JPWO2016136597A1 - ポリイミド積層体の製造方法およびその利用 - Google Patents

ポリイミド積層体の製造方法およびその利用 Download PDF

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Abstract

十分に表面が平滑なポリイミド層を有するポリイミド積層体の製造方法等を提供する。かかる製造方法では、ポリアミド酸および溶媒を含むポリアミド酸溶液を、基板上に塗布し、その基板上にポリイミド層を形成させる工程を含み、溶媒は、特定の溶媒群Aより選ばれる少なくとも1つと、N−メチル−2−ピロリドンとを含み、かつ、ポリアミド酸溶液の粘度が、1.0Pa・s以上20.0Pa・s以下である。

Description

本発明は、ポリイミド積層体の製造方法およびフレキシブルデバイスの製造方法に関する。
現在、フラットパネルディスプレイおよび電子ペーパー等の電子デバイスの分野では、基板として、ガラス基板が主に用いられる。しかし、ガラス基板は、重く壊れやすいため、電子デバイスにとって、理想的な基板といえない。そこで、基板をガラスからポリマー材料へと置き換えたフレキシブルデバイスを実現しようとする検討が盛んに行われている。しかしながら、これらの技術の多くは、新しい生産技術および装置を必要とするため、ポリマー材料を用いたフレキシブルデバイスは大量生産されていない。
一方で、最近、効率的にフレキシブルデバイスを大量生産する近道として、ガラス基板上にポリイミド樹脂層を形成した積層体を用いることで、通常のガラス基板用プロセスでフレキシブルデバイスを生産することが提案されている。この積層体を用いるプロセスでは、最終段階でポリイミド樹脂層をガラス基板から分離してフレキシブルデバイスが得られる。
かかるプロセスでは、積層体には、良好なハンドリングのための平滑性および低反りが求められる。すなわち、積層体のポリイミド層は、十分な表面の平滑性、および、ガラスと同程度の線膨張係数を有する必要がある。なお、ガラス基板として一般的に使用されるソーダライムガラスの線膨張係数は8〜9ppm/K程度、無アルカリガラスの線膨張係数は3〜5ppm/K程度である。
また、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ製造時のプロセス温度は、最高で300〜350℃に達する。一般的なポリイミドの線膨張係数は、ガラスよりも大きいため、かかるプロセスに好適な材料は自然と限られたものになる。
例えば、特許文献1には、無機基板上に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン、及び4,4”ジアミノパラテルフェニルとから得られるポリイミド前駆体の溶液を流延し、熱イミド化して積層体を得る方法が記載されている。
また、特許文献2には、半導体保護膜または層間絶縁膜等の電子材料の製造に有用な加工性に優れた感光性ポリイミド前駆体組成物が記載されている。このポリイミド前駆体溶液には、N−メチル−2−ピロリドンと4−メチル−2−ペンタノンとの混合溶媒が用いられている。
特許文献3には、特定の式で表される繰り返し単位を含むポリイミド樹脂、及び、有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後、有機溶媒を除去することを特徴とするポリイミド樹脂フィルムの製造方法であって、有機溶媒を除去する工程が少なくとも2段階の温度にて塗膜を乾燥する工程であることを特徴とするポリイミド樹脂フィルムの製造方法が記載されている。
特許文献4には、酸成分とアミン成分との反応によって製造され、特定の構造式で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸のホモポリマーまたはコポリマーであるポリイミド前駆体が、沸点が100℃未満の低沸点溶媒の1種または2種以上と、沸点が100℃以上の高沸点溶媒の1種または2種以上とからなる混合溶媒であって、上記高沸点溶媒が全溶媒の5〜55質量%の範囲で含まれている混合溶媒に溶解していることを特徴とするポリイミド前駆体溶液が記載されている。
特許文献5には、ポリマー0.1−40重量%と溶剤60−99.9重量%とからなるポリアミド酸系ワニスにおいて、溶剤が、第1成分として特定の化合物群(A)から選ばれる少なくとも1種の化合物の5−80重量%と、第2成分として特定の化合物群Bから選ばれる少なくとも1種の化合物の95−20重量%とを含有する混合溶剤であることを特徴とするポリアミド酸系ワニスが記載されている。
日本国公開特許公報「特開2012−35583号(2012年2月23日公開)」 日本国公開特許公報「特開2001−89563号(2001年4月3日公開)」 日本国公開特許公報「特開2012−77130号(2012年4月19日公開)」 国際公開第03/074587号パンフレット(2003年9月12日公開) 日本国公開特許公報「特開平10−7985号(1998年1月13日公開)」
特許文献1では、低熱膨張性を示す特定構造のポリイミド前駆体について報告されているが、ポリイミド層の表面平滑性は一切議論されていない。また、特許文献2では、塗布均一性を得るために、用いるモノマーの比率で溶液特性をコントロールしており、混合溶媒による塗膜の表面性への効果は述べられていない。
また、特許文献3〜5に記載の技術も表面平滑性の観点から改善の余地があった。
本発明は、上記の背景を鑑みてなされたものである。そして、その目的は、十分に表面が平滑であるポリイミド層を有するポリイミド積層体等の製造方法である。
ポリイミド層と基板とを備えたポリイミド積層体の製造方法では、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとにより合成されるポリアミド酸、および、溶媒を含むポリアミド酸溶液を、基板上に塗布し、その基板上にポリイミド層を形成させる工程を含む。
そして、ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒は、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、およびキシレンからなる溶媒群Aより選ばれる少なくとも1つと、N−メチル−2−ピロリドンとを含む。さらに、ポリアミド酸溶液の粘度が、1.0Pa・s以上20.0Pa・s以下である。
本発明によれば、溶媒が混合溶媒であるポリアミド酸溶液を用いることで、この溶液を無機基板上に流延し加熱してポリイミド積層体を製造した場合、そのポリイミド積層体から、表面の平滑性に優れたポリイミド層が得られる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本明細書中、数値範囲に関して「A〜B」と記載した場合、この記載は「A以上B以下」を意図する。
[1.ポリアミド酸溶液]
<ポリアミド酸溶液に用いられる溶媒>
一般に、溶媒中で、ポリアミド酸の原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合させることにより、かかる溶媒にポリアミド酸を溶解させているポリアミド酸溶液が得られる。
また、一般に、ポリアミド酸の重合には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称することもある)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、または、γ―ブチロラクトン、等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。なお、ポリアミド酸の重合に用いる溶媒として、ポリアミド酸を合成する原料およびポリアミド酸の溶解性に優れ、さらに、ポリアミド酸溶液の貯蔵安定性に優れることからNMPが好適ともいえる。
また、ポリアミド酸溶液には、NMPの他に、ポリイミド層の表面を平滑にするために、4−メチル−2−ペンタノン(以下、MIBKと称することがある)、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン(以下、THFと称することがある)、および、キシレンからなる溶媒群より選ばれる少なくとも1つの溶媒を混合することが好ましい。
これらの溶媒は、重合時にあらかじめNMPと混合し、混合溶媒中でポリアミド酸を重合してもよいし、NMP単体でポリアミド酸重合し、その後、上記の溶媒群から選ばれた溶媒を添加してもよい。上記の溶媒群より選ばれる溶媒は、ポリアミド酸溶液に含まれる全溶媒に対して、3重量%以上30重量%以下含まれることが好ましく、4重量%以上25重量%以下であることがより好ましく、5重量%以上15重量%以下であることがさらに好ましく、5重量%以上10重量%以下であることが特に好ましい。また、上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、N−メチル−2−ピロリドンと溶媒群Aに包含される溶媒との重量比が85:15〜95:5であることが好ましく、90:10〜95:5であることがさらに好ましい。溶媒の重量比が上記範囲であれば、ポリイミド層の表面の平滑化効果の観点から好ましい。なお、上記の溶媒群のうち、表面の平滑化効果の観点からMIBKを選択してもよい。
<ポリアミド酸の原料>
ポリアミド酸は、一般に、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とより合成される。
≪テトラカルボン酸二無水物成分≫
テトラカルボン酸二無水物は、特に制限されないが、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。例えば、テトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、パラテルフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、メタテルフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等、または、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略記することもある。)が挙げられる。
なお、上記のテトラカルボン酸二無水物の芳香環には、アルキル基置換およびハロゲン置換の少なくとも一方の置換がなされた部位が有ってもよい。また、上記芳香族テトラカルボン酸二無水物として、複数のテトラカルボン酸二無水物が用いられてもよい。
また、低熱膨張特性を有するポリイミド層をもつポリイミド積層体(構造については後述)を得るためには、BPDAおよびピロメリット酸無水物の少なくとも一方を主成分とすることが好ましく、特に、剛直な構造を有するBPDAを用いることが好ましい。なお、ポリアミド酸中の全テトラカルボン酸二無水物成分(すなわち、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物)のうち、BPDAを50%以上用いることが好ましく、70%以上用いることがより好ましく、90%以上用いることがさらに好ましい。
≪ジアミン成分≫
ジアミン成分は、特に制限されないが、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン、パラフェニレンジアミン、または、1,4−シクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
また、複数のジアミンを用いてもよい。かかる場合、熱膨張を低くするという観点から、剛直な構造を有するパラフェニレンジアミンおよび1,4−シクロヘキサンジアミンの少なくとも一方を用いることが好ましい。なお、ポリアミド酸中の全ジアミン成分(すなわち、ポリアミド酸を構成するジアミン)のうち、パラフェニレンジアミンおよび1,4−シクロヘキサンジアミンの少なくとも一方を50%以上用いることが好ましく、70%以上用いることがより好ましく、90%以上で用いることがさらに好ましい。また、上記ポリアミド酸を構成するジアミンのうち50%以上が、パラフェニレンジアミンおよび1,4−シクロヘキサンジアミンから選ばれてもよい。
<ポリアミド酸の重合方法>
ポリアミド酸は、上記の溶媒および原料を用いて一般的に知られる重合方法で得ることができる。テトラカルボン酸無水物とジアミンとの比率およびポリアミド酸末端は、特に制限されない。
なお、ポリアミド酸保管時に高い安定性が求められる場合、ポリアミド酸末端はアミノ基で占められる比率を高くすることが好ましい。すなわち、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比が、0.980以上1.000未満であることが好ましく、0.995以上0.998以下であることがより好ましい。
なぜなら、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比を1.000未満とすることで、ポリアミド酸末端がアミノ基で占められる割合が酸無水物基で占められる割合よりも高くなるためであり、その結果、ポリアミド酸の貯蔵安定性が改善する。
また、強靭なポリイミド層を得るためには、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比を、1.000に近づけ、十分に分子量を高めることが好ましい。例えば、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比が、0.980以上であれば、丈夫なポリイミド層が得られる。
ところで、重合に使用する反応装置は、反応温度を制御するための温度調整装置を備えていると好ましい。そして、ポリアミド酸を重合する場合の反応温度として、0℃以上80℃以下が好ましい。特に、反応温度が20℃以上60℃以下であると、重合の逆反応であるアミド結合の解離を抑制し、しかもポリアミド酸の生成反応が進みやすく、粘度が上昇しやすいことから、さらに好ましい。
また、重合後に粘度、すなわち分子量調整を目的として、70〜90℃程度で1〜24時間の加熱処理が行われてもよい。加熱処理は、従来クッキングと称されている操作である。この加熱処理を行うことで、ポリアミド酸の解離、および、系中の水との反応による酸無水物の失活が促進され、ポリアミド酸溶液の分子量を所望の値に調整することが可能となる。
また、加熱処理によって、未反応のテトラカルボン酸二無水物が失活しやすくなる。そのため、重合反応とクッキングとは分けて行うことが好ましい。しかしながら、最初から反応温度を70〜90℃にして、重合反応とクッキングとを一括して行うことも可能である。
なお、ポリアミド酸の重合時に溶解されているポリアミド酸の固形分濃度は、5〜30重量%、好ましくは8〜25重量%、さらに好ましくは、10〜20重量%であることが好ましい。このような固形分濃度になっていると、未溶解原料の異常重合に起因するゲル化が抑制され、しかも、ポリアミド酸の生成反応が進みやすいためである。
<アルコキシシラン変性ポリアミド酸溶液>
ポリアミド酸としては、アルコキシシランによって変性したアルコキシシラン変性ポリアミド酸が用いられてもよい。アルコキシシラン変性ポリアミド酸であれば、ポリイミド層と基板との密着性に優れたポリイミド積層体が得られる。
ここで、アルコキシシラン変性ポリアミド酸について説明する。アルコキシシラン変性ポリアミド酸は、アミノ基を含有するアルコキシシラン化合物とポリアミド酸とを溶液中で反応させることにより得られる。
アミノ基を有するアルコキシシラン化合物による変性は、ポリアミド酸が溶媒に溶解したポリアミド酸溶液に、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を添加し、反応させることで行われる。
アミノ基を有するアルコキシシラン化合物としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノフェニルトリメトキシシラン、または、3−アミノフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらのアルコキシシラン化合物のポリアミド酸100重量部に対する配合割合は、0.01〜0.50重量部であることが好ましく、0.01〜0.10重量部であることがより好ましく、0.01〜0.05重量部であることがさらに好ましい。
アルコキシシラン化合物の配合割合が0.01重量部以上であると、ポリイミド積層体において、無機基板に対するポリイミド層の剥離抑制効果が十分に発揮される。また、アルコキシシラン化合物の配合割合が0.50重量部以下であると、ポリアミド酸の分子量が十分に保たれるため、ポリイミド層に、脆化等の問題が生じない。
ところで、末端の大部分をアミノ基とするポリアミド酸に、アミノ基を含むアルコキシシラン化合物が添加されると、ポリアミド酸溶液の粘度が下がる。これについて、発明者らは、ポリアミド酸中のアミド結合が解離した際に再生した酸二無水物基とアルコキシシラン化合物のアミノ基とが反応することによって、変性反応が進行するとともに、ポリアミド酸の分子量が低下するためだと推定している。
なお、反応温度は、酸二無水物基と水との反応を抑制しつつアルコキシシラン変性反応を進行させやすくするために、0℃以上80℃以下であることが好ましく、20℃以上60℃以下であることがより好ましい。
<ポリアミド酸溶液の粘度について>
また、ポリアミド酸溶液の粘度は、1.0Pa・s以上20.0Pa・s以下であることが好ましく、1.5Pa・s以上15.0Pa・s以下であることがより好ましく、2.0Pa・s以上10.0Pa・s以下であることがさらに好ましい。
ポリアミド酸溶液の粘度が1.0Pa・s以上であると、十分な膜厚精度が確保される。また、ポリアミド酸溶液の粘度が20.0Pa・s以下であると、ゲル化が抑制され、異物除去のためのろ過工程に要する時間が短くなり、生産性も良好となる。ポリアミド酸溶液の粘度を15.0Pa・s以下とすることでさらに生産性を向上させることが可能となる。
なお、粘度の測定条件は、粘度計 RE−215/U(東機産業株式会社製)を用い、JIS K7117−2:1999に記載の方法にて粘度を測定する。付属の恒温槽を23.0℃に設定し、測定温度は常に一定となるように調整する。
<ポリアミド酸溶液に対する加工特性または各種機能性の付与>
ポリアミド酸溶液に対して、加工特性または各種機能性を付与するために、その他の様々な有機若しくは無機の低分子化合物、または、有機若しくは無機の高分子化合物を配合してもよい。
例えば、染料、可塑剤、無機微粒子および/または増感剤等が用いられてもよい。無機微粒子としては、微粒子状の二酸化ケイ素(シリカ)粉末若しくは酸化アルミニウム粉末等の無機酸化物粉末、または、微粒子状の炭酸カルシウム粉末若しくはリン酸カルシウム粉末等の無機塩粉末を挙げることができる。ただし、これらの無機微粒子の粗大な粒は、次工程以降での欠陥の原因となる可能性がある。そのため、これらの無機微粒子は、均一に分散されることが好ましい。また、これらの無機微粒子は、多孔質または中空構造であってもよい。そして、無機微粒子の機能としては、顔料またはフィラー等が挙げられる。また、その形態は繊維等であってもよい。
<ポリアミド酸溶液の後処理>
上述のようにして得られたポリアミド酸溶液には、必要に応じて、異物を低減するためにろ過処理を実施する。
ろ過に用いるフィルターは、ろ過する溶液がフィルターの材質を侵さないものであれば、特に制限されず、適したフィルター材料が適宜選択されればよい。フィルター孔径は目的に応じて選択することができ、特に制限されないが、0.01μm〜3μmであることが好ましく、0.1μm〜1μmであることがさらに好ましい。なお、必要に応じて、繰り返してろ過が実施されてもよいし、2種類以上のフィルターを組み合わせて、多段ろ過が実施されてもよい。
そして、ポリアミド酸溶液がろ過されることで、ポリアミド酸溶液中の異物が減少し、異物の少ないポリイミド積層体が得られる。なお、ポリアミド酸溶液中の異物の個数としては、光散乱式液中パーティクルカウンター(詳細な測定装置は後述)を用いて測定した値が、0.5μm以上の異物が100個/g以下であることが好ましく、50個/g以下であることがより好ましい。
<ポリアミド酸溶液の水分について>
上述のポリアミド溶液中の水分は容量滴定カールフィシャー水分計で測定することができる(詳細な測定装置および測定条件は後述)。ポリアミド酸溶液中の水分は500ppm以上、3000ppm以下であることが好ましい。水分が3000ppm以下であればモル比の調整による貯蔵安定性向上の効果が十分に発揮されるため好ましい。さらに1000ppm以下であれば、ポリアミド酸分子中のアミド結合の分解で生じた酸二無水物基と水とが反応して失活する確率を下げ、保管時の粘度変化を抑制できるためより好ましい。溶液中の水分は、原料由来と作業環境由来とに分けることができる。水分を減らすために様々な方法があるが、余分な工程または過剰な設備を用いて必要以上に減らすことも、コストアップになるため好ましくない。例えば、市販のアミド系溶剤の水分は500ppm程度であるため、それ以下に水分を減らすためにはコストアップが伴うため好ましくない。
水分を減らす方法としては、原料の保管を厳密に行って水分の混入を避け、反応雰囲気を乾燥空気または乾燥窒素等で置換することが効果的である。更に減圧下で処理しても良い。
[2.ポリイミド積層体]
<ポリイミド積層体の製造方法>
ポリイミド層と基板とを備えた積層体(例えば、ポリイミド層と基板とからなる積層体)は、上述したポリアミド酸溶液を、基板上に流延し(塗布し)、加熱してイミド化することで製造される。
なお、ここでの基板は、支持体を意図する。具体的には、ガラス基板または各種金属基板が挙げられるが、ガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板には、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、または、無アルカリガラス等が使用される。特に、薄膜トランジスタの製造工程では、無アルカリガラスが一般的に使用されているため、基板としては無アルカリガラスがより好ましい。
ポリイミド積層体に用いる基板の厚みとしては、0.4〜5.0mmが好ましい。基板が0.4mm以上であれば、基板のハンドリングが容易になるため、好ましい。また、基板が5.0mm以下であれば、基板の熱容量が大きくならず、加熱工程および/または冷却工程での生産性が向上するため好ましい。
ポリアミド酸溶液の基板への流延方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、グラビアコート法、スピンコート法、シルクスクリーン法、ディップコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、または、ダイコート法等の公知の流延方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を加熱し、イミド化することによってポリイミド積層体を得る場合の加熱温度、および、加熱時間は適宜決めることができ、特性に影響を与えない限り、特に制限されない。以下に一例を示す。
まず、アルコキシシラン変性ポリアミド酸溶液が無機基板に流延される。そして、ポリアミド酸が塗布された無機基板は60〜200℃の温度で3〜120分加熱(乾燥)されると好ましい。この場合の加熱開始温度は、ポリイミド積層体の生産効率を上げる観点から、100℃以上であることが好ましく、さらに低熱膨張特性を発現させる観点から110〜130℃の温度から加熱を開始し、この温度での加熱時間が10〜60分であることが特に好ましい。また、例えば、100℃にて30分、続いて120℃にて30分のように、2段階の温度で乾燥してもよい。
次に、イミド化を進めるため、上述のポリアミド酸が塗布された無機基板は、温度200〜500℃で3分〜300分加熱される。このとき低温から徐々に高温にし、最高温度まで昇温することが好ましい。昇温速度は2℃/分〜10℃/分であることが好ましく、4℃/分〜10℃/分であることがより好ましい。
また、イミド化における最高温度は300〜500℃の温度範囲であることが好ましい。最高温度が300℃以上であれば、十分に熱イミド化が進行し、最高温度が500℃以下であれば、ポリイミドの熱劣化を抑制できる。また、最高温度に到達するまでに、任意の温度で任意の時間、保持してもよい。加熱雰囲気は、空気下、減圧下、または窒素等の不活性ガス中でのいずれであってもよい。また、加熱装置としては、熱風オーブン、赤外オーブン、真空オーブン、イナートオーブン、またはホットプレート等の公知の装置を用いてよい。
<イミド化触媒>
なお、イミド化の場合、必要に応じて、ポリアミド酸溶液に、イミド化触媒が加えられて、さらに加熱されてもよい。
イミド化触媒としては、3級アミンを用いることが好ましい。3級アミンは、複素環式の3級アミンであることがさらに好ましい。複素環式の3級アミンの好ましい具体例としては、ピリジン、2,5−ジエチルピリジン、ピコリン、キノリン、または、イソキノリン等が挙げられる。
イミド化剤の使用量は、アルコキシシラン変性ポリアミド酸の反応部位に対して0.01〜2.00当量、特に0.02〜1.20当量であることが好ましい。イミド化触媒が0.01当量以上であれば、十分に触媒の効果が得られる。イミド化触媒が2.00当量以下であれば、反応に関与しない触媒の割合が少ないため好ましい。
<ポリイミド層の線膨張特性>
ポリイミド積層体のポリイミド層は、低線膨張特性を有する。例えば熱機械分析(TMA:Thermo Mechanical Analysis)によりこれらの値を測定する場合、まず、ポリイミド積層体よりポリイミド層が剥離される。そして、かかるポリイミド層の膜の膜厚が測定された後、その膜が10mm×3mmのサイズにカットされる。そして、このカットされた試料(フィルム試料)は、その長辺に荷重29.4mNを加えられ、窒素雰囲気下にて10℃/minで20℃から500℃まで一旦昇温させられた後、20℃まで冷却され、さらに500℃まで10℃/minで昇温される。この過程において、2回目の昇温時の100℃から300℃における単位温度あたりの試料の歪の変化量から線膨張係数が求められる。
この測定方法により求めた線膨張係数が、無機基板と同等の線膨張係数を有するという観点から−10ppm/K以上20ppm/K以下であることが好ましく、基板材料として一般的に用いられる無機ガラスと同等であるという観点から1ppm/K以上15ppm/K以下であることがより好ましく、ディスプレイ用途に一般的に用いられている無アルカリガラスと同等であるという観点から3ppm/K以上10ppm/K以下であることがさらに好ましく、6ppm/K以上8ppm/K以下であることが特に好ましい。なお、本明細書における線膨張係数は、上記測定方法によって求めた100℃から300℃の範囲での線膨張係数を示すこととする。
<ポリイミド層の膜厚>
ポリイミド層の厚みは、5〜50μmであることが好ましい。ポリイミド層の厚みが5μm以上であれば、基板として必要な機械強度が確保できる。また、ポリイミド層の厚みが50μm以下であれば、ポリイミド層と基板との積層体を自然剥離せずに得ることができる。
<ポリイミド積層体の特性例>
以上のようにして得られたポリイミド積層体は、貯蔵安定性およびプロセス整合性に優れており、公知の液晶パネル用薄膜トランジスタプロセスによるフレキシブルデバイスの製造に好適に用いることができる。
例えば、アルコキシシラン変性ポリアミド酸溶液が無アルカリガラス基板上に流延され、加熱されてイミド化させた場合に、さらに、ポリアミド酸骨格に特定の構造が選択されると、線膨張係数が−10ppm/K以上20ppm/K以下であるポリイミド層と無アルカリガラス基板とを備えた積層体が得られる。そして、この積層体を用いることで、優れた特性を有するフレキシブルデバイスが得られる。
また、ポリアミド酸溶液より製造されるポリイミド積層体は、ポリイミド層と基板との密着性に優れている。ポリイミド積層体において、ポリイミド層と基板との密着性は、90°ピール強度で評価することができる。
なお、ピール強度の測定方法はASTM D1876−01規格に従う(詳細については後述)。そして、ピール強度は、0.15N/cm以上であることが好ましい。ピール強度が0.15N/cm以上であれば、電子素子形成時の剥離を抑制することができるためである。
[3.電子素子形成および剥離]
以上のようなポリイミド積層体を用いることで、優れた特性を有するフレキシブルディスプレイ基板が得られる。すなわち、ポリイミド積層体のポリイミド層の上に、電子素子を形成し、その後、そのポリイミド層を基板から剥離することで、フレキシブルディスプレイ基板が得られる。
フレキシブルディスプレイ基板としては、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜基板、または、太陽電池基板等が挙げられる。基板からポリイミド層を剥離する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、手で引き剥がしてもよいし、駆動ロールまたはロボット等の機械装置を用いて引き剥がしてもよい。さらには、基板とポリイミド層との間に剥離層を設ける方法でもよい。また、例えば、多数の溝を有する基板上に酸化シリコン膜を形成し、エッチング液を浸潤させることによって剥離する方法、または、基板上に非晶質シリコン層を設けレーザー光によって分離させる方法を挙げることもできる。
さらに、フレキシブルディスプレイ基板は、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、または、タッチパネルなどの電子デバイス(フレキシブルデバイス)に用いることができる。
[4.ポリイミド積層体の製造方法およびその利用に関する表現]
なお、以上のポリイミド層と基板とを備えたポリイミド積層体の製造方法およびその利用に関して、以下のように表現することもできる。
ポリイミド積層体の製造方法では、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとにより合成されるポリアミド酸、および、溶媒を含むポリアミド酸溶液を、基板上に塗布し、その基板上にポリイミド層を形成させる工程を含む。
そして、ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒は、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、およびキシレンからなる溶媒群Aより選ばれる少なくとも1つと、N−メチル−2−ピロリドンとを含む。さらに、上記ポリアミド酸溶液の粘度が、1.0Pa・s以上20.0Pa・s以下である。
また、上記ポリアミド酸溶液におけるポリアミド酸の固形分濃度が10重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
また、ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、溶媒群Aより選ばれる少なくとも1つが、ポリアミド酸溶液に含まれる全溶媒に対して、3重量%以上30重量%以下含まれると好ましい。
また、上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、N−メチル−2−ピロリドンと溶媒群Aに包含される溶媒との重量比が85:15〜95:5であることが好ましい。
また、上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、N−メチル−2−ピロリドンと溶媒群Aに包含される溶媒との重量比が90:10〜95:5であることが好ましい。
また、溶媒群Aより選ばれる溶媒が、4−メチル−2−ペンタノンであると好ましい。
また、ポリアミド酸が、アルコキシシランによって変性されていると好ましい。
また、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物のうち50%以上が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であると好ましい。
また、上記ポリアミド酸を構成するジアミンのうち50%以上が、パラフェニレンジアミンおよび1,4−シクロヘキサンジアミンから選ばれることが好ましい。
また、ポリイミド積層体のポリイミド層の線膨張係数が、−10ppm/K以上20ppm/K以下であると好ましい。
そして以上のようなポリイミド積層体の製造方法で得られたポリイミド積層体におけるポリイミド層に電子素子を形成する工程と、その電子素子を形成されたポリイミド層を基板から剥離する工程と、を含むフレキシブルディスプレイ基板の製造方法も、本発明といえる。
また、フレキシブルディスプレイ基板の製造方法で得られたフレキシブルディスプレイ基板を含むフレキシブルデバイスも、本発明といえる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施形態の変更が可能である。
下記の表1に記載の条件にて、重量平均分子量(Mw)を求めた。
Figure 2016136597
[異物測定]
あらかじめ異物量を測定したN−メチル−2−ピロリドンを容量100mLのクリーンボトルに65g程度に計量し、このクリーンボトルにさらに実施例で得られた各溶液を15g程度計量する。このクリーンボトルを撹拌脱泡機(THINKY製:AR−250)にて回転数2000rpmで撹拌3分、脱泡27分処理し、測定用の希釈された溶液を調整した。
この調整した溶液を光散乱式パーティクルカウンター(スペクトリス製:SL1500、最小可測粒径:0.2μm)で測定した。1回の測定量は10mL(初めの1mLは破棄)とし6回の測定(合計54mL)を実施した。得られた測定値から、下記式に従い溶液1gあたりに含まれる0.5μm以上の異物の個数を算出した。
溶液1gあたりに含まれる異物の個数=
(A−(B×Wb/(Wa+Wb)))/54/(Wa/(Wa+Wb))
ただし、式に用いた記号は以下のことを表す。
A :0.5μm以上の異物の個数の測定値
B :希釈に用いたN−メチル−2−ピロリドンの0.5μm以上の異物の個数の測定値
Wa:実施例で得られた溶液を計量した重量(g)
Wb:希釈に用いたN−メチル−2−ピロリドンを計量した重量(g)
なお、本測定に用いたパーティクルカウンターには、使用前にJIS B9925の規格に従い校正を実施した。
[水分]
容量滴定カールフィッシャー水分計 890タイトランド(メトロームジャパン株式会社製)を用いて、JIS K0068の容量滴定法に記載の方法にてアルコキシシラン変性ポリアミド酸溶液中の水分を測定した。ただし、アクアミクロンGEX(三菱化学式会社製)とN−メチルピロリドンとの1:4の混合溶液を滴定溶剤として用いた。
[粘度]
粘度計 RE−215/U(東機産業株式会社製)を用い、JIS K7117−2:1999に記載の方法にて粘度を測定した。付属の恒温槽を23.0℃に設定し、測定温度は常に一定にした。
[ポリイミド層の表面性の評価]
下記の実施例および比較例に記載の方法にて、ポリイミド積層体を作成し、その表面の平滑性を目視にて観察し、評価した。評価基準は以下のようにした。
A:ポリイミド層の表面に目視にて観察できる凹凸がない
B:ポリイミド層の端部に目視にて確認できる凹凸がある
C:ポリイミド層の端部および端部以外の一部に目視にて確認できる凹凸がある
D:ポリイミド層の表面全体に目視にて確認できる凹凸がある
なお、本評価方法にて、AまたはBであれば表面が十分に平滑であるとする。
[線膨張係数]
線膨張係数は、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製TMA/SS7100を用い、引張荷重法による熱機械分析で評価した。実施例のポリイミド積層体からポリイミド層を剥がして、10mm×3mmの試料を作製し、長辺に29.4mNの荷重を加え、10℃/minで20℃から500℃まで一旦昇温させた後、20℃まで冷却し、さらに500℃まで10℃/minで昇温したときの、2回目の昇温時の100℃〜300℃の範囲における単位温度あたりの試料の歪の変化量を線膨張係数とした。
[ピール強度]
ASTM D1876−01規格に従い、カッターナイフにてポリイミド積層体を10mm幅に切断し、東洋精機製引張試験機(ストログラフVES1D)を用いて、23℃55%RH条件下、引張速度50mm/minにて50mm引き剥がした場合の90°剥離強度の平均値をピール強度として評価した。
[合成例1]
<ポリアミド酸溶液の製造>
ポリテトラフルオロエチレン製シール栓付き攪拌器、攪拌翼、および、窒素導入管を備えた容積2Lのガラス製セパラブルフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称することがある)を850.0g入れ、パラフェニレンジアミン(以下、PDAと称することがある)を40.1g、4,4’‐ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと称することがある)を0.6g加え、溶液を油浴で50.0℃に加熱しながら窒素雰囲気下で30分間攪拌した。
原料が均一に溶解したことを確認した後、BPDA109.3gを加え、原料が完全に溶解するまで窒素雰囲気下で10分間攪拌しながら、溶液の温度を約90℃に調整した。さらに一定の温度で加熱しながら攪拌を続けて粘度を下げ、23℃で粘度190ポイズを示す粘調なポリアミド酸溶液を得た。
なお、このポリアミド酸溶液におけるジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は全反応液に対して15重量%であり、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比は、0.995である。ポリアミド酸の分子量を測定したところMw=67000であった。
<アルコキシシラン化合物による変性>
この反応溶液を水浴で速やかに冷却し、溶液の温度を約50℃に調整した。次に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下、γ―APSと称することがある)の1%NMP溶液を7.5g加え、2時間攪拌した。
[実施例1]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度が13.0重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/MIBK=90/10となるように、NMPおよびMIBKを添加して希釈し、23℃で粘度が7.3Pa・sで、水分が1700ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を孔径が0.5μmのフィルターと0.2μmのフィルターとを用いて多段ろ過した。異物の評価結果については、下記表2に示す。
<ポリイミド積層体の製造>
得られたポリアミド酸溶液を、両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス板(コーニング社製 イーグルXG)上にバーコーターで乾燥後の厚みが20μmになるように流延し、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥した。その後、かかる無アルカリガラス板を、窒素雰囲気下で20℃から180℃まで4℃/分で昇温し、30分保持し、さらに450℃まで4℃/分で昇温し、450℃で10分間加熱した。これにより、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。なお、無アルカリガラス板の線膨張係数は3〜4ppm/Kである。
[実施例2]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が13.0重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/MIBK=95/5となるように、NMPおよびMIBKを添加して希釈し、23℃で粘度が7.3Pa・sで、水分が2200ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例3]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が11.5重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/THF=75/25となるように、NMPおよびTHFを添加して希釈し、23℃で粘度が4.0Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例4]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が13.0重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/キシレン=90/10となるように、NMPおよびキシレンを添加して希釈し、23℃で粘度が7.8Pa・sで、水分が2500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例5]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が13.0重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/シクロヘキサノン=90/10となるように、NMPおよびシクロヘキサノンを添加して希釈し、23℃で粘度が7.0Pa・sで、水分が1800ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[合成例2]
<ポリアミド酸溶液の製造>
ポリテトラフルオロエチレン製シール栓付き攪拌器、攪拌翼、および、窒素導入管を備えた容積2Lのガラス製セパラブルフラスコにNMPを850.0g入れ、1,4−シクロヘキサンジアミン41.4gを加え、溶液を窒素雰囲気下で30分間攪拌した。
原料が均一に溶解したことを確認した後、BPDA103.6gを加え、さらに9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物5.0gを加え、反応初期に生成する塩が溶解し始め、重合反応が開始するまで窒素雰囲気下で、溶液の温度を約80℃に調整し、30分間撹拌した。その後室温まで冷却し、さらに5時間撹拌し、23℃で粘度が226.0Pa・sを示す粘調なポリアミド酸溶液を得た。
なお、このポリアミド酸溶液におけるジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は、全反応液に対して15重量%であり、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比は、1.000である。ポリアミド酸の分子量を測定したところMw=64000であった。
[実施例6]
合成例2で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が9.5重量%となり、かつ溶液中の溶媒の比率がNMP/MIBK=90/10となるように、NMPおよびMIBKを添加して希釈し、23℃で粘度が7.0Pa・sで、水分が1300ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
<ポリイミド積層体の製造>
得られたポリアミド酸溶液を、両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス板(コーニング社製 イーグルXG)上にバーコーターで乾燥後の厚みが10μmになるように流延し、熱風オーブン内で120℃にて20分乾燥した。その後、かかる無アルカリガラス板を、窒素雰囲気下で20℃から350℃まで5℃/分で昇温し、350℃で1時間加熱し、ポリイミド層の厚みが10μmのポリイミド積層体を得た。
[合成例3]
<ポリアミド酸溶液の製造>
ポリテトラフルオロエチレン製シール栓付き攪拌器、攪拌翼、および、窒素導入管を備えた容積2Lのガラス製セパラブルフラスコに、NMPを830.0g入れ、PDAを45.4g、ODAを0.7g加え、溶液を油浴で50.0℃に加熱しながら窒素雰囲気下で30分間攪拌した。
原料が均一に溶解したことを確認した後、BPDA123.9gを加え、原料が完全に溶解するまで窒素雰囲気下で10分間攪拌しながら、溶液の温度を約90℃に調整した。さらに一定の温度で加熱しながら攪拌を続けて粘度を下げ、23℃で粘度735ポイズを示す粘調なポリアミド酸溶液を得た。
なお、このポリアミド酸溶液におけるジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は全反応液に対して17重量%であり、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比は、0.995である。ポリアミド酸の分子量を測定したところMw=70000であった。
<アルコキシシラン化合物による変性>
この反応溶液を水浴で速やかに冷却し、溶液の温度を約50℃に調整した。次に、γ―APSの1%NMP溶液を8.4g加え、2時間攪拌した。
[実施例7]
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が12.8重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/THF=75/25となるように、NMPおよびMIBKを添加して希釈し、23℃で粘度が8.0Pa・sで、水分が2500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例8]
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が12.8重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/THF=75/25となるように、NMPおよびTHFを添加して希釈し、23℃で粘度が5.6Pa・sで、水分が2500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例9]
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が12.8重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/キシレン=75/25となるように、NMPおよびキシレン」を添加して希釈し、23℃で粘度が8.1Pa・sで、水分が2500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例10]
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が12.8重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/シクロヘキサノン=75/25となるように、NMPおよびシクロヘキサノンを添加して希釈し、23℃で粘度が8.3Pa・sで、水分が2500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例1〜10に関する観察]
実施例1〜10の得られた積層体を観察すると、ポリイミド層と無アルカリガラス板との間に気泡および浮きは観察されず、加熱中に自然に剥離することはなかった。そして、無アルカリガラス板からポリイミド層を引き剥がすことが可能であった。なお、ポリイミド層の表面性の評価については、表2に示す。
[比較例1]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が13.0重量%となるようにNMPを加えて希釈し、23℃で粘度が7.0Pa・sで、水分が1900ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を孔径が0.5μmのフィルターと0.2μmのフィルターとを用いて多段ろ過した。異物の評価結果については、表2に示す。
ろ過後のポリアミド酸溶液を、実施例1と同様に、ポリイミド積層体を製造しようとした。しかしながら、かかるポリアミド酸溶液を、無アルカリガラス板に塗工後、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥したところで、フィルム表面にゆず肌状の凹凸ができた。
その後、窒素雰囲気下で20℃から180℃まで4℃/分で昇温し、30分保持し、さらに450℃まで4℃/分で昇温し、450℃で10分間加熱し、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例2]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を希釈せずに、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を製造しようとした(なお、ポリアミド酸溶液の粘度は23℃で13.5Pa・sであった)。しかしながら、かかるポリアミド酸溶液を、無アルカリガラス板に塗工後、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥したところで、フィルム表面にゆず肌状の凹凸ができた。その後、比較例1と同様にして、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例3]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が11.2重量%となり、かつ溶液中の溶媒の比率が、NMP/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=90/10となるように、NMPおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して希釈し、23℃で粘度が7.5Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様に、ポリイミド積層体を製造しようとした。しかしながら、かかるポリアミド酸溶液を、無アルカリガラス板に塗工後、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥したところで、フィルム表面にゆず肌状の凹凸ができた。その後、比較例1と同様にして、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例4]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が11.2重量%となり、かつ溶液中の溶媒の比率が、NMP/ブチルセロソルブ=90/10となるように、NMPおよびブチルセロソルブを添加して希釈し、23℃で粘度が9.0Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様に、ポリイミド積層体を製造しようとした。しかしながら、かかるポリアミド酸溶液を、無アルカリガラス板に塗工後、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥したところで、フィルム表面にゆず肌状の凹凸ができた。その後、比較例1と同様にして、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例5]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が11.2重量%となり、かつ溶液中の溶媒の比率が、NMP/γ―ブチロラクトン=90/10となるように、NMPおよびγ―ブチロラクトンを添加して希釈し、23℃で粘度が6.8Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様に、ポリイミド積層体を製造しようとした。しかしながら、かかるポリアミド酸溶液を、無アルカリガラス板に塗工後、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥したところで、フィルム表面にゆず肌状の凹凸ができた。その後、比較例1と同様にして、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例6]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が12.8重量%となり、かつ溶液中の溶媒の比率が、NMP/ジイソブチルケトン=90/10となるように、NMPおよびジイソブチルケトンを添加して希釈し、23℃で粘度が8.0Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様に、ポリイミド積層体を製造しようとした。しかしながら、かかるポリアミド酸溶液を、無アルカリガラス板に塗工後、熱風オーブン内で120℃にて30分乾燥したところで、フィルム表面にゆず肌状の凹凸ができた。その後、比較例1と同様にして、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例1〜6に関する観察]
比較例1〜6の得られた積層体を観察すると、表面状態が悪く、均一な厚みのポリイミド層が得られなかったため、物性の測定は不可であった。なお、ポリイミド層の表面性の評価については、表2に示す。
[参考例1]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が13.0重量%となるようにNMPを加えて希釈し、23℃で粘度が7.0Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス板(コーニング社製 イーグルXG)上にバーコーターで乾燥後の厚みが20μmになるように流延し、熱風オーブン内で60℃にて20分乾燥した。その後、かかる無アルカリガラス板を、窒素雰囲気下で20℃から150℃まで4℃/分で昇温し、150℃で20分保持し、続いて350℃まで4℃/分で昇温し、350℃で20分間加熱し、さらに続いて450℃まで4℃/分で昇温し、450℃で10分保持した。これにより、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例7]
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度が13.0重量%となるようにNMPを加えて希釈した、23℃で粘度7.0Pa・sで、水分が2000ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス板(コーニング社製 イーグルXG)上にバーコーターで乾燥後の厚みが20μmになるように流延し、熱風オーブン内で80℃にて20分乾燥した。その後、かかる無アルカリガラス板を、窒素雰囲気下で20℃から150℃まで4℃/分で昇温し、150℃で20分保持し、続いて350℃まで4℃/分で昇温し、350℃で20分間加熱し、さらに続いて450℃まで4℃/分で昇温し、450℃で10分保持した。これにより、ポリイミド層の厚みが20μmのポリイミド積層体を得た。
[比較例1と参考例1および比較例7とに関する観察、並びに初期乾燥温度について]
参考例1および比較例7の得られた積層体を観察すると、ポリイミド層と無アルカリガラスとの間に気泡および浮きは観察されず、加熱中に自然に剥離することはなかった。そして、無アルカリガラス板からポリイミド層を引き剥がすことが可能であった。
言い換えれば、比較例1での乾燥開始温度120℃から、参考例1および比較例7での乾燥開始温度を60℃または80℃へと低下させることで、表面性はDからBまたはCへと改善する。しかしながら、このような100℃以下の乾燥開始温度では加熱時間と冷却時間とが長くなるため、生産性が低下する。さらに参考例1および比較例7では線膨張係数が15ppm/Kおよび17ppm/Kとなり、ガラス基板との線膨張係数の差が5ppm/K以上になっている。
[合成例4]
<ポリアミド酸溶液の製造>
ポリテトラフルオロエチレン製シール栓付き攪拌器、攪拌翼、および、窒素導入管を備えた容積2Lのガラス製セパラブルフラスコに、NMPを780.0g入れ、PDAを59.2g、ODAを0.9g加え、溶液を油浴で50.0℃に加熱しながら窒素雰囲気下で30分間攪拌した。
原料が均一に溶解したことを確認した後、BPDA151.8gを加え、原料が完全に溶解するまで窒素雰囲気下で10分間攪拌しながら、溶液の温度を約90℃に調整した。さらに一定の温度で加熱しながら攪拌を続けて粘度を下げ、23℃で粘度41ポイズを示す粘調なポリアミド酸溶液を得た。
なお、このポリアミド酸溶液におけるジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は全反応液に対して22重量%であり、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比は、0.935である。ポリアミド酸の分子量を測定したところMw=20000であった。
<アルコキシシラン化合物による変性>
この反応溶液を水浴で速やかに冷却し、溶液の温度を約50℃に調整した。次に、γ―APSの1%NMP溶液を11.0g加え、2時間攪拌した。
[実施例11]
合成例4で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が20.5重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/MIBK=95/5となるように、NMPおよびMIBKを添加して希釈し、23℃で粘度が2.5Pa・sで、水分が1500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例12]
合成例4で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度が20.5重量%となり、かつ、溶液中の溶媒の比率がNMP/THF=95/5となるように、NMPおよびTHFを添加して希釈し、23℃で粘度が2.4Pa・sで、水分が1500ppmを示すポリアミド酸溶液を得た。そして、得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。
[実施例11および12に関する観察]
実施例11および12の得られた積層体を観察すると表面性は良好であったが、均一な厚みのポリイミド層が脆く引き剥がすことが出来なかったため、物性の測定は不可であった。なお、ポリイミド層の表面性の評価については、表2に示す。
Figure 2016136597
[表2に関する総評]
実施例1〜12のポリイミド積層体におけるポリイミド層は、20μm程度の厚みでも表面が平滑であった。また、ポリイミド積層体では、ポリイミド層と無アルカリガラス板との間に気泡が発生しなかった。これに対して、比較例1〜7のポリイミド積層体におけるポリイミド層は、表面平滑性が悪く、ディスプレイ基板用途に適応させられなかった。
また、実施例1〜12のポリイミド層は、無アルカリガラス板から剥離した後も、カールしたり反ったりすることはなかった。これは、ポリイミド層の線膨張係数が20ppm/K以下であり、ポリイミド層直下の基板の線膨張係数と近いためである(基板とポリイミド層との線膨張係数の差が、10ppm/K以下である)。
なお、実施例1〜12、比較例1〜7および参考例1のすべてにおけるポリアミド酸溶液の水分は500ppm以上、3000ppm以下であり貯蔵時の粘度変化はこれらの結果に影響しなかった。
本発明は、例えば、フラットパネルディスプレイおよび電子ペーパー等の電子デバイスの分野において好適に利用することができる。

Claims (12)

  1. ポリイミド層と基板とを備えたポリイミド積層体の製造方法であって、
    テトラカルボン酸二無水物とジアミンとにより合成されるポリアミド酸、および、溶媒を含むポリアミド酸溶液を、基板上に塗布し、その基板上にポリイミド層を形成させる工程を含み、
    上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒が、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、およびキシレンからなる溶媒群Aより選ばれる少なくとも1つと、N−メチル−2−ピロリドンとを含み、
    かつ、上記ポリアミド酸溶液の粘度が、1.0Pa・s以上20.0Pa・s以下である、ポリイミド積層体の製造方法。
  2. 上記ポリアミド酸溶液におけるポリアミド酸の固形分濃度が10重量%以上20重量%以下である、請求項1に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  3. 上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、溶媒群Aより選ばれる少なくとも1つが、ポリアミド酸溶液に含まれる全溶媒に対して、3重量%以上30重量%以下含まれる、請求項1または2に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  4. 上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、N−メチル−2−ピロリドンと溶媒群Aに包含される溶媒との重量比が85:15〜95:5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  5. 上記ポリアミド酸溶液に含まれる溶媒中で、N−メチル−2−ピロリドンと溶媒群Aに包含される溶媒との重量比が90:10〜95:5である、請求項4に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  6. 上記溶媒群Aより選ばれる溶媒が、4−メチル−2−ペンタノンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  7. 上記ポリアミド酸が、アルコキシシランによって変性されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  8. 上記ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物のうち50%以上が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  9. 上記ポリアミド酸を構成するジアミンのうち50%以上が、パラフェニレンジアミンおよび1,4−シクロヘキサンジアミンから選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  10. 上記ポリイミド積層体のポリイミド層の線膨張係数が、−10ppm/K以上20ppm/K以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリイミド積層体の製造方法で得られたポリイミド積層体におけるポリイミド層に電子素子を形成する工程と、
    上記電子素子を形成された上記ポリイミド層を上記基板から剥離する工程と、
    を含むフレキシブルディスプレイ基板の製造方法。
  12. 請求項11に記載の製造方法で得られたフレキシブルディスプレイ基板を含むフレキシブルデバイス。
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