヤであることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
以下添付の図面を用いて本発明のタイヤを説明する。なお本発明のタイヤは添付の図面に限定されない。
図1は本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。図1に示されるタイヤは空気入りタイヤである。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッドを表す。タイヤトレッド3は本発明のゴム組成物を使用して製造される。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。
本発明のタイヤが空気入りタイヤである場合、空気入りタイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<ニトロン化合物1の合成>
2Lナスフラスコに、40℃に温めたメタノール(900mL)を入れ、ここに、下記式(b−1)で表されるテレフタルアルデヒド酸(30.0g)を加えて溶かした。この溶液に、下記式(a−1)で表されるフェニルヒドロキシアミン(21.8g)をメタノール(100mL)に溶かしたものを加え、室温で19時間撹拌した。撹拌終了後、メタノールからの再結晶により、下記式(c−1)で表されるニトロン化合物(カルボキシニトロン、CPN)を得た(41.7g)。収率は86%であった。得られたニトロン化合物をニトロン化合物1とする。ニトロン化合物1の分子量は241である。
<変性ジエン系ゴム1の製造>
原料SBR137.5質量部[スチレンブタジエンゴム、商品名E581、正味のSBR100質量部に対する油展量:37.5質量部、重量平均分子量:1,200,000、スチレン量:37質量%、ビニル結合量:43%、ガラス転移温度−27℃、旭化成ケミカル社製]とニトロン化合物1(1質量部)とをミキサーで160℃の条件下で5分間混合することで、上記原料SBRをニトロン化合物1で変性した変性ジエン系ゴム1を得た。
上記製造において、原料SBRが有する二重結合全量のうちの0.22モル%がニトロン化合物1によってカルボキシ基に変性された。
変性ジエン系ゴム1は、二重結合及びカルボキシ基を有し、カルボキシ基の含有量が二重結合及びカルボキシ基の合計の0.22モル%であった。
変性ジエン系ゴム1の変性率は0.22モル%であった。
<ゴム組成物の製造>
下記第1表に示す各成分を同表に示す量(質量部)で用いてこれらを配合しゴム組成物を製造した。具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤(CZ)を除く成分を、80℃のバンバリーミキサーで5分間混合して混合物を得た。次に、上記混合物に上記硫黄および上記加硫促進剤を加え、これらをロールを用いて混合し、ゴム組成物を得た。
なお、第1表において使用された変性ジエン系ゴム1の使用量が40質量部である場合、これに含まれる正味の変性ジエン系ゴムの含有量は、29質量部である。
正味29質量部の変性ジエン系ゴム1に含有されるニトロン化合物1の含有量(CPN量)は0.32質量部である。
第1表において使用されたSBRの使用量が28.75質量部である場合、これに含まれる正味のスチレンブタジエンゴムの含有量は、約21質量部である。
<加硫ゴムシートの作製>
上記のとおり製造したゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
<評価>
上記のとおり作製された、加硫ゴムシートを用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
(低発熱性)
上記のとおり作製された加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準じて、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度60℃の条件で、上記加硫ゴムシートのtanδ(60℃)を、測定した。
得られた結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数として表示された。
指数が大きいほどtanδ(60℃)が小さく低発熱で、タイヤにしたときの転がり抵抗が低く、燃費性能が優れることを意味する。
(耐摩耗性)
上記のとおり作製された加硫ゴムシートの耐摩耗性を、JIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、温度20℃、荷重15N、スリップ率50%、時間10分の条件で摩耗量を測定した。
耐摩耗性の評価結果は、各例の摩耗量を逆数とし、比較例1の摩耗量の逆数を「100」とする指数で表示された。
指数が大きいほど摩耗量が小さく、タイヤにしたときに耐摩耗性に優れる。
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
第1表に示すように、変性ジエン系ゴムを含有しない比較例2〜4は、比較例1と比べて、耐摩耗性が低く、低発熱性について改善の余地があった。
これに対して、本発明のゴム組成物は、所望の効果が得られることが確認された。
シリカ1/シリカ2について実施例1〜5を比較すると、シリカ1/シリカ2が5以下である実施例1〜4は実施例5よりも低発熱性により優れた。また、シリカ1/シリカ2が2以上である実施例2〜5は実施例1よりも耐摩耗性により優れた。以上から、シリカ1/シリカ2が2以上5以下である場合、耐摩耗性と低発熱性とのバランスに優れる効果が得られることが確認された。
シリカ2の含有量について実施例1〜5を比較すると、シリカ2の含有量が多くなるほど低発熱性により優れる効果が得られることが確認された。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (7)

  1. 原料ジエン系ゴムが有する二重結合全量のうちの0.02〜4モル%がカルボキシ基に変性された変性ジエン系ゴムを少なくとも含むゴム成分と、
    窒素吸着比表面積が155m2/g以上のシリカ1と、
    窒素吸着比表面積が125m2/g以下のシリカ2と、
    シランカップリング剤とを含有し、
    前記変性ジエン系ゴムの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部であり、
    前記シリカ1と前記シリカ2の合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、55〜200質量部であり、
    前記シランカップリング剤の含有量が、前記合計含有量の2〜16質量%である、タイヤトレッド用のゴム組成物。
  2. 前記シリカ2の含有量に対する前記シリカ1の含有量の比率(シリカ1/シリカ2)が、2〜10である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記変性ジエン系ゴムが、前記原料ジエン系ゴムとカルボキシ基及びニトロン基を有するニトロン化合物とを反応させて製造される、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ニトロン化合物が、
    N−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、
    N−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、
    N−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、
    N−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、
    N−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン及び
    N−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記変性ジエン系ゴムに導入された前記ニトロン化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下である、請求項3又は4に記載のゴム組成物。
  6. 二重結合及びカルボキシ基を有し、前記カルボキシ基の含有量が前記二重結合及び前記カルボキシ基の合計の0.2〜4モル%である変性ジエン系ゴムを少なくとも含むゴム成分と、
    窒素吸着比表面積が155m2/g以上のシリカ1と、
    窒素吸着比表面積が125m2/g以下のシリカ2と、
    シランカップリング剤とを含有し、
    前記変性ジエン系ゴムの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部であり、
    前記シリカ1と前記シリカ2の合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、55〜200質量部であり、
    前記シランカップリング剤の含有量が、前記合計含有量の2〜16質量%である、タイヤトレッド用のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤトレッドに使用するタイヤ。
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