JPWO2016068247A1 - 圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器 - Google Patents

圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 特定の周波数における圧電共振の強い発現を抑制して、音響発生器の音質を向上させることのできる圧電素子、ならびにこの圧電素子を備えた音響発生器、音響発生装置および電子機器を提供する。【解決手段】 本実施形態の圧電素子1は、第1の内部電極層11および第2の内部電極層12が圧電体層13を介して互いに対向するように交互に積層された長さ方向と幅方向とを有する長方形板状の圧電素子であって、積層方向から見て第2の内部電極層12が幅方向の両側面との間の少なくとも一部に間隙120があるように設けられており、その間隙120の全域をみたときに第2の内部電極層12と側面との間隔が異なる部分を有している。【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器に関するものである。
従来から、内部電極層と圧電体層とが複数積層された積層型の圧電素子が知られており、アクチュエータや共振子、濾波器の素子として、またブザーやパネルスピーカーなどの音響発生器の振動源として利用されている。このような圧電素子では、駆動時の素子内部での応力発生や局部的な応力集中を抑制することが信頼性確保の観点から重要である。例えば、内部電極層の周縁に非電極形成部を設けることにより、このような応力集中を抑制した積層型の圧電素子が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−025268号公報
ところで、上述した構造の圧電素子は、周縁を非電極形成部とした内部電極層の位置が積層方向に揃っている。それゆえ、上記圧電素子を音響発生器の振動源に用いた場合、伸縮する圧電活性領域の位置が揃っているため、共振周波数が一致した振動となり圧電共振が強く発現するおそれがあった。したがって、この圧電素子を備えた音響発生器の周波数−音圧特性においてピークやディップが大きくなり、音質が悪くなるおそれがあるという問題があった。同様に、当該圧電素子を備えた音響発生装置および電子機器の音質も悪くなるおそれがあるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、特定の周波数における圧電共振の強い発現を抑制して、音響発生器の音質を向上させることのできる圧電素子、ならびにこの圧電素子を備えた音響発生器、音響発生装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明の圧電素子は、第1の内部電極層および第2の内部電極層が圧電体層を介して互いに対向するように交互に積層された長さ方向と幅方向とを有する長方形板状の圧電素子であって、積層方向から見て前記第2の内部電極層が幅方向の両側面との間の少なくとも一部に間隙があるように設けられており、該間隙の全域を見たときに前記第2の内部電極層と側面との間隔が異なる部分を有していることを特徴とする。
また本発明の音響発生器は、上記に記載の圧電素子と、該圧電素子が取り付けられており、圧電素子の振動によって振動する振動板とを備えていることを特徴とする。
また本発明の音響発生装置は、上記の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えていることを特徴とする。
また本発明の電子機器は、上記の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備えていることを特徴とする。
本発明の圧電素子によれば、特定の周波数における圧電共振の強い発現を抑制することができる。したがって、音響発生器の振動源として用いた場合には、周波数−音圧特性においてピークやディップが平坦化され、音響発生器の音質を向上させることができる。また、本発明の音響発生器、音響発生装置および電子機器によれば、音響性能を向上させることができる。
(a)は本実施形態の圧電素子の一例を示す概略斜視図、(b)は(a)に示す圧電素子の内部電極層のパターン説明図、(c)は(a)に示す圧電素子の分解斜視図である。 (a)は本実施形態の圧電素子の他の例を示す概略斜視図、(b)は(a)に示す圧電素子の内部電極層のパターン説明図、(c)は(a)に示す圧電素子の分解斜視図である。 (a)〜(d)は、第2の内部電極層のパターンのバリエーションの説明図である。 (a)は本実施形態の圧電素子の他の一例を示す概略斜視図、(b)はバイモルフ型圧電素子の駆動時の説明図である。 (a)〜(d)は、間隔d1と間隔d2との関係のバリエーションの説明図である。 (a)および(b)は、面積の異なる第2の内部電極層のパターンのバリエーションの説明図である。 (a)は、本実施形態の音響発生器の実施の形態の概略構成を示す模式的な平面図であり、(b)は(a)のA−A線で切断した一例の概略断面図、(c)は、(a)のA−A線で切断した他の例の概略断面図である。 本実施形態の音響発生装置の実施形態の一例を示すブロック図である。 本実施形態の電子機器の実施形態の一例を示すブロック図である。 (a)は本実施形態の実施形態に係る音響発生器の周波数−音圧特性の一例を示すグラフであり、(b)は従来の音響発生器の周波数−音圧特性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の圧電素子の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1(a)は本実施形態の圧電素子の一例を示す概略斜視図、図1(b)は図1(a)に示す圧電素子の内部電極層のパターン説明図、図1(c)は図1(a)に示す圧電素子の分解斜視図である。また、図2(a)は本実施形態の圧電素子の他の例を示す概略斜視図、図2(b)は図2(a)に示す圧電素子の内部電極層のパターン説明図、図2(c)は図2(a)に示す圧電素子の分解斜視図である。
図1および図2に示す本実施形態の圧電素子1は、第1の内部電極層11および第2の内部電極層12が圧電体層13を介して互いに対向するように交互に積層された積層体14を備えた長さ方向と幅方向とを有する長方形板状の圧電素子であって、積層方向から見て、第2の内部電極層12が積層体14の幅方向の両側面との間の少なくとも一部に間隙120があるように設けられており、その間隙120の全域を見たときに第2の内部電極層12と側面との間隔dが異なる部分を有している。
圧電素子1は、第1の内部電極層11および第2の内部電極層12が圧電体層13を介して互いに対向するように交互に積層された長方形板状の圧電素子である。より具体的には、第1の内部電極層11、第2の内部電極層12および圧電体層13が、圧電体層13、第1の内部電極層11、圧電体層13、第2の内部電極層12、圧電体層13の順に積層された積層体14を有している。この積層体14は、平面(上面)から見た主面の形状が長さ方向(長手方向)と幅方向(短手方向)とを有する長方形状の板状体である。したがって、圧電素子1も平面視で長さ方向と幅方向とを有する長方形状になっている。
積層体14を構成する第1の内部電極層11、第2の内部電極層12は、圧電体層13を介して互いに対向するように配置されて圧電体層13を上下から挟んでいる。これらの材料として、例えば低温焼成が可能な銀や銀−パラジウムを主成分とする導体、あるいは銅、白金などを含む導体を用いることができるが、これらにセラミック成分やガラス成分を含有させてもよい。
積層体14を構成する複数の圧電体層13は、圧電特性を有するセラミックスからなるもので、このようなセラミックスとして、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などを用いることができる。圧電体層13の1層の厚みは、低電圧で駆動させるために、例えば0.01〜0.1mmに設定される。また、大きな屈曲振動を得るために、例えば200pm/V以上の圧電定数d31を有するように設定される。
また、図に示す積層体14は、表面電極15を備えている。具体的には、表面電極15は、第1の内部電極11と電気的に接続された第1の表面電極151と、第2の内部電極12と電気的に接続された第2の表面電極152とを備えている。表面電極15は、積層体14の少なくとも一方主面に設けられている。表面電極15の材料としては、銀や銀にシリカを主成分としたガラス等を含有させた銀化合物、ニッケルなどを用いることができる。
また、積層体14の長さ方向の対向する側面(端面)には、第1の内部電極層11と第1の表面電極151とを電気的に接続する第1の側面電極161と、第2の内部電極層12と第2の表面電極152とを電気的に接続する第2の側面電極162とが設けられている。第1の側面電極161および第2の側面電極162の材料としては、表面電極15と同様の、銀や銀にシリカを主成分としたガラス等を含有させた銀化合物、ニッケルなどを用いることができる。
なお、図1および図2では、表面電極15と内部電極層(第1の内部電極層11および第2の内部電極層)とを接続するのに積層体14の長さ方向の側面(端面)に設けられた側面電極(第1の側面電極161および第2の側面電極162)が用いられているが、この側面電極にかえて、第1の内部電極層11の一方の端部および圧電体層13を貫通する貫通導体、第2の内部電極層12の一方の端部および圧電体層13を貫通する貫通導体が用いられてもよい。このとき、第1の内部電極層11と電気的に接続された貫通導体が第2の内部電極層12と電気的に接続されないように、第2の内部電極層12の他方の端部と積層体14の端面との間に所望の間隙があればよい。また、第2の内部電極層12と電気的に接続された貫通導体が第1の内部電極層11と電気的に接続されないように、第1の内部電極層11の他方の端部と積層体14の端面との間に所望の間隙があればよい。
圧電素子1に給電するための給電部材(配線部材)としてフレキシブル配線基板、絶縁被覆したリード線などを用い、これを導電性接着剤やはんだを介して表面電極15に接合すればよい。
そして、圧電素子1は、第1の内部電極層11が積層体14の幅方向の両側面との間の少なくとも一部に間隙を有する形状であってもよいが、図示したように、積層方向から見て第1の内部電極層11が幅方向の両側面まで達するように設けられた形状であるのがよい。第1の内部電極層11が幅方向の両側面まで達するように設けられていることで、縁端効果により圧電活性領域を増加できる。したがって、圧電素子1の他方主面に振動板を接合して音響発生器とした場合に、高い音圧を確保できる。
また、圧電素子1は、第2の内部電極層12が積層体14の幅方向の両側面との間の少なくとも一部に間隙120があるように設けられた形状、言い換えると第2の内部電極層12の少なくとも一部が積層体14の幅方向の両側面のいずれかの部位に達するように設けられた形状であってもよいが、図示したように、間隙120が第2の内部電極層12と幅方向の両側面との間の全域にわたって設けられているのがよい。これにより、積層体14の側面を経てマイグレーションや短絡が生じるのを抑制することができる。
さらに、第2の内部電極層12と積層体14の幅方向の両側面との間の間隙120の全域を見たときに第2の内部電極層12と積層体14の側面との間隔dが異なる部分を有している。ここで、第2の内部電極層12と積層体14の幅方向の両側面との間の間隙120の全域とは、第2の内部電極層12と積層体14の一方の側面との間の間隙および第2の内部電極層12と積層体14の他方の側面との間の間隙の両方の領域のことを意味する。
第2の内部電極層12と積層体14の側面との間隔dが異なる部分を有している例として、第2の内部電極層12が、長さ方向に対して傾いた斜めパターンとされている形態が挙げられる。図1では、全ての第2の内部電極層12が、一方側面寄りの位置で第2の側面電極162と電気的に接続され、ここから遠ざかるにしたがって他方側面に近づくように長さ方向に対して傾いた斜めパターンとされた構成になっている。また、図2では、一方側面寄りの位置で第2の側面電極162と電気的に接続され、ここから遠ざかるにしたがって他方側面に近づくように長さ方向に対して傾いた斜めパターンとされた第2の内部電極層12と、他方側面寄りの位置で第2の側面電極162と電気的に接続され、ここから遠ざかるにしたがって一方側面に近づくように長さ方向に対して傾いた斜めパターンとされた第2の内部電極層12とを含む構成になっている。
なお、間隙120の全域を見たときに第2の内部電極層12と積層体14の側面との間隔dが異なる部分を有しているとは、第2の内部電極層12と積層体14の側面との間隔dの全域を見渡したときに均一でない(不均一である)ことを意味している。具体的には、複数の第2の内部電極層12のうちの任意の一層において、積層体14の幅方向の一方側面側の間隙120aと、他方側面側の間隙120bとを比較して、それぞれの任意の一箇所の同士の間隔を比較した場合に異なる場合や、それぞれの間隙120a,120bにおいて、間隔が異なる部位を有している場合のいずれをも含む意味である。特に、それぞれの間隙120a,120bにおいて異なる部分を有している場合は、その間隔が徐々に広がるなど連続的に変化していてもよく、その間隔が段差状に広がるなど不連続的に変化していてもよい。間隔dについては、狭い部位では例えば50〜250μm、広い部位と狭い部位との差が例えば100〜500μmに設定される。
また、例えば第2の内部電極層12が他の領域よりも幅が狭くなっている導出領域を介して積層体14の側面(端面)に導出されている場合は、この導出領域の含まれない領域(導出領域以外の領域)を第2の内部電極層12として、第2の内部電極層12と積層体14の側面との間隔dが異なる部分を有しているかどうかを判別する。
このような構成とすることで、積層方向から見た圧電活性領域の位置に差を設けられ、形状固有の振動に加えスプリアス振動が発生する。この効果により、固有振動のダンピングや分割が起こり、特定の周波数における圧電共振の強い発現を抑制することができる。したがって、音響発生器の振動源として用いた場合には、周波数−音圧特性においてピークやディップが平坦化されるため、圧電素子1の他方主面に振動板を接合して音響発生器とした場合の音質を向上できる。
ここで、圧電素子1は、積層方向から見て第2の内部電極層12と一方側面との間の間隙120aの形状が第2の内部電極層12と他方側面との間の間隙120bの形状と異なっているのが好ましい。積層方向から見て第2の内部電極層12と一方側面との間の間隙120aの形状が第2の内部電極層12と他方側面との間の間隙120bの形状と同じであるとは、これらの形状が全く同じのみならず、反転させた場合に同じかまたは長手方向の中心軸に対して線対称な形状であることも含む意味である。したがって、これらの形状が異なっているとは、反転させても同じにならず、長手方向の中心軸に対して線対称な形状にも該当しない場合を意味する。
積層方向から見て第2の内部電極層12と一方側面との間の間隙120aの形状が第2の内部電極層12と他方側面との間の間隙120bの形状と異なっている構成となる第2の内部電極層12の形状としては、図3に示すように、第2の内部電極層12を平面視したときの形状が湾曲した形状(図3(a))、波打っている形状(図3(b))、屈曲した形状(図3(c))、長方形で幅方向の一方と他方とで間隔dが異なるようにずれている形状((図3(d))なども採用できる。ちなみに、図3(a)〜(c)は、間隙120a,120b同士で間隔dの異なる部分を有していて、かつそれぞれの間隙120a,120b自体も間隔dの異なる部分を有している例であり、図3(d)は間隙120a,120b同士のみが間隔dの異なる部分を有している例である。この間隔dについては、具体的には、狭い部位では例えば50〜250μm、広い部位と狭い部位との差が例えば100〜500μmに設定される。
なお、第2の内部電極層12と一方側面との間の間隙120aの形状が第2の内部電極層12と他方側面との間の間隙120bの形状とは異なっている層が、すべての層にわたっていてもよい。ここで、第2の内部電極層12と一方側面との間の間隙120aの形状がすべての層において同じ形状で、第2の内部電極層12と他方側面とのの間の間隙120bの形状がすべての層において同じ形状であってもかまわない。また、各層を見たときに、交互に形状が変化してもよい。さらに、任意の圧電体層13を境にして、形状が変化してもよい。
このような構成とすることで、幅方向の共振を分割でき、形状固有の振動に加えスプリアス振動が発生する。この効果により、固有振動のダンピングや分割が起こり、特定の周波数における圧電共振の強い発現をより抑制することができる。したがって、音響発生器の振動源として用いた場合には、周波数−音圧特性において高周波数側または低周波数側のピークやディップをより平坦化できるため、圧電素子1の他方主面に振動板を接合して音響発生器とした場合に、更に高周波数側の音質を向上できる。
ここで、図1に示す圧電素子1はユニモルフ構造の圧電素子であるが、図4(a)に示すように、互いに伸縮状態の異なる一方主面側の領域141および他方主面側の領域142を有するバイモルフ構造であってもよい。なお、バイモルフ構造とは、図4(b)に示すように、一方主面側の領域141と他方主面側の領域142とで、駆動時の電界の向きと分極の向き(図5(b)に示すPの向き)との関係(同じ向きか異なる向きか)が互いに逆になって、駆動時の互いの伸縮の状態が逆になるような構造のことを意味している。
このような構成とすることで、圧電素子1自体が屈曲振動するため、後述する振動板との接合面での機械的損失を低減でき、振動板の変位量を増加できるため、圧電素子1の他方主面に振動板を接合して音響発生器とした場合に、更に音圧を向上できる。
ここで、図5に示すように圧電素子1がバイモルフ構造の場合において、一方主面側における第2の内部電極層12と一方側面との間隔d11と、他方主面側における第2の内部電極層12と一方側面との間隔d12とが異なっているとともに、一方主面側における第2の内部電極層12と他方側面との間隔d21と、他方主面側における第2の内部電極層12と他方側面との間隔d22とが異なっていてもよい。なお、図5においては、最上層または最下層の第2の内部電極層12についてのみ、間隔d11、d21および間隔d12、d22を示している。
特に、図5(a)および図5(b)に示すように、一方主面側において、第2の内部電極層12と一方側面との間隔d11が第2の内部電極層12と他方側面との間隔d21よりも大きくなっており、他方主面側において、第2の内部電極層12と一方側面との間隔d12が第2の内部電極層12と他方側面との間隔d22よりも小さくなっていてもよい。また、図5(c)および図5(d)に示すように、その大小が逆の構成であってもよい。なお、第2の内部電極層12および一方側面との間隔と、第2の内部電極層12および他方側面との間隔との差は、例えば50〜500μmに設定される。
さらに、図6に示すように、圧電素子1がバイモルフ構造の場合、一方主面側に位置する第2の内部電極層121の面積と他方主面側に位置する第2の内部電極層122の面積とが異なっていてもよい。
圧電素子1における一方主面側の領域と他方主面側の領域とで圧電活性領域の差が生じることで、スプリアス振動が更に発生する。この効果により、固有振動のダンピングや分割が促進され、特定の周波数における圧電共振の強い発現をさらに抑制することができる。したがって、音響発生器の振動源として用いた場合には、周波数−音圧特性において高周波数側と低周波数側のピークやディップを更に平坦化できるため、圧電素子1の他方主面に振動板を接合して音響発生器とした場合に、更に音質を向上できる。
次に、本実施形態の圧電素子の製造方法について説明する。
まず、圧電体層13となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、ドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーを用いてセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)等を用いることができる。
次に、内部電極層(第1の内部電極層11および第2の内部電極層12)となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウムの金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法を用いて所望の内部電極層のパターンで塗布する。
このとき、第2の内部電極層12となる導電性ペーストのスクリーン印刷法による塗布パターンの位置を変更し塗布することで、第2の内部電極層12と側面との間隔が異なる部分を有する構成とすることができる。
そして、この導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、900℃〜1200℃の温度で焼成し、平面研削盤等を用いて所定の形状になるよう研削処理を施すことによって、交互に積層された内部電極層(第1の内部電極層11および第2の内部電極層12)および圧電体層13を備えた積層体14を作製する。
なお、第2の内部電極層12の対向領域と側面との間隔が異なる部分を有する構成(不均一)とするために、セラミックグリーンシートを積層する場合に、セラミックグリーンシートの位置を変更して積層してもかまわない。
積層体14は、上記の製造方法によって作製されるものに限定されるものではなく、内部電極層と圧電体層13とを複数積層してなる積層体14を作製できれば、どのような製造方法によって作製されてもよい。
その後、銀を主成分とする導電粒子とガラスとを混合したものに、バインダー,可塑剤および溶剤を加えて作製した銀ガラス含有導電性ペーストを、積層体14の主面および側面にスクリーン印刷法等によって印刷して乾燥させた後、600℃〜800℃の温度で焼き付け処理を行ない、表面電極15(第1の表面電極151および第2の表面電極152)および側面電極(第1の側面電極161および第2の側面電極162)を形成する。
なお、表面電極と内部電極とを電気的に接続するためには、上記のように積層体14の側面に形成された側面電極(第1の側面電極161および第2の側面電極162)にかえて、圧電体層13を貫通するように形成された貫通導体を用いてもよい。
その後、積層体14を分極処理して圧電活性を付与する。分極処理には直流電源装置を用いて、例えば図1および図2に示すようにユニモルフ構造の圧電素子の場合は、第1の表面電極を負極に、第2の表面電極を正極にそれぞれ接続し、例えば2kV/mm〜3kV/mmの電位差を、15℃〜35℃の雰囲気温度にて、印加時間として数秒印加すればよい。圧電材料の性質により、電圧、雰囲気温度、印加時間は好適に選定される。
一方、図4に示すようにバイモルフ構造の圧電素子の場合も同様に直流電源装置を用いて、例えば、第1の表面電極をグランド極に、第2の表面電極を正極に、第3の表面電極を負極にそれぞれ接続して、分極処理すればよい。
上述のようにして所望の圧電素子を得ることができるが、給電部材(配線部材)が必要な場合は以下の方法で、圧電素子に給電部材(配線部材)を接続すればよい。例えば導電性接着剤を用いて、フレキシブル配線基板を圧電素子に接続固定(接合)する場合、圧電素子の所定の位置に導電性接着剤用ペーストをスクリーン印刷等の手法を用いて塗布形成する。その後、フレキシブル配線基板を当接させた状態で導電性接着剤用ペーストを硬化させることにより、フレキシブル配線基板を圧電素子に接続固定する。なお、導電性接着剤用ペーストは、フレキシブル配線基板側に塗布形成しておいてもよい。
なお、給電部材(配線部材)としては絶縁被覆したリード線を用い、接合材としてはんだを用いてもよく、同様の機能を有する部材を好適に選択できる。
次に、本実施形態の音響発生器の一例について説明する。
本実施形態の音響発生器10は、図7に示すように、上述の圧電素子1と、圧電素子1が取り付けられており、圧電素子1の振動によって振動する振動板2とを備えている。さらに、図に示す音響発生器10は、振動板2の外周部の少なくとも一部に設けられ、振動板2を支持する支持体としての枠体3とを備えている。
圧電素子1は、電圧の印加を受けて振動することによって振動板2を励振する励振器である。圧電素子1の主面と振動板の主面とがエポキシ系樹脂等の接着剤により接合され、圧電素子1が屈曲振動することにより、圧電素子1が振動板2に一定の振動を与えて音を発生させることができる。
振動板2は、その周縁部が枠体3に固定されていて、圧電素子1の振動によって圧電素子1とともに振動するようになっている。この振動板2は樹脂や金属等の種々の材料を用いて形成することができ、例えば厚さ10〜200μmのポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン等の樹脂フィルムで構成することができる。また、振動板2の形状は特に制限はなく、長方形板状などの多角形板状のもの以外に、円形板状や楕円形板状のものであってもよい。なお、樹脂フィルムで振動板2を構成する場合は、振動板2に張力がかかっている状態でその周縁部が枠体3に固定されていることが好ましい。振動板2を樹脂フィルムにより構成することで、振動板2を大きな振幅で屈曲振動させ、音圧の周波数特性における共振ピークの幅を広く、高さを低くして共振ピークとディップとの差を低減することができる。ただし、振動板2としては樹脂フィルムに限定されず、樹脂板、金属板、ガラス板などでもよく、例えば携帯端末等の電子機器の筐体の一部またはディスプレイの一部が振動板2として機能していてもよい。
枠体3は、振動板2の主面の外周部を支持する支持体として機能する。枠体3で振動板2の外周部を支持することによって振動空間を設けることで、振動板2の振幅が大きくなり、音圧を向上させることができる。枠体3としては、例えばステンレスなどの金属、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂など種々の材料を用いて形成することができる。
枠体3は振動板2の一方主面または他方主面へ接合材を介して接合される。接合材は、樹脂系接着剤や、粘弾性体をシート状に成型したものや、基材層と粘弾性体からなる層とを積層した構成のものなどを用いることができ、これらの材料としてアクリル系、エポキシ系等の接着剤やゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系等の粘着剤が用いられる。また、基材層としては、アセテートフォーム、アクリルフォーム、セロハン、ポリエチレンフォーム、紙、不織布が用いられる。
音響発生器10としては、枠体3を備えない構成とすることもできるが、図8に示す例のように、振動板2の圧電素子1が接合された主面に枠体3を接合すると、特に枠体3と接合材とを合わせた厚みが圧電素子1の厚みより大きい場合には、枠体3により圧電素子1を保護することができる。また、振動板2が支持され、電子機器の筐体等への固定も容易になる。
この枠体3は、図7(b)に示すように一つの枠部材(上枠部材31)からなるものでもよく、図7(c)に示すように二つの枠部材(上枠部材31および下枠部材32)からなるものでもよい。この場合、二つの枠部材で振動板を挟むことで、振動板2の張りを安定させることができる。なお、上枠部材31および下枠部材32は、それぞれの厚みが例えば100〜5000μmとされる。
本実施形態の音響発生器においては、図7(b)および図7(c)に示すように、圧電素子1から振動板2の表面の少なくとも一部(例えば圧電素子1の周辺部)までを覆うように設けられた樹脂層4をさらに有していてもよい。樹脂層4としては、例えばヤング率が例えば1MPa〜1GPaの範囲となるように形成され、例えばアクリル系樹脂を用いることができる。かかる樹脂層4に圧電を埋設することで適度なダンパー効果を誘発させることができるので、共振現象を抑制して、音圧の周波数特性におけるピークやディップを小さく抑えることができる。なお、図7(b)および図7(c)に示すように、樹脂層4は上枠部材31と同じ高さとなるように形成されていてもよい。
本実施形態の音響発生器は、周波数−音圧特性においてピークやディップが平坦化できる圧電素子を用いて構成されていることから、高音質を有するものとなる。このような音響発生器は、例えば、電子機器の筺体等に設けられた支持部へ振動板2を機械的に固定または、接合材を介して固定された状態、あるいは、小さい筐体を備えた音響発生装置を電子機器の筐体内に組み込んだ状態で、電子機器の音響発生源として用いることができる。
次に、本実施形態の音響発生装置の一例について説明する。
音響発生装置100はいわゆるスピーカのような発音装置であり、図8に示すように、本例の音響発生装置100は、音響発生器10と、音響発生器10を収容する筐体20を備える。なお、筐体20の一部が音響発生器10を構成する振動板2になっていてもよく、筐体20が音響発生器10を収容するとは、音響発生器10の一部(圧電素子1)を収容している状態も含むことを意味している。
筐体20は、音響発生器10の発する音響を内部で共鳴させるとともに、筐体20に形成された図示せぬ開口から音響を外部へ放射する。この筐体20は、例えば、アルミニウムやマグネシウム合金などの金属、ポリカーボネートなどの樹脂、木材など、種々の材料を用いて形成することができる。このような筐体20を有することにより、たとえば低周波数帯域における音圧を高めることができる。
かかる音響発生装置100は、スピーカとして単独で用いることができる他、後述するように、携帯端末や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などへ好適に組み込むことが可能である。また、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、洗濯機などのように、従来、音質については重視されなかった家電製品に組み込むこともできる。
上述した本実施形態の音響発生装置は、周波数−音圧特性においてピークやディップが平坦化できる圧電素子を備えた音響発生器を用いて構成されていることから、高音質を有するものとなる。
次に、本実施形態の電子機器の一例について説明する。
図9に示すように、本実施形態の電子機器50は、音響発生器10と、音響発生器10に接続された電子回路60と、電子回路60および音響発生器10を収容する筐体70とを備え、音響発生器10から音響を発生させる機能を有する。なお、電子機器50としては、音響発生器10を筐体70にそのまま収容するもののみならず、音響発生器10を収容した音響発生装置100(音響発生器1と筐体5とからなるもの)を筐体70に収容するものも含むことを意味している。また、筐体70の一部が音響発生器10を構成する振動板2となっていてもよい。
電子機器50は、電子回路60を備える。電子回路60としては、ディスプレイに表示させる画像情報や携帯端末によって伝達する音声情報を処理する回路、通信回路等が例示できる。これらの回路の少なくとも1つであってもよいし、全ての回路が含まれていても構わない。また、他の機能を有する回路であってもよい。さらに、複数の電子回路を有していても構わない。図に示す電子回路60は、コントローラ60aと、送受信部60bと、キー入力部60cと、マイク入力部60dとから構成される。電子回路60は、音響発生器10に接続されており、音響発生器10へ音声信号を出力する機能を有している。音響発生器10は電子回路60から入力された音声信号に基づいて音響を発生させる。
また、電子機器50は、表示部50aと、アンテナ50bと、音響発生器10とを備え、これら各デバイスを収容する筐体70を備える。なお、図9では、1つの筐体にコントローラ60aをはじめとする各デバイスがすべて収容されている状態をあらわしているが、各デバイスの収容形態を限定するものではない。本実施形態では、少なくとも電子回路60と音響発生器10とが、1つの筐体70に収容されていればよい。
コントローラ60aは、電子機器50の制御部である。送受信部60bは、コントローラ60aの制御に基づき、アンテナ50bを介してデータの送受信などを行う。キー入力部60cは、電子機器50の入力デバイスであり、操作者によるキー入力操作を受け付ける。キー入力部60cは、ボタン状のキーであってもよいし、表示部50と一体となっているタッチパネルであってもよい。マイク入力部60dは、同じく電子機器50の入力デバイスであり、操作者による音声入力操作などを受け付ける。表示部50aは、電子機器50の表示出力デバイスであり、コントローラ60aの制御に基づき、表示情報の出力を行う。
そして、音響発生器10は、電子機器60における音響出力デバイスとして動作する。なお、音響発生器10は、電子回路60のコントローラ60aに接続されており、コントローラ60aによって制御された電圧の印加を受けて音響を発することとなる。
なお、図9では、電子機器が携帯用端末装置であるものとして説明を行ったが、電子機器の種別を問うものではなく、音響を発する機能を有する様々な民生機器に適用されてよい。たとえば、薄型テレビやカーオーディオ機器は無論のこと、音響を発する機能を有する製品、例を挙げれば、掃除機や洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどといった種々の製品に用いられてよい。
上述した本実施形態の電子機器は、周波数−音圧特性においてピークやディップが平坦化できる圧電素子を備えた音響発生器を用いて構成されていることから、高音質を有するものとなる。
次に、本実施形態の音響発生器の具体例について説明する。
圧電素子は、長さが23.5mm、幅が3.3mm、厚みが0.9mmの長尺板状とした。また、圧電素子は、厚みが30μmの圧電体層と内部電極とが交互に積層された構造とし、圧電体層の総数は28層とした。圧電体層は、Zrの一部をNb等で置換したチタン酸ジルコン酸鉛で形成し、内部電極は、銀パラジウムを用いた。
まず、銀パラジウムからなる導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷し、第1の内部電極層用のセラミックグリーンシートと、印刷位置を所定量変更した第2の内部電極層用セラミックグリーンシートを準備した。これらのセラミックグリーンシートを積層した後、加圧密着させ所定の寸法にカットし成形体を作製した。ここで、作製したものは、第2の内部電極層のパターンとして図1に示すパターンのものである。
その後、所定の温度で脱脂を行った後、1000℃で焼成して積層焼結体を得た。
この積層焼結体の表面と側面に、銀からなる導電性ペーストを印刷し乾燥した後、700℃で焼成して表面電極と側面電極を形成した。次に、表面電極を介して各々の内部電極間に、室温にて2kV/mmの電位差の電圧を印加し、分極処理を施して圧電素子を作製した。
次に、アクリル系の嫌気性接着剤ペーストを用いて、圧電素子を長さ110mm、幅60mm、厚さ0.5mmのアクリル板(振動板)の長さ方向の一端部側へ接着した後、絶縁被覆を施したリード線をはんだで表面電極へ接合し、音響発生器を作成した。
上記のようにして作製した実施例となる音響発生器の振動板の両主面外周を、ポリブチレンテレフタレートで作製した音圧測定用の枠体治具で固定し、印加電圧30Vp−p、測定距離3cmの条件で周波数−音圧特性を測定した。その結果を図10(a)に示す。
一方、比較例として以下の方法で作製した音響発生器を準備した。
印刷位置一定にした第2の内部電極層用セラミックグリーンシートを準備し、その他の製造方法は上記実施例と同一として圧電素子を作製した。
この圧電素子を用い、上記実施例と同一の方法で音響発生器を作製し、上記実施例と同様に音響発生器の振動板の両主面外周を、ポリブチレンテレフタレートで作製した音圧測定用の枠体治具で固定し、印加電圧30Vp−p、測定距離3cmの条件で周波数−音圧特性を測定した。その結果を図10(b)に示す。
図10(a)と図10(b)との比較において、特に周波数が400Hz〜2kHzおよび、周波数が10kHz〜20kHzでの音圧のピークやディップを比較すると、実施例である図10(a)の方が比較例である図10(b)に対して、明らかに小さくなっていることがわかる。
以上のことから、圧電素子において、積層方向から見て、第1の内部電極層を幅方向の両側面まで達するように設け、第2の内部電極層を幅方向の両側面との間に間隙があるように設け、間隙の全域をみたときに第2の内部電極層と側面との間隔が不均一とすることで、特定の周波数で音圧が急激に変化することが抑制され、音圧特性が平坦化して音質を改善できることが確認できた。
1 圧電素子
11 第1の内部電極層
12 第2の内部電極層
120 間隙
13 圧電体層
14 積層体
141 一方主面側の領域
142 他方主面側の領域
15 表面電極
151 第1の表面電極
152 第2の表面電極
161 第1の側面電極
162 第2の側面電極
10 音響発生器
2 振動板
3 枠体
31 上枠部材
32 下枠部材
4 樹脂層
100 音響発生装置
50 電子機器
60 電子回路
20、70 筺体

Claims (12)

  1. 第1の内部電極層および第2の内部電極層が圧電体層を介して互いに対向するように交互に積層された長さ方向と幅方向とを有する長方形板状の圧電素子であって、積層方向から見て前記第2の内部電極層が幅方向の両側面との間の少なくとも一部に間隙があるように設けられており、該間隙の全域を見たときに前記第2の内部電極層と側面との間隔が異なる部分を有していることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記第1の内部電極層が幅方向の両側面まで達するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記間隙が前記第2の内部電極層と幅方向の両側面との間の全域にわたって設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電素子。
  4. 前記第2の内部電極層が、前記長さ方向に対して傾いた斜めパターンであることを特徴とする請求項3に記載の圧電素子。
  5. 前記第2の内部電極層と一方側面との間の前記間隙の形状が前記第2の内部電極層と他方側面との間の前記間隙の形状と異なっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の圧電素子。
  6. 前記圧電素子は、互いに伸縮状態の異なる一方主面側の領域および他方主面側の領域を有するバイモルフ構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の圧電素子。
  7. 前記一方主面側の領域における前記第2の内部電極層と一方側面との前記間隔と、前記他方主面側の領域における前記第2の内部電極層と一方側面との前記間隔とが異なっているとともに、前記一方主面側の領域における前記第2の内部電極層と他方側面との前記間隔と、前記他方主面側における前記第2の内部電極層と他方側面との前記間隔とが異なっていることを特徴とする請求項6に記載の圧電素子。
  8. 前記一方主面側の領域において、前記第2の内部電極層と一方側面との前記間隔が前記第2の内部電極層と他方側面との前記間隔よりも大きくなっており、前記他方主面側の領域において、前記第2の内部電極層と一方側面との前記間隔が前記第2の内部電極層と他方側面との前記間隔よりも小さくなっていることを特徴とする請求項7に記載の圧電素子。
  9. 前記一方主面側の領域に位置する第2の内部電極層の面積と前記他方主面側の領域に位置する第2の内部電極層の面積とが異なっていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のうちのいずれかに記載の圧電素子。
  10. 請求項1乃至請求項9のうちのいずれかに記載の圧電素子と、該圧電素子が取り付けられており、該圧電素子の振動によって振動する振動板とを備えていることを特徴とする音響発生器。
  11. 請求項10に記載の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えていることを特徴とする音響発生装置。
  12. 請求項10に記載の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備えていることを特徴とする電子機器。
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