JPWO2016043084A1 - 発光素子および発電素子 - Google Patents

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Abstract

光取り出し構造を有する発光素子であって、第1および第2の電極と、該第1および第2の電極の間に配置された発光層とを有し、前記第1の電極と前記発光層の間、または前記第2の電極と前記発光層の間には、無機材料の層が配置され、前記無機材料の層は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下である、発光素子。

Description

本発明は、例えば、有機LED素子のような発光素子、および発電素子に関する。
有機LED(Light Emitting Diode)素子のような発光素子は、ディスプレイ、バックライト、および照明用途等に幅広く用いられている。
一般的な発光素子は、基板上に設置された第1の電極と、第2の電極と、これらの電極間に設置された発光層とを有する。両電極間に電圧を印加すると、それぞれの電極から、発光層にホールおよび電子が注入される。このホールと電子が発光層内で再結合された際に、結合エネルギーが生じ、この結合エネルギーによって発光層中の発光材料が励起される。励起した発光材料が基底状態に戻る際に発光が生じるため、これを利用することにより、光を外部に取り出すことができる。
最近では、発光素子の光取り出し効率を高めるため、発光素子に各種光取り出し構造を設けることが提案されている。
例えば、特許文献1には、ガラス基板と透明電極の間に、高屈折率の散乱層を設けた場合、発光素子からの光取り出し効率が向上することが示されている。また、特許文献2〜4には、それぞれ、光取り出し構造として、回折構造、コルゲート構造、および低屈折率層を使用し、発光素子の光取り出し効率を高めることが示されている。
国際公開第WO09/017035号 特表2012−512518号公報 特開2009−9861号公報 特開2004−182490号公報
前述のように、これまでに、発光素子の光取り出し効率を高めるため、発光素子に各種光取り出し構造を設けることが提案されている。
しかしながら、光取り出し構造を有する発光素子の製造過程中に、しばしば、表面に異物が残存する場合がある。
このような異物が存在すると、その後の成膜工程において、形成される層の平坦性および均一性が悪くなるおそれがある。そして、各層の平坦性および均一性が低下すると、発光層を介して離間されるべき2つの電極の間で短絡してしまう危険性が高くなる。そのような場合、最終的に得られる発光素子に、所望の特性が得られなくなってしまう。このような課題は、発電素子においても同様である。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、第1の電極と第2の電極の間で、短絡が生じ難い発光素子を提供することを目的とする。
また、本発明では、第1の電極と第2の電極の間で、短絡が生じ難い発電素子を提供することを目的とする。
本発明では、光取り出し構造を有する発光素子であって、
第1および第2の電極と、該第1および第2の電極の間に配置された発光層とを有し、
前記第1の電極と前記発光層の間、または前記第2の電極と前記発光層の間には、無機材料の層が配置され、
前記無機材料の層は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下である、発光素子が提供される。
また、本発明では、光電素子であって、
第1および第2の電極と、該第1および第2の電極の間に配置された発電層とを有し、
前記第1の電極と前記発電層の間、または前記第2の電極と前記発電層の間には、無機材料の層が配置され、
前記無機材料の層は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下である、発電素子が提供される。
本発明では、第1の電極と第2の電極の間で、短絡が生じ難い発光素子を提供することができる。
また、本発明では、第1の電極と第2の電極の間で、短絡が生じ難い発電素子を提供することができる。
従来の有機LED素子の概略的な断面図である。 本発明の一実施形態による発光素子の概略的な断面図である。 本発明の一実施形態による別の発光素子の概略的な断面図である。 本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子の概略的な断面図である。 本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子の概略的な断面図である。 発光素子の色むらの問題を説明するための概略的な図である。 散乱層を含む発光素子における、正面輝度の計算結果を示したグラフである。 散乱層を含まない発光素子における、正面輝度の計算結果を示したグラフである。 第1の発光素子を製造する際の概略的なフローを模式的に示した図である。 例1〜例9のサンプルのX線回折スペクトルである。 例1のサンプルにおけるUPSスペクトル(仕事関数)である。 例1のサンプルにおけるUPSスペクトル(イオン化ポテンシャル)である。 例1のサンプルにおける無機材料の膜のTaucプロットである。 例2のサンプルにおける無機材料の膜のTaucプロットである。 電子オンリー素子、および例2〜例7のサンプルにおける電流−電圧特性をまとめて示した図である。 例10における有機EL素子において測定された電流−電圧−輝度特性を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(従来の発光素子)
本発明の特徴をより良く理解するため、従来の発光素子の構成について説明する。なお、ここでは、特許文献1に記載の有機LED素子を例に、従来の発光素子の構成について説明する。
図1には、従来の有機LED素子の簡略的な断面図を示す。
図1に示すように、従来の有機LED素子1は、ガラス基板10と、透明電極(第1の電極)35と、有機層40と、反射性電極(第2の電極)70とをこの順に有する。
透明電極(第1の電極)35は陽極および陰極の一方として機能し、反射性電極(第2の電極)70は陽極および陰極の他方として機能する。
有機層40は、電子注入層、電子輸送層、有機発光層、ホール輸送層、ホール注入層により構成される。ただし、有機層40において、有機発光層55を除く、1または2以上の層は、省略されても良い。
図1の例では、透明電極(第1の電極)35が陽極、反射性電極(第2の電極)70が陰極として機能する場合を示している。この場合の有機層40は、透明電極(第1の電極)35側から、ホール注入層65、ホール輸送層60、有機発光層55、電子輸送層50、電子注入層45をこの順に積層することにより構成される。
透明電極(第1の電極)35が陰極、反射性電極(第2の電極)70が陽極として機能する場合は、有機層40は、透明電極(第1の電極)35側から、電子注入層、電子輸送層、有機発光層、ホール輸送層、ホール注入層をこの順に積層することにより構成される。
なお、図1の例では、有機LED素子1の下側の表面、すなわちガラス基板10の露出面が光取り出し面12となる。
ここで、従来の有機LED素子1は、光取り出し改善のために、ガラス基板10と透明電極35の間に、散乱層20を有することができる。散乱層20は、第1の屈折率を有するガラス製のベース材21と、該ベース材21中に分散された、ベース材21とは異なる第2の屈折率を有する複数の散乱物質24とで構成される。
このような散乱層20は、光取り出し構造として機能する。すなわち、散乱層20は、有機発光層55から生じる光を効果的に散乱させ、有機LED素子1内で全反射される光の量を低減する役割を有する。従って、図1の構成の有機LED素子1では、光取り出し面12から出射される光量を向上させることができる。
しかしながら、このような光取り出し構造(散乱層20)を有する有機LED素子1では、しばしば、散乱層20の成膜過程において、表面に異物が付着したり、残留したりする場合がある。このような異物は、その後の各層35〜70の成膜工程において形成される層の平坦性および均一性を低下させる要因となる。そして、そのような層の平坦性および均一性が許容できない程度にまで低下すると、有機層40を介して離間されるべき2つの電極35および70の間で短絡してしまう危険性が高くなる。そのような場合、最終的に得られる有機LED素子1に、所望の特性が得られなくなってしまうという問題がある。
なお、このような問題は、散乱層20を有する有機LED素子1に限られるものではなく、その他の光取り出し構造(例えば、回折構造、コルゲート構造、および低屈折率層)を有する発光素子においても、同様に生じ得る。
本発明において、光取り出し構造とは、有機発光層から生じる光を効果的に散乱させ、有機LED素子内で全反射される光の量を低減する役割を有するものをいい、同様の効果が得られれば、散乱層、回折構造(例えば、特表2012−512518号)、コルゲート構造(例えば、特開2009−9861号)、および低屈折率層(例えば、特開2004−182490号)に限定されない。
これに対して、本発明の一実施形態では、
光取り出し構造を有する発光素子であって、
第1および第2の電極と、該第1および第2の電極の間に配置された発光層とを有し、
前記第1の電極と前記発光層の間、または前記第2の電極と前記発光層の間には、無機材料の層が配置され、
前記無機材料の層は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下である、発光素子が提供される。
本発明の一実施形態による発光素子では、2つの電極の間のいずれかの箇所に、100nm以上の比較的厚い無機材料の層が配置されている。このような厚い無機材料の層を配置した場合、光取り出し構造の形成の際に、仮に表面に異物が残留した場合であっても、2つの電極の間に設置される各層、および2つの電極の平坦性が有意に改善される。その結果、2電極間の短絡の問題を有意に抑制することができる。
なお、2つの電極の間に、単に「厚い層」を介在させただけでは、電極間の短絡の問題が解決できたとしても、電子および/またはホールの移動度および導電性に悪影響が生じる可能性が高く、このため発光素子に所望の特性が生じなくなってしまう。
これに対して、本発明の一実施形態による発光素子では、この厚い無機材料の層は、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下の範囲にある。
このような厚い無機材料の層は、例えば、電子注入層としても使用可能な、良好な電子移動度および導電性を示す。このため、本発明の一実施形態では、厚い無機材料の層の設置が発光素子の特性に悪影響を及ぼすことなく、電極間の短絡を抑制することができる。
厚い無機材料の層は、非晶質であっても、微結晶であっても、非晶質と微結晶が混在する形態であっても良い。
また、厚い無機材料の層は、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系材料、亜鉛−錫−酸素系材料、および亜鉛−ケイ素−酸素系材料からなる群から選定された少なくとも一つの材料を有しても良い。その他の厚い無機材料の層としては、亜鉛−錫−ゲルマニウム−酸素系材料であっても良い。
厚い無機材料の層が亜鉛−ケイ素−酸素系材料で構成される場合、厚い無機材料の層は、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)および酸素(O)を含み、Zn/(Zn+Si)の原子数比が0.30〜0.95であることが好ましい。Zn/(Zn+Si)の原子数比が0.30以上、0.95以下であれば、前記した導電率が得られやすく、平坦度の高い無機材料の層が得られやすいからである。その他、無機材料の層は、インジウム−ケイ素−酸素系、インジウム−ガリウム−亜鉛−酸素系、インジウム−亜鉛−酸素系、ゲルマニウム−亜鉛−酸素系の材料であっても良い。
また、厚い無機材料の層が亜鉛−錫−ケイ素−酸素系材料で構成される場合、厚い無機材料の層は、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ケイ素(Si)および酸素(O)を含み、酸化物換算で、前記無機材料の層の酸化物の合計100mol%に対して、SnOが15mol%以上、95mol%以下であることが好ましい。SnOが15mol%以上、95mol%以下であれば、平坦度の高い無機材料の層が得られやすく、前記した導電率が得られやすいからである。また、この場合に、この厚い無機材料の層は、酸化物換算で、前記無機材料の層の酸化物の合計100mol%に対して、SiOが7mol%以上、30mol%以下であることがより好ましい。SiOが7mol%以上、30mol%以下であれば、電子親和力が大きすぎず、体積抵抗率が大きすぎず、前記した導電率が得られやすいからである。
さらに、厚い無機材料の層が亜鉛−錫−酸素系材料で構成される場合、厚い無機材料の層は、亜鉛(Zn)、錫(Sn)および酸素(O)を含み、酸化物換算で、前記無機材料の層の酸化物の合計100mol%に対して、SnOが15mol%以上、95mol%以下であることが好ましい。SnOが15mol%以上、95mol%以下であれば、平坦度の高い無機材料の層が得られやすく、非晶質、微結晶、または非晶質と微結晶が混在する薄膜の状態を保ちやすく、前記した導電率が得られやすく、成膜用の酸化物ターゲットが得やすく薄膜をつくりやすいからである。
(本発明の一実施形態による発光素子)
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態による発光素子の構成について、より詳しく説明する。図2には、本発明の一実施形態による発光素子(有機LED素子)の断面構成を模式的に示す。
図2に示すように、本発明の一実施形態による発光素子(以下、「第1の発光素子」と称する)100は、透明基板110と、光取り出し構造としての散乱層120と、透明電極(陰極)135と、有機層140と、反射性電極(陽極)170とをこの順に有する。
散乱層120は、第1の屈折率を有するガラス製のベース材121と、該ベース材121中に分散された、ベース材121とは異なる第2の屈折率を有する複数の散乱物質124とで構成される。
図2の例では、第1の発光素子100の下側の表面(すなわち透明基板110の露出面)が光取り出し面112となる。
有機層140は、透明電極135に近い側から、電子注入層180、電子輸送層150、有機発光層155、ホール輸送層160、ホール注入層165をこの順に有する。
ここで、第1の発光素子100において、電子注入層180は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下の範囲となるように形成される。また、電子注入層180は、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系、亜鉛−錫−酸素系および亜鉛−ケイ素−酸素系からなる群から選定された無機材料で構成される。
電子注入層180を、このような厚い無機材料の層で構成した場合、前述のような2電極135、170の間の短絡の問題が有意に抑制される。すなわち、第1の発光素子100では、散乱層120の形成の際に、仮に表面に異物が残留した場合であっても、電子注入層180としての厚い無機材料の層の存在により、以降に配置される各層150〜170の平坦性および均一性を有意に高めることができる。また、これにより、2電極135、170の間の短絡を有意に抑制することができる。
厚い無機材料の層は、非晶質または非晶質の状態が支配的である方が膜の平坦性がいっそう得られやすい。また、厚い無機材料の層は、非晶質または非晶質の状態が支配的である方が電子親和力と組成との関係が線形性となりやすいため膜に供給する電力を制御しやすい。さらに、厚い無機材料の層は、非晶質または非晶質の状態が支配的である方が均質な層が得られやすい。厚い無機材料の層は、非晶質に比べて微結晶の方が層厚方向に配向しやすいため、微結晶が支配的である方が層厚方向の電子的な特性を向上しやすい。
(本発明の一実施形態による別の発光素子)
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態による別の発光素子の構成について、説明する。図3には、本発明の一実施形態による別の発光素子(有機LED素子)の断面構成を模式的に示す。
図3に示すように、本発明の一実施形態による別の発光素子(以下、「第2の発光素子」と称する)200は、基本的に、前述の図2に示した第1の発光素子100と同様の構成を有する。
ただし、この第2の発光素子200は、有機層240が、電子注入層245と厚い無機材料の層280の両方を有する点で、第1の発光素子100とは異なっている。すなわち、第2の発光素子200において、有機層240は、電子注入層245、厚い無機材料の層280、電子輸送層250、有機発光層255、ホール輸送層260、ホール注入層265をこの順に有する。
ここで、厚い無機材料の層280は、前述のように、100nm以上の厚さを有し、10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下の範囲の導電率を有する。また、厚い無機材料の層280は、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系、亜鉛−錫−酸素系および亜鉛−ケイ素−酸素系からなる群から選定された材料で構成される。
このような構成においても、第1の発光素子100と同様に、2つの電極235、270間の短絡を有意に抑制することができることは、当業者には明らかである。また、第2の発光素子200においても、厚い無機材料の層280の存在が、第2の発光素子200の特性に悪影響を及ぼす可能性が少ないことは容易に理解されよう。
(本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子)
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子の構成について、説明する。図4には、本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子(有機LED素子)の断面構成を模式的に示す。
図4に示すように、本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子(以下、「第3の発光素子」と称する)300は、透明基板310と、散乱層320と、透明電極(陽極)335と、有機層340と、反射性電極(陰極)370とをこの順に有する。散乱層320は、第1の屈折率を有するガラス製のベース材321と、該ベース材321中に分散された、ベース材321とは異なる第2の屈折率を有する複数の散乱物質324とで構成される。
図4の例では、第3の発光素子300の下側の表面(すなわち透明基板310の露出面)が光取り出し面312となる。
有機層340は、透明電極335に近い側から、ホール注入層365、ホール輸送層360、有機発光層355、電子輸送層350、電子注入層380をこの順に有する。
ここで、電子注入層380は、前述のような厚い無機材料の層で構成される。すなわち、電子注入層380は、100nm以上の厚さを有し、10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下の範囲の導電率を有する。また、電子注入層380は、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系、亜鉛−錫−酸素系および亜鉛−ケイ素−酸素系からなる群から選定された材料で構成される。
このような第3の発光素子300の構成においても、第1および第2の発光素子100、200と同様に、2つの電極335、370間の短絡を有意に抑制することができることは、当業者には明らかである。また、第3の発光素子300においても、厚い無機材料の層(電子注入層380)の存在が、第3の発光素子300の特性に悪影響を及ぼす可能性が少ないことは容易に理解されよう。
(本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子)
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子の構成について、説明する。図5には、本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子(有機LED素子)の断面構成を模式的に示す。
図5に示すように、本発明の一実施形態によるさらに別の発光素子(以下、「第4の発光素子」と称する)400は、基本的に、前述の図4に示した第3の発光素子300と同様の構成を有する。
ただし、この第4の発光素子400は、有機層440が、電子注入層445と厚い無機材料の層480の両方を有する点で、第3の発光素子300とは異なっている。すなわち、第4の発光素子400において、有機層440は、透明電極435に近い側から、ホール注入層465、ホール輸送層460、有機発光層455、電子輸送層450、厚い無機材料の層480、および電子注入層445を有する。
このような第4の発光素子400の構成においても、第1〜第3の発光素子100、200、300と同様に、2つの電極435、470間の短絡を有意に抑制することができることは、当業者には明らかである。また、第4の発光素子400においても、厚い無機材料の層480の存在が、第4の発光素子400の特性に悪影響を及ぼす可能性が少ないことは容易に理解されよう。
(各構成部材について)
次に、本発明の一実施形態による発光素子を構成する各部材について、詳しく説明する。
なお、ここでは、一例として、図3に示した第2の発光素子(有機LED素子)200を参照して、各構成部材について説明する。従って、以降の記載では、明確化のため、各部材を参照する際に、図3で使用した参照符号を使用する。
また、以下に示す各構成部材の仕様は、単なる一例であることに留意する必要がある。
(透明基板210)
透明基板210の材料は、透明である限り、特に限られない。
透明基板210は、例えば、ガラス基板またはプラスチック基板であっても良い。
(散乱層220)
散乱層220は、ベース材221と、該ベース材221中に分散された複数の散乱物質224とを有する。ベース材221は、第1の屈折率を有し、散乱物質224は、ベース材とは異なる第2の屈折率を有する。
散乱層220中の散乱物質224の存在量は、散乱層220の内部から外側に向かって小さくなっていることが好ましく、この場合、高効率の光取り出しを実現することができる。
ベース材221は、ガラスで構成され、ガラスの材料としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸塩ガラス、および無アルカリガラスなどの無機ガラスが使用される。
散乱物質224は、例えば、気泡、析出結晶、ベース材とは異なる材料粒子、分相ガラス等で構成される。分相ガラスとは、2種類以上のガラス相により構成されるガラスをいう。
ベース材221の屈折率と散乱物質224の屈折率の差は、大きい方が良く、このためには、ベース材221として高屈折率ガラスを使用し、散乱物質224として気泡を使用することが好ましい。
ベース材221用の高屈折率のガラスのため、ネットワークフォーマとして、P、SiO、B、GeO、およびTeOのうちの一種類または二種類以上の成分を選定し、高屈折率成分として、TiO、Nb、WO、Bi、La、Gd、Y、ZrO、ZnO、BaO、PbO、およびSbのうちの一種類または二種類以上の成分を選定しても良い。さらに、ガラスの特性を調整するため、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物、フッ化物などを、屈折率に影響を及ぼさない範囲で、添加しても良い。
ベース材221に、着色剤を添加することにより、発光の色味を変化させることもできる。着色剤としては、遷移金属酸化物、希土類金属酸化物、および金属コロイドなどを、単独でまたは組み合わせて使うことができる。
(透明電極235)
透明電極235には、有機発光層255で生じた光を外部に取り出すため、80%以上の透光性が要求される。また、陽極として用いる場合には、多くの正孔を注入するため、仕事関数が高いことが要求される。
透明電極235には、例えば、ITO、SnO、ZnO、IZO(Indium Zinc Oxide)、およびAZO(ZnO−Al:アルミニウムがドーピングされた亜鉛酸化物)などの材料が用いられる。一方、陰極として用いる場合でも、電子注入層を亜鉛−錫−ケイ素−酸素系、亜鉛−錫−酸素系および亜鉛−ケイ素−酸素系からなる群から選定された材料で構成される層を形成することにより、上記の透明電極材料を用いてもオーミック特性が得られる。
透明電極235の厚さは、100nm以上であることが好ましい。
透明電極235の屈折率は、1.75〜2.2の範囲である。例えば、透明電極235としてITOを使用した場合、キャリア濃度を増加させることにより、透明電極235の屈折率を低下させることができる。市販のITOでは、SnOが10wt%含まれるものが標準となっているが、Sn濃度をさらに増加させることにより、ITOの屈折率を下げることができる。ただし、Sn濃度の増加により、キャリア濃度は増加するが、移動度および透過率は、低下する。従って、全体のバランスを考慮して、Sn量を決める必要がある。
また、透明電極235の屈折率は、散乱層220を構成するベース材221の屈折率や反射性電極270の屈折率を考慮して、決定することが好ましい。
(反射性電極270)
反射性電極270には、仕事関数の小さな金属またはその合金が用いられる。反射性電極270は、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および周期表第3属の金属などであっても良い。
(電子注入層245)
電子注入層245は、例えば透明電極245の表面に、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属をドープした層を設けることにより構成される。
なお、前述のように、厚い無機材料の層280を電子注入層245としても良い。
(厚い無機材料の層280)
厚い無機材料の層280は、前述のように、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系、亜鉛−錫−酸素系および亜鉛−ケイ素−酸素系からなる群から選定された材料で構成されても良い。
厚い無機材料の層280は、非晶質であり、100nm以上の厚さを有し、10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下の範囲の導電率を有しても良い。
厚い無機材料の層280は、例えば、100nm〜500nmの範囲の厚さを有しても良い。また、厚い無機材料の層280は、例えば、10−4Ω−1cm−1以上10Ω−1cm−1以下の範囲の導電率を有しても良い。
このような厚い無機材料の層280は、例えば、スパッタリング法およびPVD法などの成膜プロセスにより、形成することができる。
(電子輸送層250)
電子輸送層250は、透明電極235から注入された電子を輸送する役割をする。
電子輸送層250には、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(Alq3)などが用いられる。
(有機発光層255)
有機発光層255は、注入された電子とホールが再結合する場を提供する役割を有する。有機発光材料としては、低分子系または高分子系のものが使用される。
有機発光層255には、ゲスト材料として、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(Alq3)など、およびビス(8−キノリノラート)カルシウム錯体(Caq2)などのキノリン誘導体の金属錯体など、並びにコロネンなどの蛍光性物質が挙げられる。
ホスト材料としては、キノリノラート錯体を使用しても良く、特に、8−キノリノールおよびその誘導体を配位子としたアルミニウム錯体が使用されても良い。
(ホール輸送層260)
ホール輸送層260は、ホール注入層265から注入されたホールを有機発光層255に輸送する役割をする。
ホール輸送層260には、例えば、トリフェニルアミン誘導体などが用いられる。
ホール輸送層260の厚さは、例えば10nm〜150nmの範囲である。ホール輸送層260の厚さが薄いほど、有機LED素子200を低電圧化できるが、電極間短絡の問題から、通常は、10nm〜150nmの範囲である。
(ホール注入層265)
ホール注入層265は、電極からのホール注入の障壁を低くするため、イオン化ポテンシャルの差が小さいものが好ましい。電極からホール注入層265への電荷の注入効率が高まると、有機LED素子200の駆動電圧が下がり、ホールの注入効率が高まる。
ホール注入層265の材料としては、高分子材料または低分子材料が使用される。高分子材料の中では、ポリスチレンスルフォン酸(PSS)がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)が良く使用され、低分子材料の中では、フタロシアニン系の銅フタロシアニン(CuPc)が広く用いられる。
(追加の効果について)
以上、本発明の一実施形態による発光素子を用いて、本発明の効果について説明した。ただし、本発明の一実施形態による発光素子において、特定の構成では、発光の色むらの抑制という、追加の効果を得ることができる。
以下、図6を参照して、この効果について説明する。
図6には、光取り出し構造を有する、一般的な発光素子の断面を概略的に示す。
図6に示すように、この発光素子500は、透明基板510と、下部透明電極535と、有機層540と、上部反射性電極570とをこの順に有する。有機層540は、発光層555と、発光層555の下側(すなわち下部透明電極510側)に配置された各構成層(例えば電子注入層および/または電子輸送層など。以下、まとめて「第1の層」590という)と、発光層555の上側(すなわち上部反射性電極570側)に配置された各構成層(例えばホール輸送層および/またはホール注入層など。以下、まとめて「第2の層」592という)と、を有する。
なお、図6には、簡略化のため光取り出し構造は、示されていないが、光取り出し構造は、例えば図2等に示したような散乱層120とは異なる方法によって実現されているものと仮定する。
このような発光素子500の構成において、発光素子500の作動の際には、2つの電極535、570間に電位が印加され、発光層555から発光が生じる。この発光は、少なくとも、図6に示すような3通りの経路、すなわちP1、P2およびP3を経て、透明基板510から外部に出力(放射)される。
ここで、従来の発光素子500では、第1の層590は、比較的薄く、このため第1の層590の膜厚変動による、下部透明電極535と発光層555の間の距離の変化はあまり顕著ではない。同様に、第2の層592は、比較的薄く、このため第2の層592の膜厚変動による、上部反射性電極570と発光層555の間の距離の変化はあまり顕著ではない。そのため、図6に示した3通りの経路P1〜P3の間で、光の干渉条件が変化することは生じ難く、出力される発光による色味のばらつきは生じ難い。
しかしながら、第1の層590の中に、厚い層、例えば、前述の「厚い無機材料の層」が存在する場合、第1の層590の場所による膜厚変動が相対的に大きくなる。
特に、経路P3は、経路P1または経路P2に比べて、第1の層590を通過する回数が3倍であるため、経路P3は、より顕著な膜厚変動の影響を受けるようになる。従って、経路P1と経路P3、および経路P2と経路P3の間で、光の干渉条件が変化する。その結果、最終的に出力される発光の色味のばらつきが大きくなり、発光素子500内で色むらが生じてしまう。
これに対して、光取り出し構造として、例えば図2等に示した散乱層120を適用した場合、このような問題を有意に抑制することができる。
これは、散乱層120は、屈折率が下部透明電極535の屈折率と比較的近くなるように設計できるためである。すなわち、散乱層120を設置した場合、散乱層120と下部透明電極535の界面での屈折率差が抑制され、下部透明電極535と散乱層の界面で再反射する光の成分を低減することができる。その結果、経路P3を経て出力される発光が抑制され、前述のような色むらの問題を有意に抑制することができる。
このような高屈折率散乱層による干渉抑制効果を確認するため、以下のシミュレーション計算により、散乱層を有する場合(ケース1)と有しない場合(ケース2)を想定して、発光特性の比較を行った。散乱層は散乱粒子を含むが、干渉抑制効果を確認するためには、散乱層のマトリックス部のみで構成される膜厚が無限大の層を考慮すれば十分である。
ケース1として、以下の構成の発光素子を仮定した。
(ケース1)
散乱層付き透明基板:散乱層マトリックス部分の屈折率=1.9
下部透明電極:厚さ150nm、屈折率=1.9
電子注入層(厚い無機材料の層で形成されると仮定):厚さ450nm〜550nm(±10%の膜厚ばらつきを想定)、屈折率=1.8
発光層:厚さ10nm、屈折率=1.75
ホール輸送層:厚さ50nm、屈折率=1.8
上部反射性電極:厚さ80nm、屈折率=0.6、消衰係数=3.55
また、ケース2として、以下のように、散乱層を有しないこと以外は、ケース1と同様の構成の発光素子を仮定した。
(ケース2)(散乱層なし)
透明基板:屈折率=1.5
その他の構成は、ケース1と同じ
以上の2通りのケースについて、setfosソフトウェア(FLUXiM社製)を使用し、想定した発光素子から得られる発光の正面輝度を計算した。
計算の結果を図7および図8に示す。図7は、ケース1の場合の計算結果を示しており、図8は、ケース2の場合の計算結果を示している。また、両図において、横軸は、出力される光のスペクトル波長を示し、縦軸は、正面輝度を示している。
図8に示すように、ケース2では、厚い無機材料の層で形成された電子注入層の厚さが450nm〜550nmの間で変化すると、これに伴い、出力光の輝度が大きく変化することがわかる。これに対して、ケース1では、厚い無機材料の層で形成された電子注入層の厚さが450nm〜550nmの間で変化しても、出力光の輝度はほとんど変化しないことがわかる。
このように、光取り出し構造として散乱層を有する発光素子では、下部透明電極535と発光層555の間に厚い無機材料の層を配置しても、光の干渉条件の変化が少なく、色むらが生じ難いことが確認された。
(本発明の一実施形態による発光素子の製造方法)
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態による発光素子の製造方法の一例について説明する。なお、ここでは、一例として、図2に示したような構成を有する第1の発光素子100を例に、その製造方法について説明する。ただし、その他の構成を有する発光素子、例えば、図3〜図5に示したような発光素子200〜500においても、以下に記載する製造方法の一部を変更して適用できることは、当業者には明らかである。
図9には、第1の発光素子100を製造する際の概略的なフロー図を示す。
図9に示すように、この製造方法は、
(a)透明基板上に散乱層を形成するステップ(ステップS110)と、
(b)散乱層上に、第1の電極を形成するステップ(ステップS120)と、
(c)第1の電極上に、厚い無機材料の層を形成するステップ(ステップS130)と、
(d)厚い無機材料の層上に、有機発光層を形成するステップ(ステップS140)と、
(e)有機発光層上に、第2の電極を形成するステップ(ステップS150)と、
を有する。
以下、各ステップについて詳しく説明する。なお、以下の説明では、明確化のため、各部材を参照する際に、図2に示した参照符号を使用することにする。
(ステップS110)
まず、透明基板110が準備される。
次に、透明基板110上に、ガラス製のベース材121中に散乱物質124が分散された散乱層120が形成される。
散乱層120の形成方法は、特に限られないが、ここでは、特に、「フリットペースト法」により、散乱層120を形成する方法について説明する。ただし、その他の方法で散乱層120を形成しても良いことは、当業者には明らかである。
フリットペースト法とは、フリットペーストと呼ばれるガラス材料を含むペーストを調製し(調製工程)、このフリットペーストを被設置基板の表面に塗布して、パターン化し(パターン形成工程)、さらにフリットペーストを焼成すること(焼成工程)により、被設置表面に、所望のガラス製の膜を形成する方法である。
以下、各工程について簡単に説明する。
(調製工程)
まず、ガラス粉末、樹脂、および溶剤等を含むフリットペーストが調製される。
ガラス粉末は、最終的に散乱層のベース材を形成する材料で構成される。ガラス粉末の組成は、所望の散乱特性が得られ、フリットペースト化して焼成することが可能なものであれば特に限られない。ガラス粉末の組成は、例えば、Pを20〜30mol%、Bを3〜14mol%、Biを10〜20mol%、TiOを3〜15mol%、Nbを10〜20mol%、WOを5〜15mol%含み、LiOとNaOとKOの総量が10〜20mol%であり、以上の成分の総量が、90mol%以上のものであっても良い。ガラス粉末の粒径は、例えば、1μm〜100μmの範囲である。
なお、最終的に得られる散乱層120の熱膨張特性を制御するため、ガラス粉末には、所定量のフィラーを添加しても良い。フィラーには、例えば、ジルコン、シリカ、またはアルミナなどの粒子が使用され、粒径は、通常、0.1μm〜20μmの範囲である。
樹脂には、例えば、エチルセルロース、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、およびロジン樹脂などが用いられる。なお、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、およびロジン樹脂を添加すると、フリットペースト塗布膜の強度が向上する。
溶剤は、樹脂を溶解し、粘度を調整する役割を有する。溶剤には、例えば、α−テルピネオール、および2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートがある。
その他、フリットペーストには、粘度の調整やフリット分散促進のため、界面活性剤を添加しても良い。また、表面改質のため、シランカップリング剤を使用しても良い。
次に、これらの原料を混合し、ガラス原料が均一に分散されたフリットペーストを調製する。
(パターン形成工程)
次に、前述の方法で調製したフリットペーストを、透明基板上に塗布し、パターン化する。塗布の方法およびパターン化の方法は、特に限られない。例えば、スクリーン印刷機を用いて、透明基板上にフリットペーストをパターン印刷しても良い。あるいは、ドクターブレード印刷法またはダイコート印刷法を利用しても良い。
その後、フリットペースト膜は、乾燥される。
(焼成工程)
次に、フリットペースト膜が焼成される。通常、焼成は、2段階のステップで行われる。第1のステップでは、フリットペースト膜中の樹脂が分解、消失され、第2のステップでは、ガラス粉末が軟化、焼結される。
第1のステップは、大気雰囲気下で、フリットペースト膜を200℃〜400℃の温度範囲に保持することにより行われる。ただし、処理温度は、フリットペーストに含まれる樹脂の材料によって変化する。例えば、樹脂がエチルセルロースの場合は、処理温度は、350℃〜400℃程度であり、樹脂がニトロセルロースの場合は、処理温度は、200℃〜300℃程度であっても良い。なお処理時間は、通常、30分から1時間程度である。
第2のステップは、大気雰囲気下で、フリットペースト膜を、含まれるガラス粉末の軟化温度±30℃の温度範囲に保持することにより行われる。処理温度は、例えば、450℃〜600℃の範囲である。また、処理時間は、特に限られないが、例えば、30分〜1時間である。
第2のステップ後に、ガラス粉末が軟化、焼結して、散乱層120のベース材121が形成される。また、フリットペースト膜中に内包させた散乱物質によって、例えば内在する気泡などによって、ベース材121中に均一に分散された散乱物質124が得られる。
その後、透明基板110を冷却することにより、側面部分が上面から前記底面に向かって、直角よりも緩やかな角度で傾斜した表面を有する散乱層120が形成される。
最終的に得られる散乱層120の厚さは、5μm〜50μmの範囲であっても良い。
(ステップS120)
次に、前記工程で得られた散乱層120上に、透明な第1の電極135が設置される。
第1の電極135の設置方法は、特に限られず、例えば、スパッタ法、蒸着法、および気相成膜法等の成膜法を利用しても良い。
前述のように、第1の電極135の材料は、ITO等であっても良い。また、第1の電極135の厚さは、特に限られず、例えば50nm〜1.0μmの範囲であっても良い。
また、第1の電極135は、エッチング処理等により、パターン化しても良い。
(ステップS130)
次に、第1の電極の上に、厚い無機材料の層180が形成される。
厚い無機材料の層180は、例えば、スパッタリング法、PVD法等のプロセスで形成されても良い。
前述のように、厚い無機材料の層180は、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系、亜鉛−錫−酸素系および亜鉛−ケイ素−酸素系からなる群から選定された材料で構成されても良い。
また、厚い無機材料の層180は、100nm以上の厚さを有し、例えば、10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下の範囲の導電率を有する。
厚い無機材料の層180を形成することにより、最表面が平坦化される。従って、仮に散乱層120の形成後に、表面に異物が残留していた場合であっても、このステップS130以降に設置される層の平坦度を高めることが可能となる。また、これにより、ステップS120で形成された第1の電極135と、以降のステップS150において形成される第2の電極170の間の短絡を、有意に抑制することが可能となる。
(ステップS140)
次に、厚い無機材料の層180の上に、有機層140を構成する各層が形成される。
なお、図2の例では、有機層140は、電子輸送層150、有機発光層155、ホール輸送層160、およびホール注入層165の各層を有する。
しかしながら、有機層140として、必ずしもこれらの全ての層を形成する必要はない。すなわち、有機発光層155以外の層は、省略しても良い。
有機層140を構成する各層の設置方法は、特に限られず、例えば、蒸着法および/または塗布法を使用しても良い。
(ステップS150)
次に、有機層140上に第2の電極170が設置される。
第2の電極170の設置方法は、特に限られず、例えば、蒸着法、スパッタ法、気相成膜法等を使用しても良い。
以上の工程により、図2に示したような第1の発光素子100が製造される。
前述のように、このような第1の発光素子100の製造方法では、ステップS130の工程において、厚い無機材料の層180が配置されるため、第1の電極135と第2の電極170の間で、短絡が生じる可能性を有意に抑制することができる。
また、厚い無機材料の層180は、前述のような特性を有するため、厚い無機材料の層180を介在させても、第1の発光素子100の特性に悪影響は生じ難くなるという効果が得られる。
以下、本発明の発光素子の実施例について説明する。
(例1)
以下の方法により、各種被成膜基板上に無機材料の膜を成膜したサンプルを作製した。被成膜基板には、ニッケル基板およびガラス基板等を使用した。
(成膜条件)
成膜装置には、RFマグネトロンスパッタ装置(アルバック社製)を使用した。スパッタリングターゲットには、直径2インチで、所定の比率でZnOとSiOを含む焼結体ターゲットを使用した。
成膜の際には、まず、被成膜基板をスパッタ装置のチャンバー内に導入した。
スパッタ装置のチャンバー内を10−5Pa以下の真空度にした後、チャンバー内に所定のスパッタリングガスを20sccm導入した。スパッタリングガスとして、アルゴン(Ar)ガス(G1グレード:純度99.99995vol.%)、または、酸素(O)ガス(G1グレード:純度99.99995vol.%)とArガス(G1グレード)の混合ガスを使用した。すなわち、スパッタリングガスとして、Arガス、または、酸素濃度20%のO/Ar混合ガスを使用した。
スパッタガスの圧力を所定の圧力とし、ターゲットと被成膜基板の間隔(T−S距離)を所定の間隔とし、スパッタ装置のカソードに電力50Wを印加した。成膜時の基板温度は70℃以下であった。
(例2〜例9)
例1と同様の方法で、各種被成膜基板上に無機材料の膜を成膜したサンプルを作製した(例2〜例9)。ただし、例2〜例9では、例1の場合とは異なる成膜条件を採用した。
以下の表1には、例1〜例9において使用した成膜条件をまとめて示す。
Figure 2016043084
例1〜例9において得られた各サンプルを用いて、以下の評価を行った。
(評価1 原子数比)
例1〜例9において得られた各サンプルを用いて、無機材料の膜の原子数比(Zn/(Zn+Si))を評価した。なお、各サンプルにおいて、被成膜基板はニッケル基板とした。
原子数比は、無機材料の膜をSEM−EDX分析することによって求めた。ニッケル基板による影響を小さくするために、加速電圧は10kVとした。
以下の表2の「Zn/(Zn+Si)」の欄には、得られた結果をまとめて示した。
Figure 2016043084
(評価2 X線回折)
例1〜例9において得られた各サンプルを用いて、無機材料の膜のX線回折スペクトルを測定した。なお、各サンプルにおいて、被成膜基板は、厚さ1mmの石英ガラス基板とした。
X線回折スペクトルは、RIGAKU製X線回折装置RINT−2000を用い、ゼーマンボーリン法により測定した。ゼーマンボーリン法の詳細は、日本金属学会会報第27巻第6号461〜465頁(1988)に示されている。加速電圧50kV、放電電流300mAの条件で電子線をCuに照射し、発生したCuKα線を入射角0.5°に固定してサンプルに照射し、回折パターンを得た。
図10には、各サンプルにおいて得られた回折パターンを示す。
いずれの回折パターンにおいても、ウルツ型ZnOに由来するハローパターンが認められた。回折角2θが33°付近のウルツ型ZnOの(002)面におけるシェラー径を、前述の表2の「シェラー径」欄に示した。
例1〜例7で得られた膜は、いずれもシェラー径5nm以下であり、X線回折的に非晶質または非晶質の状態が支配的であることが確認された。一方、例8および例9では、シェラー径が5nmより大きく、X線回折的に結晶質であることが確認された。
(評価3 UPS測定)
例1〜例9において得られた各サンプルを用いて、紫外光電子分光(UPS)法により、イオン化ポテンシャルを測定した。
なお、各サンプルにおいて、被成膜基板は、無アルカリガラス基板上に150nmのITOが成膜された基板(以下、ITO基板と称する)とし、無機材料の膜(厚さ10nm)は、ITO基板のITOが成膜された面上に成膜した。
測定は、10−7Pa以上の高真空中で、膜にHeランプの紫外線(He(I)、21.22eV)を照射することにより、実施した。
例1のサンプルにおいて得られた結果を図11および図12に示す。図11は、光電子のカウント数と光電子の運動エネルギーの関係を示した図であり、図12は、光電子のカウント数と結合エネルギーの関係を示した図である。
図11から、例1のサンプルにおける薄膜の仕事関数は、3.9eVと算定された。また、図12から、結合エネルギーと仕事関数の和で求められる、例1のサンプルにおける薄膜のイオン化ポテンシャルは、6.6eVと算定された。
(評価4 光吸収係数)
例1〜例9において得られた各サンプルを用いて、各無機材料の膜の光吸収係数を算定した。なお、各サンプルにおいて、被成膜基板は、厚さ1mmの石英ガラス基板とした。
光吸収係数は、各サンプルを用いて、反射率および透過率を測定することにより算出した。また、得られた光吸収係数のTaucプロットから光学バンドギャップを求めた。
図13および図14には、それぞれ、例1および例2のサンプルにおける無機材料の膜のTaucプロットを示す。
前述の表2の「バンドギャップ」の欄には、各サンプルにおいて得られた光学バンドギャップをまとめて示す。例1〜例7におけるサンプルでは、光学バンドギャップは、3.2〜4.0の範囲であった。
前述のUPS測定で得られたイオン化ポテンシャルの結果と照合すると、例1のサンプルにおける無機材料の膜の電子親和力は、2.6eVと予想される。例2〜例7のサンプルにおける無機材料の膜においても、同程度のイオン化ポテンシャルを仮定すると、電子親和力は、3.3〜3.4eV程度と予想される。
前述の表2の「電子親和力」の欄には、各サンプルにおける無機材料の膜の予想される電子親和力をまとめて示す。
(評価5 抵抗率)
例2〜例7において得られた各サンプルを用いて、各無機材料の膜の抵抗率を測定した。なお、各サンプルにおいて、被成膜基板は、厚さ1mmの石英ガラス基板とした。
抵抗率は、4端子法で測定した。各サンプルにおいて、無機材料の膜上に、幅1mmのNd含有アルミニウム層を2mm間隔でスパッタ成膜し、これらを測定電極とした。
スパッタ成膜のターゲットには、コベルコ科研製の直径2インチの2mol%Nd含有アルミニウム(製品名:AD20)ターゲットを用いた。
前述の表2の「抵抗率」欄には、得られた測定結果をまとめて示した。
(評価6 電子輸送性の評価)
以下の方法により、電子のみを流す素子、いわゆる電子オンリー素子を作製し、その特性を評価した。
電子オンリー素子は、ガラス基板上にボトム電極として陰極を配置し、ボトム電極上に電子輸送層を厚さ150nmで配置し、電子輸送層上にトップ電極として陽極を、ボトム電極と直交するように配置して構成した。
陰極は、コベルコ科研製の直径2インチの2mol%Nd含有アルミニウム(製品名:AD20)ターゲットを用い、Nd含有アルミニウムを厚さ80nm、幅1mmとなるようにスパッタ成膜して形成した。電子輸送層として、厚さ150nmのAlq3の層を形成した。陽極は、アルミニウムを厚さ80nmとなるように真空蒸着して形成した。
電子オンリー素子の陰極と陽極に電圧を印加し、この際に生じる電流値を測定した。
図15には、電子オンリー素子において得られた電流−電圧特性(「Alq3」と表記)を示す。
なお、この図15には、例2〜例7のサンプルにおける電流−電圧特性が同時に示されている。これらの電流−電圧特性は、各サンプルにおける前述の抵抗率から算定した。
算定には、以下の式(1)を用いた:

I/A=E/(ρ・L) 式(1)

ここでIは電流密度、Aは面積、Eは電圧、ρは抵抗率、Lは電子輸送層の厚さである。電子輸送層の厚さは150nmとした。
図15から、印加電圧が20Vまでの範囲では、例2〜例7のサンプルは、電子輸送層にAlq3を用いた電子オンリー素子に比べて、電流値が数桁以上大きくなっていることがわかる。なお、図15には、20Vを超える電圧領域は示されていない。これは、このような大きな電圧の印加は、素子の劣化につながり実用的ではないからである。
図15から、例2〜例7のサンプルにおける無機材料の膜を電子輸送層に用いた場合、厚さが150nmであっても、有機EL素子として充分な電子輸送性を有することがわかった。
(例10)
以下の方法により、有機EL素子を作製し、その特性を評価した。有機EL素子は、ガラス基板上にボトム電極として陰極を配置し、その上に順に、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、およびトップ電極としての陽極を配置し、陽極側から光を取り出す構造とした。また、例11においては、電子注入層、ホールブロック層、および電子ブロック層の形成は省略した。
まず、ガラス基板上に、陰極を形成した。ガラス基板としては、無アルカリガラス基板を用いた。洗浄したガラス基板およびメタルマスクを、スパッタ装置のチャンバー内に設置した。また、陰極成膜用のターゲットを、スパッタ装置のチャンバー内に設置した。陰極用のターゲットとしては、コベルコ科研製の直径2インチの2mol%Nd含有アルミニウム(製品名:AD20)ターゲットを用いた。メタルマスクを用いて、ガラス基板上に、陰極を厚さ80nm、幅1mmとなるようにスパッタ成膜した。スパッタガスはAr、スパッタガスの圧力は0.3Paとし、スパッタカソードに電力50Wを印加した。
次に、陰極上に、電子輸送層を形成した。メタルマスクは動かさずに、例7におけるスパッタ条件で、陰極が形成されたガラス基板上に、電子輸送層として厚さ100nmの無機材料の膜を成膜した。
次に、電子輸送層上に、発光層、ホール輸送層、ホール注入層を形成した。電子輸送層(および陰極)が形成されたガラス基板を、10−4Pa以下の高真空の雰囲気下で、スパッタ装置のチャンバーから真空蒸着用のチャンバーに搬送した。続けて、電子輸送層上に発光層としてAlq3を厚さ50nm蒸着した。続けて、発光層上にホール輸送層としてα―NPDを厚さ50nm蒸着した。続けて、ホール輸送層上にホール注入層としてMoOを厚さ0.8nm蒸着した。
次に、ホール注入層上に、陽極を形成した。ホール注入層が形成されたガラス基板上に、陽極として金を厚さ10nm、幅1mmで蒸着した。蒸着時の真空度は約8×10−6Paであった。陽極は可視光を透過するので、陽極(トップ電極)側から光を取り出す構造となっている。
なお、発光層、ホール輸送層およびホール注入層は、陰極および電子輸送層を完全に覆うように、メタルマスクを用いて形成した。陽極は、陰極と直交するように、メタルマスクを用いて形成した。幅1mmの陰極と直交するように蒸着された幅1mmの陽極の重複する1mm×1mmの領域が、電圧印加により発光する領域である。
以上の工程を経て、ガラス基板、2mol%ネオジウムを含有したアルミニウムからなる陰極、無機材料の膜からなる電子輸送層、Alq3からなる発光層、α−NPDからなるホール輸送層、MoOからなるホール注入層、および金からなる陽極を備える有機EL素子を作製した。
(有機EL素子の特性評価)
次に、得られた有機EL素子について、直流電圧を印加し、電流および輝度を測定した。測定は、窒素パージしたグローブボックス内において、有機EL素子の陰極と陽極の間に所定の値の電圧を印加した際に得られる輝度および電流値を測定することにより実施した。輝度測定には、TOPCOM社製の輝度計(BM−7A)を使用した。
図16には、有機EL素子において測定された電流−電圧−輝度特性を示す。有機EL素子は、8Vから輝度および電流密度が増加し、12Vで輝度1500cd/m、電流密度2.6A/cmであった。この結果から、厚さ100nmの無機材料の膜は、電子輸送層として機能することが確認された。このように厚い無機材料の電子輸送層を用いて、低電圧で、従来通りの効率が得られている事がわかる。この発光素子を光取り出し構造の上に形成すれば、更なる高効率発光素子が得られるとともに、厚い無機材料層により短絡が抑制できる。
以上、本発明の一実施形態による発光素子の構成例およびその製造方法の一例について説明した。
しかしながら、本発明による発光素子が、上記の例に限られないことは、当業者には明らかである。
例えば、本発明による発光素子において、光取り出し構造は、散乱層に限られるものではない。光取り出し構造として、回折構造、コルゲート構造、および低屈折率層など、従来から知られている光取り出し効率を高めるための各種構成を適用しても良い。
さらに、本発明による発光素子は、有機LED素子に限られるものではなく、発光素子は、発光層が無機材料等であっても良い。また発光素子に限らず、太陽電池等の発電素子の光利用効率向上に用いることも可能である。
本発明は、有機LED素子などの各種発光素子、および発電素子などに利用することができる。
本願は2014年9月18日に出願した日本国特許出願2014−190360号に基づく優先権を主張するものであり同日本国出願の全内容を本願に参照により援用する。
1 従来の有機LED素子
10 ガラス基板
12 光取り出し面
20 散乱層
21 ベース材
24 散乱物質
35 透明電極(陽極)
40 有機層
45 電子注入層
50 電子輸送層
55 有機発光層
60 ホール輸送層
65 ホール注入層
70 反射性電極(陰極)
100 第1の発光素子(有機LED素子)
110 透明基板
112 光取り出し面
120 散乱層
121 ベース材
124 散乱物質
135 透明電極(陰極)
140 有機層
150 電子輸送層
155 有機発光層
160 ホール輸送層
165 ホール注入層
170 反射性電極(陽極)
180 電子注入層
200 第2の発光素子(有機LED素子)
210 透明基板
212 光取り出し面
220 散乱層
221 ベース材
224 散乱物質
235 透明電極
240 有機層
245 電子注入層
250 電子輸送層
255 有機発光層
260 ホール輸送層
265 ホール注入層
270 反射性電極
280 厚い無機材料の層
300 第3の発光素子(有機LED素子)
310 透明基板
312 光取り出し面
320 散乱層
321 ベース材
324 散乱物質
335 透明電極(陽極)
340 有機層
350 電子輸送層
355 有機発光層
360 ホール輸送層
365 ホール注入層
370 反射性電極(陰極)
380 電子注入層
400 第4の発光素子(有機LED素子)
410 透明基板
412 光取り出し面
420 散乱層
421 ベース材
424 散乱物質
435 透明電極(陽極)
440 有機層
445 電子注入層
450 電子輸送層
455 有機発光層
460 ホール輸送層
465 ホール注入層
470 反射性電極(陰極)
480 厚い無機材料の層
500 発光素子
510 透明基板
535 下部透明電極
540 有機層
555 発光層
570 上部反射性電極
590 第1の層
592 第2の層

Claims (14)

  1. 光取り出し構造を有する発光素子であって、
    第1および第2の電極と、該第1および第2の電極の間に配置された発光層とを有し、
    前記第1の電極と前記発光層の間、または前記第2の電極と前記発光層の間には、無機材料の層が配置され、
    前記無機材料の層は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下である、発光素子。
  2. 前記無機材料の層は、亜鉛−錫−ケイ素−酸素系材料、亜鉛−錫−酸素系材料、および亜鉛−ケイ素−酸素系材料からなる群から選定された少なくとも一つの材料を有する、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記亜鉛−ケイ素−酸素系材料は、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)および酸素(O)を含み、Zn/(Zn+Si)の原子数比が0.30〜0.95である、請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記亜鉛−錫−ケイ素−酸素系材料は、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ケイ素(Si)および酸素(O)を含み、酸化物換算で、前記無機材料の層の酸化物の合計100mol%に対して、SnOが15mol%以上、95mol%以下である、請求項2に記載の発光素子。
  5. 酸化物換算で、前記無機材料の層の酸化物の合計100mol%に対して、SiOが7mol%以上、30mol%以下である、請求項4に記載の発光素子。
  6. 前記亜鉛−錫−酸素系材料は、亜鉛(Zn)、錫(Sn)および酸素(O)を含み、酸化物換算で、前記無機材料の層の酸化物の合計100mol%に対して、SnOが15mol%以上、95mol%以下である、請求項2に記載の発光素子。
  7. 前記無機材料の層は、非晶質の酸化物を含む、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の発光素子。
  8. 前記発光層は、有機発光層である、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の発光素子。
  9. 前記第1の電極は、透明電極であり、前記第2の電極は、反射性電極である、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の発光素子。
  10. 前記第1の電極の前記第2の電極とは反対の側に、透明基板が配置される、請求項9に記載の発光素子。
  11. 前記光取り出し構造は、前記第1の電極と前記透明基板の間に設置された散乱層によって構成され、
    前記散乱層は、ガラスからなるベース材と、該ベース材中に分散された複数の散乱物質とを有する、請求項10に記載の発光素子。
  12. 前記無機材料の層は、前記第1の電極と前記発光層の間に配置される、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の発光素子。
  13. 前記無機材料の層は、前記第1の電極と接する、請求項12に記載の発光素子。
  14. 発電素子であって、
    第1および第2の電極と、該第1および第2の電極の間に配置された発電層とを有し、
    前記第1の電極と前記発電層の間、または前記第2の電極と前記発電層の間には、無機材料の層が配置され、
    前記無機材料の層は、厚さが100nm以上であり、導電率が10−6Ω−1cm−1以上100Ω−1cm−1以下である、発電素子。
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