JPWO2016104255A1 - ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリアセタール樹脂(A)及び酸化亜鉛(B)を含むポリアセタール樹脂組成物であって、ポリアセタール樹脂(A)中のオキシメチレン基以外のオキシアルキレン構成単位の含有量が、0.1質量%以上であり;かつポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛(B)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)100gに対して0.1〜40m2である、ポリアセタール樹脂組成物、並びにその成形体を提供する。

Description

本発明は、酸化亜鉛を含むポリアセタール樹脂組成物並びにその成形体に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性などのバランスに優れ、構造材料や機構部品などとして電気機器、自動車部品、精密機械部品などに広く使用されている。例えば、自動車部品としては、燃料油と直接接触する部品、例えば燃料ポンプモジュールなどに代表される燃料搬送ユニット等の大型部品に用いられている。しかしながら、使用環境が高温となるディーゼル燃料と接触するこれらの自動車用途関連部品では、耐熱性のほか、耐燃料性(特に、耐酸性)の向上が重要となってくる。そのために、アミノ置換トリアジン化合物、ヒンダードアミン化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、無機酸塩の添加が行われてきたが、耐熱性及び耐燃料性の更なる向上が求められてきた。
ポリアセタール樹脂の耐酸性向上に関しては過去にいくつかの開示がなされている。例えば、ポリアセタール樹脂に酸化防止剤及び一種以上の亜鉛含有化合物を添加することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。他には、靱性、耐燃料性の向上のため、ポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーに酸化亜鉛及びポリアルキレングリコールを添加する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、耐酸性向上の為、ポリオキシメチレンにポリアルキレングリコール、酸化亜鉛、及び1種又は2種以上の窒素含有化合物を規定の添加量で添加することが開示されている(例えば、特許文献3参照)。他に、ポリアセタール樹脂に酸化防止剤、1重量%濃度で純水に懸濁若しくは水溶させたときにpH7以上の亜鉛化合物、及びテトラクロロイソフタロニトリル等の有機化合物1種又は2種以上を添加することで耐塩素水性の向上が開示されており、またpHが7未満の亜鉛化合物では、熱安定性と耐水性が大幅に低下することも開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、ディーゼル燃料に対して耐熱性、耐燃料性(耐酸性)の更なる向上が求められている。
特開平7−150004号公報 特開2001−011284号公報 特表2003―509521号公報 特開平8―100102号公報
本発明は、実用上十分な耐熱性と、耐燃料性(耐酸性)を併せ持つ、ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体を提供することを課題とする。特に、使用環境が高温となるディーゼル燃料に対して、耐熱性と耐燃料性とのバランスに優れたポリアセタール樹脂組成物及びその成形体を提供することを課題とする。
本発明者等は上記の技術問題の課題を鑑み、ポリアセタール樹脂に添加する酸化亜鉛について、その物性と得られるポリアセタール樹脂組成物の耐熱性と耐燃料性を詳細に検討した結果、ポリアセタール樹脂組成物に用いる酸化亜鉛の総表面積を特定の範囲とすることで、耐熱性と耐燃料性のバランスに優れたポリアセタール樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリアセタール樹脂(A)及び酸化亜鉛(B)を含むポリアセタール樹脂組成物であって、ポリアセタール樹脂(A)中のオキシメチレン基以外のオキシアルキレン構成単位の含有量が、0.1質量%以上であり;かつポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛(B)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)100gに対して0.1〜40mであるポリアセタール樹脂組成物並びにその成形体である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、耐燃料性と耐熱性のバランスが優れているため、その成形体は、燃料油(特に、高温で使用されるディーゼル燃料油)と直接接触する部品、例えば燃料ポンプモジュールなどに代表される燃料搬送ユニット等の大型部品などとして好適に使用することが出来る。
<ポリアセタール樹脂(A)>
本発明におけるポリアセタール樹脂(A)は、アセタール構造:−O−CRH−(ここで、Rは、水素原子、有機基を示す)を繰り返し単位に有する高分子であり、通常はRが水素原子であるオキシメチレン基(−OCH−)を主たる構成単位とするものである。具体的には、ポリアセタール樹脂(A)中においてオキシメチレン基の含有量が50質量%以上であり、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上99.5質量%以下であることがより好ましい。本発明に用いるポリアセタール樹脂(A)は、前記オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックコポリマー)やターポリマー等を含み、更には線状構造のみならず、グリシジルエーテル化合物、エポキシ化合物、アリルエーテル化合物などをコモノマー及び/又はターモノマーに用いることで生成する分岐、架橋構造を有していてもよい。前記オキシメチレン基以外の構成単位としては、例えば、オキシエチレン基(−OCHCH−又は−OCH(CH)−)、オキシプロピレン基(−OCHCHCH−、−OCH(CH)CH−又は−OCHCH(CH)−)、オキシブチレン基(−OCHCHCHCH−、−OCH(CH)CHCH−、−OCHCH(CH)CH−、−OCHCHCH(CH)−、−OCH(C)CH−又は−OCHCH(C)−)等の炭素数2以上10以下の、分岐していてもよいオキシアルキレン基が挙げられ、中でも炭素数2以上4以下の、分岐していてもよいオキシアルキレン基が好ましく、特にオキシエチレン基(−OCHCH−)が好ましい。またこの様な、オキシメチレン基以外のオキシアルキレン構成単位の含有量としては、ポリアセタール樹脂(A)中において0.1質量%以上であり、10.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましい。
本発明におけるポリアセタール樹脂(A)の製造方法は任意であり、従来公知の任意の方法によって製造すればよい。例えば、オキシメチレン基と、炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂(A)の製造方法としては、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状アセタールと、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を含む環状アセタールとを共重合することによって製造することができる。中でも本発明に用いるポリアセタール樹脂(A)としては、トリオキサンやテトラオキサン等の環状アセタールと、エチレンオキサイド又は1,3−ジオキソランとの共重合体であることが好ましく、中でもトリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体であることが特に好ましい。
例えば、本発明のポリアセタール樹脂(A)は、オキシメチレン基の環状アセタールと、コモノマーである炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を含む環状アセタールとを、重合触媒を用いて塊状重合させる方法で得ることができる。重合触媒及び重合成長末端の失活処理のために、必要に応じて反応停止剤を用いてもよい。また、ポリアセタール樹脂(A)の分子量調節のために、必要に応じて分子量調節剤を用いてもよい。本発明のポリアセタール樹脂(A)の製造に用いることができる重合触媒、反応停止剤、分子量調節剤の種類や量は、本発明の効果を阻害しない限りにおいては特に限定されるものではなく、従来公知の任意の重合触媒、反応停止剤、分子量調節剤を適宜使用することができる。
前記重合触媒としては特に限定されるものではないが、例えば、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、及び五フッ化アンチモンなどのルイス酸、並びにこれらルイス酸の錯化合物または塩化合物が挙げられる。また、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸などのプロトン酸;パークロル酸と低級脂肪族アルコールのエステルなどのプロトン酸のエステル;パークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物などのプロトン酸の無水物なども挙げられる。このほかに、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩、パーフルオロアルキルスルホン酸またはその酸性塩などが挙げられる。中でも、三フッ化ホウ素を含む化合物が好ましく、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートが特に好ましい。
前記重合触媒の使用量は特に限定されるものではないが、トリオキサンとコモノマーの合計の全モノマー1molに対して、通常1.0×10−8〜2.0×10−3molであり、好ましくは5.0×10−8〜8.0×10−4mol、特に好ましくは5.0×10−8〜1.0×10−4molの範囲である。
前記反応停止剤としては特に限定されるものではないが、例えば、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。これらの反応停止剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、三価の有機リン化合物、三級アミン、ヒンダードアミンが好ましい。
前記反応停止剤の使用量は、重合触媒を失活させるのに十分な量であれば特に制限はないが、重合触媒に対するモル比として、通常1.0×10−1〜1.0×10の範囲である。
前記分子量調節剤としては特に限定されるものではないが、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテルなどが挙げられる。中でもメチラールが好ましい。これらの分子量調節剤の使用量は、目標とする分子量に応じて適宜決められる。通常、全モノマーに対して0〜0.1質量%の範囲で添加量が調整される。
<酸化亜鉛(B)>
本発明における酸化亜鉛(B)は、製造方法に限定されないが、JIS K 1410−95、JIS K 8405−94の規格のもと生産される白色粉末である。工業的には、乾式法または湿式法で製造される白色粉末である。乾式法としては、フランス法とアメリカ法があり、おもにフランス法で生産されている。フランス法は溶融させた金属亜鉛をるつぼに投入して約1000℃に加熱し、発生する亜鉛蒸気を熱空気で酸化させ、これを空冷式空冷管で冷却し、サイクロン及びバグフィルターで分離、捕集する方法である。湿式法としては、主に2つの製法があり、塩化亜鉛溶液にソーダ灰溶液を加え、塩基性酸化亜鉛を沈殿させる方法と、水酸化亜鉛を生成させ、水洗乾燥後、か焼して製造する方法である。本発明においては、ポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛(B)の総表面積が特定の範囲になるように添加する限り、乾式法、湿式法、いずれの方法で製造される酸化亜鉛を用いることができ、その粒子径等にも特に制限はない。
本発明における酸化亜鉛(B)は、ポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛の総表面積(本明細書においては、BET総表面積ということもある)が、0.1〜40[m]になるように添加する。中でも、総表面積が、1〜30[m]になるように添加するのが好ましく、総表面積が、1〜20[m]になるように添加するのが特に好ましい。このとき、酸化亜鉛(B)の添加量は、用いる酸化亜鉛(B)のBET比表面積に依存し、決定する。ポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛の総表面積(BET総表面積)が0.1[m]以上であるのが耐燃料性の改善の点から好ましく、40[m]以下であるのが耐熱性の低下の抑制や、金型汚染性(MD)の抑制の点から好ましい。中でも、ポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛の総表面積が1〜30[m]の範囲であると、耐熱性と耐燃料性の2つの要素のバランスが良好で実用的なポリアセタール樹脂組成物が得られ、特に、1〜20[m]の範囲であると、耐熱性と耐燃料性の2つの要素のバランスが更に良くなり、より実用性に優れたポリアセタール樹脂組成物が得られる。
ポリアセタール樹脂に添加される酸化亜鉛(B)のBET比表面積は、ポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛の総表面積(BET総表面積)と、ポリアセタール樹脂への酸化亜鉛(B)の添加量に応じて勘案されるので、特に限定されない。添加する酸化亜鉛(B)のBET比表面積は、例えば0.1〜70[m/g]であってよく、0.1〜40[m/g]が好ましく、1〜30[m/g]がより好ましい。酸化亜鉛(B)のBET比表面積が0.1〜70[m/g]の範囲であると、ポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛の総表面積(BET総表面積)を0.1〜40[m]の範囲に調節しやすい。中でも、酸化亜鉛(B)のBET比表面積が0.1〜40[m/g]の範囲であると、耐熱性と耐燃料性の2つの要素のバランスが良好で実用的なポリアセタール樹脂組成物が得られ、特に、酸化亜鉛(B)のBET比表面積が1〜30[m/g]の範囲であると、耐熱性と耐燃料性の2つの要素のバランスが更に良くなり、より実用性に優れたポリアセタール樹脂組成物が得られる。
酸化亜鉛(B)のJIS K 5101−17−1で測定したpHは、特に限定されないが、例えば6〜10であってよく、6〜8であることが好ましい。前記pHが6〜10であれば、耐熱性、耐燃料性のバランスが良好なポリアセタール樹脂組成物が得られる。中でも、前記pHが6〜8であると、耐熱性、耐燃料性がより優れたポリアセタール樹脂組成物が得られる。
本発明においては、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱性、耐燃料性、耐金型汚染性(MD)を更に向上させる目的で、前記酸化亜鉛(B)に加えて、ポリアミド樹脂(C)、ヒンダードアミン化合物(D)、並びにカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物(E)を併用するのが好ましい。
<ポリアミド樹脂(C)>
本発明においては、ポリアミド樹脂(C)を添加することにより、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱性、耐燃料性をさらに向上させることができる。本発明におけるポリアミド樹脂(C)は、分子中に2個以上のアミド結合を有する樹脂であり、ポリアミド樹脂(C)としては、例えばナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、これらの3元共重合体、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂及びポリアミドエラストマー等が挙げられる。これらの中では、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂又はポリアミドエラストマーが特に好ましい。これらのポリアミド樹脂は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂とは、重合脂肪酸とジアミンとの重縮合体で構成されるポリアミド樹脂を言う。
重合脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の重合体、又はこの重合体を水素添加して得られるものであり、重合脂肪酸としては、例えば10〜24の炭素数を有し、二重結合又は三重結合を1個以上有する一塩基性脂肪酸の二量体(ダイマー酸)又はその水素添加物が挙げられる。ダイマー酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸及びエルカ酸等の二量体が挙げられる。
ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン及びメタキシリレンジアミン等が挙げられる。
ポリアミドエラストマーとは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有し、ハードセグメントがポリアミドで構成され、ソフトセグメントがポリアミド以外のポリマーで構成されるポリアミド樹脂を言う。ハードセグメントを構成するポリアミドとしては、例えばナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、これらの3元共重合体、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂等が挙げられる。ポリアミド以外のポリマーとしては、例えば脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエーテルが挙げられる。脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート及びポリブチレンサクシネート等が挙げられる。脂肪族ポリエーテルとしては、例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。
ポリアセタール樹脂組成物へのポリアミド樹脂(C)の添加においては、ポリアミド樹脂(C)のアミン価、及び融解温度又は軟化点が、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱性、耐燃料性に影響を与える。アミン価は特に制限されるものではないが、2.0mgKOH/g以上であることが好ましい。この場合、アミン価が2.0mgKOH/g以上であると、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。上記ポリアミド樹脂(C)のアミン価は、以下のようにして求めることができる。すなわち、ポリアミド樹脂3.0gをm−クレゾール80mLに溶解した溶液を被滴定溶液として調製し、0.050モル/Lの過塩素酸メタノール溶液を滴定剤として用いて電位差滴定を行い、当量点に達するまでに要した滴定剤の量から、ポリアミド樹脂1.0g当たりのアミン価を、相当する水酸化カリウムの質量(mgKOH)として換算することにより求めることができる。但し、ポリアミド樹脂(C)のアミン価は、40mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以下であることがより好ましい。アミン価が40mgKOH/g以下であると、溶融混練時の変色を抑制することができる。
融解温度又は軟化点も特に制限されるものではないが、70℃以上170℃以下であることが好ましい。融解温度又は軟化点が170℃以下であるのが、溶融混練時の分散性の点から好ましく、70℃以上であるのが、成形時のブリードの防止、及び金型汚染性(MD)の抑制の点から好ましい。
ポリアミド樹脂(C)の添加量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0〜3.0質量部であることが好ましく、0.01〜3.0質量部であることがより好ましく、0.01〜1.0質量部であることが特に好ましい。
<ヒンダードアミン化合物(D)>
本発明におけるヒンダードアミン化合物(D)としては、N,N’,N”,N'''−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(BASF,Chimassorb(登録商標)2020 FDL)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物(BASF,Tinuvin(登録商標)622)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(BASF,Tinuvin(登録商標)770)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、及び1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。その中でも、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びコハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物が好ましい。上記したヒンダードアミン化合物は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、ヒンダードアミン化合物は、高温下においてディーゼル燃料中で生成される分解成分(カルボン酸、過酸化物など)や、ポリアセタール樹脂由来の分解成分(ホルムアルデヒド、ギ酸など)をトラップし、ポリアセタール樹脂の劣化を防止する効果とともに耐熱性の向上にも効果を示すと考えられる。
本発明におけるヒンダードアミン化合物(D)の添加量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0〜3.0質量部が好ましく、0.01〜3.0質量部がより好ましく、0.01〜2.0質量部が特に好ましい。ヒンダードアミン化合物(D)を添加することにより、ポリアセタール樹脂組成物の耐燃料性を更に向上させることができる。
<カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物(E)>
本発明においては、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物(E)を、酸化亜鉛(B)と併用できる。これらの化合物を添加することにより、ポリアセタール樹脂組成物の耐燃料性及び/又は耐金型汚染性(MD)を更に向上させることができる。
前記カルボジイミド化合物は、少なくとも分子中に1個以上のカルボジイミド基を有していれば特に限定されるものではなく、市販されているものや、公知の方法で製造されたものを使用することができる。このようなカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドの他、環状カルボジイミドや、カルボジライト(登録商標:日清紡ケミカル株式会社製)又はスタバクゾール(登録商標:Rhein Chemie社製)等のポリカルボジイミド等が挙げられる。
前記オキサゾリン化合物としては特に限定されるものではなく、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、スチレン・2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のビニルオキサゾリン、1,3−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、1,4−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2−ビス(2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4,4−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2−エチレンビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2−テトラエチレンビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2−シクロヘキシレンビス(4−エチル−2−オキサゾリン)等のビスオキサゾリン化合物が挙げられ、好ましくは、スチレン・2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、1,3−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、エポクロス(登録商標:株式会社日本触媒製)等のオキサゾリン基含有ポリマーが挙げられる。
前記エポキシ化合物としては特に限定されないが、例えば、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物を使用でき、グリシジル基を有するブレンマー(登録商標:日油株式会社製)又はマープルーフ(登録商標:日油株式会社製)等のエポキシ基含有アクリル系ポリマーが好ましい。その他、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物が好ましい。特に、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリエチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−グリシジルエーテル、4,4’−ジフェニルメタンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、エピオール(登録商標:日油株式会社製)が好ましい。
本発明におけるカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物(E)の添加量(合計量)は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0〜3.0質量部が好ましく、0.01〜3.0質量部がより好ましく、0.01〜2.0質量部が特に好ましい。
<その他の成分>
また、本願発明を実施するとき、本発明のポリアセタール樹脂組成物には、本来の目的を損なわない範囲内で、ヒンダードフェノール化合物、アミノ置換トリアジン化合物、リン系安定剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、無機酸塩を添加することができる。
前記ヒンダードフェノール化合物の種類は特に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオジエチル−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等を挙げることができる。これらのヒンダードフェノール化合物は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらのヒンダードフェノール化合物は、酸化防止剤として使用される。
前記ヒンダードフェノール化合物の添加量は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
前記アミノ置換トリアジン化合物としては、例えば、グアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンなどのメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンなどのアルキル化メラミン類、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)などが挙げられる。中でも、メラミン、メチロールメラミン、アルキル化メラミン、ベンゾグアナミン、及び水溶性のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。これらのアミノ置換トリアジン化合物は、熱安定剤として使用される。
前記アミノ置換トリアジン化合物の添加量は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜5.0質量部が好ましく、好ましくは0.01〜3.0質量部、特に好ましくは0.015〜2.0質量部がより好ましい。
前記リン系安定剤の種類は特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のホスファイト化合物を挙げることができる。これらのリン系安定剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらのリン系安定剤は、酸化防止剤として使用される。
前記リン系安定剤の添加量は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、無機酸塩としては特に限定されないが、例えばカルシウム、マグネシウムの水酸化物、酸化物、脂肪酸塩、メトキシド、エトキシド、リン酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩などが挙げられる。中でも、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが好ましい。これらアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、無機酸塩は、熱安定剤として使用される。
前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、無機酸塩の添加量は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.005〜3.0質量部がより好ましく、0.01〜2.0質量部が特に好ましい。
また、本願発明を実施するとき、本発明のポリアセタール樹脂組成物には、本来の目的を損なわない範囲内で、上記した成分の他に、必要に応じてその他の安定剤、核化剤、離型剤、充填剤、顔料、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤などの各種添加剤、他の樹脂、エラストマーなどを適宜添加してもよい。充填剤としてはガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ウオラストナイト、マイカ、タルク、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化珪素、クレー、アスベスト、シリカ、ケイソウ土、グラファイト、二硫化モリブデンなどの鉱物質充填剤及びガラス繊維、ミドルファイバー、チタン酸カリウム繊維、ポロン繊維などの無機繊維、並びに炭素繊維、アラミド繊維に代表される有機繊維、チタン酸カリウムウィスカー、さらに、カーボンブラック、顔料等を挙げることができる。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、上記したポリアセタール樹脂(A)、酸化亜鉛(B)、及び必要に応じて添加されるその他の成分を、任意の順序で混合、混練することによって製造できる。混合・混練の温度、圧力等の条件は、従来公知のポリアセタール樹脂組成物の製造方法にしたがって適宜選択すればよい。例えば、混練はポリアセタール樹脂(A)の溶融温度以上で行えばよく、通常は180℃以上260℃以下で行うのが好ましい。ポリアセタール樹脂組成物の製造装置も特に限定されるものではなく、従来からこの種の樹脂組成物の製造に用いられている混合、混練装置などを用いることができる。
具体的には、例えば、ポリアセタール樹脂(A)に対して、所定量の、酸化亜鉛(B)、ポリアミド樹脂(C)、ヒンダードアミン化合物(D)、並びにカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物(E)、ヒンダードフェノール化合物、アミノ置換トリアジン化合物を、同時にまたは任意の順序で添加し、所望により更に他の添加剤等を添加した後、タンブラー型ブレンダー等によって混合する。次いで得られた混合物を1軸又は2軸押出し機で溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化することにより、所望の組成のポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
また、別法として、ポリアセタール樹脂(A)に対して、ヒンダードフェノール化合物、アミノ置換トリアジン化合物を添加・混合した後、溶融混練してペレット化する。これに所定量の、酸化亜鉛(B)、ポリアミド樹脂(C)、ヒンダードアミン化合物(D)、並びにカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物(E)を添加し、所望により更に他の添加剤等を添加した後、再度混合、溶融混練してペレット化することにより、所望の組成のポリアセタール樹脂組成物を得ることもできる。また、ペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂組成物を直接、射出成形品、ブロー成形品、または押出成形品などにすることもできる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、公知のポリアセタール樹脂の成形加工法に従って、成形加工することができる。本発明のポリアセタール樹脂組成物からなる成形体としては、ペレット、丸棒、厚板、シート、チューブ、円筒状や方形状の容器といった形状が挙げられるがこれに限定されるものではない。本発明の成形体は、従来からポリアセタール樹脂組成物の用途として知られる、機械、電気、自動車、建材その他の各種部品等へ使用できる。特に本発明の成形体は、その優れた耐熱性及び耐燃料性からディーゼル燃料と接触する部品、例えば燃料ポンプモジュールなどに代表される燃料搬送ユニット等の大型部品などとして好適である。
以下、本発明について実施例、比較例を示して、その実施形態と効果について具体的に説明をするが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
<加熱重量減少率>
実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を試験管に入れ、窒素置換後10Torr減圧下で240℃、1時間加熱し、重量減少率を求めた。重量減少率が小さいほどポリアセタールの分解が少なく、耐熱性が高い。
<燃料浸漬後の重量減少率>
実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を用いて射出成形により小型試験片(長さ62mm、幅4mm、厚さ1mm)を作製した。得られた試験片をディーゼル燃料(Haltermann製 RF−90−A−92)に浸漬させ、90℃で672時間加熱して試験した。672時間経過後に試験片を取り出し、重量減少率を求めた。重量減少率が小さいほど耐燃料性が高い。
<金型汚染性(MD)>
スクリュープリプラ型射出成型機(住友重機械製ミニマット)、及び雫金型を用いて、成形温度230℃、金型温度35℃で4000ショット連続成形し、終了後、金型の付着物(モールドデポジット)の状態を観察し、金型汚染が少ないものから金型汚染が多いものを順に4段階(◎、○、△、×)の基準で評価した。
<pH及びBET比表面積>
本発明におけるpHはJIS K 5101−17−1に基づいて測定した。また、BET比表面積はN吸着法により測定した。
<実施例1〜32、比較例1〜7>
(A)ポリアセタール樹脂100質量部[phr]に対して、(B)酸化亜鉛、(C)ポリアミド樹脂、(D)ヒンダードアミン化合物、(E)カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、又はエポキシ化合物を表1〜3に示す割合で添加し、二軸押出機を用いて210〜230℃、21.3kPaの減圧下で溶融混練した。得られたペレットを前記評価法にて評価した。尚、表1〜3中の記号は下記の通りである。また、(B)酸化亜鉛の物性に関しては、表4に示した。
A−1:オキシエチレン単位を0.8質量%含むポリアセタール樹脂
A−2:オキシエチレン単位を2.5質量%含むポリアセタール樹脂
A−3:オキシエチレン単位を7.7質量%含むポリアセタール樹脂
A−4:オキシエチレン単位を12.0質量%含むポリアセタール樹脂
A−5:オキシエチレン単位を0.05質量%含むポリアセタール樹脂
B−1:JIS規格1種B(ハクスイテック製) 粒径2.8μm
B−2:ZINCOX SUPER F−3(ハクスイテック製)粒径20μm
B−3:Finnex−30(堺化学製)粒径35μm
B−4:Zinca20(堺化学製)粒径20μm
B−5:活性亜鉛華(ハクスイテック製)粒径12μm
C:アミノ基末端重合脂肪酸系ポリアミド樹脂TXM−78C(T&K TOKA製)アミン価(mgKOH/g)9.2、軟化点84℃
D−1:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(Tinuvin(登録商標)770(BASF製)、分子量481)
D−2:コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物(Tinuvin(登録商標)622(BASF製)、分子量6600)
E−1:芳香族ポリカルボジイミド(Stabaxol(登録商標)P(Rhein Chemie社製))
E−2:オキサゾリン基含有ポリマー(エポクロス(登録商標)RPS−1005(日本触媒社製))
E−3:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(マープルーフ(登録商標)G−1100(日油社製))
Figure 2016104255
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Claims (9)

  1. ポリアセタール樹脂(A)及び酸化亜鉛(B)を含むポリアセタール樹脂組成物であって、ポリアセタール樹脂(A)中のオキシメチレン基以外のオキシアルキレン構成単位の含有量が、0.1質量%以上であり;かつポリアセタール樹脂組成物中の酸化亜鉛(B)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)100gに対して0.1〜40mである、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. ポリアセタール樹脂(A)中のオキシメチレン基以外のオキシアルキレン構成単位の含有量が、10.0質量%以下である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記酸化亜鉛(B)のBET比表面積が0.1〜40m/gである、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. JIS K 5101−17−1で測定した、前記酸化亜鉛(B)のpHが、6〜8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. ポリアミド樹脂(C)を、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0.01〜3.0質量部含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. ヒンダードアミン化合物(D)を、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0.01〜3.0質量部含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物(E)を、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0.01〜3.0質量部含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物を成形して得られる、成形体。
  9. ディーゼル燃料と接触する部品である、請求項8に記載の成形体。
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