JPWO2016114316A1 - 鉛蓄電池、マイクロハイブリッド車及びアイドリングストップシステム車 - Google Patents

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Abstract

本発明は、優れた充電受け入れ性を得ることが可能な鉛蓄電池を提供することなどを目的とする。本発明は、正極、負極及び電解液を備える鉛蓄電池であって、前記正極が、集電体と、当該集電体に保持された正極材と、を有し、前記負極が、集電体と、当該集電体に保持された負極材と、を有し、前記正極材の比表面積が11m2/g以上であり、前記負極材が負極活物質及びケッチェンブラックを含有し、前記電解液がアルミニウムイオンを含有する鉛蓄電池に関する。

Description

本発明は、鉛蓄電池、マイクロハイブリッド車及びアイドリングストップシステム車に関する。
近年、自動車においては、大気汚染防止又は地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、例えば、エンジンの動作時間を少なくするアイドリングストップシステム車(以下、「ISS車」という)、エンジンの動力によるオルタネータの発電を低減する発電制御車等のマイクロハイブリッド車が検討されている。
ISS車では、エンジンの始動回数が多くなるため、鉛蓄電池の大電流放電が繰り返される。また、ISS車及び発電制御車では、オルタネータによる発電量が少なくなり、鉛蓄電池の充電が間欠的に行われるため充電が不充分となる。
前記のような使われ方をする鉛蓄電池は、PSOC(Partial State Of Charge)と呼ばれる部分充電状態で使用されることになる。鉛蓄電池は、PSOC下で使用されると、満充電状態で使用される場合よりも寿命が短くなる。
また、近年、欧州では、マイクロハイブリッド車の制御に則した、充放電サイクル中における鉛蓄電池の充電性が重要視されており、このような形態のDCA(Dynamic
Charge Acceptance)評価が規格化されつつある。つまり、前記のような鉛蓄電池の使われ方は重要視されてきている。
これに対し、下記特許文献1には、PSOC下で使用される場合の電池の充電効率と寿命性能とを向上させるために、電槽化成の条件を変更することで正極板における活物質の比表面積を5.5m/g以上に調整する技術が開示されている。
国際公開第2012/042917号
ところで、完全な充電が行われず充電が不足した状態で鉛蓄電池が使用される場合には、電池内の電極(極板等)における上部と下部との間で、電解液である希硫酸の濃淡差が生じる成層化現象が起こる。これは、完全な充電が行われないために、電解液の撹拌が不充分になるからである。この場合、電極下部の希硫酸の濃度が高くなりサルフェーションが発生する。サルフェーションは、放電生成物である硫酸鉛が充電状態に戻りにくい現象である。そのため、サルフェーションが発生すると、電極上部のみが集中的に反応するようになる。その結果、電極上部において、活物質間の結びつきが弱くなる等の劣化が進み、集電体から活物質が剥離して、電池性能低下及び早期寿命に至る。
そのため、最近の鉛蓄電池においては、PSOC下で使用された場合の電池の寿命性能を向上させるため、上記特許文献1等の従来の技術と比較して充電受け入れ性を向上させることが極めて重要な課題となっている。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、優れた充電受け入れ性を得ることが可能な鉛蓄電池を提供することを目的とする。本発明は、前記鉛蓄電池を備えるマイクロハイブリッド車及びISS車を提供することを目的とする。
これに対し、本発明者らは、特定の比表面積を有する正極材と、特定の構成成分を含有する負極材及び電解液とを用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明に係る鉛蓄電池は、正極、負極及び電解液を備える鉛蓄電池であって、前記正極が、集電体(正極集電体)と、当該集電体に保持された正極材と、を有し、前記負極が、集電体(負極集電体)と、当該集電体に保持された負極材と、を有し、前記正極材の比表面積が11m/g以上であり、前記負極材が負極活物質及びケッチェンブラック(登録商標、以下同様)を含有し、前記電解液がアルミニウムイオンを含有する。
本発明に係る鉛蓄電池によれば、優れた充電受け入れ性を得ることができる。また、本発明に係る鉛蓄電池によれば、PSOC下で使用される鉛蓄電池の寿命が短くなることを抑制することができる。本発明に係る鉛蓄電池によれば、特に、初期の状態からある程度の充放電が繰り返されて活物質が充分に活性化した後において、ISS車及びマイクロハイブリッド車では低くなりがちなSOC(State Of Charge)を適正なレベルに維持することができる。さらに、上述したサルフェーションが発生すると、他の電池性能(放電特性、サイクル特性等)が低下する場合があるが、本発明に係る鉛蓄電池によれば、優れた充電受け入れ性と、他の優れた電池性能(放電特性、サイクル特性等)とを両立することができる。このような鉛蓄電池は、ISS車、マイクロハイブリッド車等の用途として特に優れる。
なお、PSOC下で使用される鉛蓄電池の寿命が短くなる理由について、充電が不足している状態で充放電を繰り返すと、放電の際に負極(負極板等)に生成する硫酸鉛が粗大化し、充電生成物である金属鉛に硫酸鉛が戻り難くなるためと考えられる。これに対し、本発明に係る鉛蓄電池においては、下記(1)〜(3)の理由により、充電受け入れ性が向上すると共に、鉛蓄電池の寿命が短くなることを抑制することができると推測される。
(1)正極材の比表面積の増大によって電流密度が低下し、充電過電圧が低下することで充電が起こりやすくなる。
(2)ケッチェンブラックは有効な導電ネットワークの形成性に優れるため、絶縁性の硫酸鉛から金属鉛への反応(充電)が起こりやすくなる。
(3)アルミニウムイオンによって硫酸イオンの拡散性が向上することにより、硫酸鉛が電解液中に溶解しやすくなり、充電が促進される。
前記負極材は、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するビスフェノール系樹脂を更に含有することが好ましい。この場合、更に優れた充電受け入れ性を得ることができる。
前記負極材は、リグニンスルホン酸及びリグニンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含有することが好ましい。これにより、放電特性を更に向上させることができる。
前記電解液の比重は、1.24〜1.33(20℃換算)であることが好ましい。この場合、充電受け入れ性、放電特性及びサイクル特性を更にバランス良く向上させることができる。
前記ケッチェンブラックの含有量は、負極材の全質量を基準として0.01〜2質量%であることが好ましい。これにより、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性を更にバランス良く向上させることができる。
前記負極材の比表面積は、0.5〜1.2m/gであることが好ましい。これにより、優れた充電受け入れ性と、他の優れた電池性能(放電特性、サイクル特性等)とを更に良好に両立させることができる。
前記電解液における前記アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜0.2mol/Lであることが好ましい。これにより、充電受け入れ性及びサイクル特性を更に向上させることができる。
本発明に係るマイクロハイブリッド車及びISS車は、前記鉛蓄電池を備える。
本発明によれば、優れた充電受け入れ性を得ることができる。また、本発明によれば、優れた充電受け入れ性と、他の優れた電池性能(放電特性、サイクル特性等)とを両立することができる。本発明に係る鉛蓄電池は、充電が間欠的に行われ、PSOC下で高率放電が行われる液式鉛蓄電池として、ISS車、マイクロハイブリッド車等において好適に用いることができる。
本発明によれば、マイクロハイブリッド車への鉛蓄電池の応用を提供できる。本発明によれば、ISS車への鉛蓄電池の応用を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、比重は、温度によって変化するため、本明細書においては20℃で換算した比重と定義する。
<鉛蓄電池、マイクロハイブリッド車及びISS車>
本実施形態に係る鉛蓄電池は、例えば、電極(電極板等)、電解液(希硫酸等)及びセパレータを備えている。電極は、正極(正極板等)及び負極(負極板等)を有している。本実施形態に係る鉛蓄電池としては、液式鉛蓄電池、制御弁式鉛蓄電池、密閉式鉛蓄電池等が挙げられ、液式鉛蓄電池が好ましい。正極は、集電体(正極集電体)と、当該集電体に保持された正極材と、を有している。負極は、集電体(負極集電体)と、当該集電体に保持された負極材と、を有している。本実施形態において正極材及び負極材は、例えば、化成後(例えば満充電状態)の電極材である。電極材が未化成である場合、電極材(未化成の正極材及び未化成の負極材)は、電極活物質(正極活物質及び負極活物質)の原料等を含有している。集電体は、電極材からの電流の導電路を構成する。鉛蓄電池の基本構成としては、従来の鉛蓄電池と同様の構成を用いることができる。本実施形態に係るマイクロハイブリッド車及びISS車は、本実施形態に係る鉛蓄電池を備える。
本実施形態において、正極材の比表面積は、11m/g以上である。負極材は、(A)負極活物質及び(B)ケッチェンブラックを少なくとも含有し、必要に応じて添加剤を更に含有していてもよい。電解液はアルミニウムイオンを含有している。
(正極材)
[正極活物質]
正極材は、正極活物質を含有している。正極活物質は、正極活物質の原料を含む正極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極活物質を得た後に未化成の正極活物質を化成することで得ることができる。化成後の正極活物質は、β−二酸化鉛(β−PbO)を含むことが好ましく、α−二酸化鉛(α−PbO)を更に含んでいてもよい。正極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を用いてもよい。未化成の正極材は、主成分として、三塩基性硫酸鉛を含む未化成の正極活物質を含有することが好ましい。
正極活物質の平均粒径は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上が更に好ましい。正極活物質の平均粒径は、サイクル特性が更に向上する観点から、2.5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。正極活物質の前記平均粒径は、化成後の正極材における正極活物質の平均粒径である。正極活物質の平均粒径は、例えば、化成後の正極中央部の正極材における縦10μm×横10μmの範囲の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)の画像内における全ての活物質粒子の長辺長さ(最大粒径)の値を算術平均化した数値として得ることができる。
正極活物質の含有量は、電池特性(容量、低温高率放電性能、充電受け入れ性、サイクル特性等)に更に優れる観点から、正極材の全質量を基準として、95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。正極活物質の含有量の上限は、100質量%以下であってもよい。正極活物質の前記含有量は、化成後の正極材における正極活物質の含有量である。
[正極添加剤]
正極材は、添加剤を更に含有していてもよい。添加剤としては、炭素材料(炭素質導電材。炭素繊維を除く)、補強用短繊維等が挙げられる。炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック(ケッチェンブラック等)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。補強用短繊維としては、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等が挙げられる。
[正極材の物性]
正極材の比表面積の下限は、優れた充電受け入れ性を得る観点から、11m/g以上である。正極材の比表面積は、更に優れた充電受け入れ性を得る観点から、11.5m/g以上が好ましく、12m/g以上がより好ましい。正極材の比表面積の上限に制限はないが、実用的な観点及び利用率に優れる観点から、20m/g以下が好ましく、15m/g以下がより好ましく、13m/g以下が更に好ましい。これらの観点から、正極材の比表面積は、11〜20m/gが好ましく、11.5〜15m/gがより好ましく、12〜13m/gが更に好ましい。正極材の前記比表面積は、化成後の正極材の比表面積である。正極材の比表面積は、例えば、後述する正極材ペーストを作製する際の希硫酸及び水の添加量を調整する方法、未化成の正極活物質の段階で活物質を微細化させる方法、化成条件を変化させる方法等により調整することができる。
正極材の比表面積は、例えば、BET法で測定することができる。BET法は、一つの分子の大きさが既知の不活性ガス(例えば窒素ガス)を測定試料の表面に吸着させ、その吸着量と不活性ガスの占有面積とから表面積を求める方法であり、比表面積の一般的な測定手法である。具体的には、以下のBET式に基づいて測定する。
下記式(1)の関係式は、P/Pが0.05〜0.35の範囲でよく成立する。なお、式(1)中、各符号の詳細は下記のとおりである。
P:一定温度で吸着平衡状態であるときの吸着平衡圧
:吸着温度における飽和蒸気圧
V:吸着平衡圧Pにおける吸着量
:単分子層吸着量(気体分子が固体表面で単分子層を形成したときの吸着量)
C:BET定数(固体表面と吸着物質との間の相互作用に関するパラメータ)
Figure 2016114316
式(1)を変形する(左辺の分子分母をPで割る)ことにより下記式(2)が得られる。測定に用いる比表面積計では、吸着占有面積が既知のガス分子を試料に吸着させ、その吸着量(V)と相対圧力(P/P)との関係を測定する。測定したVとP/Pより、式(2)の左辺とP/Pをプロットする。ここで、勾配がsであるとすると、式(2)より下記式(3)が導かれる。切片がiであるとすると、切片i及び勾配sは、それぞれ下記式(4)及び下記式(5)のとおりとなる。
Figure 2016114316
Figure 2016114316
Figure 2016114316
Figure 2016114316
式(4)及び式(5)を変形すると、それぞれ下記式(6)及び式(7)が得られ、単分子層吸着量Vを求める下記式(8)が得られる。すなわち、ある相対圧力P/Pにおける吸着量Vを数点測定し、プロットの勾配及び切片を求めると、単分子層吸着量Vが求まる。
Figure 2016114316
Figure 2016114316
Figure 2016114316
試料の全表面積Stotal(m)は、下記式(9)で求められ、比表面積S(m/g)は、全表面積Stotalより下記式(10)で求められる。なお、式(9)中、Nは、アボガドロ数を示し、ACSは、吸着断面積(m)を示し、Mは、分子量を示す。また、式(10)中、wは、サンプル量(g)を示す。
Figure 2016114316
Figure 2016114316
正極材の多孔度は、正極材中の空孔部(孔)に希硫酸が入り込む領域が多くなり容量が増加しやすい観点から、50体積%以上が好ましく、55体積%以上がより好ましい。正極材の多孔度の上限に特に制限はないが、正極材中の空孔部への希硫酸の含浸量が適度あり、活物質同士の結合力を良好に維持できる観点から、70体積%以下が好ましい。多孔度の上限は、実用的な観点から、60体積%以下がより好ましい。正極材の前記多孔度は、化成後の正極材の多孔度である。なお、正極材の多孔度は、例えば、水銀ポロシメーター測定から得られる値(体積基準の割合)である。正極材の多孔度は、例えば、正極材ペーストを作製する際に加える希硫酸量によって調整することができる。
(負極材)
[(A)成分:負極活物質]
負極活物質は、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極活物質を得た後に未化成の負極活物質を化成することで得ることができる。化成後の負極活物質としては、海綿状鉛(Spongylead)等が挙げられる。前記海綿状鉛は、電解液中の希硫酸と反応して、次第に硫酸鉛(PbSO)に変わる傾向がある。負極活物質の原料としては、鉛粉等が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。未化成の負極活物質は、例えば、塩基性硫酸鉛及び金属鉛、並びに、低級酸化物から構成される。
負極活物質の平均粒径は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.6μm以上が更に好ましい。負極活物質の平均粒径は、サイクル特性が更に向上する観点から、2μm以下が好ましく、1.8μm以下がより好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。負極活物質の前記平均粒径は、化成後の負極材における負極活物質の平均粒径である。負極活物質の平均粒径は、例えば、化成後の負極中央部の負極材における縦10μm×横10μmの範囲の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)の画像内における全ての活物質粒子の長辺長さ(最大粒径)の値を算術平均化した数値として得ることができる。
負極活物質の含有量は、電池特性(容量、低温高率放電性能、充電受け入れ性、サイクル特性等)に更に優れる観点から、負極材の全質量を基準として、93質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上が更に好ましい。負極活物質の含有量の上限は、100質量%未満であってもよい。負極活物質の前記含有量は、化成後の負極材における負極活物質の含有量である。
[(B)成分:ケッチェンブラック]
ケッチェンブラックは、中空シェル状の構造を有し、単位質量あたりの一次粒子数が多く、比表面積が大きい特徴を有する。ケッチェンブラックとしては、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の「カーボンECP600JD」等が挙げられる。
ケッチェンブラックのDBP吸油量は、100〜600mL/100gが好ましく、300〜600mL/100gがより好ましい。ケッチェンブラックの前記DBP吸油量は、400〜600mL/100gであってもよい。このような範囲のDBP吸油量のケッチェンブラックは、導電性に優れると共に、負極材中で導電網を形成しやすくなり、充電受け入れ性を更に向上させることができる。なお、DBP吸油量はASTM D2414に従って測定することができる。
ケッチェンブラックの平均粒径の上限は、放電の際に生成する硫酸鉛への取り込まれやすさに優れる観点、及び、硫酸鉛との親和性が向上する観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下が更に好ましく、10μm以下が特に好ましい。ケッチェンブラックの平均粒径の下限は、特に制限はないが、実用的な観点から、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上が更に好ましい。一般的に、市販のケッチェンブラックは、一次粒子が凝集した状態(二次粒子)である。ケッチェンブラックの一次粒子が凝集した状態である場合、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更に向上する観点から、負極材ペーストを調製する前に、平均粒径が10μm以下になるまで、粉砕、又は、少量の水で撹拌した後、ペーストにケッチェンブラックを添加することが好ましい。このような処置により、硫酸鉛への親和性が増し、ケッチェンブラックの効果が発現しやすくなる。
ケッチェンブラックの平均粒径は、例えば、JISM8511(2014)記載のレーザ回折・散乱法に準拠して求めることができる。具体的には、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック9220FRA)を用い、分散剤として市販の界面活性剤ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(例えば、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製:トリトンX−100)を0.5体積%含有する水溶液にケッチェンブラックを適量投入し、撹拌しながら40Wの超音波を180秒照射した後、測定を行う。求められたメディアン径(D50)の値をケッチェンブラックの平均粒径とする。ケッチェンブラックの平均粒径は、化成前に求めた平均粒径であってもよく、化成後に求めた平均粒径であってもよい。
ケッチェンブラックの含有量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更にバランス良く向上する観点から、負極材の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。ケッチェンブラックの前記含有量は、0.1質量%以上であってもよい。ケッチェンブラックの含有量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更にバランス良く向上する観点から、負極材の全質量を基準として、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。ケッチェンブラックの前記含有量は、0.3質量%以下であってもよい。ケッチェンブラックの含有量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更にバランス良く向上する観点から、負極材の全質量を基準として、0.01〜2質量%が好ましく、0.03〜1.5質量%がより好ましく、0.03〜0.5質量%が更に好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。ケッチェンブラックの前記含有量は、0.1〜0.3質量%であってもよい。ケッチェンブラックの前記含有量は、化成後の負極材におけるケッチェンブラックの含有量である。
[(C)成分:スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂]
負極材は、充電受け入れ性、放電特性及びサイクル特性を更にバランス良く向上させることができる観点から、スルホン基(スルホン酸基、スルホ基)及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する樹脂(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂)を更に含有することが好ましい。
(C)成分としては、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するビスフェノール系樹脂(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有するビスフェノール系樹脂。以下、単に「ビスフェノール系樹脂」という)、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、充電受け入れ性が更に向上する観点から、ビスフェノール系樹脂が好ましく、(c1)ビスフェノール系化合物と、(c2)アミノアルキルスルホン酸、アミノアルキルスルホン酸誘導体、アミノアリールスルホン酸及びアミノアリールスルホン酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種と、(c3)ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種との縮合物であるビスフェノール系樹脂がより好ましい。以下、(c1)〜(c3)の縮合物であるビスフェノール系樹脂について詳細に説明する。
((c1)成分:ビスフェノール系化合物)
ビスフェノール系化合物は、2個のヒドロキシフェニル基を有する化合物である。(c1)成分としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」という)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(以下、「ビスフェノールS」という)等が挙げられる。(c1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(c1)成分としては、充電受け入れ性に更に優れる観点からはビスフェノールAが好ましく、放電特性に更に優れる観点からはビスフェノールSが好ましい。
(c1)成分としては、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性がバランス良く向上しやすい観点から、ビスフェノールAとビスフェノールSとを併用することが好ましい。この場合、ビスフェノール系樹脂を得るためのビスフェノールAの配合量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性がバランス良く向上しやすい観点から、ビスフェノールA及びビスフェノールSの合計量を基準として、70mol%以上が好ましく、75mol%以上がより好ましく、80mol%以上が更に好ましい。ビスフェノールAの配合量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性がバランス良く向上しやすい観点から、ビスフェノールA及びビスフェノールSの合計量を基準として、99mol%以下が好ましく、98mol%以下がより好ましく、97mol%以下が更に好ましい。
((c2)成分:アミノアルキルスルホン酸、アミノアルキルスルホン酸誘導体、アミノアリールスルホン酸及びアミノアリールスルホン酸誘導体)
アミノアルキルスルホン酸としては、アミノメタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、2−メチルアミノエタンスルホン酸等が挙げられる。
アミノアルキルスルホン酸誘導体としては、アミノアルキルスルホン酸の水素原子がアルキル基(例えば炭素数1〜5のアルキル基)等で置換された化合物、アミノアルキルスルホン酸のスルホン基(−SOH)の水素原子がアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)で置換されたアルカリ金属塩などが挙げられる。
アミノアリールスルホン酸としては、アミノベンゼンスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸等が挙げられる。アミノアリールスルホン酸誘導体としては、アミノベンゼンスルホン酸誘導体、アミノナフタレンスルホン酸誘導体等が挙げられる。
アミノベンゼンスルホン酸としては、2−アミノベンゼンスルホン酸(別名オルタニル酸)、3−アミノベンゼンスルホン酸(別名メタニル酸)、4−アミノベンゼンスルホン酸(別名スルファニル酸)等が挙げられる。
アミノベンゼンスルホン酸誘導体としては、アミノベンゼンスルホン酸の一部の水素原子がアルキル基(例えば炭素数1〜5のアルキル基)等で置換された化合物、アミノベンゼンスルホン酸のスルホン基(−SOH)の水素原子がアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)で置換されたアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)などが挙げられる。アミノベンゼンスルホン酸の一部の水素原子がアルキル基で置換された化合物としては、4−(メチルアミノ)ベンゼンスルホン酸、3−メチル−4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4−メチルベンゼンスルホン酸、4−(エチルアミノ)ベンゼンスルホン酸、3−(エチルアミノ)−4−メチルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。アミノベンゼンスルホン酸のスルホン基の水素原子がアルカリ金属で置換された化合物としては、2−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、3−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−アミノベンゼンスルホン酸カリウム、3−アミノベンゼンスルホン酸カリウム、4−アミノベンゼンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
アミノナフタレンスルホン酸としては、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(p−体)、5−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ana−体)、1−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(ε−体、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸)、6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ε−体)、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(amphi−体)、7−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸、8−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(peri−体)、1−アミノ−7−ナフタレンスルホン酸(kata−体、8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸)等のアミノナフタレンモノスルホン酸;1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、7−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、6−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸等のアミノナフタレンジスルホン酸;7−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、8−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホン酸等のアミノナフタレントリスルホン酸などが挙げられる。
アミノナフタレンスルホン酸誘導体としては、アミノナフタレンスルホン酸の一部の水素原子がアルキル基(例えば炭素数1〜5のアルキル基)等で置換された化合物、アミノナフタレンスルホン酸のスルホン基(−SOH)の水素原子がアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)で置換されたアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)などが挙げられる。
(c2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(c2)成分としては、サイクル特性及び充電受け入れ性が更に向上する観点から、4−アミノベンゼンスルホン酸が好ましい。
ビスフェノール系樹脂を得るための(c2)成分の配合量は、放電特性が更に向上する観点から、(c1)成分1molに対して、0.5mol以上が好ましく、0.6mol以上がより好ましく、0.8mol以上が更に好ましく、0.9mol以上が特に好ましい。(c2)成分の配合量は、サイクル特性及び放電特性が更に向上しやすい観点から、(c1)成分1molに対して、1.3mol以下が好ましく、1.2mol以下がより好ましく、1.1mol以下が更に好ましい。
((c3)成分:ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体)
ホルムアルデヒドとしては、ホルマリン(例えばホルムアルデヒド37質量%の水溶液)中のホルムアルデヒドを用いてもよい。ホルムアルデヒド誘導体としては、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン等が挙げられる。(c3)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ホルムアルデヒドとホルムアルデヒド誘導体とを併用してもよい。
(c3)成分としては、優れたサイクル特性が得られやすくなる観点から、ホルムアルデヒド誘導体が好ましく、パラホルムアルデヒドがより好ましい。パラホルムアルデヒドは、例えば、下記一般式(I)で表される構造を有する。
HO(CHO)n1H …(I)
[式(I)中、n1は2〜100の整数を示す。]
ビスフェノール系樹脂を得るための(c3)成分のホルムアルデヒド換算の配合量は、(c2)成分の反応性が向上する観点から、(c1)成分1molに対して、2mol以上が好ましく、2.2mol以上がより好ましく、2.4mol以上が更に好ましい。(c3)成分のホルムアルデヒド換算の配合量は、得られるビスフェノール系樹脂の溶媒への溶解性に優れる観点から、(c1)成分1molに対して、3.5mol以下が好ましく、3.2mol以下がより好ましく、3mol以下が更に好ましい。
ビスフェノール系樹脂は、例えば、下記一般式(II)で表される構造単位、及び、下記一般式(III)で表される構造単位の少なくとも一方を有することが好ましい。
Figure 2016114316
[式(II)中、Xは、2価の基を示し、Aは、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、アリーレン基を示し、R21、R23及びR24は、それぞれ独立にアルカリ金属又は水素原子を示し、R22は、メチロール基(−CHOH)を示し、n21は、1〜150の整数を示し、n22は、1〜3の整数を示し、n23は、0又は1を示す。また、ベンゼン環を構成する炭素原子に直接結合している水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。]
Figure 2016114316
[式(III)中、Xは、2価の基を示し、Aは、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、アリーレン基を示し、R31、R33及びR34は、それぞれ独立にアルカリ金属又は水素原子を示し、R32は、メチロール基(−CHOH)を示し、n31は、1〜150の整数を示し、n32は、1〜3の整数を示し、n33は、0又は1を示す。また、ベンゼン環を構成する炭素原子に直接結合している水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。]
式(II)で表される構造単位、及び、式(III)で表される構造単位の比率は、特に制限はなく、合成条件等によって変化し得る。ビスフェノール系樹脂としては、式(II)で表される構造単位、及び、式(III)で表される構造単位のいずれか一方のみを有する樹脂を用いてもよい。
前記X及びXとしては、例えば、アルキリデン基(メチリデン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、sec−ブチリデン基等)、シクロアルキリデン基(シクロヘキシリデン基等)、フェニルアルキリデン基(ジフェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基等)などの有機基;スルホニル基が挙げられ、充電受け入れ性に更に優れる観点からはイソプロピリデン基(−C(CH−)が好ましく、放電特性に更に優れる観点からはスルホニル基(−SO−)が好ましい。前記X及びXは、フッ素原子等のハロゲン原子により置換されていてもよい。前記X及びXがシクロアルキリデン基である場合、炭化水素環はアルキル基等により置換されていてもよい。
及びAとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基等の2価のアリーレン基が挙げられる。前記アリーレン基は、アルキル基等により置換されていてもよい。
21、R23、R24、R31、R33及びR34のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。n21及びn31は、サイクル特性及び溶媒への溶解性に更に優れる観点から、1〜150が好ましく、10〜150がより好ましい。n22及びn32は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性がバランス良く向上しやすい観点から、1又は2が好ましく、1がより好ましい。n23及びn33は、製造条件により変化するが、サイクル特性及びビスフェノール系樹脂の保存安定性に更に優れる観点から、0が好ましい。
ビスフェノール系樹脂の製造方法は、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分を反応させてビスフェノール系樹脂を得る樹脂製造工程を備えている。
ビスフェノール系樹脂は、例えば、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分を反応溶媒中で反応させることにより得ることができる。反応溶媒は、水(例えばイオン交換水)であることが好ましい。反応を促進させるために、有機溶媒、触媒、添加剤等を用いてもよい。
樹脂製造工程は、サイクル特性が更に向上する観点から、(c2)成分の配合量が(c1)成分1molに対して0.5〜1.3molであり、且つ、(c3)成分の配合量が(c1)成分1molに対してホルムアルデヒド換算で2〜3.5molである態様が好ましい。(c2)成分及び(c3)成分の好ましい配合量は、(c2)成分及び(c3)成分の配合量のそれぞれについて上述した範囲である。
ビスフェノール系樹脂は、充分量のビスフェノール系樹脂が得られやすい観点から、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分を塩基性条件(アルカリ性条件)で反応させることにより得ることが好ましい。塩基性条件に調整するためには、塩基性化合物を用いてもよい。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。塩基性化合物の中でも、反応性に優れる観点から、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。
(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分を含有する反応溶液が反応開始時において中性(pH=7)である場合、ビスフェノール系樹脂の生成反応が進行しにくい場合があり、反応溶液が酸性(pH<7)である場合、副反応が進行する場合がある。そのため、反応開始時の反応溶液のpHは、ビスフェノール系樹脂の生成反応を進行させつつ副反応が進行することを抑制する観点から、アルカリ性である(7を超える)ことが好ましく、7.1以上がより好ましく、7.2以上が更に好ましい。反応溶液のpHは、ビスフェノール系樹脂の(c2)成分に由来する基の加水分解が進行することを抑制する観点から、12以下が好ましく、10以下がより好ましく、9以下が更に好ましい。反応溶液のpHは、例えば株式会社堀場製作所製のツインpHメーター AS−212で測定することができる。pHは25℃におけるpHと定義する。
前記のようなpHに調整しやすいことから、強塩基性化合物の配合量は、(c2)成分に含まれるスルホン基1molに対して、1.01mol以上が好ましく、1.02mol以上がより好ましく、1.03mol以上が更に好ましい。同様の観点から、強塩基性化合物の配合量は、(c2)成分に含まれるスルホン基1molに対して、1.1mol以下が好ましく、1.08mol以下がより好ましく、1.07mol以下が更に好ましい。強塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
ビスフェノール系樹脂の合成反応は、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分が反応してビスフェノール系樹脂が得られればよく、例えば、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分を同時に反応させてもよく、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分のうちの2成分を反応させた後に残りの1成分を反応させてもよい。
ビスフェノール系樹脂の合成反応は、次のように二段階で行うことが好ましい。第一段階の反応では、例えば、アミノアルキルスルホン酸及び/又はアミノアリールスルホン酸と、溶媒(水等)と、塩基性化合物とを仕込んだ後に撹拌し、アミノアルキルスルホン酸及び/又はアミノアリールスルホン酸におけるスルホン基の水素原子をアルカリ金属等で置換してアミノアルキルスルホン酸及び/又はアミノアリールスルホン酸のアルカリ金属塩(アミノアルキルスルホン酸誘導体及び/又はアミノアリールスルホン酸誘導体)等を得る。これにより、後述の縮合反応において副反応を抑制しやすくなる。反応系の温度は、アミノアルキルスルホン酸及び/又はアミノアリールスルホン酸の溶媒(水等)への溶解性に優れる観点から、0℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましい。反応系の温度は、副反応を抑制する観点から、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、65℃以下が更に好ましい。反応時間は、例えば5〜30分である。
第二段階の反応では、例えば、第一段階で得られた反応物に(c1)成分及び(c3)成分を加えて縮合反応させることによりビスフェノール系樹脂を得る。反応系の温度は、(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分の反応性に優れる観点から、75℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、87℃以上が更に好ましい。反応系の温度は、副反応を抑制する観点から、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、93℃以下が更に好ましい。反応時間は、例えば5〜20時間である。
(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分を反応させることにより得られる反応物(例えば反応溶液)中においてビスフェノール系樹脂が得られ、反応物を乾燥して溶媒(水等)及び未反応の(c3)成分などを除去してもよい。本実施形態では、ビスフェノール系樹脂の製造方法により得られる反応物をそのまま、後述する電極の製造に用いてもよいし、反応物を乾燥して得られるビスフェノール系樹脂を溶媒(水等)に溶解させて、後述する電極の製造に用いてもよい。
(C)成分の中でも、放電特性が更に向上する観点から、リグニンスルホン酸及びリグニンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、リグニンスルホン酸塩がより好ましい。(C)成分であるリグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のスルホン基(−SOH)の水素原子がアルカリ金属で置換されたアルカリ金属塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
(C)成分の重量平均分子量は、鉛蓄電池において電極から(C)成分が電解液に溶出することを抑制することによりサイクル特性が向上しやすくなる観点から、15000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上が更に好ましく、50000以上が特に好ましい。(C)成分の重量平均分子量は、電極活物質に対する吸着性が低下して分散性が低下することを抑制することによりサイクル特性が向上しやすくなる観点から、70000以下が好ましく、65000以下がより好ましく、62000以下が更に好ましい。
(C)成分の重量平均分子量は、例えば、下記条件のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)により測定することができる。
(GPC条件)
装置:高速液体クロマトグラフ LC−2200 Plus(日本分光株式会社製)
ポンプ:PU−2080
示差屈折率計:RI−2031
検出器:紫外可視吸光光度計UV−2075(λ:254nm)
カラムオーブン:CO−2065
カラム:TSKgel SuperAW(4000)、TSKgel SuperAW(3000)、TSKgel SuperAW(2500)(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
溶離液:LiBr(10mM)及びトリエチルアミン(200mM)を含有するメタノール溶液
流速:0.6mL/分
分子量標準試料:ポリエチレングリコール(分子量:1.10×10、5.80×10、2.55×10、1.46×10、1.01×10、4.49×10、2.70×10、2.10×10;東ソー株式会社製)、ジエチレングリコール(分子量:1.06×10;キシダ化学株式会社製)、ジブチルヒドロキシトルエン(分子量:2.20×10;キシダ化学株式会社製)
(C)成分を用いる場合、(C)成分の含有量は、放電特性に更に優れる観点から、負極材の全質量を基準として、樹脂固形分換算で0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましい。(C)成分の含有量は、充電受け入れ性に更に優れる観点から、負極材の全質量を基準として、樹脂固形分換算で2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。
電極の製造に際しては、(C)成分を含む樹脂組成物(例えば25℃において液状の樹脂溶液)を用いてもよい。樹脂組成物は、溶媒を更に含んでいてもよい。樹脂組成物は、樹脂製造工程において得られる反応物であってもよく、樹脂製造工程後に(C)成分と他の成分とを混合して得られる組成物(例えば、(C)成分を溶媒に溶解させて得られる樹脂溶液、並びに、(C)成分を(A)成分及び(B)成分と混合した組成物)であってもよい。溶媒としては、例えば、水(例えばイオン交換水)及び有機溶媒が挙げられる。樹脂組成物に含まれる溶媒は、(C)成分(ビスフェノール系樹脂等)を得るために用いた反応溶媒であってもよい。
樹脂組成物(例えば25℃において液状の樹脂溶液)のpHは、(C)成分(ビスフェノール系樹脂等)の溶媒(水等)への溶解性に優れる観点から、アルカリ性である(7を超える)ことが好ましく、7.1以上がより好ましい。樹脂組成物のpHは、電極ペースト作製時の作業性に優れる観点から、14以下が好ましい。特に、樹脂製造工程において得られる樹脂組成物を用いる場合、樹脂組成物のpHは、前記範囲であることが好ましい。樹脂組成物のpHは、例えば株式会社堀場製作所製のツインpHメーター AS−212で測定することができる。pHは25℃におけるpHと定義する。
[負極添加剤]
負極材は、添加剤を更に含有していてもよい。添加剤としては、硫酸バリウム、炭素材料(炭素質導電材。炭素繊維を除く)、補強用短繊維等が挙げられる。炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック(ケッチェンブラックに該当する成分を除く)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。補強用短繊維としては、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等が挙げられる。
[負極材の物性]
負極材の比表面積は、優れた充電受け入れ性と、他の優れた電池性能(放電特性、サイクル特性等)とを更に良好に両立する観点から、0.5m/g以上が好ましく、0.55m/g以上がより好ましく、0.6m/g以上が更に好ましい。負極材の比表面積は、優れた充電受け入れ性と、他の優れた電池性能(放電特性、サイクル特性等)とを更に良好に両立する観点から、1.2m/g以下が好ましく、1.0m/g以下がより好ましく、0.8m/g以下が更に好ましい。負極材の前記比表面積は、0.7m/g以下であってもよい。負極材の比表面積は、優れた充電受け入れ性と、他の優れた電池性能(放電特性、サイクル特性等)とを更に良好に両立する観点から、0.5〜1.2m /gであることが好ましく、0.55〜1.2がより好ましく、0.6〜1.0m/gが更に好ましく、0.6〜0.8m/gが特に好ましい。負極材の前記比表面積は、0.6〜0.7m/gであってもよい。負極材の前記比表面積は、化成後の負極材の比表面積である。負極材の比表面積は、例えば、負極材ペーストを作製する際の希硫酸及び水の添加量を調整する方法、未化成の負極活物質の段階で活物質を微細化させる方法、化成条件を変化させる方法等により調整することができる。負極材の比表面積は、例えば、BET法で測定することができる。
(集電体)
集電体の製造法としては、鋳造方式、エキスパンド方式等が挙げられる。集電体の材質としては、例えば、鉛−カルシウム−錫系合金及び鉛−アンチモン系合金が挙げられる。これらにセレン、銀、ビスマス等を微量添加することができる。正極及び負極の集電体の製造法又は材質は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
<鉛蓄電池の製造方法>
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、例えば、電極(正極及び負極)を得る電極製造工程と、前記電極を含む構成部材を組み立てて鉛蓄電池を得る組み立て工程とを備えている。
電極製造工程では、例えば、電極材ペースト(正極材ペースト及び負極材ペースト)を集電体(例えば、鋳造格子体及びエキスパンド格子体)に充填した後に、熟成及び乾燥を行うことにより未化成の電極を得る。正極材ペーストは、例えば、正極活物質の原料(鉛粉等)を含有しており、他の添加剤を更に含有していてもよい。負極材ペーストは、負極活物質の原料(鉛粉等)及びケッチェンブラックを含有しており、分散剤として(C)成分(ビスフェノール系樹脂等)を含有していることが好ましく、他の添加剤を更に含有していてもよい。
比表面積が11m/g以上である正極材を得るための正極材ペーストは、例えば、下記の方法により得ることができる。正極材ペーストを作製するに際しては、化成時間を短縮できる観点から、正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を用いてもよい。
(1)正極活物質の原料として鉛粉を用いる方法
鉛粉に対して、補強用短繊維を加えて乾式混合する。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水5〜10質量%及び希硫酸(比重1.28)28〜40質量%を加えて混練して正極材ペーストを作製する。ここで、水及び希硫酸の前記配合量は、鉛粉及び補強用短繊維の合計質量を基準とした配合量である。希硫酸(比重1.28)は、発熱を低減するために、数回に分けて徐々に添加することが好ましい。正極材ペーストの作製において、急激な発熱は疎な構造の正極材を形成し、寿命での活物質同士の結合力が低下するため、なるべく発熱を抑えることが望ましい。
(2)正極活物質の原料として鉛粉及び鉛丹(Pb)を用いる方法
まず、鉛粉に対して、補強用短繊維を加えて乾式混合する。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水5〜8質量%を加えて混練してペーストAを作製する。水の前記配合量は、鉛粉及び補強用短繊維、並びに、後述のペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量を基準とした配合量である。
次に、鉛丹(Pb)と、第一の希硫酸(比重1.3〜1.4)20〜25質量%とを混合した後に混練する。続いて、第二の希硫酸(比重1.45〜1.6)7〜17質量%を加えた後に混練してペーストBを作製する。ここでは、鉛丹と希硫酸との反応生成物である二酸化鉛(PbO)と硫酸鉛(PbSO)が生成する。前記第一及び第二の希硫酸の前記配合量は、前述のペーストAを作製する際に用いる鉛粉及び補強用短繊維、並びに、ペーストBを作製する際に用いる鉛丹の合計質量を基準とした配合量である。
そして、前記ペーストAに前記ペーストBを添加して1時間の混練を行い、正極材ペーストを作製する。この正極材ペーストにおいて、ペーストA中に含まれる鉛粉と、ペーストB中に含まれる鉛丹との割合(鉛粉/鉛丹)は、質量比で、90/10〜80/20になるように調整することが好ましい。また、水の全量は、鉛粉、補強用短繊維及び鉛丹の合計質量を基準として4.5〜7.0質量%が好ましい。但し、ここでいう「水」には、希硫酸中の水は含まないものとする。
前記正極材ペーストを集電体に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより未化成の正極を得ることができる。
正極材ペーストにおいて補強用短繊維を用いる場合、補強用短繊維の配合量は、正極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.005〜0.3質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましい。
未化成の正極を得るための熟成条件としては、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間が好ましい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間が好ましい。
負極材ペーストは、例えば、下記の方法により得ることができる。まず、負極活物質((A)成分)の原料に(B)成分と添加剤(補強用短繊維、硫酸バリウム等)を添加して乾式混合することにより混合物を得る。次に、この混合物に溶媒(イオン交換水等の水、有機溶媒など)を加えて混練する。この際、(B)成分と共に(C)成分を更に加えてもよい。そして、希硫酸を加えて混練することにより負極材ペーストが得られる。この負極材ペーストを集電体に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより未化成の負極を得ることができる。なお、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を順次加えて混合してもよいが、(B)成分、(C)成分及び少量の水を混合してケッチェンブラックの二次凝集体の状態を溶きほぐしてから、(B)成分及び(C)成分の混合物と(A)成分とを混合してもよい。これにより、(B)成分の効果を充分に得ることができる。
負極材ペーストにおいて、(C)成分(ビスフェノール系樹脂等)、炭素材料、補強用短繊維又は硫酸バリウムを用いる場合、各成分の配合量は下記の範囲が好ましい。(C)成分の配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、樹脂固形分換算で、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましく、0.1〜0.3質量%が特に好ましい。炭素材料の配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜1.4質量%がより好ましい。補強用短繊維の配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として0.05〜0.3質量%が好ましく、0.05〜0.2質量%がより好ましい。硫酸バリウムの配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.3〜2.0質量%がより好ましい。
ケッチェンブラックの配合量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更にバランス良く向上する観点から、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。ケッチェンブラックの前記配合量は、0.1質量%以上であってもよい。ケッチェンブラックの配合量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更にバランス良く向上する観点から、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。ケッチェンブラックの前記配合量は、0.3質量%以下であってもよい。ケッチェンブラックの配合量は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性が更にバランス良く向上する観点から、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.01〜2質量%が好ましく、0.03〜1.5質量%がより好ましく、0.03〜0.5質量%が更に好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。ケッチェンブラックの前記配合量は、0.1〜0.3質量%であってもよい。
未化成の負極を得るための熟成条件としては、温度45〜65℃、湿度70〜98RH%の雰囲気で15〜30時間が好ましい。乾燥条件は、温度45〜60℃で15〜30時間が好ましい。
組み立て工程では、例えば、前記のように作製した未化成の負極及び未化成の正極を、セパレータを介して交互に積層し、同極性の電極の集電部をストラップで連結(溶接等)させて電極群を得る。この電極群を電槽内に配置して未化成の電池を作製する。次に、未化成の電池に電解液(希硫酸)を注入した後、直流電流を通電して電槽化成する。化成後の電解液の比重を適切な比重に調整して鉛蓄電池が得られる。
前記電解液は、例えば、希硫酸及びアルミニウムイオンを含有しており、希硫酸及び硫酸アルミニウム粉末を混合することにより得ることができる。電解液中に溶解させる硫酸アルミニウムは、無水物又は水和物として添加することができる。
電解液(アルミニウムイオンを含む電解液)の化成後の比重は下記の範囲であることが好ましい。電解液の比重は、浸透短絡又は凍結を抑制すると共に放電特性に更に優れる観点から、1.24以上が好ましく、1.25以上がより好ましく、1.255以上が更に好ましい。電解液の比重は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、1.33以下が好ましく、1.30以下がより好ましく、1.29以下が更に好ましい。また、電解液の比重が1.27以下であることで、放電で生成する硫酸鉛が電解液中に溶解しやすくなり、充電受け入れ性を更に向上させることができる。これらの観点から、電解液の比重は、1.24〜1.33が好ましく、1.24〜1.30がより好ましく、1.25〜1.30が更に好ましく、1.255〜1.29が特に好ましく、1.255〜1.27が極めて好ましい。電解液の比重の値は、例えば、浮式比重計、又は、京都電子工業株式会社製のデジタル比重計によって測定することができる。
電解液のアルミニウムイオン濃度(電解液におけるアルミニウムイオンの濃度)は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、電解液の全量を基準として、0.01mol/L以上が好ましく、0.02mol/L以上がより好ましく、0.03mol/L以上が更に好ましい。前記アルミニウムイオン濃度は、0.04mol/L以上であってもよく、0.05mol/L以上であってもよく、0.06mol/L以上であってもよい。電解液のアルミニウムイオン濃度は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、電解液の全量を基準として、0.2mol/L以下が好ましく、0.15mol/L以下がより好ましく、0.13mol/L以下が更に好ましい。前記アルミニウムイオン濃度は、0.1mol/L以下であってもよい。これらの観点から、電解液のアルミニウムイオン濃度は、電解液の全量を基準として、0.01〜0.2mol/Lが好ましく、0.02〜0.15mol/Lがより好ましく、0.03〜0.13mol/Lが更に好ましい。前記アルミニウムイオン濃度は、0.04〜0.1mol/Lであってもよく、0.05〜0.1mol/Lであってもよく、0.06〜0.1mol/Lであってもよい。電解液のアルミニウムイオン濃度は、例えば、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定することができる。
電解液のアルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であることにより充電受け入れ性が向上するメカニズムの詳細については明らかではないが、以下のように推測される。すなわち、アルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であると、任意の低SOC下において、放電生成物である結晶性硫酸鉛の電解液中への溶解度が上がるため、又は、アルミニウムイオンの高いイオン伝導性により電解液の電極活物質内部への拡散性が向上するためと推測される。
電解液のアルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であることによりサイクル特性が向上するメカニズムの詳細については明らかではないが、以下のように推測される。まず、アルミニウムイオンを含まない通常の電解液を用いた場合、充電時に電解液に供給される硫酸イオン(例えば硫酸鉛から生成する硫酸イオン)は、電極(極板等)の表面を伝って下方へと移動する。PSOC下では、電池が満充電になることがないため、ガス発生による電解液の撹拌が行われない。その結果、電池下部での電解液の比重が高くなるのに対し電池上部の電解液の比重が低くなるという「成層化」と呼ばれる電解液の濃度の不均一化が起こる。このような現象が起こると、充電しても元に戻り難い結晶性硫酸鉛が生成すると共に、活物質の反応面積が低下する。これにより、充放電が繰り返される寿命試験において性能の劣化が起こる。一方、電解液のアルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であると、アルミニウムイオンの静電的引力により硫酸イオンが強く引き付けられるため、成層化が発現しにくくなると推測される。
電槽は、内部に電極(極板等)を収納可能なものである。電槽は、電極を収納しやすい観点から、上面が開放された箱体と、この箱体の上面を覆う蓋体とを有するものが好ましい。なお、箱体と蓋体との接着には、接着剤、熱溶着、レーザ溶着、超音波溶着等を適宜用いることができる。電槽の形状としては、特に限定されるものではないが、電極(板状体である極板等)の収納時に無効空間が少なくなるように方形のものが好ましい。
電槽の材質は、特に制限されるものではないが、電解液(希硫酸等)に対し耐性を有するものである必要がある。電槽の材質の具体例としては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ABS樹脂等が挙げられる。材質がPPであると、耐酸性、加工性及びコストの面で有利である。PPは、電槽と蓋の熱溶着が困難であるABS樹脂と比較して加工性の面で有利である。
電槽が箱体及び蓋体により構成される場合、箱体及び蓋体の材質は、互いに同一の材質であってもよく、互いに異なる材質であってもよい。箱体及び蓋体の材料としては、無理な応力が発生しない観点から、熱膨張係数の等しい材質が好ましい。
セパレータとしては、微多孔性ポリエチレンシート;ガラス繊維と合成樹脂からなる不織布等が挙げられる。
化成条件及び希硫酸の比重は電極活物質の性状に応じて調整することができる。また、化成処理は、組み立て工程後に実施されることに限られず、電極製造工程における熟成及び乾燥後の多数の電極をまとめて化成槽に浸漬して実施されてもよい(タンク化成)。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
<ビスフェノール系樹脂の合成>
撹拌装置、還流装置及び温度調節装置を備えた反応容器に下記の各成分を仕込み第1の混合液を得た。
水酸化ナトリウム:1.05mol[42.0質量部]
イオン交換水:44.00mol[792.6質量部]
4−アミノベンゼンスルホン酸:1.00mol[173.2質量部]
第1の混合液を25℃にて30分混和・撹拌した。続いて、第1の混合液に下記の各成分を仕込み第2の混合液を得た。
ビスフェノールA:0.96mol[219.2質量部]
ビスフェノールS:0.04mol[10.4質量部]
パラホルムアルデヒド(三井化学株式会社製):3.00mol[90.9質量部](ホルムアルデヒド換算)
第2の混合液(pH=8.6)を90℃にて10時間反応させることにより樹脂溶液を得た。
樹脂溶液中に含まれるビスフェノール系樹脂を低温乾燥(60℃、6時間)で単離し、重量平均分子量を下記条件のGPCにより測定した。ビスフェノール系樹脂の重量平均分子量は53900であった。
{GPC条件}
装置:高速液体クロマトグラフ LC−2200 Plus(日本分光株式会社製)
ポンプ:PU−2080
示差屈折率計:RI−2031
検出器:紫外可視吸光光度計UV−2075(λ:254nm)
カラムオーブン:CO−2065
カラム:TSKgel SuperAW(4000)、TSKgel SuperAW(3000)、TSKgel SuperAW(2500)(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
溶離液:LiBr(10mM)及びトリエチルアミン(200mM)を含有するメタノール溶液
流速:0.6mL/分
分子量標準試料:ポリエチレングリコール(分子量:1.10×10、5.80×10、2.55×10、1.46×10、1.01×10、4.49×10、2.70×10、2.10×10;東ソー株式会社製)、ジエチレングリコール(分子量:1.06×10;キシダ化学株式会社製)、ジブチルヒドロキシトルエン(分子量:2.20×10;キシダ化学株式会社製)
<鉛蓄電池の作製>
(実施例1)
[正極板の作製]
まず、鉛粉に対して、補強用短繊維としてアクリル繊維0.25質量%(鉛粉の全質量基準)を加えて乾式混合した。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水を8質量%(基準:鉛粉、補強用短繊維、及び、後述のペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量)加えて混練してペーストAを作製した。
次に、鉛丹(Pb)と、第一の希硫酸(比重1.35)17質量%とを混合した後に混練した。続いて、第二の希硫酸(比重1.50)6質量%を加えた後に混練してペーストBを作製した。なお、前記第一及び第二の希硫酸の前記配合量は、前述のペーストAを作製する際に用いた鉛粉及び補強用短繊維、並びに、ペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量を基準とした配合量である。
そして、前記ペーストAに前記ペーストBを添加して1時間の混練を行い、正極材ペーストを作製した。この正極材ペーストにおいて、ペーストA中に含まれる鉛粉と、ペーストB中に含まれる鉛丹との割合(質量比)は、鉛粉/鉛丹=85/15になるように調整した。また、水の全量は、鉛粉、補強用短繊維及び鉛丹の合計質量を基準として6.9質量%とした。正極材ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、前記ペーストBの添加は段階的に行った。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体に前記正極材ペーストを充填した。次いで、正極材ペーストが充填された格子体(集電体)を温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極板を作製した。
[負極板の作製]
負極活物質の原料として鉛粉を用いた。補強用短繊維(アクリル繊維)を0.1質量%、硫酸バリウムを1.0質量%、ケッチェンブラック(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:カーボンECP600JD、DBP吸油量:489mL/100g)を0.2質量%前記鉛粉に添加した後に乾式混合した(前記配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準とした配合量である)。次に、上記で得られたビスフェノール系樹脂を含む樹脂溶液を固形分換算で0.2質量%(基準:負極活物質の原料の全質量)と、水を10質量%(基準:負極活物質の原料、補強用短繊維、硫酸バリウム、ケッチェンブラック及びビスフェノール系樹脂の合計質量)とを加えた後に混練した。続いて、希硫酸(比重1.280)9.5質量%(基準:負極活物質の原料、補強用短繊維、硫酸バリウム、ケッチェンブラック及びビスフェノール系樹脂の合計質量)を少量ずつ添加しながら混練して、負極材ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体にこの負極材ペーストを充填した。次いで、負極材ペーストが充填された格子体(集電体)を温度50℃、湿度98%の雰囲気で20時間熟成した。その後、乾燥して未化成の負極板を作製した。
前記ケッチェンブラックは、乾式混合前に粉砕して平均粒径を5μmに調整した。なお、ケッチェンブラックの平均粒径は、下記の方法により算出した。ケッチェンブラックの平均粒径は、JISM8511(2014)記載のレーザ回折・散乱法に準拠して求めた。具体的には、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック9220FRA)を用い、分散剤として市販の界面活性剤ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製:トリトンX−100)を0.5体積%含有する水溶液にケッチェンブラックを適量投入し、撹拌しながら40Wの超音波を180秒照射した後、測定を行った。求められたメディアン径(D50)の値をケッチェンブラックの平均粒径とした。
[電池の組み立て]
袋状に加工したポリエチレン製のセパレータに未化成の負極板を挿入した。次に、未化成の正極板5枚と、前記袋状セパレータに挿入された未化成の負極板6枚とを交互に積層した。続いて、キャストオンストラップ(COS)方式で、同極性の極板の耳部同士を溶接して極板群を作製した。前記極板群を電槽に挿入して2V単セル電池(JIS D 5301規定のB19サイズの単セルに相当、K42サイズのISS車用鉛蓄電池)を組み立てた。アルミニウムイオン濃度が0.06mol/Lになるように硫酸アルミニウム無水物を溶解させた比重1.200の希硫酸をこの電池に注入した。1時間放置後、40℃の水槽中、通電電流6Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を作製した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。化成後の負極材の全質量を基準としたケッチェンブラックの含有量は0.2質量%であった。
[比表面積の測定]
比表面積の測定試料は、下記の手順により作製した。まず、上記化成した電池を解体して電極板(正極板及び負極板)を取り出して水洗した後、50℃で24時間乾燥した。次に、前記電極板の中央部から電極材(正極材及び負極材)を2g採取して、130℃で30分乾燥して測定試料を作製した。
化成後の正極材及び負極材の比表面積は、前記で作製した測定試料を液体窒素で冷却しながら液体窒素温度で窒素ガス吸着量を多点法で測定し、BET法に従って算出した。測定条件は下記のとおりである。このようにして測定した結果、正極材の比表面積は11.5m/gであった。また、負極材の比表面積は0.61m/gであった。
{比表面積の測定条件}
装置:Macsorb1201(株式会社マウンテック製)
脱気時間:130℃で10分
冷却:液体窒素で5分間
吸着ガス流量:25mL/分
[多孔度の測定]
測定試料は、下記の手順により作製した。まず、上記化成した電池を解体して正極板を取り出して水洗した後、50℃で24時間乾燥した。次に、前記正極板の中央部から正極材の塊を3g採取した。前記塊を、最大径が5mm程度の小片に砕き、この小片の合計3gを測定セルに入れた。そして、下記の条件に基づき、水銀ポロシメーターを用いて化成後の正極材の多孔度を測定した。正極材の多孔度は53.5体積%であった。
{多孔度の測定条件}
装置:オートポアIV9500(株式会社島津製作所製)
水銀圧入圧:0〜354kPa(低圧)、大気圧〜414MPa(高圧)
各測定圧力での圧力保持時間:900秒(低圧)、1200秒(高圧)
試料と水銀との接触角:130°
水銀の表面張力:480〜490mN/m
水銀の密度:13.5335g/mL
(実施例2)
正極板を下記のようにして作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例2の正極板の作製]
まず、鉛粉に対して、補強用短繊維としてアクリル繊維0.25質量%(鉛粉の全質量基準)を加えて乾式混合した。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水を6.2質量%(基準:鉛粉及び補強用短繊維、並びに、後述のペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量)加えて混練してペーストAを作製した。
次に、鉛丹(Pb)と、第一の希硫酸(比重1.35)19質量%とを混合した後に混練した。続いて、第二の希硫酸(比重1.50)9.7質量%を加えた後に混練してペーストBを作製した。なお、前記第一及び第二の希硫酸の前記配合量は、前述のペーストAを作製する際に用いた鉛粉及び補強用短繊維、並びに、ペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量を基準とした配合量である。
そして、前記ペーストAに前記ペーストBを添加して1時間の混練を行い、正極材ペーストを作製した。この正極材ペーストにおいて、ペーストA中に含まれる鉛粉と、ペーストB中に含まれる鉛丹との割合(質量比)は、鉛粉/鉛丹=85/15になるように調整した。また、水の全量は、鉛粉、補強用短繊維及び鉛丹の合計質量を基準として5.3質量%とした。正極材ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、前記ペーストBの添加は段階的に行った。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体に前記正極材ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極板を作製した。正極材の比表面積及び多孔度を実施例1と同様にして測定した。
(実施例3)
正極板を下記のようにして作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例3の正極板の作製]
まず、鉛粉に対して、補強用短繊維としてアクリル繊維0.25質量%(鉛粉の全質量基準)を加えて乾式混合した。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水を5.4質量%(基準:鉛粉及び補強用短繊維、並びに、後述のペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量)加えて混練してペーストAを作製した。
次に、鉛丹(Pb)と、第一の希硫酸(比重1.35)21.5質量%とを混合した後に混練した。続いて、第二の希硫酸(比重1.50)15質量%を加えた後に混練してペーストBを作製した。なお、前記第一及び第二の希硫酸の前記配合量は、前述のペーストAを作製する際に用いた鉛粉及び補強用短繊維、並びに、ペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量を基準とした配合量である。
そして、前記ペーストAに前記ペーストBを添加して1時間の混練を行い、正極材ペーストを作製した。この正極材ペーストにおいて、ペーストA中に含まれる鉛粉と、ペーストB中に含まれる鉛丹との割合(質量比)は、鉛粉/鉛丹=85/15になるように調整した。また、水の全量は、鉛粉、補強用短繊維及び鉛丹の合計質量を基準として4.6質量%とした。正極材ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、前記ペーストBの添加は段階的に行った。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体に前記正極材ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極板を作製した。正極材の比表面積及び多孔度を実施例1と同様にして測定した。
(実施例4)
電池の組み立て時において、硫酸アルミニウム無水物の添加量を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例4の電池の組み立て]
実施例1と同様に2V単セル電池(JIS D 5301規定のB19サイズの単セルに相当、K42サイズのISS車用鉛蓄電池)を組み立てた。アルミニウムイオン濃度が0.04mol/Lになるように硫酸アルミニウム無水物を溶解させた比重1.200の希硫酸をこの電池に注液した。1時間放置後、40℃の水槽中、通電電流6Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を作製した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。
(実施例5)
電池の組み立て時において、硫酸アルミニウム無水物の添加量を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例5の電池の組み立て]
実施例1と同様に2V単セル電池(JIS D 5301規定のB19サイズの単セルに相当、K42サイズのISS車用鉛蓄電池)を組み立てた。アルミニウムイオン濃度が0.1mol/Lになるように硫酸アルミニウム無水物を溶解させた比重1.200の希硫酸をこの電池に注液した。1時間放置後、40℃の水槽中、通電電流6Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を作製した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。
(実施例6)
電池の組み立て時において、電解液(希硫酸)の比重を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例6の電池の組み立て]
実施例1と同様に2V単セル電池(JIS D 5301規定のB19サイズの単セルに相当、K42サイズのISS車用鉛蓄電池)を組み立てた。アルミニウムイオン濃度が0.06mol/Lになるように硫酸アルミニウム無水物を溶解させた比重1.180の希硫酸をこの電池に注液した。1時間放置後、40℃の水槽中、通電電流6Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を作製した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。
(実施例7)
電池の組み立て時において、電解液(希硫酸)の比重を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例7の電池の組み立て]
実施例1と同様に2V単セル電池(JIS D 5301規定のB19サイズの単セルに相当、K42サイズのISS車用鉛蓄電池)を組み立てた。アルミニウムイオン濃度が0.06mol/Lになるように硫酸アルミニウム無水物を溶解させた比重1.220の希硫酸をこの電池に注液した。1時間放置後、40℃の水槽中、通電電流6Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を作製した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。
(実施例8)
負極板を下記のようにして作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[実施例8の負極板の作製]
負極活物質の原料として鉛粉を用いた。上記で得られたビスフェノール系樹脂を固形分換算で0.2質量%、補強用短繊維(アクリル繊維)を0.1質量%、硫酸バリウムを1.0質量%、ケッチェンブラック(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:カーボンECP600JD)を0.2質量%含む混合物を前記鉛粉に添加した後に乾式混合した(前記配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準とした配合量である)。次に、水を8質量%(基準:負極活物質の原料、ビスフェノール系樹脂、補強用短繊維、硫酸バリウム及びケッチェンブラックの合計質量)加えた後に混練した。続いて、希硫酸(比重1.28)15.5質量%(基準:負極活物質の原料、ビスフェノール系樹脂、補強用短繊維、硫酸バリウム及びケッチェンブラックの合計質量)を少量ずつ添加しながら混練して、負極材ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体にこの負極材ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で20時間熟成した。その後、乾燥して未化成の負極板を作製した。負極材の比表面積を実施例1と同様にして測定した。
(実施例9)
負極板の作製時において、ビスフェノール系樹脂に代えてリグニンスルホン酸ナトリウム(日本製紙株式会社製、商品名「バニレックスN」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例1)
正極板を下記のように作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[比較例1の正極板の作製]
まず、鉛粉90質量部と、鉛丹(Pb)3.9質量部と、補強用短繊維としてアクリル繊維0.25質量部と、ペーストのpHを上げ三塩基性硫酸鉛の結晶成長を促進する硫酸ナトリウム0.02質量部とを配合した。次に、水を加えた後に混練してペーストAを作製した。前記水の配合量は、前記鉛粉、前記鉛丹、前記補強用短繊維、前記硫酸ナトリウム、及び、後述のペーストBを作製する際に用いた鉛丹の合計質量を基準として9.7質量%とした。
次に、鉛丹(Pb)6.1質量部に希硫酸(比重1.35)14.6質量%を加えて混練し、ペーストBを作製した。なお、前記希硫酸の配合量は、前述のペーストA及びペーストBを作製する際に用いた鉛粉、鉛丹、補強用短繊維及び硫酸ナトリウムの合計質量を基準とした配合量である。
そして、前記ペーストAに前記ペーストBを添加して1時間の混練を行い、正極材ペーストを作製した。この正極材ペーストにおいて、ペーストA中に含まれる鉛粉と、ペーストB中に含まれる鉛丹との割合(質量比)は、鉛粉/鉛丹=85/15になるように調整した。また、水の全量は、鉛粉、鉛丹、補強用短繊維及び硫酸ナトリウムの合計質量を基準として9.2質量%とした。正極材ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、前記ペーストBの添加は段階的に行った。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体に前記正極材ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極板を作製した。正極材の比表面積及び多孔度を実施例1と同様にして測定した。
(比較例2)
正極板を比較例1と同様の方法で作製し、負極板を実施例8と同様の方法で作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。正極材の比表面積及び多孔度、並びに、負極材の比表面積を実施例1と同様にして測定した。
(比較例3)
正極板を下記のようにして作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[比較例3の正極板の作製]
まず、鉛粉に対して、補強用短繊維としてアクリル繊維0.07質量%と、硫酸ナトリウム0.01質量%とを加えて乾式混合した。アクリル繊維及び硫酸ナトリウムのそれぞれの配合量は、鉛粉の全質量を基準とした配合量である。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水10質量%(基準:鉛粉、補強用短繊維及び硫酸ナトリウムの合計質量)と、希硫酸(比重1.28)9質量%(基準:鉛粉、補強用短繊維及び硫酸ナトリウムの合計質量)とを加えて混練して正極材ペーストを作製した。正極材ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、希硫酸の添加は段階的に行った。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体に前記正極材ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極板を作製した。正極材の比表面積及び多孔度を実施例1と同様にして測定した。
(比較例4)
負極板を下記のようにして作製した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[比較例4の負極板の作製]
負極活物質の原料として鉛粉を用いた。上記で得られたビスフェノール系樹脂を固形分換算で0.2質量%、補強用短繊維(アクリル繊維)を0.1質量%、硫酸バリウムを1.0質量%、ファーネスブラック(キャボット社製、商品名:バルカンXC72)を0.2質量%含む混合物を前記鉛粉に添加した後に乾式混合した(前記配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準とした配合量である)。次に、水を8質量%(基準:負極活物質の原料、ビスフェノール系樹脂、補強用短繊維、硫酸バリウム及びファーネスブラックの合計質量)加えた後に混練した。続いて、希硫酸(比重1.28)15.5質量%(基準:負極活物質の原料、ビスフェノール系樹脂、補強用短繊維、硫酸バリウム及びファーネスブラックの合計質量)を少量ずつ添加しながら混練して、負極材ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド格子体にこの負極材ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で20時間熟成した。その後、乾燥して未化成の負極板を作製した。負極材の比表面積を実施例1と同様にして測定した。
(比較例5)
電池の組み立て時において、下記のとおり硫酸アルミニウム無水物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
[比較例5の電池の組み立て]
実施例1と同様に2V単セル電池(JIS D 5301規定のB19サイズの単セルに相当、K42サイズのISS車用鉛蓄電池)を組み立てた。比重1.220の希硫酸をこの電池に注液した。1時間放置後、40℃の水槽中、通電電流6Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を作製した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。
(比較例6)
負極板を比較例4と同様の方法で作製した以外は、比較例5と同様にして鉛蓄電池を作製した。負極材の比表面積を実施例1と同様にして測定した。化成後(仕上がり後)の電解液の比重を表1に示すように調整した。
<電池特性の評価>
前記の2V単セル電池について、充電受け入れ性、放電特性及びISSサイクル特性を下記のとおり測定した。結果を表1に示す。
(充電受け入れ性)
作製した鉛蓄電池に対し、化成後約12時間放置した後、25℃で5.6Aの電流値で30分間定電流放電を行った。そして、6時間放置した後、2.33V、制限電流100Aで60秒間の定電圧充電を行い、その開始から5秒目までの電流値を測定した。比較例1の測定結果を100として相対評価した。
(放電特性)
放電特性として、−15℃において150Aで定電流放電し、電池電圧が1.0Vに達するまでの放電持続時間を測定した。比較例1の測定結果を100として相対評価した。放電持続時間が長いほど放電特性に優れる電池であると評価される。
(ISSサイクル特性)
ISSサイクル特性は次のように測定した。電池温度が25℃になるように雰囲気温度を調整した。45A−59秒間の定電流放電及び300A−1秒間の定電流放電を行った後に100A−2.33V−60秒間の定電流・定電圧充電を行う操作を1サイクルとする試験を7200サイクル行った。この試験は、ISS車での鉛蓄電池の使われ方を模擬したサイクル試験である。このサイクル試験では、放電量に対して充電量が少ないため、充電が完全に行われないと徐々に充電不足になる。その結果、放電電流を300Aとして1秒間放電した時の1秒目電圧が徐々に低下する。すなわち、定電流・定電圧充電時に負極が分極して早期に定電圧充電に切り替わると、充電電流が減衰して充電不足になる。このサイクル試験では、7200サイクル後の300A放電時の1秒目電圧が1.2V以上のときを「A」と判定し、1.2Vを下回ったときを「B」と判定した。
Figure 2016114316

Claims (9)

  1. 正極、負極及び電解液を備える鉛蓄電池であって、
    前記正極が、集電体と、当該集電体に保持された正極材と、を有し、
    前記負極が、集電体と、当該集電体に保持された負極材と、を有し、
    前記正極材の比表面積が11m/g以上であり、
    前記負極材が負極活物質及びケッチェンブラックを含有し、
    前記電解液がアルミニウムイオンを含有する、鉛蓄電池。
  2. 前記負極材が、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するビスフェノール系樹脂を更に含有する、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記負極材が、リグニンスルホン酸及びリグニンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含有する、請求項1又は2に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記電解液の比重が1.24〜1.33である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記ケッチェンブラックの含有量が前記負極材の全質量を基準として0.01〜2質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
  6. 前記負極材の比表面積が0.5〜1.2m/gである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
  7. 前記電解液における前記アルミニウムイオンの濃度が0.01〜0.2mol/Lである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の鉛蓄電池を備える、マイクロハイブリッド車。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の鉛蓄電池を備える、アイドリングストップシステム車。
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