JPWO2016129585A1 - 水性顔料分散体の製造方法及びインクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Abstract

顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含む混合物を水に分散させる工程を有することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。前記分散させる工程は、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含み、且つ水を固形分に対し30質量%以下で含むかあるいは水を含まない混合物を混練する工程1と、工程1で得られた混練物を水に分散させる工程2とを有することが好ましい。

Description

本発明は特にインクジェット記録用インク用の顔料分散体として有用な水性顔料分散体の製造方法、及び該製造方法により得た水性顔料分散体を使用したインクジェット記録用水性インクに関する。
従来から、被記録材上での記録画像の耐水性や耐光性が良好なインクジェット記録用インクとして水性インクが提案されている。インクジェット印刷では、プリンターヘッドからインク滴を吐出させて印字する。画像記録用途におけるインク吐出方式の主流はピエゾ方式とサーマル方式である。特にサーマル方式においては、プリンターヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーターでノズル内のインクを沸騰させてインク滴を飛ばすため、ノズル内部の急激な温度変化により、発熱抵抗素子表面に色材の分解物や多価金属塩などの凝集物が堆積するコゲーションという現象が発生することが知られている。またコゲーションが発生しないピエゾ方式のインクジェット方式においても、インク凝集物がヘッド目詰まりを発生させることが知られている。
インク中の凝集物の発生原因のひとつは、顔料や水に由来する不純物としての多価金属イオンである。例えばアニオンと反応しやすく且つ水に難溶の生成物が生じやすいカルシウムイオンは顔料に多量に含まれている場合があり、これがインク製造時やインク使用時に析出物や凝集物の原因となって、吐出性や保存安定性に悪影響を与えることがあった。一般に水性インクには、顔料と水の他、界面活性剤やその他添加剤が含まれている。よく使用される界面活性剤の中には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸塩やリン酸塩等 といったアニオン性界面活性剤があるが、これらアニオンは金属イオンと反応しやすいことが知られており、特にカルシウムイオンと反応した場合は炭酸カルシウムや硫酸カルシウム等の水難溶性結晶が生じる可能性があった。また、pH緩衝剤やpH調整剤として一般に使用される炭酸塩や硫酸塩、リン酸塩等も同様に水難溶性結晶が生じる可能性を有する。これら凝集物の存在は極微量であっても長時間の印字においてはインクの液滴速度が低下し、ついにはインクが吐出しなくなる原因となるため、吐出信頼性が重視されるインクジェット分野においては、インク中の多価金属イオンの低減が強く望まれている。
インク中の多価金属イオンの低減方法としては、調製後のインクから直接多価金属イオンを低減させる方法や、インク原料である顔料や水性顔料分散体に含まれる多価金属イオンを低減する方法が考えられる。
水性顔料分散体は、顔料を界面活性剤やイオン性基を有する樹脂等で水に高濃度に分散させたものであり(顔料ペースト等と称されることもある)、一般的なインク原料として、希釈用の水やインク物性に必要な界面活性剤その他添加剤と混合して使用する。従って水性顔料分散体中の多価金属イオンを低減することで、得られるインクの凝集物発生を低下させることが期待できる。
また多価金属イオンは、分散安定性に寄与する顔料表面に吸着した樹脂を橋架けして、顔料粒子の複次的な凝集物を形成するおそれのあることも知られており、水性顔料分散体そのものの分散安定性の観点からも、多価金属イオンが低減された水性顔料分散体が望まれている。
水性インク中あるいは水性顔料分散体中の多価金属または多価金属イオンを低減させ凝集物発生を抑制する方法として、例えば特許文献1では、水性インクや水性顔料分散体にキレート形成基を持つ粒子又は繊維状樹脂を接触させて多価金属を取り除くことでコゲーションや凝集物の発生を抑制できることが開示されている。特許文献1の方法は多価金属イオンを低減させる効果的な方法であるが、水性インクの製造過程でキレート形成基を持つ粒子又は繊維状樹脂を接触あるいは除去する工程が必須であった。
WO2012086789A 特開昭57−90066号公報 特開2005−298643号公報
本発明は、除去が必要なキレート形成基を持つ粒子又は繊維状樹脂を使用せずに、水性インクを調製した時に、インク中に存在する多価金属イオン量が低減される水性顔料分散体の製造方法、及び該製造方法により得た水性顔料分散体を使用したインクジェット記録用水性インクを提供する。
本発明者らは、水性顔料分散体の製造工程において、顔料、顔料分散剤、及び顔料に対して特定量のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含む混合物を予め作製し、該混合物を水に分散させることで、前記課題を解決した。
ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含有するインクジェット記録用インクは公知である(例えば特許文献2,3参照)。特許文献2には、染料の溶解性を向上させ、保存性、吐出安定性、連続記録性の向上に寄与することが開示されている。また特許文献3では、顔料を使用するインクジェット記録用インクにおいて、セルロースを含有する被記録媒体に対してもカールが問題とならず、高い駆動周波数吐出時における良好な応答性と記録ヘッドの耐固着性を高いレベルで維持しつつ、高精細な画像記録に対応し得るインクジェット記録用のインクが得られることが開示されている。
しかしながらこれらの文献は、水性顔料分散体そのものの多価金属イオン量を低減させる最良の方法について特に検討はなされておらず、実際に特許文献3の実施例で開示された方法では、本願の課題を完全に解決するには至らなかった。
本発明者らは、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物が、エチレンジアミンを主骨格に有するために、顔料由来の多価金属イオンそのものを封鎖でき、イオンとしての機能を無効化できると考えた。そして、該多価金属イオンの封鎖能力を最大限に発揮する方法として、製造時に、顔料粒子とポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物との接触確率を高めることが最も有効であると考え、前記「水性顔料分散体の製造工程において、顔料、顔料分散剤、及び顔料に対して特定量のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含む混合物を予め作製し、該混合物を水に分散させる」製造方法を見出した。
ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は構造中にアルキレンオキサイド鎖を有し水との親和性が高いため、水で希釈した際は低粘度(数mPa・s @20wt%aq)である。しかし窒素原子の分子間相互作用が強いことから、水で希釈していない通常状態では粘度が非常に高く(数千mPa・s)なる。このことから、特に前記混合物を得る際、混練機で強い剪断力を与えることによって顔料粒子を微細化させる混練分散方法に使用する混練溶剤として好ましく適用できることも見いだした。特に水が少量あるいは水を含まない状態で混練分散した後、該混練分散物に水を添加することで、顔料体積平均粒子径が小さく且つ粗大粒子数が低減した水性顔料分散体が得られることを見出した。
即ち本発明は、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含む混合物を水に分散させる工程を有する水性顔料分散体の製造方法を提供する。
また本発明は、前記記載の製造方法で得た水性顔料分散体を使用したインクジェット記録用水性インクを提供する。
本発明の製造方法により、顔料の体積平均粒子径の小さい水性顔料分散体を得ることができる。また本発明で得た水性顔料分散体を使用することで、粗大粒子数が低減された水性インクを得ることができる。
前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、主骨格がエチレンジアミンであるので、顔料由来の多価金属イオンを封鎖しイオンとしての機能を無効化すると考えられる。多価金属イオンは前述の通りインクに添加される界面活性剤等と水に不溶な塩を形成するだけではなく、顔料表面に吸着する樹脂を架橋し、顔料粒子の複次的な凝集物を形成するおそれがある。しかし前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、多価金属イオンを封鎖することで樹脂の凝集抑制剤として機能すると考えられるので、粗大粒子の生成数を大幅に減らすことや既に生成している凝集物を解凝集させることが可能となり、その結果顔料の体積平均粒子径を低下できたものと推定される。
該多価金属イオンの封鎖能力は、顔料粒子とポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物との接触確率が高いほど高くなる。特に、顔料とアニオン性基含有有機高分子化合物とを混合する製造方法の初期段階では、水を固形分に対し50質量%以下で含むかあるいは水を含まない状態とし、この状態で混練することが効果的である。
また本発明で使用するポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、インク中に存在してもインク特性に何ら影響は与えないため、キレート形成基を持つ粒子又は繊維状樹脂のように製造工程において除去する必要がなく、水性顔料分散体や水性インクの製造工程時間を大幅に短縮することが可能である。
(言葉の定義)
本発明において、水性顔料分散体とは、水性インク化する前の、顔料が分散媒である水に高濃度に分散された分散体を指す。
水性顔料分散体の顔料濃度は通常5〜50質量%となるように調整してある。これを使用してインク化する際は、所望する用途や物性に応じて、適宜水、あるいは添加剤を添加して、顔料濃度を0.1〜20質量%となるように希釈するのみで、インクを得ることができる。
(顔料)
本発明で使用する顔料は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
例えばブラックインクに使用される顔料としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.995、No.990、No.900、No.960、 No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100、等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180、NIPEX95、NIPEX90、NIPEX85、NIPEX80、NIPEX75等が挙げられる。
またイエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、150、168、176、184、185、202、209、213、282、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また顔料は、分散処理後の分散粒径が1μm以下が好ましく、より好ましくは10nm〜200nmであることがなお好ましく、50nm〜170nmであることが最も好ましい。また顔料は固溶体であってもよく、2種類以上の顔料を混合して使用してもよい。
また自己分散型顔料を使用してもよい。前記自己分散型顔料は、分散剤なしに水性媒体中に分散可能な顔料を意味する。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態を意味する。ここで、「水性媒体中に安定に存在」とは、分散剤なしに水中(25℃、固形分10重量%)で90日間安定(顔料の粒径変化幅が+/−30%以内)であることを意味する。
前記親水基は、−OM、−COOM、−SOM、−SOM、−SONH、−RSOM、−POHM、−PO、−SONHCOR、−NH、及び−NRからなる群から選択される一以上の親水基、すなわちアニオン性親水性官能基であることが好ましい。なお、これらの式中のMは互いに独立して、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表す。また、これらの式中のRは互いに独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
前記自己分散型顔料は、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報、特表2008−524400号公報、特表2009−515007号公報、特表2010−537006号公報、特表2012−500866号公報等に記載の方法によって顔料が処理されたものを用いることができる。前記自己分散型顔料の原料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本発明で使用する顔料は、ドライパウダー及びウェットケーキのいずれも用いることができる。また、これらの顔料は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用する顔料は、その一次粒子径が25μm以下のものからなる顔料が好ましく、1μm以下のものからなる顔料が特に好ましい。粒子径がこの範囲にあれば、顔料の沈降が発生しにくく、顔料分散性が良好となる。
粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
本発明においては、多価金属イオンが粗顔料に多量に含まれている場合が多い有機顔料を使用する場合において特に有用である。また金属の含有量が多くインクジェット用途には使用できなかった顔料も本発明の製造方法では使用することができる。
(アニオン性基含有有機高分子化合物)
本発明におけるアニオン性基含有有機高分子化合物は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基または燐酸基を含有する、有機高分子化合物が挙げられる。この様なアニオン性基含有有機高分子化合物としては、例えばアニオン性基を有するポリビニル系樹脂、アニオン性基を有するポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するアミノ系樹脂、アニオン性基を有するアクリル系共重合体、アニオン性基を有するエポキシ系樹脂、アニオン性基を有するポリウレタン系樹脂、アニオン性基を有するポリエーテル系樹脂、アニオン性基を有するポリアミド系樹脂、アニオン性基を有する不飽和ポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するフェノール系樹脂、アニオン性基を有するシリコーン系樹脂、アニオン性基を有するフッ素系高分子化合物等が挙げられる。
中でもアニオン性基を有するアクリル系共重合体やアニオン性基を有するポリウレタン樹脂は、原料が豊富であり設計の容易であること、顔料分散機能に優れることから好ましい。
(アニオン性基を有するアクリル系共重合体)
アニオン性基を有するアクリル系共重合体は、具体的には、(メタ)アクリル酸等のアニオン性基を有する単量体とそれと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が挙げられる。尚、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称を意味するものとする。(メタ)アクリル酸の各種エステルの場合も前記と同様に解釈される。
同一酸価対比においてより共重合体の疎水性を高め、共重合体の顔料表面への吸着がより強固と出来る点で、前記したその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレンの如きアルキルスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーや、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を用いることが好ましい。中でも、中でも、スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等のスチレン系単量体を用いることが特に好ましい。
本発明における共重合体は、(メタ)アクリル酸の重合単位とその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の重合単位を必須の重合単位として含有する共重合体であれば良く、それらの二元共重合体であっても更にその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との三元以上の多元共重合体であっても良い。
エチレン性不飽和単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、2−メチルブチルメタアクリレート、ペンチルメタアクリレート、ヘプチルメタアクリレート、マレイン酸、マレイン酸無水物、ノニルメタアクリレート等のアクリル酸エステル類及びメタアクリル酸エステル類;3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートのようなアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステル誘導体;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェニルエチルメタアクリレートのようなアクリル酸アリールエステル類及びアクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類あるいはモノメタアクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
本発明で用いる共重合体は、モノエチレン性不飽和単量体の重合単位のみの線状(リニア)共重合体であっても、各種の架橋性を有するエチレン性不飽和単量体を極少量共重合させ、一部架橋した部分を含有する共重合体であっても良い。
この様な架橋性を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートやジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明においては、用いる各単量体の反応率等は略同一と考えて、各単量体の仕込割合を、各単量体の重合単位の質量換算の含有割合と見なすものとする。本発明における共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来より公知の種々の反応方法によって合成することが出来る。この際には、公知慣用の重合開始剤、連鎖移動剤(重合度調整剤)、界面活性剤及び消泡剤を併用することも出来る。
本発明で使用するアニオン性基含有有機高分子化合物として特に好ましくは、前記共重合体の中でも、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体等の、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸を原料モノマーとして含むスチレン−アクリル酸系共重合体が挙げられる。(なお、本発明において「スチレン−アクリル酸系共重合体」とは、前述の通り「スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸を原料モノマーとして含む共重合体」と定義するものとする。従って、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸以外の汎用のモノマーを共重合させてあってもよい)
スチレン−アクリル酸系共重合体の原料であるスチレン系モノマーの使用比率は50〜95質量%であることがより好ましく、中でも70〜90質量%であることが特に好ましい。スチレン系モノマーの使用比率が50質量%以上であると、顔料へのスチレン−アクリル酸系共重合体の親和性が良好となり、水性顔料分散体の分散安定性が向上する傾向がある。また該水性顔料分散体から得られるインクジェット記録用水性インクの普通紙記録特性が向上し、画像記録濃度が高くなる傾向があり、更に耐水特性も良好となる傾向がある。スチレン系モノマーの量が90質量%以下の前記範囲であると、スチレン−アクリル酸系共重合体で被覆された顔料の水性媒体に対する分散性を良好に維持することができ、水性顔料分散体における顔料の分散性や分散安定性を向上させることができる。更に、インクジェット記録用インク組成物として使用した場合の印字安定性が良好になる。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体はスチレン系モノマー、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマーの少なくとも一方の共重合によって得られるが、アクリル酸とメタクリル酸を併用することが好ましい。その理由は、樹脂合成時の共重合性が向上して、樹脂の均一性が良くなり、その結果、保存安定性が良好となり、且つより微粒子化された顔料分散液が得られる傾向があるためである。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体においてスチレン系モノマーとアクリル酸モノマーとメタクリル酸モノマーの共重合時の総和は、全モノマー成分に対して80質量%以上であることが好ましい。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体の製造方法としては、通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。重合触媒としては、例えば、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量はモノマー成分の0.1〜10.0質量%が好ましい。
また、前記スチレン−アクリル酸系共重合体はランダム共重合体でもよいが、グラフト共重合体であっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。スチレン−アクリル酸系共重合体は、このグラフト共重合体とランダム共重合体の混合物であってもよい。
本発明において、アニオン性基を有するアクリル系共重合体の重量平均分子量は2000〜40000の範囲内であることが好ましい。例えば前記スチレン−アクリル酸系共重合体を使用する場合も、その重量平均分子量は5000〜30000の範囲内であることが好ましく、5000〜20000の範囲内にあることがより好ましい。中でも、5500〜15000範囲内にあることが特に好ましい。ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
本発明で使用するアニオン性基含有有機高分子化合物がスチレン−アクリル酸系共重合体の場合、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマー由来のカルボキシル基を有するが、その酸価は20〜400(mgKOH/g)であることが好ましく、50〜300(mgKOH/g)であることがさらに好ましい。酸価が300(mgKOH/g)以下であると顔料の凝集がより発生し難くなる傾向にある。
ここでいう酸価とは、日本工業規格「K 0070:1992. 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定された数値であり、樹脂1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下し、また後記するインクジェット記録用水性インクを調製した場合に、印字安定性が悪くなるので好ましくない。酸価が高すぎる場合には、着色記録画像の耐水性が低下するのでやはり好ましくない。共重合体を該酸価の範囲内とするには、(メタ)アクリル酸を、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
(アニオン性基を有するウレタン樹脂)
本発明で使用するアニオン性基を有するウレタン樹脂は、具体的には、カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性基を有するポリオールとポリイソシアネート、さらに必要に応じて汎用のアニオン性基を有さないポリオールや鎖伸長剤を反応させて得たウレタン樹脂があげられる。
本発明で使用するカルボキシ基を有するポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多塩基酸無水物との反応によって得られるエステル、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのジヒドロキシアルカン酸等が挙げられる。好ましい化合物としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が挙げられる。中でも、ジメチロールプロピオン酸、又はジメチロールブタン酸の入手が容易であり好ましい。
また、スルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のジカルボン酸、及びそれらの塩と、前記低分子量ポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
本発明で使用するジイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー卜化合物、イソホロンジイソシアネー卜、水添キシリレンジイソシアネート、4,4−シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネー卜化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー卜等の芳香脂肪族ジイソシアネー卜化合物、トルイレンジイソシアネー卜、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー卜が挙げられる。
中でも、印字画像の耐光変色が起こり難い点では、脂肪族ジイソシアネート化合物または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
また、汎用のアニオン性基を有さないポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカーボネートが好ましい。これらのポリオールは1種のみを反応させてもよく、数種を混合して反応させてもよい。
また前記ポリオールのほか、印字物における皮膜硬度の調整等を目的として、低分子量のジオールを適宜併用しても良い。例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
本発明で使用する鎖伸長剤は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール等のジオール類、ポリアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等のジアミン類の1種または2種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂は、例えば無溶剤下または有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させることでウレタン樹脂を製造する。次いで、前記塩基性化合物等を用いて中和することにより形成されたアニオン性基を有するウレタン樹脂を、水性媒体中に混合し水性化する際に、必要に応じて鎖伸長剤と混合し、反応させることによって製造することができる。
前記ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、例えば、前記ポリオールが有する水酸基に対する、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の当量割合が、0.8〜2.5の範囲で行うことが好ましく、0.9〜1.5の範囲で行うことがより好ましい。
本発明において、アニオン性基を有するウレタン系樹脂の重量平均分子量は5,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜200,000のものを使用することがより好ましく、15,000〜100,000のものを使用することが特に好ましい。
ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
また、前記ウレタン樹脂としては、2〜200(mgKOH/g)の範囲の酸価を有するものを使用することが好ましく、2〜100(mgKOH/g)の範囲であることが、ウレタン樹脂の良好な水分散安定性等を向上するうえで好ましい。
ここでいう酸価とは、日本工業規格「K 0070:1992. 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定された数値であり、樹脂1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下するおそれがあり、酸価が高すぎる場合には形成画像の耐水性が低下するおそれがある。共重合体を該酸価の範囲内とするには、カルボキシ基を有するポリオールを、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
(塩基性化合物)
本発明において塩基性化合物は、前記アニオン性基含有有機高分子化合物のアニオン性基を中和する目的で使用する。塩基性化合物としては公知のものを使用でき、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、トリエタノールアミン、N,N−ジメタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−N−ブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物が挙げられる。中でも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物は、水性顔料分散体の低粘度化に寄与し、インクジェット記録用インクの吐出安定性の面から好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
これらを使用した前記アニオン性基の中和率は特に限定はないが、一般に80〜120%となる範囲で行うことが多い。なお本発明において、中和率とは塩基性化合物の配合量が前記アニオン性基含有有機高分子化合物中の全てのカルボキシル基の中和に必要な量に対して何%かを示す数値であり、以下の式で計算される。
Figure 2016129585
本願においては、顔料分散時の水の量を考慮した方が好ましく、その場合前記塩基性化合物は通常水溶液として配合することから、水の量は該塩基性化合物水溶液の水も考慮して決定する。
(ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物)
前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、ポリエチレンポリアミンにアルキレンオキサイドを付加反応させることによって得られる公知慣用の化合物である。例えば一般式(1)で表される化合物を使用することができる。
Figure 2016129585

(1)
一般式(1)中、R〜Rは各々独立して分岐していてもよい炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、Y〜Yは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、m1〜m4は各々独立して0〜5の整数を表し、Xは各々独立して、
Figure 2016129585
の少なくとも1つもしくは複数個が連結した基を表し(ただしn1〜n6は各々独立して0〜10の整数を表し、Rは各々独立して分岐していてもよい炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、Yは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、m5は各々独立して0〜5の整数を表す)、m1〜m5の和の平均値は1〜20である。中でもm1〜m5の和の平均値は1〜10がなお好ましく、1〜6がなお好ましく、1〜4が最も好ましい。
一般式(1)において、Y−(O−R)m−(但しXは1〜5の整数である)で表される基は付加されたオキシアルキレン基を表す。
前記R〜Rは具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等があげられる。なかでも、エチレン基、イソプロピレン基が好ましく、少なくともイソプロピレン基を有する化合物であることがなお好ましい。
前記Y〜Yは具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等があげられる。中でも、水素原子またはメチル基、エチル基等が好ましく、水素原子がなお好ましい。
前記m1〜m5はそれぞれ付加されたオキシアルキレン基の付加モル数を示し0〜5の正の数であり、且つm1〜m5の和の平均値は1〜20である。ここでm1〜m5の和の平均値は1分子中のオキシアルキレン基の総数を表す。即ち、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の1分子中、少なくとも1個のオキシアルキレン基を有する。該和の平均値は中でも2〜10であることが好ましく、4〜8であることが最も好ましい。
一般式(1)中、N−X−CH−Nで表される基はポリアミンを表す。
前記一般式(1)で表される化合物としては、なかでも一般式(2)〜(10)で表される化合物を好ましく使用することができる。なお一般式(2)〜(10)において、R〜R、Y〜Y、m1〜m4は各々一般式(1)と同様の基を表し、m1〜m5の和の平均値は1〜20である。
Figure 2016129585
(2)
Figure 2016129585
(3)
Figure 2016129585

(4)
Figure 2016129585

(5)
Figure 2016129585

(6)

Figure 2016129585

(7)
Figure 2016129585

(8)
Figure 2016129585
(9)
Figure 2016129585


(10)
なかでも、キレート能力が高いことから、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)で表される化合物が好ましく、キレート能力が高く且つ混練時の混練溶剤として好適に機能しうることから、一般式(2)で表される化合物が特に好ましい
アルキレンオキサイドの付加反応は、公知慣用の方法で行えばよく、例えばアルゴン、窒素ガスの不活性ガス雰囲気下、50〜200℃、0.02〜1.0MPaで、原料の窒素原子を有する化合物に対し、必要に応じて触媒の存在下、アルキレンオキサイドを連続して加圧添加して行なうことができる。該触媒としてはアルカリ触媒が挙げられ、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物、アルコラート、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類を用いることができる。また、アルカリ触媒の他に、三ふっ化ほう素や四塩化錫などのルイス酸触媒を用いることができる。触媒の使用量は、付加反応終了後の質量に対して、0.01〜5.0質量%が一般的である。
前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は多価金属イオンそのものを封鎖するが、該封鎖能力は、オキシアルキレン基の構造に依存し、オキシアルキレン基の炭素原子数が大きいほど封鎖能力が高い傾向にある。表1は、前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物として一般式(2)で表される化合物のオキシアルキレン基とカルシウムイオンの封鎖能力(封鎖指数とした)との関係を示したものである。カルシウムイオン封鎖指数が高いほど封鎖能力が高いことを示す。
Figure 2016129585

前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の多価金属イオン封鎖指数とは「ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の40質量%水溶液にエリオクロムブラックTを添加した青色水溶液に、1質量%の多価金属塩水溶液(塩化カルシウムの1質量%水溶液)を滴下し、水溶液が赤色を呈したときを終点としたときの多価金属塩水溶液量(X)と、純水で同様に測定したときの多価金属塩水溶液量(Y)について、XをYで除した値(X/Y)」である。より詳細には次の方法で測定される。
(多価金属イオン封鎖指数測定方法)
ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物(例えば表1における一般式(2)−1の化合物を固形分40質量%になるように純水で希釈した後、エリオクロムブラックTが充分に青色を呈するまで添加したサンプルを作製する。エリオクロムブラックTはアゾ染料の一種であり、水の硬度測定等に用いられる金属指示薬である。pH7から11で青色を呈するが、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の金属イオンと錯形成をすることで赤色を呈する。pHが6以下であると赤色の沈殿を生じるので、対象となるサンプルが酸性を示す場合は、サンプルの構造に影響しない適当な塩基で水溶液のpHを7から11に上げておく必要がある。また、pHが11以上であると橙色の沈殿を生じるので、対象となるサンプルが強塩基性を示す場合は、サンプルの構造に影響しない適当な酸で水溶液のpHを7から11に下げておく必要がある。エリオクロムブラックTはサンプルのpHによって着色度合いが異なる為、適当な酸または塩基でサンプルのpHをそろえておくことが望ましい。
前記サンプルを撹拌しながら、1質量%の多価金属塩の水溶液を滴下する。本発明においては「塩化カルシウムの1質量%水溶液」を使用した。
多価金属塩を滴下していくと系中の多価金属イオン濃度が高くなるため、エリオクロムブラックTが多価金属イオンと錯体を形成して赤色を呈する。しかしサンプル中の化合物に多価金属イオンの封鎖力があると、多価金属イオンは化合物中の窒素原子の非共有電子対と結合するため、エリオクロムブラックTは青色を呈したままである。多価金属イオン濃度が封鎖限界付近になると、エリオクロムブラックTが紫色を呈しはじめ、封鎖限界を超えた時点で赤色を呈す。この時点を終点と判断する。この時、多価金属イオンの封鎖力が強いほど、エリオクロムブラックTが赤色を呈すまでに多量の多価金属塩の水溶液を要する。終点までに滴下した多価金属塩の水溶液の量を計量する。これを3回測定し平均値を(X)とした。
サンプルを含まない純水で同様の実験を行い、終点までに滴下した多価金属塩の水溶液の量を計量する(Y)これを3回測定し平均値を(Y)とした。
XをYで除した値(X/Y)を、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の多価金属イオン封鎖指数とした。
この場合、特別な規定がないときは、測定値と平均値との差は所要の数値の最後の桁で2を超えないことを要する。
前記表1から明らかな様に、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物である一般式(2)−1〜一般式(2)−3の化合物は、水よりも高い指数を示しているので、カルシウムイオンの封鎖力があるといえる。本発明においては、カルシウムイオン封鎖指数5以上が好ましく10以上がなお好ましい。
本発明の製造方法において、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、前述の通り、多価金属イオン封鎖剤として顔料由来の多価金属イオンを封鎖する役割と、高粘度液体(数千mPa・s)として水性顔料分散体を製造する際に顔料を微細化させる混練溶剤としての役割の2つの役割を有する。
混練溶剤は一般に、後述の水溶性有機溶剤の中でも粘度の高いエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体、ポリオキシエチレンベンジルアルコールエーテルが知られている。また後述の、顔料を含有する高固形分濃度の混合物に混練機で強い剪断力を与えることによって顔料粒子を微細化させる混練分散方法に使用する混練溶剤としては、前記混練溶剤として使用される化合物のうち顔料表面を湿潤させる作用の高いいわゆる湿潤剤としても使用できる化合物が好ましい。具体的には高沸点、低揮発性のグリコール類やジオール類等多価アルコール類が挙げられ、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましく使用できる。本発明で使用するポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、高沸点、低揮発性の多価アルコール類に相当し、湿潤作用の高い混練溶剤として好ましく使用できる。
顔料とポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物との混合物(この時の水は、少量あるいは水を含まない状態であることが好ましい)を混練分散した後、該混練分散物に水を添加することで、微細化された顔料が分散安定化され、且つ、水性インクに調製した時に存在する凝集物が低減された水性顔料分散体を得ることができる。この時の混練機は、プラネタリーミキサー等の強力なシェアが付与できる混練機が好ましく、顔料粒子と混練溶剤との接触確率が高くなることが期待できる。また混練分散中の混合物は非常に高温になっており、顔料表面に付着している多価金属のイオン化がより促進されると推定している。
またポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、オキシアルキレン基を有するため水との親和性が高く、水に溶かした際は低粘度であるが、窒素原子の分子間相互作用が強いため通常状態での粘度は非常に高い。この特徴により、混練溶剤の他にも、紙着弾後にインクを急激に増粘させ、紙への顔料浸透を抑え印刷濃度を向上させる作用がある。また表面に塩化カルシウム又は炭酸カルシウム層を有するインクジェット専用紙に着弾した際には、紙表面のカルシウムとポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物が反応してインクが増粘し、顔料の紙への浸透が抑えられるため印刷濃度を向上させる作用もある。
またポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物には紙のカール抑制効果があることが知られている。ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の保湿効果が高いことが予想され、ドットが紙の水平方向(繊維方向)に広がりやすくなっている。分散体の表面張力が下がってセルロースとの接触角が低くなっていることも、インクが繊維方向に広がりやすくなる要因である。インクによる紙表面の隠蔽率が高いほど、少ないインクドット数でも高い印刷濃度が上がるので、紙表面の繊維方向に広がりやすいインクは印刷濃度の向上という点で有利であり、顔料の紙への浸透を抑え、紙表面の繊維方向にインクを広げることができるため、従来では成し得なかった高濃度の印刷物を得ることができる。
前記混練分散させる際の顔料とポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物との比率は、顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物であることが好ましく、20〜200質量%であることがなお好ましく、60〜150質量%であることが最も好ましい。
また、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を使用した水性顔料分散体をインクジェット記録用水性インクに用いる場合、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の含有量はインク中で20質量%以下であることが好ましい。ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、窒素原子の分子間相互作用が強いため粘度が非常に高い(数千mPa・s)。水溶液化することで粘度を下げることができるのだが、インク中の含有量が高くなるとインクの粘度が高くなる傾向にある。また含有量に応じてインクの表面張力が低下する傾向にある。この結果、安定したインク吐出を維持することが困難になるため、インクジェットヘッドによっては吐出が困難になる可能性がある。また水の量は固形分に対し50質量%以下で含むかあるいは水を含まない混合物であることが好ましく、1〜20質量%であることがなお好ましく、1〜15質量%であることがなお最も好ましく、1〜10質量%であることが最も好ましい。
(水)
本発明で使用する水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより得られた水性顔料分散体やそれを使用したインク等は長期保存する場合にカビまたはバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
(水溶性有機溶剤)
本発明においては、水の他、必要に応じて水溶性有機溶剤を併用してもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。
また前述の通り、粘度の高いエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体、ポリオキシエチレンベンジルアルコールエーテルなどは、顔料分散体製造時に使用する湿潤作用の高い混練溶剤として使用することもできる。
これら水溶性有機溶剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。中でも、高沸点、低揮発性のグリコール類やジオール類等多価アルコール類は、混練溶剤として特に使用が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
(水性顔料分散体の製造方法)
本発明の水性顔料分散体の製造方法は、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含む混合物を水に分散させる工程を有することを特徴とする。
前記混合物を得る工程は、特に限定されず公知の分散方法で行うことができる。例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル、ボールミル等のメディアを使用するメディアミル分散法;超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等を使用したメディアレス分散法;ロールミル、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、インテンシブミキサー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等の混練分散法等が挙げられる。このうち混練分散法は、顔料を含有する高固形分濃度の混合物に混練機で強い剪断力を与えることによって顔料粒子を微細化させる方法であり、顔料濃度の高い混練物を得ることができ、且つ粗大粒子の低減に有効な方法であり好ましい。前記混練分散法においては、水は、全固形分に対し50質量%以下で含むかあるいは水を含まないことが好ましい。
前記混練分散法で前記混合物を得る場合、水は、全固形分に対し50質量%以下で含むかあるいは水を含まないことが好ましい。水の存在が少量かあるいは存在しないことで、混練溶剤であるポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物と顔料とがより直接的に接触するので、顔料に存在する多価金属イオンをより多くキレートできる可能性や、また分散樹脂であるアニオン性基含有有機高分子化合物の橋架け凝集を抑制あるいは再溶解させる可能性を期待できる。また前記混練分散法は一般に混練物温度が高温になり多価金属のイオン化が系中で促進される可能性や、強力なシェアにより顔料粒子とポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の接触確率がより高くなることも期待できる。
前記混練分散法は、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を仕込み混練を行う。
顔料に対するポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の量は、なかでも20〜200質量%であることが好ましく、より好ましくは60〜150質量%である。
またこのときの仕込み順序には特に限定はなく全量を同時に仕込んで混練を開始してもよいし、各々を少量ずつ仕込んでもよいし、例えばポリマーと塩基性化合物と顔料とを仕込んだのち水溶性有機溶剤を仕込む等、原料によって仕込み順を変えてもよい。各々の原料の仕込み量は前述の範囲で行うことができる。
なお塩基性化合物は通常水溶液として配合することから、混練分散中の水の量は該塩基性化合物水溶液の水も考慮して決定する。
混練分散法のメリットである強い剪断力を混合物に与えるためには、該混合物の固形分比率が高い状態で混練するほうが好ましく、より高い剪断力を該混合物に加えることができる。固形分比率としては、20〜100質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%が最も好ましい。20質量%未満では混合物の粘度が低下するため、混練が十分に行われず、顔料の解砕が不十分となるおそれがある。そして、固形分比率をこのように高めることによって混練中の混練物の粘度を適度に高く保ち、混練中の混練機から混練物にかかる負荷を大きくして、混練物中の顔料の粉砕と顔料のアニオン性基含有有機高分子化合物による被覆を同時に進行させることができる。
混練時の温度は混練物に十分な剪断力が加わるように、使用するアニオン性基含有有機高分子化合物のガラス転移点等の温度特性を考慮して適宜調整を行うことができる。例えばアニオン性基含有有機高分子化合物がスチレン−アクリル酸系共重合体の場合、ガラス転移点より低く、かつ該ガラス転移点との温度差が70℃より小さい範囲で行うことが好ましい。このような温度範囲で混練を行うことにより、混練温度の上昇による樹脂の溶融に伴う混練物の粘度低下によって剪断力が不足することがない。
混練工程に用いる混練装置としては、固形分比率の高い混合物に対して高い剪断力を発生させることのできるものであればよく、前述したような公知の混練装置の中から選択して用いることが可能であるが、二本ロール等の撹拌槽を有しない開放型の混練機を用いるよりは、撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を用いることが好ましい。撹拌槽と撹拌羽根を有し、混練装置を用いることが好ましい。このような装置としては、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示され、特にプラネタリーミキサーなどが好適である。本発明においては、好ましくは顔料濃度と顔料と樹脂からなる固形分濃度が高い状態で混練を行うため、混練物の混練状態に依存して混練物の粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは二本ロール等と比較すると、広い範囲の粘度領域で混練処理が可能であり、更に水性媒体の添加及び減圧溜去も可能であるため、混練時の粘度及び負荷剪断力の調整が容易である。
該混練工程においては、混練溶剤としてグリコール類やジオール類等多価アルコール類等の前記水溶性有機溶剤を併用してもよい。その場合、併用する前記水溶性有機溶剤の比率は、前記水溶性有機溶剤とポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の和に対し80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、20質量%以下が最も好ましい。
前記混練分散法で前記混合物を得る工程1後、工程1で得られた混練物を水に分散させる工程2においては、例えば撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を使用しておれば、工程1に続いて水を添加することが可能である。ここで使用する水は、前記水単独で使用する他、前記水溶性有機溶剤を併用していてもよい。
このようにして得た水性顔料分散体は、用途にもよるが通常顔料濃度が10〜50質量%となるように調整してあると、インク化の希釈が容易であり好ましい。これを使用してインク化する際は、所望するインク用途や物性に応じて、適宜水溶性溶媒及び/または水、あるいは添加剤を添加して、顔料濃度を0.1〜20質量%となるように希釈するのみで、インクを得ることができる。
また前記方法で、顔料濃度が前記範囲内であっても粘度が前記範囲よりも高く取扱いに不便を感じる場合には、水性媒体で適宜希釈し、所望の粘度範囲の水性顔料分散体とすることも可能である。
具体的には、例えば前述のように撹拌槽を有する混練機で顔料混練物を製造した後,該撹拌槽に水性媒体を添加、混合し、必要に応じて撹拌して直接希釈することにより水性顔料分散体を製造できる。また,撹拌翼を備えた別の攪拌機で固体の顔料分散体と水性媒体を混合し,必要に応じて撹拌して水性顔料分散体を調製できる。
水性媒体の混合に関しては、顔料混練物に対して必要量を一括混合してもよいが、連続的あるいは断続的に必要量を添加して混合を進めた方が、水性媒体による希釈が効率的に行われ、より短時間で水性顔料分散体を作製することができる。溶解時間・過熱温度には特に制限は無いが、混練物の十分な溶解性・得られる分散体の均一性を確保するために、アニオン性基含有有機高分子化合物の分解を生じたり、分散体の安定性を損ねることの無い範囲で、長時間・高温であることが好ましい。
また,この様にして得られた水性顔料分散体を、更に分散機により分散処理しても良い。この時使用できる分散機としても特に限定はなく、ペイントシェーカー、ビーズミル、ロールミル、サンドミル、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル、ジュースミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機、ニーダー、プラネタリーミキサーなどがあげられる。
(インクジェット記録用水性インク)
前記水性顔料分散体を所望の濃度に希釈して、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインキジェット記録用インク分野等様々な用途に使用することができる。
本発明の水性顔料分散体をインクジェット記録用インクに適用する場合は、更に水溶性溶媒及び/または水、バインダー目的のアニオン性基含有有機高分子化合物等を加え、所望の物性に必要に応じて各種添加剤、例えば乾燥抑止剤、浸透剤、界面活性剤等を添加して調製する。
インクの調製時あるいは調製後に、遠心分離あるいは濾過処理工程を加えてもよい。
(乾燥抑止剤)
前記乾燥抑止剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥抑止剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
本発明で使用する乾燥抑止剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、グリセリン、トリエチレングリコールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
なお、該乾燥防止剤は、水性顔料分散体で使用する前述の混練溶剤と同じ化合物を使用することができる。従って水性顔料分散体に既に混練溶剤を使用している場合、乾燥防止剤としての役割を兼ねることできる。
(浸透剤)
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのグリコールモノエーテルが挙げられる。インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜5質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、5質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(記録媒体)
インクジェット記録用水性インクの記録媒体としては特に限定はなく、複写機で一般的に使用されているコピー用紙(PPC紙)等の吸収性の記録媒体、インクの吸収層を有する記録媒体、インクの吸収性を有しない非吸水性の記録媒体、インクの吸水性の低い難吸収性の記録媒体などがありうる。
吸収性の記録媒体の例としては、例えば普通紙、布帛、ダンボール、木材等があげられる。また吸収層を有する記録媒体の例としては、インクジェット専用紙等があげられ、この具体例としては、例えば、株式会社ピクトリコのピクトリコプロ・フォトペーパー等が挙げられる。
インクの吸収性を有しない非吸水性の記録媒体の例には、例えば食品用の包装材料に使用されているもの等を使用することができ、公知のプラスチックフィルムが使用できる。具体例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ナイロン等のポリアミド系フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ乳酸フィルム等が挙げられる。特にポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミド系フィルムが好ましく、さらにポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。またバリア性を付与するためのポリ塩化ビニリデン等のコーティングをした前記フィルムでもよいし、必要に応じてアルミニウム等の金属、あるいはシリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層したフィルムを併用してもよい。
前記プラスチックフィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、1軸もしくは2軸方向に延伸されたものでも良い。さらにフィルムの表面は、未処理であってもよいが、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理等、接着性を向上させるための各種処理を施したものが好ましい。
前記プラスチックフィルムの膜厚は用途に応じて適宜変更されるが、例えば軟包装用途である場合は、柔軟性と耐久性、耐カール性を有しているものとして、膜厚が10μm〜100μmであることが好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。この具体例としては、東洋紡株式会社のパイレン(登録商標)などが挙げられる。
インクの吸水性の低い難吸収性の記録媒体には、印刷本紙などのアート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが使用できる。これら難吸収性の記録媒体は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものであり、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の例において「部」及び「%」は特に断りがない限り質量基準である。
(アニオン性基含有有機高分子化合物)
アニオン性基含有有機高分子化合物としては、スチレンアクリル系樹脂を使用した。溶液重合で作製された粉体状(直径1mm以下)の樹脂であり、モノマー組成比において、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=74/11/15(質量比)であり、重量平均分子量11000、酸価170mgKOH/gである。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
(水性顔料分散体の実施例及び比較例)
(実施例1)
(工程1)
スチレンアクリル系樹脂を10.0部、キナクリドン系顔料として「FASTOGEN Super Magenta RY(DIC製)」50.0部を、プラネタリーミキサー(商品名:ケミカルミキサーACM04LVTJ−B 株式会社愛工舎製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、自転回転数:80回転/分、公転回転数:25回転/分で混練を行った。5分後、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物として、化合物(AO−1)(ただし化合物(AO−1)は、前記表1における一般式名「一般式(2)−1」で表される化合物であり、前記一般式(2)においてR〜Rが各々イソプロピレン基であり、m1〜m4は各々1であり、m1〜m4の和は4である化合物である。)を混練溶剤として35.0部、34質量%水酸化カリウム水溶液を5.0部加えた。
なおこの時の水の量は、固形分に対して5.3質量%である。
プラネタリーミキサーの電流値が最大電流値を示してから60分を経過した時点まで混練を継続し、混練された混合物を得た。
Figure 2016129585

化合物(AO−1)
(工程2)
得られた混練された混合物80.0部をジャケットから取出し、1cm角状に切断した後、市販のジューサーミキサーに入れた。そこにイオン交換水80.0部を加え10分間ミキサーにかけて混合、希釈しイオン交換水に分散させた。
さらにイオン交換水と化合物(AO−1)を加え、キナクリドン系顔料濃度15.5質量%、化合物(AO−1)の濃度15.5質量%の水性顔料分散体M−1を得た。
(実施例2)
ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物として、化合物(AO−2)(ただし化合物(AO−2)は、前記表1における一般式名「一般式(2)−2」で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物においてR〜Rが各々イソプロピレン基、エチレン基及びイソプロピレン基とエチレン基とが連結した基のいずれかであり、m1〜m4の和が4〜5である化合物である。)を使用した以外は、実施例1と同様にして、水性顔料分散体M−2を得た。
(実施例3)
ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物として、化合物(AO−3)(ただし化合物(AO−3)は、前記表1における一般式名「一般式(2)−3」で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物においてR〜Rが各々エチレン基であり、m1〜m4が各々1であり、m1〜m4の和は4である化合物である)を使用した以外は、実施例1と同様にして、水性顔料分散体M−3を得た。
Figure 2016129585
化合物(AO−3)
(実施例4)
アゾレッド顔料「FUJI FAST CARMINE 522(冨士色素製)」を使用した以外は、実施例1と同様にして、水性顔料分散体R−1を得た。
(実施例5)
フタロシアニンブルー顔料「FASTOGEN BLUE TGR(DIC製)」を使用した以外は、実施例1と同様にして、水性顔料分散体B−1を得た。
(実施例6)
アゾイエロー顔料「FAST YELLOW 7413(山陽色素製)」を使用した以外は、実施例1と同様にして、水性顔料分散体Y−1を得た。
(比較例1)
ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物の代わりにトリエチレングリコール (略称:TEG)を混練溶剤として使用した以外は、実施例1と同様にして、水性顔料分散体M−4を得た。
(比較例2)
アゾレッド顔料「FUJI FAST CARMINE 522(冨士色素製)」を使用した以外は、比較例1と同様にして、水性顔料分散体R−2を得た。
(比較例3)
フタロシアニンブルー顔料「FASTOGEN BLUE TGR(DIC製)」を使用した以外は、比較例1と同様にして、水性顔料分散体B−2を得た。
(比較例4)
アゾイエロー顔料「FAST YELLOW 7413(山陽色素製)」を使用した以外は、比較例1と同様にして、水性顔料分散体Y−2を得た。
(インクジェット記録用水性インクの実施例及び比較例)
(実施例7)
実施例1で得た水性顔料分散体M−1に以下の原料を配合し、顔料濃度4.0質量%のインクジェット記録用水性インクAを作製した。
(インクジェット記録用水性インクA)
水性顔料分散体M−1:25.8部
2−ピロリジノン:8.0部
トリエチレングリコール:4.0部
トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル:8.0部
精製グリセリン:3.0部
サーフィノール440 (エアープロダクツ社製):0.5部
リン酸系界面活性剤:1.0部
純水:49.7部
(実施例8〜9)
組成を表4の通りに変更した以外は実施例7と同様にして、インクジェット記録用水性インクB、及びCを得た。
(比較例5)
比較例1で得た水性顔料分散体M−4を使用した以外は実施例7と同様にして、顔料濃度4質量%のインクジェット記録用水性インクDを作製した。
(比較例6)
比較例1で得た水性顔料分散体M−4に、インク作製時に使用するトリエチレングリコールを実施例1で使用したポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物である化合物(AO−1)を表4の組成通りに添加し、顔料濃度4質量%のインクジェット記録用水性インクEを作製した。
(インクジェット記録用水性インクE)
水性顔料分散体M−4:25.8部
2−ピロリジノン:8.0部
化合物(AO−1):4.0部
トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル:8.0部
精製グリセリン:3.0部
サーフィノール440 (エアープロダクツ社製):0.5部
リン酸系界面活性剤:1.0部
純水:49.7部
(比較例7)
比較例1の水性顔料分散体M−4に、インク作製時に使用するトリエチレングリコールを実施例2で使用したポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物である化合物(AO−2)を表4の組成の通り添加し、顔料濃度4.0質量%のインクジェット記録用水性インクFを作製した。
(インクジェット記録用水性インクF)
水性顔料分散体M−4:25.8部
2−ピロリジノン:8.0部
化合物(AO−2):4.0部
トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル:8.0部
精製グリセリン:3.0部
サーフィノール440 (エアープロダクツ社製):0.5部
リン酸系界面活性剤:1.0部
純水:49.7部
(比較例8)
比較例1の水性顔料分散体M−4に、インク作製時に使用するトリエチレングリコールを実施例3で使用したポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物である化合物(AO−3)を表4の組成の通り添加し、顔料濃度4質量%のインクジェット記録用水性インクGを作製した。
(インクジェット記録用水性インクG)
水性顔料分散体M−4:25.8部
2−ピロリジノン:8.0部
化合物(AO−3):4.0部
トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル:8.0部
精製グリセリン:3.0部
サーフィノール440 (エアープロダクツ社製):0.5部
リン酸系界面活性剤:1.0部
純水:49.7部
前記水性顔料分散体の配合を表2、3に、インクジェット記録用水性インクの配合を表4に示す。表中単位のないものは部数を表す。
Figure 2016129585

Figure 2016129585

Figure 2016129585


表中、TEGはトリエチレングリコールを表し、
AO−1は、「前記表1における一般式名「一般式(2)−1」で表される化合物であり、前記一般式(2)においてR〜Rが各々イソプロピレン基であり、m1〜m4は各々1であり、m1〜m4の和は4である化合物」を表し、AO−2は、「前記表1における一般式名「一般式(2)−2」で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物においてR〜Rが各々イソプロピレン基、エチレン基及びイソプロピレン基とエチレン基とが連結した基のいずれかであり、m1〜m4の和が4〜5である化合物」を表し、AO−3は、「前記表1における一般式名「一般式(2)−3」で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物においてR〜Rが各々エチレン基であり、m1〜m4が各々1であり、m1〜m4の和は4である化合物)」を表す。
実施例、比較例で作製した水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インクの評価は、次の方法により行った。
〔平均粒子径測定方法〕
マイクロトラック・ベル(株)社製ナノトラック粒度分布計「UPA150」を用いて、イオン交換水で1000倍に希釈したサンプルの平均粒子径を測定した。その測定は、水性顔料分散体約4mLを測定セルに入れて、レーザー光の散乱光を検出することにより、粒子径が測定される。なお、測定温度は25℃であった。
測定結果における体積平均粒子径(MV)の3回測定の平均値の上位2桁を有効数字とし、平均分散粒子径の値(単位:nm)とした。
〔1μm以上の粗大粒子数測定方法〕
サンプルを純水で4倍に希釈したのち、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000S(スペクトリス社製)を用いて、サンプル中に含まれる円相当径1μm以上の粗大粒子の個数を測定した。
サンプルを4倍に希釈しているので、測定を4回実施して測定結果を合算し、観測された粒子個数の総量を測定に使用したサンプル量で除して、サンプル1uL中に含まれる粗大粒子数の個数を評価値とした(単位:個/μL)。
〔0.5μm以上の粗大粒子数測定方法〕
Particle Sizing Systems社製個数カウント方式 粒度分布計(Accusizer 780 APS)を用いて、イオン交換水で500〜1000倍に希釈したサンプルに含まれる直径0.5μm以上の粒子数を測定した。測定結果に希釈濃度の数値を掛け、水性顔料分散体1mL中に含まれる粒子の個数を粗大粒子数とする。通常得られる値の桁数は高く比較が困難になるので、10で除し単位を×10個/mlとする。3回測定の平均値を粗大粒子数とし上位2桁を有効数字とした。
〔印刷濃度の測定方法〕
24時間以上静置したインクジェット記録用水性インクを、市販のインクジェットプリンターのカートリッジに充填し、リサイクル紙及びインクジェット専用紙に特定のパターンを印刷した。画像濃度設定50%設定の印刷パターンを、X−Rite社 Spectoroscanで測色した。得られた測色結果から印刷パターンのC*(彩度)を算出し、L*(明度)で除した値(C*/L*)を評価値とした。彩度が高く明度が低い印刷パターンほど高評価であり、具体的にはリサイクル紙では0.80以上、インクジェット専用紙では0.86以上が高評価である。
水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インクの評価結果を表5および表6に示す。
Figure 2016129585

Figure 2016129585

表5及び表6は、顔料種としてキナクリドン系顔料を使用した水性顔料分散体及びそれを用いたインクジェット記録用水性インクの結果をまとめたものである。この結果、本発明の製造方法で得た実施例1〜3の水性顔料分散体及びこれを使用した実施例7〜9のインクジェット記録用水性インクは、体積平均粒子径が小さく且つ1μm以上の粗大粒子数が少なかった。
比較例1及び5は、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を全く使用しない例である。これは体積平均粒子径も大きく、1μm以上の粗大粒子数も多い。また比較例6〜8は、ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を、水性顔料分散体の製造時ではなく水性インク製造時に加えた例であるが、混練時にポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を使用した分散体よりも体積平均粒子径が小さくならならず、粗大粒子数も少なくならなかった。
また実施例7〜9の中では実施例7の水性インクが最も1μm以上の粗大粒子数が少ない結果が得られた。実施例7で使用するポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物は、AO−1即ちオキシアルキレン基としてオキシプロピレン基を有する化合物が、最も1μm以上の粗大粒子数を低減する効果が高いといえる。
また実施例7〜9の水性インクの印刷濃度は、リサイクル紙、インクジェット専用紙に印字した結果のいずれも、比較例5と比べて高い値が得られた。
Figure 2016129585

表7は、同じ顔料種毎に水性顔料分散体を比較できるようまとめたものである。実施例1と比較例1は顔料種としてキナクリドン系顔料を使用し、実施例4と比較例2は顔料種としてアゾレッド系顔料を使用し、実施例5と比較例3は顔料種としてフタロシアニンブルー顔料を使用し、実施例6と比較例4は顔料種としてアゾイエロー顔料を使用している。
この結果、実施例の水性顔料分散体は、比較例の水性顔料分散体と比べ体積平均粒子径が小さく、且つ0.5μm以上の粗大粒子数が少ないことが明らかである。

Claims (4)

  1. 顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含む混合物を水に分散させる工程を有することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
  2. 前記分散させる工程が、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及び顔料に対して1〜500質量%のポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物を含み、且つ水を固形分に対し30質量%以下で含むかあるいは水を含まない混合物を混練する工程1と、工程1で得られた混練物を水に分散させる工程2とを有する請求項1に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  3. 前記ポリアミン骨格を有するアルキレンオキサイド付加物が、オキシプロピレン基を含む請求項1または2に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得た水性顔料分散体を使用したインクジェット記録用水性インク。
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