JP5672416B2 - インピーダンス変換回路の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチバンド対応セルラー端末用のアンテナ装置等に適用するインピーダンス変換回路の設計方法に関する。
近年のマルチバンド対応携帯通信端末は、LowBand(例えば824〜960MHz)とHighBand(例えば1710〜2170MHz)との両方の周波数帯に対応することが求められており、そのアンテナ装置には非常に広帯域な周波数特性が求められている。同時に、携帯通信端末の小型化も進められており、一つのアンテナ素子でLowBandとHighBandとの両方に対応可能なアンテナ装置が求められている。このようなアンテナ装置では、1つのアンテナ素子に周波数帯域に応じて異なる動作モードが割り当てられている。通常は、基本波モードでLowBandに対応し、高調波モードでHighBandに対応するように設計されている。そして、アンテナ素子の入力インピーダンスは、そのモード(共振点)に応じて異なっている。携帯電話端末用のアンテナ素子は、そのサイズが小さいため、入力インピーダンスは例えばLowBandで8Ω程度、HighBandで15Ω程度である。
一方、例えば特許文献1に開示された構成のインピーダンス変換回路が利用されることがある。このインピーダンス変換回路は、トランス回路を利用した整合回路であって、広い周波数帯にてインピーダンスの整合が可能である。しかしながら、周波数帯に応じて入力インピーダンスの異なるアンテナ素子を給電回路に整合させるために特許文献1のインピーダンス変換回路を用いると、各周波数帯においてトランス回路のトランス比が一定であるため、どちらかの周波数帯域で整合がとれると、他方の周波数帯域で整合が外れてしまう。つまり、トランス回路を利用するマルチバンドに対応可能なアンテナ装置では、周波数帯に応じてインピーダンス変換比が異なるインピーダンス変換回路が必要になる。
特許第4900515号
一方、後に詳述するように、トランス回路を構成する1次コイルおよび2次コイルの各インダクタンスが小さくなるほど、トランス回路自体のインピーダンス変換比に周波数依存性が生じる。
また、所望の周波数帯域で整合する、周波数特性のあるトランスは、そのアンテナポート側のインピーダンスが周波数帯域ごとのアンテナ素子のインピーダンスと同等であるといえる。
トランス回路を利用したインピーダンス変換回路を利用する場合、アンテナポート側のインピーダンスをLowBandとHighBandのアンテナのインピーダンスに合わせる際、実際の構造でとり得る結合係数を仮定した時、結合に用いる1次コイルのインダクタンスL1及び2次コイルのインダクタンスL2の組み合わせは二通りに限定される。
これらインダクタンスL1,L2の値は非常に小さく、次に述べるような要因で結合係数が非常にとりにくい構造となる。
・2nH程度のインダクタを結合させる際、十分なコイルの巻き数が確保できない(磁束が集中しない)。
・トランス回路の結合に寄与しない入出力部のインダクタンスの割合が大きくなり、結合係数の実効値が小さくなる。
つまり、小さなインダクタンスのコイルでありながらも所定の(大きな)結合係数を得るためには、1次コイルと2次コイルの形状を同一形状(合同に近い形状)にして互いに重なるように配置する必要がある。
しかし、1次コイルと2次コイルを同一形状にすると、1次コイルおよび2次コイルそれぞれについて所望の(異なる)インダクタンスを得ることは非常に難しい。
そこで、本発明の目的は、小さなパターンでありながらも所定の(大きな)結合係数を得ることができ、所定のインピーダンス変換比を得るようにしたインピーダンス変換回路の設計方法を提供することにある。
(1)第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続され、互いに結合する第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子を備えたトランス回路を有し、前記第1インダクタンス素子および前記第2インダクタンス素子がそれぞれ層間で互いに結合し、前記第1インダクタンス素子が層方向に隣接し、前記第2インダクタンス素子が前記第1インダクタンス素子を層方向に挟むように配置されたインピーダンス変換回路の設計方法であって、
次の各ステップを順に実施することを特徴とするインピーダンス変換回路の設計方法。
[1]前記第1高周波回路のインピーダンスおよび前記第2高周波回路のインピーダンスに基づいて、前記トランス回路の必要なトランス比を決定する。
[2]前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子との結合係数、前記第1インダクタンス素子のインダクタンスおよび前記第2インダクタンス素子のインダクタンスをそれぞれ決定する。
[3]前記第2インダクタンス素子の形状を決定する。
[4]前記第1インダクタンス素子を少なくとも2層のループ導体で構成するように、第1インダクタンス素子の形状を決定するとともに、第1インダクタンス素子のインダクタンス値が所望の値となるように、各ループ導体間の層間距離を定める。
(2)前記第1インダクタンス素子および前記第2インダクタンス素子は、平面視でほぼ同一位置を周回し、1層あたりそれぞれ1ターン未満のループ状に形成することが好ましい。
(3)前記第1インダクタンス素子は、層方向に隣接する第1ループ状導体および第2ループ状導体で構成し、前記第2インダクタンス素子は、前記第1ループ状導体と前記第2ループ状導体とを層方向に挟み込むように配置した第3ループ状導体および第4ループ状導体で構成することが好ましい。
(4)前記ステップ3で、前記第2インダクタンス素子のインダクタンスが前記ステップ2で決定した値となるように、前記第3ループ状導体および前記第4ループ状導体の形状を決定し、
前記ステップ4で、前記第3ループ状導体と前記第4ループ状導体の形状とがほぼ同じ形状となるように、前記第1ループ状導体および前記第2ループ状導体の形状を決定するとともに、前記第1インダクタンス素子のインダクタンスが前記ステップ2で決定した値となるように、前記第1ループ状導体と前記第2ループ状導体との層間距離を定め、さらに、前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子との結合係数が前記ステップ2で決定した値となるように、前記第1ループ状導体と前記第3ループ状導体との層間距離および前記第2ループ状導体と前記第4ループ状導体との層間距離をそれぞれ定めることが好ましい。
(5)前記第1インダクタンス素子を相対的に小さなインダクタンスとするためには、第1ループ状導体と第2ループ状導体とを並列接続することが好ましい。
(6)前記第1インダクタンス素子を相対的に大きなインダクタンスとするためには、第1ループ状導体と第2ループ状導体とを直列接続することが好ましい。
(7)前記第1インダクタンス素子を中間的なインダクタンスとするためには、第1ループ状導体の一部と第2ループ状導体の一部とを並列接続することが好ましい。
(8)前記第2インダクタンス素子を相対的に小さなインダクタンスとするためには、第3ループ状導体と第4ループ状導体とを並列接続することが好ましい。
(9)前記第2インダクタンス素子を相対的に大きなインダクタンスとするためには、第3ループ状導体と第4ループ状導体とを直列接続することが好ましい。
(10)前記第2インダクタンス素子を中間的なインダクタンスとするためには、第3ループ状導体の一部と第4ループ状導体の一部とを並列接続することが好ましい。
(11)(1)〜(10)に示した方法は、第1高周波回路が給電回路、第2高周波回路がアンテナ素子であって、例えば、第1インダクタンス素子は、第1端が給電回路に接続され、第2端がアンテナ素子に接続され、第2インダクタンス素子は、第1端がアンテナ素子に接続され、第2端がグランドに接続されたインピーダンス変換回路に適用することが好ましい。
(12)(1)〜(10)に示した方法は、第1高周波回路が給電回路、第2高周波回路がアンテナ素子であって、例えば、第1インダクタンス素子は、第1端がグランドに接続され、第2端がアンテナ素子に接続され、第2インダクタンス素子は、第1端が給電回路に接続され、第2端がアンテナ素子に接続されたインピーダンス変換回路に適用することが好ましい。
本発明によれば、第1インダクタンス素子は層方向に隣接して層間で互いに結合するので、自己誘導が大きくなって、層間で隣接していない場合に比べて高いインダクタンスが得られる。また、第2インダクタンス素子の層間は第1インダクタンス素子の層間より広いので、第1インダクタンス素子とほぼ同一形状(合同に近い形状)であり且つ直列接続・並列接続の接続方法が同じであれば、第1インダクタンス素子より低いインダクタンスが得られる。すなわち第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子は同一形状でありながらも異なるインダクタンス値をもつことができる。
そして、小さなコイルでありながらも所定の(大きな)結合係数を得ることができ、所定のインピーダンス変換比を得るようにしたインピーダンス変換回路が構成できる。
第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子は、各ループ状導体間の層間距離で、必要なインダクタンスを得ることができる。第1インダクタンス素子を層方向に隣接する第1ループ状導体および第2ループ状導体で構成し、第2インダクタンス素子を第1ループ状導体と第2ループ状導体とを層方向に挟み込むように配置した第3ループ状導体および第4ループ状導体で構成する場合、第1ループ状導体と第2ループ状導体との間の層間距離を狭くすることで、自己誘導により、第1インダクタンス素子のインダクタンスは大きくなる。他方、第3ループ状導体と第4ループ状導体と間の層間距離は第1ループ状導体と第2ループ状導体との間の層間距離より広いので、第1ループ状導体と第2ループ状導体とほぼ同一形状(合同に近い形状)であり且つ各ループ状導体の直列接続・並列接続の接続方法が同じであれば、第1インダクタンス素子より低いインダクタンスが得られる。すなわち、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子とはほぼ同一形状でありながらも、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子に任意のインダクタンス値を与えることが可能となる。
ゆえに、小さな導体パターンでありながらも、所定の結合係数、所定のインダクタンスを得ることができ、所定のインピーダンス変換比を持ったトランス回路を有するインピーダンス変換回路が構成できる。
図1(A)は第1の実施形態のインピーダンス変換回路25を備えたアンテナ装置101の回路図、図1(B)はその等価回路図である。 図2(A)はインピーダンス変換回路25の回路図、図2(B)はその等価回路図である。 図3(A)は、図2(B)に示したシャント接続のインダクタのインダクタンスが増大する際のインピーダンスの変化をスミスチャート上の軌跡で表した図、図3(B)は、図2(B)に示した理想トランスITのトランス比が増大する際のインピーダンスの変化をスミスチャート上の軌跡で表した図である。 図4は、LowBandでのインピーダンスが10Ωの場合の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子のインダクタンスに対するHighBandでのインピーダンスの例を示している。 図5は、第1の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。 図6は第1の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、各種導体パターンの斜視図である。 図7はインピーダンス変換回路25の各誘電体層に形成されている導体パターンを示す図である。 図8はインピーダンス変換回路25のインピーダンスをスミスチャート上に示した図である。 図9は、第2の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。 図10は、第2の実施形態に係る別のインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。 図11は、第2の実施形態に係る更に別のインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。 図12は、第3の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、積層素体内における第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。 図13は第3の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の各種導体パターンの斜視図である。 図14はインピーダンス変換回路25の各基材層に形成されている導体パターンと電流経路を示す図である。 図15は、第4の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。 図16は第4の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の各種導体パターンの斜視図である。 図17は、第5の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、積層素体内における第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態のインピーダンス変換回路25を備えたアンテナ装置101の回路図、図1(B)はその等価回路図である。このアンテナ装置は、LowBandとHighBandの2つの周波数帯に対応可能なマルチバンド対応型のアンテナ装置である。第1の実施形態において、LowBandは824〜960MHzであり、HighBandは1710〜2170MHzである。
図1(A)に示すように、アンテナ装置101は、アンテナ素子11と、このアンテナ素子11に接続されたインピーダンス変換回路25とを備えている。アンテナ素子11は高周波信号の送受を担う放射体(Radiator)であり、例えばT分岐型のアンテナ素子で構成されていて、LowBandでは基本波モードで共振し、HighBandでは高調波モードで共振する。このアンテナ素子11の給電端にインピーダンス変換回路25が接続されている。インピーダンス変換回路25のうち第1インダクタンス素子L1はアンテナ素子11と給電回路30との間に挿入されている。給電回路30は高周波信号をアンテナ素子11に給電するための回路であり、高周波信号の生成や処理を行うが、高周波信号の合波や分波を行う回路を含んでいてもよい。
インピーダンス変換回路25は、給電回路30に接続された第1インダクタンス素子L1と、第1インダクタンス素子L1に結合した第2インダクタンス素子L2とを備えている。第1インダクタンス素子L1の第1端は給電回路30に、第2端はアンテナ素子11にそれぞれ接続されていて、第2インダクタンス素子L2の第1端はアンテナ素子11に、第2端はグランドにそれぞれ接続されている。
このインピーダンス変換回路25は、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とを相互インダクタンスMを介して密結合したトランス回路を含む。このトランス回路は、図1(B)に示すように、三つのインダクタンス素子Z1,Z2,Z3によるT型回路に等価変換できる。すなわち、このT型回路は、給電回路30に接続される第1ポートP1、アンテナ素子11に接続される第2ポートP2、グランドに接続される第3ポートP3、第1ポートP1と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z1、第2ポートP2と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z2、および第3ポートP3と分岐点Aとの間に接続された第3インダクタンス素子Z3で構成される。
図1(A)に示した第1インダクタンス素子L1のインダクタンスをL1、第2インダクタンス素子L2のインダクタンスをL2、相互インダクタンスをMで表すと、図1(B)のインダクタンス素子Z1のインダクタンスはL1+M、インダクタンス素子Z2のインダクタンスは−M、第3インダクタンス素子Z3のインダクタンスはL2+Mである。
図1(B)に示したT型回路のうち、給電回路30に接続されるポートP1とグランドに接続されるポートP3との間に構成される部分(Z1およびZ3)がトランス比によるインピーダンス変換に寄与する部分である。すなわち、インピーダンス変換回路25のインピーダンス変換比は、(L1+L2+2M):L2である。
図2(A)は前記インピーダンス変換回路25の回路図、図2(B)はその等価回路図である。ここで、説明を簡単化するために、インピーダンス変換回路25を構成する第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2との結合係数kを1と考えると、インピーダンス変換回路25は、シャントに接続されたインダクタンス(L1+L2+2M)のインダクタと理想トランスITとで構成されたものと見なせる。ここで、M=k・√(L1・L2)であり、インダクタンス(L1+L2+2M)のインダクタは、図2(B)に示したとおり、ポートP1とグランドとの間に接続されているインダクタであり、理想トランスITは第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2との巻回数比n:1のインピーダンス変換回路である。
図3(A)は、図2(B)に示したシャント接続のインダクタのインダクタンスが増大する際のインピーダンスの変化をスミスチャート上の軌跡で表した図、図3(B)は、図2(B)に示した理想トランスITのトランス比が増大する際のインピーダンスの変化をスミスチャート上の軌跡で表した図である。シャント接続のインダクタのインダクタンスが十分に大きければ、図1(A)、図1(B)に示したインピーダンス変換回路25には周波数依存性がない。すなわち周波数に依らずにインピーダンス変換比は一定である。シャント接続のインダクタのインダクタンスがある程度小さな値であると、図3(A)に示すように誘導性で低インピーダンス側にシフトするので、LowBandとHighBandとでのインピーダンスに差が生じる。
このようにして、第1インダクタンス素子L1および第2インダクタンス素子L2のターン数が小さく、インダクタンスが小さいと、前記インピーダンス変換回路25は周波数依存性を持つことになる。そこで、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子との結合係数、アンテナのLowBandでのインピーダンスおよびHighBandでのインピーダンスを規定した場合、それを実現する第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子のインダクタンスの組合せは2つ存在する。
図4は、LowBandでのインピーダンスが10Ωの場合の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子のインダクタンスに対するHighBandでのインピーダンスの例を示している。ここで、第1インダクタンス素子のインダクタンスをL1、第2インダクタンス素子のインダクタンスをL2で表している。具体的には、回路シミュレータでL1およびL2の値を細かく振って計算し、必要なインピーダンスとなるL1とL2をプロットした。また、結合係数k=0.5とした。
この図4において、インダクタンスの大きい組合せである「組合せ2」は、インダクタンス値が大きく、含まれる抵抗成分も大きいので損失が大きい。そのため、損失の観点から、インダクタンス値が小さくなる組合せ「組合せ1」を採用する。
図5は第1の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bで第1インダクタンス素子が構成され、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bで第2インダクタンス素子が構成されている。第1インダクタンス素子を構成するループ状導体L1A,L1Bは層方向に隣接し、第2インダクタンス素子を構成するループ状導体L2A,L2Bは第1インダクタンス素子を構成するループ状導体L1A,L1Bを層方向に挟むように配置されている。
ループ状導体L1AとL1Bとの磁界結合(自己誘導)により、第1インダクタンス素子のインダクタンス値を大きくすることができる。これにより、コイル長あたりのインダクタンスが増大するので第1インダクタンス素子のQ値が向上する。インダクタンス値の大きい第1インダクタンス素子のQ値が増大することにより、損失の低減量は大きい。
図6は第1の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、各種導体パターンの斜視図である。これらの導体パターンが形成されている基材層は除いて描いている。なお、各基材層の材料は、誘電体に限らず、磁性体であってもよい。磁性体を用いることによって結合係数を大きくすることができる。また、誘電体層と磁性体層の両方を用いて、詳細設計を行ってもよい。
図7はインピーダンス変換回路25の各誘電体層に形成されている導体パターンを示す図である。図7において(3),(2)で示す層に形成されているループ状導体L1A,L1Bで第1インダクタンス素子が構成されている。また、(4),(1)で示す層に形成されているループ状導体L2A,L2Bで第2インダクタンス素子が構成されている。(5)で示す層にはグランド導体Gが形成されている。(6)で示す層には第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3に相当する端子、およびその他の実装用端子が形成されている。これらの端子は最下層の誘電体層の下面に形成されている。各層の導体パターンはビア導体により層間接続されている。
図6、図7に表れているように、第1インダクタンス素子は内側の層に2層に亘って形成されているループ状導体L1A,L1Bで構成されている。第2インダクタンス素子は2層に亘って形成されているループ状導体L2A,L2Bで構成され、且つ第1インダクタンス素子を層方向に挟むように配置されている。第2インダクタンス素子は2層に亘るほぼ2ターンのコイルであり、第1インダクタンス素子も2層に亘るほぼ2ターンのコイルである。第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子は、平面視でほぼ同一位置を周回し、1層あたりそれぞれ1ターン未満のループ状に形成されている。そのため、ループ状導体L1A,L1B,L2A,L2Bの形成面積が小さく、且つ層方向に近接するので、ターン数が少ない割りに、大きな結合係数が得られる。
図6、図7に示した構造により、インダクタンス4.0nHの第2インダクタンス素子L2、インダクタンス4.7nHの第1インダクタンス素子L1、結合係数k=0.48のインピーダンス変換回路25が得られる。
図8は前記インピーダンス変換回路25のインピーダンスをスミスチャート上に示した図である。ここで、マーカーm8,m9は第2ポート(アンテナ側ポート)P2から見たインピーダンス、マーカーm7,m10は第1ポート(給電側ポート)P1から見たインピーダンスである。また、マーカーm7,m8は892MHz(LowBand)でのインピーダンス、マーカーm9,m10は1.94GHz(HighBand)でのインピーダンスである。マーカーm8で示すLowBandでの第2ポート(アンテナ側ポート)P2から見たインピーダンスは8.87Ω、マーカーm9で示すHighBandでの第2ポート(アンテナ側ポート)P2から見たインピーダンスは15.4Ωである。
このように、LowBandで8Ω程度、HighBandで15Ω程度のアンテナに整合する。
以上に示したインピーダンス変換回路25は次の手順で設計する。
[1]給電回路のインピーダンスおよびアンテナ素子のインピーダンスに基づいて、トランス回路の必要なトランス比を決定する。
[2]第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子との結合係数k、第1インダクタンス素子のインダクタンスL1および第2インダクタンス素子のインダクタンスL2をそれぞれ決定する。アンテナのインピーダンスがLowBandとHighBandとで異なる場合には、図2(B)に示したシャント接続のインダクタのインダクタンス(L1+L2+2M)の値を考慮して、k,L1,L2を決定する。
[3]外側に配置される第2インダクタンス素子(図7に示す導体パターンL2A,L2B)の形状を決定する。より具体的には、第2インダクタンス素子のインダクタンスがステップ2で決定した値となるように、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bの形状を決定する。
[4]内側に配置される第1インダクタンス素子を少なくとも2層のループ導体(図7に示す導体パターンL1A,L1B)で構成するように、第1インダクタンス素子の形状を決定するとともに、第1インダクタンス素子のインダクタンス値が所望の値となるように、各ループ導体間の層間距離を定める(調整する)。より具体的には、第3ループ状導体L2Aと第4ループ状導体L2Bの形状とがほぼ同じ形状となるように、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bの形状を決定するとともに、第1インダクタンス素子のインダクタンスがステップ2で決定した値となるように、第1ループ状導体L1Aと第2ループ状導体L1Bとの層間距離を定め、さらに、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子との結合係数がステップ2で決定した値となるように、第1ループ状導体L1Aと第3ループ状導体L2Bとの層間距離および第2ループ状導体L1Bと第4ループ状導体L2Aとの層間距離をそれぞれ定める。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子の他の幾つかの接続関係について示す。
図9に示す例では、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bで第1インダクタンス素子が構成されていて、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bで第2インダクタンス素子が構成されている。第1インダクタンス素子を構成するループ状導体L1A,L1Bは層方向に隣接し、直列接続されている。第2インダクタンス素子を構成するループ状導体L2A,L2Bはループ状導体L1A,L1Bを層方向に挟むように配置されていて、並列接続されている。
図10に示す例では、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bで第1インダクタンス素子が構成されていて、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bで第2インダクタンス素子が構成されている。第1インダクタンス素子を構成するループ状導体L1A,L1Bは層方向に隣接し、並列接続されている。第2インダクタンス素子を構成するループ状導体L2A,L2Bはループ状導体L1A,L1Bを層方向に挟むように配置されていて、並列接続されている。
図11に示す例では、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bで第1インダクタンス素子が構成されていて、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bで第2インダクタンス素子が構成されている。第1インダクタンス素子を構成するループ状導体L1A,L1Bは層方向に隣接し、並列接続されている。第2インダクタンス素子を構成するループ状導体L2A,L2Bはループ状導体L1A,L1Bを層方向に挟むように配置されていて、直列接続されている。
このように、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子について、それぞれ直列接続または並列接続のいずれの構成にすることもできる。1つのインダクタンス素子を2つのループ状導体で構成する場合に、1つのループ状導体のインダクタンスをLuで表すと、直列接続すれば、インダクタンス素子のインダクタンスはLu×2となり、並列接続すれば、インダクタンス素子のインダクタンスはLu/2となる。そして、ループ状導体を外側の層に配置した場合に比べ、内側の層に配置すれば自己誘導が向上し、インダクタンスは増大する。
したがって、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子との結合係数k、第1インダクタンス素子のインダクタンスL1および第2インダクタンス素子のインダクタンスL2の値に応じて、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子との接続形態および内側外側の配置関係を決定すればよい。
《第3の実施形態》
図12は第3の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、積層素体内における第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。図13はインピーダンス変換回路25の各種導体パターンの斜視図である。これらの導体パターンが形成されている誘電体の基材層は除いて描いている。
図13に表れているように、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bにより第1インダクタンス素子が構成されていて、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bにより第2インダクタンス素子が構成されている。第1ループ状導体L1Aは導体パターンL1A1,L1A2で構成されていて、第2ループ状導体L1Bは導体パターンL1B1,L1B2で構成されている。各層のループ状導体(導体パターン)はビア導体により層間接続されている。
最下層の基材層の下面には第1ポート(給電ポート)P1、第2ポート(アンテナポート)P2、第3ポート(グランドポート)P3に相当する端子およびその他の実装用端子(空き端子NC)が形成されている。これらの端子は最下層の基材層の下面に形成されている。
第1ループ状導体L1Aの一部である導体パターンLA2および第2ループ状導体L1Bの一部である導体パターンL1B2は並列接続されている。そして、第1ループ状導体L1Aの残余部である導体パターンL1A1および第2ループ状導体L1Bの残余部である導体パターンL1B1が前記並列回路に対してそれぞれ直列接続されている。
第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bは直列接続されている。
図12に示すように、導体パターンL1A1とL1B1との強い磁界結合(自己誘導SI)および導体パターンL1A2とL1B2との強い磁界結合(自己誘導SI)により、第1インダクタンス素子の大きなインダクタンス値を得ている。これにより、ループ状導体のループ長あたりのインダクタンスは大きく、第1インダクタンス素子のQ値が向上するので損失が低減される。
また、導体パターンL1A1,L1A2と第4ループ状導体L2Bとの磁界結合(相互誘導MI)および導体パターンL1B1,L1B2と第3ループ状導体L2Aとの磁界結合(相互誘導MI)により、第1インダクタンス素子(L1)と第2インダクタンス素子(L2)との結合係数を高めている。
図14はインピーダンス変換回路25の各基材層に形成されている導体パターンと電流経路を示す図である。図14において、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bには、第1ポートP1→導体パターンL1A1→導体パターン(L1A2+L1B2)→導体パターンL1B1→第2ポートP2の経路で電流が流れる。また、第3ループ状導体L2Aおよび第4ループ状導体L2Bには、第2ポートP2→第3ループ状導体L2A→第4ループ状導体L2B→第3ポートP3の経路で電流が流れる。すなわち、第1インダクタンス素子は導体パターンL1A2,L1B2の並列部と導体パターンL1A1,L1B1の直列部とで構成されている。また、第2インダクタンス素子はループ状導体L2A,L2Bの直列部で構成されている。
《第4の実施形態》
図15は第4の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。図16はインピーダンス変換回路25の各種導体パターンの斜視図である。これらの導体パターンが形成されている誘電体の基材層は除いて描いている。
図15・図16に表れているように、第1ループ状導体L1Aは導体パターンL1A1,L1A2で構成されていて、第2ループ状導体L1Bは導体パターンL1B2で構成されている。各層のループ状導体(導体パターン)はビア導体により層間接続されている。第3ループ状導体はL2Aおよび導体パターンL2A2で構成されている。
この構成により、第2インダクタンス素子のターン数およびインダクタンスを稼ぐことができ、インピーダンス変換比の設定幅を拡げることができる。
《第5の実施形態》
図17は第5の実施形態に係るインピーダンス変換回路25の、積層素体内における第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子の配置関係を考慮して表した回路図である。
図17に表れているように、第1ループ状導体L1Aおよび第2ループ状導体L1Bは直列接続されている。導体パターンL2A1,L2A2によって第3ループ状導体が構成されていて、導体パターンL2B1,L2B2によって第4ループ状導体が構成されている。そして、導体パターンL2A2とL2B2とは並列接続されている。この並列接続された導体パターンL1A2,L2B2に対して導体パターンL2A1,L2B1が直列接続されている。
なお、以上に示した各実施形態では、第1インダクタンス素子の第1端に給電回路を接続し、第2端にアンテナ素子を接続し、第2インダクタンス素子の第1端にアンテナ素子を接続し、第2端を接地した例を示したが、第1インダクタンス素子の第1端を接地し、第2端をアンテナ素子に接続し、第2インダクタンス素子の第1端を給電回路に接続し、第2端をアンテナ素子に接続してもよい。
また、以上に示した各実施形態では、第1高周波回路が給電回路、第2高周波回路がアンテナ素子である例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、一般的に第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路の設計に適用できるものである。
G…グランド導体
IT…理想トランス
L1…第1インダクタンス素子
L2…第2インダクタンス素子
L1A…第1ループ状導体
L1B…第2ループ状導体
L2A…第3ループ状導体
L2B…第4ループ状導体
L1A1,L1A2…導体パターン
L1B1,L1B2…導体パターン
L2A1,L2A2…導体パターン
L2B1,L2B2…導体パターン
P1…第1ポート
P2…第2ポート
P3…第3ポート
11…アンテナ素子
25…インピーダンス変換回路
30…給電回路
101…アンテナ装置

Claims (12)

  1. 第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続され、互いに結合する第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子を備えたトランス回路を有し、前記第1インダクタンス素子および前記第2インダクタンス素子がそれぞれ層間で互いに結合し、前記第1インダクタンス素子が層方向に隣接し、前記第2インダクタンス素子が前記第1インダクタンス素子を層方向に挟むように配置されたインピーダンス変換回路の設計方法であって、
    次の各ステップを順に実施することを特徴とするインピーダンス変換回路の設計方法。
    [1]前記第1高周波回路のインピーダンスおよび前記第2高周波回路のインピーダンスに基づいて、前記トランス回路の必要なトランス比を決定する。
    [2]前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子との結合係数、前記第1インダクタンス素子のインダクタンスおよび前記第2インダクタンス素子のインダクタンスをそれぞれ決定する。
    [3]前記第2インダクタンス素子の形状を決定する。
    [4]前記第1インダクタンス素子を少なくとも2層のループ導体で構成するように、第1インダクタンス素子の形状を決定するとともに、第1インダクタンス素子のインダクタンス値が所望の値となるように、各ループ導体間の層間距離を定める。
  2. 前記第1インダクタンス素子および前記第2インダクタンス素子は、平面視でほぼ同一位置を周回し、1層あたりそれぞれ1ターン未満のループ状に形成する、請求項1に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  3. 前記第1インダクタンス素子を、層方向に隣接する第1ループ状導体および第2ループ状導体で構成し、前記第2インダクタンス素子を、前記第1ループ状導体と前記第2ループ状導体とを層方向に挟み込むように配置した第3ループ状導体および第4ループ状導体で構成する、請求項1または2に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  4. 前記ステップ3で、前記第2インダクタンス素子のインダクタンスが前記ステップ2で決定した値となるように、前記第3ループ状導体および前記第4ループ状導体の形状を決定し、
    前記ステップ4で、前記第3ループ状導体と前記第4ループ状導体の形状とがほぼ同じ形状となるように、前記第1ループ状導体および前記第2ループ状導体の形状を決定するとともに、前記第1インダクタンス素子のインダクタンスが前記ステップ2で決定した値となるように、前記第1ループ状導体と前記第2ループ状導体との層間距離を定め、さらに、前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子との結合係数が前記ステップ2で決定した値となるように、前記第1ループ状導体と前記第3ループ状導体との層間距離および前記第2ループ状導体と前記第4ループ状導体との層間距離をそれぞれ定める、請求項3に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  5. 前記第1ループ状導体と前記第2ループ状導体とを並列接続する、請求項3または4に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  6. 前記第1ループ状導体と前記第2ループ状導体とを直列接続する、請求項3または4に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  7. 前記第1ループ状導体の一部と前記第2ループ状導体の一部とを並列接続する、請求項6に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  8. 前記第3ループ状導体と前記第4ループ状導体とを並列接続する、請求項3〜7のいずれかに記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  9. 前記第3ループ状導体と前記第4ループ状導体とを直列接続する、請求項3〜7のいずれかに記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  10. 前記第3ループ状導体の一部と前記第4ループ状導体の一部とを並列接続する、請求項9に記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  11. 前記第1高周波回路は給電回路、前記第2高周波回路はアンテナ素子であり、
    前記第1インダクタンス素子の、第1端を前記給電回路に接続し、第2端を前記アンテナ素子に接続し、
    前記第2インダクタンス素子の、第1端を前記アンテナ素子に接続し、第2端をグランドに接続する、請求項1〜10のいずれかに記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
  12. 前記第1高周波回路は給電回路、前記第2高周波回路はアンテナ素子であり、
    前記第1インダクタンス素子の、第1端をグランドに接続し、第2端を前記アンテナ素子に接続し、
    前記第2インダクタンス素子の、第1端を前記給電回路に接続し、第2端をアンテナ素子に接続する、請求項1〜10のいずれかに記載のインピーダンス変換回路の設計方法。
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