JPWO2016052739A1 - ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

機械的特性および緩衝性を損なうことなく、且つ他の任意の添加物を組み込む能力を損なうことなく、難燃性が向上した発泡熱可塑性重合体材料を提供する。本発明に係るポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子は、特定の有機リン系化合物(B)と特定のヒンダードアミン(C)とを、特定の重量の比率にて含んでいる。

Description

本発明は、難燃性予備発泡重合体材料、特に、ポリオレフィン粒子に基づく難燃性予備発泡重合体材料に関する。本発明はまた、そのような難燃性予備発泡重合体材料を型内発泡または押出発泡して作製した難燃性発泡品に関する。そのようにして成形された型内発泡成形体または押出発泡品は、特に、車両、建物、構築物、家具、電気機器および電子機器のための用途において使用される。本発明は、さらに、上記難燃性予備発泡重合体材料を製造する方法に関する。
現在では、熱可塑性重合体に対して、しばしば、リン含有化合物またはハロゲン含有化合物を添加することによって、難燃性を付与する。リン含有化合物および窒素含有化合物の混合物もまた、難燃剤として使用される。そのような化合物に関する第1の課題は、難燃性効果が非常に弱いか、または得られた難燃性プラスチックの熱安定性が非常に低いことである。
ホスフィン酸の塩もまた、プラスチックの熱的性質において軽度の変化を引き起こすため、重合体のための有効な難燃性添加物であることが示されているが、難燃性効果がまだ十分ではないことが示されている。ハロゲン含有有機化合物は、燃焼プロセスを化学的または物理的に妨げることによって作用すると推測される。例えば、有機ハロゲン形態(例えば、デカブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモシクロデカンおよびテトラブロモビスフェノールA等)は、フリーラジカル有機重合体と相互作用する臭化水素を生成すると推測される。
しかしながら、近年、個々の臭素化難燃剤(例えば、多臭素化ジフェニルエーテル)は、環境およびヒトの健康に対して有害である可能性があることが見出された。臭素化難燃剤の危険性の評価の結果に基づき、2006年7月からの欧州連合の規定では、ペンタブロモジフェニルエーテルおよびオクタブロモジフェニルオキシドの製造および使用が禁止され、一方で、デカブロモジフェニルオキシドは特定の使用に制限された。ペンタエリスリトールホスフェートの種々の誘導体、例えば、エーテル、エステルおよびカーボネート誘導体は、難燃性添加物として知られている。臭素含有ペンタエリスリトールリン酸エステル、ペンタエリスリトールダブル−スピロホスホリルダブル−トリブロモネオペンチルアルコールエステルもまた、難燃剤として知られている。
種々のヒンダードアミンは、市販されており、そして、特に、熱可塑性重合体が薄膜の形態であるときに、種々のクラスの熱可塑性重合体の熱安定化を達成することが知られている。ポリオレフィンおよびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテル難燃剤を含有している樹脂組成物から作製した難燃性ポリオレフィン予備発泡粒子もまた、当該分野において、特に特許文献1から公知である。特許文献2は、ポリオレフィンへのカーボンブラックの添加によって、予備発泡品および当該予備発泡品に由来する発泡品の難燃性が強化されないが、燃焼性が悪化することを開示している。特許文献2はまた、発泡ポリオレフィンにおける粉状活性炭(以下、“PAC”ともいう)およびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテル難燃剤の組込みによって、難燃性がさらに高くなることを開示している。
特許文献3は、発泡ポリオレフィン粒子におけるリン酸エステルおよびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテル難燃剤の組込みによって、難燃性がさらに高くなること、および燃焼時に有害な気体を発生しないことを開示している。
特許文献4は、少なくとも0.5重量%のカーボンブラックを添加した発泡ポリオレフィン粒子におけるトリアリールホスフィンオキシドおよびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテル難燃剤の組込みによって、難燃性がさらに高くなることを開示している。
特許文献5は、カーボンブラックおよびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテルを含有している熱可塑性重合体発泡体を開示している。
特許文献6は、ヒンダードアミンおよび亜リン酸エステル等を含有している組成物を開示している。
特許文献7は、立体障害アルコキシアミン安定剤およびホスファゼン等を含有している難燃性組成物を開示している。
特許文献8は、立体障害アミン安定剤およびリン系難燃剤等を含有している難燃性重合体組成物を開示している。
特許文献9は、ヒンダードヒドロカルビルオキシアミン安定剤を含有している組成物を開示している。
特許文献10は、難燃剤としてリン系化合物および1,3,5−トリアジン化合物の組み合わせを用いる難燃性ポリオレフィン発泡体の製造方法を開示している。
特許文献11は、ホスホネート化合物および1,3,5−トリアジン化合物等を含有している混合物を開示している。
欧州特許出願公開第1454947号明細書 国際公開第2012/028953号 国際公開第2010/119670号 国際公開第2013/022049号 欧州特許出願公開第1452559号明細書 欧州特許出願公開第1712586号明細書 国際公開第03/076505号 国際公開第2004/035671号 欧州特許出願公開第1038912号明細書 国際公開第2013/174482号 米国特許出願公開第2011/0257310号明細書
そのような予備発泡粒子から製造された発泡品は、例えば、輸送、建物、構築物、家具、電気機器および電子機器等の、難燃性または自消性が要求される種々の分野において、適切に使用され得る。しかしながら、これらの分野および他の分野(例えば、電気機器および電子機器の分野)において、難燃性のますます厳しい水準が要求されていることから、ポリオレフィン発泡材料をさらに改善する必要性が高まっている。具体的には、全ての産業分野において、基準はより厳しくなっており、そして、安全のために、近傍(例えば、下)に置いた乾燥吸湿材を着火し得る粒子を、燃焼試験試料が落とさないこと、および燃焼試験試料がドリッピング粒子(燃焼試験試料から落ちる粒子)によって着火されないことが、これから要求される可能性がある。その一方で、特許文献5は、難燃性添加物としてトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテルを含有している熱可塑性重合体発泡品は自消性を示すが、燃焼時にドリッピング粒子を生じることを開示している。
一般に、当業者は、熱可塑性重合体発泡体において難燃性を達成することは、熱可塑性重合体のフィルム、チューブまたは非発泡材料の他の形態において難燃性を達成することよりも、より一層難しいことを知っている。具体的には、非発泡熱可塑性重合体に適していることが見出された手法は、この重合体の対応する発泡した形態に対しては必ずしも適していないであろう。また、例えば、外観、緩衝性、発泡体における閉じたセルの比率、および機械的特性(限定されないが、例えば、衝撃強度、寸法収縮および圧縮強度等)等の要求される付加的な特性の理由によって、熱可塑性重合体発泡体の製造のためには、特別な重合体の等級が好ましいことは、むしろ一般的である。当該発泡材料のこれらの全ての性質は、さらなる添加物の存在によって、最適なひとまとまりの性質が産業の関連分野における最終的な発泡製品の要求をもはや満たし得ないように影響を及ぼされる可能性がある。
それゆえ、本発明によって解決される1つの課題は、得られた発泡体の他の要求(例えば、その機械的特性、緩衝性および外観等)を損なうまたは害することなく非ドリッピング要件および/または非着火要件を満たす、発泡ポリオレフィン材料の組成物を見出すことである。同時に、当該発泡体は、良好な成形性または押出性を呈するべきであり、そして、燃焼時に有害な気体を発生すべきではない。本発明によって解決される他の課題は、特定の難燃性添加物に起因する製造の間の悪臭の発生を克服することである。製造設備の追加の換気装置を必要とするので、この臭気問題は、さらなる製造コストを発生させる。本発明によって解決されるさらに他の課題は、ポリオレフィン予備発泡粒子および/またはこれらから製造した発泡品の表面に対する、特定の難燃性添加物のマイグレーションのリスクを克服することである。このマイグレーションの問題は、熱可塑性重合体マトリクス全体にわたる親和性の不足または添加物の不均一な分散と関連する可能性がある。それゆえ、熱可塑性発泡品の内部の欠陥または表面の欠陥を生じる可能性があるため、このマイグレーションの問題は重要である。
本発明の目的は、良好な成形性または押出し性を備えて製造することができ、燃焼時に有害な気体を発生せず、且つ当該分野において公知の熱可塑性重合体発泡品よりも良好な難燃性を呈する、難燃性熱可塑性重合体発泡品を提供することである。具体的には、本発明の目的は、燃焼時に粒子を落とさず、そしてその結果、近接した有機材料を着火しない、難燃性熱可塑性重合体発泡品を提供することである。本発明のさらなる目的は、難燃剤添加物としてトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテルを含有している公知の熱可塑性重合体発泡品と比較して、優れた難燃性(具体的には、燃焼時のドリッピング粒子の発生および有毒な気体の発生を防ぐ、優れた難燃性)と、優れた機械的特性、緩衝性および外観との両方を備えた、難燃性熱可塑性重合体発泡品を提供することである。本発明のさらなる目的は、難燃性添加物としてリン酸エステルおよびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテルの組合せまたはホスフィンオキシドおよびトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテルの組合せを含有している公知の熱可塑性重合体発泡品と比較して、優れた難燃性(具体的には、燃焼時のドリッピング粒子の発生および有毒な気体の発生を防ぐ、優れた難燃性)と、優れた機械的特性、緩衝性および外観との両方を備えた、難燃性熱可塑性重合体発泡品を提供することである。
本発明の他の目的は、例えば、粉状活性炭および/またはカーボンブラック等の他の添加物が多量に存在する場合であっても、予備発泡工程またはその後の成形工程の間に加工の問題を生じさせることなく優れた難燃性および物理的性質の両方を備えた発泡品に成形され得る、難燃性熱可塑性重合体予備発泡粒子を提供することである。
驚くべきことに、リン酸エステル、ホスフェートまたはトリアリールホスフィンオキシドを除く有機リン系化合物およびその窒素原子上でOR基で直接的に置換されたヒンダードアミンの両方の、選択された割合での発泡熱可塑性重合体材料への組込みは、難燃性を高める(具体的には、燃焼の間のドリッピング粒子の発生を妨げて、これにより近接した有機材料の着火を防ぐ)ことが見出された。そしてこれは、本発明の基盤である。この性質は、発泡熱可塑性重合体材料の他の機械的特性および緩衝性を損なうことなく、且つ他の任意の添加物を組み込む能力を損なうことなく達成される。
従って、本発明は、以下のような難燃性予備発泡重合体材料に関する:アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネートからなる群より選択される少なくとも1種の、窒素を含有しない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である、ヒンダードアミン(C)と、を含んでいるポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子であって、上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子100重量%中、上記有機リン系化合物(B)が1.0重量%以上10重量%以下、上記ヒンダードアミン(C)が0.1重量%以上5.0重量%以下含まれており、上記ヒンダードアミン(C)の重量に対する有機リン系化合物(B)の重量の比率((B)/(C))は、1.0以上20以下である、ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
本件の難燃性予備発泡重合体材料は、以下のような方法によって製造されてもよい:ポリオレフィン系樹脂(A)と、アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネートからなる群より選択される少なくとも1種の、窒素を含有しない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である、ヒンダードアミン(C)との混合物を提供する工程と、上記混合物に、水性分散液中にて、揮発性の発泡剤を高温および高圧条件で含浸させる工程と、上記発泡剤を含浸させた混合物を、大気圧まで減圧させる工程と、を含むポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法であって、上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子100重量%中、上記有機リン系化合物(B)が1.0重量%以上10重量%以下、上記ヒンダードアミン(C)が0.1重量%以上5.0重量%以下であり、上記ヒンダードアミン(C)の重量に対する上記有機リン系化合物(B)の重量の比率((B)/(C))は、1.0以上20以下である、ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
本件はまた、本発明のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたものである、型内発泡成形体に関する。本発明は、以下の説明を読むことにより、さらに理解されるであろう。
本発明によれば、機械的特性および緩衝性を損なうことなく、且つ他の任意の添加物を組み込む能力を損なうことなく、難燃性が向上した発泡熱可塑性重合体材料を提供することができる。
本発明の難燃性予備発泡重合体材料の各化合物は、これからより詳細に提示される。本明細書において、「発泡材料」は、発泡工程を経て得られたものを意味する。特に型内発泡成形等の前の、発泡工程を経て得られたものを意図する場合、予備発泡材料と称する。また、粒子状の予備発泡材料を「予備発泡粒子」と称する。熱可塑性重合体材料を発泡させることによって得られた発泡材料を「発泡熱可塑性重合体材料」または「予備発泡熱可塑性重合体材料」と称する場合もある。また、「予備発泡熱可塑性重合体材料」を単に「予備発泡重合体材料」と称する場合もある。「発泡体」および「発泡品」は発泡材料から得られた製品を意味する。特に型内発泡成形によって得られた発泡体を「型内発泡成形体」と称する。
なお、本発明によれば、以下に説明する構成を有するがゆえに、ハロゲン難燃剤を用いなくても優れた難燃性を発現する。
<1.有機リン系化合物(B)>
本発明の目標を達成するために、有機リン系化合物(B)がリン酸エステル、ホスフェートまたはトリアリールホスフィンオキシドではなく、且つ有機リン系化合物(B)が、ヒンダードアミン(C)と選択された重量の比率にて組み合わせられる限りは、有機リン系化合物(B)の選択は厳格には制限されない。当業者に周知のとおり、リン酸エステル、ホスフェートおよびトリアリールホスフィンオキシドとは別の有機リン系化合物の多数のサブクラスが存在する。当業者が周知のとおり、有機リン系化合物のこれらのサブクラスの間には、難燃性の多様性があり得るが、有機リン系化合物(B)が、およそ1.0〜20の範囲の選択された重量の比率(B)/(C)においてヒンダードアミン(C)と組み合わせられる場合に、予備発泡重合体材料(特に、予備発泡ポリプロピレン系材料)において難燃性を顕著に高めることが、本発明者らによって実施された試験から結論付けられ得る。また、本発明は、単一の有機リン系化合物(B)の組込みに制限されず、2種以上の有機リン系化合物(B)の組込みを包含している。これらの有機リン系化合物(B)は、異なるサブクラスに属してもよく、または異なるサブクラスに属していなくてもよい。2種以上の有機リン系化合物(B)の選択は、これらの化合物の親和性によってのみ制限され、そして、当業者によって過度の負担無く容易に決定され得る。当該親和性は、2種以上の有機リン系化合物(B)が有する共通の有機性により、通常は良好である。
本発明の種々の実施形態を説明する目的のために、リン酸エステル、ホスフェートおよびトリアリールホスフィンオキシド以外の有機リン系化合物(B)の適切なサブクラスが以下に記載される。
一実施形態において、有機リン系化合物(B)は、窒素を含有していない。すなわち、その構造式においてあらゆるN原子を含有していない。他の実施形態において、有機リン系化合物(B)は、窒素および塩素の両方を含有していない。すなわち、その構造式において、あらゆるCl原子を含有していない。多くのそのような化合物が市販されている。
この窒素を含まない有機リン系化合物(B)のグループに含まれる第1のサブクラスは、ホスホネートからなる。
R−PO(OH)基および/またはR−PO(OR基(ここで、Rは、メチル基、ベンジル基、アリール基、アルキニル基、アレニル基、ビニル基または置換されたビニル基等のヒドロカルビル基であり;且つ、Rはアルキル基またはアリール基等のヒドロカルビル基である)を含有している、エステルおよび部分エステル、並びにこれらの塩は、本発明の実施のために適している。ホスホン酸エステルおよびホスホネート塩は、水および一般的なアルコールに都合よく溶解する。例としては、限定されないが、リン含有量が高いという理由で非常に有効な難燃剤である、ジメチルメチルホスホネート等のアルキルホスホネートが包含される。
同様に、ホスホネートは、アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;モノ−ホスホネート;アサイクリックビスホスホネート;サイクリックホスホネート;並びにサイクリックビスホスホネート等のサブグループにさらに分割され得る。
欧州特許第1651737号明細書によって開示されているように、以下の構造式によって表されるサイクリックホスホネートもまた、適している:
Figure 2016052739
ここで、上記式中、RおよびRは、独立して、C1−4アルキル基であり、Rは、HまたはC1−4アルキル基であり、Rは、C9−22アルキル基、C9−22シクロアルキル基、C9−22アリール基またはC9−22アラルキル基であり、且つn=0または1である。
米国特許第4174343号明細書および英国特許出願公開第1515223号明細書によって開示されたペンタエリスリチルジホスホネート等の、サイクリックビスホスホネート(当該文献において、スピロホスホネートともいわれる)は、以下の構造式によって表され、特に適している:
Figure 2016052739
ここで、上記式中、AおよびAは、独立して、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル基またはナフチル基である。
適切な、窒素を含まない有機リン系化合物(B)は、例えば以下の構造式を有する商標名 AFLAMMIT PCO 900(P含有量24%)として、白色の粉末の形態において市販されている。当該化合物は、微粉末化されていてもされていなくてもよい。
Figure 2016052739
他の環状のリン酸エステルは、仏国特許出願公開第1503429号明細書において開示されている。
窒素を含まない有機リン系化合物(B)の他のサブクラスは、有機亜リン酸エステルからなる。例としては、ジメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、トリメチルホスファイト、ジブチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、ジベンジルホスファイト、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスファイト、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスファイト、トリス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)ホスファイトおよびジフェニルホスファイト等の、アルキルホスファイトおよびアリールアルキルホスファイト(ここで、好ましくは、当該アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有している)が包含される。さらなる例としては、限定されないが、例えば、トリメチロールエタンサイクリックホスファイト(4−メチル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクタンとしても知られる)等のサイクリックホスファイト、並びに、例えば、2−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン(2,3−ブチレンハイドロゲンホスファイト)、2−ヒドロキシ−4−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−ヒドロキシ−4−メチル−1,3,2−ジオキサ−ホスホラン(プロピレンハイドロゲンホスファイト)、2−ヒドロキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン(トリメチレンハイドロゲンホスファイト)、2−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、および2−ヒドロキシ−4−プロピル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン等の、米国特許第3152164号明細書において概説されているサイクリックハイドロゲンホスファイトが包含される。
なお、有機リン系化合物(B)は、有機亜リン酸エステルを除く有機リン系化合物であってもよい。
窒素を含まない有機リン系化合物(B)の他のサブクラスは、エチルホスフィナイト等の有機ホスフィナイト、並びに化学式RR’P(=O)−OMeおよびMeO−PR(=O)−R−PR’(=O)−OMeによって表されるホスフィン酸またはジホスフィン酸の金属塩からなり、ここで、RおよびR’は、独立して、C1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基、C6−16アリール基またはアルアルキル基からなる群から選択され、Meは、周期表のI族(アルカリ)、II族(アルカリ土類、もしくは亜鉛)またはIII族(例えば、アルミニウム)に由来する金属であり、且つRは、C1−6アルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基またはアレーン−ビスアルキレン連結基である。これらの限定されない例としては、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、メチルヘキシルホスフィン酸、エチルフェニルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、エタン−1,2−ジメチルホスフィン酸、エタン−1,2−ジエチルホスフィン酸、エタン−1,2−ジフェニルホスフィン酸およびブタン−1,4−ジメチルホスフィン酸の、アルカリ塩、マグネシウム塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩が挙げられる。
窒素を含まない有機リン系化合物(B)の他のサブクラスは、アルミニウムジエチルホスフィナート等の、ホスフィナートからなる。
本発明の特定の実施形態において、窒素を含まない有機リン系化合物(B)は、ポリオールホスフェートアルコールであってもよい。多くのそのような化合物は、例えば、ビス(ペンタエリスリトールホスフェートアルコール)アルキルホスホネート(ここで、当該アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有している)、または(ペンタエリスリトールホスフェートアルコール)ホスファイトのように、市販されている。これらの臭素化誘導体(例えば、ジブロモネオペンチルグリコールホスフェートまたはペンタエリスリトールダブル−スピロホスホリルダブル−トリブロモネオペンチルアルコールエステル等)もまた、臭素含有量が少ないため、有機リン系化合物(B)として使用され得る。
本発明の他の実施形態において、有機リン系化合物(B)は、窒素を含有している。すなわち、有機リン系化合物(B)は、その構造式中に1つ以上のN原子を含んでいる。この群からの例としては、ホスホルアミデート、ホスホルアミダイト、ホスホンアミド、ホスフィンアミド、および有機ホスファゼンおよびこれらの塩が包含される。
ホスホルアミデートの適切な例としては、下記の構造式によって表される化合物が包含され、これらの全ては、国際公開第2009/153034号によって開示されている:
Figure 2016052739
適切な有機ホスファゼン(イミノホスホランまたはホスフィンイミドとしても知られる)およびこれらの塩(具体的には、クロリドおよびフルオリド)は、リン原子を含み、当該リン原子は、二重結合によってN原子に共有結合し、且つ一重結合によって3つの他の原子またはラジカルに共有結合している。これらの代表的な限定されない例としては、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド、BEMP(2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン)、BTPP((tert−ブチルイミノ)トリス−(ピロリジノ)ホスホラン)、およびt−Bu−P4(3−t−ブチルイミノ−1,1,1,5,5,5−ヘキサキス(ジメチルアミノ)−3{[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン]アミノ}−1λ,3λ,5λ−1,4−トリホスファザジエン)が包含される。適切な環状有機ホスファゼンは、下記の構造式によって表される化合物を包含している:
Figure 2016052739
ここで、上記式中、m=3〜20、およびそれぞれのQ基は、国際公開第2009/055993号によって開示されたような、ホスフェート基か、またはリン原子もしくはハロゲン原子を含有しないアリールオキシ基もしくはアルコキシ基かのいずれかである。これらの種は、下記の構造式(ここで、Ph=フェニル基)において示した化合物DPPPZである:
Figure 2016052739
<2.ヒンダードアミン(C)>
本発明の目標を達成するために、ヒンダードアミン(C)が、有機リン系化合物(B)と選択された重量の比率で組み合わせられる限りは、ヒンダードアミン(C)の選択は厳格には制限されない。当業者に周知のとおり、ヒンダードアミン(C)の多数のサブクラスが存在する。当業者が周知のとおり、当該ヒンダードアミンのこれらのサブクラスの間には、難燃性の多様性があり得るが、ヒンダードアミンが、およそ1.0〜20の範囲の選択された重量の比率(B)/(C)において有機リン系化合物(B)と組み合わせられる場合に、難燃性を顕著に高めることが、本発明者らによって実施された試験から結論付けられ得る。また、本発明は、単一のヒンダードアミン(C)の組込みに制限されず、2種以上のヒンダードアミン(C)の組込みを包含している。これらのヒンダードアミン(C)は、異なるサブクラスに属してもよく、または異なるサブクラスに属していなくてもよい。2種以上のヒンダードアミン(C)の選択は、これらの化合物の親和性によってのみ制限され、そして、当業者によって過度の負担無く容易に決定され得る。当該親和性は、2種以上のヒンダードアミン(C)が有する共通の有機性により、通常は良好である。
本発明の種々の実施形態を説明する目的のために、ヒンダードアミン(C)の適切なサブクラスが以下に記載される。本発明のヒンダードアミン(C)は、そのN原子上に直接的に置換されたOR基(ここで、Rは飽和または不飽和のヒドロカルビル基である)を有している。
本発明の1つの特定の実施形態において、ヒンダードアミン(C)は、少なくともトリアジン成分を含有している。それゆえ、少なくともトリアジン成分を有している適切なN−置換型ヒンダードアミン(文献中で、トリアジン骨格含有ヒンダードアミンとも言われる)の例としては、制限されないが、欧州特許第0889085号明細書によって概説されているような、N,N’,N’’’−トリス{2,4−ビス[(1−ヒドロカルビルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アルキルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、その純粋な異性体、および、それらの架橋された誘導体が包含される。これらのより具体的な例は、欧州特許第0889085号明細書の第2頁32行目〜第4頁6行目に開示されている。適切なトリアジン骨格含有ヒンダードアミン(C)は、商標名 FLAMSTAB NOR 116としてBASF社から、および商標名 HOSTAVIN NOW XPとしてCLARIANT社から市販されている。
さらなる適切なN−置換型ヒンダードアミンは、下記の構造式によって表される:
Figure 2016052739
ここで、上記式中、GおよびGは、独立して、C1−8アルキル基であるか、またはペンタメチレンを伴い;ZおよびZは、それぞれメチル基であるか、またはZおよびZは、共に結合成分を形成し、当該結合成分は、エステル基、エーテル基、アミド基、アミノ基、カルボキシ基またはウレタン基によって付加的に置換されてもよく;且つ、Eは、C1−8アルコキシ基、C5−12シクロアルコキシ基もしくはC7−15アラルコキシ基であるか、またはEは、−O−C(O)−C1−18アルキル基もしくは−O−T−(OH)基であり;Tは、C1−18アルキレン鎖、C5−18シクロアルキレン鎖もしくはC5−18シクロアルケニレン鎖であるか、またはフェニル基もしくはC1−4アルキル置換型フェニル基によって置換された、C1−4アルキレン鎖であり;bがTにおける炭素原子の数を超えない条件で、bは1〜3であり、且つbが2または3であるときに、それぞれのヒドロキシル基は、Tの異なる炭素原子に連結されている。そのような化合物は、欧州特許第2225318号明細書によって概説されている。これらのより具体的な例は、欧州特許第2225318号明細書の第5頁35行目〜第25頁48行目に開示されている。
適切なN−置換型ヒンダードアミン(C)は、下記の構造式によって表される:
Figure 2016052739
ここで、欧州特許第0309402号明細書によって概説されているように、上記式中、Rは、水素またはメチル基であり、且つRは、C1−18アルキル基、C2−18アルケニル基、C2−18アルキニル基、C5−12シクロアルキル基、C5−8シクロアルケニル基、C6−10アリール基およびC7−9アラルキル基からなる群より選択される。これらのより具体的な例は、欧州特許第0309402号明細書の第3頁33行目〜第8頁58行目に開示されている。
さらなる適切なN−置換型ヒンダードアミンは、下記の構造式(Ia)および(Ib)によって表される:
Figure 2016052739
ここで、上記式中、E、Y、W、R〜RおよびG〜Gは、米国特許第8598369号明細書において大まかに規定されているとおりである。これらのより具体的な例は、米国特許第8598369号明細書の実施例1〜12および表1〜5において開示されている。
2種以上の難燃性のヒンダードアミン(C)が、有機リン系化合物(B)と組み合わせられてもよい。本発明の一実施形態において、ヒンダードアミン(C)の粒径は、有機リン系化合物(B)の粒径と近いほうが好ましい。これによって、生じた混合物の均質性が、熱可塑性重合体材料(A)の存在下において容易に確保され得る。
有機リン系化合物(B)としてのサイクリックビスホスホネートおよびヒンダードアミン(C)としてのトリアジン骨格含有ヒンダードアミンの組込みは、使用された難燃剤が少量であったとしても、優れた難燃性(具体的には、燃焼時にドリッピング粒子の発生および有害な気体の発生を防ぐ、優れた難燃性)と、優れた機械的特性、緩衝性および外観との両方を備えている難燃性熱可塑性重合体発泡品を提供し得る点で、より好ましい。下記の構造式によって表されるペンタエリスリチルジホスホネートと、N,N’,N’’’−トリス{2,4−ビス[(1−ヒドロカルビルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アルキルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、その純粋な異性体、およびその架橋された誘導体と、の組込みが、特に好ましい:
Figure 2016052739
ここで、上記式中、AおよびAは、独立して、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル基またはナフチル基である。
<3.重量の比率(B)/(C)>
本明細書において、重量の比率(B)/(C)は、ヒンダードアミン(C)の重量に対する有機リン系化合物(B)の重量の比率を意味する。本発明の目標を達成するために、上記重量の比率(B)/(C)は、1.0以上20以下の範囲であるべきであり、1.9以上10以下の範囲であることが好ましい。当業者は、最適な重量の比率(B)/(C)が、ヒンダードアミン(C)のクラス、有機リン系化合物(B)のクラスおよび選択された熱可塑性重合体材料(A)によって決定されてもよいことを理解する。しかしながら、本明細書において提供されたガイダンスを前提として、当業者は、過度の負担無く、それぞれの状況における最適な範囲を決定し得る。重量の比率(B)/(C)が1.0よりも小さい、または20を超えると、要望どおりに難燃性を高められず、そして特に、燃焼時のドリッピング粒子の発生を抑制できないことを本発明者らは見出した。重量の比率(B)/(C)が1.0よりも小さいまたは20を超えると、加工を著しく困難にするか、またはこれらから生じた発泡熱可塑性重合体材料の他の物理的特性(具体的には、機械的特性および緩衝性)を損なう可能性がある。本発明の一実施形態において、重量の比率(B)/(C)の範囲は、より好ましくは2〜9であり、さらに好ましくは2.0〜4.5である。
上記サイクリックビスホスホネートおよび上記トリアジン骨格含有ヒンダードアミンの組合せにおいて、重量の比率(B)/(C)の適切な範囲は、好ましくは2.0〜8.0であり、より好ましくは2.0〜3.5である。
<4.熱可塑性重合体材料(A)>
本発明の目標を達成するために、熱可塑性重合体材料(A)が、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)と、選択された重量の比率(B)/(C)で組み合わせられ、且つ適切な成形条件または押出し条件のもとで発泡体に融着し得る予備発泡粒子を形成することができる限りは、熱可塑性重合体材料(A)の選択は厳格に制限されない。
適切な熱可塑性重合体材料(A)は、下記のとおりである。
− シクロオレフィン(例えば、シクロペンテンまたはノルボルネン)の重合体、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE))のみならず、モノ−オレフィンおよびジオレフィンの重合体および共重合体(例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン)。なお、本明細書において単に「低密度ポリエチレン」と称する場合、分岐を有する低密度ポリエチレンを意味する。ポリスチレンと比較して、ポリオレフィン系樹脂は、耐薬品性、耐熱性および圧縮後のひずみ回復率に優れ、それゆえ、予備発泡粒子の基材である熱可塑性重合体材料(A)として本発明において好ましく使用される。本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂は、好ましくは、オレフィン単量体のホモ重合体、並びに75〜100重量%のオレフィン単量体(a)、および、それとは異なる25〜0重量%のオレフィン単量体(b)の共重合体である。ベースとなるオレフィン単量体(a)の含有量が75重量%以上である場合は、オレフィン単量体(a)からもたらされた特性が十分に保持されるため好ましい。オレフィン単量体(a)の例は、例えば、2〜12個の炭素原子を有しているα−オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブテン、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1およびデセン−1)である。オレフィン単量体(b)の例は、例えば、シクロペンテンおよびノルボルネン等のサイクリックオレフィン、1,4−ヘキサジエン等のジエンである。上記ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。このような樹脂の場合に、外観および緩衝性に優れたものとなり易い。また、上記ポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。このような樹脂の場合に、外観および緩衝性に加えて機械的特性に優れたものとなり易い。均一の閉じたセル構造を有している予備発泡粒子が容易に取得される観点から、0.5重量%〜15重量%(好ましくは、1重量%〜4重量%)のエチレンおよび85重量%〜99.5重量%(好ましくは、96重量%〜99重量%)のプロピレンを含有しているプロピレン−エチレン共重合体が好ましい。費用、リサイクルの可能性および製造段階の単純性の観点から、架橋されていないポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、およそ0.1〜50g/10分間、特に、およそ0.3〜40g/10分間のメルトインデックス(以下ではMIとも称し、ASTM1238またはISO1133に従って決定される。但し、ポリエチレン系樹脂の場合は、荷重2160g、温度190℃の条件下で測定された値であり、ポリプロピレン系樹脂の場合は、荷重2160g、温度230℃の条件下で測定された値である。)を有していることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂のMIが0.1g/10分間以上である場合は、発泡時の樹脂の流動性が良好であり、且つ発泡が容易である。MIが50g/10分間以下である場合は、適度な流動性を有するため、高い発泡倍率を達成することができる。
− エチレン/アルキルアクリレート共重合体、エチレン/アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート共重合体またはエチレン/アクリル酸共重合体、およびこれらの塩(イオノマー)。
− スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、およびビニルナフタレンを含有している、ビニル芳香族単量体由来の芳香族ホモ重合体および芳香族共重合体。これらのホモ重合体および共重合体は、シンジオタクチック重合体、イソタクチック重合体、ヘミ−イソタクチック重合体またはアタクチック重合体を含んでいる任意の立体構造を有していてもよいが、アタクチック重合体が好ましい。
− 前述のビニル芳香族単量体と、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイミド、ビニルアセテート、ビニルクロリドおよびアクリル誘導体からなる群から選択される1つ以上のコモノマーとを含有している共重合体(例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート);スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのような、スチレンブロック共重合体;ABS重合体、MBS重合体、ASA重合体またはAES重合体として知られる共重合体の混合物等の、ビニル芳香族単量体のグラフト共重合体。
− ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンフルオリド等の、ハロゲン含有熱可塑性重合体。
<5.重量の比率(A)/{(B)+(C)}>
本明細書において、重量の比率(A)/{(B)+(C)}は、ヒンダードアミン(C)および有機リン系化合物(B)の重量の合計に対する、予備発泡重合体材料に含まれている熱可塑性重合体材料(A)の重量の比率を意味する。本発明の目標を達成するために、処理の困難性を伴わずにこれらの3つの必須成分の均質な混合または混合物が取得され得る限りは、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)に対する熱可塑性重合体材料(A)の割合において厳格な制限はない。本発明の一実施形態において、難燃性予備発泡重合体材料は、重量の比率(A)/{(B)+(C)}が、3以上100以下であるものが好ましく、5.6以上90以下であるものがより好ましく、10以上48以下であるものがさらに好ましく、15以上40以下であるものが特に好ましく、そして、22以上35以下であるものが最も好ましい。また、重量の比率(A)/{(B)+(C)}は、3以上89以下であってもよく、5.7以上89以下であってもよい。
重量の比率(A)/{(B)+(C)}が100以下である場合、予備発泡重合体材料は、非ドリッピング性および/または非着火性を十分に発揮する傾向がある。
重量の比率(A)/{(B)+(C)}が3以上である場合、予備発泡重合体材料は、原料コストを抑えることができるのみならず、非常にしわが寄った外観となることを防ぐことができる傾向がある。その結果、このような予備発泡重合体材料から製造した型内発泡成形体は、小さい収縮レベルおよび高い機械強度を示す。
アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネートからなる群より選択される少なくとも1種の、窒素を含有しない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であるヒンダードアミン(C)との組合せにおいて、重量の比率(A)/{(B)+(C)}の適切な範囲は、好ましくは15〜45であり、より好ましくは22〜35である。本発明の予備発泡重合体材料(難燃剤ではない任意の添加物をさらに含む。下記参照)100重量%中におけるこれらの添加物の重量は、好ましくは、以下に限定されるべきである:
− およそ1.0重量%以上10重量%以下、好ましくは1.5重量%以上8.0重量%以下、より好ましくは1.8重量%以上6.0重量%以下、さらに好ましくは1.8重量%以上4.0重量%以下、特に好ましくは2.0重量%以上4.0重量%以下の有機リン系化合物(B)、および
− およそ0.1重量%以上5.0重量%以下、好ましくは0.2重量%以上3.0重量%以下、より好ましくは0.3重量%以上2.0重量%以下のヒンダードアミン(C)。
上記有機リン系化合物の量が1.0重量%よりも少ない、またはヒンダードアミン(C)の量が0.1重量%よりも少ない場合、予備発泡重合体材料は、非ドリッピング性および/または非着火性を失う傾向がある。
上記有機リン系化合物の量が10重量%よりも多い、またはヒンダードアミン(C)の量が5.0重量%よりも多い場合、予備発泡重合体材料は、原料コストが高くなるのみならず、非常にしわが寄った外観となる傾向がある。その結果、このような予備発泡重合体材料から製造した型内発泡成形体は、平均よりも著しく高い収縮レベルおよび著しく弱い機械強度を示す。
本予備発泡重合体材料では、上述のように有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)を用いるため、難燃剤の含有量が少量であっても、優れた難燃性を発現することができる。
また、最も安定した難燃性(ドリッピング粒子の発生を抑制する効果)が発現するという観点から、有機リン系化合物(B)が2.0重量%以上4.0重量%以下であり、且つ、ヒンダードアミン(C)が0.3重量%以上2.0重量%以下であることが好ましい。
いくつかの場合に、熱可塑性重合体材料(A)、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)の選択に応じて、混合物のいわゆるマスターバッチを最初に調製することが有効であるかもしれない。そのような場合は、マスターバッチにおける重量の比率(A)/{(B)+(C)}は、およそ3〜15であってもよい。そしてこのマスターバッチは、所望の最終的な重合体における比率を達成するために、その後さらに追加の量の熱可塑性重合体材料(A)を用いて希釈される。
<6.その他の添加剤>
得られた熱可塑性重合体発泡体の特定の最終用途のために有用である場合は、本発明の難燃性予備発泡重合体材料は、1つ以上の公知の機能性添加物またはフィラーを、これらのタイプの(難燃剤ではない)添加物のための通常の比率にてさらに含有していてもよい。これらの公知の機能性添加物またはフィラーとしては、限定されないが以下のものが挙げられる:
− 例えば、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、トコフェロール、水酸化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O含有ベンジル化合物、N含有ベンジル化合物、S含有ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、アシルアミノフェノール、ヒドロキシフェニルプロピオン酸のアミドおよびエステル等の、抗酸化剤並びにアミノ化抗酸化剤;
− 例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、安息香酸エステル、ニッケル複合体、(本発明の成分(C)とは異なり)N原子に直接的に連結されたOR基を有さないヒンダードアミン、およびオキサミド等の、UV光吸収剤;
− 例えば、メルカプトベンゾイミダゾール等の、過酸化物捕捉剤(Peroxide scavenger);
− 例えば、限定されないが、タルカム、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムおよび硫酸マグネシウム等の、無機核形成剤;例えば、限定されないが、モノカルボン酸またはポリカルボン酸(例えば、アジピン酸またはジフェニル酢酸)およびこれらの塩、イオン共重合体等の、有機核形成剤;
− 例えば、限定されないが、シリケート、ガラス繊維、カオリン、木粉等の、フィラーおよび補強剤;
− 例えば、脂肪酸エステル、ポリエチレンワックス(任意で部分的にけん化されてもよい)、ステアリン酸亜鉛、グリセロールエステル、およびアルカリ土類金属せっけん等の、潤滑剤。
本発明に係る難燃性予備発泡重合体材料は、好ましくは、10kg/m以上300kg/m以下の嵩密度を示す。ある特定の実施形態において、当該嵩密度は、およそ15kg/m以上200kg/m以下、または、およそ20kg/m以上60kg/m以下の範囲である。本発明に係る難燃性予備発泡重合体材料は、好ましくは、50以上1000μm以下、特に100以上500μm以下の範囲の平均セル径を示す。本発明に係る難燃性予備発泡重合体材料における閉じたセルの割合は、およそ90%以上99%以下の範囲であることが好ましい。当該閉じたセルの割合が90%以上であれば、当該発泡粒子から調製された発泡製品は、収縮しにくく、そして溶融接着性が向上する傾向がある。
本発明の一実施形態において、使用される量に応じて、得られる発泡体を灰色または黒色にするために、難燃性予備発泡重合体材料は、カーボンブラックをさらに含有していてもよい。欧州特許出願公開第2611860号明細書の教示とは対照的に、0.01重量%以上6重量%未満のカーボンブラックは、予備発泡熱可塑性材料およびこれから製造した発泡製品の難燃性を顕著に変更しないまたは損なわないことが見出された。
なお、カーボンブラックの含有量は、難燃性を損なわないという観点および均一な着色という観点からは、0.01重量%以上2重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以上0.5重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上0.5重量%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の一実施形態において、使用される量に応じて、得られる発泡体の難燃性を強化するために、難燃性予備発泡重合体材料は、粉状活性炭をさらに含有していてもよい。欧州特許出願公開第2611860号明細書の教示と一致して、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)を伴った0.5重量%以上3重量%以下の粉状活性炭(PAC)は、予備発泡熱可塑性材料およびこれから製造した発泡製品の難燃性を維持するか、またはさらに一層高めることができることが見出された。
なお、粉状活性炭の含有量は、難燃性をさらに向上させるという観点からは、0.8重量%以上2.8重量%以下であることがより好ましく、1重量%以上2.5重量%以下であることがさらに好ましい。
<7.予備発泡重合体材料の製造方法>
大まかに言うと、本発明の難燃性予備発泡重合体材料は、以下の工程を包含している方法によって製造されてもよい:
− 熱可塑性重合体材料(A)と、リン酸エステル、ホスフェートまたはトリアリールホスフィンオキシドではない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基(ここで、Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である)を有するヒンダードアミン(C)との混合物を提供する工程であって、重量の比率(B)/(C)は、1.0〜20であり、且つ重量の比率(A)/{(B)+(C)}は任意で3〜89(より好ましくは10〜48)である、工程;
− 上記混合物に、水性分散液中にて、揮発性の発泡剤を高温および高圧条件で含浸させる工程;および、
− 上記発泡剤を含浸させた混合物を、大気圧まで減圧させる工程。
なお、上述のように予備発泡重合体材料100重量%中、有機リン系化合物(B)が1.0重量%以上10重量%以下、ヒンダードアミン(C)が0.1重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。
この方法の枠組みの中で、上述したように、熱可塑性重合体材料(A)、有機リン系化合物(B)、およびヒンダードアミン(C)のそれぞれの特定の実施形態が適用可能である。本発明の製造方法は、以下に詳細に説明される。
予備発泡において使用しやすくなるように、例えば、押出し機、混練機、バンバリーミキサーまたはロールミルにおける溶融、並びに所望の形状(例えば、球形、立方体、平行6面体または円柱状等)且つ0.1〜10mm、好ましくは0.7〜5mmの平均粒径を有している粒子に形作ることによって、重合体樹脂は、通常、所望の粒子の形状に加工される。樹脂粒子を調製する工程において、有機リン系化合物(B)、ヒンダードアミン(C)および任意にカーボンブラックおよび/または粉状活性炭(PAC)等の他の添加物が、この溶融された樹脂に添加される。
本発明の熱可塑性重合体予備発泡粒子の調製方法は、特に限定されないが、当業者に公知の処理工程を適用可能である。例えば、予備発泡粒子は、熱可塑性重合体樹脂粒子(A)を水性分散媒(通常は、水)に、加圧容器内で分散させて分散液を形成し、その後、撹拌しながら当該粒子に発泡剤を含浸させ、加圧下で当該分散液を所定の発泡温度まで加熱し、且つ当該分散液を低圧力域に放出し、これによって当該粒子を発泡させることによって製造されてもよい。
発泡を達成するために、揮発性の発泡剤が使用され、そして様々な手段によって組み込まれ得る。当該発泡剤の化学的性質に関して、種々のタイプの発泡剤が知られている。適用可能な発泡剤の1つのクラスは、炭化水素であり、当該炭化水素は、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、もしくはn−ヘプタン等の直鎖アルケン、または、例えばイソブタン等の分岐アルケン、または、例えば、シクロブタン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等のシクロアルカンであり得る。ハロゲン化炭化水素もまた、発泡剤として使用され得る。当該ハロゲン化炭化水素としては、クロロジフルオロメタン、ジクロロメタン、ジクロロフルオロメタン、クロロエタン、およびジクロロトリフルオロエタンが包含される。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはn−ブタノール等のアルカノールもまた使用可能である。3,3−ジメチル−2−ブタノンおよび4−メチル−2−ペンタノン等のケトンもまた、発泡剤として知られている。エーテルおよびエステルの使用もまた、当該分野において知られている。例えば、二酸化炭素、空気、窒素、イソブタンまたは希ガス等の、室温で気体である発泡剤が好ましい。上述した発泡剤の混合物も同様に使用し得る。なお、前記水性媒体中の水も発泡剤として作用させることができる。
発泡剤の量は特に限定されず、製造される予備発泡粒子の発泡の望まれる程度に従って、適切に選択される。しかしながら、発泡剤は、一般に、熱可塑性重合体樹脂粒子100重量部あたり、5〜50重量部の量にて使用される。
熱可塑性重合体粒子の水性分散液の調製において、例えば、第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムまたはカオリン等の分散剤が使用されてもよい。例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、n−パラフィンスルホン酸ナトリウムまたはα−オレフィンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤もまた、分散助剤として使用されてもよい。これらは、単独で使用されてもよく、またはこれらの混合物において使用されてもよい。そのような分散剤および界面活性剤の量は、その種類、並びに使用される熱可塑性重合体粒子の種類および量に応じて変わる。通常、分散剤の量は、水100重量部あたり、0.2〜3重量部であり、そして界面活性剤の量は、水100重量部あたり、0.001〜0.1重量部である。水のような水性分散媒に分散されるべき重合体粒子は、水への良好な分散を達成するために、一般に、水100重量部あたり、20〜100重量部の量において使用される。
通常、熱可塑性重合体粒子は、当該粒子の水性分散液を形成するために、水および発泡剤と共に加圧容器内に導入され、そして高温(例えば、使用する重合体樹脂の軟化点よりも高い温度)にて発泡剤を含浸させられる。熱可塑性重合体材料(A)の性質に応じて、この温度は、好ましくは、およそ100℃〜170℃の間である。また、発泡剤を含浸する際の圧力は、好ましくは、5bar(ゲージ圧)〜50bar(ゲージ圧)(0.5MPa(ゲージ圧)〜5MPa(ゲージ圧))の間である。発泡剤を含有している重合体粒子の分散物は、その後、加圧下で、加圧容器内で発泡温度まで加熱され、そしてその後、およそ2〜10mmの直径の開口を有しているオリフィス板を通して、当該容器からより低い圧力の雰囲気に放出され、これによって、重合体樹脂粒子が発泡して、本発明の重合体予備発泡粒子が生じる。上記発泡温度は、一般に、110〜160℃である。上記発泡圧は、所定の発泡倍率に従って最初に選択され、そして好ましくは5〜50bar(ゲージ圧)(0.5〜5MPa(ゲージ圧))である。上記の圧力および温度に耐えられる限りは、使用される加圧容器における特定の制限はない。代表的な容器は、オートクレーブ型の圧力容器である。
代わりの押出発泡工程において、上記重合体は、押出機内で溶解されながら、押出機内に導入される発泡剤と混合される。この混合物は、例えば、水中ペレット化によって、大気条件または加圧条件において、押し出されてペレット化され得る。押出発泡体および得られた製品は、重合体予備発泡粒子である。
本発明の発泡熱可塑性重合体製品は、(上記に規定したように)種々の添加物をさらに含有していてもよく、当該添加物は、種々の製造工程において、熱可塑性重合体材料(A)に組み込まれてもよい。例えば、重合体の懸濁した小粒を含む含浸工程において、発泡剤による発泡と同時に添加剤を組み込むことが可能である。添加剤を組み込むために、発泡と同時または発泡剤を用いた発泡よりも前に、特定の押出工程を実行することも可能である。
本発明に係る方法を実行する好ましい方法において、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)は、押出機内で溶融されながら、熱可塑性重合体材料(例えば、ポリオレフィン)(A)の小粒に組み込まれる。この後に、熱可塑性重合体材料(A)、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)、並びに任意で他の添加物を含有している材料は、押し出され、そしてその後、小さなペレットに変形される。これらの小さなペレットは、その後、およそ5〜50bar(ゲージ圧)(0.5〜5MPa(ゲージ圧))の範囲の圧力、および、およそ100〜170℃の範囲の温度にて、発泡工程に供される。
限定されないが、例えば、リン酸三カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、金属の炭酸塩およびカオリン等の懸濁補助物質が使用され得る。他の可能な懸濁補助物質は、ポリビニルアルコールおよびスルホン酸塩系界面活性剤を包含する。これらの材料は、加圧容器内のポリオレフィンの小粒の分散を促進する。
<8.発泡成形体およびその製造方法>
本発明はまた、本明細書中に開示した難燃性予備発泡重合体材料の型内発泡または押出発泡によって調製した難燃性発泡品に関する。
本発明の重合体樹脂予備発泡粒子の型内発泡のために、公知の方法を使用してもよい。その例は、(1)予備発泡粒子を直接使用する方法;(2)空気のような無機気体を予備発泡製品にあらかじめ注入することによって発泡能を付与する方法;および(3)加圧状態において、予備発泡粒子で型枠を満たす方法を包含している。
本発明の重合体樹脂予備発泡粒子から型内発泡成形体を形成する方法の一例は、当該粒子に空気を注入してこれによって発泡能を付与するために、当該予備発泡粒子を予め圧力容器内で空気圧縮する工程、封入することができるが、その内部を密封することができない型枠を、予備発泡粒子で満たす工程、重合体樹脂予備発泡粒子同士を融着させるために、蒸気等の加熱媒体を用いて、およそ1.5〜4bar(ゲージ圧)(0.15〜0.4MPa(ゲージ圧))の範囲の加熱蒸気圧にて、およそ3〜30秒の範囲の加熱時間内で、当該粒子を成形する工程、型内発泡成形体を型枠から取り出した後の当該型内発泡成形体の変形を抑制し得るレベルまで、水を用いて型枠を冷却する工程、および型内発泡成形体を取得するために型枠を開く工程を包含している。
得られた発泡品は、その非常に低い密度から考えて、優れた難燃性または自消性、並びに顕著な機械的性質および突出した緩衝性およびエネルギー吸収性を示す。それゆえ、この発泡品は、種々の産業の分野、特に、例えば、旅客輸送産業(例えば、FMVSS 302、ISO 3795、UN/ECE/324 Reg.118、EN 45545−2、FAR 25.853、およびIMO安全基準等の、1つ以上の安全基準を満たすことが要求される可能性がある、車両の内装部分)、電気および電子産業(例えば、UL94、ISO 9772およびISO 9773等の、1つ以上の安全基準を満たすことが要求される可能性がある、電気および電子装置並びに電気および電子機器のためのプラスチック部分)、並びに建築業(例えば、ISO 11925−2、EN 13823、ISO 1182、ISO 1716、NF 92−501およびDIN 4102等の、1つ以上の安全基準を満たすことが要求される可能性がある、ボイラーおよび暖房装置のための筐体、並びに換気装置のためのパイプのような暖房、換気および空気調節のためのプラスチック要素)等の、難燃性または非ドリッピング性を要求する技術分野において、好適に使用され得る。例えば、型内発泡成形体は、車両において用いられる部品、建物において用いられる部品、構築物において用いられる部品、家具において用いられる部品、電気機器において用いられる部品および電子機器において用いられる部品であってもよい。
本発明の主たる利点は、下記のとおりである:
− 連続的な、半連続的な、または非連続的な操作の容易性、
− 要求された水準の難燃性を達成するための容易性、
− 良好な機械的特性、緩衝性および外観を有している発泡体、
− 良好な成形性または押出し性を示し、且つ燃焼時に有害な気体を発生しない発泡体、
− 安価で且つ容易に入手可能な原料を、より高付加価値の材料または成形品にリサイクルする可能性、
− 標準的な製造設備および製造手順を用いる処理、
− エネルギー消費をほとんど要求しない製法。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は以下のように構成することもできる。
(1)(A)熱可塑性重合体材料と、(B)有機リン系化合物と、(C)N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である、ヒンダードアミンと、を含み、
上記有機リン系化合物は、リン酸エステル、ホスフェートまたはトリアリールホスフィンオキシドではなく、重量の比率(B)/(C)は1.9以上10以下である、難燃性予備発泡重合体材料。
(2)重量の比率(A)/{(B)+(C)}が3以上100以下である、(1)に記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(3)上記有機リン系化合物(B)が窒素を含有していない、(1)または(2)に記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(4)上記窒素を含有しない有機リン系化合物(B)が、有機亜リン酸エステル;アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネート;ホスフィナート、ホスフィナイト、ホスフォナイト、およびそれらの塩;および、ポリオールホスフェートアルコールからなる群より選択される少なくとも1種である、(3)に記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(5)上記有機リン系化合物(B)が窒素を含有している、(1)または(2)に記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(6)上記窒素を含有している有機リン系化合物(B)が、ホスホルアミデート、ホスホルアミダイト、ホスホンアミド、ホスフィンアミド、および有機ホスファゼンおよびこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、(5)に記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(7)上記窒素を含有しない有機リン系化合物(B)は、サイクリックビスホスホネートであり、上記ヒンダードアミン(C)は、トリアジン骨格含有ヒンダードアミンである、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(8)上記サイクリックビスホスホネートは、以下の構造式で表されるペンタエリスリチルジホスホネートであり、
Figure 2016052739
(ここで、AおよびAは、独立してC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル基またはナフチル基である)
上記トリアジン骨格含有ヒンダードアミンは、N,N’,N’’’−トリス{2,4−ビス[(1−ヒドロカルビルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アルキルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、その純粋な異性体、および、それらの架橋された誘導体である、(7)に記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(9)10kg/m以上300kg/m以下の嵩密度および/または50μm以上1000μm以下の平均セル径を有する、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(10)0.01重量%以上0.5重量%以下のカーボンブラックおよび/または0.5重量%以上3重量%以下の粉状活性炭をさらに含んでいる、(1)〜(9)のいずれか1つに記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(11)上記熱可塑性重合体材料(A)が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(プロピレン−コ−エチレン)、ポリスチレンおよびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種である、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の難燃性予備発泡重合体材料。
(12)(1)〜(11)のいずれか1つに記載の難燃性予備発泡重合体材料を型内発泡または押出発泡して得られたものである、難燃性発泡品。
(13)車両において用いられる部品、建物において用いられる部品、構築物において用いられる部品、家具において用いられる部品、電気機器において用いられる部品および電子機器において用いられる部品からなる群より選択される、(12)に記載の難燃性発泡品。
(14)(1)〜(11)のいずれか1つに記載の難燃性予備発泡重合体材料の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
− 熱可塑性重合体材料(A)と、リン酸エステル、ホスフェートまたはトリアリールホスフィンオキシドではない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基(ここで、Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である)を有するヒンダードアミン(C)との混合物を提供する工程であって、重量の比率(B)/(C)は、1.9以上10以下である、工程;
− 上記混合物に、水性懸濁液中にて、揮発性の発泡剤を高温および高圧条件で含浸させる工程;および、
− 上記発泡剤を含浸させた混合物を、大気圧まで減圧させる工程。
下記の実施例は、そのもたらされた利点のいくつかを例証するだけでなく、本発明を説明および例証するために与えられる。
<実施例1〜8および比較例9>
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:2.2重量%、メルトインデックス:8.0g/10分間)を、下記の表1に示した重量において、有機リン系化合物(Thor GmbH社が提供している、商標 AFFLAMMIT PCO900)およびヒンダードアミンエーテル難燃剤(BASF社が提供している、商標 FLAMSTAB NOR116)、並びにカーボンブラックまたは粉状活性炭(PAC)と混合し、そして、混合した全ての成分の量が100重量%となるような量で、核形成剤、抗酸化剤およびUV吸収剤を混合した。実施例2で使用したPACのメジアン粒子径は、およそ3μmであり、且つその内部表面積は、およそ1000m/gであった。得られた混合物をツインスクリュー押出機によって混練して1粒子あたり1.2mgの重さを有している樹脂粒子を形成した。得られた樹脂粒子の融点は、150℃であった。
10リットルの加圧容器を、100重量部の樹脂粒子、表1に記載の発泡剤、および分散媒(1.3重量部の粉状塩基性第三リン酸カルシウムおよび0.02重量部のn−パラフィンスルホン酸ナトリウムを含有している150重量部の水)で満たした。生じた水性分散液を、表1に示した発泡温度まで加熱し、且つ発泡剤の容器への追加導入によって発泡圧(ゲージ圧)まで加圧した。窒素ガスを導入することによって容器内部の圧力をその圧力に維持しながら、圧力容器の下方部分に設けられたバルブを開け、直径4.5mmの開口を有しているオリフィス板を通して、水性分散液を大気中に放出して、予備発泡粒子を生じさせた。この予備発泡粒子を評価した。この予備発泡粒子を、圧力容器内に置き、そして空気圧によって圧縮した。そして、圧縮した粒子を、少なくとも10%の圧縮率で、370×370×60mmのサイズの型枠に充填した。この粒子を、その後、1.5〜3.0bar(ゲージ圧)(0.15〜0.3MPa(ゲージ圧))の蒸気を用いて20秒間加熱(この内5秒間は両面加熱によって3.0bar(ゲージ圧)(0.3MPa(ゲージ圧))で加熱)して、粒子同士を融着させた。得られた型内発泡成形体を評価した。
<比較例1>
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:2.2重量%、メルトインデックス:8.0g/10分間)を、下記の表1に示した重量において、カーボンブラックと混合し、そして、混合した全ての成分の量が100重量%となるような量で、核形成剤、抗酸化剤およびUV吸収剤を混合した。得られた混合物をツインスクリュー押出機によって混練して1粒子あたり1.2mgの重さを有している樹脂粒子を形成した。得られた樹脂粒子の融点は、150℃であった。
10リットルの加圧容器を、100重量部の樹脂粒子、および分散媒(1.0重量部の粉状塩基性第三リン酸カルシウムおよび0.02重量部のn−パラフィンスルホン酸ナトリウムを含有している150重量部の水)で満たした。生じた水性分散液を、表1に示した発泡温度まで加熱した後、容器へ空気を導入することによって発泡圧(ゲージ圧)まで加圧した。窒素ガスを導入することによって容器内部の圧力をその圧力に維持しながら、圧力容器の下方部分に設けられたバルブを開け、直径4.5mmの開口を有しているオリフィス板を通して、水性分散液を大気中に放出して、予備発泡粒子を生じさせた。この予備発泡粒子を評価した。次いで、実施例1と同様にして型内発泡成形を行い、得られた型内発泡成形体を評価した。
<比較例2、7および8>
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:2.2重量%、メルトインデックス:8.0g/10分間)を、下記の表1に示した重量において、ヒンダードアミンエーテル難燃剤(BASF社が提供している、商標 FLAMSTAB NOR116)、およびカーボンブラックと混合し、そして、混合した全ての成分の量が100重量%となるような量で、核形成剤、抗酸化剤およびUV吸収剤を混合した。得られた混合物をツインスクリュー押出機によって混練して1粒子あたり1.2mgの重さを有している樹脂粒子を形成した。得られた樹脂粒子の融点は、150℃であった。
10リットルの加圧容器を、100重量部の樹脂粒子、および分散媒(1.5重量部の粉状塩基性第三リン酸カルシウムおよび0.03重量部のn−パラフィンスルホン酸ナトリウムを含有している300重量部の水)で満たし、脱気した後、15重量部のイソブタンを撹拌しながら密閉容器内に流し込んだ。生じた水性分散液を、表1に示した発泡温度まで加熱した後、この容器内の圧力を、イソブタンを容器内に注入することによって、表1に示した所定の発泡圧(ゲージ圧)まで調整した。窒素ガスを導入することによって容器内部の圧力をその圧力に維持しながら、圧力容器の下方部分に設けられたバルブを開け、直径4.5mmの開口を有しているオリフィス板を通して、水性分散液を大気中に放出して、予備発泡粒子を生じさせた。この予備発泡粒子を評価した。次いで、実施例1と同様にして型内発泡成形を行い、得られた型内発泡成形体を評価した。
<比較例3〜4>
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:2.8重量%、メルトインデックス:6.0g/10分間、融点:145℃)を、下記の表1に示した重量において、リン酸エステル(DAIHACHI CHEMICAL INDUSTRY CO., LTD.が提供している、商標 PX−200(分子量:687、P%:9.0%))およびヒンダードアミンエーテル難燃剤(BASF社が提供している、商標 FLAMSTAB NOR116)、並びにカーボンブラックと混合し、そして、混合した全ての成分の量が100重量%となるような量で、核形成剤、抗酸化剤およびUV吸収剤を混合した。この混合物を50mm φのシングルスクリュー押出機によって混練し、そして粒状化してポリオレフィン系樹脂粒子(1粒子あたり1.2mg)とした。
PX−200は、下記の一般式によって表される。
Figure 2016052739
10Lの密閉容器を、100重量部の上述のように製造された樹脂粒子、10重量部のイソブタン、300重量部の水、1.6重量部の粉状第三リン酸カルシウム、および0.03重量部のn−パラフィンスルホン酸ナトリウムで満たし、そして、この密閉容器内を、表1に示した発泡温度まで加熱した。その後、この容器内の圧力を、イソブタンを容器内に注入することによって、表1に示した所定の発泡圧(ゲージ圧)まで調整した。その後、容器内の圧力を、窒素を用いて維持しながら、4.0mm φ直径の開口を有しているオリフィス板を通してこの水性分散液を大気中に放出するように、この密閉容器の下方部分に設けられたバルブを開け、これによってポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を提供した。このポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を上述したように評価した。表1は、その結果を示す。
次に、上述のように製造したこのポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を、0.1Nの塩酸溶液を用いて洗浄した。さらに、この予備発泡粒子を圧力容器内に置き、空気加圧することで2bar(絶対圧)(0.2MPa(絶対圧))の内圧を付与した(発泡能を付与した)。その後、この予備発泡粒子を400mm×300mm×60mmの型枠に充填し、両面加熱時に2.8bar(ゲージ圧)(0.28MPa(ゲージ圧))の蒸気を用いて10秒間加熱し、粒子同士を融着させて、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を形成した。
得られた型内発泡成形体を評価した。
<比較例5〜6>
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:2.1重量%、メルトインデックス:7.1g/10分間、融点:143℃)を、下記の表1に示した重量において、トリフェニルホスフィンオキシド(K.I Chemical Industry Co., Ltd.が提供している、商標 PP−560(P%:11.13%))およびヒンダードアミンエーテル難燃剤(BASF社が提供している、商標 FLAMSTAB NOR116)、並びにカーボンブラックと混合し、そして、混合した全ての成分の量が100重量%となるような量で、ポリエチレングリコール、核形成剤、抗酸化剤およびUV吸収剤を混合した。得られた混合物を押出機に供給し、210℃の樹脂温度で溶融混練し、そして押出機の端部に設けられた円筒ダイ(1.8mmの直径)を用いて押し出し、その後、水を用いて冷却し、そしてカッターによって切断して、円筒型のポリプロピレン系樹脂粒子(1粒子あたり1.2mg)を取得した。
200Lの密閉容器に、100重量部の得られたポリプロピレン系樹脂粒子、200重量部の純水、0.6重量部の第三リン酸カルシウム、および0.04重量部のn−パラフィンスルホン酸ナトリウムを流し込み、脱気し、そして7重量部の二酸化炭素を撹拌しながらこの密閉容器内に流し込んだ。その後、生成物を150℃まで加熱した。このときの密閉容器内の圧力は、29bar(ゲージ圧)(2.9MPa(ゲージ圧))であった。
直ちに、この密閉容器の下方部分に設けられたバルブを開けることによって、3.5mmの直径を有しているオリフィス板を通して水性分散液(樹脂粒子および水系分散媒)を大気圧に放出して、予備発泡粒子を取得した。この場合、水性分散液の放出の間に圧力が低減することを防ぐために、二酸化炭素によって圧力を保持した。
板状のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を、ポリオレフィン発泡成形装置P150N(Toyo Machinery & Metal Co., Ltd.によって製造)を用いて、以下のように取得した;耐圧力容器内で空気加圧によって2.0bar(絶対圧)(0.2MPa(絶対圧))の内圧を付与したポリプロピレン樹脂予備発泡粒子を、プレート型の型枠(長さ400mm×幅300mm×厚さ60mm)に導入した;そして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を、両面加熱時に2.8bar(ゲージ圧)(0.28MPa(ゲージ圧))の圧力を有している蒸気を用いて10秒間加熱して融着させた。
得られた型内発泡成形体を評価した。
本明細書中に明記した方法に従って評価した後に得られた結果は、下記の表2に示したとおりである。実施例1〜8および比較例1〜9は、有機リン系化合物(B)およびヒンダードアミン(C)の重合体予備発泡粒子への組込みによって、驚くべきことに、この予備発泡粒子から得られた成形体の難燃性および非ドリッピング性が改善されることを示している。
ヒンダードアミン(C)を含むが有機リン系化合物(B)を含まない比較例2、7および8、並びに有機リン系化合物(B)を含むがヒンダードアミン(C)を含まない比較例9は、いずれもドリッピング粒子が発生しており、また、綿への着火が確認された。比較例7および8を比較すると、有機リン系化合物(B)を含まない場合、ヒンダードアミン(C)の含有量を増加させてもドリッピング粒子の発生を改善できないことがわかる。また、比較例2および7を比較すると、ヒンダードアミン(C)を含むが有機リン系化合物(B)を含まない場合に、カーボンブラックを追加すると、難燃性が低下することがわかる。さらに、比較例2および実施例5は、カーボンブラックを含有し、難燃剤の総量が等しいが、ヒンダードアミン(C)を含むが有機リン系化合物(B)を含まない比較例2ではドリッピング粒子の発生および綿の着火が確認されるのに対し、ヒンダードアミン(C)および有機リン系化合物(B)を含む実施例5では難燃性が著しく改善されている。
なお、上述のように、難燃性添加物としてトリアジン骨格含有ヒンダードアミンエーテルを含有している熱可塑性重合体発泡品は自消性を示すが、燃焼時にドリッピング粒子を生じることが知られていた(例えば、特許文献5参照)。従って、ドリッピング粒子の発生を抑制するという観点からヒンダードアミン(C)を用いるということは従来技術から容易に想到できることではない。また、ヒンダードアミン(C)および有機リン系化合物(B)を特定の重量の比率にて用いることによってドリッピング粒子の発生を抑制することができるということは、従来技術からは予測できない驚くべき効果である。
<評価方法>
(予備発泡粒子の嵩密度)
10リットル(L)の容積V1を備えた容器を、乾燥させた予備発泡粒子で満たし、そして、当該粒子の重さW1(g)を正確に測定した。予備発泡粒子の嵩密度D(g/L)は、以下の方程式に従って計算した:D=W1/V1=W1/10。
(型内発泡成形体の密度)
表2に示した型内発泡成形体の見掛けの密度MD(g/L)は、当該発泡成形体の重さW2(g)を当該発泡成形体の体積V2(L)で割ることによって計算した:MD=W2/V2。
(燃焼性およびドリッピング性)
燃焼性およびドリッピング性は、UL94“水平燃焼発泡材料試験”に従って測定および評価した。
10個の試料を、150±5mm×50±1mm×13mmのサイズで、150mm×50mmの表面のスキン層を残したまま型内発泡成形体から切り取った。それぞれの試料に対して、一端から25mm、60mmおよび125mmにおける3本の線によって、幅方向に印をつけた。5個の試料の1セットを、試験の直前まで、最短48時間、23±2℃且つ50±5%相対湿度にて前処理した。5個の試料の第2のセットを、70±2℃にて168時間オーブン内で前処理し、その後23±2℃および50±5%相対湿度にて、少なくとも4時間、デシケータ内で冷却した。後者の前処理手順は、材料のエイジングをシミュレートした。
試験設備は試料支持金網を含み、当該試料支持金網は、主要部分が水平であり、そしてバーナーのウイングチップの先端の13±1mm上方、且つ100パーセント脱脂綿の水平層の175±25mm上方になるように、支持具に保持されており、そしておよそ50×50mm且つ6mmの最大厚さになるように薄くされている。上記綿は、金網の最前部の上を向いた部分の下に配置した。試験の開示時に、ウイングチップを備えているバーナーにメタンガスを供給し、燃焼させて、38mmの高さを有する青色の炎を作り出した。次いで、外側の高密度のスキン層を有している側が下向きになるように、試料を支持金網上に水平に配置した。炎を60秒間当てて、その後試料を離した。
下記の情報を、試験中に記録した。そして表2に提示する:
(a)残炎時間(秒)(炎を取り除いた後に、火炎が消えた時間)。
(b)残じん時間(秒)(炎を取り除いた後に、赤熱した状態(glowing)が終了した時間)。
(c)炎が当てられた試料の端部から125mmマークまでの、試料が燃焼した総距離(L)(mm)。
(d)試料が粒子を落としたか否か。
(e)ドリッピング粒子によって試験試料の下に配置した乾燥した脱脂綿が着火されたか否か。
Figure 2016052739
Figure 2016052739
本発明は、例えば、輸送、建物、構築物、家具、電気機器および電子機器等の、難燃性または自消性が要求される種々の分野において利用することができる。

Claims (15)

  1. アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネートからなる群より選択される少なくとも1種の、窒素を含有しない有機リン系化合物(B)と、
    N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である、ヒンダードアミン(C)と、
    を含んでいるポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子であって、
    上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子100重量%中、上記有機リン系化合物(B)が1.0重量%以上10重量%以下、上記ヒンダードアミン(C)が0.1重量%以上5.0重量%以下含まれており、
    上記ヒンダードアミン(C)の重量に対する有機リン系化合物(B)の重量の比率((B)/(C))は、1.0以上20以下である、ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  2. 上記ヒンダードアミン(C)および上記有機リン系化合物(B)の重量の合計に対する、上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子に含まれているポリオレフィン系樹脂(A)の重量の比率((A)/{(B)+(C)})は、3以上89以下である、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  3. 上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子100重量%中、上記有機リン系化合物(B)が2.0重量%以上4.0重量%以下、上記ヒンダードアミン(C)が0.3重量%以上2.0重量%以下含まれている、請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  4. 上記ヒンダードアミン(C)および上記有機リン系化合物(B)の重量の合計に対する、上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子に含まれているポリオレフィン系樹脂(A)の重量の比率((A)/{(B)+(C)})は、22以上35以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  5. 上記有機リン系化合物(B)は、サイクリックビスホスホネートであり、
    上記ヒンダードアミン(C)は、トリアジン骨格含有ヒンダードアミンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  6. 上記サイクリックビスホスホネートは、以下の構造式で表されるペンタエリスリチルジホスホネートである、請求項5に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子:
    Figure 2016052739
    (ここで、AおよびAは、独立してC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル基またはナフチル基である)。
  7. 上記トリアジン骨格含有ヒンダードアミンは、N,N’,N’’’−トリス{2,4−ビス[(1−ヒドロカルビルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アルキルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、その純粋な異性体、および、それらの架橋された誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいる、請求項5または6に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  8. 10kg/m以上300kg/m以下の嵩密度および/または50μm以上1000μm以下の平均セル径を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  9. 0.01重量%以上6重量%以下のカーボンブラックおよび/または0.5重量%以上3重量%以下の粉状活性炭をさらに含んでいる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  10. 上記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  11. 上記ポリプロピレン系樹脂が、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項10に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたものである、型内発泡成形体。
  13. 車両において用いられる部品、建物において用いられる部品、構築物において用いられる部品、家具において用いられる部品、電気機器において用いられる部品および電子機器において用いられる部品からなる群より選択される、請求項12に記載の型内発泡成形体。
  14. ポリオレフィン系樹脂(A)と、アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネートからなる群より選択される少なくとも1種の、窒素を含有しない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である、ヒンダードアミン(C)との混合物を提供する工程と、
    上記混合物に、水性分散液中にて、揮発性の発泡剤を高温および高圧条件で含浸させる工程と、
    上記発泡剤を含浸させた混合物を、大気圧まで減圧させる工程と、を含むポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法であって、
    上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子100重量%中、上記有機リン系化合物(B)が1.0重量%以上10重量%以下、上記ヒンダードアミン(C)が0.1重量%以上5.0重量%以下含まれており、
    上記ヒンダードアミン(C)の重量に対する上記有機リン系化合物(B)の重量の比率((B)/(C))は、1.0以上20以下である、ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  15. ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を、型内発泡成形する工程を含む型内発泡成形体の製造方法であって、
    上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子は、アルキルホスホン酸およびアリールホスホン酸、並びにそれらのエステル;サイクリックホスホネート;サイクリックビスホスホネートからなる群より選択される少なくとも1種の、窒素を含有しない有機リン系化合物(B)と、N原子上に直接的に置換されたOR基を有するヒンダードアミンであって、上記Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である、ヒンダードアミン(C)と、を含んでおり、
    上記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子100重量%中、上記有機リン系化合物(B)が1.0重量%以上10重量%以下、上記ヒンダードアミン(C)が0.1重量%以上5.0重量%以下含まれており、
    上記ヒンダードアミン(C)の重量に対する有機リン系化合物(B)の重量の比率((B)/(C))は、1.0以上20以下である、型内発泡成形体の製造方法。
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