JPWO2016039377A1 - 耐熱性のミスマッチエンドヌクレアーゼの利用方法 - Google Patents
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- C12Q2521/30—Phosphoric diester hydrolysing, i.e. nuclease
- C12Q2521/301—Endonuclease
Abstract
Description
代表的な例としては、セロリ由来のCelI遺伝子産物を利用する方法が知られており(特許文献2)、実際に変異塩基の解析に利用されている。しかし、この酵素は耐熱性を持たず、PCR法など高温の反応過程を含む手法には直接使用できない。このため、変異塩基の検出を行う際にも、増幅、ミスマッチ形成、ミスマッチ切断、検出の4ステップが必要となる。
この核酸増幅技術の中で代表的な技術であるポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction;PCR)法は、試験管内において簡便に所望の核酸断片を増幅する技術であり、遺伝子に関する研究のみならず、生物学、医学、農業等の幅広い分野において不可欠の実験手法となっている。PCR法は、変異型遺伝子の検出や、DNAのメチル化の解析にも応用されている。
また、等温核酸増幅方法のLAMP法やICAN法などは、特別な機器を必要としないことから、より安価な核酸検出法として使用されている。
さらに近年になり行われるようになったゲノム全体の構造解析においては、特に希少な試料からの解析を行う上で、全ゲノム増幅法は重要な技術である。
(i)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(ii)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(iii)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して95%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド、に関する。
(a)DNAポリメラーゼ;
(b)少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(c)下記(i)〜(iii)からなる群より選択された少なくとも一種のポリペプチド:
(i)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(ii)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(iii)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して95%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド、に関する。
(a)本発明の第2の発明の組成物と鋳型になる核酸分子を含む組成物を調製する工程;及び
(b)工程(a)により得られた組成物を適切な条件下で反応させ、核酸増幅を行う工程、に関する。
(B)前記(A)のポリペプチドのアミノ酸配列において、47番目及び76番目のアミノ酸残基を除く1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列において、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列における47番目のセリン及び76番目のアスパラギンに対応するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド、に関する。
(a)DNAポリメラーゼ;
(b)少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(c)下記(i)〜(iii)からなる群より選択された少なくとも一種のポリペプチド:
(i)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(ii)前記(i)のポリペプチドのアミノ酸配列において、47番目及び76番目のアミノ酸残基を除く1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(iii)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列において、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列における47番目のセリン及び76番目のアスパラギンに対応するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド、に関する。
(a)本発明の第5の発明の組成物と鋳型になる核酸分子を含む組成物を調製する工程;及び
(b)工程(a)により得られた組成物を適切な条件下で反応させ、核酸増幅を行う工程、に関する。
(a)前記特定の塩基配列を有する核酸またはその相補鎖とハイブリダイズさせた際に1個もしくは数個のミスマッチを生じるように設計されたオリゴデオキシリボヌクレオチド;
(b)DNAポリメラーゼ;
(c)少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(d)本発明の第1の発明で使用するポリペプチド及び/又は第4の発明のポリペプチド、に関する。
本発明の第7の発明の方法において、使用するミスマッチエンドヌクレアーゼは、本発明の第1の発明で使用するポリペプチド又は第4の発明のポリペプチドと同等のミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有する別の耐熱性菌由来のものと置き換えてもよい。
本発明の第8の発明の方法において、さらに耐熱性菌由来のProliferating cell nuclear antigen (PCNA)あるいはそのホモログの存在下で増幅してもよい。
本明細書において、「ミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド(ミスマッチエンドヌクレアーゼと記載することがある)」とは、二本鎖核酸中のミスマッチ部位を切断する活性を有するヌクレアーゼのことをいう。前記のミスマッチエンドヌクレアーゼ活性は、ミスマッチ塩基対を形成するヌクレオチドに隣接するリン酸ジエステル結合を切断する活性の他、ミスマッチ塩基対から1〜5塩基対、好ましくは1〜3塩基対離れたヌクレオチドに隣接するリン酸ジエステル結合を切断する活性を包含する。本発明においてミスマッチエンドヌクレアーゼは、特定のミスマッチ塩基対を特異的に認識して二本鎖核酸を切断する活性を有するものが好ましく、例えば、少なくともG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するエンドヌクレアーゼが挙げられる。前記エンドヌクレアーゼは、G−Gミスマッチのみ、G−Tミスマッチのみ、あるいはT−Tミスマッチのみを認識・切断するものであってもよい。またG−Gミスマッチ、G−Tミスマッチ及びT−Tミスマッチのうちいずれか2つのミスマッチを認識・切断するものであってもよい。さらにG−Gミスマッチ、G−Tミスマッチ及びT−Tミスマッチのすべてを認識・切断するものであってもよい。
本発明の二本鎖核酸の切断方法は、ミスマッチ塩基対を有する二本鎖核酸に配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又はそのホモログを作用させることで行われる。配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドのホモログとしては、本発明を特に限定するものではないが、配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列において1ないしは数個、例えば、1ないし15個、好ましくは1ないし9個、さらに好ましくは1ないし5個、さらに好ましくは1ないし3個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド、及び配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して90%以上、好ましくは95%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチドが例示される。例えば、上記「(1)本発明の耐熱性ミスマッチエンドヌクレアーゼ及びその変異体」のセクションで例示された配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドのホモログが挙げられる。
本発明のミスマッチエンドヌクレアーゼを利用することにより、PCR法などの核酸増幅法の反応液にこのミスマッチエンドヌクレアーゼを添加するだけの一段階の反応で変異解析を行うことが可能である。PCR法においては、そのサイクル数がある閾値を超えると、反応産物が増加しなくなることが知られている。添加されているdNTPの枯渇や、プライマーと反応産物のアニーリングの競合がその主な原因であるが、この時には反応産物同士のアニーリングが起こっており、変異を有する鋳型と野生型の鋳型が混在していれば、これらから増幅した反応産物同士のアニーリングにより変異部位にミスマッチ塩基対が生じることになる。したがって、本発明のミスマッチエンドヌクレアーゼの共存下でのPCRを通常よりも増加させたサイクル数で実施することだけで、変異解析が可能になる。すなわち、本発明は、配列表の配列番号1及び/又は配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド又はそのホモログを二本鎖核酸に作用させることを含む、変異解析方法を提供する。
本発明の組成物は、DNAポリメラーゼ、少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー、及び配列表の配列番号1及び/又は配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド又はそのホモログを含み、核酸の増幅方法に用いられる。本発明の核酸の増幅方法で用いる組成物は、DNAポリメラーゼ、少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー、及び配列表の配列番号1及び/又は配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド又はそのホモログ以外に、さらに反応緩衝剤、2価の金属イオン、デオキシリボヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプローブ、及びインターカレーティング色素から選択される少なくとも1種を含んでもよい。また、上記の組成物を核酸増幅反応に使用する場合、上記の組成物は、さらに核酸増幅反応の鋳型となる核酸を含んでいても良い。本発明に使用される反応緩衝剤としては、例えばTris−HCl、HEPES−KOH等のグッドバッファーやリン酸ナトリウムバッファー等のリン酸バッファーが挙げられる。特に限定はないが、pH6〜11のリン酸ナトリウムバッファーあるいはTris−HCl緩衝液が好ましい。また、2価の金属イオンとしては、例えばマグネシウムイオン、マンガンイオン、亜鉛イオン、及びコバルトイオンが挙げられる。2価の金属イオンは、塩化物、硫酸塩、又は酢酸塩等の塩の形態で供給され得る。特に限定はされないが例えばマグネシウムイオンは終濃度で0.5〜50mMの範囲、マンガンイオンは終濃度で0.5〜15mMの範囲である。ここで、終濃度とは、核酸増幅反応に供する反応液中の濃度を意味する(以下、同じ)。また、本発明の組成物においては、Bovine serum albumin (BSA)、界面活性剤、無機塩を含んでいてもよい。特に限定はされないが例えばBSAは終濃度で0〜0.2mg/mlの範囲である。界面活性剤としては、Tween20、TritonX−100、及びNP−40が挙げられる。特に限定はされないが例えば界面活性剤は終濃度で0〜0.2%の範囲である。無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルタミン酸カリウム、及び硫酸アンモニウムが挙げられる。特に限定はされないが例えば塩化ナトリウムは終濃度で0〜0.3Mの範囲、塩化カリウムは終濃度で0〜0.2Mの範囲、グルタミン酸カリウムは終濃度で0〜0.6Mの範囲、硫酸アンモニウムは終濃度で0〜0.05Mの範囲である。さらに、耐熱性菌由来のPCNAを含んでいてもよい。特に限定はされないが、Pyrococcus属、Thermococcus属、Methanopyrus属、並びにMethanococcus属由来のPCNAが好適である。
さらに、本発明者らは、本発明の基質特異性の異なるミスマッチエンドヌクレアーゼと適切に設計されたオリゴデオキシリボヌクレオチドとを利用して、核酸増幅反応において特定の塩基配列を有する核酸の増幅を抑制可能であることを見出した。従って、(a)前記特定の塩基配列を有する核酸とハイブリダイズさせた際に1個もしくは数個のミスマッチを生じるように設計されたオリゴデオキシリボヌクレオチド、(b)DNAポリメラーゼ、(c)少なくとも一対のプライマー、及び(d)少なくとも一種類のミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチドの存在下で核酸増幅反応を行う工程を含む、核酸増幅反応において特定の塩基配列を有する核酸の増幅を抑制する方法も、本発明の一態様である。また、この方法を使用して標的核酸の塩基配列と1個もしくは数個の塩基が異なる特定の塩基配列を有する核酸の増幅を抑制することによって、標的核酸を優先的に増幅する方法も本発明の一態様である。
Thermococcus kodakarensis KOD1株(JCM 12380T、以下TKOと称す)は、京都大学工学研究科の跡見晴幸教授より分与された。本株を以下の方法で培養した。即ち、ピルビン酸ナトリウム(ナカライテスク社製)5gを加えたartificial seawater(以下、ASWと称す)−YT培地(0.8×ASW、5g/L濃度のBacto Yeast Extract(DIFCO社製)、5g/L濃度のBacto Trypton(ベクトンディッキンソン社製)、0.1% resazurin(ナカライテスク社製))1Lに培地が無色になるまで硫化ナトリウムを添加した。その後、前記KOD1株を植菌し、85℃で16時間嫌気培養した後、集菌し以降の実験に用いた。なお、ASW−YT培地中に含まれる0.8×ASWの組成は、16g/L濃度のNaCl、2.4g/L濃度のMgCl2・6H2O、4.8g/L濃度のMgSO4・7H2O、0.8g/L濃度の(NH4)2SO4、0.16g/L濃度のNaHCO3、0.24g/L濃度のCaCl2・2H2O、0.4g/L濃度のKCl、0.336g/L濃度のKH2PO4、0.04g/L濃度のNaBr、0.016g/L濃度のSrCl2・6H2O、0.008g/L濃度のFe(NH4)citrateである。前記の培養で得た約2gの菌体を緩衝液L(10mM トリス−塩酸(pH8.0)、1mM EDTA、100mM NaCl)100mlに懸濁し、10%SDSを1ml加えた。この菌体懸濁液を撹拌した後、20mg/mL濃度のプロテイナーゼK(タカラバイオ社製)を1ml加えて、55℃で60分静置した。プロテイナーゼK処理後の菌体懸濁液に順次フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、クロロホルム抽出を施した後、得られた水層にエタノールを加えてDNAを沈殿させた。
回収したDNAを100mlのTE液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)に溶解し、0.75mgのRNaseA(ナカライテスク社製)を加えて37℃で60分反応させた。その後反応液にフェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、クロロホルム抽出を順次施して得られた水層より、エタノール沈殿によりDNAを回収した。最終的に7.5mgのDNAが得られた。
(1)TKO NucSの発現用プラスミドの作製
配列番号1記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子、すなわちTKO nucS遺伝子のクローニングは以下の方法で行なった。まず、調製例1で調製したTKOゲノムDNA 100ngを鋳型にして、配列表の配列番号5記載の塩基配列を有するTK1898−Fおよび配列表の配列番号6記載の塩基配列を有するTK1898−Rをプライマーに用いてPCRを行った。なお、TK1898−Fは制限酵素NdeIの認識配列を有し、TK1898−Rは制限酵素NotIの認識配列を有する。反応液組成は、各プライマー濃度は0.5μM、2.5mM dNTP、1.5mM MgCl2、1UのKOD−Plus−Neo DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)を用いて50μLの反応容量である。PCR条件は、98℃ 10秒、55℃ 30秒、68℃ 1分を1サイクルとする30サイクル反応で行った。
TKO NucSの発現プラスミドであるpET21a−TkoNucSは、前記実施例1(1)で作製されたものを用いた。組換えタンパク質の産生には、ノバジェン社の大腸菌組換えタンパク質発現システム(pET system)を利用した。まず、pET21a−TkoNucSを用いて大腸菌BL21−CodonPlus(DE3)−RIL株(アジレント・テクノロジー社製)を説明書記載の方法で形質転換した。形質転換された菌体は、50μg/mL濃度のアンピシリン及び34μg/mL濃度のクロラムフェニコールを含むLB培地100mlで飽和するまで培養した。こうして得られた培養液を、50μg/mL濃度のアンピシリン及び34μg/mL濃度のクロラムフェニコールを含むLB培地1LにOD600が0.01になるように植菌し、OD600が0.4になるまで37℃で振とう培養した後、IPTGを添加する(終濃度1mM)ことで目的タンパク質の産生誘導を行った。IPTG添加後、25℃で16時間振とう培養して得た培養液を遠心分離(5,000×g 10分間、4℃)して菌体を回収した。
前記(2)で取得した熱処理、遠心分離後の上清に含まれるTKO NucSタンパク質を精製するために、まず終濃度0.15%のポリエチレンイミンをこの上清に添加して混入している核酸を不溶化した。遠心(24,000×g、10分間、4℃)により核酸を除去し、上清を得た。この上清に対して、80%飽和になるように(NH4)2SO4を加え、4℃で一晩撹拌し、目的タンパク質を塩析した。この溶液を遠心分離し(24,000×g、10分間、4℃)、得られた沈殿を1.5M (NH4)2SO4を含む溶液A20mlに溶解させ、AKTA purifierシステム(GEヘルスケア社製)を用い、疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーカラム HiTrap Phenyl HP 5ml(GEヘルスケア社製)に供した。1.5Mから0Mの(NH4)2SO4の濃度勾配によりタンパク質を溶出し、1.4〜0.73M (NH4)2SO4に相当する溶出画分を集めた。この画分を、0.3M塩化ナトリウムを含む溶液Aで一晩透析した。透析後の溶液を遠心分離(23,708×g、10分間、4℃)して得られた上清をアフィニティークロマトグラフィーカラムHisTrap Heparin HP 1ml(GEヘルスケア社製)に供した。0.3Mから1Mの塩化ナトリウムの濃度勾配によりタンパク質を溶出し、0.58〜0.8M 塩化ナトリウムに相当する溶出画分を集めた。この画分を0.35M 塩化ナトリウムを含む溶液Aで一晩透析した。透析後の溶液を遠心分離(24,000×g、10分間、4℃)して得られた上清を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムHiTrap SP HP 1ml(GEヘルスケア社製)に供した。0.35Mから1Mの塩化ナトリウムの濃度勾配によりタンパク質を溶出し、溶出画分を最終精製画分とした。この最終精製産物について12%SDS−PAGEにより純度を確認した。その結果を図1に示す。精製タンパク質の濃度はProtParam tool(http://web.expasy.org/protparam/)で得られたモル吸光係数ε280=12950M−1cm−1を用い、精製タンパク質の280nmにおける吸光度から算出した。
(1)ミスマッチDNA切断反応用基質の調製
TKO NucSのミスマッチ切断活性について実験を行った。本実施例で用いたオリゴヌクレオチドとそれらの塩基配列は配列表の配列番号7〜16に示す。なお、配列表の配列番号7〜9は、5’末端にCy5蛍光標識を有するオリゴヌクレオチドである。
反応溶液(20mM Tris−HCl(pH8.0)、100mM NaCl、6mM (NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSA)20μl中で各濃度のTKO NucS(単量体として0、1、2、5、10、20、50及び100nM)と5nMの基質(G−T dsDNA)を55℃、5分間反応させた後、0.5M EDTA 1μlを加え反応を停止させた。反応停止後、反応液に5mg/mL濃度のプロテイナーゼKを0.5μl加え、30分間処理することでタンパク質の分解を行った。プロテイナーゼK処理後の反応液に、ゲルローディングバッファー(15%Ficoll、10mM Tris−HCl(pH 8.0)、0.1%OrangeG) 4μlを加え、この溶液を10%ポリアクリルアミドゲルに供し、1×TBE中、25mAで30分間の電気泳動を行った。その結果を図3−Aに示す。図3−Aにおいてレーン1〜8は、それぞれTKO NucSの0〜100nMに相当する。さらに、電気泳動後のゲルについて、Typhoon Trio+ imager(GEヘルスケア社製)を用いて反応生成物の検出を行い、Image Quant TLで切断されたオリゴヌクレオチドに相当するバンドの定量を行った。その結果を図3−Bに示す。図3−Bにおいて縦軸は、切断効率(%)であり、横軸はTKO NucSの濃度である。
TKO NucSのミスマッチDNA切断反応における至適pHの検討は、以下のようにして行った。即ち、20mM Glycine−HCl緩衝液(pH3.0)、20mM CH3COOH−CH3COONa緩衝液(pH4.0及び、pH5.0)、20mM MES−HCl緩衝液(pH6.0)、20mM Bis−Tris−HCl緩衝液(pH7.0)、20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、20mM Glycine−NaOH緩衝液(pH9.0及びpH10.0)、20mM CAPS−NaOH緩衝液(pH11.0)、20mM Phosphate−NaOH緩衝液(pH12.0)の各緩衝液及び0.1M NaOHの溶液(pH13.0)に、40mM NaCl、10mM KCl、6mM (NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSAになるように添加したものに、さらにTKO NucS 2nMと、図2に示したG−T dsDNA (配列表の配列番号8記載の塩基配列を有するCy5−45−mismatch オリゴヌクレオチドと配列表の配列番号10記載の塩基配列を有するtemp45−normal オリゴヌクレオチドからなる2本鎖DNA)5nMを添加して55℃で5分間インキュベートした。インキュベート後、反応液をプロテイナーゼK処理し、その後電気泳動に供し切断活性を測定した。その結果を図4に示す。即ち、図4は、反応至適pHを示す図であり、縦軸は相対活性を示し、横軸はpHを示す。
塩の種類と濃度がTKO NucSのミスマッチDNA切断反応に与える影響を検討した。まず、20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、6mM (NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSAに対して、0、50、100、150、200、300、400、600、800及び1000mMのNaCl、KClあるいはK−Glu(グルタミン酸カリウム)を含む反応液を調製し、そこにTKO NucS 2nMとG−T dsDNA 5nMを添加して55℃で5分間インキュベートさせた。インキュベート後、反応液をプロテイナーゼK処理し、その後電気泳動に供し切断活性を測定した。その結果を図5に示す。即ち、図5(A)は、塩化ナトリウム濃度の影響を示す図であり、縦軸は相対活性を示し、横軸は塩濃度を示し、図5(B)は、塩化カリウム濃度の影響を示す図であり、縦軸は相対活性を示し、横軸は塩濃度を示し、図5(C)は、グルタミン酸カリウム濃度の影響を示す図であり、縦軸は相対活性を示し、横軸は塩濃度を示す。
二価金属イオンがTKO NucSのミスマッチDNA切断反応に与える影響を検討した。反応液は、20mM Tris−HCl緩衝液(pH 8.0)、6mM (NH4)2SO4、200mM NaCl、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSAに対して、0、0.5、1、2、5、10、20、50、100及び200mMのMgCl2、あるいは0、0.5、1、2、5、10及び20mMのMnCl2を含む反応液を調製し、そこにTKO NucS 2nMとG−T dsDNA 5nMを添加して55℃で5分間インキュベートさせた。インキュベート後、反応液をプロテイナーゼK処理し、その後電気泳動に供し切断活性を測定した。その結果を図6、および図7に示す。即ち、図6は、塩化マグネシウム濃度の影響を示す図であり、縦軸は相対活性を示し、(A)の横軸は0〜200mMの濃度を示し、(B)の横軸は0〜20mM濃度を示す。同様に図7は、塩化マンガンの影響を示す図であり、縦軸は相対活性を示し、横軸は塩化マンガン濃度を示す。
TKO NucSのミスマッチDNA切断反応における至適温度の検討は以下のようにして行った。即ち、20mM Tris−HCl緩衝液(pH 8.0)、6mM (NH4)2SO4、100mM NaCl、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSAを含む反応液を調製し、そこにTKO NucS 2nMとG−T dsDNA 5nMを添加して30℃から95℃の反応温度で5分間インキュベートさせた。インキュベート後、反応液をプロテイナーゼK処理し、その後電気泳動に供し切断活性を測定した。その結果を図8に示す。即ち、図8は、至適温度を示す図であり、縦軸は相対活性を示し、横軸は反応温度を示す。
(1)様々なミスマッチDNAに対する切断活性
実施例2(1)でアニールして作製した45bpのミスマッチを含まない二本鎖DNA(all match dsDNA)と、それぞれが1か所のミスマッチを含む8種類の二本鎖DNA基質を用いて、TKO NucSの様々なミスマッチDNAに対する切断活性を検討した。即ち、反応溶液(20mM Tris−HCl(pH8.0)、100mM NaCl、6mM (NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSA)20μl中で各濃度のTKO NucS(単量体として0、1、2、5、10、20、50及び100nM)と5nMの基質(all match dsDNA、A−A dsDNA、A−C dsDNA、A−G dsDNA、G−T dsDNA、G−G dsDNA、T−C dsDNA、T−T dsDNA、及びC−C dsDNA)を55℃、5分間反応させた後、0.5M EDTA 1μlを加え反応を停止させた。反応停止後、反応液に5mg/mL濃度のプロテイナーゼKを0.5μl加え、30分間処理することでタンパク質の分解を行った。プロテイナーゼK処理後の反応液にゲルローディングバッファー 4μlを加え、この溶液を10%ポリアクリルアミドゲルに供し、1×TBE中、25mAで30分間の電気泳動を行った。電気泳動後のゲルについて、Typhoon Trio+ imager(GEヘルスケア社製)を用いて反応生成物の検出を行い、Image Quant TLで切断されたオリゴヌクレオチドに相当するバンドの定量を行った。その結果を図9に示す。図9において縦軸は、切断効率(%)であり、横軸はTKO NucSの濃度である。それぞれのミスマッチ基質の切断効率を凡例に示すような異なるマーカーで表しグラフで示した。図9から、TKO NucSは、G−T dsDNA、G−G dsDNA、T−T dsDNA、T−C dsDNA及びA−G dsDNAを切断することが確認できた。
TKO NucSのDNA結合活性について検討した。まず基質特異性を調べるため、結合溶液(20mM Tris−HCl(pH 8.0)、100mM NaCl、6mM (NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSA、1mM DTT)20μl中で各濃度のTKO NucS(単量体として0、1、2、5、10及び20nM)と配列表の配列番号17記載の塩基配列を有し、その5’末端にCy5蛍光標識を有するCy5−15bindingオリゴヌクレオチドと配列表の配列番号18〜26に記載の塩基配列を有する各15bindingオリゴヌクレオチドを図10に示した組み合わせで調製したプローブDNA(ssDNA(Cy5−15binding)、all match(15bp) dsDNA、A−A(15bp)dsDNA、A−C(15bp)dsDNA、A−G(15bp)dsDNA、G−T(15bp)dsDNA、G−G(15bp)dsDNA、T−C(15bp)dsDNA、T−T(15bp)dsDNA及びC−C(15bp)dsDNA)の5nMを37℃で5分間保温した。保温終了後の反応液にゲルローディングバッファー4μlを加え、この溶液を8%ポリアクリルアミドゲルに供し、0.5×TBE中、25mAで30分間の電気泳動を行った。電気泳動後、Typhoon Trio+ imagerを用いて結合活性の検出を行った。その結果を図11に示す。図11においてレーン1〜6及びレーン7〜12は、それぞれTKO NucSの0〜20nMに相当する。図11から、TKO NucSは、G−T(15bp)dsDNA、G−G(15bp)dsDNA及びT−T(15bp)dsDNAに結合することが確認できた。
耐熱性の検討は、以下のようにして行った。即ち、実施例3(2)の記載に従って、単量体として2nM TKO NucSを含み、かつ基質を含まない反応液 18μlを調製した。この反応液を各温度(50、60、70、80、85、90及び95℃)で30分間処理した後に5nMの基質(G−TミスマッチdsDNA)を加え、55℃、5分間反応させた後、0.5M EDTA 1μlを加え反応を停止させた。反応停止後、反応液に5mg/mL濃度のプロテイナーゼK 0.5μlを加え、30分間処理することでタンパク質の分解を行った。プロテイナーゼK処理後の反応液にゲルローディングバッファー4μlを加え、この溶液を10%ポリアクリルアミドゲルに供し、1×TBE中、25mAで30分間の電気泳動を行った。電気泳動後のゲルについてTyphoon Trio+ imagerを用いて反応生成物の検出を行い、Image Quant TLで切断されたオリゴヌクレオチドに相当するバンドの定量を行った。その結果を図12に示す。即ち、図12は、耐熱性を示す図であり、縦軸は残存活性を示し、横軸は処理温度を示す。図12から、TKO NucSは、80℃で30分間処理しても約80%のミスマッチ切断活性が残っていることが確認できた。
T.kodakarensis由来のPCNA1(Genes to Cells、2012年、第11巻、2号、p.923−937、以下TKO PCNAと称す)によるTKO NucSのミスマッチDNA切断反応への影響を検討した。即ち、塩化ナトリウム400mMを含む切断反応溶液Cの20μl中で、二量体として2.5nMの野生型TKO NucS、5nMの基質DNA(G−T dsDNA)、及び各濃度のTKO PCNA(三量体として0、5、10、25、50、125、250、500、及び1250nM)を55℃で5分間反応させた後、0.5M EDTA 1μlを加えて反応を停止させた。反応停止後、反応液に5mg/mL濃度のプロテイナーゼK 1μl及び10%SDS 1μlを加え、50℃で1時間反応させることでタンパク質の分解を行った。
プロテイナーゼK/SDS処理後の反応液にゲルローディングバッファーを4.5μl加え、この溶液を10%ポリアクリルアミドゲルに供し、1×TBE中、25mAで20分間の電気泳動を行った。
(1)変異型TKO NucSの発現用プラスミドの作製
TKO NucSの各種部位特異的変異体発現用のプラスミドを構築するため、配列表の配列番号27〜30記載の塩基配列を有するプライマーを作製した。次に、変異型TKO NucS産生用プラスミドを構築するため、PCRを利用した変異導入法を用いた。
変異型TKO NucS S47A/N76AのミスマッチDNA切断活性を解析した。即ち、反応溶液(20mM Tris−HCl(pH8.0)、100mM NaCl、6mM (NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1%Triton X−100、0.1mg/mL濃度のBSA)20μl中で5nMの基質(A−A dsDNA)とそれぞれ野生型TKO NucS及び変異型TKO NucS S47A/N76Aを二量体として50nM添加し、55℃、5分間反応させた。その後、0.5M EDTA 1μlを加え反応を停止させた。反応停止後、反応液に5mg/mL濃度のプロテイナーゼKを0.5μl加え、30分間処理することでタンパク質の分解を行った。プロテイナーゼK処理後の反応液にゲルローディングバッファー 4μlを加え、この溶液を10%ポリアクリルアミドゲルに供し、1×TBE中、25mAで30分間の電気泳動を行った。
SEQ ID NO: 2: nucleotide sequence of wild type endonuclease NucS from Thermococcus kodakarensis
SEQ ID NO: 3: amino acid sequence of mutant endonuclease NucS from Thermococcus kodakarensis
SEQ ID NO: 4: nucleotide sequence of mutant endonuclease NucS from Thermococcus kodakarensis
SEQ ID NO: 5: TK1898-F primer
SEQ ID NO: 6: TK1898-R primer
SEQ ID NO: 7: Substrate for TKO NucS, named as Cy5-45-nondamaged. "5'-end is labeled with Cy5"
SEQ ID NO: 8: Substrate for TKO NucS, named as Cy5-45-mismatch. "5'-end is labeled with Cy5"
SEQ ID NO: 9: Substrate for TKO NucS, named as Cy5-temp45. "5'-end is labeled with Cy5"
SEQ ID NO: 10: Substrate for TKO NucS, named as temp45-normal.
SEQ ID NO: 11: Substrate for TKO NucS, named as temp45-21A.
SEQ ID NO: 12: Substrate for TKO NucS, named as temp45-21C.
SEQ ID NO: 13: Substrate for TKO NucS, named as temp45-21G.
SEQ ID NO: 14: Substrate for TKO NucS, named as 45-mismatch25C.
SEQ ID NO: 15: Substrate for TKO NucS, named as 45-mismatch25T.
SEQ ID NO: 16: Substrate for TKO NucS, named as nondamaged-22C.
SEQ ID NO: 17: Substrate for TKO NucS, named as Cy5-15binding. "5'-end is labeled with Cy5"
SEQ ID NO: 18: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_AT.
SEQ ID NO: 19: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_AA.
SEQ ID NO: 20: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_CA.
SEQ ID NO: 21: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_GA.
SEQ ID NO: 22: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_GT.
SEQ ID NO: 23: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_GG.
SEQ ID NO: 24: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_CT.
SEQ ID NO: 25: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_TT.
SEQ ID NO: 26: Substrate for TKO NucS, named as 15binding_CC.
SEQ ID NO: 27: A47-F primer
SEQ ID NO: 28: A47-R primer
SEQ ID NO: 29: A76-F primer
SEQ ID NO: 30: A76-R primer
Claims (10)
- 二本鎖核酸の切断方法であって、下記(i)〜(iii)からなる群より選択された少なくとも一種のポリペプチドをミスマッチ塩基対を有する二本鎖核酸に作用させ、当該二本鎖核酸の両鎖をG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチ塩基対部位で認識して切断することを特徴とする、方法:
(i)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(ii)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(iii)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して95%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド。 - 下記(a)〜(c)を含む組成物:
(a)DNAポリメラーゼ;
(b)少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(c)下記(i)〜(iii)からなる群より選択された少なくとも一種のポリペプチド:
(i)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(ii)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(iii)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して95%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつG−G、G−TあるいはT−Tミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド。 - 核酸の増幅方法であって、下記(a)〜(b)の工程を含む方法:
(a)請求項2に記載の組成物と鋳型になる核酸分子を含む組成物を調製する工程;及び(b)工程(a)により得られた組成物を適切な条件下で反応させ、核酸増幅を行う工程。 - 下記(A)〜(C)からなる群より選択されるポリペプチド:
(A)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(B)前記(A)のポリペプチドのアミノ酸配列において、47番目と76番目のアミノ酸残基を除く1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列において、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列における47番目のセリンと76番目のアスパラギンに対応するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド。 - 下記(a)〜(c)を含む組成物:
(a)DNAポリメラーゼ;
(b)少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(c)下記(i)〜(iii)からなる群より選択された少なくとも一種のポリペプチド:
(i)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(ii)前記(i)のポリペプチドのアミノ酸配列において、47番目と76番目のアミノ酸残基を除く1ないしは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド;及び
(iii)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列において、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列における47番目のセリンと76番目のアスパラギンに対応するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されてなるアミノ酸配列を有し、かつA−A、A−CあるいはC−Cミスマッチを認識して切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有するポリペプチド。 - 核酸の増幅方法であって、下記(a)〜(b)の工程を含む方法:
(a)請求項5に記載の組成物と鋳型になる核酸分子を含む組成物を調製する工程;及び(b)工程(a)により得られた組成物を適切な条件下で反応させ、核酸増幅を行う工程。 - 核酸増幅反応において特定の塩基配列を有する核酸の増幅を抑制する方法であって、下記の(a)〜(d)の存在下で核酸増幅反応を行う工程を含む方法:
(a)前記特定の塩基配列を有する核酸またはその相補鎖とハイブリダイズさせた際に1個もしくは数個のミスマッチを生じるように設計されたオリゴデオキシリボヌクレオチド;
(b)DNAポリメラーゼ;
(c)少なくとも一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(d)請求項1記載の方法で使用するポリペプチド及び/又は請求項4記載のポリペプチド。 - 標的核酸を優先的に増幅する方法であって、当該標的核酸と1個もしくは数個の塩基が異なる塩基配列の核酸の増幅を請求項7記載の方法で抑制することを特徴とする方法。
- 請求項8記載の方法であって、さらに耐熱性菌由来のProliferating cell nuclear antigen (PCNA)あるいはそのホモログの存在下で標的核酸の増幅を実施することを特徴する方法。
- 請求項1記載の方法で使用するポリペプチド及び/又は請求項4記載のポリペプチドを用いた標的核酸の変異検出方法。
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