JPWO2016151836A1

JPWO2016151836A1 - 別置式制御盤の搬送用治具

Info

Publication number: JPWO2016151836A1
Application number: JP2017507276A
Authority: JP
Inventors: 淳柳崎; 修長井
Original assignee: Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Fuji Corp
Priority date: 2015-03-26
Filing date: 2015-03-26
Publication date: 2018-01-18
Anticipated expiration: 2035-03-26
Also published as: JP6452803B2; US10279445B2; WO2016151836A1; US20180056462A1

Abstract

分離配置の別置式制御盤(５)を工作機械（１）と一体に搬送するための搬送用治具(８)を提供する。ベース(２)と、ベース(２)上に幅方向に隔てて設けられた直線状のレール(４０１)に沿って前後方向に移動可能に搭載された加工モジュール(３)とで構成された工作機械(１)と、キャスタ付移動式架台(６)に搭載され、工作機械(１)とは分離して配置される別置式制御盤(５)とを一体に搬送するため、搬送用治具（８）は、ベース(２)に対する固定部(３２)と、ベース(２)の後方においてキャスタ付移動式架台(６)に搭載された状態の別置式制御盤(５)を保持する保持部(８０)とを有する。

Description

本発明は、工作機械とは分離して配置される別置式制御盤を、工作機械と一体的に搬送するための搬送用治具に関する。

工作機械を工場に搬入するための搬送作業では、クレーンを使用した工作機械の吊上げ搬送などが行われる。その際、搬送対象となるのは工作機械のほかに、その工作機械と一体的に構成されている制御盤などである。従って、工作機械や制御盤を同時に搬送できることが好ましい。特に一体的な搬送ができれば、別々の搬送作業が必要でなくなるほか、工場出荷時や据え付け時に分解作業や組み付け作業も必要でなくなるからである。そこで、下記特許文献１には一体的に搬送するための構成が開示されている。

同文献での工作機械は、左右に並ぶ２つの加工モジュールが、互いに分離して据え付けられる左右のベッド上に各々搭載されている。そして、左右のベッドには両者を連結する門型フレームからなるガントリローダが構成され、その門型フレームに制御盤が設置されている。こうした工作機械を搬送するには本来、左右のベッド及び加工部、門型フレームからなるガントリローダを分離させなければならず、門型フレームに設置された制御盤と加工部との間で配線の取り外しを行わなければならならない。そこで、同文献には、分離搬送の対象となる門型フレームと左右のベッドとが、搬送用のフレーム支持治具を介して連結され、一体となって搬送できるようにした構成が開示されている。

特開２００２−３７０１３０号公報

前述した従来のフレーム支持治具は、分離搬送の対象となるもの同士を直接固定し、吊上げて搬送するようにしたものである。ところが、工作機械には様々なタイプのものがあるため、ガントリローダを使用しない工作機械では前記従来例のフレーム支持治具では対応できない。すなわち、吊るす構成のフレーム支持治具はガントリローダ特有のものであるため、その他の構造の工作機械に対しては応用が難しい。また、分離搬送の対象となるもの同士をボルト締めなどによって直接固定する治具は、両者を締結する固定構造が必要になって構成が複雑になる他、ある程度の寸法精度や重量物を締結させるため取り扱いが容易ではないなどの問題がある。

そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、別置式制御盤を工作機械と一体的に搬送するための別置式制御盤の搬送用治具を提供することを目的とする。

本発明の一態様における別置式制御盤の搬送用治具は、ベースと、前記ベース上に幅方向に隔てて設けられた直線状のレールに沿って前後方向に移動可能に搭載された加工モジュールとで構成された工作機械と、キャスタ付移動式架台に搭載され、前記工作機械とは分離して配置される別置式制御盤とを一体に搬送するためのものであって、前記ベースに対する固定部と、前記ベースの後方において前記キャスタ付移動式架台に搭載された状態の前記別置式制御盤を保持する保持部とを有する。

本発明の搬送用治具によれば、移動可能な加工モジュールを搭載した工作機械のベースに固定部が固定され、ベースの後方においてキャスタ付移動式架台に搭載された状態の別置式制御盤が保持部によって保持されることにより、工作機械のベースをクレーンなどで吊上げた場合に、搬送用治具によって別置式制御盤がキャスタ付移動式架台とともに吊上げられる。そのため、分離配置の別置式制御盤であっても工作機械と一体的な搬送が可能になる。

工作機械の各構成を分離させた状態を示した斜視図であり、ベース、加工モジュール及び制御盤が示されたものである。加工モジュールをベース上に搭載した工作機械の搬送前状態を示した側面図である。本実施形態の搬送用治具と別置式制御盤との関係を示した取り付け前の斜視図である。本実施形態の搬送用治具と別置式制御盤との関係を示した取り付け後の斜視図である。本実施形態の搬送用治具と別置式制御盤との関係を示した取り付け後の側面図である。

次に、本発明に係る別置式制御盤の搬送用治具について、その一実施形態を以下に図面を参照しながら説明する。図１は、工作機械の各構成を分離させた状態を示した斜視図であり、ベース２、加工モジュール３及び制御盤５が示されている。加工モジュール３は、外装カバーの一部が取り外された状態が示されており、更に本来は２台の加工モジュール３が搭載可能なベース２に対して１台のみが示されている。そして、図２は、加工モジュールをベース上に搭載した工作機械の搬送前の状態を示した側面図である。本実施形態の工作機械１は、こうしてベース２上に加工モジュール３が搭載されるものであるが、その工作機械１とは別置きになるように、キャスタ付きの移動式架台６に対して制御盤５が搭載されている。

ベース２には、幅方向に隔てて設けられた直線状のレール４０１が前後方向に固定されている。２台の加工モジュール３が搭載可能なベース２上には４本のレール４０１が固定されている。そして、工作機械本体をなす加工モジュール３は、レール４０１に沿ってベース２上を前後方向に移動できるように、車輪を備えた可動ベッド１６上に構成されている。可動ベッド１６には、ワークを把持する主軸台や工具を備えたタレット装置、そのタレット装置をＺ軸及びＸ軸方向に移動させる駆動装置及び制御装置などが設置されている。よって、工作機械１では、タレット装置の旋回割出しによって工具が選択され、Ｘ軸駆動装置とＺ軸駆動装置の駆動により工具の位置決めが行われ、主軸の駆動によって回転するワークに対し切削加工などが行われる。

また、工作機械１にはワーク搬送装置７が設けられている。ワーク搬送装置７は、各加工モジュール３との間でワークの受渡しを行うものであり、工作機械１の前方に形成された前カバー１１内に設置される。前カバー１１によってベース２の幅方向に連通する一つの空間が形成され、その中にロボットアームを備えたワーク搬送装置７がベース２に対して走行可能に取り付けられる。そのワーク搬送装置７は、複数ある加工モジュール３との間でワークの受渡しを行う。

そして、この工作機械１には、加工モジュール３への電源供給やワーク搬送装置７との通信を行うための制御盤５が設けられている。図１には、１台のベース２のみを示しているが、複数のベース２を幅方向に近接して並べ、各ベース２に２台ずつの加工モジュール３が搭載されることにより、複数の工作機械１が幅方向に並設された加工機械ラインが構成される。

本実施形態では、加工ラインにおける制御盤５は、ベース２毎すなわち２台の加工モジュール３毎に設置される。従って、ベース２が２台以上になり加工モジュール３が増えれば、制御盤５も２台、３台と増えることになる。いずれの制御盤５もキャスタ付きの移動式架台６に搭載され、工作機械１の後方に配置される。そして、制御盤５からは加工モジュール３を駆動させるための配線１２が延びている。その配線１２は、例えば主軸用サーボモータやＸ軸及びＺ軸駆動装置のサーボモータを駆動させるための電源ケーブルや、その駆動制御を行うための信号をやり取りする通信ケーブルなどである。

制御盤５は、工作機械１の稼働時には後方の定位置に配置されているが、後方側メンテナンスが行われる時には邪魔になるため、移動式架台６の移動により制御盤５が配線１２を接続させたまま後方に退避することになる。前述したように、工作機械１が幅方向に近接配置された加工機械ラインでは後部スペースも狭いため、制御盤５が移動可能な構成であることによりメンテナンス性の向上が図られている。しかしながら、制御盤５が工作機械１と分離した別置式であることは、工作機械１の搬送の際、制御盤５を同時にクレーンで吊上げることができないという問題が生じさせる。

すなわち、ベース２とその上に搭載された加工モジュール３は一体的にクレーンで吊上げることはできるが、制御盤５は、それだけを別に吊上げて搬送しなければならなくなる。加えて、制御盤５と加工モジュール３との間に接続されている配線１２を一旦取り外さなければならない。すなわち、制御盤５だけをクレーンで吊上げて搬送するためには、工作機械１と完全に分離させるため、配線１２の着脱作業なども必要になる。よって、制御盤５は工作機械１と配線を接続させたまま一体的に搬送できることが好ましい。

そこで、一案として、搬送時にベース２に対して着脱可能な搬送用テーブルを固定し、そこへ配線１２を接続させたままの制御盤５を搭載し、ベース２、加工モジュール３及び制御盤５を一体にして搬送することが考えられる。制御盤５を搭載する搬送用テーブルの取り付け位置としては、例えば図２に破線で示した取付箇所１００などが適当であると考えられる。しかし、この案では、搬送用テーブルに対して制御盤５を搭載し、或いは降ろしたりするには、そのためだけにクレーンを使用して制御盤５を吊上げて移動させる必要がある。また、工作機械１の幅方向の片側だけに制御盤５が取り付けられた状態では、クレーンによる吊上げ搬送時のバランスも良くない。更に、工作機械１の側方に突き出した制御盤５の突き出し部分が輸送の際に邪魔になってしまう。

そこで本実施形態では、工作機械１とは分離した別置式の制御盤５を工作機械１と一体的に搬送するための搬送用治具を提案する。ここで、図３及び図４は、移動式架台６に搭載された制御盤５と、これらをベース２側に保持させる搬送用治具８を示した斜視図である。特に図３は搬送前の関係が示され、図４は搬送時の関係が示されている。この搬送用治具８は、別置式の制御盤５を工作機械１と一体的に搬送するためのものである。特に、制御盤５は移動式架台６に固定された状態で搭載され、搬送用治具８は、その移動式架台６を保持するようにしたものである。そこでまず、キャスタ付きの移動式架台６について説明する。

移動式架台６は、角形鋼管からなる複数の部材同士が接合され所定形状に組まれたものである。具体的には、左右に水平部材２１，２２が平行に配置され、その水平部材２１，２２の間に補強部材２３が設けられている。水平部材２１，２２には前後両端にキャスタ２５が取り付けられ、合計４個のキャスタ２５によって制御盤５を支えた状態で移動が可能になっている。また、水平部材２１の両端には補助部材２６を介してキャスタ２５が取り付けられ、水平部材２１が水平部材２２よりも位置が高くなっている。そのため、水平な補強部材２３は、水平部材２１に直接接合されているが、水平部材２２には間接的に接合されている。なお、本実施形態でいう前後方向とは、加工モジュール３の移動方向である工作機械１の前後方向であり、移動式架台６及び搬送用治具８に関する方向は、図２に示す工作機械１と一体的に吊上げられる状態で見た場合の方向をいう。

水平部材２１，２２は、それぞれ前後の位置に２本の脚部材２７が直交して接合されている。そして、水平部材２２側に接合された２本の脚部材２７には、水平部材２２と平行な連結部材２８が接合されている。よって、補強部材２３が水平部材２１と連結部材２８とに接合されて下方部分で左右が連結されるため、重心が高い移動式架台６であっても、移動の際に生じ得る長尺な脚部材２７のねじりが抑えられるようになっている。水平部材２１，２２間の幅間隔や脚部材２７同士の前後間隔は、制御盤５のサイズに合わせて設計されている。そして、起立して配置された４本の脚部材２７は、上端部が連結されるようにして天板が形成され、そこに制御盤５が固定した状態で搭載できるようになっている。

続いて、搬送用治具８は、このような移動式架台６に対して設計されたものである。搬送用治具８は、移動式架台６を幅方向の両側から挟み込むようにした一対の治具部材８０１，８０２によって構成されたものである。治具部材８０１，８０２は、ほぼ対称的な形状で形成されているが、前述したように水平部材２１，２２の高さが異なるのに合わせた部材の寸法に違いがある。治具部材８０１，８０２は、そうした一部の違いを除けばほぼ形状が一致するため、治具部材８０１，８０２に関する以下の説明は、搬送用治具８としてまとめて説明する。

ここで、図５は、搬送用治具８によって制御盤５及び移動式架台６を保持する吊上げ前の状態を示した側面図である。本実施形態の搬送用治具８は、ベース２に固定され、制御盤５及び移動式架台６を保持するものである。そこで搬送用治具８は、ベース２に固定するための固定部と移動式架台６を保持する保持部とを有している。その固定部は角形鋼管である支持梁３１の一端部に接合された板状のブラケット３２であり、ベース２に形成されたネジ孔に対してボルトによって締結される。従って、ブラケット３２には前後２箇所にボルトを通す貫通孔３２１が形成されている。更に、ブラケット３２には２個のナット３２２が接合され、そこに不使用時のボルトを螺合しておくことで、搬送用治具８と一体に保管しておけるようになっている。

次に、図５に示すように、ブラケット３２がベース２に対して固定された場合、支持梁３１が工作機械１の後方側に水平に突き出すようにして配置される。そして、支持梁３１の後方側端部には保持部８０が構成されている。この保持部８０も角形鋼管からなる複数の部材が接合されて構成されたものである。保持部８０は、移動式架台６を下から支えるとともに、前後方向の位置ズレを防止するように前後からも支えられるようにしたものである。そこで先ず、水平部材２１，２２を下から支える保持板３３が、水平な支持部材３４の前後の端部に接合されている。

保持板３３は、Ｌ字形の板材であり、幅方向の外側位置から水平部材２１，２２の下方を通り、内側位置で上方に折り曲げられるようにしたものである。前後に位置する保持板３３同士の間隔は、各水平部材２１，２２の前後に位置するキャスタ２５の間隔よりも狭くなっている。また、保持版３３を備えた支持部材３４は、支持梁３１に対して直交するように接合された２本の垂設部材３５に接合され、取り付け時には水平部材２１，２２よりも低い位置に配置される。従って、図５に示す搬送状態の搬送用治具８は、支持梁３１がベース２の上部側面部分を後方側に延び、垂設部材３５は脚部材２７に沿って配置され、支持部材３４は水平部材２１，２２に沿って配置される。その際、支持部材３４に固定された保持板３３は、水平部材２１，２２の下面との間に隙間があいている。

また、前後に位置する２本の垂設部材３５は、移動式架台６の２本の脚部材２７とほぼ同じ間隔で配置され、それぞれに支持板３６が接合されている。垂設部材３５に固定され前後に位置する一対の支持板３６は、前後に位置する２本の脚部材２７を前後方向の外側から挟み込むように位置している。なお、治具部材８０１側の垂設部材３５の一本が長く形成されているが、これは図示しない配線カバーを避けるためである。また、治具部材８０１の支持部材３４の高さは、移動式架台６の水平部材２１の位置に対応しており、水平部材２２に対応する治具部材８０２の支持部材３４よりも高い位置にある。

ところで、搬送用治具８は、ブラケット３２で固定された支持梁３１が片側固定端の片持ち梁になっている。従って、工作機械１とともに制御盤５が吊上げられる際、制御盤５などの荷重が支持梁３１に対してモーメントとなって作用する。このときブラケット３２から制御盤５までは距離があるため、ブラケット３２に作用するモーメントが大きくなってしまい、固定構造を堅牢なものにする必要が生じる。またそうした場合、角形鋼管の支持梁３１に対しても断面二次モーメントを向上させる必要が生じる。従って、搬送用治具８は、ブラケット３２や支持梁３１が重く大きなものになってしまい、作業者にとって取扱い難いものになってしまう。

そこで、本実施形態の搬送用治具８は、ブラケット３２による固定支点だけではなく、支持梁３１の途中にも制御盤５などの荷重を受ける中間支持板３７が中間支点として設けられている。中間支持板３７は、Ｌ字形の板材であり、支持梁３１の側面に接合され、上方に突出してから幅方向内側方向に水平に折り曲げられている。この中間支持板３７は、図５に示すようにベース２のレール４０１に対して上から引っ掛けられ、制御盤５などの荷重がレール４０１に作用するよう構成されている。レール４０１は、支持梁３１よりも剛性が高く、ベース２の後方に水平に突き出しており、支柱４０２によって支えられ、水平な状態が維持されている。中間支持板３７は、支柱４０２よりもレール４０１の先端側（後方側）に引っ掛けられるようにしている。移動式架台６を直接保持する保持板３３に対してより近い位置で荷重を受けるようにするためである。

従って、本実施形態によれば、別置式の制御盤５を工作機械１と一体的に吊上げ搬送する場合、作業者によって、搬送用治具８である一対の治具部材８０１，８０２の保持板３３と支持板３６とが移動式架台６に対して所定位置に配置され、次いで中間支持板３７がレール４０１に引っ掛けられる。その後、ブラケット３２のナット３２２に螺合されていたボルトが取り外され、そのボルトによってブラケット３２がベース２に締結されることにより、図２に示すようにして工作機械１と制御盤５（移動式架台６）との間に搬送用治具８が取り付けられる。

その後、工作機械１がクレーンによって吊上げられると、制御盤５及び移動式架台６が搬送用治具８によって持ち上げられる。すなわち、ベース２に従って搬送用治具８が上昇することにより、その保持板３３が水平部材２１，２２をすくいあげるようにして移動式架台６を持ち上げる。持ち上げられた移動式架台６は、支持板３６が２本の脚部材２７を前後から挟み込んでいるため、前後方向のずれが防止された状態で安定している。また、制御盤５などの荷重は中間支持板３７を介してレール４０１側に作用している。

そこで、図２に示す状態で工作機械１と制御盤５とが一体になって吊り上げられることになる。そして、搬送され所定位置に設置された後は、ブラケット３２のボルトが緩められて搬送用治具８がベース２から取り外され、移動式架台６からも外される。抜かれたボルトは、ブラケット３２のナット３２２に螺合され、一対の治具部材８０１，８０２からなる搬送用治具８は収納場所に保管される。

以上、本実施形態の搬送用治具８によれば、加工モジュール３をベース２に搭載した工作機械１と、移動式架台６に搭載されて工作機械１とは別置式の制御盤５を、クレーンなどによって一体的に吊上げ、そして搬送することができる。しかも、設置時の状態、すなわち工作機械１の後方に制御盤５が配置され、その制御盤５と加工モジュール３との間に配線１２が接続されている状態で吊上げ搬送することができる。従って、搬送に際して配線１２の取り外しや再接続を行う必要がない。また、制御盤５は移動式架台６に搭載され、工作機械１の後方に位置する状態で搬送できるため、制御盤５だけをクレーンで移動させるなど、搬送のための準備も必要がない。故に、搬送準備や搬送後処理が非常に簡単になり、搬送全体にかかる作業時間を短縮させることができる。

また、搬送用治具８は、固定部であるブラケット３２をベース２に締結する他に固定箇所がない。そのため、搬送用治具８に対する着脱作業の工数が少なく、作業者にとって非常に取り扱い易いものになっている。具体的には、保持部８０は、保持板３３や支持板３６を移動式架台６に対して配置させるだけでよいため、締結作業などの手間を要しない。特に、保持板３３は、水平部材２１，２２との間に隙間が設けられ、位置合わせが必要ないため、着脱作業だけでなく設計および加工などの点も容易なものとなっている。

また、搬送用治具８は、中間支持板３７を介してレール４０１側に荷重を負担させるようにしたため、堅牢な構造にする必要がなくなり作業者にとって重すぎることなく扱い易いものになっている。更に、ブラケット３２にナット３２２が設けられているためボルトの紛失を防止できる。そして、こうした搬送用治具８は、角形鋼管を溶接して組み立て、ブラケット３２や保持板３３、支持板３６、中間支持板３７を所定個所に溶接したものであるため、コストをかけずに簡単に作成することができる。そして、移動式架台６の形状に変更が生じたとしても、保持部８０の設計変更やその作成も容易である。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、搬送用治具８の保持部８０は、移動式架台６を下から持ち上げるような構成になっているが、垂設部材３５を支持梁３１から上方に固定し、移動式架台６の天板部分つまり制御盤５の下面部分を持ち上げるようにしてもよい。また、保持部８０は、前述したように、前記実施形態の制御盤５側の構成の違い応じて変更可能なものであるが、固定部であるブラケット３２側の構成も同様に変更可能である。

１…工作機械２…ベース３…加工モジュール５…制御盤６…移送式架台８…搬送用治具１２…配線２５…キャスタ３１…支持梁３２…ブラケット３３…保持板３６…支持板３７…中間支持板８０…保持部４０１…レール８０１，８０２…治具部材

Claims

ベースと、前記ベース上に幅方向に隔てて設けられた直線状のレールに沿って前後方向に移動可能に搭載された加工モジュールとで構成された工作機械と、キャスタ付移動式架台に搭載され、前記工作機械とは分離して配置される別置式制御盤とを一体に搬送するための搬送用治具であって、
前記ベースに対する固定部と、前記ベースの後方において前記キャスタ付移動式架台に搭載された状態の前記別置式制御盤を保持する保持部とを有することを特徴とする別置式制御盤の搬送用治具。
前記固定部は、複数の貫通孔を有する板状のブラケットであり、前記ブラケットには、前記ベースと締結するためのボルトを通す前記貫通孔とは別に、前記ベースとの非締結時に前記ボルトが取り付けられる複数の雌ネジ部が設けられたことを特徴とする請求項１に記載する別置式制御盤の搬送用治具。
前記保持部は、前記キャスタ付移動式架台に対して下方側から当たる下方保持板並びに、前後方側からそれぞれ当たる前方保持板及び後方保持板とを有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載する別置式制御盤の搬送用治具。
前記着脱部と前記保持部との間に前記ベースに対して荷重を作用させる中間支持部を有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載する別置式制御盤の搬送用治具。