JP2007295838A - 核酸増幅を利用した核酸ミスマッチ検出方法 - Google Patents

核酸増幅を利用した核酸ミスマッチ検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、二本鎖核酸におけるミスマッチを正確に効率よく検出する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】以下の工程を含む、核酸におけるミスマッチを検出する方法。(a)任意の核酸、該核酸を増幅しうるプライマーおよび試薬類、ならびに、ミスマッチ結合タンパク質を接触させて増幅反応溶液を得る工程(b)該プライマーを延伸することにより核酸を増幅する工程(c)核酸が増幅したか否かを検出し核酸の間のミスマッチの有無を判定する工程
【選択図】なし

Description

本発明は、ミスマッチ結合タンパク質を用いることを特徴とする、二本鎖核酸のミスマッチを検出する方法に関する。本発明の方法によれば、DNA塩基配列における一塩基遺伝子多型(SNPs:Single Nucleotide Polymorphism、一塩基置換あるいはSNPともいう)を検出することができる。
ゲノム配列解析に続いて注目されているのは、遺伝子発現プロフィール分析や遺伝子中のSNPsの分析である。種々条件下で発現している遺伝子、種々個体の遺伝子変異等の解析により遺伝子機能、遺伝子と疾患あるいは医薬品感受性との関連が調べられている。また、これらの遺伝子に関する知識を用いて疾患の診断などが行われつつある。
核酸配列における変異の検出は、医学遺伝学の分野において非常に重要である。遺伝的変異の検出は、遺伝病における分子生物学的根拠の決定、遺伝的なカウンセリングのためのキャリアー及び出生前診断の提供、医薬における個人別化の促進、並びに遺伝学的研究における多型の同定等において重要である。
DNAレベルでの遺伝的変異の検出と分析は、核型分類、制限断片長多型(RFLPs:Restriction Fragment Length Polymorphism)もしくは可変核酸型多型(VNTRs:Variable Numbers of Tandem Repeats)、さらに近年ではSNPs分析により行われてきた(非特許文献1〜5)。これまでに、非常に広範な技術がSNPの検出及び解析のために開発されている(特許文献1〜9)が、より簡便で効率の良い方法の開発が求められている。
一方、特許文献10には、ヘテロ二本鎖核酸内の隆起ループに特異的に結合する熱安定性蛋白質が開示されている。
米国特許第5,858,659号 米国特許第5,633,134号 米国特許第5,719,028号 国際公開98/30717号パンフレット 国際公開97/10366号パンフレット 国際公開98/44157号パンフレット 国際公開98/20165号パンフレット 国際公開95/12607号パンフレット 国際公開98/30883号パンフレット 公表特許公報平11-511010号広報 Lai E., et al., Genomics 1998; 15; 54 (1): p. 31-8 Gu Z., et al., Hum Mutat. 1998; 12 (4): p. 221-5 Taillon-Miller P., et al., Genome Res. 1998; 8 (7): p.748-54 Weiss KM., Genome Res. 1998; 8 (7): p. 691-7 Zhao LP., et al., Am J Hum Genet. 1998; 63 (1): p. 225-40.
本発明は、二本鎖核酸のミスマッチをより効率よく正確に検出する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、核酸増幅時にミスマッチ結合タンパク質を接触させてることで、ミスマッチが存在する核酸の増幅を選択的に抑制しうることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は下記構成よりなる。
<1>
以下の工程を含む、二本鎖核酸におけるミスマッチを検出する方法。
(a)任意の二本鎖核酸、該二本鎖核酸を増幅しうるプライマーおよび試薬類、ならびに、ミスマッチ結合タンパク質を接触させて増幅反応溶液を得る工程
(b)該プライマーを延伸することにより核酸を増幅する工程
(c)核酸が増幅したか否かを検出し二本鎖核酸のミスマッチの有無を判定する工程
<2>
増幅する工程(b)がポリメラーゼ増幅反応による工程である上記<1>に記載の方法。
<3>
増幅する工程(b)がリガーゼ増幅反応による工程である上記<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<4>
増幅する工程(b)がPCR増幅反応による工程である上記<2>に記載の方法。
<5>
増幅する工程(b)が等温増幅反応による工程である上記<2>に記載の方法
<6>
増幅する工程(b)がLAMP増幅反応による工程である上記<5>に記載の方法。
本発明の方法によれば、SNPs等の二本鎖の核酸が有するミスマッチの有無をより効率よく正確に検出することができる。本発明の方法は、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬等の用途に適用することができる。
本発明は、ミスマッチ結合タンパク質を利用して、二本鎖核酸が有するミスマッチを検出する方法に関する。本発明の方法は、二本鎖核酸におけるミスマッチに対するミスマッチ結合タンパク質の認識能力、および、ミスマッチ結合タンパク質が二本鎖核酸に結合していると核酸複製反応が阻害される現象を利用する方法であり、核酸増幅反応の成否(増幅量)を指標とする。
本発明の方法は、
(a)任意の核酸、該標的核酸を増幅しうるプライマーおよび試薬類、ならびに、ミスマッチ結合タンパク質を接触させて増幅反応溶液を得る工程、
(b)該プライマーを延伸することにより核酸を増幅する工程、
(c)核酸が増幅したか否かを検出し対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する工程、を含む。
本発明の方法の原理を、以下に説明する。
まず、ミスマッチを有するかどうか判定する対象である核酸を調製する。核酸は、プライマーなどとして人工合成した配列であっても、天然物由来の配列であってもよい。
たとえばSNPsを検出する場合は、あらかじめ、変異を有することが疑われる標的核酸と対照核酸(変異を有しない核酸)とを調製し、これらを互いにハイブリダイズさせたものを用いる。ハイブリダイズの結果、標的核酸が変異を有すれば、対照核酸とのハイブリダイズによりヘテロ二本鎖核酸(ミスマッチを有する二本鎖核酸)が生じる。一方、標的核酸に変異がなければ、ホモ二本鎖核酸(ミスマッチを有しない二本鎖核酸)のみが生じ、ヘテロ二本鎖核酸は生じない。
二本鎖核酸に対し、ミスマッチ結合タンパク質を接触させた場合、ミスマッチ結合タンパク質はミスマッチを有するヘテロ二本鎖核酸には結合するが、ホモ二本鎖核酸には結合しない。
次に、二本鎖核酸の増幅を行う。ミスマッチ結合タンパク質がヘテロ二本鎖核酸に結合した状態で核酸増幅方法を適用すると、増幅反応は抑制される。一方、ミスマッチ結合タンパク質が結合していないホモ二本鎖においては、増幅がおきる。
したがって、二本鎖核酸の増幅の有無を調べることにより、試料の二本鎖核酸がミスマッチを有するか否か判定することができる。SNPsの検出においては、標的核酸が変異を有するか否かを判定できる。
また、ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における二本鎖核酸の増幅量を検証することでもミスマッチの有無を判別することができる。
本発明において「ミスマッチ」とは、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)(RNAの場合はウラシル(U))から選択される一組の塩基対が正常な塩基対(A/TまたはG/C)ではないことを指す。本発明において「ミスマッチ」には、1つのミスマッチのみならず、複数の連続したミスマッチ、1または複数の塩基の挿入および/または欠失により生じるミスマッチ、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
本発明において「ミスマッチ」とは、一組の塩基対が正常な塩基対(DNAの場合はアデニン(A)/チミン(T)およびグアニン(G)/シトシン(C)、RNAの場合は(A)/ウラシル(U)およびグアニン(G)/シトシン(C))ではないことを指す。本発明において「ミスマッチ」には、1つのミスマッチのみならず、複数の連続したミスマッチ、1または複数の塩基の挿入および/または欠失により生じるミスマッチ、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
本発明において「変異」とは、対照核酸と比較した場合における標的核酸中の異なる塩基(二本鎖核酸の場合には塩基対)を指す。
本発明において「核酸」は、特に制限されず、DNAおよびRNAあるいはその他の人工核酸(所謂PNA等)いずれも用いることができ、例えば、cDNA、ゲノムDNA、mRNA等の天然試料であっても、合成ポリヌクレオチドであってもよい。また二本鎖核酸、並びに直鎖状核酸および環状核酸を含む。1本鎖核酸のSNPsについても、対照核酸とハイブリダイズさせることで検証できる。
本発明において「対照核酸」とは、変異を有しない核酸を指す。また、「標的核酸」とは、対照核酸とは異なる塩基(変異)を有することが疑われる核酸を指す。標的核酸は、変異を有しなければ対照核酸と同一の核酸であり、変異を有すれば、該変異部位のみ対照核酸と異なる核酸である。例えば、遺伝子病が疑われる患者の遺伝子における変異を検出する場合において変異を有することが疑われる患者の遺伝子は標的核酸であり、この遺伝子に対応する健常者の遺伝子は対照核酸である。
本発明の方法に用いられる標的核酸としては、特に制限はなく、変異を有するか否かを検出したい所望の核酸を用いることができる。また、対照核酸は、標的核酸に対応する核酸であって、仮に標的核酸が変異を有しなければ、標的核酸と同一の核酸を用いる。この同一とは、両者がハイブリダイズする領域において同一の意味であり、長さに相違があってもよいが、可能であれば長さも揃えることが望ましい。標的核酸および対照核酸は、1本鎖であっても二本鎖であってもよいが、両者が1本鎖の場合には、仮に標的核酸が変異を有しなければ、互いに相補鎖である。
本発明の方法においては、標的核酸と対照核酸をハイブリダイズさせる(但し、二本鎖である場合は、変性して一本鎖に解離させて、両者をハイブリダイズさせる)。これにより、二本鎖核酸を形成させる(二本鎖核酸は標的核酸に変異がある場合には、ヘテロ二本鎖核酸とホモ二本鎖核酸の混合物となり、標的核酸に変異がない場合には、ホモ二本鎖核酸のみとなる)。
二本鎖核酸の変性方法としては、例えば、溶液のpHを酸性またはアルカリ性にする方法と、溶液を高温にする方法が挙げられる。pHを変化させる方法としは、例えば 0.1M NaOH、0.1M HCl溶液に置換する方法が挙げられる。また、温度を上げる方法は、核酸の融解温度(Tm)以上にすればよいが、通常、95℃程度が用いられる。
二本の一本鎖核酸のハイブリダイズは、溶液のpHを中性に戻すこと、または温度を徐々に下げ Tm以下にすることにより容易に行うことができる。ハイブリダイズにより二本鎖核酸を形成させる過程で一本鎖核酸が残っていると予想される場合には、例えばカラムで1本鎖核酸を除去するか、または予め大腸菌SSBタンパク質などで1本鎖核酸をブロックすることが好ましい。
本発明の方法は、単一のミスマッチ塩基対、複数の連続したミスマッチ、1塩基対複数塩基のミスマッチ、さらには二本鎖核酸の少なくとも片側の鎖における1または複数の塩基の欠失および/または挿入によって生じるミスマッチの検出に好適に適用することができる。
本発明の方法に用いられるミスマッチ結合タンパク質は、二本鎖核酸におけるミスマッチを認識、結合するタンパク質であり、例えばMutS、MSH2、MSH6が好適に挙げられるが、二本鎖核酸中のミスマッチを認識しうる限りその由来に制限はない。また、二本鎖核酸中のミスマッチを認識しうる限り、これらタンパク質の部分ペプチドであってもよい。さらにまた、ミスマッチ結合タンパク質はグルタチオン−S−トランスフェラーゼ等、他のタンパク質との融合タンパク質等であってもよい。
また、ミスマッチ結合タンパク質は、二本鎖核酸中のミスマッチを認識しうる限り、天然型のタンパク質のアミノ酸配列中、1つ若しくは複数のアミノ酸を置換、欠失、付加、および/または挿入したアミノ酸配列からなるタンパク質(変異体)であってもよい。このような変異体は、自然界において生じることもあるが、公知の方法を適宜利用して人為的に調製することも可能である。
ミスマッチ結合タンパク質は、天然のタンパク質として、または組換えタンパク質として、陰イオン交換カラム、陽イオン交換カラム、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー、硫酸アンモニウム分画等の公知の方法を適宜組み合わせて調製することが可能である。また、組換えタンパク質で発現量が多い場合には、陽イオン交換カラムおよびゲル濾過カラムを用いたクロマトグラフィーのみにより容易に調製することも可能である。ミスマッチ結合タンパク質は市販品も利用することができる。
ミスマッチ結合タンパク質の使用量は、通常、試料の核酸1μgに対して0.1μg〜100μg、好ましくは1μg〜10μgである。
二本鎖核酸を増幅しうるプライマーおよび試薬としては、LAMP増幅反応やRCA(Rolling Circle Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法等の等温増幅反応や一般的なPCR増幅反応等のポリメラーゼ増幅反応、LCR等のリガーゼ増幅反応など、公知の核酸増幅法に用いるものが利用できる。
具体的には、各方法に適したように設計されたプライマーの核酸と、ポリメラーゼ及び/あるいはリガーゼ(好ましくはTaqポリメラーゼ等の耐熱酵素)、核酸基質(dATP/dTTP(dUTP)/dCTP/dGTPのdNTP)、それらに適した緩衝液(たとえばTris−SO4など)と安定化剤(たとえばMgCl2)や副反応の阻害剤(たとえばRNAse)などであり、従来の核酸増幅と同様の種類、量および方法で用いることができる。市販の核酸増幅キット等を用いることもできる。
プライマーは、検出する対象のミスマッチの近傍またはミスマッチを含むように設計することが好ましく、より好ましくはミスマッチがプライマーに含まれるように、さらに好ましくはプライマーの3’末端近傍(好ましくは3’末端から1〜5塩基以内)にミスマッチが含まれるようにプライマーを設計する。
本発明の方法における二本鎖核酸とミスマッチ結合タンパク質との接触は、該タンパク質が該二本鎖核酸中のミスマッチ領域に結合しうる条件(例えば、適当なpH、溶媒、イオン環境、温度)で行なわれる。反応温度や塩濃度、イオンの種類、バッファーのpH等の詳細な条件は適宜調整することができる。
核酸が増幅したか否かを検出する手段としては、エチジウムブロマイドやインターカレーター蛍光色素等の各種染色、UV吸収、ラジオアイソトープ、ピロリン酸の検出、標識プローブによる検出等を用いた通常の方法を用いることができる。適当な濃度や感度などの条件を設定して有無を判別することも簡便なため公的であり、また濃度を求めることも正確さを期す上で好ましい。
核酸の間のミスマッチの有無を判定するにあたり、ミスマッチを含むことが判っている系(ネガティブコントロール)やミスマッチを含まないことが判っている系(ポジティブコントロール)と、試料の核酸における系を対比して判定することがより好ましい。
本発明の方法は、遺伝子病患者の罹病が疑われる患者において特定の遺伝子が変異を有するか否かを調べるため、患者由来の遺伝子と健常者の遺伝子が同一の塩基配列を有するか否かを調べることに利用することができる。本発明の方法においては、標的遺伝子のいかなる位置に変異が存在しても検出することが可能であり、検査対象となる遺伝子の変異部位や変異の種類が既知である必要はない点でも優れている。
さらには、プライマーやプローブとして人工的に合成された配列に本発明の方法を適用することで、その配列の精度をより向上させることができる。
<実施例1> アルデヒド脱水素酵素遺伝子(ALDH2遺伝子)関連部位の1塩基多型(SNPs)検出
(一塩基多型に対応する部分をプライマーの3'末端付近に設定した例)
(1)核酸試料液の調製
予め塩基配列のシーケンシングにより、ALDH2遺伝子関連部位の特定の1塩基種が異なることにより、ALDH2活性型(ホモジニアス)、ALDH2不活性型(ホモジニアス)であることが既知である、各々1人から採取した血液試料のそれぞれから、市販の核酸抽出、精製キット(QIAGEN社製、QIAamp DNA Blood Mini Kit)を用いて抽出、精製したゲノミック核酸断片を1mLの精製蒸留水中に回収することで、ターゲット核酸断片を含む核酸試料液を調製した。
(2) 増幅反応溶液の調整、および核酸増幅(PCR法)
上記(1)で、ALDH2活性型(ホモジニアス)またはALDH2不活性型(ホモジニアス)それぞれのヒト全血試料から抽出・精製して得たタ−ゲット核酸断片を含む核酸試料液をそのまま用いて、以下の条件でPCR増幅を行った。
<プライマー>
プライマーは、12番染色体上のALDH2遺伝子関連部位のなかに、共通のプライマー(upper)と、ALDH2の活性を決定する1塩基多型に対応する部分を3'末端付近に設定(lower-1とlower-2に記載のプライマー塩基配列の下線部分)した、ALDH2活性型および不活性型に対応する、2種のプライマ−(lower−1)および、プライマ−(lower−2)のセットを使用した。なお。lowerプライマーの1塩基多型に対応する配列の1塩基分5‘上流の塩基を変え(T→A)、人為的にミスマッチを作り出した.
活性型検出用プライマー
プライマー(upper)(配列番号1):
5’−AACGAAGCCCAGCAAATGA−3’
プライマー(lower-1) (配列番号2):
5’−GGGCTGCAGGCATACACAGA−3’
不活性型検出用プライマー
プライマ−(upper) (配列番号3):
5’−AACGAAGCCCAGCAAATGA−3’
プライマ−(lower-2) (配列番号4):
5’−GGGCTGCAGGCATACACAAA−3’
以下に示す反応液の組成で、[変性:94℃・20秒、アニーリング:60℃・30秒、ポリメラーゼ伸長反応:72℃・1分30秒]を35サイクル繰り返すことでPCR増幅を実施した。
<実施例1のPCR反応液の組成>
Taq−MutS(日本ジーン製、1μg/ml) 1μL
2.5mM dNTP 5μL
5μM プライマ−(upper) 2μL
5μM プライマ−(lower−1または−2) 2μL
Ex Taq (5U/μl)※ 0.5μL
10×PCRバッファ−※ 5μL
(1)で得た核酸試料液 0.5μL
精製水 34μL
(※ともにTAKARAバイオ製 Ex Taq キット)
比較例1)として、下記に示す反応液の組成にて、それ以外は実施例1)と同条件で反応を行った。(Taq-MutS を入れない)
<比較例1のPCR反応液の組成>
10×PCRバッファ− 5μL
2.5mM dNTP 5μL
5μM プライマ−(upper) 2μL
5μM プライマ−(lower−1または−2) 2μL
Taq 0.5μL
(1)で得た核酸断片試料液 0.5μL
精製水 35μL
実施例1の増幅産物1μlをアガロースゲル電気泳動しエチジウムブロマイドにより染色し、紫外線で観察た結果を図1、比較例1の結果を図2に示す。
実施例1、比較例1の結果より、本発明においては試料中の既知であるALDH2の活性型すなわちアルデヒド脱水素酵素遺伝子(ALDH2遺伝子)関連部位の一塩基多型(SNPs)を検出できていることがわかる。
<実施例2> LAMP法によるβアクチン遺伝子関連部位の1塩基多型(SNPs)検出
(一塩基多型に対応する部分をLAMP Fプライマーの末端付近に設定した例)
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
βアクチンの任意の遺伝子部分をプラスミドに組み込み野生型サンプルとした。
また、選択した1つの塩基配列をGからTに組み替えたものを作成し、変異型サンプルとした。
(2) LAMP増幅
上記(1)で、野生型、変異型各サンプルから抽出・精製して得たタ−ゲット核酸断片を含む核酸試料液をそのまま用いて、以下の条件でLAMP増幅を行った。
<プライマー>
プライマーは、βアクチン遺伝子関連部位の任意の部分を認識する4つのプライマー(U1、L1、U2、L2、)と、ループ部分と相補的なプライマー(lp)計5種のプライマ−を用いた。
U1(配列番号5)
CTCTGGGCCTCGTCGCTTTTGGGCATGGGTCAGAAGGATT
L1(配列番号6)
TACCCCATCGAGCACGGTTTTCATGTCGTCCCAGTTGGTGA
U2(配列番号7)
GGGCTTCTTGTCCTTTCCTTC
L2(配列番号8)
CCACACGCAGCTCATTGTAG
lp(配列番号9)
CTCTGGGCCTCGTCGC
以下に示す反応液の組成で、60℃で30分間、LAMP法による増幅反応を行った。
<反応液の組成>
Taq−MutS(日本ジーン製、1μg/ml) 1μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v)Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP 1.4μL
U1 プライマ−(upper) 1.6μL
L1 プライマ−(upper) 1.6μL
U2 プライマ−(upper) 1.6μL
L2 プライマ−(upper) 1.6μL
lp プライマ−(upper) 1.6μL
Bst.Polymerase (NEB社製、10U/μl)
1.0μL
10×Bst バッファ−(20mM Tris-HCl(pH8.8)、10mM KCL、10mM 硫酸アンモニウム 2mM 硫酸マグネシュウム)
2.5μL
(1)で得た核酸試料液 0.5μL
精製水 10.2μL
比較例2)として、下記に示す反応液の組成にて、それ以外は実施例2)と同条件で反応を行った。(Taq-MutS を入れない)
<反応液の組成>
10×Bst バッファ− 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v)Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP 1.4μL
U1 プライマ−(upper) 1.6μL
L1 プライマ−(upper) 1.6μL
U2 プライマ−(upper) 1.6μL
L2 プライマ−(upper) 1.6μL
lp プライマ−(upper) 1.6μL
Bst.Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸断片試料液 0.5μL
精製水 9.2μL
実施例2、比較例2の増幅産物をアガロースゲル電気泳動した結果を図3に示す。
実施例2、比較例2の結果より、実施例2においては野生型と変異型との判別が明らかにできるようになったことがわかる。
実施例1の結果を示す図である。 比較例1の結果を示す図である。 実施例2および比較例2の結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 以下の工程を含む、核酸におけるミスマッチを検出する方法。
    (a)任意の核酸、該核酸を増幅しうるプライマーおよび試薬類、ならびに、ミスマッチ結合タンパク質を接触させて増幅反応溶液を得る工程
    (b)該プライマーを延伸することにより核酸を増幅する工程
    (c)核酸が増幅したか否かを検出し核酸の間のミスマッチの有無を判定する工程
  2. 増幅する工程(b)がポリメラーゼ増幅反応による工程である請求項1に記載の方法。
  3. 増幅する工程(b)がリガーゼ増幅反応による工程である請求項1または2に記載の方法。
  4. 増幅する工程(b)がPCR増幅反応による工程である請求項2に記載の方法。
  5. 増幅する工程(b)が等温増幅反応による工程である請求項2に記載の方法
  6. 増幅する工程(b)がLAMP増幅反応による工程である請求項5に記載の方法。
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