JPWO2016143323A1 - 研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法 - Google Patents

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誠 田畑
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Abstract

良好な表面品質と高い研磨速度の両立が実現可能な研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法を提供する。研磨用組成物は、砥粒と、塩基性化合物と、多重結合含有化合物及びアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種と、を含有する。塩基性化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、環状化合物、イオン性化合物、及び環状ジアミン化合物のうちの少なくとも1種を含む。

Description

本発明は、研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法に関する。
近年、シリコンウェーハ等の半導体基板その他の基板について、より高品位の表面が要求されるようになってきている。特に、生産性やコスト等への配慮から、ポリシング工程に要するトータルの研磨時間(合計研磨時間)を延ばすことなく、より高品位の表面を得ることが望まれている。例えばシリコンウェーハを高研磨速度で研磨する研磨用組成物として、砥粒とカルボン酸と四級アンモニウム塩等の塩基性化合物とを含有する研磨用組成物が提案されている(例えば特許文献1、2を参照)。しかしながら、近年においては益々高い研磨速度が要求されているため、さらに高い研磨速度を実現可能な研磨用組成物が求められていた。また、研磨後の表面品質と研磨速度とは相反する関係にあり、研磨速度を向上させようとすると表面品質は低下する傾向にある。
特表2013−505584号公報 特表2013−527985号公報
本発明の目的は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、良好な表面品質と高い研磨速度の両立が実現可能な研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の一態様として、
砥粒と、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、下記の一般式(1)で表される環状化合物、下記の一般式(2)で表されるイオン性化合物、及び下記の一般式(3)で表される環状ジアミン化合物のうちの少なくとも1種を含む塩基性化合物と、
下記の一般式(4)で表される多重結合含有化合物及び下記の一般式(5)で表されるアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種と、
を含有する研磨用組成物を提供する。
Figure 2016143323
一般式(1)中のX1は水素原子、アミノ基、又は一般式(1)中のC1原子への結合を示し、X1がC1原子への結合を示す場合は一般式(1)中のH1原子は存在しない。また、一般式(1)中のX2は水素原子、アミノ基、アミノアルキル基、又はC1原子への結合を示し、X2がC1原子への結合を示す場合はC1原子と一般式(1)中のN1原子との結合は二重結合となり、一般式(1)中のH2原子は存在しない。さらに、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数、mは1以上4以下の整数、nは0以上4以下の整数である。
Figure 2016143323
一般式(2)中のAは窒素又はリンを示す。また、一般式(2)中のR1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。さらに、一般式(2)中のX-はアニオンを示す。
Figure 2016143323
一般式(3)中のR、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数4以下のアルキル基である。また、一般式(3)中のp、q、及びrは1以上4以下の整数である。
Figure 2016143323
一般式(4)中のY及びZは、それぞれ独立に、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン、及び水素のうちの少なくとも1種を有し、且つ、二重結合又は三重結合を有する官能基を示す。また、一般式(4)中のR11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。さらに、一般式(4)中のsは0以上2以下の整数である。
Figure 2016143323
一般式(5)中の環状部分は炭素の六員環であり、その炭素−炭素結合は単結合又は二重結合である。また、一般式(5)中のQはアニオン性の官能基を示す。さらに、一般式(5)中のX、X、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素、カルボキシ基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ホスホン酸基若しくはその塩、ヒドロキシ基若しくはその塩、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。
また、本発明の他の態様として、上記一態様に係る研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨することを含むシリコン基板の研磨方法を提供する。
本発明によれば、良好な表面品質と高い研磨速度の両立が実現可能である。
本発明の一実施形態について詳細に説明する。本実施形態の研磨用組成物は、砥粒と、塩基性化合物と、多重結合含有化合物及びアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種と、を含有する。この塩基性化合物は、下記の一般式(1)で表される環状化合物を含む。あるいは、この塩基性化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、下記の一般式(1)で表される環状化合物、下記の一般式(2)で表されるイオン性化合物、及び下記の一般式(3)で表される環状ジアミン化合物のうちの少なくとも1種を含んでもよい。また、この多重結合含有化合物は下記の一般式(4)で表され、アニオン性基含有化合物は下記の一般式(5)で表される。
Figure 2016143323
一般式(1)中のX1は水素原子、アミノ基、又は一般式(1)中のC1原子への結合を示し、X1がC1原子への結合を示す場合は一般式(1)中のH1原子は存在しない。また、一般式(1)中のX2は水素原子、アミノ基、アミノアルキル基、又はC1原子への結合を示し、X2がC1原子への結合を示す場合はC1原子と一般式(1)中のN1原子との結合は二重結合となり、一般式(1)中のH2原子は存在しない。さらに、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数、mは1以上4以下の整数、nは0以上4以下の整数である。なお、一般式(1)中のX及びXは同一でもよいし、異なっていてもよい。
Figure 2016143323
一般式(2)中のAは窒素又はリンを示す。また、一般式(2)中のR1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基(置換基を有していてもよいアリール基)を示す。さらに、一般式(2)中のX-はアニオンを示す。
Figure 2016143323
一般式(3)中のR、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数4以下のアルキル基である。また、一般式(3)中のp、q、及びrは1以上4以下の整数である。
Figure 2016143323
一般式(4)中のY及びZは、それぞれ独立に、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン、及び水素のうちの少なくとも1種を有し、且つ、二重結合又は三重結合を有する官能基を示す。また、一般式(4)中のR11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。さらに、一般式(4)中のsは0以上2以下の整数である。なお、一般式(4)中のY及びZは同一の官能基でもよいし、異なる官能基でもよい。
Figure 2016143323
一般式(5)中の環状部分は炭素の六員環であり、その炭素−炭素結合は単結合又は二重結合である。また、一般式(5)中のQはアニオン性の官能基を示す。さらに、一般式(5)中のX、X、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素、カルボキシ基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ホスホン酸基若しくはその塩、ヒドロキシ基若しくはその塩、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、上記研磨用組成物は、酸化剤を実質的に含まない。研磨用組成物中に酸化剤が含まれていると、該研磨用組成物が研磨対象物に供給されることで該研磨対象物の表面が酸化されて酸化膜が生じ、これにより研磨速度が低下傾向になり得る。これに対し、上記構成によれば、研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まないので、そのような不都合を回避し得る。
このような本実施形態の研磨用組成物は、特に単体シリコンの基板の研磨に対して好適に使用可能である。
以下に、本実施形態の研磨用組成物について詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の操作や物性の測定は、特に断りがない限り、室温(20℃以上25℃以下)、相対湿度40%以上50%以下の条件下で行われたものである。
(砥粒)
本実施形態の研磨用組成物に含有される砥粒の種類は特に限定されるものではなく、無機粒子、有機粒子、有機無機複合粒子のいずれも使用可能である。無機粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、酸化クロム等の金属酸化物からなる粒子や、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックからなる粒子があげられる。また、有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子があげられる。これらの砥粒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら砥粒の中では、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、ゾルゲル法シリカ等のシリカが好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。
本実施形態の研磨用組成物が含有する砥粒の平均一次粒子径は、20nm以上としてもよく、好ましくは30nm以上であり、より好ましくは40nm以上である。砥粒の平均一次粒子径が上記の範囲内であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、本実施形態の研磨用組成物が含有する砥粒の平均一次粒子径は、150nm以下としてもよく、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは70nm以下である。砥粒の平均一次粒子径が上記の範囲内であれば、研磨によって表面粗さの良好な被研磨面を得ることが容易である。なお、砥粒の平均一次粒子径は、例えば窒素吸着法(BET法)により測定した比表面積から算出することができる。砥粒の比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の「FlowSorbII 2300」を用いて行うことができる。
本実施形態の研磨用組成物中の砥粒の含有量は0.1質量%以上としてもよく、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。砥粒の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、研磨用組成物中の砥粒の含有量は5質量%以下としてもよく、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である。砥粒の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物の製造コストが低減する。また、研磨後の研磨対象物の表面上に残存する砥粒の量が低減され、研磨対象物の表面の清浄性が向上する。
砥粒の形状(外形)は、球形であってもよく、非球形であってもよい。好ましくは非球形の形状である。非球形の形状の例として、例えば中央部にくびれを有する楕円体形状のいわゆる繭型形状、表面に複数の突起を有する球形の形状、ラグビーボール形状等があげられる。また、砥粒は、2個以上の一次粒子が会合した構造を有していてもよい。
砥粒の一次粒子の長径/短径比の平均値(平均アスペクト比)は特に限定するものではないが、原理上1.0以上であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上である。砥粒の平均アスペクト比の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。また、砥粒の平均アスペクト比は、スクラッチ低減等の観点から、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。
上記砥粒の形状(外形)や平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡観察により把握することができる。平均アスペクト比を把握する具体的な手順としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、独立した粒子の形状を認識できる所定個数(例えば200個)の砥粒粒子について、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比(アスペクト比)として算出する。上記所定個数の砥粒粒子のアスペクト比を算術平均することにより、平均アスペクト比を求めることができる。
(塩基性化合物)
塩基性化合物は、シリコン基板等の研磨対象物の表面に化学的な作用を与えて、化学的に研磨する(ケミカルエッチング)。これにより、研磨対象物を研磨する際の研磨速度を向上させることが容易となる。
本実施形態の研磨用組成物には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、上記の一般式(1)で表される環状化合物、上記の一般式(2)で表されるイオン性化合物、及び上記の一般式(3)で表される環状ジアミン化合物のうちの少なくとも1種が含有される。これらの塩基性化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属水酸化物の種類は特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがあげられる。また、アルカリ金属炭酸水素塩の種類は特に限定されるものではないが、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムがあげられる。さらに、アルカリ金属炭酸塩の種類は特に限定されるものではないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムがあげられる。
上記の一般式(1)で表される環状化合物の種類は特に限定されるものではなく、例えば下記の環状アミン化合物があげられる。
一般式(1)中のX及びXが水素原子である場合には、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数であり、mは1以上4以下の整数であり、nは0以上4以下の整数であり、mは2以上4以下の整数であることが好ましく、nは1以上4以下の整数であることが好ましい。このような一般式(1)中のX及びXが水素原子である環状アミン化合物の具体例としては、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−ブチルピペラジン等があげられる。
また、一般式(1)中のXがアミノ基であり且つXが水素原子である場合には、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数であり、mは1以上4以下の整数であり、nは0以上4以下の整数であり、lは2以上6以下の整数であることが好ましく、mは2以上4以下の整数であることが好ましく、nは1以上4以下の整数であることが好ましい。このような一般式(1)中のXがアミノ基であり且つXが水素原子である環状アミン化合物の例としてはアミノアルキルピペラジンがあげられ、その具体例としては、N−アミノメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジンがあげられる。これらの中でもN−(2−アミノエチル)ピペラジンが好ましい。
さらに、一般式(1)中のXがアミノ基であり且つXがアミノアルキル基である環状アミン化合物の例としては、ビスアミノアルキルピペラジンがあげられ、その具体例としては、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンがあげられる。
さらに、一般式(1)中のX及びXがC原子への結合を表す場合には、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数であり、mは1以上4以下の整数であり、nは0以上4以下の整数であり、lは3以上6以下の整数であることが好ましく、mは2又は3であることが好ましく、nは0以上2以下の整数であることが好ましい。このような一般式(1)中のX及びXがC原子への結合を表す環状アミン化合物の例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンがあげられる。
上記の一般式(2)で表されるイオン性化合物の種類は特に限定されるものではなく、各種のアンモニウム塩やホスホニウム塩があげられる。
一般式(2)中のアニオン(X)の種類は特に限定されるものではなく、有機アニオンであっても無機アニオンであってもよい。例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、水酸化物イオン(OH)、テトラヒドロホウ酸イオン(BH )、硝酸イオン、亜硝酸イオン、塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、過亜塩素酸イオン(ClO )、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、スルファミン酸イオン、カルボン酸イオン(例えば、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、グリシン酸イオン、酪酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン等)、有機スルホン酸イオン(メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等)、有機ホスホン酸イオン(メチルホスホン酸イオン、ベンゼンホスホン酸イオン、トルエンホスホン酸イオン等)、有機リン酸イオン(例えば、エチルリン酸イオン)等があげられる。好ましいアニオンとしては、OH、F、Cl、Br、I、ClO 、BH 等があげられ、これらの中でも水酸化物イオン(OH)がより好ましい。
一般式(2)中のR,R,R,及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し、R,R,R,及びRは全部が互いに同一であってもよいし、一部が同一で残部が異なっていてもよいし、全部が互いに異なっていてもよい。
炭素数1以上4以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等があげられる。これらのアルキル基は、直鎖状でもよいし分岐状でもよいし環状でもよい。
また、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等があげられる。これらのヒドロキシアルキル基は、直鎖状でもよいし分岐状でもよいし環状でもよい。
さらに、アリール基としては、置換基を有していないアリール基(例えばフェニル基)のほか、1個又は複数個の水素原子が置換基(例えば、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン基等)で置換されたアリール基があげられる。そのような置換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ナフチルメチル基等があげられる。
なお、本発明において例えばブチル基とは、その各種構造異性体(n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基)を包含する概念である。他の官能基についても同様である。
このような一般式(2)で表されるイオン性化合物の例としては、R,R,R,及びRがいずれもアルキル基であるテトラアルキルアンモニウム塩やテトラアルキルホスホニウム塩があげられ、その具体例としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩や、テトラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウム塩、テトラプロピルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩があげられる。
テトラアルキルアンモニウム塩の中では、R,R,R,及びRがいずれも直鎖アルキル基であるテトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。また、テトラアルキルアンモニウム塩の中では、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラブチルアンモニウム塩が好ましい。
また、一般式(2)で表されるイオン性化合物の他の例としては、R,R,R,及びRがいずれもヒドロキシアルキル基であるテトラヒドロキシアルキルアンモニウム塩(例えば水酸化物)やテトラヒドロキシアルキルホスホニウム塩(例えば水酸化物)があげられ、その具体例としては、テトラヒドロキシエチルアンモニウム塩、テトラヒドロキシプロピルアンモニウム塩、テトラヒドロキシブチルアンモニウム塩や、テトラヒドロキシエチルホスホニウム塩、テトラヒドロキシプロピルホスホニウム塩、テトラヒドロキシブチルホスホニウム塩があげられる。
さらに、一般式(2)で表されるイオン性化合物の他の例としては、R,R,R,及びRがいずれもアリール基であるテトラアリールアンモニウム塩(例えば水酸化物)やテトラアリールホスホニウム塩(例えば水酸化物)があげられ、その具体例としては、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩やテトラフェニルホスホニウム塩、テトラベンジルホスホニウム塩があげられる。
さらに、一般式(2)で表されるイオン性化合物の他の例としては、R,R,R,及びRのうち一部がヒドロキシアルキル基であり、残部がアルキル基であるものがあげられる。その具体例としては、ヒドロキシメチルトリメチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、ヒドロキシブチルトリメチルアンモニウム塩、ジヒドロキシエチルジメチルアンモニウム塩や、ヒドロキシメチルトリメチルホスホニウム塩、ヒドロキシエチルトリメチルホスホニウム塩、ヒドロキシプロピルトリメチルホスホニウム塩、ヒドロキシブチルトリメチルホスホニウム塩、ジヒドロキシエチルジメチルホスホニウム塩があげられる。
さらに、一般式(2)で表されるイオン性化合物の他の例としては、R,R,R,及びRのうち一部がアルキル基であり、残部がアリール基であるものがあげられる。その具体例としては、トリメチルフェニルアンモニウム塩、トリエチルフェニルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、メチルトリフェニルアンモニウム塩、トリベンジルメチルアンモニウム塩や、トリメチルフェニルホスホニウム塩、トリエチルフェニルホスホニウム塩、ベンジルトリメチルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、トリベンジルメチルホスホニウム塩があげられる。
さらに、一般式(2)で表されるイオン性化合物の他の例としては、R,R,R,及びRのうち一部がヒドロキシアルキル基であり、残部がアリール基であるものがあげられる。その具体例としては、ヒドロキシメチルトリフェニルアンモニウム塩、トリベンジルヒドロキシメチルアンモニウム塩やヒドロキシメチルトリフェニルホスホニウム塩、トリベンジルヒドロキシメチルホスホニウム塩があげられる。
上記の一般式(3)で表される環状ジアミン化合物の種類は特に限定されるものではないが、例えばR、R、R、R、R、及びR10が何れも水素原子であるものがあげられる。その具体例としては、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、1,6−ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[3.3.2]デカン、1,6−ジアザビシクロ[4.2.2]デカン、1,6−ジアザビシクロ[4.3.1]デカン、1,5−ジアザビシクロ[3.3.3]ウンデカン、1,6−ジアザビシクロ[4.3.2]ウンデカン、1,6−ジアザビシクロ[4.4.1]ウンデカン、1,6−ジアザビシクロ[4.3.3]ドデカン、1,6−ジアザビシクロ[4.4.2]ドデカン、1,6−ジアザビシクロ[4.4.3]トリデカン、及び1,6−ジアザビシクロ[4.4.4]テトラデカンがあげられる。これらの中でも、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが好ましい。
さらに、一般式(3)で表される環状ジアミン化合物の他の例としては、R、R、R、R、R、及びR10のうち1つが炭素数4以下(好ましくは1以上3以下、典型的には1又は2)のアルキル基であり他の5つが水素原子である構造、R、R、R、R、R、及びR10のうち2つが炭素原子数4以下のアルキル基であり他の4つが水素原子である構造、R、R、R、R、R、及びR10のうち3つが炭素原子数4以下のアルキル基であり他の3つが水素原子である構造、R、R、R、R、R、及びR10のうち4つが炭素原子数4以下のアルキル基であり他の2つが水素原子である構造、R、R、R、R、R、及びR10のうち5つが炭素原子数4以下のアルキル基であり他の1つが水素原子である構造、R、R、R、R、R、及びR10が何れも炭素原子数4以下のアルキル基である構造等があげられる。
そのような一般式(3)で表される環状ジアミン化合物の具体例として、2−メチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−エチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−プロピル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−ブチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジエチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジプロピル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジブチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−メチル−5−エチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンがあげられる。
その他の塩基性化合物として、アンモニア、アミン等を含有することができる。アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類等があげられる。これらの塩基性化合物は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は0.001質量%以上としてもよく、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上である。塩基性化合物の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は5質量%以下としてもよく、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。塩基性化合物の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物の製造コストが低減する。
(多重結合含有化合物、アニオン性基含有化合物)
本実施形態の研磨用組成物は、上記の一般式(4)で表される多重結合含有化合物及び上記の一般式(5)で表されるアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種を含有する。これにより、研磨対象物の被研磨面の表面粗さを良好に保ちつつ研磨速度を向上させることが容易となる。
多重結合含有化合物とアニオン性基含有化合物の酸解離定数pKaは、2以上7以下であることが好ましい。酸解離定数pKaがこの数値範囲内であれば、研磨対象物に対する求核性がより効率的に働くため、上記効果がより良好となる。なお、多重結合含有化合物、アニオン性基含有化合物が多段階で解離する場合には、少なくとも一つの酸解離定数pKaが上記数値範囲内であればよい。
本実施形態の研磨用組成物が含有する多重結合含有化合物の種類は、一般式(4)で表される化合物であれば特に限定されるものではないが、一般式(4)中のY及びZは共に、炭素−炭素二重結合、炭素−酸素二重結合、窒素−酸素二重結合、硫黄−酸素二重結合、又はリン−酸素二重結合を有する官能基であることが好ましく、フェニル基、カルボキシ基、カルボニル基、アシル基、エステル基、ニトロ基、スルホ基、ホスホノ基、又はアミノ基を有する官能基であることがより好ましい。そして、一般式(4)中のY及びZは共にフェニル基、カルボキシ基、カルボニル基、アシル基であることが好ましく、カルボキシ基、カルボニル基であることがより好ましい。
また、一般式(4)中のY又はZは、炭素−窒素三重結合を有する官能基、例えばシアノ基を有する官能基も好ましい。
さらに、一般式(4)で表される多重結合含有化合物は、アミノ基などの官能基を有することができる。
このような一般式(4)で表される多重結合含有化合物の具体例としては、マロン酸、シュウ酸、リンゴ酸等のジカルボン酸や、メタクリル酸、シアノ酢酸があげられ、これらの中ではマロン酸がより好ましい。ジカルボン酸はカルボキシ基を2個有するため、シリコン基板等の研磨対象物に対する求核性が強い。これら一般式(4)で表される多重結合含有化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態の研磨用組成物が含有するアニオン性基含有化合物の種類は、一般式(5)で表される環状の化合物であれば特に限定されるものではない。一般式(5)中の環状部分は炭素の六員環であり、その炭素−炭素結合は単結合又は二重結合であるので、一般式(5)中の環状部分は、例えばシクロヘキサン環でもよいし、ベンゼン環でもよいが、ベンゼン環であることが好ましい。一般式(5)中のQは、カルボキシ基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ホスホン酸基若しくはその塩、又はヒドロキシ基若しくはその塩であることが好ましく、カルボキシ基であることがより好ましい。
このような一般式(5)で表されるアニオン性基含有化合物の具体例としては、安息香酸(一般式(5)中の環状部分がベンゼン環であり、Qがカルボキシ基であり、X、X、X、X、及びXが全て水素である化合物)、ベンゼンジカルボン酸(一般式(5)中の環状部分がベンゼン環であり、Qがカルボキシ基であり、X、X、X、X、及びXのうちのいずれか1つがカルボキシ基で残余が全て水素である化合物)、トリメリット酸(一般式(5)中の環状部分がベンゼン環であり、Q、X、及びXがカルボキシ基であり、X、X、及びXが水素である化合物)、ヒドロキシ安息香酸(一般式(5)中の環状部分がベンゼン環であり、Qがカルボキシ基であり、X、X、X、X、及びXのうちのいずれか1つがヒドロキシ基で残余が全て水素である化合物)、メトキシ安息香酸(一般式(5)中の環状部分がベンゼン環であり、Qがカルボキシ基であり、X、X、X、X、及びXのうちのいずれか1つがメトキシ基で残余が全て水素である化合物)があげられる。これら一般式(5)で表されるアニオン性基含有化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の研磨用組成物中の多重結合含有化合物とアニオン性基含有化合物の合計の含有量は0.005質量%以上としてもよく、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。多重結合含有化合物とアニオン性基含有化合物の合計の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、研磨用組成物中の多重結合含有化合物とアニオン性基含有化合物の合計の含有量は5質量%以下としてもよく、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは0.6質量%以下である。多重結合含有化合物とアニオン性基含有化合物の合計の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物の製造コストが低減する。
(pH)
本実施形態の研磨用組成物のpHは特に限定されるものではないが、9.0以上11.5以下とすることができ、10.0以上10.8以下がより好ましい。pHが上記範囲内であれば、研磨速度がより高くなる。
(その他の添加剤)
本実施形態の研磨用組成物には、その性能を向上させるために、必要に応じて水溶性高分子(共重合体でもよい。また、これらの塩、誘導体でもよい)、界面活性剤、キレート剤、防黴剤等の各種添加剤を添加してもよい。ただし、酸化剤は実質的に含有しないことが好ましい。
(水溶性高分子)
本実施形態の研磨用組成物には、研磨対象物の表面や砥粒の表面に作用する水溶性高分子(共重合体でもよい。また、これらの塩、誘導体でもよい。)を添加してもよい。水溶性高分子、水溶性共重合体、これらの塩又は誘導体の具体例としては、ポリアクリル酸塩等のポリカルボン酸や、ポリホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸があげられる。また、他の具体例として、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウム等の多糖類や、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体があげられる。
さらに、他の具体例として、ピロリドン単位を有する水溶性高分子(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体)や、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ソルビタンモノオレエート、単一種又は複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体等があげられる。これら水溶性高分子の中ではピロリドン単位を有する水溶性高分子が好ましく、ポリビニルピロリドンがより好ましい。これらの水溶性高分子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(界面活性剤)
本実施形態の研磨用組成物には、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤があげられる。界面活性剤の中でも、ノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、オキシアルキレンの単独重合体、複数の種類のオキシアルキレンの共重合体、ポリオキシアルキレン付加物があげられる。これらのノニオン性界面活性剤の中でも、複数の種類のオキシアルキレンの共重合体又はポリオキシアルキレン付加物を用いることが好ましい。
(キレート剤)
本実施形態の研磨用組成物には、キレート剤を添加してもよい。キレート剤は、研磨系中の金属不純物成分を捕捉して錯体を形成することによってシリコン基板の金属汚染を抑制する。キレート剤の具体例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミン等のアミン系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のポリアミノポリカルボン酸系キレート剤、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸系キレート剤、フェノール誘導体、1,3−ジケトン等があげられる。これらキレート剤の中でも、有機ホスホン酸系キレート剤、特にエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)を用いることが好ましい。これらのキレート剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(防黴剤)
本実施形態の研磨用組成物には、防黴剤を添加してもよい。防黴剤の具体例としては、オキサゾリジン−2,5−ジオン等のオキサゾリン等があげられる。
(酸化剤)
ここに開示される研磨用組成物は、酸化剤を実質的に含まないことが好ましい。研磨用組成物中に酸化剤が含まれていると、当該研磨用組成物が研磨対象物(例えばシリコンウェーハ)に供給されることで該研磨対象物の表面が酸化されて酸化膜が生じ、これにより所要研磨時間が長くなってしまうためである。ここでいう酸化剤の具体例としては、過酸化水素(H)、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過マンガン酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等があげられる。
なお、研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まないとは、少なくとも意図的には酸化剤を含有させないことをいう。したがって、原料や製法等に由来して微量(例えば、研磨用組成物中における酸化剤のモル濃度が0.0005モル/L以下、好ましくは0.0001モル以下、より好ましくは0.00001モル/L以下、特に好ましくは0.000001モル/L以下)の酸化剤が不可避的に含まれている研磨用組成物は、ここでいう酸化剤を実質的に含有しない研磨用組成物の概念に包含され得る。
(水)
水は、研磨用組成物の他の成分(砥粒、塩基性化合物、多重結合含有化合物、アニオン性基含有化合物、添加剤等)を分散又は溶解するための分散媒又は溶媒となる。研磨用組成物に含有される他の成分の働きが阻害されることを極力回避するため、例えば遷移金属イオンの合計の含有量が100ppb以下の水を用いることが好ましい。例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルターによる粒子の除去、蒸留等の操作によって水の純度を高めることができる。具体的にはイオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を用いることが好ましい。
(研磨用組成物の製造方法)
本実施形態の研磨用組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、砥粒と、塩基性化合物と、多重結合含有化合物及びアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種と、所望により各種添加剤とを、水等の液状媒体中で攪拌、混合することによって製造することができる。混合時の温度は特に限定されるものではないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を向上させるために加熱してもよい。また、混合時間も特に限定されない。
(研磨方法)
本実施形態の研磨用組成物を用いた研磨対象物の研磨は、通常の研磨に用いられる研磨装置や研磨条件により行うことができる。例えば片面研磨装置や両面研磨装置を使用することができる。
例えば、研磨対象物をシリコン基板とし、片面研磨装置を用いて研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いてシリコン基板を保持し、研磨布が貼付された定盤をシリコン基板の片面に押しつけて研磨用組成物を供給しながら定盤を回転させることにより、シリコン基板の片面を研磨する。
また、両面研磨装置を用いてシリコン基板を研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いてシリコン基板を保持し、研磨布が貼付された定盤をシリコン基板の両側からシリコン基板の両面にそれぞれ押しつけて、研磨用組成物を供給しながら両側の定盤を回転させることにより、シリコン基板の両面を研磨する。
いずれの研磨装置を用いた場合でも、摩擦(研磨布及び研磨用組成物と、シリコン基板との摩擦)による物理的作用と研磨用組成物がシリコン基板にもたらす化学的作用とによってシリコン基板が研磨される。
研磨布としては、ポリウレタン、不織布、スウェード等の種々の素材のものを用いることができる。また、素材の違いの他、硬度や厚さ等の物性が種々異なるものを用いることができる。さらに、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもののいずれも用いることができる。さらに、液状の研磨用組成物が溜まるような穴状の構造があるものや、液状の研磨用組成物の流路となる溝加工が施されているものを使用することができる。
さらに、研磨条件のうち研磨荷重(研磨対象物に負荷する圧力)については特に限定されないが、5kPa以上50kPa以下としてもよく、好ましくは8kPa以上40kPa以下であり、より好ましくは10kPa以上30kPa以下である。研磨荷重がこの範囲内であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重により研磨対象物が破損したり、研磨対象物の表面に傷等の欠陥が発生したりすることを抑制することができる。
また、研磨条件のうち、研磨に用いられる研磨布とシリコン基板等の研磨対象物との相対速度(線速度)は特に限定されないが、10m/分以上300m/分以下としてもよく、好ましくは30m/分以上200m/分以下である。研磨布と研磨対象物との相対速度がこの範囲内であれば、十分な研磨速度が得られる。また、研磨対象物の摩擦による研磨布の破損を抑制でき、さらに研磨対象物へ摩擦が十分に伝わり、いわゆる研磨対象物が滑る状態を抑制することができ、十分に研磨することができる。
さらに、研磨条件のうち研磨用組成物の供給量については、研磨対象物の種類、研磨装置の種類、研磨条件によっても異なるが、研磨対象物と研磨布との間に研磨用組成物がムラ無く全面に供給されるのに十分な量であればよい。研磨用組成物の供給量が少ない場合は、研磨用組成物が研磨対象物全体に供給されないことや、研磨用組成物が乾燥凝固し研磨対象物の表面に欠陥を生じさせることがある。逆に研磨用組成物の供給量が多い場合は、経済的でないことの他、過剰な研磨用組成物(特に水等の液状媒体)により摩擦が妨げられて研磨が阻害されるおそれがある。
なお、鏡面仕上げ等の仕上げ研磨を行う最終研磨工程の前に、別の研磨用組成物を用いて予備的な研磨を行う予備研磨工程を設けてもよい。研磨対象物の表面に加工ダメージや輸送時に付いた傷等が存在する場合は、それらの傷を一つの研磨工程で鏡面化するには多くの時間を要するため不経済である上、研磨対象物の表面の平滑性が損なわれるおそれがある。
そこで、予備研磨工程により研磨対象物の表面の傷を除去しておくことにより、最終研磨工程で要する研磨時間を短縮することができ、優れた鏡面を効率的に得ることができる。予備研磨工程において用いる予備研磨用組成物としては、最終研磨工程において用いる最終研磨用組成物に比べて研磨力がより強いものを用いることが好ましい。本実施形態の研磨用組成物は、予備研磨工程及び最終研磨工程のいずれにおいても使用することが可能であるが、予備研磨用組成物としてより好適である。
また、本実施形態の研磨用組成物は、研磨対象物の研磨に使用された後に回収し、研磨対象物の研磨に再使用することができる。研磨用組成物を再使用する方法の一例としては、研磨装置から排出された研磨用組成物をタンクに回収し、再度研磨装置内へ循環させて研磨に使用する方法があげられる。研磨用組成物を循環使用すれば、廃液として排出される研磨用組成物の量を減らすことができるので、環境負荷を低減することができる。また、使用する研磨用組成物の量を減らすことができるので、研磨対象物の研磨に要する製造コストを抑制することができる。
本実施形態の研磨用組成物を再使用する際には、研磨に使用したことにより消費、損失された砥粒、塩基性化合物、多重結合含有化合物、アニオン性基含有化合物、添加剤等の一部又は全部を、組成調整剤として添加した上で再使用するとよい。組成調整剤としては、砥粒、塩基性化合物、多重結合含有化合物、アニオン性基含有化合物、添加剤等を任意の混合比率で混合したものを用いることができる。組成調整剤を追加で添加することにより、研磨用組成物が再使用されるのに好適な組成に調整され、好適な研磨を行うことができる。組成調整剤に含有される砥粒、塩基性化合物、多重結合含有化合物、アニオン性基含有化合物、及びその他の添加剤の濃度は任意であり、特に限定されず、タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整すればよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。例えば、本実施形態の研磨用組成物は、一液型であってもよいし、研磨用組成物の成分の一部又は全部を任意の比率で混合した二液型等の多液型であってもよい。また、研磨対象物の研磨においては、本実施形態の研磨用組成物の組成をそのまま調製したものを用いて研磨を行ってもよいが、研磨用組成物の濃縮液(例えば10倍以上)を調製し、それを水等の希釈液で希釈した研磨用組成物を用いて研磨を行ってもよい。
〔実施例〕
以下に実施例を示し、表1を参照しながら本発明をさらに具体的に説明する。
コロイダルシリカからなる砥粒と、塩基性化合物と、多重結合含有化合物又はアニオン性基含有化合物と、液状媒体である水とを、表1に示す通りの含有量となるように混合して、砥粒を水に分散させ、さらに水酸化カリウムを混合してpHを10.5とした実施例1〜28及び比較例1〜7の研磨用組成物を製造した。
なお、実施例24の研磨用組成物には、添加剤として水溶性高分子ポリビニルピロリドン(第一工業製薬株式会社製のピッツコールK−50)を、表1に示す通りの含有量となるように添加した。表1においては、ポリビニルピロリドンを「PVP」と示してある。また、比較例2の研磨用組成物には、多重結合含有化合物及びアニオン性基含有化合物を添加していない。さらに、比較例3〜6の研磨用組成物には、多重結合含有化合物及びアニオン性基含有化合物を添加せず且つ表1に示す「その他の成分」を表1に示す通りの含有量となるように添加した。さらに、比較例7の研磨用組成物には、塩基性化合物及びpH調整のための水酸化カリウムを添加していない。
なお、表1中の「AEP」はN−(2−アミノエチル)ピペラジンを意味し、「BAPP」は1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを意味する。また、「TMAH」はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを意味し、「TBAH」はテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを意味する。さらに、「TBPH」はテトラブチルホスホニウムヒドロキシドを意味し、「DABCO」は1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを意味する。
Figure 2016143323
実施例1〜28及び比較例1〜7の研磨用組成物において、砥粒として使用したコロイダルシリカの平均一次粒子径は、表1に示す通りである。この平均一次粒子径は、BET法により測定された砥粒の比表面積と、砥粒の密度から算出したものである。
実施例1〜28及び比較例1〜7の研磨用組成物を用いて、下記の研磨条件で、シリコンウェーハの研磨を行った。このシリコンウェーハの伝導型はP型であり、結晶方位は<100>であり、抵抗率は0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満である。また、このシリコンウェーハは矩形板状に切り出したものであり、その寸法は縦60mm、横60mmである。
(研磨条件)
研磨装置:日本エンギス株式会社製の片面研磨装置、型式「EJ−380IN」
研磨パッド(研磨布):ニッタ・ハース株式会社製「MH S−15A」
研磨荷重:26.7kPa
定盤の回転速度:50min−1
ヘッドの回転速度:40min−1
研磨時間:10min
研磨用組成物の供給速度:100mL/min(循環使用)
研磨用組成物の温度:25℃
そして、研磨前のシリコンウェーハの質量と、研磨後のシリコンウェーハの質量とを測定し、下記の式によって研磨速度を算出した。結果を表1に示す。
[研磨前後でのシリコンウェーハの質量差]/[シリコンの密度]/[被研磨面の面積]/[研磨時間]/10000
なお、研磨前後でのシリコンウェーハの質量差の単位はgであり、研磨速度の単位はμm/minである。また、シリコンの密度は2.33g/cmであり、被研磨面の面積は36cmであり、研磨時間は10minである。
また、研磨終了後の被研磨面の表面粗さRaを測定した。結果を表1に示す。なお、表面粗さRaの測定は、非接触表面形状測定機(Zygo社製の商品名「NewView 5032」)を用い、倍率10倍、測定領域700μm×500μmの条件で行った。
表1から分かるように、実施例1〜28の研磨用組成物は、研磨速度が高く且つ被研磨面の表面粗さも優れていた。
これに対して比較例1の研磨用組成物は、塩基性化合物が一般式(1)で表される化合物ではないため、シリコンウェーハの研磨速度は高いものの被研磨面の表面粗さは悪かった。また、比較例2の研磨用組成物は、多重結合含有化合物及びアニオン性基含有化合物を含有していないため、被研磨面の表面粗さは優れているもののシリコンウェーハの研磨速度は不十分であった。さらに、比較例3〜6の研磨用組成物は、多重結合含有化合物が一般式(4)で表される化合物ではないため、被研磨面の表面粗さは優れているもののシリコンウェーハの研磨速度は不十分であった。さらに、比較例7の研磨用組成物は、塩基性化合物を含有していないため、シリコンウェーハの研磨速度は不十分で且つ被研磨面の表面粗さは悪かった。

Claims (16)

  1. 砥粒と、
    アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、下記の一般式(1)で表される環状化合物、下記の一般式(2)で表されるイオン性化合物、及び下記の一般式(3)で表される環状ジアミン化合物のうちの少なくとも1種を含む塩基性化合物と、
    下記の一般式(4)で表される多重結合含有化合物及び下記の一般式(5)で表されるアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種と、
    を含有する研磨用組成物。
    Figure 2016143323
    一般式(1)中のX1は水素原子、アミノ基、又は一般式(1)中のC1原子への結合を示し、X1がC1原子への結合を示す場合は一般式(1)中のH1原子は存在しない。また、一般式(1)中のX2は水素原子、アミノ基、アミノアルキル基、又はC1原子への結合を示し、X2がC1原子への結合を示す場合はC1原子と一般式(1)中のN1原子との結合は二重結合となり、一般式(1)中のH2原子は存在しない。さらに、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数、mは1以上4以下の整数、nは0以上4以下の整数である。
    Figure 2016143323
    一般式(2)中のAは窒素又はリンを示す。また、一般式(2)中のR1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。さらに、一般式(2)中のX-はアニオンを示す。
    Figure 2016143323
    一般式(3)中のR、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数4以下のアルキル基である。また、一般式(3)中のp、q、及びrは1以上4以下の整数である。
    Figure 2016143323
    一般式(4)中のY及びZは、それぞれ独立に、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン、及び水素のうちの少なくとも1種を有し、且つ、二重結合又は三重結合を有する官能基を示す。また、一般式(4)中のR11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。さらに、一般式(4)中のsは0以上2以下の整数である。
    Figure 2016143323
    一般式(5)中の環状部分は炭素の六員環であり、その炭素−炭素結合は単結合又は二重結合である。また、一般式(5)中のQはアニオン性の官能基を示す。さらに、一般式(5)中のX、X、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素、カルボキシ基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ホスホン酸基若しくはその塩、ヒドロキシ基若しくはその塩、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。
  2. 前記塩基性化合物が、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アミノアルキルピペラジン、及びビスアミノアルキルピペラジンのうちの少なくとも1種である請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 砥粒と、
    下記の一般式(1)で表される環状化合物を含む塩基性化合物と、
    下記の一般式(4)で表される多重結合含有化合物及び下記の一般式(5)で表されるアニオン性基含有化合物のうちの少なくとも1種と、
    を含有する研磨用組成物。
    Figure 2016143323
    一般式(1)中のX1は水素原子、アミノ基、又は一般式(1)中のC1原子への結合を示し、X1がC1原子への結合を示す場合は一般式(1)中のH1原子は存在しない。また、一般式(1)中のX2は水素原子、アミノ基、アミノアルキル基、又はC1原子への結合を示し、X2がC1原子への結合を示す場合はC1原子と一般式(1)中のN1原子との結合は二重結合となり、一般式(1)中のH2原子は存在しない。さらに、一般式(1)中のlは1以上6以下の整数、mは1以上4以下の整数、nは0以上4以下の整数である。
    Figure 2016143323
    一般式(4)中のY及びZは、それぞれ独立に、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン、及び水素のうちの少なくとも1種を有し、且つ、二重結合又は三重結合を有する官能基を示す。また、一般式(4)中のR11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。さらに、一般式(4)中のsは0以上2以下の整数である。
    Figure 2016143323
    一般式(5)中の環状部分は炭素の六員環であり、その炭素−炭素結合は単結合又は二重結合である。また、一般式(5)中のQはアニオン性の官能基を示す。さらに、一般式(5)中のX、X、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素、カルボキシ基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ホスホン酸基若しくはその塩、ヒドロキシ基若しくはその塩、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、ニトロ基、又はアミノ基を示す。
  4. 前記塩基性化合物が、アミノアルキルピペラジン及びビスアミノアルキルピペラジンの少なくとも一方である請求項3に記載の研磨用組成物。
  5. 前記塩基性化合物がアミノエチルピペラジンである請求項1又は請求項3に記載の研磨用組成物。
  6. 水溶性高分子をさらに含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記水溶性高分子がピロリドン単位を有する水溶性高分子である請求項6に記載の研磨用組成物。
  8. 前記水溶性高分子がポリビニルピロリドンである請求項7に記載の研磨用組成物。
  9. 前記一般式(4)中のY又はZは、炭素−窒素三重結合を有する官能基である請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  10. 前記一般式(4)中のY又はZはシアノ基である請求項9に記載の研磨用組成物。
  11. 前記一般式(4)中のY及びZはカルボキシ基である請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  12. 前記多重結合含有化合物がマロン酸である請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  13. 前記一般式(5)中のQはカルボキシ基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ホスホン酸基若しくはその塩、又はヒドロキシ基若しくはその塩である請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  14. 前記一般式(5)中のQはカルボキシ基である請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  15. 前記アニオン性基含有化合物が安息香酸、ベンゼンジカルボン酸、トリメリット酸、ヒドロキシ安息香酸、及びメトキシ安息香酸のうち少なくとも一種である請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨することを含むシリコン基板の研磨方法。
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