JPWO2016104455A1 - ポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

ポリアミドと、式(1)で表されるイミノエーテル化合物及びその多量体から選ばれる少なくとも1種の鎖状イミノエーテル基含有化合物とを含有するポリアミド樹脂組成物及びその成形体。R2はアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表し、R3は式(2)又は(3)で表されるアルキル基又はアリール基を表し、R11〜R13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。R31〜R33はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、互いに連結して環を形成してもよい。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表し、R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても異なっていてもよい。*は窒素原子と結合する位置を表す。

Description

本開示は、ポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂成形体に関する。
機械部品、電子部品、建材、フィルム等、様々な分野において種々の樹脂成形体が使用されている。これらの樹脂成形体は用途に応じて樹脂及び添加剤が選択されるが、カルボン酸を用いて合成された樹脂は加水分解によって劣化することが知られている。
例えば、ポリアミドはアルカリ性媒体中では安定であるが、中性又は、酸の存在下で加水分解し易い。
また、例えば、飲料用ボトル及び太陽電池用保護シートとして使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルも加水分解によって劣化する。
これらのカルボン酸を用いて合成された樹脂の加水分解を抑制するため、末端カルボキシ基を封止(失活)させる末端封止剤(以下「封止剤」と記す場合がある。)が使用される。
例えば、特開平6−16933号公報では、酸性媒体中で耐加水分解性を有するポリアミドを提供するため、ポリアミドに対し、封止剤としてポリカルボジイミドを0.1〜5質量%添加することが提案されている。
また、例えば、特開2010−031174号公報では、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルに封止剤としてオキサゾリン等の環状イミノエーテル化合物を添加することで、耐加水分解性を向上させることが提案されている。
しかし、末端封止剤として特開平6−16933号公報に開示されているようなカルボジイミド化合物を含有するポリアミド樹脂組成物を用いて樹脂成形体を製造すると、成形時にイソシアネートガスが揮散する。
また、特開2010−031174号公報に記載されているようなオキサゾリンに代表される環状イミノエーテル化合物を封止剤として用いて樹脂成形体を製造する場合、ポリオキサゾリンは反応性が低いことと成形時に樹脂が増粘することが問題となる。一方、低分子量のオキサゾリンはガス揮散と増粘が問題となる。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、成形時における揮散ガスの発生及び増粘を抑制し、且つ、耐加水分解性を有する樹脂成形体を製造することができるポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐加水分解性を有し、且つ、揮散ガスの発生及び増粘を抑制して製造することができるポリアミド樹脂成形体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> ポリアミドと、下記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物及び一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体から選ばれる少なくとも1種の鎖状イミノエーテル基含有化合物と、を含むポリアミド樹脂組成物。

一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、Rは下記一般式(2)で表されるアルキル基又は下記一般式(3)で表されるアリール基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。

一般式(2)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R31、R32及びR33は互いに連結して環を形成してもよい。一般式(3)中、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。一般式(2)及び(3)において*は、窒素原子と結合する位置を表す。
<2> 一般式(1)におけるRが一般式(3)で表されるアリール基である<1>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<3> 一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物が、下記一般式(5)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である<1>又は<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。

一般式(5)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R21は置換基を表し、mは0〜5の整数を表し、R21が複数存在する場合、複数のR21は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表し、R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。
<4> 一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体が、下記一般式(6)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。

一般式(6)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。pは2〜4の整数を表し、Lは、炭素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアルキレン部、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいアルコキシレン部であるp価の基を表す。
<5> 一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体が、下記一般式(7)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。

一般式(7)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。pは2〜4の整数を表し、Lは、窒素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいシクロアルキレン部であるp価の基を表す。
<6> 一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体が、下記一般式(8)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。

一般式(8)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。pは2〜4の整数を表し、Lは、酸素原子との結合末端が、アルキレン部であるp価の基を表す。Lのアルキレン部は、水素原子の一部又は全部が、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基で置換されていてもよい。
<7> ポリアミド100質量部に対して、鎖状イミノエーテル基含有化合物を0.1〜2.0質量部含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物を用いて成形されたポリアミド樹脂成形体。
本発明によれば、成形時における揮散ガスの発生及び増粘を抑制し、且つ、耐加水分解性を有するポリアミド樹脂成形体を製造することができる樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、耐加水分解性を有し、且つ、揮散ガスの発生及び増粘を抑制して製造することができるポリアミド樹脂成形体が提供される。
以下、本開示のポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂成形体について具体的に説明する。なお、以下の説明において数値範囲を表す「〜」は下限値及び上限値として記載されている数値を含む範囲を意味する。
<ポリアミド樹脂組成物>
本開示のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミドと、下記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物及び一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体から選ばれる少なくとも1種の鎖状イミノエーテル基含有化合物(以下、単に「鎖状イミノエーテル基含有化合物」と称する場合がある。)と、を含む。

一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、Rは下記一般式(2)で表されるアルキル基又は下記一般式(3)で表されるアリール基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。

一般式(2)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R31、R32及びR33は互いに連結して環を形成してもよい。一般式(3)中、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。一般式(2)及び(3)において*は、窒素原子と結合する位置を表す。
なお、本開示における「鎖状イミノエーテル基含有化合物」とは、イミノエーテル化合物に含まれるイミノエーテル基(−N=C−O−、「イミノエーテル部」という場合がある。)全体が環状構造に取り込まれず、少なくとも一部がイミノエーテル化合物の鎖状部分を構成しているイミノエーテル化合物を意味する。また、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体とは、一般式(1)において鎖状イミノエーテル基(−N=C−O−)に連結する少なくとも1つの部分構造が連結基となり、連結基以外の部分構造を2つ以上有する鎖状イミノエーテル基含有化合物を意味し、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物を経て合成される鎖状イミノエーテル基含有化合物のほか、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物を経ずに合成される鎖状イミノエーテル基含有化合物も含まれる。
本開示のポリアミド樹脂組成物を用いれば、封止剤に由来する揮散ガスの発生及び増粘を抑制し、且つ、耐加水分解性を有するポリアミド樹脂成形体を製造することができる。その理由は、以下のように推察される。
鎖状イミノエーテル基、すなわち、イミノエーテル基(−N=C−O−)が鎖状(非環状)である一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物又はその多量体である鎖状イミノエーテル基含有化合物とポリアミドとを含む樹脂組成物を加熱溶融して成形する場合、下記反応スキームのように鎖状のイミノエーテル部とポリアミドの末端カルボキシ基(波線はポリアミドの末端カルボキシ基以外の部分との連結部位を示す)とが反応し、イミノエーテル基に連結するアルキル部が切断してポリアミド末端のカルボキシ基にエステル化して付加することで、アミド化合物とカルボン酸エステルが生成する。

従って、封止剤としてカルボジイミド化合物を使用して成形した場合に発生するイソシアネートガスが生じず、且つ、ポリアミドの分子量が増大することが抑制されるため、成形時における増粘が抑制される。また、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物が、ポリアミド末端のカルボキシ基又はモノマー等の低分子成分のカルボキシ基と上記スキームのように反応することによってカルボキシ基を失活させることにより耐加水分解性が向上する。
一方、イミノエーテル基を含むイミノエーテル部が環状である場合は、イミノエーテル部にポリアミドが付加した状態となり、ポリマーの分子量が増大することにより増粘すると考えられる。特に、環状のイミノエーテル部が2官能以上(2量体以上)である場合は多数のポリアミドが付加して顕著に増粘すると考えられる。
(イミノエーテル化合物の合成方法)
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の合成方法としては、アミド化合物をイミドイルクロライド化し、アルコキシドと反応させる方法、及びアニリン化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法が知られている。一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の合成方法としては、どちらの方法を用いてもよいが、アニリン化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法を用いることが好ましい。アニリン化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法で合成したイミノエーテル化合物を添加したポリアミド樹脂組成物は、耐加水分解性と色味がより良好となるため好ましい。これは、アニリン化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法では、着色物、並びに、耐加水分解性を悪化させる試薬及び反応生成物がないことが寄与していると考えられる。また、アニリン化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法は、イミノエーテル化合物を短工程で合成できる点からも好ましい。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の合成に用いられるオルトエステル化合物は、下記一般式(9)で表される化合物であることが好ましい。

一般式(9)において、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R51、R52及びR53はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の合成に用いられるオルトエステル化合物としては、例えば、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルト酢酸トリブチル、オルト酢酸トリベンジル、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリプロピル、オルト蟻酸トリブチル、オルト蟻酸トリベンジル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトプロピオン酸トリプロピル、オルトプロピオン酸トリブチル、オルトプロピオン酸トリベンジル、オルト安息香酸トリメチル、オルト安息香酸トリエチル、オルト安息香酸トリプロピル、オルト安息香酸トリブチル及びオルト安息香酸トリベンジルなどが挙げられる。
オルトエステル化合物は、市販品を用いてもよいが、合成してもよい。合成する場合は、シアン化水素、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどニトリル化合物をイミダート化し、アルコールと反応させる方法、又は、トリクロロベンゼンとアルコキシドを反応させる方法によって合成することができる。
(ポリアミド)
本開示で用いるポリアミドは特に限定されず、脂肪族ポリアミド及び芳香族ポリアミドが挙げられる。
本開示で用い得る脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン666、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。
市販されている脂肪族ポリアミドを本開示に用いることもできる。例えば、ユニチカ(株)製A1030BRL(ナイロン6)、東レ(株)製 アミラン(登録商標) CM1017(ナイロン6)、CM2001(ナイロン610)、CM3007(ナイロン66)、DMSジャパンエンプラ(株)製 TW341(ナイロン46)、ダイセル・エポニック(株)製、ベスタミド(登録商標) D16(ナイロン612)、アルケマ(株)製、リルサン(登録商標)B BMN O TLD(ナイロン12)、リルサン(登録商標)A BMN BK TLD(ナイロン11)、宇部興産(株)製、UBEナイロン(登録商標)2020B(ナイロン66)、UBEナイロン(登録商標) 5013B(ナイロン666)、UBESTA(登録商標)3014B(ナイロン12)などが挙げられる。
これらの脂肪族ポリアミドは、1種単独又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本開示で用い得る芳香族ポリアミドとしては、例えば、ジアミンとジカルボン酸との脱水縮合により重合され、且つジアミン又はジカルボン酸の何れかに芳香族系の化合物が用いられた芳香族ポリアミドを用いることができる。
ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンなどを用いることができ、脂肪族ジアミンあるいは脂環族ジアミンとしては、下記一般式(A)で表されるジアミンを使用できる。なお、下記式中のRは、C2n(n=6〜12)で表される脂肪族又は脂環族のアルキレン基を表している。
N−R−NH・・・(A)
一般式(A)で表されるジアミンとしては、高温においても優れた特性を発揮させ得る点においてヘキサメチレンジアミン及び2−メチルペンタメチレンジアミンを使用することが特に好ましい。
芳香族ジアミンとしては、キシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどを用いることができる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを用いることができ、脂肪族ジカルボン酸あるいは脂環族ジカルボン酸としては、下記一般式(B)で表されるジカルボン酸を使用できる。なお、下記式中のRは、C2n(n=4〜25)で表される脂肪族又は脂環族のアルキレン基を表している。
HOOC−R−COOH・・・(B)
脂肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸などを用いることができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などを用いることができる。
芳香族ジカルボン酸としては、高温においても優れた特性を発揮させ得る点においてテレフタル酸とイソフタル酸を使用することが特に好ましい。
芳香族ポリアミドの合成には、これらの、ジアミンとジカルボン酸とを、それぞれ単独の種類で用いられていてもよく、それぞれ、複数の種類を組み合わせて用いられていてもよい。さらに、要すれば、ジアミンとジカルボン酸以外の成分が含まれていてもよい。
本開示において用いられる芳香族ポリアミドとしては、メタキシリレンジアミンとアジピン酸又はアジピン酸ハライドとの縮合重合体が好ましい。
市販されている芳香族ポリアミドを用いることもできる。例えば、三菱ガス化学(株)製 MXナイロン S6001(ナイロンMXD6)、クラレ(株)製、ジェネスタ(登録商標) N1000A(ナイロン9T)などが挙げられる。
これらの芳香族ポリアミドは、1種単独又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、樹脂組成物の成形温度が高いほどイミノエーテル化合物の反応性が高くなるため、融点又はガラス転移温度が高いポリアミドを用いることが好ましい。具体的には、ポリアミドの融点又はガラス転移温度は200℃以上であることが好ましい。一方、成形温度が高過ぎると、未反応のイミノエーテル化合物又は生成したカルボン酸エステルが揮散し易くなるため、ポリアミドの融点又はガラス転移温度は300℃以下であることが好ましい。
本開示で用いるポリアミドの分子量は特に限定されないが、重量平均分子量として、5×10〜10000×10の範囲が好ましく、より好ましくは10×10〜5000×10の範囲であり、さらに好ましくは30×10〜1000×10の範囲である。なお、重量平均分子量の測定はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができる。具体的には、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=9/1(容量比)を溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて重量平均分子量を求めることができる。
なお、特に脂肪族ポリアミドであるナイロン系樹脂は一般的に耐加水分解性が弱いが、本開示では一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物又はその多量体を添加することで耐加水分解性を顕著に向上させることができるため、ナイロン系樹脂を用いる場合に特に効果的である。
(鎖状イミノエーテル基含有化合物)
本開示で用いる鎖状イミノエーテル基含有化合物は、下記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物又は一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体である。

一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、Rは下記一般式(2)で表されるアルキル基又は下記一般式(3)で表されるアリール基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。

一般式(2)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R31、R32及びR33は互いに連結して環を形成してもよい。一般式(3)中、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。一般式(2)及び(3)において*は、窒素原子と結合する位置を表す。
一般式(1)において、Rで表されるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。Rが表すアルキル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。Rが表すアルキル基は直鎖であっても分枝鎖であってもよい。Rで表されるアルキル基は、シクロアルキル基であってもよい。Rが表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基、などを挙げることができる。Rが表すアルキル基は、中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、又はシクロヘキシル基がより好ましい。
が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては、上記のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
で表されるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。Rが表すアリール基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。Rが表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、その中でもフェニル基が特に好ましい。
が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては、上記の置換基、すなわち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などを同様に例示することができ、イミノエーテル基とカルボキシ基との反応を妨げない限り、置換基は特に制限されない。
で表されるアルコキシ基は、炭素数1〜20のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルコキシ基であることが特に好ましい。Rが表すアルコキシ基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。Rが表すアルコキシ基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。Rが表すアルコキシ基の好ましい例としては、Rが表すアルキル基の末端に−O−が連結した基を挙げることができる。
が表すアルコキシ基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては、上記の置換基、すなわち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などを同様に例示することができ、イミノエーテル基とカルボキシ基との反応を妨げない限り、置換基は特に制限されない。
は上記一般式(2)で表されるアルキル基又は上記一般式(3)で表されるアリール基を表す。一般式(2)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R31、R32及びR33が置換基である場合、R31、R32及びR33で表される置換基は互いに連結して環を形成してもよい。置換基としては、上記のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。R31、R32及びR33は全てが水素原子であるか又は同一の置換基であってもよく、互いに異なる置換基であってもよい。
一般式(2)で表されるアルキル基は、直鎖であっても分枝であってもよい。一般式(2)で表されるアルキル基は、シクロアルキル基であってもよい。
一般式(3)中、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。置換基としては、上記の置換基、すなわち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などを同様に例示することができる。nは0〜3であることがより好ましく、0〜2であることがさらに好ましい。
11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。アルキル基及びアリール基としては、Rが取り得るアルキル基及びアリール基を同様に例示することができる。R11、R12及びR13は互いに結合して環を形成してもよい。
本開示のポリアミド樹脂組成物は、鎖状イミノエーテル基含有化合物として、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体を含んでもよい。例えば、一般式(1)におけるR、R又はR11〜R13の少なくとも1つを除く構造を繰り返し単位として含む鎖状イミノエーテル基含有化合物が好ましい。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物は、合成の容易性から、下記一般式(4)で表されることが好ましい。

一般式(4)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(4)中、R、R11、R12及びR13は、一般式(1)における各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(4)中、R41は、一般式(3)におけるR41と同義であり、好ましい範囲も同様である。nは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物は、合成の容易性から、一般式(1)におけるRが一般式(3)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物、すなわち、下記一般式(5)で表されることが好ましい。

一般式(5)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R21は置換基を表し、mは0〜5の整数を表し、R21が複数存在する場合、複数のR21は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表し、R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(5)中、R11、R12及びR13は、一般式(1)における各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(5)中、R41は一般式(3)におけるR41と同義であり、好ましい範囲も同様である。R21についても、一般式(3)におけるR41と同様の置換基を例示することができる。
一般式(5)中、nは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。mは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体としては、合成の容易性及び揮散ガスの発生抑制から、下記一般式(6)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物が好ましい。

一般式(6)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。pは2〜4の整数を表し、Lは、炭素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアルキレン部、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいアルコキシレン部であるp価の基を表す。置換基を有してもよいアルキレン部は、置換基を有してもよいシクロアルキレン部でもよい。
一般式(6)中、R11、R12及びR13は、一般式(1)における各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(6)中、R41は、一般式(3)におけるR41と同義であり、好ましい範囲も同様である。nは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
一般式(6)中、Lは、炭素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアルキレン部、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいアルコキシレン部であるp価の基を表す。pは2〜4の整数を表し、pは2又は3であることが好ましい。置換基を有してもよいアルキレン部は、置換基を有してもよいシクロアルキレン部でもよい。
二価の基の具体例としては、例えば、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよいアルコキシレン基が挙げられる。また、炭素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアルキレン部、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいアルコキシレン部であり、部分構造として、−SO−、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン部、置換もしくは無置換のアルケニレン部、アルキニレン部、置換もしくは無置換のフェニレン部、置換もしくは無置換のビフェニレン部、置換もしくは無置換のナフチレン部、−O−、−S−及び−SO−から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。置換基を有してもよいアルキレン部は、置換基を有してもよいシクロアルキレン部でもよい。
好ましくは、例えば、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、置換もしくは無置換のシクロヘキシレン基、置換もしくは無置換の−C10−C10−、置換もしくは無置換の−C10−CH−C10−、置換もしくは無置換の−C−C(CH−C−、置換もしくは無置換の−C−CH−C−、置換もしくは無置換の−C−C(O)−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−S−C−、置換もしくは無置換の−C−SO−C−、置換もしくは無置換の−C−C(CF−C−、置換もしくは無置換の−C−NHC(O)−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−C(CH−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−C(O)−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−SO−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−S−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−(C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−C(CF−C−O−C−、などが挙げられる。
三価の基の具体例としては、例えば、二価の基の例として挙げた基のうち置換基を有する構造から1つの水素原子を取り除いた基が挙げられる。
四価の基の具体例としては、例えば、二価の基の例として挙げた基のうち置換基を有する構造から2つの水素原子を取り除いた基が挙げられる。
本開示では、一般式(6)におけるpを2〜4とすることにより、イミノエーテル部を1分子中に2以上有する化合物とすることができ、より優れた末端封止効果を発揮することができる。さらに、イミノエーテル部を1分子中に2以上有する化合物とすることにより、イミノエーテル価(全分子量/イミノエーテル基数)を低くすることができ、効率良くイミノエーテル化合物とカルボキシ基を反応させることができる。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体としては、合成の容易性及び揮散ガスの発生抑制から、下記一般式(7)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物も好ましい。

一般式(7)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。pは2〜4の整数を表し、Lは、窒素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいシクロアルキレン部であるp価の基を表す。
一般式(7)中、R、R11、R12及びR13は、一般式(1)における各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(7)中、Lは、窒素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいシクロアルキレン部であるp価の基を表す。Lは、窒素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアリーレン部であるp価の基が好ましい。pは2〜4の整数を表し、pは2又は3であることが好ましい。
の具体例としては、置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよいシクロアルキレン基が挙げられる。窒素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいシクロアルキレン部であり、部分構造として、−SO−、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン部、置換もしくは無置換のアルケニレン部、アルキニレン部、置換もしくは無置換のフェニレン部、置換もしくは無置換のビフェニレン部、置換もしくは無置換のナフチレン部、−O−、−S−及び−SO−から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。
好ましくは、例えば、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、置換もしくは無置換のシクロヘキシレン基、置換もしくは無置換の−C10−C10−、置換もしくは無置換の−C10−CH−C10−、置換もしくは無置換の−C−C(CH−C−、置換もしくは無置換の−C−CH−C−、置換もしくは無置換の−C−C(O)−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−SC−、置換もしくは無置換の−C−SO−C−、置換もしくは無置換の−C−C(CF−C−、置換もしくは無置換の−C−NHC(O)−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−C(CH−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−C(O)−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−SO−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−S−C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−(C−O−C−、置換もしくは無置換の−C−O−C−C(CF−C−O−C−、などが挙げられる。
一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体としては、合成の容易性及び揮散ガスの発生抑制から、下記一般式(8)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物も好ましい。

一般式(8)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。pは2〜4の整数を表し、Lは、酸素原子との結合末端が、アルキレン部であるp価の基を表す。Lのアルキレン部は、水素原子の一部又は全部が、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基で置換されていてもよい。
一般式(8)中、Rは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(8)中、R41は、一般式(3)におけるR41と同義であり、好ましい範囲も同様である。nは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。Rは、R41と連結して環を形成してもよい。
一般式(8)中、Lは、酸素原子との結合末端が、アルキレン部であるp価の基を表す。Lのアルキレン部は、水素原子の一部又は全部が、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基で置換されていてもよい。pは2〜4の整数を表し、pは2又は3であることが好ましい。
の具体例としては、アルキレン基が挙げられる。酸素原子との結合末端が、アルキレン部であり、部分構造として、−SO−、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、アルキニレン基、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、−O−、−S−及び−SO−から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。
好ましくは、例えば、エチレン基、n−ブチレン基、置換もしくは無置換の−CH−C(CH−CH−、置換もしくは無置換の−CH−C−CH−、などが挙げられる。
本開示で用いる鎖状イミノエーテル基含有化合物のイミノエーテル基1つあたりの分子量(全分子量/イミノエーテル基数)は1000以下であることが好ましく、750以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。イミノエーテル基1つあたりの分子量を1000以下とすることで、低添加量にてポリアミドの末端カルボキシ基を封止することが可能となる。
一方、成形体を製造する際の反応生成物又は未反応の鎖状イミノエーテル基含有化合物の揮散を抑制する観点から、鎖状イミノエーテル基含有化合物のイミノエーテル基1つあたりの分子量は300以上であることが好ましい。
下記に一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物及びその多量体の好ましい具体例を示すが、本開示で用い得る鎖状イミノエーテル基含有化合物はこれらに限定されない。










本開示のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミドと、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物及びその多量体から選ばれる少なくとも1種の鎖状イミノエーテル基含有化合物とを含むことによって、成形時の揮散ガスの発生及び増粘を効果的に抑制し、且つ、耐加水分解性を有するポリアミド樹脂成形体を製造することができる。
また、鎖状イミノエーテル基含有化合物の添加量を調整することで成形体の色味を制御することもできる。
本開示のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド100質量部に対して、鎖状イミノエーテル基含有化合物を0.05〜5.0質量部含むことが好ましい。ポリアミド100質量部に対して、鎖状イミノエーテル基含有化合物の添加量を0.05質量部以上とすることで、揮散ガスの発生及び増粘を効果的に抑制し、且つ、ポリアミド樹脂成形体の耐加水分解性をより向上させることができる。一方、一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の上記添加量を5.0質量部以下とすることで黄色味を抑制することができる。
ポリアミド樹脂成形体の耐加水分解性の向上並びに成形時の揮散ガスの発生及び増粘の抑制に加え、黄色味をより効果的に抑制する観点から、ポリアミド100質量部に対して、鎖状イミノエーテル基含有化合物を0.1〜2.0質量部含むことがより好ましい。
本開示のポリアミド樹脂組成物は、鎖状イミノエーテル基含有化合物を1種単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよいが、複数種の鎖状イミノエーテル基含有化合物を併用する場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
本開示のポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料などを含んでもよい。
本開示のポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲内であれば、上述したイミノエーテル化合物以外の末端封止剤を含むことを拒まない。本開示のポリアミド樹脂組成物は、上述したイミノエーテル化合物のほかに、例えば、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、及びオキサゾリン化合物から選ばれる末端封止剤を併用することもできる。
<ポリアミド樹脂成形体>
本開示のポリアミド樹脂組成物を用いてポリアミド樹脂成形体を製造する際の成形方法は特に限定されず、射出成形、押出成形など、用途に応じて公知の成形方法を適用すればよい。例えば、本開示のポリアミド樹脂組成物に含まれるポリアミドの融点以上に加熱して溶融混練し、射出成形することで所望の形状のポリアミド樹脂成形体を得ることができる。本開示のポリアミド樹脂組成物は、混練時又は成形時に加熱しても鎖状イミノエーテル基含有化合物に由来する副生成物の揮散及び増粘が抑制され、且つ、耐加水分解性を有するポリアミド樹脂成形体を製造することができる。
本開示のポリアミド樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば機械部品、電気通信機器用部品、輸送機械部品、事務機械部品、ガソリンタンク、電気・電子部品各種、雑貨、建材、フィルム、魚網及びテグスなどの釣り道具、歯車、ファスナー、吸気管、ラジエタータンク、冷却ファンなどの樹脂成形体として好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例に限定されない。なお、特に断りの無い限り、「部」は質量基準である。
実施例では、まず、イミノエーテル化合物として下記の例示化合物を合成した。

[合成例1]
<イミノエーテル(1)の合成>

5L三口フラスコに、トリエトキシメチルベンゼン600g(2.80mol)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン498g(1.28mol)、トルエン480ml、メタンスルホン酸0.24g(2.5mmol)を仕込み、加熱還流下2時間攪拌した。反応系温度を100℃以下とし、還流されたエタノールはDean−Stark装置にて取り除いた。TLC(薄層クロマトグラフィー)にて反応終了を確認した後、室温まで冷却し、メタノールを加え晶析することで、イミノエーテル(1)777g(収率95%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例2]
<イミノエーテル(2)の合成>

5L三口フラスコに、トリメトキシメチルベンゼン512g(2.80mol)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン498g(1.28mol)、トルエン480ml、メタンスルホン酸0.24g(2.5mmol)を仕込み、加熱還流下2時間攪拌した。反応系温度を100℃以下とし、還流されたメタノールはDean−Stark装置にて取り除いた。TLCにて反応終了を確認した後、室温まで冷却し、メタノールを加え晶析することで、イミノエーテル(2)745g(収率95%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例3]
<イミノエーテル(3)の合成>

5L三口フラスコに、オルト酢酸トリメチル338g(2.80mol)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン498g(1.28mol)、トルエン480ml、メタンスルホン酸0.24g(2.5mmol)を仕込み、加熱還流下2時間攪拌した。反応系温度を100℃以下とし、還流されたメタノールはDean−Stark装置にて取り除いた。TLCにて反応終了を確認した後、室温まで冷却し、メタノールを加え晶析することで、イミノエーテル(3)615g(収率92%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例4]
<イミノエーテル(4)の合成>

5L三口フラスコに、トリメトキシメチルベンゼン512g(2.80mol)、4,4’−ジアミノベンズアニリド310g(1.28mol)、トルエン480ml、メタンスルホン酸0.24g(2.5mmol)を仕込み、加熱還流下2時間攪拌した。反応系温度を100℃以下とし、還流されたメタノールはDean−Stark装置にて取り除いた。TLCにて反応終了を確認した後、室温まで冷却し、メタノールを加え晶析することで、イミノエーテル(4)504g(収率85%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例5]
<イミノエーテル(5)の合成>

5L三口フラスコに、トリメトキシメチルベンゼン512g(2.80mol)、4−アミノアセトアニリド191.8g(1.28mol)、トルエン480ml、メタンスルホン酸0.24g(2.5mmol)を仕込み、加熱還流下2時間攪拌した。反応系温度を100℃以下とし、還流されたメタノールはDean−Stark装置にて取り除いた。TLCにて反応終了を確認した後、室温まで冷却し、メタノールを加え晶析することで、イミノエーテル(5)309g(収率90%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例6]
<イミノエーテル(6)の合成>

5L三口フラスコに、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)210g(1.0mol)、トリエチルアミン243g(2.4mol)、ジメチルアセトアミド1.0Lを仕込み、氷浴下でベンゾイルクロライド336g(2.4mol)を滴下した後、室温下で1時間攪拌した。1mol/Lの塩酸水2.0Lを加え、1時間攪拌し、ろ過することで中間生成物(6−1)397g(収率95%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
5L三口フラスコに、中間生成物(6−1)300g、塩化チオニル1.0Lを加え、65℃で2時間攪拌した後、過剰量の塩化チオニルを減圧下で除去した。室温まで冷却しTHF(テトラヒドロフラン)1.0mlを加え、氷浴下でナトリウムメチラート28質量%メタノール溶液(商品名:SM−28)を310g(1.6mol)滴下した後、室温下で1時間攪拌した。酢酸エチル1.5Lと純水1.0Lを加えて分液し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮することで固体が得られた。そこへメタノール2.0Lを加え、室温下で1時間攪拌し、ろ過することでイミノエーテル(6)288g(収率90%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例7]
<イミノエーテル(7)の合成>

5Lフラスコに、2−アミノベンジルアルコール296g(2.4mol)、トリエチルアミン243g(2.4mol)、ジメチルアセトアミド1.5Lを仕込み、氷浴下でテレフタル酸クロリド203g(1.0mol)を分割添加し、1時間攪拌した後、1mol/Lの塩酸水2.0Lを加えて1時間攪拌し、ろ過することで中間生成物(7−1)357g(収率95%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
5L三口フラスコに、中間生成物(7−1)300g(0.8mol)、塩化チオニル1.0Lを加え、65℃で2時間攪拌した後、過剰の塩化チオニルを濃縮除去した。メタノール1.0Lを加えた後、氷浴下でナトリウムメチラート28質量%メタノール溶液(商品名:SM−28) 386g(2.0mol)をゆっくり滴下し、室温で1時間、40℃で50時間攪拌した。沈殿物をろ過して減圧下でメタノールを除去し、酢酸エチルを1.5L加え、分液した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、メタノールを加えて晶析し、ろ過することでイミノエーテル(7)136g(収率50%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[合成例8]
<イミノエーテル(8)の合成>

p−アニシジン92.4g(0.75mol)、ピリジン59g(0.75mol)のN、N−ジメチルアセトアミド500ml溶液に、氷冷下、トリメシン酸トリクロライド50g(0.19mol)のN、N−ジメチルアセトアミド100ml溶液を滴下した。室温まで昇温した後、3時間攪拌した。反応溶液を水5Lにゆっくりと添加し、固体を析出させた。ろ過にて固体を分離し、得られた固体をメタノールに分散させ、再びろ過を行った。この操作を2回繰り返し、得られた固体を乾燥させることで、中間生成物(8−1)96.8g(収率97%)を得た。
中間生成物(8−1)26.3g(50mmol)の塩化チオニル100ml懸濁溶液を加熱還流下3時間攪拌した。反応系が透明になったのを確認し、さらに2時間攪拌した。塩化チオニルを留去し、テトラヒドロフラン200mlを添加し、氷冷下、ナトリウムメチラート28質量%メタノール溶液(商品名:SM−28)21.2g(110mol)を滴下した。系の温度を室温まで昇温させ、10分間攪拌した後、酢酸エチル/水を加えて分液した。水にて有機相を洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムにて乾燥させた。溶媒を留去した後、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を溶離液に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製を行った。溶媒を留去することで、イミノエーテル(8)を25.0g(収率88%)得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
<イミノエーテル(9)の合成>
[合成例9]

アニリン46.5g(0.5mol)、ピリジン44g(0.6mol)のN、N−ジメチルアセトアミド300ml溶液を氷冷下、ベンゾイルクロライド95g(0.5mol)をゆっくりと添加した。反応系の温度を室温まで昇温し、TLCにて反応の終了を確認した。メタノールを50ml添加した後、反応溶液を水5Lにゆっくりと添加し、固体を析出させた。ろ過にて固体を分離し、得られた固体をメタノールに分散させ、再びろ過を行った。この操作を2回繰り返し、得られた固体を乾燥させることで、中間生成物(9−1)89.7g(収率91%)を得た。
中間生成物(9−1)9.9g(50mmol)の塩化チオニル400ml、触媒量のN、N−ジメチルホルムアミドの懸濁溶液を加熱還流下、18時間攪拌した。反応系が完溶したことを確認し、さらに2時間攪拌した。その後、塩化チオニルを留去することで、中間生成物(9−2)10.8g(quant.)を得た。
水素化ナトリウム(60質量%)2.0g(50mmol)をヘキサンにて分散し、静置後上澄みのヘキサンをパスツールピペットにて取り除いた。この操作を2回繰り返し、テトラヒドロフラン溶液50mlを加えた。氷冷下、エチレングリコール1.6g(25mmol)を添加した。系内から泡の発生が終わったことを目視で確認し、エチレンジメトキシドのテトラヒドロフラン溶液を調製した。
中間生成物(9−2)10.8g(50mmol)のテトラヒドロフラン溶液150mlを−5℃まで冷却し、調製したエチレンジメトキシドのテトラヒドロフラン溶液を滴下した。系の温度を室温まで昇温させ、30時間攪拌した後、酢酸エチル/水を加えて分液した。水にて有機相を洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムにて乾燥させた。溶媒を留去した後、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を溶離液に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製を行った。溶媒を留去することで、イミノエーテル(9)を6.5g(収率62%)得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[実施例1]
ナイロン6(ユニチカ社製、A1030BRL、融点225℃)100質量部に対し、イミノエーテル(1)を1質量部添加して一緒に乾式混合し、2軸混練機で250℃にて溶融混合して押出し、ペレットを作製した。得られたペレットを乾燥し、250℃で射出成形して板状の試験片(縦横 100mm×100mm、厚さ:0.3mm)を作製した。
−ポリアミド樹脂成形体の性能評価−
得られた試験片について、耐加水分解性(耐湿熱性1、2)、イミノエーテル由来の化合物の揮散性、色味の各評価を行った。
(耐湿熱性1)
得られた板状の試験片に対して、120℃で、相対湿度100%の水蒸気下の条件で保存処理を行い、保存後の試験片が示す破断伸度(%)が、保存前の試験片が示す破断伸度(%)に対して50%となる保存時間(破断伸度保持率半減期)を測定することで下記基準により評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
A: 破断伸度保持率半減期が50日以上
B: 破断伸度保持率半減期が40日以上50日未満
C: 破断伸度保持率半減期が25日以上40日未満
D: 破断伸度保持率半減期が25日未満
(耐湿熱性2)
得られた板状の試験片に対して、100℃で、pH=4のクエン酸水溶液中で保存処理を行い、保存後の試験片が示す破断伸度(%)が、保存前の試験片が示す破断伸度(%)に対して50%となる保存時間(破断伸度保持率半減期)を測定することで下記基準により評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
A: 破断伸度保持率半減期が50日以上
B: 破断伸度保持率半減期が40日以上50日未満
C: 破断伸度保持率半減期が25日以上40日未満
D: 破断伸度保持率半減期が25日未満
(揮散性)
得られた試験片に対して、下記の条件に従って揮散成分の量をガスクロマトグラフィ(商品名 P&T−GC/MS、日本分光(株)製)により測定し、以下の基準で評価した。揮散成分には、イミノエーテル由来の化合物が含まれており、具体的にはイミノエーテル化合物とアミド化合物が含まれている。成形時における揮発成分の発生量は、試験片に含まれるイミノエーテル由来の揮発成分の含有量に反映されている。すなわち、揮散成分の検出量が少ないことは、イミノエーテル化合物とアミド化合物の揮散が少なく、成形体の製造環境が良化することを意味する。得られた結果を下記表1に記載した。
<条件>
密閉容器内で試験片を混練温度(実施例1は250℃)で10分間加熱し、発生したガスを検出した。
A: イミノエーテル由来の化合物は検出限界以下。
B: イミノエーテル由来の化合物は10ppm以下の濃度で検出された。
C: イミノエーテル由来の化合物が10ppmを超える濃度で検出された。
(色味)
得られた試験片に対して、下記の基準に従って目視評価した。
A: 黄色味が比較例1と同等であり、許容できるレベル。
B: 比較例1より黄色味が大きく、許容できないレベル。
(成形性)
成形時の樹脂圧力を押出機の圧力計で確認し、下記の基準で評価した。
A: 比較例1と比較し、樹脂圧力の増加が0%以上50%未満
B: 比較例1と比較し、樹脂圧力の増加が50%以上100%未満
C: 比較例1と比較し、樹脂圧力の増加が100%以上
[比較例1]
イミノエーテル(1)を添加しないこと以外は、実施例1と同様に試験片を作製し、評価した。
[実施例2〜8、比較例5]
イミノエーテル(1)に代えて表1に記載の化合物を添加した以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。
[実施例9]
ナイロン6(ユニチカ社製、A1030BRL、融点225℃)をナイロン66(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)2020B、融点265℃)に変更し、混練温度及び射出成形温度を290℃に変更した以外は実施例1と同様に試験片を作製し、評価した。
[実施例10]
ナイロン6(ユニチカ社製、A1030BRL、融点225℃)をナイロン12(宇部興産社製、UBESTA(登録商標)3014B、融点175℃)に変更し、混練温度及び射出成形温度を200℃に変更した以外は実施例1と同様に試験片を作製し、評価した。
[実施例11〜15]
イミノエーテル(1)の添加量をそれぞれ表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。
[比較例2]
イミノエーテル(1)に代えてStabaxol(登録商標) P400(ラインケミー社製)を添加した以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。
[比較例3]
イミノエーテル(1)に代えて下記合成例10で合成した下記構造を有するテトラメチレンビスオキサゾリン(TMBO)を添加した以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。

[合成例10]
<TMBOの合成>

5Lフラスコに、アジピン酸ジエチル500g(2.47mol)、エタノールアミン1500g(9.9mol)を仕込み、170℃で1時間攪拌しながら、生成するエタノールを留去した。室温に冷却後、ベンゼンとメタノールを加えて再結晶し、ろ過することで中間生成物TMBO−1 471g(収率82%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
5L三口フラスコに、TMBO−1 185.7g(0.8mol)、クロロホルム1.0Lを仕込み、氷浴下で塩化チオニル238g(2.0mol)を滴下し、室温下で2時間攪拌した。減圧下で過剰の塩化チオニルを留去した後、メタノール1.0Lを加え、ナトリウムメチラート28質量%メタノール溶液(商品名:SM−28) 771.7g(4.0mol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間、40℃で30時間攪拌した。室温に冷却してろ過し、減圧下で溶媒を留去した後、酢酸エチル1.0Lを加え、ろ過した後、減圧下で酢酸エチルを留去した。得られたオイル状の化合物を128℃、133.3Pa(1Torr)で蒸留精製することで、TMBO 118g(収率75%)を得た。得られた化合物はH−NMRにて同定した。
[比較例4]
イミノエーテル(1)に代えてエポクロス(登録商標)RPS(オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン、日本触媒社製)を添加した以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。
実施例及び比較例で用いた樹脂及び封止剤と評価結果を下記表1に示す。なお、表1において、封止剤の添加量は、樹脂100質量部に対する添加量である。

上記表1より、封止剤として本開示に係る鎖状イミノエーテル基含有化合物を添加した各実施例のポリアミド樹脂組成物は、成形時のガスの発生を抑制でき、樹脂圧力の上昇が抑制され、成形性に優れていた。また、得られたポリアミド樹脂成形体(試験片)は、耐湿熱性に優れ、且つ、樹脂中の揮散成分の含有量が少なかった。
比較例5では環状イミノエーテル(7)の反応性が低いため、成形体の耐加水分解性が劣り、一部は反応して高分子量化して増粘したことで成形性が低下したと考えられる。
2014年12月26日に出願された日本特許出願2014−265716の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (8)

  1. ポリアミドと、下記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物及び一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体から選ばれる少なくとも1種の鎖状イミノエーテル基含有化合物と、を含むポリアミド樹脂組成物。


    一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、Rは下記一般式(2)で表されるアルキル基又は下記一般式(3)で表されるアリール基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。


    一般式(2)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R31、R32及びR33は互いに連結して環を形成してもよい。一般式(3)中、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。一般式(2)及び(3)において*は、窒素原子と結合する位置を表す。
  2. 前記一般式(1)におけるRが前記一般式(3)で表されるアリール基である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物が、下記一般式(5)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である請求項1又は請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。


    一般式(5)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R21は置換基を表し、mは0〜5の整数を表し、R21が複数存在する場合、複数のR21は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表し、R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。
  4. 前記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体が、下記一般式(6)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。


    一般式(6)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。pは2〜4の整数を表し、Lは、炭素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアルキレン部、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいアルコキシレン部であるp価の基を表す。
  5. 前記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体が、下記一般式(7)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。


    一般式(7)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。pは2〜4の整数を表し、Lは、窒素原子との結合末端が、置換基を有してもよいアリーレン部又は置換基を有してもよいシクロアルキレン部であるp価の基を表す。
  6. 前記一般式(1)で表されるイミノエーテル化合物の多量体が、下記一般式(8)で表される鎖状イミノエーテル基含有化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。


    一般式(8)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、R41は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。R41が複数存在する場合、複数のR41は互いに同じであっても、異なっていてもよく、互いに連結して環を形成してもよい。pは2〜4の整数を表し、Lは、酸素原子との結合末端が、アルキレン部であるp価の基を表す。Lのアルキレン部は、水素原子の一部又は全部が、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基で置換されていてもよい。
  7. 前記ポリアミド100質量部に対して、前記鎖状イミノエーテル基含有化合物を0.1〜2.0質量部含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を用いて成形されたポリアミド樹脂成形体。
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