JP2019001908A - 水性顔料分散体及び水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents

水性顔料分散体及び水性顔料分散体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、普通紙に印刷した場合に発色性に優れた印刷物の製造に使用可能な水性顔料分散体を提供することである。【解決手段】本発明は、酸価40〜120mgKOH/gの重合体(A)と水性媒体と顔料とを含有する水性顔料分散体であって、前記重合体(A)が有する酸基は、アルカリ金属化合物(B)によって中和された構造を有し、下記式によって算出される中和率が100%超であることを特徴とする水性顔料分散体に関する。中和率(%)=[{アルカリ金属化合物(B)の合計質量(g)×56.11×1000}/{重合体(A)の酸価(mgKOH/g)×(アルカリ金属化合物(B)の当量)×重合体の質量(g)}]×100【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料分散体及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方式で使用されるインクには、粘度が低く、長時間使用されなくとも沈澱や凝集が生じず、インクジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内で詰まりにくく、かつ、光学濃度が高く印字品質に優れた印刷物を製造できるものが求められる。
前記インクとしては、例えば着色剤として顔料を用いるインクジェット記録用水系インクにおいて、そのインク中に溶解している120〜400mgKOH/gの酸価を有する樹脂が、酸価×中和度が110以上でかつ、1.0当量未満に中和されていることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかし、前記インク組成物は、普通紙に印刷した際に、普通紙の内部まで浸透しやすいため、印刷物の光学濃度が低下する場合があった。
また、前記インクとしては、顔料とポリマー分散体と、特定の塩基性化合物とを混合し、分散処理して顔料分散液を得ることを特徴とする顔料分散液が知られている(例えば特許文献2参照。)。
しかし、前記顔料分散液を用いて得たインクは、依然として普通紙に印刷した際の発色性の低下が生じるという課題があった。
特開2004−300166号公報 特開2010−163580号公報
本発明が解決しようとする課題は、普通紙に印刷した場合に発色性に優れた印刷物の製造に使用可能な水性顔料分散体を提供することである。
本発明者らは、普通紙に対する発色性を得るためには、インクが紙に着弾した直後に顔料分散性を急激に低下させて顔料の普通紙への浸透速度を下げ、普通紙の浅い部分(インクが着弾した面に近い部分)に顔料を固着させることが効果的ではないかと推定し、鋭意検討を行った。
その結果、特定範囲の酸価を有する重合体(A)を選択し、その中和に使用する塩基性化合物として特定のものを選択し、かつ、中和率を一定の割合以上に設定した場合に、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、酸価40〜120mgKOH/gの重合体(A)と水性媒体とを含有する水性顔料分散体であって、前記重合体(A)が有する酸基は、アルカリ金属化合物(B)によって中和された構造を有し、下記式によって算出される中和率が100%超であることを特徴とする水性顔料分散体に関するものである。
中和率(%)=[{アルカリ金属化合物(B)の合計質量(g)×56.11×1000}/{重合体(A)の酸価(mgKOH/g)×(アルカリ金属化合物(B)の当量)×重合体の質量(g)}]×100
本発明の水性顔料分散体は、優れた分散性および保存安定性を維持でき、かつ、普通紙に印刷した場合に発色性に優れた印刷物の製造に使用可能なインクの製造に使用することができる。
本発明の水性顔料分散体は、酸価40〜120mgKOH/gの重合体(A)と水性媒体とを含有する水性顔料分散体であって、前記重合体(A)が有する酸基は、アルカリ金属化合物(B)によって中和された構造を有し、下記式によって算出される中和率が100%超であることを特徴とする。
中和率(%)=[{アルカリ金属化合物(B)の合計質量(g)×56.11×1000}/{重合体(A)の酸価(mgKOH/g)×(アルカリ金属化合物(B)の当量)×重合体の質量(g)}]×100
ここで、水性顔料分散体とは、顔料が水等の溶媒に分散した状態のものを指す。前記水性顔料分散体は、水性顔料インクを製造する際に使用する材料、または、水性顔料インクそのものを指す。
(重合体(A))
本発明の水性顔料分散体に含まれる重合体(A)としては、酸価40〜120mgKOH/gの重合体のうち、前記重合体が有する酸基がアルカリ金属化合物(B)によって中和された構造を有するもの(中和物)を使用する。その際、前記重合体(A)としては、下記式によって算出される中和率が100%を超えるものを使用することが、水性顔料分散体中における顔料の優れた分散性と、普通紙に印刷した際の高発色性とを両立するうえで必須である。
前記重合体(A)としては、例えば後述する顔料の分散樹脂としてはたらくものを使用する。
前記重合体(A)としては、例えば芳香族環式構造または複素環式構造を有するものを使用することができる。
前記芳香族環式構造または複素環式構造としては、後述する芳香族環式構造を有する単量体または複素環式構造を有する単量体を使用することによって前記重合体(A)に導入される環構造が挙げられる。
前記環構造としては、ベンゼン環構造を使用することが好ましく、スチレン由来の環構造であることがより好ましい。
前記芳香族環式構造または複素環式構造は、前記重合体(A)の疎水性を高め、顔料への吸着性を高め、その結果、水性顔料分散体中における顔料の優れた分散性を得ることができる。
前記重合体(A)が有する酸価は、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基に由来する酸価である。
前記酸価は、60〜120mgKOH/mgの範囲であることが好ましく、80〜120mgKOH/mgの範囲であることが、分散性および保存安定性をより一層向上でき、かつ、普通紙へ印刷した際の発色性をより一層向上させることができるためより好ましい。
なお、上記酸価は、日本工業規格「K0070:1992. 化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定された数値であり、未中和の重合体(A)1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。
前記重合体(A)としては、各種単量体をラジカル重合することによって得られた重合体を使用することができる。
前記単量体としては、前記重合体(A)に芳香族環式構造を導入する場合であれば芳香族環式構造を有する単量体を使用することができ、複素環式構造を導入する場合であれば複素環式構造を有する単量体を使用することができる。
前記芳香族環式構造を有する単量体としては、例えばスチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−(1−エトキシメチル)スチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−フロロスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル−α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等を使用することができる。
前記複素環式構造を有する単量体としては、例えば2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン系単量体を使用することができる。
前記重合体(A)として芳香族環式構造及び複素環式構造の両方を有するものを使用する場合、前記単量体として、芳香族環式構造を有する単量体及び複素環式構造を有する単量体を組合せ使用することができる。
本発明の水性顔料分散体としては、芳香族環式構造を有する重合体を使用することが好ましいことから、前記単量体としても芳香族環式構造を有する単量体を使用することが好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレンを使用することがより好ましい。
前記芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体は、顔料への吸着性をより一層高めるうえで、前記単量体の全量に対して60質量%〜95質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記重合体(A)のうち、前記重合体(A)の製造に使用する単量体成分の全量に対する前記芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体の使用比率が60質量%以上である重合体は、顔料に吸着しやすいため、得られる水性顔料分散体の分散性および保存安定性をより一層向上させることができる。
また、前記水性顔料分散体を用いて得られるインクジェット記録用水性インクは、普通紙への印刷特性に優れ、発色濃度が高くなる傾向があり、耐水特性も良好となる傾向がある。
前記重合体(A)のうち、前記重合体(A)の製造に使用する単量体成分の全量に対する前記芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体の使用比率が95質量%以下である重合体、前記重合体で被覆された顔料の水性媒体に対する分散性を良好に維持することができ、水性顔料分散体における分散安定性を向上させることができる。
上記したように前記芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体の使用量が、前記単量体の全量に対して60〜95質量%である重合体(A)は、非常に疎水性の高い重合体である。疎水性の高い重合体は、水中での顔料表面との親和性が高くなる。これにより、顔料に吸着する前記重合体(A)の量が増加し、顔料に吸着しない余剰の前記重合体(A)の量は減ると推定される。その結果、分散性と保存安定性を維持するための前記重合体(A)量を減じることが可能となり、顔料粒子の普通紙への浸透速度を下げる事で普通紙での発色性向上効果が奏される。
また、前記重合体(A)としては、前記した特定範囲の酸価を有する重合体を製造するうえで、前記単量体として酸基を有する単量体を使用することができる。
前記酸基を有する単量体としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基またはリン酸基等のアニオン性基を有する単量体を使用することができる。
前記アニオン性基を有する単量体としては、入手しやすく、カルボキシル基を有する単量体を使用することが、より一層優れた顔料分散安定性を備えた水性顔料分散体を得るうえで好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することがより好ましい。
前記酸基を有する単量体は、前記重合体(A)の製造に使用する単量体の全量に対して5〜20質量%の範囲で使用することが、前記した所定範囲の酸価を有するラジカル重合体を得るうえで好ましい。
また、前記重合体(A)の製造に使用可能な単量体としては、前記したもの以外に、必要に応じてその他の単量体を使用することができる。
前記その他の単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA(メタ)アクリレート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、酢酸ビニル等を単独または2種以上組合せ使用することができる。なお、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
また、前記重合体(A)としては、前記単量体のラジカル重合によって形成される構造が線状(リニア)である重合体、分岐(グラフト)した構造を有する重合体、架橋した構造を有する重合体を使用することができる。それぞれの重合体において、モノマー配列は特に限定することはなく、ランダム型やブロック型配列の重合体を使用することができる。
前記架橋構造を有する重合体は、前記単量体として架橋性官能基を有する単量体を使用することによって製造することができる。
前記架橋性官能基を有する単量体としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等を使用することができる。
前記重合体(A)としては、前記酸基を有する単量体及び芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体のみを含む単量体成分を重合して得られる重合体を使用することが好ましい。
前記重合体(A)としては、前記したなかでも、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸系エステル−(メタ)アクリル酸重合体等の、スチレン構造単位と(メタ)アクリル酸構造単位とを有する重合体のうち、前記特定範囲の酸価を有するものを使用することが、より一層優れた分散性および保存安定性を備え、普通紙に対する発色性に優れた印刷物を形成可能な水性顔料分散体を得るうえで好ましい。
前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸共重合体のいずれも使用できるが、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸共重合体を使用することが、前記単量体の共重合性が向上して、重合体の均一性が向上し、その結果、より分散性および保存安定性に優れた顔料分散体が得られるため好ましい。
前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、その製造に使用する単量体の全量に対するスチレンとアクリル酸とメタクリル酸との合計量が80質量%以上であるものを使用することが好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上のものを使用することがさらに好ましい。
なお、本発明では、前記ラジカル重合の際の各単量体の重合率(反応率)は、ほぼ同一とし、各単量体の使用割合(仕込み割合)が、ラジカル重合体を構成する各単量体由来の構造単位の割合と同一であるとみなした。
前記重合体(A)をラジカル重合法により製造する方法としては、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法が挙げられる。その際、必要に応じて公知慣用の重合開始剤、連鎖移動剤(重合度調整剤)、界面活性剤及び消泡剤を使用することができる。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。前記重合開始剤は、前記ラジカル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記スチレン−アクリル酸共重合体としては、リニア重合体、グラフト重合体のどちらも使用することができる。
前記グラフト重合体としては、(メタ)アクリル酸および/またはスチレンとを含む単量体の共重合体が分岐鎖または主鎖を構成し、ポリスチレンやエポキシ、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド鎖、ビスフェノール、長鎖アルキルなどの疎水性側鎖で構成するグラフト共重合体が挙げられる。スチレン−アクリル酸系重合体は、このグラフト重合体とリニア重合体の混合物であってもよい。
前記重合体(A)としては、重量平均分子量が2000〜30000の範囲内であるものを使用することが好ましく、5000〜20000の範囲内であるものを使用することがより好ましく、8000〜15000の範囲内であるものを使用することが特に好ましい。
重量平均分子量が2000以上であると、水性顔料分散体の長期保存安定性が良くなる傾向にあり、顔料の凝集などによる沈降が発生しにくい傾向がある。一方、前記スチレン−アクリル酸共重合体の重量平均分子量が30000以下である水性顔料分散体は、インクジェット記録用インクの吐出安定性をより一層向上させる傾向にある。なお、前記重量平均分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
本発明の水性顔料分散体に使用する前記重合体(A)の含有量は、顔料の全量に対する前記重合体(A)の質量割合[重合体(A)の質量/顔料の質量]が好ましくは0.001〜0.3となる範囲で適宜選択できるが、より優れた分散性および保存安定性を備え、かつ、普通紙に対する優れた発色性を備えた水性顔料分散体を得るうえで、0.01〜0.3の範囲で使用することがより好ましく、0.05〜0.25の範囲で使用することが特に好ましい。
顔料の全量に対する前記重合体(A)の質量比率が上記範囲である水性顔料分散体は、前記顔料に対する前記重合体(A)の使用量が少ないため、水中では良好な分散安定性を有するもののインクが紙に着弾する際に受ける大きな刺激により、重合体(A)で分散された顔料は急激に凝集しやすくなると考えられる。凝集した顔料は、普通紙の内部に浸透しにくく普通紙の表面付近に固着されやすくなり、その結果、発色性が向上するのではないかと推定される。
(アルカリ金属化合物(B))
前記重合体(A)が有する酸基は、前記したとおり、アルカリ金属化合物(B)によって中和される。
前記アルカリ金属化合物(B)としては、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、N,N−ジメタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物を使用することができる。なかでも、前記アルカリ金属化合物(B)としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物を使用することが、水性顔料分散体の低粘度化に寄与し、インクジェット記録用インクの保存安定性及び吐出安定性をより一層向上させるうえで好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを使用することが特に好ましい。
前記酸基の中和率は、未中和樹脂による凝集物の生成を抑制し且つ、分散性を向上するために、100%超となる範囲で行うことが好ましく、100%超〜150%以下の範囲で使用することがより好ましく、110%〜130%の範囲で使用することが、良好な分散性を示し、保存安定性に優れた水性顔料分散体を得るうえで特に好ましい。分散性と保存安定性に優れた水性顔料分散体の使用により、インクジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内で詰まりにくくしインク吐出性を確保することができる。
前記アルカリ金属化合物(B)は、本発明の水性顔料分散体を製造する際に、予め水等の溶媒に溶解または分散等させたものを使用することができる。
(水性媒体)
本発明の水性顔料分散体において、溶媒としては水及び/または水溶性有機溶媒等の水性媒体を使用する。これらは水単独で使用してもよいし、水と水溶性溶媒からなる混合溶媒でもよい。
前記水としては、水、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、前記水としては、紫外線照射または過酸化水素添加等によって滅菌された水を用いることが、水性顔料分散体やそれを使用したインク等を長期保存する場合に、カビまたはバクテリアの発生を防止することができるため好適である。
前記水性媒体として使用可能な水溶性有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。
前記水溶性有機溶媒としては、前記したものの他に、粘度の高いエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体、ポリオキシエチレンベンジルアルコールエーテルなどを湿潤剤として使用することもできる。
前記水溶性有機溶媒は、1種または2種以上混合して用いることができ、高沸点、低揮発性で、高表面張力のグリコール類やジオール類等多価アルコール類を湿潤剤として使用することが好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類を使用することがより好ましい。
(顔料)
本発明で使用する顔料としては、公知慣用の有機顔料及び無機顔料を使用する。なかでも、前記顔料としては、有機顔料を使用することが好ましい。
有機顔料としては、未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができ、具体的には、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などを使用することができる。
具体的なピグメントナンバーとしては、イエロー水性顔料分散体に使用される有機顔料の具体例として、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
またマゼンタ水性顔料分散体に使用される有機顔料の具体例として、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、209、等が挙げられる。
またシアン水性顔料分散体に使用される有機顔料の具体例として、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66等が挙げられる。
前記処理顔料としては、いわゆる自己分散型顔料も含まれる。自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造されたものを使用することができる。
前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CAB−O−JET250C」、「CAB−O−JET260M」、「CAB−O−JET270Y」、「CAB−O−JET450C」、「CAB−O−JET465M」及び「CAB−O−JET470Y」;等があげられる。また、市販品として、自己分散型顔料を水性媒体に分散させた顔料分散液を用いることもできる。例えば、米国センシエントカラーズ社製の「Sensijet Ultra Yellow PY74」、「Sensijet Ultra Magenta PR122」、「Sensijet Ultra Cyan PB15:4」;等があげられる。これらの自己分散型顔料は1種単独で使用してもよく、また複数種を組み合わせて使用してもよい。
前記顔料としては、必要に応じてアシッドペースティングやソルベントソルトミリング、ドライミリング等の方法により、所望の粒子径に調整したものを使用することができる。また前記顔料は、乾燥状態のものを使用しても良いし、あらかじめ水性媒体と混合されたもの使用してもよい。
顔料の粒子径は1μm以下が好ましく、より好ましくは10nm〜200nmの粒子からなる顔料を、さらに好ましくは30nm〜100nmの粒子からなる顔料が好ましい。 粒子径がこの範囲にあれば、顔料の沈降が発生しにくく、顔料分散性が良好となる。粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
本発明の水性顔料分散体に使用する前記顔料の含有量は、水性顔料分散体の全量に対する顔料の質量比率が0.1〜10質量%となる範囲で使用することが好ましく、より優れた分散性および保存安定性を備え、かつ、普通紙に対する優れた発色性を備えた水性顔料分散体を得るうえで、1〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、3〜10質量%の範囲で使用することがより好ましい。
(水性顔料分散体の製造方法)
本発明の水性顔料分散体は、酸価40〜120mgKOH/gの重合体(A)、アルカリ金属化合物(B)、顔料及び水性媒体を、前記中和率が100%超となるように混合することによってそれらの混練物を製造する工程、ならびに、前記混練物と水とを混合する工程を有する方法によって製造することができる。
はじめに、顔料、アルカリ金属化合物(B)、水性媒体、及び、前記重合体(A)を容器へ供給する。その際、前記顔料の質量に対する前記重合体(A)の質量割合[重合体(A)の質量/顔料の質量]が好ましくは0.001〜0.3、より好ましくは0.1〜0.25となる範囲で供給することが、普通紙で発色性効果を奏するうえで好ましい。
前記供給は、顔料、アルカリ金属化合物(B)、水性媒体及び重合体(A)を一括または分割して行ってもよく、供給順序も任意に選択することができる。前記供給方法としては、例えば前記重合体(A)とアルカリ金属化合物(B)と顔料とを予め反応容器に供給し混合した後、水性媒体を供給する方法が挙げられる。
次に、前記容器内の混合物をさらに混合することによって、上記混練物を製造する。
前記混合方法としては、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル、ボールミル等のメディアを使用するメディアミル分散法;超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等を使用したメディアレス分散法;ロールミル、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、インテンシブミキサー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等の混練機を使用した混練分散法等が挙げられる。
なかでも、前記混練分散法は、例えば混練機を用いることで、顔料、重合体(A)、アルカリ金属化合物(B)及び水性媒体を含有する混合物に強い剪断力を与えることができるため、顔料濃度が高い場合であっても顔料粒子が微細化され、粗大粒子が少ない混練物を得ることができるため好ましい。
前記混練分散法で前記混練物を製造する方法としては、顔料、アルカリ金属化合物(B)、水性媒体、及び、前記重合体(A)の混合物を混練する。このときの混合物の仕込み順序には特に限定はなく全量を同時に仕込んで混練を開始してもよいし、各々を少量ずつ仕込んでもよいし、例えば重合体(A)とアルカリ金属化合物(B)と顔料とを仕込んだのち水性媒体を仕込む等、原料によって仕込み順を変えてもよい。前記混練分散法においては、混合物中の水は、混合物の全固形分に対し50質量%以下で含むかあるいは水を含まないことが好ましい。
塩基性化合物を配合する際、予め水に溶解された塩基性化合物水溶液を使用する場合には、前記混合物中の水の量は、前記塩基性化合物水溶液に含まれる水の量を考慮して決定することが好ましい。
混練分散法のメリットである強い剪断力を混合物に与えるためには、前記混合物の固形分比率が高い状態で混練することが好ましい。前記混合物の固形分比率は、20〜100質量%の範囲であることが好ましく、30〜90質量%の範囲であることがより好ましく、40〜80質量%の範囲であることが、混練中の混合物の粘度を適度に高く保つことができるため混練機によって混合物にかかる負荷を大きくでき、その結果、混合物中の顔料の十分な解砕と、顔料への重合体(A)の吸着とをより効率的に行うことができるため特に好ましい。
前記混練時の温度は混練物に十分な剪断力が加わるように、使用する重合体(A)のガラス転移点等の温度特性を考慮して適宜調整を行うことができる。例えば重合体(A)がスチレン−アクリル酸系共重合体の場合、ガラス転移点より低く、かつガラス転移点との温度差が50℃より小さい範囲で行うことが好ましい。
このような温度範囲で混練を行うことにより、混練温度の上昇による重合体(A)の溶融に伴う混練物の粘度低下によって剪断力が不足することがない。
混練工程に用いる混練機としては、固形分比率の高い混合物に対して高い剪断力を発生させることのできるものであればよく、前述したような公知の混練機の中から選択して用いることが可能であるが、撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を用いることが好ましい。
このような装置としては、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示され、特にプラネタリーミキサーなどが好適である。本発明においては、好ましくは顔料濃度と顔料と重合体(A)からなる固形分濃度が高い状態で混練を行うため、混合物の混練状態に依存して混練物の粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは二本ロール等と比較すると、広い範囲の粘度領域で混練処理が可能であり、更に水性媒体の添加及び減圧溜去も可能であるため、混練時の粘度及び負荷剪断力の調整が容易である。
前記混合物を混練して得た混練物を水性媒体に分散させる工程においては、例えば撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を使用していれば、混練物を得る工程に続いて水性媒体を供給することが可能である。ここで使用する水性媒体は、水単独で使用する他、前記水溶性有機溶媒を併用していてもよい。
このようにして得た水性顔料分散体は、用途にもよるが、通常、顔料濃度が10〜50質量%となるように調整してあると、インク化の希釈が容易であり好ましい。前記水性顔料分散体を使用してインクを製造する際には、所望するインク用途や物性に応じて、適宜、水溶性有機溶媒や水や添加剤を添加して、顔料濃度を0.1〜20質量%となるように希釈するのみでよい。
また、前記方法で、顔料濃度が前記範囲内であっても粘度が上記範囲よりも高く取扱いに不便を感じる場合には、水性媒体で適宜希釈し、所望の粘度範囲の水性顔料分散体とすることも可能である。
具体的には、例えば前述のように撹拌槽を有する混練機で混練物を製造した後、該撹拌槽に水性媒体を添加、混合し、必要に応じて撹拌して直接希釈することにより水性顔料分散体を製造できる。また、撹拌翼を備えた別の攪拌機で固体の顔料分散体と水性媒体を混合し、必要に応じて撹拌して水性顔料分散体を調製できる。
水性媒体の混合に関しては、混練物に対して必要量を一括混合してもよいが、連続的あるいは断続的に必要量を添加して混合を進めた方が、水性媒体による希釈が効率的に行われ、より短時間で水性顔料分散体を作製することができる。
また、得られた水性顔料分散体を、更に分散機により分散処理しても良い。分散機としては、ペイントシェーカー、ビーズミル、ロールミル、サンドミル、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル、ジュースミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機、ニーダー、プラネタリーミキサーなどがあげられる。
本発明では、前記方法で得られた水性顔料分散体に、更に酸析工程、水性媒体減量濾過工程、水性媒体中に再度分散する邂逅工程のような後工程を施して得られた水性顔料分散体を使用することもできる。
前記酸析工程は、重合体(A)を顔料の表面に吸着させる工程である。
酸析工程は、例えば混練機を使用して分散し、分散工程後に希釈した水性顔料分散体に塩酸、硫酸、酢酸等の酸を加えて酸性化することで、前記重合体(A)を顔料表面に析出させる工程である。この工程により顔料への重合体(A)の吸着性を向上することができる。
また、所望の固形分濃度にするため余剰の水性媒体を除去する工程または/及び酸析工程で得られた分散体の不純物等を除去する工程として、前述した酸析工程後に固形分をフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、加圧濾過装置等により濾過する水性媒体減量濾過工程等がある。
また、前記邂逅工程としては、前記酸析工程、水性媒体減量濾過工程によって得られた固形分に塩基性化合物および水性媒体、必要により添加物を加えて再び水性顔料分散体とする工程がある。ここで使用する塩基性化合物は、分散時に使用したアルカリ金属化合物(B)であってもよいし、分散工程で用いたものから変更することもできる。
以上の方法で得られた水性顔料分散体は、分散物の体積平均粒子径が、20nmから400nmであることが好ましく、60nmから150nmであることが優れた分散性および保存安定性を備え、発色性に優れた印刷物を形成するうえで最も好ましい。
(インクジェット記録用水性インク)
前記水性顔料分散体を所望の濃度に希釈して、インクジェット記録用インク分野や、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野等様々な用途に使用することができる。
本発明の水性顔料分散体をインクジェット記録用インクに適用する場合は、更に水溶性溶媒及び/または水、バインダー目的のアクリル系樹脂やポリウレタン系樹脂等の樹脂を加え、所望の物性に必要に応じて乾燥抑止剤、浸透剤、界面活性剤、あるいはその他の添加剤を添加して調製する。
インクの調製時あるいは調製後に、遠心分離あるいは濾過処理工程を加えてもよい。
前記乾燥抑止剤は、インクの乾燥防止を目的として使用することができる。乾燥抑止剤のインク中の含有量は、特に制限はない。
前記乾燥抑止剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でもグリセリン、トリエチレングリコールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
なお、該乾燥防止剤は、水性顔料分散体で使用する前述の水溶性有機溶媒と同じ化合物を使用することができる。従って水性顔料分散体に既に水溶性有機溶媒を使用している場合、乾燥防止剤としての役割を兼ねることできる。
前記浸透剤は、記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として使用することができる。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのグリコールモノエーテルが挙げられる。インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために使用することができる。界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤の使用量はインクの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることが、印刷画像のにじみ等をより効果的に防止するうえでさらに好ましい。
また、前記その他の添加剤としては、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(記録媒体)
インクジェット記録用水性インクの記録媒体としては特に限定はなく、複写機で一般的に使用されている普通紙(コピー用紙、PPC紙)等の吸収性の記録媒体、インクの吸収層を有する記録媒体、インクの吸収性を有しない非吸水性の記録媒体、インクの吸水性の低い難吸収性の記録媒体などがありうる。
吸収性の記録媒体の例としては、例えば普通紙、表面にカチオン成分を含むインクジェット専用普通紙等のインクジェット専用普通紙、布帛、ダンボール、木材等があげられる。また吸収層を有する記録媒体の例としては、インクジェット専用紙等があげられ、この具体例としては、例えば、株式会社ピクトリコのピクトリコプロ・フォトペーパーやEPSON株式会社のプロフェッショナルフォトペーパー等が挙げられる。本発明の水性顔料分散体の使用においては、廉価で受理相を有さない普通紙やコピー用紙で特に発色が良く鮮明な画像が得られるため好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
(重合体A1)
重合体A1は、溶液重合で製造された粉体状(直径1mm以下)である。重合体A1の製造に使用した単量体成分の組成比は、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸ブチル=83/7.35/9.55/0.10(質量比)である。重合体A1は重量平均分子量11000、酸価117mgKOH/g、ガラス転移温度は108℃である。
(重合体B1)
重合体B1は、溶液重合で製造された粉体状(直径1mm以下)である。重合体B1の製造に使用した単量体成分の組成比は、スチレン/アクリル酸=87.70/12.30(質量比)である。重合体B1は重量平均分子量11000、酸価92mgKOH/g、ガラス転移温度は101℃である。
(重合体C1)
重合体C1は、溶液重合で製造された粉体状(直径1mm以下)である。重合体C1の製造に使用した単量体成分の組成比は、スチレン/アクリル酸=86.00/14.00(質量比)である。重合体C1は重量平均分子量8000、酸価102mgKOH/g、ガラス転移温度は101℃である。
(重合体D1)
重合体D1は、溶液重合で製造された粉体状(直径1mm以下)である。重合体D1の製造に使用した単量体成分の組成比は、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸ブチル=72.00/12.13/15.76/0.1(質量比)である。重合体D1は重量平均分子量8000、酸価184mgKOH/g、ガラス転移温度は113℃である。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上、株式会社島津製作所製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業株式会社製)
溶出溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
(実施例1 水性顔料分散体の製造方法)
重合体A1を7.5質量部、顔料として「FASTOGEN BLUE TGR(DIC(株)製)」50質量部を、プラネタリーミキサー(商品名:ケミカルミキサーACM04LVTJ−B 株式会社愛工舎製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が80℃に達した後、自転回転数:80回転/分、公転回転数:25回転/分で混練を行った。5分後、トリエチレングリコールを35質量部、34質量%水酸化カリウム水溶液を3.10質量部加えた。
プラネタリーミキサーの電流値が最大電流値を示してから120分を経過した時点まで混練を継続し混練物を得た。尚、前記混練物の顔料に対する前記重合体(A)の質量比率(R/P)は0.15であった。
得られた混練物80質量部をジャケットから取出し、1cm角状に切断した後、市販のジューサーミキサーに入れた。そこにイオン交換水80質量部を加え10分間ミキサーにかけて混合、希釈し純水に分散させた。
さらに純水とトリエチレングリコールを加え、顔料濃度が15.0質量%、前記顔料に対するトリエチレングリコールの濃度が100質量%の水性顔料分散体を得た。
(インクジェット記録用水性インクの製造方法)
得られた水性顔料分散体を純水で顔料濃度12質量%に希釈し、該希釈液に対して以下を配合し、顔料濃度6質量%のインクジェット記録用水性インク(J1)を作製した。
水性顔料分散体の水希釈液:50質量部
2−ピロリジノン:8質量部
トリエチレングリコール:4質量部
トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:8質量部
精製グリセリン:3質量部
サーフィノール440 (エアープロダクツ社製):0.5質量部
純水:26.5質量部
(実施例2)
実施例1の重合体A1の7.5質量部の代わりに重合体B1を7.5質量部使用し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.44質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(J2)を得た。顔料に対する前記重合体B1の質量比率(R/P)は0.15であった。
(実施例3)
実施例1の重合体A1の7.5質量部の代わりに重合体B1を10.0質量部使用し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.98質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(J3)を得た。顔料に対する前記重合体B1の質量比率(R/P)は0.2であった。
(実施例4)
実施例1の重合体A1の7.5質量部の代わりに重合体C1を7.5質量部使用し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.70質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(J4)を得た。顔料に対する前記重合体C1の質量比率(R/P)は0.15であった。
(実施例5)
実施例1の重合体A1の使用量を5.0質量部に変更し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.06質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(J5)を得た。顔料に対する前記重合体A1の質量比率(R/P)は0.10であった。
(実施例6)
実施例1の重合体A1の使用量を10.0質量部に変更し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を3.78質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(J6)を得た。顔料に対する前記重合体A1の質量比率(R/P)は0.2であった。
(実施例7)
実施例1の重合体A1の7.5質量部の代わりに重合体D1を15.0質量部使用し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を6.50質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(J7)を得た。顔料に対する前記重合体D1の質量比率(R/P)は0.10であった。
(比較例1)
34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を3.10質量部から2.58質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H1)を得た。顔料に対する前記重合体A1の質量比率(R/P)は0.15であった。
(比較例2)
34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.44質量部から2.03質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H2)を得た。顔料の質量に対する前記重合体B1の質量の比率(R/P)は0.15であった。
(比較例3)
34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.98質量部から2.71質量部に変更したこと以外は、実施例3と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H3)を得た。顔料に対する前記重合体B1の質量比率(R/P)は0.2であった。
(比較例4)
34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.70質量部から2.25質量部に変更したこと以外は、実施例4と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H4)を得た。顔料に対する前記重合体C1の質量比率(R/P)は0.15であった。
(比較例5)
34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.06質量部から1.72質量部に変更したこと以外は、実施例5と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H5)を得た。顔料に対する前記重合体A1の質量比率(R/P)は0.10であった。
(比較例6)
34質量%水酸化カリウム水溶液の代わりにジメチルエタノールアミン(DMEA)6.02質量部を使用したこと以外は、実施例6と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H6)を得た。顔料に対する前記重合体A1の質量比率(R/P)は0.2であった。
(比較例7)
実施例1の重合体A1の使用量を10.0質量部に変更し、34質量%水酸化カリウム水溶液の使用量を2.75質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク(H7)を得た。顔料に対する前記重合体A1の質量比率(R/P)は0.10であった。
以上の実施例、比較例で作製した水性顔料分散体の評価を以下の方法で行った。
(水性顔料分散体の評価)
〔体積平均粒子径の測定方法〕
はじめに、実施例及び比較例で調製した水性顔料分散体を、イオン交換水で1000倍に希釈した。
次に、希釈後の水性顔料分散体の約4mlをセルにいれ、マイクロトラック・ベル(株)社製ナノトラック粒度分布計「UPA150」を用い、25℃環境下で、レーザー光の散乱光を検出することにより、体積平均粒子径(MV)を測定した。
前記体積平均粒子径を3回測定し、それらの平均値の上位2桁を有効数字として算出した値を、体積平均粒子径の値(単位:nm)とした。
〔粗大粒子数の測定方法〕
はじめに、実施例及び比較例で調製した水性顔料分散体を、イオン交換水で500〜1000倍に希釈した。
次に、Particle Sizing Systems社製、個数カウント方式 粒度分布計(Accusizer 780 APS)を用い、前記希釈後の水性顔料分散体に含まれる直径0.5μm以上の粒子数を3回測定した。
次に、前記測定値に、それぞれ希釈濃度を乗じることによって、粗大粒子数を算出した。次に、上記方法で算出した3つの粗大粒子数の平均値を、実施例及び比較例で調製した水性顔料分散体の粗大粒子数とした。
(水性顔料分散体の保存安定性の試験方法)
はじめに、実施例及び比較例で製造した直後の水性顔料分散体の体積平均粒子径を、前記〔体積平均粒子径の測定方法〕に記載した方法と同様の方法で測定した。
次に、実施例及び比較例で得た水性顔料分散体をポリプロピレン容器に密封し、60℃で1週間保存した後の体積平均粒子径を〔体積平均粒子径の測定方法〕と同様の方法で測定した。
次に、前記製造直後の水性顔料分散体の体積平均粒子径と、前記保存後の水性顔料分散体の体積平均粒子径と、変化率(%)=[(前記保存後の水性顔料分散体の体積平均粒子径−前記製造直後の水性顔料分散体の体積平均粒子径)/前記製造直後の水性顔料分散体の体積平均粒子径]×100の式に基づき、体積平均粒子径の変化率を算出した。前記変化率が10%以内であったものを保存安定性は良好であり◎と評価した。加えて、変化率20%以内なら○、変化率が20%を超えて40%以内なら△、40%以上であれば×と記載した。
〔印刷濃度の測定方法〕
はじめに、製造後24時間以上静置したインクジェット記録用水性インクを、市販のインクジェットプリンターのカートリッジに充填し、コピー用紙に画像濃度設定100%設定の印刷パターンを印刷した。
次に、X−Rite社製の「eXact」で前記印刷パターンのODを測色した。
水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インクの評価結果を表1に示す。なお、ODの列に記載の「−」は、前記インクジェットプリンターでは吐出せず印刷パターンの単色ODを測定できなかったことを示している。
Figure 2019001908
Figure 2019001908

Claims (7)

  1. 酸価40〜120mgKOH/gの重合体(A)と水性媒体と顔料とを含有する水性顔料分散体であって、前記重合体(A)が有する酸基は、アルカリ金属化合物(B)によって中和された構造を有し、下記式によって算出される中和率が100%超であることを特徴とする水性顔料分散体。
    中和率(%)=[{アルカリ金属化合物(B)の合計質量(g)×56.11×1000}/{重合体(A)の酸価(mgKOH/g)×(アルカリ金属化合物(B)の当量)×重合体の質量(g)}]×100
  2. 前記顔料の質量に対する前記重合体(A)の質量割合[重合体(A)の質量/顔料の質量]が0.001〜0.3の範囲である請求項1に記載の水性顔料分散体。
  3. 前記重合体(A)の重量平均分子量が2000〜30000の範囲である請求項1または2に記載の水性顔料分散体。
  4. 前記重合体(A)が芳香族環式構造または複素環式構造を有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性顔料分散体。
  5. 前記アルカリ金属化合物(B)が水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであり、かつ、前記中和率が100%超150%以下の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性顔料分散体。
  6. 前記顔料がシアン顔料である請求項1に記載の水性顔料分散体。
  7. 酸価40〜120mgKOH/gの重合体(A)、アルカリ金属化合物(B)、顔料及び水性媒体を、前記中和率が100%超となるように混合混練物を製造する工程、ならびに、前記混練物と水とを混合する工程を有することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
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