JPWO2016136569A1 - 高周波トランス素子、インピーダンス変換素子およびアンテナ装置 - Google Patents

高周波トランス素子、インピーダンス変換素子およびアンテナ装置 Download PDF

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Abstract

複数の絶縁基材の積層体に、第1コイル導体(L1A1,L1B1,L1C1,L1A2,L1B2,L1C2)を含む1次コイル(L1)と、第2コイル導体(L2A1,L2B1,L2C1,L2A2,L2B2,L2C2)を含む2次コイル(L2)と、を備え、第1コイル導体の一部導体(L1A2,L1B2,L1C2)に対して絶縁基材の積層方向に隣接し、絶縁基材の面に沿って配置され、第1コイル導体に流れる高周波電流とは逆方向に高周波電流が流れる磁界相殺用導体パターン(L1D)が積層体に設けられている。

Description

本発明は、インダクタンス素子、高周波トランス素子、高周波トランス素子を備えるインピーダンス変換素子およびアンテナ装置に関するものである。
近年の携帯電話端末等に用いられるアンテナの入力インピーダンスは、広帯域化および小型化の影響により、給電回路のインピーダンスに比べて非常に低い。
このようにインピーダンス比の大きな回路同士を広帯域に亘って整合させるためには、例えば特許文献1に示されているようなトランスによる整合回路が、インピーダンス変換時に周波数特性が現れにくいために有効である。
特許第4900515号公報
ところで、表面実装部品として構成するため、小型の高周波トランスを絶縁基材の積層体に内蔵する場合、平面視で積層体の互いに対向する辺に第1入出力端子および第2入出力端子を形成すると、第1入出力端子から始まり、第2入出力端子で終わるようにコイル導体パターンを形成しようとすると、0.5ターンの倍数でコイル導体パターンを形成する必要がある。
図13は第1入出力端子Taと第2入出力端子Tbとの位置関係および、第1入出力端子Taと第2入出力端子Tbとの間に形成された0.5ターンのコイル導体パターンLhを示す図である。コイル導体パターンのターン数の最小単位は0.5ターンになるので、設計可能なコイル導体パターンのターン数は0.5,1.0,1.5,2.0… のように、0.5の倍数のとびとびの値にしかならない。そのため、インダクタンス値およびトランス比を微妙に設定することは難しい。その結果、様々なインピーダンス変換比の高周波トランスを得ることも難しい。
本発明の目的は、入出力端子の位置が限られていても、所望のインダクタンスを得るために有効な構造のインダクタンス素子、所望のトランス比を得るために有効な構造の高周波トランス、この高周波トランスを備えるインピーダンス変換素子およびアンテナ装置を提供することにある。
(1)本発明のインダクタンス素子は、
複数の絶縁基材の積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置されたコイル導体および前記コイル導体に導通する層間接続導体で構成されるコイルを備えるインダクタンス素子であり、
前記コイル導体の一部に対して前記絶縁基材の積層方向に隣接し、前記絶縁基材の面に沿って配置され、前記コイル導体に流れる高周波電流とは逆方向に高周波電流が流れる磁界相殺用導体パターンが前記積層体に設けられたことを特徴とする。
上記構成により、入出力端子の位置が定められていること等により、採り得るターン数およびインダクタンスがとびとびであっても、実質的に所望のインダクタンスが得られる。
(2)上記(1)において、前記磁界相殺用導体パターンは、平面視で前記コイル導体の一部または全部と実質的に同形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸)であることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンとコイル導体との結合が高まり、磁界相殺用導体パターンが短くても、広範囲に亘るインダクタンスの設定が可能となる。また、磁界相殺用導体パターンが短くなることにより、磁界相殺用導体パターンを設けることに伴う導体損失の増大が抑制される。
(3)上記(1)または(2)において、前記コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの隣接する長さによって、または前記コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの、前記絶縁基材の積層方向の間隔によって、前記磁界相殺用導体パターンによる前記コイル導体のインダクタンスの調整量を定めることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンによって、および絶縁基材の厚みによってコイル導体のインダクタンスを容易に設定できる。
(4)本発明の高周波トランス素子は、
複数の絶縁基材の積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置された第1コイル導体および前記第1コイル導体に導通する層間接続導体で構成される1次コイルと、
前記積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置された第2コイル導体および前記第2コイル導体に導通する層間接続導体で構成される2次コイルと、を備え、
前記第1コイル導体の一部に対して前記絶縁基材の積層方向に隣接し、前記絶縁基材の面に沿って配置され、前記第1コイル導体に流れる高周波電流とは逆方向に高周波電流が流れる、磁界相殺用導体パターンが前記積層体に設けられたことを特徴とする。
上記構成により、入出力端子の位置が定められていること等により、採り得るターン数およびインダクタンスがとびとびであっても、実質的に所望のインダクタンスが得られる。そのため、第1コイルと第2コイルによるトランス比を、とびとびで無い、所望の値に定めることができる。
(5)上記(4)において、前記磁界相殺用導体パターンは、平面視で前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の一部または全部と実質的に同形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸)であることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンとコイル導体との結合が高まり、磁界相殺用導体パターンが短くても、広範囲に亘るトランス比の設定が可能となる。また、磁界相殺用導体パターンが短くなることにより、磁界相殺用導体パターンを設けることに伴う導体損失の増大が抑制される。
(6)上記(5)において、前記磁界相殺用導体パターンは、前記第2コイル側よりも前記第1コイル側に近接する層に配置されていることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンが第2コイルと結合することによる影響が抑えられる。
(7)上記(5)または(6)において、前記第1コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの隣接する長さによって、または前記第1コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの、前記絶縁基材の積層方向の間隔によって、前記磁界相殺用導体パターンによる前記1次コイルのインダクタンスの調整量を定められることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンによって、および絶縁基材の厚みによってトランス比を容易に設定できる。
(8)本発明のインピーダンス変換素子は、
上記(4)から(7)のいずれかに記載の高周波トランス素子を備え、
前記1次コイルの第1端は給電ポート、前記1次コイルの第2端はアンテナポート、前記2次コイルの第1端は前記アンテナポート、前記2次コイルの第2端はグランドにそれぞれ接続され、前記給電ポートと前記アンテナポートとの間でインピーダンスを変換することを特徴とする。
上記構成により、とびとびの比では無い、所望のインピーダンス変換比で、給電回路とアンテナとを整合させることができる。
(9)上記(8)において、前記積層体の形状は直方体状であり、平面視で互いに対向する第1辺(側面)および第2辺(側面)に入出力端子をそれぞれ備え、平面視で互いに対向する第3辺(側面)または第4辺(側面)にグランド端子を備えることが好ましい。このことにより、給電回路とアンテナとの間の伝送路にインピーダンス変換素子を容易に配置できる。
(10)本発明のアンテナ装置、上記(8)または(9)に記載のインピーダンス変換素子と前記アンテナポートに接続されたアンテナ素子とで構成される。
上記構成により、給電回路と容易に整合するアンテナ装置が得られる。
本発明によれば、ターン数が少なく、平面サイズや入出力端子の位置が定められた条件の下でも、実質的に所望のインダクタンスのインダクタンスが構成できる。また、実質的に所望のトランス比の高周波トランスが得られる。また、実質的に所望のインピーダンス変換比のインピーダンス変換素子が得られる。さらに、給電回路と容易に整合するアンテナ装置が得られる。
図1は第1の実施形態に係る、インピーダンス変換素子131の斜視図である。 図2はインピーダンス変換素子131の、基板20への実装構造を示す平面図である。 図3はインピーダンス変換素子131の分解平面図である。 図4はインピーダンス変換素子131の断面図である。 図5はインピーダンス変換素子131およびアンテナ装置201の回路図である。 図6(A)(B)はインピーダンス変換素子131の等価回路図である。 図7(A)(B)(C)は、第1の実施形態で図3に示した基材S11,S12,S13に形成される導体パターンの変形例を示す図である。 図8(A)(B)(C)は、図7(A)(B)(C)に示した導体パターンを有する高周波トランスの1次コイルの回路図である。 図9は、磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数を変えたとき、および磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2との層間距離を変えたときの、1次コイルL1と2次コイルL2のインダクタンスの変化について示す図である。 図10は第3の実施形態に係る高周波トランス121の回路図である。 図11は第4の実施形態に係るインダクタンス素子111の分解平面図である。 図12は第4の実施形態に係るインダクタンス素子111の回路図である。 図13は第1入出力端子Taと第2入出力端子Tbとの位置関係および、第1入出力端子Taと第2入出力端子Tbとの間に形成された0.5ターンのコイル導体パターンLhの例を示す図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付す。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
第1の実施形態では、高周波トランス素子、インピーダンス変換素子、およびアンテナ装置の例を示す。本実施形態では、高周波トランスがインピーダンス変換素子そのものであり、このインピーダンス変換素子を給電回路とアンテナ素子とのインピーダンス整合回路として用い、インピーダンス変換素子とアンテナ素子とでアンテナ装置を構成する。
図1は第1の実施形態に係る、インピーダンス変換素子131の斜視図である。インピーダンス変換素子131は、複数の絶縁基材の積層体10を備え、この積層体10内に、1次コイルおよび2次コイルによる高周波トランスおよび、この高周波トランスによるインピーダンス変換回路が構成されている。積層体10の外面には、給電端子T1、アンテナ端子T2、グランド端子GNDおよび空き端子NCがそれぞれ形成されている。
図2はインピーダンス変換素子131の、基板20への実装構造を示す平面図である。基板20には、グランド導体Egndと信号ラインSLとでコプレーナライン構造の伝送線路が形成されている。この伝送線路にアンテナ素子1および給電回路9が接続される。インピーダンス変換素子131は、その端子T1,T2が伝送線路の途中(信号ラインSLの途中)に直列接続され、且つグランド端子GNDおよび空き端子NCがグランド導体Egndに接続されるように基板20に実装される。インピーダンス変換素子131とアンテナ素子1とでアンテナ装置201が構成される。
このように、インピーダンス変換素子131の積層体の形状は直方体状であり、平面視で互いに対向する第1辺(側面)および第2辺(側面)に入出力端子T1,T2をそれぞれ備え、平面視で互いに対向する第3辺(側面)または第4辺(側面)にグランド端子GNDを備えているので、給電回路とアンテナとの間の伝送路にインピーダンス変換素子131を容易に配置できる。
図3はインピーダンス変換素子131の分解平面図である。図4はインピーダンス変換素子131の断面図である。但し、図4では図面の鮮明化のため、積層体10のハッチング表記は省略している。インピーダンス変換素子131は、複数の絶縁性の基材S1〜S13を備えている。基材S1〜S13には各種導体パターンが形成されている。「各種導体パターン」には、基材の表面に形成された導体パターンだけでなく、複数の層間接続導体を含む。これら層間接続導体はビア導体だけでなく、積層体10(図1参照)の端面に形成される端面電極も含む。以降に示すように、各層間接続導体は所定のコイル導体に導通する。
インピーダンス変換素子131をセラミック部品として構成する場合、上記基材は非磁性のセラミック層であり、上記導電体パターンは銅ペースト等の導体材料の印刷パターンである。インピーダンス変換素子131を樹脂多層部品として構成する場合、上記基材は樹脂材料のシートであり、上記導電体パターンはAl箔やCu箔等の金属箔をパターン化したものである。
基材S1の上面は積層体10の実装面(下面)に相当する。基材S1には端子T1,T2,GND,NCが形成されている。
基材S2,S3,S4には、第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1がそれぞれ形成されている。また、基材S4,S5,S6には、第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1がそれぞれ形成されている。基材S8,S9,S10には、第2コイル導体L2C2,L2B2,L2A2がそれぞれ形成されている。基材S10,S11,S12には、第1コイル導体L1C2,L1B2,L1A2がそれぞれ形成されている。各コイル導体は1ターン以下のループ状導体パターンで構成されている。さらに、基材S13には、磁界相殺用導体パターンL1Dが形成されている。磁界相殺用導体パターンL1Dは、平面視で第1コイル導体L1C2,L1B2,L1A2の一部または全部と実質的に同形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸)である。この磁界相殺用導体パターンL1Dも1ターン以下のループ状導体パターンで構成されている。
図3には、あるタイミング(位相)において各導体パターンに流れる電流の方向を矢印で表している。また、その電流により生じる磁束の向きをクロス記号とドット記号で表している。
第1コイル導体L1A1の第1端は給電端子T1に接続されている。第1コイル導体L1A1の第2端と第1コイル導体L1B1の第1端とはビア導体V1で接続されている。第1コイル導体L1B1の第2端と第1コイル導体L1C1の第1端とはビア導体V2で接続されている。第1コイル導体L1C1の第2端はアンテナ端子T2に接続されている。
第2コイル導体L2A1の第1端はアンテナ端子T2に接続されている。第2コイル導体L2A1の第2端と第2コイル導体L2B1の第1端とはビア導体V3で接続されている。第2コイル導体L2B1の第2端と第2コイル導体L2C1の第1端とはビア導体V4で接続されている。第2コイル導体L2C1の第2端とグランド端子GNDとはビア導体V5で接続されている。
第2コイル導体L2C2の第1端とグランド端子GNDとはビア導体V6で接続されている。第2コイル導体L2C2の第2端と第2コイル導体L2B2の第1端とはビア導体V7で接続されている。第2コイル導体L2B2の第2端と第2コイル導体L2A2の第1端とはビア導体V8で接続されている。第2コイル導体L2A2の第2端はアンテナ端子T2に接続されている。
第1コイル導体L1C2の第1端はアンテナ端子T2に接続されている。第1コイル導体L1C2の第2端と第1コイル導体L1B2の第1端とはビア導体V9で接続されている。第1コイル導体L1B2の第2端と第1コイル導体L1A2の第1端(第1接続点CP11)とはビア導体V10で接続されている。第1コイル導体L1A2の第2端は給電端子T1に接続されている。
第1コイル導体L1A2の第1接続点CP11と磁界相殺用導体パターンL1Dの第1端(第1接続点CP13)はビア導体V11で接続されている。また、第1コイル導体L1A2の第2接続点CP12と磁界相殺用導体パターンL1Dの第2端(第2接続点CP14)はビア導体V12で接続されている。
磁界相殺用導体パターンL1Dのインダクタンスは、主に磁界相殺用導体パターンL1Dの長さによって定まる。
磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2とは基材S12を介して部分的に平行に隣接していて、磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1B2とは基材S11,S12を介して部分的に平行に隣接している。この構造により、磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2,L1B2とで相互インダクタンスが生じる。
そのため、第1コイル導体L1A2に対する磁界相殺用導体パターンL1Dの隣接する長さ、第1コイル導体L1A2と磁界相殺用導体パターンL1Dとの間隔(絶縁基材の積層方向の間隔)、第1コイル導体L1B2に対する磁界相殺用導体パターンL1Dの隣接する長さ、第1コイル導体L1B2と磁界相殺用導体パターンL1Dとの間隔(絶縁基材の積層方向の間隔)によって、磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2,L1B2とで生じる相互インダクタンスが定まる。したがって、磁界相殺用導体パターンL1Dが一定であっても、基材S11,S12の厚み寸法によって、この磁界相殺用導体パターンL1Dが繋がるコイル導体のインダクタンスを定めることができる。
図5はインピーダンス変換素子131およびアンテナ装置201の回路図である。図5では、図3、図4に示したコイル導体の位置関係を考慮して回路図化している。
1次コイルL1の第1端は給電端子T1、1次コイルL1の第2端はアンテナ端子T2、2次コイルL2の第1端はアンテナ端子T2、2次コイルL2の第2端はグランドGNDにそれぞれ接続されている。給電端子T1は本発明に係る「給電ポート」の一例、アンテナ端子T2は本発明に係る「アンテナポート」の一例である。
図3に示すように、第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1およびビア導体V1,V2は約1.5ターンのコイルを構成している。同様に、第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2およびビア導体V9,V10は約1.5ターンのコイルを構成している。第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1と第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2は、外径寸法、内径寸法、巻回軸がそれぞれ一致している。
また、図3に示すように、第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1およびビア導体V3,V4は約2.25ターンのコイルを構成している。同様に、第2コイル導体L2A2,L2B2,L2C2およびビア導体V7,V8は約2.25ターンのコイルを構成している。第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1と第2コイル導体L2A2,L2B2,L2C2は、外径寸法、内径寸法、巻回軸がそれぞれ一致している。
さらに、第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1と第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1についても、外径寸法、内径寸法、巻回軸がそれぞれ一致している。同様に、第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2と第2コイル導体L2A2,L2B2,L2C2についても、外径寸法、内径寸法、巻回軸がそれぞれ一致している。
図5に示すように、第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1と第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2とは並列接続されて、1次コイルL1が構成されている。同様に、第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1と第2コイル導体L2A2,L2B2,L2C2とは並列接続されて、2次コイルL2が構成されている。
第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1および第2コイル導体L2A2,L2B2,L2C2は、第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1と第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2とで積層方向に挟まれるように配置されている。この構造により、上記1次コイルL1と2次コイルL2とは、巻回数が少ないながらも適度に高い結合係数で結合する。
図3の基材S13に形成されている磁界相殺用導体パターンL1Dは、第1コイル導体L1A2の一部に並列接続される。また、上述のとおり、磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2,L1B2との間には相互インダクタンスが生じている。但し、第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2により生じる磁束の方向と磁界相殺用導体パターンL1Dにより生じる磁束の方向は逆である。すなわち、第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2に流れる高周波電流とは逆方向に磁界相殺用導体パターンL1Dに高周波電流が流れる。そのため、磁界相殺用導体パターンL1Dは第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2による磁束を減じる方向に作用し、第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2によるインダクタンスを減少させる。したがって、磁界相殺用導体パターンL1Dは1次コイルL1のインダクタンスを減少させる。
磁界相殺用導体パターンL1Dは第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1,L2A2,L2B2,L2C2から、絶縁基材の積層方向に離れている。すなわち、磁界相殺用導体パターンL1Dは、第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1,L2A2,L2B2,L2C2側よりも第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2側に近接する層に配置されている。この構造により、第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1,L2A2,L2B2,L2C2で構成される2次コイルL2のインダクタンスに対する影響は少ない。
磁界相殺用導体パターンL1Dは、平面視で第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2の殆ど全部と実質的に同形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸)である。このことにより、磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2との結合が高まり、磁界相殺用導体パターンL1Dが短くても、広範囲に亘るインダクタンスの設定が可能となる。また、磁界相殺用導体パターンL1Dが短くなることにより、磁界相殺用導体パターンL1Dを設けることに伴う導体損失の増大は抑制される。
図6(A)(B)はインピーダンス変換素子131の等価回路図である。図6(A)においてポートP1,P2は上記端子T1,T2に相当する。1次コイルL1と2次コイルL2は互いに結合し、1次コイルL1と2次コイルL2とでオートトランス回路を構成する。図6(B)は、理想トランスITと寄生インダクタンスLpp,Lpsとによる等価回路図である。
ここで、1次コイルL1のインダクタンスをL1、2次コイルL2のインダクタンスをL2、結合係数をk、トランス比をn、1次コイルL1と2次コイルL2との相互インダクタンスをMで表すと、次の関係が成り立つ。
M=k√(L1*L2)
Lpp=L1+L2+2M
Lps={(1-k2)*L1*L2}/(L1+L2+2M)
n=(L1+L2+2M)/(L2+M)
したがって、上記磁界相殺用導体パターンL1Dを設けて1次コイルL1のインダクタンスを調整することによって、トランス比nを定めることができ、インピーダンス変換比を定めることができる。
なお、図3〜図5に示した例とは逆に、1次コイルL1を構成する第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1および第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2が、2次コイルL2を構成する第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1と第2コイル導体L2A2,L2B2,L2C2とで積層方向に挟まれるように構成してもよい。但し、2次コイルL2の一端はグランドに接続されるので、1次コイルL1に対して磁界相殺用導体パターンによるインダクタンスの調整を行う方が、多様なトランス比を得るためには効果的である。すなわち、2次コイルL2は1/4ターンを最小単位で設定できるので、設計上の自由度は元々高いが、1次コイルL1は1/2ターンが最小単位であるので、設計上の自由度が低い。そのため、1次コイルL1側に磁界相殺用導体パターンL1Dを設けると、インダクタンスの調整に対してより有効に作用することとなる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、形状の異なる幾つかの磁界相殺用導体パターンL1Dの例と、それによって得られるインダクタンスの例を示す。
図7(B)は、第1の実施形態で図3に示した基材S11,S12,S13に形成される導体パターンを示す図である。図7(A)(C)は、第1の実施形態で図3に示した基材S11,S12,S13に形成される導体パターンの変形例である。その他の基材に形成される導体パターンは第1の実施形態と同じである。
図8(A)(B)(C)は、図7(A)(B)(C)に示した導体パターンを有する高周波トランスの1次コイルの回路図である。
図7(A)の例では、基材S13が無い。または基材S13があっても、そこには磁界相殺用導体パターンL1Dが形成されていない。したがって、第1コイル導体L1A2に対して磁界相殺用導体パターンL1Dが接続されることなく、磁界相殺用導体パターンL1Dによるインダクタンスの減少は無い。
図7(C)の例では、基材S13に形成される磁界相殺用導体パターンL1Dが、図7(B)に示した例より短い。また、図7(B)に示した例では、磁界相殺用導体パターンL1Dが第1コイル導体L1A2の一部に並列接続されたが、図7(C)に示す例では、磁界相殺用導体パターンL1Dは第1コイル導体L1A2,L1B2の一部に並列接続されている。この図7(C)に示す例のように、磁界相殺用導体パターンL1Dは、平面視で第1コイル導体L1A2,L1B2,L1C2の一部と実質的に同形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸)であってもよい。
図9は、磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数を変えたとき、および磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2との層間距離を変えたときの、1次コイルL1と2次コイルL2のインダクタンスの変化について示す図である。図9において5つの条件は次のとおりである。
(1)磁界相殺用導体パターンL1D無し
(2)磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数1、層間距離12.5μm
(3)磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数1、層間距離50μm
(4)磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数0.5、層間距離12.5μm
(5)磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数0.5、層間距離50μm
図9中のΔL1は、磁界相殺用導体パターンL1Dが無い場合に対する1次コイルL1のインダクタンスの変化量、ΔL2は、磁界相殺用導体パターンL1Dが無い場合に対する2次コイルL2のインダクタンスの変化量である。
図9の条件(2)と(4)のΔL1の違い、または条件(3)と(5)のΔL1の違いから明らかなように、層間距離が同じあれば、磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数が1ターンより0.5ターンの方が1次コイルL1のインダクタンス減少量が大きい。これは、磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数が少ないほど、磁界相殺用導体パターンL1Dに流れる電流が増大することに依る。また、磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数の減少に伴って、磁界相殺用導体パターンL1Dが並列接続される相手側のコイル導体のターン数が多くなることに依る。
図9の(ΔL1/L1)と(ΔL2/L2)とを比較すると明らかなように、磁界相殺用導体パターンL1Dは1次コイルL1に対する影響に比べ、2次コイルL2に対する影響は小さい。これは、図5に示したように、2次コイルL2を構成する第2コイル導体が1次コイルL1を構成する第1コイル導体で積層方向に挟まれていて、磁界相殺用導体パターンL1Dが積層体の最外層に配置されていることに依る。すなわち、磁界相殺用導体パターンL1Dは第2コイル導体より、第1コイル導体に強く結合することに依る。
以上に示した例では、説明のわかりやすさを考慮して、磁界相殺用導体パターンL1Dのターン数を設定するように説明したが、第1コイル導体に対する磁界相殺用導体パターンL1Dの「隣接する部分の長さ」によって、磁界相殺用導体パターンによるインダクタンスの調整量を定めることができる。
このように、第1コイル導体に対する磁界相殺用導体パターンL1Dの隣接部の長さおよび磁界相殺用導体パターンL1Dと第1コイル導体L1A2との層間距離を適宜選ぶことによって、1次コイルL1のインダクタンスを所定範囲内で設定できる。このことにより、第1の実施形態で図6(A)(B)に示した、1次コイルL1と2次コイルL2とによる高周波トランスのトランス比を適宜設定できる。すなわち、多様なインピーダンス変換比のインピーダンス変換素子が得られる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、高周波トランスの例を示す。
図10は第3の実施形態に係る高周波トランス121の回路図である。この高周波トランス121は、互いに電磁界結合する1次コイルL1および2次コイルL2を備える。
図10に示す高周波トランス121の1次コイルL1の構成は、第1の実施形態で、図3、図5に示した第1コイル導体L1A1,L1B1,L1C1,L1A2,L1B2,L1C2および磁界相殺用導体パターンL1Dと同様に構成される。2次コイルL2は、図3、図5に示した第2コイル導体L2A1,L2B1,L2C1,L2A2,L2B2,L2C2と同様に構成される。
磁界相殺用導体パターンL1Dの作用は第1、第2の実施形態で示したとおりである。したがって、図10に示す構成により、磁界相殺用導体パターンL1Dは1次コイルL1のインダクタンスを減少方向に調整する。これにより、1次コイルL1と2次コイルL2とによる高周波トランスのトランス比を適宜設定できる。
なお、高周波トランスの1次−2次間の関係は可逆性があるので、端子T1を2次側、端子T2を1次側にして利用することもできる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態ではインダクタンス素子の例を示す。図11は第4の実施形態に係るインダクタンス素子111の分解平面図である。図12はインダクタンス素子111の回路図である。インダクタンス素子111は、複数の絶縁性の基材S1〜S5を備えている。基材S1〜S5には各種導体パターンが形成されている。「各種導体パターン」には、基材の表面に形成された導体パターンだけでなく、層間接続導体を含む。インダクタンス素子111は、上記導体パターンが生成された基材S1〜S5の積層体である。
基材S1の上面は積層体の実装面(下面)に相当する。基材S1には端子T1,T2が形成されている。
基材S2,S3,S4には、コイル導体LC,LB,LAがそれぞれ形成されている。また、基材S5には、磁界相殺用導体パターンLDが形成されている。図11には、あるタイミング(位相)において各導体パターンに流れる電流の方向を矢印で表している。また、その電流により生じる磁束の向きをクロス記号とドット記号で表している。
図11に示すコイル導体LC,LB,LAは、第1の実施形態で図3に示したコイル導体L1C2,L1B2,L1A2と同様に構成されている。また、図11に示す磁界相殺用導体パターンLDは、第1の実施形態で図3に示した磁界相殺用導体パターンL1Dと同様に構成されている。
図12に示すように、インダクタンス素子111の磁界相殺用導体パターンLDは、コイル導体LAの一部に並列される。但し、コイル導体LA,LB,LCにより生じる磁束の方向と磁界相殺用導体パターンLDにより生じる磁束の方向は逆である。すなわち、コイル導体LA,LB,LCに流れる高周波電流とは逆方向に磁界相殺用導体パターンLDに高周波電流が流れる。そのため、磁界相殺用導体パターンLDはコイル導体LA,LB,LCによる磁束を減じる方向に作用し、コイル導体LA,LB,LCによるインダクタンスを減少させる。したがって、磁界相殺用導体パターンLDは1次コイルL1のインダクタンスを減少させる。第1、第2の実施形態で示した高周波トランス構造の1次コイルに対する作用と同様に、磁界相殺用導体パターンLDのターン数(コイル導体に対する磁界相殺用導体パターンLDの隣接する部分の長さ)および磁界相殺用導体パターンLDとコイル導体LAとの層間距離によって、所定のインダクタンスに定めることができる。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。例えば、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
CP11…第1コイル導体L1A2の第1接続点
CP12…第1コイル導体L1A2の第2接続点
CP13…磁界相殺用導体パターンL1Dの第1接続点
CP14…磁界相殺用導体パターンL1Dの第2接続点
Egnd…グランド導体
GND…グランド端子
IT…理想トランス
L1A1,L1B1,L1C1,L1A2,L1B2,L1C2…第1コイル導体
L1D…磁界相殺用導体パターン
L2A1,L2B1,L2C1,L2A2,L2B2,L2C2…第2コイル導体
LA,LB,LC…コイル導体
LD…磁界相殺用導体パターン
Lh…コイル導体パターン
Lpp,Lps…寄生インダクタンス
NC…空き端子
P1,P2…ポート
S1〜S13…基材
SL…信号ライン
T1…給電端子
T2…アンテナ端子
V1〜V10…ビア導体
1…アンテナ素子
L1…1次コイル
L2…2次コイル
9…給電回路
10…積層体
20…基板
111…インダクタンス素子
121…高周波トランス
131…インピーダンス変換素子
201…アンテナ装置
本発明は、高周波トランス素子、高周波トランス素子を備えるインピーダンス変換素子およびアンテナ装置に関するものである。
本発明の目的は、入出力端子の位置が限られていても、所望のトランス比を得るために有効な構造の高周波トランス、この高周波トランスを備えるインピーダンス変換素子およびアンテナ装置を提供することにある。
)本発明の高周波トランス素子は、
複数の絶縁基材の積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置された第1コイル導体および前記第1コイル導体に導通する層間接続導体で構成される1次コイルと、
前記積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置された第2コイル導体および前記第2コイル導体に導通する層間接続導体で構成される2次コイルと、を備え、
前記第1コイル導体の一部に対して前記絶縁基材の積層方向における前記第2コイル導体とは反対側に隣接し、前記絶縁基材の面に沿って配置され、前記第1コイル導体に流れる高周波電流とは逆方向に高周波電流が流れる、磁界相殺用導体パターンが前記積層体に設けられたことを特徴とする。
(2)前記磁界相殺用導体パターンは、前記第1コイル導体に並列接続されることが好ましい。
(3)前記磁界相殺用導体パターンは、前記積層体に配置された前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の積層範囲よりも外層に設けられることが好ましい。
)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記磁界相殺用導体パターンは、平面視で前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の一部または全部と実質的に同形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸)であることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンとコイル導体との結合が高まり、磁界相殺用導体パターンが短くても、広範囲に亘るトランス比の設定が可能となる。また、磁界相殺用導体パターンが短くなることにより、磁界相殺用導体パターンを設けることに伴う導体損失の増大が抑制される。
)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記磁界相殺用導体パターンは、前記第2コイル側よりも前記第1コイル側に近接する層に配置されていることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンが第2コイルと結合することによる影響が抑えられる。
)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第1コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの隣接する長さによって、または前記第1コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの、前記絶縁基材の積層方向の間隔によって、前記磁界相殺用導体パターンによる前記1次コイルのインダクタンスの調整量を定められることが好ましい。このことにより、磁界相殺用導体パターンによって、および絶縁基材の厚みによってトランス比を容易に設定できる。
)本発明のインピーダンス変換素子は、
上記()から()のいずれかに記載の高周波トランス素子を備え、
前記1次コイルの第1端は給電ポート、前記1次コイルの第2端はアンテナポート、前記2次コイルの第1端は前記アンテナポート、前記2次コイルの第2端はグランドにそれぞれ接続され、前記給電ポートと前記アンテナポートとの間でインピーダンスを変換することを特徴とする。
)上記(7)または(8)において、前記積層体の形状は直方体状であり、平面視で互いに対向する第1辺(側面)および第2辺(側面)に入出力端子をそれぞれ備え、平面視で互いに対向する第3辺(側面)または第4辺(側面)にグランド端子を備えることが好ましい。このことにより、給電回路とアンテナとの間の伝送路にインピーダンス変換素子を容易に配置できる。
)本発明のアンテナ装置、上記()または()に記載のインピーダンス変換素子と前記アンテナポートに接続されたアンテナ素子とで構成される。
本発明によれば、ターン数が少なく、平面サイズや入出力端子の位置が定められた条件の下でも、実質的に所望のトランス比の高周波トランスが得られる。また、実質的に所望のインピーダンス変換比のインピーダンス変換素子が得られる。さらに、給電回路と容易に整合するアンテナ装置が得られる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では参考例としてインダクタンス素子の例を示す。図11は第4の実施形態に係るインダクタンス素子111の分解平面図である。図12はインダクタンス素子111の回路図である。インダクタンス素子111は、複数の絶縁性の基材S1〜S5を備えている。基材S1〜S5には各種導体パターンが形成されている。「各種導体パターン」には、基材の表面に形成された導体パターンだけでなく、層間接続導体を含む。インダクタンス素子111は、上記導体パターンが生成された基材S1〜S5の積層体である。

Claims (10)

  1. 複数の絶縁基材の積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置されたコイル導体および前記コイル導体に導通する層間接続導体で構成されるコイルを備えるインダクタンス素子であり、
    前記コイル導体の一部に対して前記絶縁基材の積層方向に隣接し、前記絶縁基材の面に沿って配置され、前記コイル導体に流れる高周波電流とは逆方向に高周波電流が流れる磁界相殺用導体パターンが前記積層体に設けられたことを特徴とするインダクタンス素子。
  2. 前記磁界相殺用導体パターンは、平面視で前記コイル導体の一部または全部と実質的に同形状である、請求項1に記載のインダクタンス素子。
  3. 前記コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの隣接する長さによって、または前記コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの、前記絶縁基材の積層方向の間隔によって、前記磁界相殺用導体パターンによる前記コイル導体のインダクタンスの調整量を定めた、請求項1または2に記載のインダクタンス素子。
  4. 複数の絶縁基材の積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置された第1コイル導体および前記第1コイル導体に導通する層間接続導体で構成される1次コイルと、
    前記積層体に、前記絶縁基材の面に沿って配置された第2コイル導体および前記第2コイル導体に導通する層間接続導体で構成される2次コイルと、を備え、
    前記第1コイル導体の一部に対して前記絶縁基材の積層方向に隣接し、前記絶縁基材の面に沿って配置され、前記第1コイル導体に流れる高周波電流とは逆方向に高周波電流が流れる、磁界相殺用導体パターンが前記積層体に設けられたことを特徴とする高周波トランス素子。
  5. 前記磁界相殺用導体パターンは、平面視で前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の一部または全部と実質的に同形状である、請求項4に記載の高周波トランス素子。
  6. 前記磁界相殺用導体パターンは、前記第2コイル導体側よりも前記第1コイル導体側に近接する層に配置されている、請求項5に記載の高周波トランス素子。
  7. 前記第1コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの隣接する長さによって、または前記第1コイル導体に対する前記磁界相殺用導体パターンの、前記絶縁基材の積層方向の間隔によって、前記磁界相殺用導体パターンによる前記1次コイルのインダクタンスの調整量を定めた、請求項5または6に記載の高周波トランス素子。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載の高周波トランス素子を備え、
    前記1次コイルの第1端は給電ポート、前記1次コイルの第2端はアンテナポート、前記2次コイルの第1端は前記アンテナポート、前記2次コイルの第2端はグランドにそれぞれ接続され、前記給電ポートと前記アンテナポートとの間でインピーダンスを変換するインピーダンス変換素子。
  9. 前記積層体の形状は直方体状であり、平面視で互いに対向する第1辺および第2辺に入出力端子をそれぞれ備え、平面視で互いに対向する第3辺または第4辺にグランド端子を備える、請求項8に記載のインピーダンス変換素子。
  10. 請求項8または9に記載のインピーダンス変換素子と前記アンテナポートに接続されたアンテナ素子とで構成されるアンテナ装置。
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