JP2020128527A - ガラス基板への塗工用ポリアミック酸溶液 - Google Patents

ガラス基板への塗工用ポリアミック酸溶液 Download PDF

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祐己 山田
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洋輔 杉本
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朗 繁田
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Yoshiaki Echigo
良彰 越後
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【課題】粒子径が5μm以上の異物数を極めて低いレベルとした、ガラス基板への塗工用ポリアミック酸(PAA)溶液およびその製造方法の提供。【解決手段】<1> PAAと溶媒とからなる、ガラス基板への塗工用溶液であって、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数が10個/g以下であり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数が100個/g超、8000個/g以下であることを特徴とするガラス基板への塗工用PAA溶液。<2> 粒子径5μm以上の異物を10個/g超含むPAA溶液を、公称孔径が1.0μm以上、4.0μm以下のフィルタで、循環濾過することを特徴とする前記PAA溶液の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミド(PI)前駆体であるポリアミック酸(PAA)を含有する塗工用溶液に関するものであり、この塗工用溶液はガラス基板に適用される。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELディスプレイ(OLED)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)、および電子ペーパー等の電子デバイスの分野では、主としてガラス基板上に電子素子を形成したものが用いられているが、ガラス基板は剛直であり、しなやかさに欠けるため、フレキシブルになりにくいという問題がある。
そこで、フレキシブル性を有し、かつ良好な耐熱性と寸法安定性とを有するPIフィルムをフレキシブル基板として用いる方法が提案されている。例えば、PIの前駆体であるPAA溶液を塗工、乾燥してPAA塗膜とし、これを熱硬化することによりガラス基板上にPIフィルムが積層一体化された状態としたものを利用することが提案されている。すなわち、ガラス基板上にPAA溶液を塗工、乾燥、熱硬化することにより得られるPIフィルムの表面に、例えばOLED素子等の電子素子を形成後、最後にPIフィルムをガラス基板から剥離することにより、LCD等のフレキシブル基板とするものである。このPAA溶液に異物が多量に混入していると、フレキシブル基板とした際に欠陥となる。このような異物は、例えば、特許文献1に記載されているように、高精度のAOI(Automated Optical Inspection)を用いた検査工程を経たのち、点灯試験を行った際に、不良品を発生させる原因となる。従い、PAA溶液中のこのような異物ができるだけ除去されたPAA溶液が望まれている。
このような異物を除去する方法として、例えば、特許文献1、2には、公称孔径が0.2μmまたは0.5μmという極微細な孔径を有するフィルタにPAA溶液を通して濾過することにより、異物を除去する方法が提案されている。
特開2017−162718号公報 国際公開2015/182419号 国際公開2016/136597号
しかしながら、これら極微細なフィルタで濾過したものであっても、前記した高精度のAOIで検出される異物を完全に除去することは困難であった。また、このような極微細なフィルタは、高価であり、かつ通液の際の圧力損失(通液抵抗)が大きいので、粘性を有するPAA溶液の通液に際しては、加圧して濾過しなければならず、運転コストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明は前記課題を解決するものであって、粒子径が5μm以上の異物数を極めて低いレベルとしたガラス基板への塗工用PAA溶液およびその製造方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するために鋭意研究した結果、異物数を特定の範囲にしたPAA溶液からフレキシブル基板を得た際に、高精度のAOIによる検出される異物が許容範囲となるPIフィルムが得られることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は下記を趣旨とするものである。
<1> PAAと溶媒とからなる、ガラス基板への塗工用溶液であって、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数が10個/g以下であり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数が100個/g超、8000個/g以下であることを特徴とするガラス基板への塗工用PAA溶液。
<2> 粒子径5μm以上の異物を10個/g超含むPAA溶液を、公称孔径が1.0μm以上、4.0μm以下のフィルタで、循環濾過することを特徴とする前記PAA溶液の製造方法。
本発明のPAA溶液は、粒子径が5μm以上の異物数が極めて低いレベルに維持されているので、電子素子が形成されたPIフィルムからなるフレキシブル基板を製造するためのガラス基板塗工用溶液として好適に用いることができる。また、本発明のPAA溶液の製造法においては、公称孔径が比較的大きいフィルタを用いるので、簡単かつ低コストで異物数が低減されたPAA溶液を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のPAA溶液は、ガラス基板上への塗工用溶液であって、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数が10個/g以下であり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数が100個/g超、8000個/g以下であることが必要である。粒子径5μm以上、10μm以下の異物数は5個/g以下であることが好ましく、2個/g以下であることがより好ましい。粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物は100個/g超、5000個以下であることが好ましく、100個/g超、3000個以下であることがより好ましい。このようにすることにより、このPAA溶液から得られるPIフィルム中をフレキシブル基板として用いた際、当該PIフィルムの異物の個数を、許容範囲とすることができる。ここで、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数は、JIS B9916で規定された「光遮蔽式液中パーティクルカウンタ」で測定することができる。光遮蔽式液中パーティクルカウンタの具体例としては、リオン社製KS42Dを挙げることができる。また、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数は、JIS B9925で規定された「光散乱式液中パーティクルカウンタ」で測定することができる。光散乱式液中パーティクルカウンタの具体例としては、リオン社製KS42Aを挙げることができる。
ガラス基板としては、例えば、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、または無アルカリガラス等からなる基板を用いることができ、これらのなかで、無アルカリガラス基板を好ましく用いることができる。これらのガラス基板は、シランカップリング剤処理等公知の表面処理がなされていてもよい。
ガラス基板の厚みとしては、0.3〜5.0mmが好ましい。厚みが0.3mmより薄いと基板のハンドリング性が低下することがある。また、厚みが5.0mmより厚いと生産性が低下することがある。
本発明で用いられるPAA溶液は 原料となるテトラカルボン酸類およびジアミンの略等モルを、溶媒中で重合反応させることにより得られるものである。
テトラカルボン酸類(テトラカルボン酸、その二無水物またはエステル化物等)としては、例えば、ピロメリット酸類、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸類、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸類、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸類、4,4′−オキシジフタル酸類、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸類、p−ターフェニルテトラカルボン酸類、m−ターフェニルテトラカルボン酸類等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸類は、単体または混合物として使用することができる。 これらの中で、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、およびそれらの混合物が好ましい。
ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン(PDA)、m−フェニレンジアミン、4,4′−オキシジアニリン(ODA)、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン等を挙げることができる。これらの芳香族ジアミンは、単体または混合物として使用することができる。 これらの中で、PDA、ODA、およびそれらの混合物が好ましい。
PAA溶液に用いられる溶媒に制限はないが、アミド系溶媒を好ましく用いることができる。アミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または混合物として用いることができる。これらの中で、NMP、DMAc、およびそれらの混合物が好ましい。これらの溶媒は、脱水されていることが好ましく、その含水率は500ppm以下であることが好ましく、200ppm以下であることがより好ましい。
PAA溶液を製造する際の反応温度としては、−30〜70℃が好ましく、−15〜60℃がより好ましい。またこの反応において、モノマーおよび溶媒の添加順序は特に制限はなく、いかなる順序でもよい。PAAの固形分濃度としては1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。このPAAは部分的にイミド化されていてもよい。なお、これらのPAA溶液は市販品を用いることもできる。 市販品としては、「UイミドワニスAH、AR」(ユニチカ社製) 「ユピア−ST」(宇部興産社製) 「PI−2611」(日立化成デュポンマイクロシステムズ社製)等を用いることが好ましい。これらは、いずれも酸成分としてBPDA、ジアミン成分としてPDAを用いて得られるPAAのNMP溶液である。
PAA溶液は、前記のようにして得られたPAA溶液にアルコキシシラン化合物を配合することができる。ここで、アルコシキシラン化合物の配合量は、PAA質量に対し、5ppm超、100ppm未満とすることが好ましい。アルコシキシラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等、およびそれらの混合物を挙げることができる。
PAA溶液には、他の重合体が本発明の効果を損なわない範囲で添加されていてもよい。
本発明のPAA溶液は、例えば、以下の様にして製造することができる。すなわち、前記の様にして得られたPAA溶液を公称孔径が5.0μm以下のフィルタを用いて単純濾過して、粒子径5μm以上の異物を10個/g超含むPAA溶液を得たのち、これを公称孔径が1.0μm以上、4.0μm以下のフィルタで、循環濾過することにより得ることができる。このような公称孔径が比較的大きいフィルタ、すなわち通液抵抗が小さいフィルタを用いることにより、低圧で高い通液速度を確保することができる。このようなフィルタは市販品を用いることができる。 フィルタの形状としては、メンブラン型、不織布型、糸巻型などを用いることができ、不織布型が好ましい。ここでフィルタの公称孔径は、フィルタメーカが、特定の粒子径を有する市販の標準粒子の分散液を用いて測定している公表値であり、本発明においては、その粒子の99%以上を捕捉できる粒子径の値を「公称孔径」とする。なお、フィルタは、本来、液中に混入している微細な異物を「確率的」に捕捉するためのものである。従い、例えば、公称孔径が1.0μmの市販フィルタを用いて通常の単純濾過を行っても、濾液中の1.0μm超の異物数を0(皆無)とすることはできない。
循環濾過する際の通液条件としては、PAA溶液の質量に対する合計濾過量を2〜20倍とすることが好ましく、3〜15倍とすることがより好ましい。また、循環濾過に要する時間としては、2〜20時間程度とすることが好ましい。
本発明のPAA溶液は、ガラス基板に塗布、乾燥、熱硬化することにより、PAA塗膜をPIフィルムに変換して積層体とし、しかる後、この表面に電子素子を形成し、最後にPIフィルムをガラス基板から剥離することにより、フレキシブル基板とすることができる。
ガラス基板へのPAA溶液の塗布の方法としては、テーブルコータ、ディップコータ、バーコータ、スピンコータ、ダイコータ、スプレーコータ等公知の方法を用い、連続式またはバッチ式で塗布することができる。
乾燥および熱硬化に際しては、通常の熱風乾燥器、赤外線ランプ等を用いることができる。乾燥温度としては、40℃〜150℃とすることが好ましく、乾燥時間としては、5〜30分程度とすることが好ましい。
乾燥後の塗膜を、段階的に昇温し、PAA塗膜を、熱硬化することが好ましい。熱硬化に際しては、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
昇温の際の最終到達温度は、350℃以上、500℃以下とすることが好ましい。
前記のようにして得られた積層体のPIフィルムの表面に電子素子を形成後、当該PIフィルムをガラス基板から剥離することができる。
ガラス基板からの剥離後のPIフィルムの厚みは、1μm以上、50μm以下とすることが好ましく、5μm以上、30μm以下とすることがより好ましい。
この様にして得られるフレキシブル基板を構成するPIフィルム中の異物の個数が、低減されているので、例えば、前記した点灯試験での不良品発生率を10%以下とすることができる。
電子素子としては、従来電子デバイスの分野で用いられているあらゆる電子素子が使用可能である。電子素子の形成方法は、ポリイミド塗膜(フィルム)をフレキシブル基板として用いる電子デバイスの分野で公知の方法を採用することができる。
電子デバイスとしては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELディスプレイ(OLED)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)、電子ペーパー等のフレキシブルデバイスが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
ガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、PDA(6.00モル)と脱水したNMP(重合溶媒)を投入して攪拌し、PDAを溶解した。この溶液をジャケットで30℃以下に冷却しながら、BPDA(6.15モル)を徐々に加えた後、60℃で100分重合反応させることにより、25℃における溶液粘度が2.6Pa・sで、PAA固形分濃度が20質量%のPAA溶液を得た。このPAA溶液を公称孔径5.0μmの市販の不織布型カ−トリッジフィルタ(F−1)で単純濾過して濾液(A−1)を得た。なお、F−1は、粒子径が5.0μmの標準粒子を含む水分散液から、この粒子を99%以上捕捉できるものである。
A−1の異物数を、前記したJISの規定に基づき、液中パーティクルカウンタで確認した所、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数は、21.5個/gであり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数は12800個/gであった。
なお、このA−1の異物数は、別途循環濾過して調製した清澄なNMPで前記PAA溶液を10倍に希釈したPAA溶液についてパーティクルカウンタによる異物数測定を行い、この希釈PAA溶液の異物数測定値から希釈に用いたNMPの異物個数を差し引いた上で、希釈前のPAA溶液1gあたりの個数として算出した数値である。用いた希釈用NMPの粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数は48.5個/gであり、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数は、1.8個/gであった。
続いて、公称孔径1.0μmの市販の不織布型カ−トリッジフィルタ(F−2)を用い、前記濾液(A−1)1kgを通液速度0.8kg/Hrで5時間循環濾過を行った。この濾液を前記した方法と同様の方法で異物数を測定した。その結果を表1に示した。なお、F−2は、粒子径が1.0μmの標準粒子を含む水分散液から、この粒子を99%以上捕捉できるものである。
<実施例2>
循環濾過時間を10時間としたこと以外は実施例1と同様に行い、濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
<実施例3>
循環濾過用のフィルタとして公称孔径2.5μmの市販の不織布型カ−トリッジフィルタ(F−3)を用い、循環濾過時間を4時間としたこと以外は、実施例1と同様に行い、濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。なお、F−3は、粒子径が2.5μmの標準粒子を含む水分散液から、この粒子を99%以上捕捉できるものである。
<実施例4>
循環濾過用のフィルタとしてF−3を用い、循環濾過時間を5時間としたこと以外は実施例1と同様に行い、濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
<実施例5>
循環濾過用のフィルタとしてF−3を用い、循環濾過時間を10時間としたこと以外は実施例1と同様に行い、濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
<比較例1>
循環濾過時間を1時間としたこと以外は実施例1と同様に行い、濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
<比較例2>
循環濾過用のフィルタとしてF−3を用い、循環濾過時間を1時間としたこと以外は実施例1と同様に行い、濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
<比較例3>
実施例1で用いたPAA溶液を公称孔径0.5μmのメンブラン型フィルタを用いて単純濾過することにより濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数は、13.6個/gであり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数は890個/gであった。
<比較例4>
実施例1で用いたPAA溶液を公称孔径0.2μmのメンブラン型フィルタを用いて単純濾過することにより濾液を得た。この濾液の異物数を実施例1と同様に測定した結果、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数は、10.7個/gであり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数は685個/gであった。
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた濾液を0.7mmの無アルカリガラス基板状に塗工後、100℃で乾燥後、1℃/時間で昇温し400℃で30分熱硬化することにより、厚みが20μmのPIフィルムをガラス基板上に積層した。このPIフィルム表面の異物をAOIで評価した所、実施例1〜5で得られた濾液を用いて得られたPIフィルムは、その異物数が、1個/10cm以下であったのに対し、比較例1〜4で得られた濾液を用いて得られたPIフィルムは、その異物数が2個/10cm以上であった。
Figure 2020128527
本発明のPAA溶液は、異物数を所定の範囲とし、かつ粒子径が5μm以上、10μm以下の異物数が極めて低いレベルに低減されているので、電子素子が形成されたPIフィルムからなるフレキシブル基板を製造するための、ガラス基板への塗工用PAA溶液として好適に用いることができる。
このような異物を除去する方法として、例えば、特許文献2、3には、公称孔径が0.2μmまたは0.5μmという極微細な孔径を有するフィルタにPAA溶液を通して濾過することにより、異物を除去する方法が提案されている。
本発明は下記を趣旨とするものである。
<1> PAAと溶媒とからなる、ガラス基板への塗工用溶液であって、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数が0.6個以上、10個/g以下であり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数が100個/g超、8000個/g以下であることを特徴とするガラス基板への塗工用PAA溶液。
<2> 粒子径5μm以上の異物を10個/g超含むPAA溶液を、公称孔径が1.0μm以上、4.0μm以下のフィルタで、循環濾過することを特徴とする前記PAA溶液の製造方法。

Claims (2)

  1. ポリアミック酸(PAA)と溶媒とからなる、ガラス基板への塗工用溶液であって、粒子径5μm以上、10μm以下の異物数が10個/g以下であり、粒子径0.5μm以上、1.0μm以下の異物数が100個/g超、8000個/g以下であることを特徴とするガラス基板への塗工用PAA溶液。
  2. 粒子径5μm以上の異物を10個/g超含むPAA溶液を、公称孔径が1.0μm以上、4.0μm以下のフィルタで、循環濾過することを特徴とする請求項1記載のPAA溶液の製造方法。
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