JPWO2016067428A1 - リチウムイオン電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

電極合剤中のバインダ量を低減し、高出力化を実現できるリチウムイオン電池を提供する。上記課題を解決するために、本発明によるリチウムイオン電池は、電極合剤の厚さ、または電極合剤に含まれる活物質粒子の体積基準の中心粒径を調整することにより、電極合剤に含まれるバインダを集電体側に偏析させて、電極合剤の集電体側のバインダ量が電極合剤の表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する電極合剤を用いる。

Description

本発明は、リチウムイオン電池およびその製造方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2013−149407号公報(特許文献1)がある。この公報には、「集電箔の表面に形成された電極膜と、集電箔と電極膜とを接着させるバインダとを備え、電極膜の集電箔側のバインダ濃度が集電箔の反対側のバインダ濃度よりも高いことを特徴とするリチウムイオン二次電池」が記載されている。
特開2013−149407号公報
リチウムイオン電池の特性として、更なる高出力化が求められている。高出力化を実現するためには、例えば電極合剤中のバインダ量を低減することが有効である。バインダは、電極合剤中の活物質粒子と導電助剤粒子とを結ぶ機能、並びに活物質粒子および導電助剤粒子を集電体に接着する機能があるが、電池反応には関与せず、活物質粒子と電解液間のリチウムイオンの伝導、または活物質粒子と集電体間の電子の伝導を阻害し、リチウムイオン電池の内部抵抗を増加させる。そのため、電極合剤中のバインダ量を低減することが必要とされる。
前記特許文献1には、電極合剤の乾燥によって生じる電極合剤中でのバインダの不均一分布を抑制することで、電極合剤の厚みを増加させてもバインダ量を増やす必要のないリチウムイオン電池が記載されている。しかし、バインダ量を減らすことが可能なバインダ分布については言及が無く、リチウムイオン電池の更なる高出力化は実現できない。
そこで、本発明は、電極合剤中のバインダ量を低減し、高出力化を実現できるリチウムイオン電池を提供する。
上記課題を解決するために、本発明によるリチウムイオン電池は、電極合剤の厚さ、または電極合剤に含まれる活物質粒子の体積基準の中心粒径を調整することにより、電極合剤に含まれるバインダを集電体側に偏析させて、電極合剤の集電体側のバインダ量が電極合剤の表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する電極合剤を用いる。
本発明によれば、電極合剤中のバインダ量を低減し、高出力化を実現できるリチウムイオン電池を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
実施例1によるリチウムイオン電池の構成を模式的に示す斜視図である。 実施例1による捲回体の構成を模式的に示す斜視図である。 実施例1による電極の構成を模式的に示す平面図である。 実施例1による電極合剤中のバインダ量を分析する電極の分析箇所の一例を模式的に示す断面図である。 実施例1によるT/Dが互いに異なる電極試料1、2、3、4、5のバインダ分布を示すグラフ図である。 実施例1によるピール強度の測定装置を模式的に示す側面図である。 実施例1によるT/Dが互いに異なる電極試料1、2、3、4、5のピール強度を示すグラフ図である。 実施例1によるバインダの重量%が互いに異なる電極試料6、7、8のピール強度を示すグラフ図である。 実施例1によるバインダの重量%が互いに異なる電極試料6、7、8を使用して作製したリチウムイオン電池の内部抵抗を示すグラフ図である。 実施例2による角型の外装缶を有するリチウムイオン電池の構成を模式的に示す斜視図である。 実施例2による捲回型の捲回体を解体したときの電極の構成を模式的に示す平面図である。 実施例2による角型の捲回体を解体したときの電極の構成を模式的に示す平面図である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施例1によるリチウムイオン電池について図1から図9を用いて説明する。
図1は、本実施例1によるリチウムイオン電池の構成を模式的に示す斜視図である。
図1において、リチウムイオン電池は、例えば鉄またはステンレスを主材料とする外装缶CSの内部に捲回体WRFを有しており、この外装缶CSの内部、および捲回体WRFの内部には、電解液ELが充填されている。
図2は、本実施例1による捲回体の構成を模式的に示す斜視図である。
捲回体WRFは、軸芯CRの回りに捲回された正極PER、セパレータSP、および負極NERから構成される。
セパレータSPは、正極PERと負極NERとの電気的な接触を防止し、かつ、リチウムイオンを通過させるスペーサとしての機能を有している。セパレータSPは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれら材料を組み合わせた構成物を使用することができる。
電解液は、非水電解液が使用される。リチウムイオン電池は、活物質へのリチウムイオンの挿入および活物質からのリチウムイオンの脱離を利用して充放電を行う電池であり、リチウムイオンが電解液中を移動する。リチウムは、強い還元剤であり、水と激しく反応して水素ガスを発生する。従って、リチウムイオンが電解液中を移動するリチウムイオン電池では、水溶液を電解液に使用することができない。このことから、リチウムイオン電池では、電解液として非水電解液が使用される。
非水電解液の電解質としては、例えばLiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、若しくはCFSOLiなど、またはこれらの混合物を使用することができる。また、有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、またはエチルメチルカーボネートなどを使用することができる。さらに、有機溶媒としては、例えば1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、またはプロピオニトリルなどを使用することができる。さらに、上記した有機溶媒の混合液を使用することができる。
図3は、本実施例1による電極の構成を模式的に示す平面図である。
電極ERは、集電体EPと、集電体EP上に形成された電極合剤ECからなり、電極合剤ECは、活物質AS、導電助剤CA、およびバインダBDを含有する。
活物質ASは、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な物質であり、活物質ASに正極活物質を用いた場合、電極ERを正極(図2の正極PER)として、利用できる。正極活物質には、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、若しくはマンガン酸リチウムなどに代表されるリチウム含有遷移金属酸化物など、またはこれらの混合物を使用することができる。活物質ASに正極活物質を用いた場合、集電体EPには、例えばアルミニウムなどの導電性金属からなる金属箔または網状金属などを使用できる。
また、活物質ASに負極活物質を用いた場合、電極ERを負極(図2の負極NER)として、利用できる。負極活物質には、例えばハードカーボン、ソフトカーボン、若しくはグラファイトなどの炭素材料、酸化シリコン、酸化二オブ、若しくは酸化チタンなどの酸化物、シリコン、スズ、ゲルマニウム、鉛、若しくはアルミニウムなどのリチウムと合金を形成する材料などに代表される材料、またはこれらの混合物を使用することができる。活物質ASに負極活物質を用いた場合、集電体EPには、例えば銅などの導電性金属からなる金属箔または網状金属などを使用できる。
バインダBDは、例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride、PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、若しくはポリイミド、またはこれらの混合物などを使用することができる。バインダBDは、電極合剤EC中の活物質粒子と導電助剤粒子とを結ぶ機能、並びに活物質粒子および導電助剤粒子を集電体EPに接着させることで、リチウムイオン電池が充放電を繰り返しても活物質粒子および導電助剤粒子が電極合剤ECまたは集電体EPから脱落しないようにする機能がある。
本実施例1におけるリチウムイオン電池では、電極合剤に含まれるバインダが集電体側に偏析し、電極合剤が、電極合剤の集電体側のバインダ量が電極合剤の表面側(集電体と反対側)のバインダ量よりも多いバインダ分布を有することを特徴とする。特に、電極合剤の厚みをT、活物質粒子の体積基準の中心粒径をDとしたとき、T/D≦2.0を満たす場合、電極合剤の集電体側のバインダ量は、電極合剤の表面側のバインダ量の1.5倍以上になる。
このように集電体側にバインダが偏析した電極合剤は、以下に説明する様に、集電体に対する密着強度が増加する。そのため、電極合剤中のバインダ量を低減させても、前記特許文献1に代表されるようなバインダ分布が均一な電極合剤と同等の密着強度を有することができる。活物質粒子と電解液間のリチウムイオンの伝導、または活物質粒子と集電体間の電子の伝導を阻害するバインダが低減することで、リチウムイオン電池の内部抵抗を減少させることができるため、リチウムイオン電池の高出力化を図ることができる。なお、リチウムイオン電池の内部抵抗は、電極合剤全体に含まれるバインダの総量に依存するので、電極合剤の一部にバインダが低減した電極合剤を適用するだけでも、リチウムイオン電池の高出力化の効果が得られる。
以下、本実施例1によるリチウムイオン電池の特徴の詳細をその製造方法および分析方法の一例とともに説明する。
まず、正極合剤からなる電極試料の作製手順について説明する。
正極合剤を構成する活物質、導電助剤、およびバインダにはそれぞれ、リチウムマンガンコバルトニッケル複合酸化物、黒鉛粉末、およびPVDFを使用した。
まず、活物質、導電助剤、およびバインダがそれぞれ、93.0重量%、3.5重量%、および3.5重量%となるようにこれらを混合し、バインダの溶解が可能な溶剤中に分散させることで、正極用スラリーを作製した。本実施例1では、溶剤にN−メチル−2−ピロリドン(N-methylpyrrolidone、NMP)を使用した。
次に、アルミニウムからなる集電体の表面に、バーコータにより上記正極用スラリーを塗布し、120℃の温風乾燥炉にて溶剤を乾燥させることで、正極合剤を作製した。塗布方法としては、他にもダイコータ、グラビアコータ、刷毛塗り、またはディッピングなどの種々の塗布方法を使用することができる。その後、正極合剤は、熱ロールプレスにより、密度を2.1g/ccに調整した。
本実施例1では、正極合剤の塗布量および活物質粒子の基準体積の中心粒径を変えることで、5種類の正極合剤を作製した。具体的には、電極合剤の厚みをT、活物質粒子の体積基準の中心粒径をDとしたとき、その比T/Dが1.1、1.6、2.1、4.1、および5.4となる正極合剤を作製した。以下では、それぞれの正極合剤に対応する電極試料を電極試料1、2、3、4、および5と記す。
電極合剤の厚みTは、例えばマイクロメータまたは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)の断面画像により測定することができる。また、電極合剤中の活物質粒子は、例えばNMPを用いて電極合剤に含まれるバインダを再溶解させることにより取り出すことができるので、粒ゲージ法またはレーザー回折・散乱法などの種々の粒径分布測定方法により、活物質粒子の体積基準の中心粒径Dを測定することができる。
電極合剤中のバインダ分布の定量評価は、例えばSEMに搭載されたエネルギー分散型蛍光X線分光(Energy Dispersive X-ray spectroscopy、EDX)装置を利用して実施することができる。
図4は、本実施例1による電極合剤中のバインダ量をEDX分析する電極の分析箇所の一例を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、例えば倍率500倍〜2,000倍のSEM像において、幅2μm、長さ50μm程度の分析領域を、電極合剤ECの集電体EP側、中央(集電体EP側と表面側との間)、および表面側に設定し、それぞれの領域でEDX分析を実施する。電極合剤ECの構成元素のうち、フッ素含有量をその領域におけるバインダ量の指標として算出し、電極合剤ECの集電体EP側、中央、および表面側においてそれぞれフッ素含有量の相対変化を評価する。バインダ分布の分析精度を高めるためには、EDX分析を複数視野で行い、その平均を算出するとよい。
図5は、本実施例1によるT/Dが互いに異なる電極試料1、2、3、4、5のバインダ分布を示すグラフ図である。
バインダ量は電極合剤の表面側における値で規格化してある。電極試料1、2、3、4、5において、電極合剤の集電体側、中央、および表面側のそれぞれのプロットは、6視野でEDX分析を行ったときのフッ素含有量の平均値を表す。
図5に示すように、T/D≧4.1となる電極試料4、5では、バインダ量は電極合剤の集電体側から表面側に向かうに従って増加し、バインダが表面側に偏析している。一方、T/D≦2.1となる電極試料1、2、3では、バインダ量は電極合剤の表面側から集電体側に向かうに従って増加し、バインダが集電体側に偏析している。特に、電極試料1、2の場合、電極合剤の集電体側のバインダ量は、表面側のバインダ量の1.5倍以上になる。電極試料2、3のデータを内挿すると、T/D≦2.0であれば、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の1.5倍以上になると推定できる。
このように、電極合剤の厚みTと活物質粒子の体積基準の中心粒径Dとの相対関係でバインダ分布が変化する原因は次のように考えられる。
電極合剤の厚みTが活物質粒子の体積基準の中心粒径Dに対して大きい場合(例えばT/D≧4.1の場合)は、乾燥工程において、電極合剤の厚み方向に温度勾配が生じ、電極合剤の表面が乾燥炉の温度まで上昇する。しかし、一方で、電極合剤の内部の温度上昇は小さい。このとき溶剤は電極合剤の表面で蒸発し、電極合剤の内部の溶剤が表面に移動することで、蒸発が進行する。溶剤に溶解したバインダも溶剤とともに電極合剤の表面側に移動し、溶剤が蒸発することで析出する。その結果、電極合剤の表面側にバインダ偏析が生じる。
これに対して、電極合剤の厚みTが活物質粒子の体積基準の中心粒径Dに対して小さい場合(例えばT/D≦2.1の場合)は、乾燥工程において、電極合剤の厚み方向の温度勾配は小さく、電極合剤の表面だけでなく、電極合剤の内部も一様に乾燥炉の温度まで上昇する。これは、T/Dが大きい場合に比べ、電極合剤の熱抵抗が減少するためである。活物質粒子の体積基準の中心粒径Dを一定として、電極合剤の厚みTを小さくすると、電極合剤の厚みTが小さくなるため、電極合剤の熱抵抗は小さくなる。また、電極合剤の厚みTを一定として、活物質粒子の体積基準の中心粒径Dを大きくすると、電極合剤の活物質粒子間の隙間は大きくなり、溶剤の熱対流により熱が伝わるようになるため、電極合剤の熱抵抗は小さくなる。
このように、電極合剤中の温度勾配が小さい場合、溶剤は集電体の表面を含む電極合剤の内部の全域で蒸発する。このとき、溶剤の表面張力のため、溶剤は活物質粒子および集電体の表面に残留するようにして蒸発が進行し、バインダは活物質粒子の表面だけでなく、集電体の表面にも等しく析出する。電極合剤の内部でバインダは均一に析出するが、集電体の表面に析出したバインダの影響で、電極合剤全体でみると集電体側にバインダ偏析が生じる。
前記特許文献1には、電極膜の乾燥によって生じる電極膜内のバインダの不均一分布を抑制する方法として、バインダを析出させる溶剤を電極材ペーストに接触させることでバインダを固化する工程を追加し、バインダが固化した状態で電極膜を乾燥させる方法が記載されている。また、バインダの固化は電極膜の表面から集電箔側へと進むため、電極膜の表面側から固化の進んでいない集電箔側へバインダが移動し、集電箔側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多くなるが、電極膜の集電箔側のバインダ濃度と表面側のバインダ濃度との差は50%以内であることが記載されている。
一方、本実施例1では、電極合剤の厚みTと活物質粒子の体積基準の中心粒径Dとの相対関係によってバインダ分布を制御するため、前記特許文献1に記載されているバインダを固化する工程が不要である。従って、より低コストでバインダ分布を制御することができる。さらに、前記特許文献1では、電極膜の集電箔側のバインダ濃度と表面側のバインダ濃度との差は50%以内であるのに対し、本実施例1では、T/D≦1.6を満たす電極試料1、2のように、集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の1.5倍以上であるような電極合剤を作製することができる。さらに、T/D≦1.1を満たす電極試料1のように、集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の2.6倍まで増加した電極合剤を作製することができる。
次に、バインダ分布が変化したときの電極合剤と集電体との密着強度に関して説明する。
図6は、本実施例1によるピール強度の測定装置を模式的に示す側面図である。T/Dが互いに異なる電極試料1、2、3、4、5を用いて、集電体に対する電極合剤のピール強度を測定した。
両面テープTPの一面を電極合剤ECの表面側に、もう一面を円形板CPに貼る。円形板CPは、その中心点CCPのみが金属部品MPに固定されており、図6の矢印に示す様に回転することができる。集電体EPのうち、電極合剤ECが表面に形成されていない箇所をロードセルLCと接続させ、金属部品MPを図6の鉛直下方向に、50mm/分の速度で移動させる。このときのロードセルLCにかかる平均荷重を電極合剤ECの幅(2cm)で除することで、ピール強度を算出する。
図7は、本実施例1によるT/Dが互いに異なる電極試料1、2、3、4、5のピール強度を示すグラフ図である。
電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多い電極試料1、2、3は、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも少ない電極試料4、5よりもピール強度が増加していることが分かる。試験後、全ての電極試料1、2、3、4、5を観察すると、電極合剤と集電体との界面で剥離が進展していたことから、電極合剤において、活物質粒子と集電体との密着が最も弱いといえる。従って、バインダが集電体側に偏析すると、活物質粒子と集電体とを接着させるバインダ量が相対的に増加するため、効果的にピール強度が増加したと考えられる。
また、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の2.61倍である電極試料1では、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の0.89倍である電極試料4よりも、ピール強度が18.8倍まで大幅に増加していることが分かる。なお、電極試料1の電極合剤の厚みTは12.1μm、活物質粒子の体積基準の中心粒径Dは11.0μmである。電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多いほど、ピール強度が向上していることから、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の2.61倍以上であれば、さらにピール強度が増加すると考えられる。
このように、集電体側にバインダが偏析するバインダ分布をもつ電極合剤は、密着強度が増加する。これは、電極試料1、2、3のようなバインダ分布をもつ電極にすれば、電極試料4、5のようなバインダ分布をもつ電極に比べて、少ないバインダ量でも同等の密着強度を維持できることを意味している。
そこで、バインダが3.5重量%よりも低減した正極合剤を作製し、その密着強度および電池特性を評価した。
表1は、ピール強度および電池特性の評価に使用した電極試料6、7、8における、活物質、導電助剤、およびバインダの重量%を示している。電極試料6、7、8では、活物質および導電助剤の重量%をほぼ一定にしたまま、バインダの重量%のみを減少させた。活物質には、体積基準の中心粒径Dが11.0μmの活物質粒子を用い、活物質粒子の体積基準の中心粒径Dに対する電極合剤の厚みT(T/D)を1.5とすることで、バインダが集電箔側に偏析した電極合剤を作製した。
図8は、本実施例1によるバインダの重量%が互いに異なる電極試料6、7、8のピール強度を示すグラフ図である。
バインダが2.6重量%である電極試料7のピール強度は139N/m、バインダが1.5重量%である電極試料8のピール強度は115N/mであり、T/Dを1.5とすることで、バインダが3.5重量%でバインダ偏析がない電極合剤(電極試料4)のピール強度40N/mと同等以上の密着強度を有することを確認した。
図7および図8にそれぞれ示したピール強度の結果と合わせて考えると、T/D≦1.5であれば、バインダを3.5重量%から1.5重量%へ低減しても、バインダが3.5重量%でバインダ偏析がない電極合剤(電極試料4)のピール強度40N/mと同等以上の密着強度を有すると考えられる。また、T/D≦1.5のとき、図5における電極試料1、2のデータを内挿すると、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量の1.8倍以上になると推定できる。
電極合剤の密着強度が低いと、電池の充放電に伴い電極合剤が集電体から脱落する場合がある。電極合剤の脱落が起きると、充放電可能な容量が低下するため、電池の容量、出力がともに低下する。本実施例1では、バインダを電極合剤の集電箔側に偏析させることで、電極合剤の密着強度を増加することができるため、電池特性が低下することなく、バインダ量の低減が可能となる。
次に、電極試料6、7、8の電池特性の評価結果について説明する。
評価用のリチウムイオン電池を作製するため、活物質にリチウムマンガンコバルトニッケル複合酸化物、導電助剤に黒鉛粉末、バインダにPVDFを使用した正極合剤をアルミニウムからなる集電体の表面に作成した。また、活物質に非晶質炭素、導電助剤にカーボンブラック、バインダにPVDFを使用した負極合剤を銅からなる集電体の表面に作製した。セパレータには、厚さ20μmの多孔質ポリプロピレンを使用した。電解液には、電解塩LiPFを溶解させた有機溶媒(エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの混合液)を使用した。正極合剤および負極合剤は熱ロールプレスにより、密度をそれぞれ2.1g/ccおよび1.4g/ccに調整した。
正極、負極、およびセパレータをそれぞれ直径14mm、16mm、および16mmに打ち抜き、積層した後、電解液を全体に含浸させ、評価用のリチウムイオン電池を作製した。作製したリチウムイオン電池を4.1Vまで定電流2mAで充電した後、定電圧充電を行い、満充電の状態にした。満充電の状態から、Cレートが0.2C〜5.0Cの各電流値で放電させ、10秒後のセル電圧を測定し、放電電流(Cレート単位)に対するセル電圧の傾きをリチウムイオン電池の内部抵抗として評価した。Cレートとは、電池容量を1時間で放電する電流値を基準にした電流値の表現である。例えば1時間かけて放電するときの電流値は1C、0.5時間かけて放電するときの電流値は2C、0.2時間かけて放電するときの電流値は5Cとなる。内部抵抗が低いほど、放電時のセル電圧の低下が小さいため、高出力で放電することができることを意味する。
図9は、本実施例1によるバインダの重量%が互いに異なる電極試料6、7、8を使用して作製したリチウムイオン電池の内部抵抗を示すグラフ図である。
バインダ量を低減することで、内部抵抗が低減することを確認した。特に、バインダを1.5重量%とした電極試料8を用いたときは、バインダが3.5重量%の電極試料6に対し、内部抵抗が0.877倍まで大幅に低減した。
このように、本実施例1によるリチウムイオン電池では、電極合剤に含まれるバインダが集電体側に偏析し、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量より多いバインダ分布を有する電極合剤からなる電極を備えることを特徴とする。集電体側にバインダが偏析した電極合剤は、集電体に対する密着強度が増加するため、電極合剤全体に含まれるバインダの総量を低減しても、バインダ分布が均一な電極合剤と同等の密着強度をもつことができる。活物質粒子と電解液間のリチウムイオンの伝導、または活物質粒子と集電体間の電子の伝導を阻害するバインダが低減することで、リチウムイオン電池の内部抵抗を減少させることができるため、リチウムイオン電池の高出力化を図ることができる。
なお、本実施例1では、主として、正極合剤について実施の詳細を説明したが、負極合剤に対しても適用可能であり、負極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有しても良い。負極合剤においても、前述したように集電体側にバインダが偏析すると、集電体に対する負極合剤の密着強度が増加するため、負極合剤中のバインダ量を低減させることが可能となり、リチウムイオン電池の高出力化を図ることができる。
本実施例2によるリチウムイオン電池について図10から図12を用いて説明する。
本実施例2では、電極合剤に含まれるバインダが集電体側に偏析し、電極合剤の集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する電極合剤を、リチウムイオン電池の充放電中において活物質が脱落しやすい箇所に選択的に形成した。
リチウムイオン電池の充放電により、活物質はリチウムイオンを吸蔵または放出し、体積変化を起こす。この体積変化により生じる応力が、バインダによる接着力を上回ると活物質が電極合剤から脱落する。脱落した活物質は充放電に寄与できないため、リチウムイオン電池の特性低下につながる。
例えば図1、図2に示すような捲回型のリチウムイオン電池の場合、軸芯CRに近い捲回体WRFの内部(内側)の電極合剤は、周囲の電極合剤および集電体により拘束されているため、充放電に伴い電極合剤中に応力が発生しても、活物質は電極合剤から脱落しにくい。一方、捲回体WRFの外部(外側、外周付近)の電極合剤は、周囲からの拘束がないため、活物質は電極合剤から脱落しやすい。
図10は、本実施例2による角型の外装缶を有するリチウムイオン電池の構成を模式的に示す斜視図である。捲回体の構成は、図2および図3とほぼ同様である。
図10に示すように、角型の捲回体WRFを有するリチウムイオン電池の場合、集電体とその表面に形成された電極合剤の曲率半径は不均一となる。特に、曲率半径の小さい捲回体WRFの角CWRF付近では、電極合剤が引き伸ばされるため、活物質粒子同士を接着するバインダが切断されやすく、その結果、活物質も脱落しやすい。
本実施例2によるリチウムイオン電池では、電極合剤に含まれるバインダが集電体側に偏析し、集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する電極合剤を、リチウムイオン電池の充放電中において活物質が脱落しやすい箇所に選択的に形成することを特徴とする。例えばダイコータを電極用スラリーの塗布に用いた場合、上記箇所では電極用スラリーの塗出圧力を低減して、電極合剤の厚みTを減少させることにより、T/Dを低減し、バインダが集電体側に偏析したバインダ分布を選択的に形成することができる。
図11は、本実施例2による捲回型の捲回体を解体したときの電極の構成を模式的に示す平面図である。
捲回型の捲回体のリチウムイオン電池の場合、軸芯に近い捲回体内部(内側)より、捲回体外部(外側、外周付近)において、集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する電極合剤の割合を多くすることで、活物質が脱落しやすい捲回体外部の電極合剤の密着強度を向上することができる。その結果、リチウムイオン電池の充放電サイクルに対する特性信頼性を向上させることができる。
図12は、本実施例2による角型の捲回体を解体したときの電極の構成を模式的に示す平面図である。
角型の捲回体のリチウムイオン電池の場合、捲回体を形成する時に角(曲率半径が小さい箇所)になる場所において、集電体側のバインダ量が表面側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する電極合剤の割合を多くすることで、活物質が脱落しやすい捲回体を形成する時に角(曲率半径が小さい箇所)になる場所の電極合剤の密着強度を向上することができる。その結果、リチウムイオン電池の充放電サイクルに対する特性信頼性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本実施の形態では、捲回型リチウムイオン電池を例に挙げて、本発明の技術的思想について説明したが、本発明の技術的思想は、捲回型リチウムイオン電池に限定されるものではない。例えば正極、負極、および正極と負極とを電気的に分離するセパレータを備える蓄電デバイス(例えば電池またはキャパシタなど)に幅広く適用することができる。
本発明は、例えばリチウムイオン電池に代表される電池を製造する製造業に幅広く利用することができる。
AS 活物質
BD バインダ
CA 導電助剤
CCP 中心点
CP 円形板
CR 軸芯
CS 外装缶
CWRF 角
EC 電極合剤
EL 電解液
EP 集電体
ER 電極
LC ロードセル
MP 金属部品
NER 負極
PER 正極
SP セパレータ
TP 両面テープ
WRF 捲回体

Claims (14)

  1. 集電体と、前記集電体の表面に形成され、活物質、導電助剤およびバインダを含む電極合剤と、からなる電極を有し、
    前記電極合剤は、前記電極合剤の厚み方向において、前記集電体側の第1バインダ量が、前記集電体と反対側の第2バインダ量よりも多いバインダ分布を有する部分を含む、リチウムイオン電池。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記第1バインダ量が、前記第2バインダ量の1.5倍以上である、リチウムイオン電池。
  3. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記第1バインダ量が、前記第2バインダ量の1.8倍以上である、リチウムイオン電池。
  4. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記バインダ分布を有する部分では、前記電極合剤の厚みをT、前記活物質を構成する活物質粒子の体積基準の中心粒径をDとすると、T/Dが2.0以下である、リチウムイオン電池。
  5. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記バインダ分布を有する部分では、前記電極合剤の厚みをT、前記活物質を構成する活物質粒子の体積基準の中心粒径をDとすると、T/Dが1.5以下である、リチウムイオン電池。
  6. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記電極合剤の全体に含まれるバインダが2.6重量%以下である、リチウムイオン電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池において、
    前記電極合剤と前記セパレータとが捲回体を形成し、
    前記捲回体の外側の前記電極合剤における前記バインダ分布を有する部分の割合が、前記捲回体の内側の前記電極合剤における前記バインダ分布を有する部分の割合よりも高い、リチウムイオン電池。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池において、
    前記電極合剤と前記セパレータとが捲回体を形成し、
    前記捲回体には、第1曲率半径を有する第1箇所と、前記第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径を有する第2箇所とが形成され、
    前記第1箇所における前記バインダ分布を有する部分の割合が、前記第2箇所における前記バインダ分布を有する部分の割合よりも高い、リチウムイオン電池。
  9. (a)集電体の表面に、活物質、導電助剤およびバインダを含むスラリー状の電極材料を塗布する工程、
    (b)前記電極材料を乾燥させて、前記集電体の表面に、前記活物質、前記導電助剤および前記バインダを含む電極合剤を形成する工程、
    を有し、
    前記(a)工程において、前記電極材料の厚さ、または前記活物質を構成する活物質粒子の体積基準の中心粒径を制御することにより、
    前記電極合剤の厚み方向において、前記集電体側の第1バインダ量が、前記集電体と反対側の第2バインダ量よりも多いバインダ分布を有する部分を含む前記電極合剤を形成する、リチウムイオン電池の製造方法。
  10. 請求項9記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記第1バインダ量が、前記第2バインダ量の1.5倍以上である、リチウムイオン電池の製造方法。
  11. 請求項9記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記第1バインダ量が、前記第2バインダ量の1.8倍以上である、リチウムイオン電池の製造方法。
  12. 請求項9記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記バインダ分布を有する部分では、前記電極合剤の厚みをT、前記活物質を構成する活物質粒子の体積基準の中心粒径をDとすると、T/Dが2.0以下である、リチウムイオン電池の製造方法。
  13. 請求項9記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記バインダ分布を有する部分では、前記電極合剤の厚みをT、前記活物質を構成する活物質粒子の体積基準の中心粒径をDとすると、T/Dが1.5以下である、リチウムイオン電池の製造方法。
  14. 請求項9記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記電極電極材料に含まれるバインダが2.6重量%以下である、リチウムイオン電池の製造方法。
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