JPWO2016076269A1 - ポリマー変性剤組成物、変性ポリマー、ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

ポリマー変性剤組成物、変性ポリマー、ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

本発明は、ゴム組成物としたとき、高い硬度を維持しつつ、発熱性を低減し、クラックの成長を抑制することができるポリマー変性剤組成物、これによって変性された変性ポリマー、その変性ポリマーを含有するゴム組成物、及びそのゴム組成物を使用する空気入りタイヤを提供する。本発明のポリマー変性剤組成物は、ニトロン基を有するニトロン化合物と合成ゼオライトとを含有し、不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーに対して使用される、ポリマー変性剤組成物である。

Description

本発明はポリマー変性剤組成物、変性ポリマー、ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
従来、発熱性を小さくしながら、タイヤにしたときの耐久性を従来レベル以上に向上することを目的とするゴム組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、ブタジエンゴム15〜80重量%を含むジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを60重量部を超え110重量部以下配合したタイヤ用ゴム組成物であって、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstが145nm以上、窒素吸着比表面積N2SAが45〜70m2/g、沃素吸着量IA(単位mg/g)に対する前記窒素吸着比表面積N2SAの比N2SA/IAが1.00〜1.40、DBP吸収量が100〜160ml/100gであることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
また、タイヤ等に用いられるゴム組成物に含まれるポリマーとして、ニトロン基を有する化合物(ニトロン化合物)で変性された変性ポリマーが知られている。
例えば、特許文献2には、「変性ブタジエンゴムを5〜100重量%含むジエン系ゴム100重量部にシリカを10〜120重量部配合したゴム組成物であって、前記変性ブタジエンゴムが、シス含量が90%以上のブタジエンゴムを、窒素含有複素環を分子中に有するニトロン化合物で変性したものであることを特徴とするゴム組成物。」が開示されている。特許文献2には、ニトロン化合物により変性することで発熱性が低減することが示されている。
特開2013−227425号公報 特開2013−32471号公報
昨今、環境問題などの観点から、車両走行時の燃費性能のさらなる向上が求められ、それに伴い、変性によるさらなる発熱性の低減が要求されている。
このようななか、本発明者らが特許文献1をもとにゴム組成物を調製したところ、変性による発熱性の低減が小さい場合があり、必ずしも昨今要求されるレベルを満たすものではないことが明らかとなった。また、クラックの成長を抑制する効果が必ずしも昨今要求されるレベルを満たすものではないことが明らかとなった。
また、本発明者らが特許文献2をもとにニトロン化合物により変性したポリマーを使用してゴム組成物を調製したところ、得られるゴムの硬度が小さい場合があり、必ずしも昨今要求されるレベルを満たすものではないことが明らかとなった。また、クラックの成長を抑制する効果が必ずしも昨今要求されるレベルを満たすものではないことが明らかとなった。
そこで、本発明は、高い硬度を維持しつつ、発熱性を低減し、クラックの成長を抑制することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記ゴム組成物を実現することができる変性ポリマーを提供することを別の目的とする。
また、本発明は、上記変性ポリマーを実現することができるポリマー変性剤組成物を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ニトロン基を有するニトロン化合物と合成ゼオライトとを含有するポリマー変性剤組成物によって変性された変性ポリマーを含有するゴム組成物によって所定の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
1. ニトロン基を有するニトロン化合物と合成ゼオライトとを含有し、不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーに対して使用される、ポリマー変性剤組成物。
2. 前記合成ゼオライトの平均粒子径が10μm以下である、上記1に記載のポリマー変性剤組成物。
3. 前記ニトロン化合物に対する前記合成ゼオライトの質量比が、下記式(I)を満たす、上記1又は2に記載のポリマー変性剤組成物。
式(I) 5≦[合成ゼオライト/ニトロン化合物]
4. 前記ニトロン化合物が、N−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、N−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、N−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン及びN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボキシ基含有ニトロン化合物である、上記1〜3のいずれかに記載のポリマー変性剤組成物。
5. 上記1〜4のいずれかに記載のポリマー変性剤組成物で変性された変性ポリマー。
6. 上記5に記載の変性ポリマーを製造する際に使用される原料ポリマーが、スチレンブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴムである、上記5に記載の変性ポリマー。
7. 上記5又は6に記載の変性ポリマーを含有するゴム組成物。
8. 上記7に記載のゴム組成物を使用する空気入りタイヤ。
本発明によれば、ゴム組成物としたとき、高い硬度を維持しつつ、発熱性を低減し、クラックの成長を抑制することができるポリマー変性剤組成物、これによって変性された変性ポリマー、その変性ポリマーを含有するゴム組成物、及びそのゴム組成物を使用する空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のポリマー変性剤組成物、これによって変性された変性ポリマー、その変性ポリマーを含有するゴム組成物、及び、そのゴム組成物を使用した空気入りタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[ポリマー変性剤組成物]
本発明のポリマー変性剤組成物は、ニトロン基を有するニトロン化合物と合成ゼオライトとを含有し、不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーに対して使用される、ポリマー変性剤組成物である。
<ニトロン化合物>
本発明のポリマー変性剤組成物に含有されるニトロン化合物は、下記式(1)で表されるニトロン基を有する化合物であれば特に制限されない。
上記式(1)中、*は結合位置を表す。
上記ニトロン化合物は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
上記式(2)中、XおよびYは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または、芳香族複素環基を表す。
XまたはYで表される脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられ、なかでも、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、なかでも、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基がより好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが挙げられ、なかでも、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
XまたはYで表される芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基などが挙げられ、なかでも、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などが挙げられ、なかでも、炭素数7〜13のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜11のアラルキル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
XまたはYで表される芳香族複素環基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基(イミダゾール基)、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基(ピリジン基)、フラン基、チオフェン基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基等が挙げられる。なかでも、ピリジル基が好ましい。
XまたはYで表される基が有してもよい置換基としては、特に限定されず、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。なかでも、カルボキシ基が好ましい。
なお、このような置換基を有する芳香族炭化水素基としては、例えば、トリル基、キシリル基、カルボキシ基を有するフェニル基などの置換基を有するアリール基;メチルベンジル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基などの置換基を有するアラルキル基;等が挙げられる。
上記ニトロン化合物は、更にカルボキシ基を有することが好ましい。
上記式(2)で表される化合物としては、例えば、カルボキシ基含有ニトロン化合物、ジフェニルニトロンが挙げられる。
上記式(2)で表される化合物は、下記式(3)で表されるカルボキシ基含有ニトロン化合物(mとnとの合計が1以上)であることが好ましい。
なお、上記ジフェニルニトロンは、下記式(3)においてm=n=0である場合の化合物である。
式(3)中、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜5の整数を示し、mとnとの合計が1以上である。
mが示す整数としては、ニトロン化合物を合成する際の溶媒への溶解度が良好になり合成が容易になるという理由から、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
nが示す整数としては、ニトロン化合物を合成する際の溶媒への溶解度が良好になり合成が容易になるという理由から、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
また、mとnとの合計(m+n)は、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
このような式(3)で表されるカルボキシ基含有ニトロン化合物(mとnとの合計が1以上の場合)としては特に制限されないが、下記式(3−1)で表されるN−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(3−2)で表されるN−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(3−3)で表されるN−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(3−4)で表されるN−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、下記式(3−5)で表されるN−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、および、下記式(3−6)で表されるN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボキシ基含有ニトロン化合物であることが好ましい。
ニトロン化合物の合成方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ヒドロキシアミノ基(−NHOH)を有する化合物と、アルデヒド基(−CHO)を有する化合物とを、ヒドロキシアミノ基とアルデヒド基とのモル比(−NHOH/−CHO)が1.0〜1.5となる量で、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等)下で、室温で1〜24時間撹拌することにより、両基が反応し、ニトロン基を有するニトロン化合物を与える。
<合成ゼオライト>
本発明のポリマー変性剤組成物に含有される合成ゼオライトは、特に制限されない。
ゼオライトの具体例としては、例えば、Na2O・Al23・2SiO2・sH2O(2≦s≦7)、Na2O・Al22・3SiO2・sH2O(2≦s≦7)、CaO・Al22・3SiO2・sH2O(2≦s≦7)のようなアルミノケイ酸塩が挙げられる。
合成ゼオライトの構造は特に制限されない。例えば、A型、X型、Y型が挙げられる。
合成ゼオライトは粉末であることが好ましい。
合成ゼオライトの平均粒子径は10μm以下が好ましい。
本発明において、合成ゼオライトの平均粒子径は、合成ゼオライトを電子顕微鏡で拡大して、その中から任意で選択した10個の合成ゼオライトの粒子径を測定し、上記のとおり測定された粒子径の平均値である。
合成ゼオライトはその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。合成ゼオライトはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ニトロン化合物に対する合成ゼオライトの質量比は下記式(I)を満たすことが好ましい。
式(I) 5≦[合成ゼオライト/ニトロン化合物]
上記質量比は、5〜20であることが好ましい。
本発明のポリマー変性剤組成物は、更に、合成ゼオライト以外の無機物等の添加剤を含有することができる。
また、本発明のポリマー変性剤組成物は、ニトロン化合物と合成ゼオライトとだけを含有するものとすることができる。
本発明のポリマー変性剤組成物はその製造について特に制限されない。例えば、ニトロン化合物、合成ゼオライトと、必要に応じて使用することができる添加剤とを混合することによって製造することができる。
本発明のポリマー変性剤組成物は、不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーに対して使用される。本発明のポリマー変性剤組成物を上記ポリマーに使用することによって、本発明のポリマー変性剤組成物が不飽和炭素−炭素結合と反応して、上記ポリマーを変性することができる。
不飽和炭素−炭素結合は、不飽和の、炭素−炭素結合であれば特に制限されない。炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合が挙げられる。
不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーとしては、例えば、ジエン系ゴムが挙げられる。その具体例としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(例えばスチレンブタジエンゴム(SBR))、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
なかでも、ブタジエンゴム、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、天然ゴムが好ましい。
[変性ポリマー]
本発明の変性ポリマーは、本発明のポリマー変性剤組成物で変性された変性ポリマーである。
本発明の変性ポリマーを製造する際に使用されるポリマー変性剤組成物は本発明のポリマー変性剤組成物であれば特に制限されない。
また、本発明の変性ポリマーを製造する際に使用される原料ポリマーは、不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーであれば特に制限されない。例えば、ジエン系ゴムが挙げられる。その具体例は上記と同様である。
なかでも、ブタジエンゴム、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムが好ましく、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
原料ポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリマー変性剤組成物の使用量は、原料ポリマー100質量部に対して、0.05〜80質量部であることが好ましく、0.30〜65質量部であることがより好ましい。
本発明の変性ポリマーの製造方法は特に制限されない。例えば、原料ポリマーとポリマー変性剤組成物とを加熱条件下で混合する方法が挙げられる。具体的には例えば、原料ポリマーとポリマー変性剤組成物とを100〜200℃の条件下で混合する方法が挙げられる。混合時間は1〜30分間とすることができる。ポリマー変性剤組成物としてニトロン化合物と合成ゼオライトとを別々に原料ポリマーに加えてもよい。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、本発明の変性ポリマーを含有するゴム組成物である。
本発明のゴム組成物に含有される変性ポリマーは、本発明の変性ポリマーであれば特に制限されない。
本発明のゴム組成物は更にジエン系ゴムを含有することができる。ジエン系ゴムは特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。なかでも、ブタジエンゴム、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(例えばスチレンブタジエンゴム)、天然ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
変性ポリマーとジエン系ゴムとの質量比(変性ポリマー:ジエン系ゴム)は、10:90〜100:0が好ましい。
本発明のゴム組成物は、その効果や目的を損なわない範囲で更に添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラックのような充填剤、シランカップリング剤(例えば、エボニックデグサ社製Si69、エボニックデグサ社製Si363)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用されるものが挙げられる。
(シリカ)
本発明のゴム組成物は更にシリカを含有することが好ましい。
上記シリカは特に制限されないが、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
本発明において、上記シリカは、ゴムの補強性の観点から、湿式シリカであることが好ましい。
上記シリカの含有量は特に制限されないが、上記変性ポリマー(又は上記変性ポリマーと上記ジエン系ゴムとの合計)100質量部に対して、20〜130質量部であることが好ましく、25〜95質量部であることがより好ましい。
(カーボンブラック)
本発明のゴム組成物はカーボンブラックを更に含有することが好ましい。
上記カーボンブラックは、特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの含有量は特に制限されないが、上記変性ポリマー(又は上記変性ポリマーと上記ジエン系ゴムとの合計)100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、3〜60質量部であることがより好ましい。
(ゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されない。その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明のゴム組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に混合し(例えば、60〜160℃で混合し)、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合することが好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明のゴム組成物を使用する空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤを形成するゴム組成物は、本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。
上記ゴム組成物で形成される、本発明の空気入りタイヤの構成部材は特に制限されない。なかでも、本発明のゴム組成物をタイヤトレッドに使用した空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<ニトロン化合物1の合成>
2Lナスフラスコに、40℃に温めたメタノール(900mL)を入れ、ここに、下記式(b−1)で表されるテレフタルアルデヒド酸(30.0g)を加えて溶かした。この溶液に、下記式(a−1)で表されるフェニルヒドロキシアミン(21.8g)をメタノール(100mL)に溶かしたものを加え、室温で19時間撹拌した。撹拌終了後、メタノールからの再結晶により、下記式(c−1)で表されるニトロン化合物(カルボキシニトロン、CPN)を得た(41.7g)。収率は86%であった。得られたニトロン化合物をニトロン化合物1とする。
<ニトロン化合物2の合成>
300mLナスフラスコに、下記式(6)で表されるベンズアルデヒド(42.45g)およびエタノール(10mL)を入れ、ここに、下記式(5)で表されるフェニルヒドロキシアミン(43.65g)をエタノール(70mL)に溶かしたものを加え、室温で22時間撹拌した。撹拌終了後、エタノールからの再結晶により、下記式(7)で表されるジフェニルニトロンを白色の結晶として得た(65.40g)。収率は83%であった。得られたニトロン化合物をニトロン化合物2とする。
<変性ポリマーの製造>
下記第1表に示す組成(質量部)で各成分を用い、これらをミキサー(160℃)で5分間混合することで、ジエン系ゴムをポリマー変性剤組成物で変性した変性ポリマーを得た。得られた各変性ポリマーを第1表に示す。第2表に各成分の詳細を示す。
なお、第1表中のSBRは油展品であり、使用された100.00質量部中、SBRを正味の量として72.7質量部含む。
また、上記のとおり得られた各変性ポリマーは原料のSBRに由来する油を含んだ状態で下記ゴム組成物の製造に使用された。
なお、第2表中、SBRの油展量37.5質量%は、SBR(上記のとおりの油展品)中の正味のSBRに対する油展量を意味する。
<ゴム組成物の調製>
下記第3表に示す組成(質量部)で各成分を用いてゴム組成物を製造した。具体的には、まず、下記第3表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、80℃のバンバリーミキサーで5分間混合して混合物を得た。次に、ロールを用いて、上記混合物に硫黄および加硫促進剤を加えこれらを混合し、ゴム組成物を得た。上記各成分の詳細を第4表に示す。
<加硫ゴムシートの作製>
上記のとおり調製したゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
<評価>
上記のとおり製造された加硫ゴムシートを用いて以下の評価を行った。結果を第3表に示す。各評価の結果を比較例1を基準とする指数で表示する。なお、所定の変性ポリマーを含有しない比較例1は、tanδ(60℃)が高くクラックの成長が大きく、発熱性の低減、クラックの成長の抑制に劣るものであった。
<tanδ(60℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度60℃の損失正接tanδ(60℃)を測定した。指数が小さいほど、発熱性が低く、好ましい。
<リュプケJIS硬度>
JIS K6253に準拠し、20℃の条件下において、上述のとおり作製した加硫ゴムシートのデュロメータA硬度を測定した。
<クラック成長>
JIS K6260に準拠し、上述のとおり作製した加硫ゴムシートにあらかじめ切れ込みを入れ、これをチャック間75mm、ストローク40mm、屈曲速度300pmの条件下において100,000回屈曲させ、その後、繰り返し屈曲によるクラック成長の長さ(mm)を測定した。指数が小さいほど、耐クラック性が優れ、空気入りタイヤの耐久性が優れることを意味する。
第3表に示す結果から明らかなように、比較変性ポリマー(合成ゼオライトを含有しないポリマー変性剤によって変性された)を使用する比較例2は、クラックの成長が依然大きく、硬度が比較例1よりも低下したので、クラックの成長の抑制、高い硬度の維持に劣ることが分かった。
比較例2のゴム組成物に合成ゼオライトを更に加えた比較例3は、クラックの成長が比較例1より大きくなり、発熱性の低減が比較例2よりも劣った。
これに対して、実施例1、2は、高い硬度を維持しつつ、発熱性を低減し、クラックの成長を抑制することができた。
実施例1、2を比較すると、カルボキシ基含有ニトロン化合物を含有するポリマー変性剤組成物で変性された変性ポリマーを使用する実施例1は、ジフェニルニトロンを含有するポリマー変性剤組成物で変性された変性ポリマーを使用する実施例2よりも、発熱性をより低減し、クラックの成長をより抑制することができた。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (9)

  1. ニトロン基を有するニトロン化合物と合成ゼオライトとを含有し、不飽和炭素−炭素結合を持つポリマーに対して使用される、ポリマー変性剤組成物。
  2. 前記合成ゼオライトの平均粒子径が10μm以下である、請求項1に記載のポリマー変性剤組成物。
  3. 前記ニトロン化合物に対する前記合成ゼオライトの質量比が、下記式(I)を満たす、請求項1又は2に記載のポリマー変性剤組成物。
    式(I) 5≦[合成ゼオライト/ニトロン化合物]
  4. 前記ニトロン化合物が、更に、カルボキシ基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー変性剤組成物。
  5. 前記ニトロン化合物が、N−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、N−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、N−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン及びN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボキシ基含有ニトロン化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー変性剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー変性剤組成物で変性された変性ポリマー。
  7. 請求項6に記載の変性ポリマーを製造する際に使用される原料ポリマーが、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の変性ポリマー。
  8. 請求項6又は7に記載の変性ポリマーを含有するゴム組成物。
  9. 請求項8に記載のゴム組成物を使用する空気入りタイヤ。
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