JP2015207740A - 圧電アクチュエータ、圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置および電子機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ、圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電素子の振動によるノイズの低減された圧電アクチュエータ、圧電振動装置、携帯端末、音響発生器および電子機器を提供する。【解決手段】 本発明の圧電アクチュエータ1は、内部電極と圧電体層とが積層された積層体11と、積層体11の一方主面に内部電極と電気的に接続された表面電極12を備えた圧電素子10と、ベースフィルム21の下面に設けられた配線導体22、および圧電素子10の近傍を除いて配線導体22を覆うように設けられたカバーフィルム23を備え、導電性接合材4を介して圧電素子10に接合され、配線導体22が表面電極12と電気的に接続されたフレキシブル基板2と、フレキシブル基板2上の少なくとも圧電素子10と重なる領域に設けられた緩衝材3とを有しており、緩衝材3の先端がベースフィルム21の上方から見てカバーフィルム23と重なる位置まで延びて設けられている。【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電振動装置、携帯端末に好適な圧電アクチュエータ、圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置および電子機器に関するものである。
圧電アクチュエータとして、内部電極と圧電体層とが複数積層された積層体の表面に表面電極を形成してなるバイモルフ型の圧電素子を用いたものや(特許文献1を参照)、圧電素子とフレキシブル基板とを導電性接合材で接合して、圧電素子の表面電極とフレキシブル基板の配線導体とを電気的に接続させたものが知られている(特許文献2を参照)。
特開2002−10393号公報 特開平6−14396号公報
フレキシブル基板は、一般にポリイミドなどのベースフィルムに配線導体が設けられたものである。このように、ベースフィルムに用いられるポリイミドなどの樹脂は弾性体であることから、圧電素子の振動がフレキシブル基板を伝わりやすい。したがって、フレキシブル基板と圧電素子との接合部とは反対側のフレキシブル基板と外部回路との接合部(コネクタ接合部)まで圧電素子の振動が伝わって、ノイズとして検出されるという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、圧電素子の振動によるノイズを低減させた圧電アクチュエータ、圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、音響発生装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、内部電極と圧電体層とが積層された積層体、および該積層体の一方主面に前記内部電極と電気的に接続された表面電極を備えた圧電素子と、ベースフィルム、該ベースフィルムの下面に設けられた配線導体、および前記圧電素子の近傍を除いて前記配線導体を覆うように設けられたカバーフィルムを備え、導電性接合材を介して前記圧電素子に接合され、前記配線導体が前記表面電極と電気的に接続されたフレキシブル基板と、該フレキシブル基板上の少なくとも前記圧電素子と重なる領域に設けられた緩衝材とを有しており、該緩衝材の先端が前記ベースフィルムの上方から見て前記カバーフィルムと重なる位置まで延びて設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータである。
また本発明は、上記の構成において、前記緩衝材と前記カバーフィルムとが重なる領域において、前記緩衝材の幅と前記カバーフィルムの幅とが同じであることを特徴とする圧電アクチュエータである。
また本発明は、上記の構成において、前記緩衝材と前記カバーフィルムとが重なる領域において、前記緩衝材はくびれ部を有していることを特徴とする圧電アクチュエータである。
また本発明は、上記の構成において、前記導電性接合材は、前記フレキシブル基板が延出されている方向に延在している部分を有しており、前記ベースフィルムの上方から見て前記フレキシブル基板と重なる前記圧電素子の角部から延出していることを特徴とする圧電アクチュエータである。
また本発明は、上記の圧電アクチュエータと、前記積層体の前記他方主面に接合された振動板とを有することを特徴とする圧電振動装置である。
また本発明は、上記の圧電アクチュエータと、電子回路と、ディスプレイと、筐体とを有しており、前記積層体の他方主面が前記ディスプレイまたは前記筐体に接合されていることを特徴とする携帯端末である。
また本発明は、前記ディスプレイまたは前記筐体は、耳の軟骨または気導を通して音情報を伝える振動を生じさせることを特徴とする携帯端末である。
また本発明は、上記の圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータが取り付けられており、該圧電アクチュエータの振動によって該圧電アクチュエータとともに振動する振動板と、該振動板の外周部に設けられた枠体とを備えていることを特徴とする音響発生器である。
また本発明は、上記の音響発生器と、該音響発生器を収容する筐体とを備えていることを特徴とする音響発生装置である。
また本発明は、上記の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備え、前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器である。
本発明によれば、フレキシブル基板上の少なくとも圧電素子と重なる領域に設けられた緩衝材の先端が、カバーフィルムと重なる位置まで延びていることで、圧電素子の振動が減衰されて伝わりにくくなり、ノイズが低減される。また、フレキシブル基板がねじれにくくなるのでノイズが低減される。
(a)は本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の一例を示す概略斜視図であり、(b)は(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。 本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の他の例を示す概略斜視図である。 本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧電振動装置の実施の形態を模式的に示す概略斜視図である。 本発明の携帯端末の実施の形態を模式的に示す概略斜視図である。 図5に示すA−A線で切断した概略断面図である。 図5に示すB−B線で切断した概略断面図である。 (a)は、本発明の音響発生器の実施の形態の概略構成を示す模式的な平面図であり、(b)は(a)のA−A線で切断した一例の概略断面図、(c)は、(a)のA−A線で切断した他の例の概略断面図である。 本発明の音響発生装置の実施形態に係る構成を示す図である。 本発明の電子機器の実施形態に係る構成を示す図である。
本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の一例を示す概略斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示すA−A線で切断した概略断面図である。
図1に示す本実施形態の圧電アクチュエータ1は、内部電極および圧電体層が積層された積層体11、および積層体11の一方主面に内部電極と電気的に接続された表面電極12を備えた圧電素子10と、ベースフィルム21、ベースフィルム21の下面に設けられた配線導体22、および圧電素子10の近傍を除いて配線導体22を覆うように設けられたカバーフィルム23を備え、導電性接合材4を介して圧電素子10に接合され、前記配線導体22が表面電極12と電気的に接続されたフレキシブル基板2と、フレキシブル基板2上の少なくとも圧電素子10と重なる領域に設けられた緩衝材3とを有しており、緩衝材3の先端がベースフィルム21の上方から見てカバーフィルム23と重なる位置まで延びて設けられている。
本例の圧電アクチュエータ1は圧電素子10を有している。そして、圧電素子10を構成する積層体11は、内部電極および圧電体層が積層されて板状に形成されてなるものである。複数の内部電極が積層方向に重なる活性部とそれ以外の不活性部とを有し、例えば長尺状に形成されている。携帯端末のディスプレイまたは筐体に取り付ける圧電アクチュエータの場合には、積層体11の長さとしては、例えば18mm〜28mmが好ましく、22mm〜25mmが更に好ましい。積層体11の幅は、例えば1mm〜6mmが好ましく、3mm〜4mmが更に好ましい。積層体11の厚みは、例えば0.2mm〜1.0mmが好ましく、0.4mm〜0.8mmが更に好ましい。
積層体11を構成する内部電極は、圧電体層を形成するセラミックスと同時焼成により形成されたもので、第1の内部電極および第2の内部電極からなる。圧電体層と交互に積層されて圧電体層を上下から挟んでおり、積層順に第1の内部電極および第2の内部電極が配置されることにより、それらの間に挟まれた圧電体層に駆動電圧を印加するものである。この形成材料として、例えば圧電セラミックスとの反応性が低い銀や銀−パラジウム合金を主成分とする導体、あるいは銅、白金などを含む導体を用いることができるが、これらにセラミック成分やガラス成分を含有させてもよい。
図示しないが、第1の内部電極および第2の内部電極の端部がそれぞれ積層体11の対向する一対の側面に互い違いに導出されている。携帯端末のディスプレイまたは筐体に取り付ける圧電アクチュエータの場合には、内部電極の長さは、例えば17mm〜25mmが好ましく、21mm〜24mmが更に好ましい。内部電極の幅は、例えば1mm〜5mmが好ましく、2mm〜4mmが更に好ましい。内部電極の厚みは、例えば0.1〜5μmが好ましい。
積層体11を構成する圧電体層は、圧電特性を有するセラミックスで形成されたもので、このようなセラミックスとして、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などを用いることができる。圧電体層の1層の厚みは、低電圧で駆動させるために、例えば0.01〜0.1mmに設定することが好ましい。また、大きな屈曲振動を得るために、200pm/V以上の圧電d31定数を有することが好ましい。
積層体11の一方主面には、内部電極と電気的に接続された表面電極12が設けられて
いる。図示しないが、表面電極12は、例えば大きな面積の第1の表面電極、小さな面積の第2の表面電極および第3の表面電極で構成されている。そして、第1の表面電極は第1の内部電極と電気的に接続され、第2の表面電極は一方主面側に配置された第2の内部電極と電気的に接続され、第3の表面電極は他方主面側に配置された第2の内部電極と電気的に接続されている。携帯端末のディスプレイまたは筐体に取り付ける圧電アクチュエータの場合には、第1の表面電極の長さは、例えば17mm〜23mmが好ましく、19mm〜21mmが更に好ましい。第1の表面電極の幅は、例えば1mm〜5mmが好ましく、2mm〜4mmが更に好ましい。第2の表面電極および第3の表面電極の長さは、例えば1mm〜3mmとするのが好ましい。第2の表面電極および第3の表面電極の幅は、例えば0.5mm〜1.5mmとするのが好ましい。
また、本例の圧電アクチュエータ1はフレキシブル基板2を有しており、このフレキシブル基板2は圧電素子10の表面電極12と電気的に接続されている。
フレキシブル基板2は、例えば樹脂製のベースフィルム21の表面に、配線導体22が設けられたフレキシブル・プリント配線基板である。具体的にはポリイミド、フォトソルダーレジストの絶縁体などからなるベースフィルム21、ベースフィルム21の下面に設けられた銅、金等の導電体などからなる配線導体22、および圧電素子10の近傍を除いて配線導体22を覆うように設けられたポリイミド、フォトソルダーレジストの絶縁体などからなるカバーフィルム23を備えている。そして、フレキシブル基板2は導電性接合材4を介して圧電素子10に接合され、配線導体22が導電性接合材4を介して表面電極12と電気的に接続されている。このフレキシブル基板2は、一方の端部で圧電素子10と接合され、他方の端部(例えばコネクタ接合部)で例えばコネクタと接合されている。
導電性接合材4は、導電性接着剤やはんだ等が用いられるが、好ましくは導電性接着剤であるのがよい。例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、あるいは合成ゴムなどの樹脂中に金、銅、ニッケル、または金メッキした樹脂ボールなどからなる導体粒子を分散させてなる導電性接着剤を用いることで、はんだに比べて振動によって生じる応力を低減することができるためである。より好ましくは、導電性接着剤の中でも異方性導電材であるのがよい。異方性導電材は、電気的接合を担う導電粒子41と接着を担う樹脂接着剤42からなる。具体的には、一つの導電粒子41が表面電極12と配線導体22とに接しているのがよく、表面電極12と配線導体22との間にあるそれぞれの導電粒子が表面電極12と配線導体22とに接しているのがよい。この異方性導電材は、厚み方向には導通が取れ、面内方向には絶縁が取れるため、狭ピッチの配線においても異極の表面電極間で電気的にショートすることがなく、フレキシブル基板2との接続部をコンパクトにすることができる。
そして、フレキシブル基板2上の少なくとも圧電素子10と重なる領域に緩衝材3が設けられており、緩衝材3の先端がベースフィルム21の上方から見てカバーフィルム23と重なる位置まで延びている。言い換えると、緩衝材3が、圧電素子10と重なる領域(第1の領域201)と圧電素子10と重ならない領域(第2の領域202)との境界をまたがっており、緩衝材3の先端はカバーフィルム23と重なる位置まで設けられている。
この緩衝材3は、例えばガラスエポキシ(FR−4)、コンポジット(CEM−3)、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエステルなどの樹脂、ステンレス、アルミニウムおよびそれらの合金などの金属で、例えば厚み50〜200μmとされたものである。
フレキシブル基板2上の少なくとも圧電素子10と重なる領域に緩衝材3が設けられており、緩衝材3の先端がベースフィルム21の上方から見てカバーフィルム23と重なる位置まで延びて設けられていることにより、圧電素子10から伝わってきた振動を緩衝材
3が吸収し、圧電素子10の振動が減衰されてフレキシブル基板2と外部回路とを接続する端部(コネクタ接合部)に伝わりにくくなるから、ノイズが低減される。
また、圧電素子10から伝わってきた振動によりねじれが発生しやすいが、緩衝材3とカバーフィルム23とが重なってこの部位の厚みが増していることにより、剛性が向上してねじれが生じにくくなる。したがって、ねじれによるノイズやフレキシブル基板2の剥がれが抑制される。
さらに、圧電アクチュエータ1を筐体に配置したり、外部回路と接続するコネクタ接合部に接合したりする際に、フレキシブル基板2は急な角度で折れ曲がることがあるが、配線導体22が露出した部位の全域にわたって緩衝材3が重なっているため、この部位が急な角度で折れ曲がることはなく、折れ曲がりによって断線したり圧電素子10の角部に露出した配線導体22が触れるなどして断線したりするのを抑制することができる。
なお、図では、フレキシブル基板2および緩衝材3がL字状の形状になっているが、このような形状に限られず、表面電極12の配線導体22との位置関係で適した形状であればよく、直線状であってもよい。
ここで、緩衝材3とカバーフィルム23とが重なる領域において、緩衝材3の幅W1とカバーフィルム23の幅W2とが同じであることが好ましい。ここで、緩衝材3の幅W1,カバーフィルム23の幅W2とは、図に示すようにフレキシブル基板2が圧電素子10から延出している方向に対して垂直な方向の距離のことを意味している。緩衝材3がカバーフィルム23と重なる領域において、緩衝材3とカバーフィルム23の幅が同じであることで、圧電素子10からフレキシブル基板2へ伝搬した振動をフレキシブル基板2の幅全体で緩衝材3が吸収するため、伝搬される振動の偏りによって発生するねじれを最小面積で抑えられる効果的な配置となり、ノイズをより抑制することができる。
また、図2に示すように、緩衝材3とカバーフィルム23とが重なる領域において、緩衝材3にくびれ部31を有することが好ましい。ここで、くびれ部31とは、緩衝材3において他の部位よりも幅の狭くなっている部位のことを意味している。
圧電素子10の振動により、フレキシブル基板2の幅方向の中心から離れた場所ほど大きくうねりやすいため、くびれ部31によって幅方向の距離を短くすることで、うねり(波状の揺れ)が小さく押さえられる。これに伴って、フレキシブル基板2のねじれもさらに抑制されるので、ノイズやフレキシブル基板2の剥がれ、断線をさらに抑制することができる。なお、くびれ部31においては、緩衝材3とカバーフィルム23とが重なっていて補強されたような領域になっているので、この部位での折れ曲がりによる断線は抑制されている。
くびれ部31を有する部位の緩衝材3の幅は、他の部位の幅に対し、例えば20〜90%の幅になっている。また、くびれ部31の形状としては、例えば半円状、矩形状、多角形状などに形成されていてよく、特に限定はない。また、図では、緩衝材3のくびれ部31に対応してフレキシブル基板2にもくびれ部がある形状になっているが、このように緩衝材3とカバーフィルム23とが重なる領域において緩衝材3およびフレキシブル基板2にくびれ部があるのが効果的である。また、図示しないが、緩衝材3の端部の角にくびれ部31を有する形状であってもよい。
また、図3に示すように、導電性接合材4はフレキシブル基板2が延出している方向に延在している部分を有しており、ベースフィルム21の上方から見てフレキシブル基板2と重なる圧電素子10の角部から延出しているのが好ましい。言い換えると、フレキシブル基板2と重なる圧電素子10の角部を覆うことが好ましい。導電性接合材4が角部を覆
うことでフレキシブル基板2の剥がれの起点となる隙間がなくなり、剥がれにくくなる。
次に、本実施の形態の圧電アクチュエータ1の製造方法について説明する。
まず、圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、ドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーを用いてセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)等を用いることができる。
次に、内部電極となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法を用いて内部電極のパターンで塗布する。さらに、この導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、900〜1200℃の温度で焼成し、平面研削盤等を用いて所定の形状になるよう研削処理を施すことによって、交互に積層された内部電極および圧電体層を備えた積層体11を作製する。
積層体11は、上記の製造方法によって作製されるものに限定されるものではなく、内部電極と圧電体層とを複数積層してなる積層体11を作製できれば、どのような製造方法によって作製されてもよい。
その後、銀を主成分とする導電粒子とガラスとを混合したものに、バインダー,可塑剤および溶剤を加えて作製した銀ガラス含有導電性ペーストを、表面電極12のパターンで積層体11の主面および側面にスクリーン印刷法等によって印刷して乾燥させた後、650〜750℃の温度で焼き付け処理を行ない、表面電極12を形成する。
なお、表面電極12と内部電極とを電気的に接続する場合、圧電体層を貫通するビアを形成して接続しても、積層体11の側面に側面電極を形成しても良く、どのような製造方法によって作製されてもよい。
次に、フレキシブル基板2および緩衝材3を作製する。まず、ベースフィルム21となるシート(ベースフィルム用多数個取りシート)の上に板状の導体を貼り、エッチングまたは機械加工等によりこの導体をパターンニングして配線導体22を形成し、さらに配線導体22の上からカバーフィルム23となるになるシート(カバーフィルム用多数個取りシート)を貼り付け、フレキシブル基板2が多数配列されたシート(フレキシブル基板用多数個取りシート)を用意する。また、あらかじめ所望の形状に加工された例えば厚み125μmのポリイミドシート(緩衝材用多数個取りシート)を、フレキシブル基板用多数個取りシートの配線導体22が設けられていない側の面の所定の位置に、熱硬化型接着剤を用いて貼り合せる。そして、フレキシブル基板2をシートからプレス金型等を用いて切り離す際(個片にする際)に、緩衝材3も最終形状に加工される。
場合によっては、あらかじめ最終形状に加工した緩衝材3を所定の位置に最初から貼り合せる必要がある。例えば、図1乃至図4の構成とするには、金型等で形状加工した緩衝材3をフレキシブル基板2の所定の位置に貼り合せるとよい。これに対し、例えば図5および図6の構成の場合には、フレキシブル基板2をフレキシブル基板用多数個取りシート
から切り離す際に形状加工が可能なため、複数個分の緩衝材3を一纏めの部品として貼り合せ、フレキシブル基板2を切り離す際にあわせて緩衝材3の形状加工を行うとよい。
次に、導電性接合材4(導電性接着剤)を用いて、フレキシブル基板2を圧電素子10に接続固定(接合)する。
まず、圧電素子10の所定の位置に導電性接着剤用ペーストをスクリーン印刷等の手法を用いて塗布形成する。その後、フレキシブル基板2を当接させた状態で導電性接着剤用ペーストを硬化させることにより、フレキシブル基板2を圧電素子10に接続固定する。なお、導電性接着剤用ペーストは、フレキシブル基板2側に塗布形成しておいてもよい。
導電性接着剤を構成する樹脂が熱可塑性樹脂からなる場合は、導電性接着剤を圧電素子10またはフレキシブル基板2の所定の位置に塗布形成した後、圧電素子10とフレキシブル基板2とを導電性接着剤を介して当接させた状態で加熱加圧することで、熱可塑性樹脂が軟化流動し、その後常温に戻すことで、再び熱可塑性樹脂が硬化し、フレキシブル基板2が圧電素子10に接続固定され、圧電アクチュエータ1が作製される。
特に、導電性接合材4として異方性導電材を用いる場合は、近接する導電粒子が接触しないように加圧量を制御する必要がある。
また、上述では、導電性接着剤を圧電素子10またはフレキシブル基板2に塗布形成する手法を示したが、予めシート状に形成された導電性接着剤のシートを圧電素子10とフレキシブル基板2との間に挟んだ状態で加熱加圧して接合してもよい。
本実施形態の圧電振動装置は、図4に示すように、上述の圧電アクチュエータ1と、圧電アクチュエータ1を構成する積層体11の一主面(他方主面)に接合された振動板81とを有するものである。なお、図4では、フレキシブル基板2は省略している。
振動板81は、例えば矩形状の薄板である。振動板81は、アクリル樹脂やガラス等の剛性および弾性が大きい材料を好適に用いて形成することができる。また、振動板81の厚みは、例えば0.4mm〜1.5mmに設定される。
圧電アクチュエータ1を構成する積層体11の他方主面が、接合部材82を介して振動板81に接合されている。接合部材82を介して、振動板81に積層体11の他方主面の全面が接合されていてもよく、略全面が接合されていてもよい。
接合部材82は、例えばフィルム状の形状を有している。また、接合部材82は、振動板81よりも柔らかく変形しやすいもので形成されており、振動板81よりもヤング率,剛性率,体積弾性率等の弾性率や剛性が小さい。すなわち、接合部材82は、圧電アクチュエータ1の駆動によって振動板81を振動させたときに変形可能であり、同じ力が加わったときに、振動板81よりも大きく変形するものである。そして、接合部材82の一方主面(図の+z方向側の主面)には積層体11の他方主面(図の−z方向側の主面)が全体的に固着され、接合部材82の他方主面(図の−z方向側の主面)には振動板81の一方主面(図の+z方向側の主面)の一部が固着されている。
変形可能な接合部材82で圧電アクチュエータ1を構成する積層体11と振動板81とを接合することで、圧電アクチュエータ1から振動が伝達されたとき、変形可能な接合部材82が振動板81よりも大きく変形する。
このとき、振動板81から反射される逆位相の振動を変形可能な接合部材82で緩和す
ることができるので、圧電アクチュエータ1が周囲の振動の影響を受けずに振動板81へ強い振動を伝達させることができる。
中でも、接合部材82の少なくとも一部が粘弾性体で構成されていることで、圧電アクチュエータ1からの強い振動を振動板81へ伝える一方、振動板81から反射される弱い振動を接合部材82が吸収することができる点で好ましい。例えば、不織布等からなる基材の両面に粘着剤が付着された両面テープや、弾性を有する接着剤を含む構成の接合部材を用いることができ、これらの厚みとしては例えば10μm〜2000μmのものを用いることができる。
接合部材82は、単一のものであっても、いくつかの部材からなる複合体であっても構わない。このような接合部材82としては、例えば、不織布等からなる基材の両面に粘着剤が付着された両面テープや、弾性を有する接着剤である各種弾性接着剤等を好適に用いることができる。また、接合部材82の厚みは、圧電アクチュエータ1の屈曲振動の振幅よりも大きいことが望ましいが、厚すぎると振動が減衰されるので、例えば、0.1mm〜0.6mmに設定される。ただし、本発明の圧電振動装置においては、接合部材82の材質に限定はなく、接合部材82が振動板81よりも固く変形し難いもので形成されていても構わない。また、場合によっては、接合部材82を有さない構成であっても構わない。
このような構成を備える本例の圧電振動装置は、電気信号を加えることによって圧電アクチュエータ1を屈曲振動させ、それによって、振動板81を振動させる圧電振動装置として機能する。なお、振動板81の長さ方向における他方端部(図の−y方向端部や振動板81の周縁部等)を、図示せぬ支持部材によって支持しても構わない。
本例の圧電振動装置は、ノイズが低減された圧電アクチュエータ1を用いて構成されていることから、長期間安定して駆動する圧電振動装置とすることができる。
また、本例の圧電振動装置は、圧電アクチュエータ1を構成する積層体11の平坦な他方主面に振動板81が接合されている。これにより、圧電アクチュエータ1と振動板81とが強固に接合された圧電振動装置とすることができる。
本実施形態の携帯端末は、図5〜図7に示すように、圧電アクチュエータ1と、電子回路(図示せず)と、ディスプレイ91と、筐体92とを有しており、圧電アクチュエータ1を構成する積層体11の他方主面が筐体92に接合されたものである。ここで、図5は本発明の携帯端末を模式的に示す概略斜視図であり、図6は図5に示すA−A線で切断した概略断面図、図7は図5に示すB−B線で切断した概略断面図である。なお、図5〜図7では、フレキシブル基板2は省略している。
ここで、圧電アクチュエータ1を構成する積層体11と筐体92とが変形可能な接合部材を用いて接合されているのが好ましい。すなわち、図6および図7においては接合部材82が変形可能な接合部材である。
変形可能な接合部材82で圧電アクチュエータ1を構成する積層体11と筐体92とを接合することで、圧電アクチュエータ1から振動が伝達されたとき、変形可能な接合部材82が筐体92よりも大きく変形する。この接合部材82は、圧電アクチュエータ1の駆動によって筐体92を振動させたときに変形可能であり、同じ力が加わったときに、筐体92よりも大きく変形するものである。このような接合部材82は、例えばフィルム状の形状を有している。そして、筐体92よりも柔らかく変形しやすいもので形成されており、筐体92よりもヤング率,剛性率,体積弾性率等の弾性率や剛性が小さい。
このとき、筐体92から反射される逆位相の振動を変形可能な接合部材82で緩和することができるので、圧電アクチュエータ1が周囲の振動の影響を受けずに筐体92へ強い振動を伝達させることができる。
中でも、接合部材82の少なくとも一部が粘弾性体で構成されていることで、圧電アクチュエータ1からの強い振動を筐体92へ伝える一方、筐体92から反射される弱い振動を接合部材82が吸収することができる点で好ましい。例えば、不織布等からなる基材の両面に粘着剤が付着された両面テープや、弾性を有する接着剤を含む構成の接合部材を用いることができ、これらの厚みとしては例えば10μm〜2000μmのものを用いることができる。
そして、本例では、圧電アクチュエータ1を構成する積層体11はディスプレイ91のカバーとなる筐体92の一部に取り付けられ、この筐体92の一部が振動板922として機能するようになっている。
なお、本例では圧電アクチュエータ1を構成する積層体11が筐体92に接合されたものを示したが、圧電アクチュエータ1を構成する積層体11がディスプレイ91に接合されていてもよい。
筐体92は、1つの面が開口した箱状の筐体本体921と、筐体本体921の開口を塞ぐ振動板922とを有している。この筐体92(筐体本体921および振動板922)は、剛性および弾性率が大きい合成樹脂等の材料を好適に用いて形成することができる。
振動板922の周縁部は、筐体本体921に接合材93を介して振動可能に取り付けられている。接合材93は、振動板922よりも柔らかく変形しやすいもので形成されており、振動板922よりもヤング率,剛性率,体積弾性率等の弾性率や剛性が小さい。すなわち、接合材93は変形可能であり、同じ力が加わったときに振動板922よりも大きく変形する。
接合材93は、単一のものであっても、いくつかの部材からなる複合体であっても構わない。このような接合材93としては、例えば不織布等からなる基材の両面に粘着剤が付着された両面テープ等を好適に用いることができる。接合材93の厚みは、厚くなりすぎて振動が減衰されないように設定されており、例えば0.1mm〜0.6mmに設定される。ただし、本発明の携帯端末においては、接合材93の材質に限定はなく、接合材93が振動板922よりも固く変形し難いもので形成されていても構わない。また、場合によっては、接合材93を有さない構成であっても構わない。
電子回路(図示せず)としては、例えば、ディスプレイ91に表示させる画像情報や携帯端末によって伝達する音声情報を処理する回路や、通信回路等が例示できる。これらの回路の少なくとも1つであってもよいし、全ての回路が含まれていても構わない。また、他の機能を有する回路であってもよい。さらに、複数の電子回路を有していても構わない。なお、電子回路と圧電アクチュエータ1とは図示しない接続用配線で接続されている。
ディスプレイ91は、画像情報を表示する機能を有する表示装置であり、例えば、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイ等の既知のディスプレイを好適に用いることができる。なお、ディスプレイ91は、タッチパネルのような入力装置を有するものであっても良い。また、ディスプレイ91のカバー(振動板922)が、タッチパネルのような入力装置を有するものであっても構わない。さらに、ディスプレイ91全体や、ディスプレイ91の一部が振動板として機能するようにしても構わない。
また、本実施形態の携帯端末は、ディスプレイ91または筐体92が、耳の軟骨または気導を通して音情報を伝える振動を生じさせることを特徴とする。本例の携帯端末は、振動板(ディスプレイ91または筐体92)を直接または他の物を介して耳に接触させて、耳の軟骨に振動を伝えることによって音情報を伝達することができる。すなわち、振動板(ディスプレイ91または筐体92)を直接または間接的に耳に接触させて、耳の軟骨に振動を伝えることによって音情報を伝達することができる。これにより、例えば、周囲が騒がしいときにおいても音情報を伝達することが可能な携帯端末を得ることができる。なお、振動板(ディスプレイ91または筐体92)と耳との間に介在する物は、例えば、携帯端末のカバーであっても良いし、ヘッドホンやイヤホンでも良く、振動を伝達可能な物であればどんなものでも構わない。また、振動板(ディスプレイ91または筐体92)から発生する音を空気中に伝播させることにより、音情報を伝達するような携帯端末であっても構わない。さらに、複数のルートを介して音情報を伝達するような携帯端末であっても構わない。
本例の携帯端末は、ノイズが低減された圧電アクチュエータ1を用いて音情報を伝達することから、高品質な音情報を伝達することができる。
また、本実施形態の音響発生器100は、図8に示すように、上述の圧電アクチュエータ1と、圧電アクチュエータ1を構成する圧電素子10が接合された振動板20と、振動板20の周縁部を支持する支持体としての枠体30とを備えている。なお、図8ではフレキシブル基板2は省略している。
圧電素子10は、電圧の印加を受けて屈曲振動する例えばバイモルフ型の圧電素子であって、屈曲振動することによって振動板20を励振する励振器である。圧電素子10の一主面と振動板20の主面とがエポキシ系樹脂等の接着剤により接合され、圧電素子10が屈曲振動することにより、圧電素子10が振動板20に一定の振動を与えて音を発生させることができる。
振動板20は、張力がかかっている状態でその周縁部が枠体30に固定されていて、圧電素子10の振動によって圧電素子10とともに振動するようになっている。この振動板20は樹脂や金属等の種々の材料を用いて形成することができ、例えば厚さ10〜200μmのポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン等の樹脂フィルムで振動板20を構成することができる。樹脂フィルムは金属板などに比べて弾性率および機械的なQ値の低い材料であるため、振動板20を樹脂フィルムにより構成することで、振動板20を大きな振幅で屈曲振動させ、音圧の周波数特性における共振ピークの幅を広く、高さを低くして共振ピークとディップとの差を低減することができる。
枠体30は、振動板20の周縁部で振動板20を支持する支持体として機能し、例えばステンレスなどの金属、樹脂など種々の材料を用いて形成することができる。この枠体30は、図8(b)に示すように一つの枠部材(上枠部材301)からなるものでもよく、図8(c)に示すように二つの枠部材(上枠部材301および下枠部材302)からなるものでもよい。この場合、二つの枠部材で振動板20を挟むことで、振動板20の張りを安定させることができる。なお、上枠部材301および下枠部材302は、それぞれの厚みが例えば100〜5000μmとされる。
本例の音響発生器100においては、図8(b)および図8(c)に示すように、圧電素子10から振動板20の表面の少なくとも一部(例えば圧電素子10の周辺部)までを覆うように設けられた樹脂層40をさらに有するのが好ましい。樹脂層40としては、例えばアクリル系樹脂を用いることができる。かかる樹脂層40に圧電素子10を埋設する
ことで適度なダンパー効果を誘発させることができるので、共振現象を抑制して、音圧の周波数特性におけるピークやディップを小さく抑えることができる。なお、図8(b)および図8(c)に示すように、樹脂層40は上枠部材301と同じ高さとなるように形成されていてもよい。
本例の音響発生器100は、ノイズが低減された圧電アクチュエータ1を用いて構成されていることから、高性能の音響発生器とすることができる。
次に、本発明の音響発生装置の実施の形態の一例について説明する。
音響発生装置80は、いわゆるスピーカーのような発音装置であり、図9に示すように、たとえば、音響発生器100と、音響発生器100を収容する筐体70を備える。
筐体70は、音響発生器100の発する音響を内部で共鳴させるとともに、筐体70に形成された図示せぬ開口から音響を外部へ放射する。このような筐体70を有することにより、たとえば低周波数帯域における音圧を高めることができる。
かかる音響発生装置80は、スピーカーとして単独で用いることができる他、後述するように、携帯端末や薄型テレビ、あるいはタブレット端末などへ好適に組み込むことが可能である。また、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、洗濯機などのように、従来、音質については重視されなかった家電製品に組み込むこともできる。
本発明の音響発生装置80は、ノイズが低減された圧電アクチュエータ1を用いて構成されていることから、高性能の音響発生装置が得られる。
次に、音響発生器を搭載した電子機器について、図10を用いて説明する。図10は、実施形態に係る電子機器50の構成を示す図である。なお、図には、説明に必要となる構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
図10に示すように、本例の電子機器50は、音響発生器100と、音響発生器100に接続された電子回路60と、電子回路60および音響発生器100を収容する筐体70とを備え、音響発生器100から音響を発生させる機能を有する。
電子機器50は、電子回路60を備える。電子回路60は、たとえば、コントローラ50aと、送受信部50bと、キー入力部50cと、マイク入力部50dとから構成される。電子回路60は、音響発生器100に接続されており、音響発生器100へ音声信号を出力する機能を有している。音響発生器100は電子回路60から入力された音声信号に基づいて音響を発生させる。
また、電子機器50は、表示部50eと、アンテナ50fと、音響発生器10とを備える。また、電子機器50は、これら各デバイスを収容する筐体70を備える。なお、図10では、1つの筐体70にコントローラ50aをはじめとする各デバイスがすべて収容されている状態をあらわしているが、各デバイスの収容形態を限定するものではない。本実施形態では、少なくとも電子回路60と音響発生器100とが、1つの筐体70に収容されていればよい。
コントローラ50aは、電子機器50の制御部である。送受信部50bは、コントローラ50aの制御に基づき、アンテナ50fを介してデータの送受信などを行う。キー入力部50cは、電子機器50の入力デバイスであり、操作者によるキー入力操作を受け付ける。マイク入力部50dは、同じく電子機器50の入力デバイスであり、操作者による音
声入力操作などを受け付ける。表示部50eは、電子機器50の表示出力デバイスであり、コントローラ50aの制御に基づき、表示情報の出力を行う。
そして、音響発生器100は、電子機器50における音響出力デバイスとして動作する。なお、音響発生器100は、電子回路60のコントローラ50aに接続されており、コントローラ50aによって制御された電圧の印加を受けて音響を発することとなる。
なお、図10では、電子機器50が携帯用端末装置であるものとして説明を行ったが、電子機器50の種別を問うものではなく、音響を発する機能を有する様々な民生機器に適用されてよい。たとえば、薄型テレビやカーオーディオ機器は無論のこと、音響を発する機能を有する製品、例を挙げれば、掃除機や洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどといった種々の製品に用いられてよい。
このような電子機器50は、ノイズの低減された圧電アクチュエータ1を用いて構成されていることから、高性能の電子機器とすることができる。また、筐体70を備えることで、低周波数の音圧を上昇させることができる。
本発明の圧電アクチュエータの具体例について説明する。
以下に示すように、圧電アクチュエータを作製した。
圧電素子は、長さが23.5mmで、幅が3.3mmで、厚みが0.5mmの直方体状とした。また、圧電素子は、厚みが30μmの圧電体層と内部電極とが交互に積層された構造とし、圧電体層の総数は16層とした。圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛で形成した。内部電極は、銀パラジウムの合金を用いた。
銀パラジウムからなる導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを積層した後、加圧密着させ、所定の温度で脱脂を行った後、1000℃で焼成を行い、積層焼結体を得た。
次に、銀からなる導電性ペーストを用いて表面電極を内部電極よりも幅方向の両端で1mmずつ長くなるように印刷し、表面電極を得た。
表面電極を介して、内部電極間(第1の内部電極と第2の内部電極極との間)に、2kV/mmの電界強度の電圧を印加し、圧電素子に分極を施した。
また、フレキシブル基板および緩衝材は、以下のように作製した。まず、ベースフィルムが多数配列されたシート(ベースフィルム用多数個取りシート)としてのポリイミドフィルムに接着剤を用いて配線導体となる銅箔を貼り合せる。次に、配線導体の導体パターンをフォトリソグラフィー手法にて形成し、絶縁と導体保護のため、カバーフィルムとなるポリイミドフィルムを接着剤にて貼り合せる。次に、金めっき処理を施し、緩衝材となる厚み125μmのポリイミドシート(緩衝材用多数個取りシート)を熱硬化接着剤でベースフィルム用多数個取りシートの配線導体が形成されていない面に貼り合せ、金型により所望の形状に打ち抜くことにより、フレキシブル基板および緩衝材を作製した。緩衝材は図6に示したように、第1の領域の全域および第1の領域と第2の領域との境界全域をまたがるように設置した。また、図11に示したように、緩衝材がカバーフィルムの端から1mmの位置まで重なるように緩衝材の寸法を決定した。
そして、フレキシブル基板と接合する圧電素子の表面に、導電粒子として金メッキした
樹脂ボールを含んだ導電性接着剤を塗布形成した。なお、導電性接着剤としては、厚み方向には導通し、面内方向には導通しない異方性導電材を用いた。
その後、フレキシブル基板を当接させた状態で加熱加圧することで、フレキシブル基板を圧電素子に導通、固定し、本発明実施例の圧電アクチュエータを作製した。
一方、比較例として、緩衝材を設けていないフレキシブル基板を用いて、上記実施例と同一の方法で圧電アクチュエータを作製した。
そして、それぞれの圧電アクチュエータについて、フレキシブル基板を介して、圧電素子に1kHzの周波数で、実効値1Vrmsの正弦波信号を印加し、インピーダンス波形の観測を行った。
その結果、本発明実施例の圧電アクチュエータのインピーダンス波形にはノイズが観測されなかったのに対し、比較例の圧電アクチュエータのインピーダンス波形にはノイズが観測された。すなわち、本発明の圧電アクチュエータを用いることで、圧電素子の振動がノイズとしてコネクタ接合部まで伝わらないことが確認できた。
1:圧電アクチュエータ
10:圧電素子
11:積層体
12:表面電極
2:フレキシブル基板
21:ベースフィルム
22:配線導体
23:カバーフィルム
201:第1の領域
202:第2の領域
3:緩衝材
4:導電性接合材
41:導電粒子
42:樹脂接着剤
81:振動板
82:接合部材
91:ディスプレイ
92:筐体
921:筐体本体
922:振動板
93:接合材
100:音響発生器
20:振動板
30:枠体
301:上枠部材
302:下枠部材
40:樹脂層
50:電子機器
60:電子回路
70:筐体
80:音響発生装置

Claims (10)

  1. 内部電極と圧電体層とが積層された積層体、および該積層体の一方主面に前記内部電極と電気的に接続された表面電極を備えた圧電素子と、ベースフィルム、該ベースフィルムの下面に設けられた配線導体、および前記圧電素子の近傍を除いて前記配線導体を覆うように設けられたカバーフィルムを備え、導電性接合材を介して前記圧電素子に接合され、前記配線導体が前記表面電極と電気的に接続されたフレキシブル基板と、該フレキシブル基板上の少なくとも前記圧電素子と重なる領域に設けられた緩衝材とを有しており、該緩衝材の先端が前記ベースフィルムの上方から見て前記カバーフィルムと重なる位置まで延びて設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記緩衝材と前記カバーフィルムとが重なる領域において、前記緩衝材の幅と前記カバーフィルムの幅とが同じであることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記緩衝材と前記カバーフィルムとが重なる領域において、前記緩衝材はくびれ部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記導電性接合材は、前記フレキシブル基板が延出されている方向に延在している部分を有しており、前記ベースフィルムの上方から見て前記フレキシブル基板と重なる前記圧電素子の角部から延出していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータと、前記積層体の前記他方主面に接合された振動板とを有することを特徴とする圧電振動装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータと、電子回路と、ディスプレイと、筐体とを有しており、前記積層体の他方主面が前記ディスプレイまたは前記筐体に接合されていることを特徴とする携帯端末。
  7. 前記ディスプレイまたは前記筐体は、耳の軟骨または気導を通して音情報を伝える振動を生じさせることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
  8. 請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータが取り付けられており、該圧電アクチュエータの振動によって該圧電アクチュエータとともに振動する振動板と、該振動板の外周部に設けられた枠体とを備えていることを特徴とする音響発生器。
  9. 請求項8に記載の音響発生器と、
    該音響発生器を収容する筐体とを備えていることを特徴とする音響発生装置。
  10. 請求項8に記載の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体とを備え、前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器。
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